説明

電子機器冷却用樹脂ホース

【課題】ホースの内管内層にポリアミド12を用いた場合よりも、防錆剤中の金属イオンの透過を抑制し、柔軟性に優れ、ホースの外被層にゴムを用いた場合よりも、難燃性、及び製造性に優れた電子機器冷却用樹脂ホースを提供する
【解決手段】内側から、ポリブテン樹脂を含む内管内層2と、熱可塑性樹脂を含む内管外層3と、補強層4と、難燃処理したポリウレタン樹脂を含む外被層6とを少なくとも備えた電子機器冷却用樹脂ホース10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器冷却用樹脂ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
大型コンピューターサーバー等に代表される電子機器から発せられる熱の冷却方式は、ファンクーラー等の空冷方式が一般的である。近年、節電・省エネルギーや冷却効率向上のため、従来の空冷式に代わり、水冷式が利用されつつある。
【0003】
水冷式の冷却方法は、例えば、自動車用エアコンや、コンピューターサーバー等の熱を持つ機器の表面に接着した冷媒輸送用管に冷媒を流すことにより、機器の熱を除去する方法である。冷媒輸送用管は、配管便宜上、柔軟性のある管が求められ、ゴムホースが用いられてきた。
また、冷媒輸送用管が破れて冷媒が電子機器等にかかると、電子機器等を損傷しかねないため、冷媒輸送用管として、冷媒に接する管内層をゴムからポリアミド12樹脂に置き換えたホースが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
また、管内層を樹脂で形成したホースとして、ポリブテン樹脂の管内層を用いた給水・給湯用ホースが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
なお、冷媒には、水道水等が用いられるが、水道水には、水道管の錆発生防止(赤水防止)のため、防錆剤が含まれている。防錆剤には、一般に、リン酸塩、ケイ酸塩、その他の金属イオンが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−15245号公報
【特許文献2】特開平11−336956号公報
【特許文献3】特開平10−220653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ホースの内管内層にポリアミド12を用いた場合よりも、防錆剤中の金属イオンの透過を抑制し、柔軟性に優れ、ホースの外被層にゴムを用いた場合よりも、難燃性に優れた電子機器冷却用樹脂ホースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、以下の本発明によって達成することができる。
<1> 内側から、ポリブテン樹脂を含む内管内層と、熱可塑性樹脂を含む内管外層と、補強層と、難燃処理したポリウレタン樹脂を含む外被層とを少なくとも備えた電子機器冷却用樹脂ホースである。
【0009】
<2> 前記内管内層の層厚は、0.1mm〜0.5mmである前記<1>に記載の電子機器冷却用樹脂ホースである。
【0010】
<3> 前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂である前記<1>または前記<2>に記載の電子機器冷却用樹脂ホースである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、内管の構成をポリブテン樹脂(内層)と熱可塑性樹脂(外層)との組合せとすることで、ポリアミド12を用いた場合に比べ、ホースの柔軟性及び金属イオンの透過抑制に優れた電子機器冷却用樹脂ホースを提供することができる。さらにホース外被に難燃処理したポリウレタン樹脂を用いることで難燃性に優れた電子機器冷却用樹脂ホースを提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、内管内層の層厚を0.1mm以上とすることで、より金属イオン透過性を抑制し、0.5mm以下とすることでホースが硬化することを抑制することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、内管外層にオレフィン系熱可塑性樹脂を用いることで、特に柔軟性に優れたホースとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は電子機器冷却用樹脂ホ−スの一部切欠斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の電子機器冷却用樹脂ホースを、図面をもって詳細に説明する。
図1は電子機器冷却用樹脂ホースの一部切欠斜視図である。図1に示すように、電子機器冷却用樹脂ホース(以下、「ホース」とも称する)10は、内管内層2及び内管外層3を少なくとも有する内管1、内管1の外面を被覆する補強層4、補強層4を更に被覆する外被層6を、少なくとも有する。ホース10は、本発明の効果を損なわない限度において、さらに中間層を設けたり、内管内層2、内管外層3、補強層4、及び外被層6を、各々独立に、2層以上重ねて形成してもよい。
【0016】
内管1は、少なくとも内管内層2及び内管外層3を有する。内管内層2はポリブテン樹脂を含み、内管外層3は熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomer;TPE)を含む。
【0017】
内管内層2に含まれるポリブテン樹脂は、ブテンの単独重合体でも、ブテン由来の繰り返し単位50モル%以上と他の繰り返し単位(例えば、ブテン以外のα−オレフィン)との共重合体であってもよい。ポリブテン樹脂の単量体であるブテンとしては、1−ブテンと2−ブテンが挙げられる。
また、ポリブテン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、110万〜130万であることが好ましい。
【0018】
後述するように、内管1は、内管内層2と内管外層3とを共押し出しすることにより成形することが好ましい。従って、共押し出し成形におけるポリブテン樹脂の加熱溶融のし易さ、及び、内管内層2と内管外層3との密着性の観点から、内管内層2に含まれるポリブテン樹脂には、重量平均分子量(Mw)が110万〜130万である1−ブテン単独重合体のポリブテン樹脂を用いることが好ましい。
このようなポリブテン樹脂は、三井化学社製、ピューロンP5050等として入手することができる。
【0019】
内管内層2の少なくとも1つは、ホース10の最も内部に位置し、冷媒と接する接液部である。内管内層2にポリブテン樹脂を含むことで、冷媒中に含まれる防錆剤中の金属イオンの透過を抑制する。また冷媒自体が内管から漏れることも防止し得る。
内管1を、補強層4で被覆するとき、また、さらに補強層4を外被層6で被覆するときに、内管1を潰れにくくする観点から、内管内層2に含まれるポリブテン樹脂は、硬度69度〜79度であることが好ましい。
【0020】
また、ホース10の柔軟性を上げるため、内管内層2の層厚は薄く、0.1mm〜0.5mmとすることが好ましい。内管内層2の層厚を0.1mm以上とすることで、より金属イオン透過性を抑制し、0.5mm以下とすることでホース10が硬化することを抑制することができる。内管内層2の層厚は、0.1mm〜0.4mmとすることがより好ましい。
【0021】
内管外層3は、ホース10の柔軟性を発現するため、熱可塑性樹脂を含む。内管1を、少なくとも、ポリブテン樹脂を含む内管内層2と熱可塑性樹脂を含む内管外層とにより構成することで、冷媒中の金属イオンの透過を抑制しながら、ホースの柔軟性を発現することができる。
【0022】
内管外層3に含まれる熱可塑性樹脂は、特に制限されず、例えば、スチレン・ブタジエン樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等のビニル系樹脂、ポリアクリルエステル等のエステル系樹脂、ポリアミド等のアミド系樹脂、ポリウレタン等のウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、及びフッ素系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、2種以上を併用してもよい。
【0023】
内管外層3に含まれる熱可塑性樹脂は、上記の中でも、オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましく、サントプレン樹脂、およびダイナプレン樹脂がより好ましい。
【0024】
特に、ホース10の金属イオン透過抑制及び柔軟性の観点から、内管1は、重量平均分子量(Mw)が110万〜130万である1−ブテン単独重合体のポリブテン樹脂(内管内層2)に対して、オレフィン系熱可塑性樹脂であるサントプレン樹脂またはダイナプレン樹脂(内管外層3)を組み合わせて成形することが好ましい。
【0025】
また、ホース10の柔軟性を損なわない観点から、内管1は、1層の内管内層2と1層の内管外層3とから構成され、内管内層2と内管外層3との間には他の層を含まないことが好ましい。
【0026】
従って、内管1は、ホース10の金属イオン透過性を抑制しつつ、柔軟性をより上げるためには、層厚が0.1mm〜0.4mmである内管内層2と、オレフィン系熱可塑性樹脂を含む内管外層3とが隣接した層構成であることが好ましい。
なお、内管外層3の層厚は、0.5mm〜3mmとすることが好ましく、1mm〜2.4mmとすることがより好ましい。
【0027】
内管1の製造方法は、内管内層2を構成するポリブテン樹脂と、内管外層3を構成する熱可塑性エラストマーとを積層可能な方法であれば特に制限されないが、内管内層2と内管外層3との密着成形の観点から、共押し出し成形方法が好ましい。
【0028】
ホース10は、内管1を被覆する補強層4を有する。ホース10が補強層4を有することにより、ホース10が冷媒の流れにより受ける負荷や、ホース外部から受ける圧力による破損を防ぐことができる。
補強層4は、ホース10の強度を高めるため、本発明の効果(特に柔軟性)を損なわない限度において、2層以上形成してもよい。補強層4を2層以上形成する場合には、補強層4と中間層(図示せず)とを交互に積層した構成であってもよいし、補強層4を被覆する外被層5を被覆する構成であってもよい。さらに、補強層4と内管外層3との間に下編み層(図示せず)を設けてもよい。
【0029】
補強層4に用いる繊維は、例えば、好ましくはスパイラル状又はブレード状に編上げた(編成した)もので、内面外層3の外周面上に配置される。補強層4に用いられる繊維の材質や繊維の編み方は特に限定されるものではなく、適宜に用途に応じ選定することができ、例えば、金属繊維や有機繊維が挙げられる。
【0030】
金属繊維は、特に制限されないが、金属ワイヤー、例えば、真鍮メッキを施した硬鋼線ワイヤー;ステンレスワイヤー;亜鉛メッキを施した既知の金属ワイヤー;等を用いることが好ましい。
【0031】
なお、硬線ワイヤーに関しては、ピアノ線はJIS G 3502に、硬鋼線はJIS G 3506に、ばね用ステンレス鋼線はJIS G 4314にそれぞれ規定されているが、好適には、硬鋼線ワイヤーや、高圧用途における腐食の防止を考慮したステンレスワイヤーが使用できる。
【0032】
そして、金属繊維の引張強さは、200N/mm〜3200N/mmの範囲が好ましく、2000N/mm〜2900N/mmの範囲がより好ましい。また、線径は0.15mm〜1.0mmの範囲が好ましく、0.2mm〜0.4mmの範囲がより好ましい。金属繊維の種類にもよるが、引張強さが200N/mm未満であったり、線径が0.15mm未満であると、剛性が低くなってホースの折れ曲がりに対抗する力が弱くなる場合がある。一方、引張強さが3200N/mmを超え、線径が1.0mmを越えると、ホース全体の柔軟性が相当低くなってしまう場合がある。
【0033】
前記有機繊維としては、例えば、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維〔例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)等〕、超高分子量ポリエチレン繊維、炭素系繊維等が挙げられる。本発明に用いる有機繊維として好ましいものは、ポリエステル繊維であり、特にポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。また必要及び目的に応じて、上記に挙げた繊維を2種以上組み合わせた混紡糸を用いてもよい。
【0034】
なお、内面外層3と補強層4、補強層4と外被層6等の層間の接着性を向上させる為に、補強用繊維には予め接着処理剤や薬剤等を用いてもよい。具体的には、接着処理剤液(例えば、RFL樹脂分散液、或いは、第1液としてエポキシ樹脂液、第2液としてRFL樹脂分散液)にディップして用いるのが好ましい。
【0035】
補強層4に用いる繊維は1種のみであってもよく、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記に挙げた補強繊維の太さや編み上げ本数等については、使用時の圧力に応じて適宜に決定することができるが、補強性や可撓性及び耐久性等を鑑みると、反対方向に2層以上巻き付けるのが好ましい。ここで、必要に応じて補強層4の外側に、押え糸(図示せず)を配設しても構わない。
【0036】
繊維の太さとしては、560〜10000デシテックスの範囲が好ましく、1100〜9000デシテックスの範囲のものが更に好ましい。
【0037】
また、ステンレスワイヤーをブレード層とすることで、ホース自体が柔軟になりすぎることを抑制するので、補強層4に外被層6を被覆するときの内管1の扁平を防止し、生産性・寸法安定性を向上させることができる。
従って、補強層4は、ポリエステル繊維のスパイラル層とステンレスワイヤーのブレード層を組み合わせて構成することが特に好ましい。
【0038】
ホース10は、補強層4を被覆する外被層6を有する。外被層6は、難燃処理したポリウレタン樹脂を含む。ホース10が、難燃処理したポリウレタン樹脂を含む外被層6を有することにより、ホース10が受ける外力により、ホースが損傷することを防ぐことができ、ホース10が配管設置される電子機器が発火しても、ゴム性ホースに比べて難燃性(UL94−HB相当)に優れる。また、外被層6をゴム製とする場合に比べて、ホース製造工程において加硫工程を含まずに済むことから、ホースの製造容易性、経済コストの観点から好ましい。
難燃処理したポリウレタン樹脂は、市販品を用いることができ、例えば、BASFジャパン社製、ET89050SB2Fとして入手可能である。
【0039】
ホース10は、補強層4を被覆する少なくとも1層の外被層6を有していればよい。上述のように、補強層4を2層以上形成する場合には、外被層6はさらに補強層4で被覆されていてもよいが、外被層本来の機能(外力による損傷防止)を発現するためには、ホース10の最外層とすることが好ましい。
外被層6の層厚は、0.1mm〜1mmであることが好ましく、0.3mm〜0.5mmであることがより好ましい。
【0040】
上記構成の本発明の電子機器冷却用樹脂ホースは、パーソナルコンピューター、コンピューターサーバー、プロジェクター、プリンター等の所謂電子機器のみならず、熱を発し易いCPU基板等の電子機器が組み込まれたエアコン、テレビ、ビデオレコーダー等の電気製品等の電子機器の冷却にも好適に使用し得る。
【実施例】
【0041】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0042】
〔実施例1〕
内管は、内管内層としてポリブテン樹脂(三井化学社製ビューロンP5050)を用い、内管外層としてサントプレン樹脂を用いた。内管内径(直径)が6mm、内管内層厚が0.25mm、内管外層厚が1mmとなるように、ポリブテン樹脂とサントプレン樹脂とを共押し出し成型した。
さらに、内管に補強層を形成した。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(1670デシテックス)によりブレード層を形成した上、さらにステンレスワイヤー(φ0.30mm径)によりブレード層を形成した。
そして、補強層の上に難燃処理したポリウレタン樹脂(BASFジャパン社製、ET89050SB2F)を押し出し成形によって被せ、層厚0.3mmの外被層を形成した。
【0043】
〔実施例2〕
実施例1のホースの製造工程において、内径、内管および外被層の大きさ、並びに補強層の構成材料を下記の如く変更した他は同様にして、実施例2のホースを製造した。
内管については、内管内径(直径)が25mm、内管内層厚が0.35mm、内管外層厚が2.35mmとなるように、変更した他は同様にして、ポリブテン樹脂とサントプレン樹脂とを共押し出し成型した。内管に上に形成した補強層は、重量増を防ぐため、ステンレスワイヤーによるブレード層を形成せず、1670デシテックスのPET繊維の代わりに、8330デシテックスのPET繊維を用いた他は同様にして形成した。さらに、外被層は、膜厚が0.5mmとなるように形成した。
【0044】
〔比較例1、及び比較例2〕
特開平11−336956号公報に記載される実施例1のホースを比較例1のホースとした。また、特開2007−15245号公報に記載される実施例1のホースを比較例2のホースとした。
【0045】
<評価>
得られた実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2のホースを用いて下記評価を行なった。各ホースの層構成及び評価結果を表1に示す。
1.金属イオン耐透過性
防錆剤入りの冷却水を、各ホース内部に封入し、80℃で20〜60日保管し、20日後、40日後、及び60日後のそれぞれにおいて、冷却水の導電率〔μS/cm〕を測定した。ホース内部に封入する前の冷却水の導電率よりも、各期間(20日、40日、及び60日)保管後の冷却水の導電率が大きければ、金属イオンがホースから透過していると判断される。下記評価基準により評価した。
○:保管後の冷却水の導電率は、封入する前の冷却水の導電率と変わらない。
×:保管後の冷却水の導電率が、封入する前の冷却水の導電率よりも上がっている。
【0046】
2.柔軟性
ホースを一定のRまで曲げた際のホース剛性を測定することにより、ホースの柔軟性を評価した。具体的には、ホースを徐々に曲げていき、内管が折れ曲がった際の曲げRを測定した。曲げRは、ホース内径に応じて評価基準を変え、実施例1、比較例1及び比較例2のホースについては、評価基準1に基づいて評価し、実施例2のホースについては評価基準2に基づいて評価した。
−評価基準1−
A:Rが20mm未満(極めて良好)
B:Rが20mm以上30mm未満(良好)
C:Rが30mm以上(普通)
−評価基準2−
A:Rが80mm未満(極めて良好)
B:Rが80mm以上100mm未満(良好)
C:Rが100mm以上(普通)
【0047】
3.難燃性
各ホースの外被層の成分である難燃処理したポリウレタン樹脂(BASFジャパン社製、ET89050SB2F;実施例1、実施例2)と、EPDM(比較例1、比較例2)について、UL燃焼試験法(UL94 HB規格)に基づき、下記基準により難燃性を評価した。
○:UL94 HB合格
×:UL94 HB合格せず
【0048】
【表1】

【0049】
表1からわかるように、実施例1及び2のホースは、金属イオンの耐透過性、柔軟性、難燃性のいずれにおいても比較例1及び2のホースより優れていることがわかった。
また、ホース内径が6mmである実施例1のホースは、ステンレスワイヤーブレードによりホース潰れを防止することができ、外被の扁平を抑えることができた。なお、実施例1の内管外層の硬度は64度である。また、ホース内径が25mmである実施例2のホースは、ポリブテン肉厚を0.35mmとして内管の扁平を防止し、内管外層の硬度を73度とした。また、ステンレスワイヤーブレード層を形成しないことで、ホースの重量増を防いだ。
【符号の説明】
【0050】
1 内管
2 内管内層
3 内管外層
4 補強層
6 外被層
10 ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側から、ポリブテン樹脂を含む内管内層と、熱可塑性樹脂を含む内管外層と、補強層と、難燃処理したポリウレタン樹脂を含む外被層とを少なくとも備えた電子機器冷却用樹脂ホース。
【請求項2】
前記内管内層の層厚は、0.1mm〜0.5mmである請求項1に記載の電子機器冷却用樹脂ホース。
【請求項3】
前記熱可塑性エラストマーは、オレフィン系熱可塑性樹脂である請求項1または請求項2に記載の電子機器冷却用樹脂ホース。

【図1】
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【公開番号】特開2011−64223(P2011−64223A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213685(P2009−213685)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】