説明

電子機器及びその制御方法

【課題】 電子機器に着脱可能な情報記憶素子のデータの暗号化・復号化処理を、電子機器から着脱する際に行い、さらに、ユーザを煩わせずに行うことができる電子機器及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 PC1にCD21がセットされ、データをCD21にコピーした後、PC1のシャットダウン開始の判定、取り外し開始の判定を行う。シャットダウンまたは取り外しが開始された場合には、CPU2がCD21に記憶されている保守IDを読み出して識別する。保守IDが識別できた場合には、CD21に記憶されたデータの読み出しを行い、データの識別が可能かどうかを判別する。データの識別が可能である、すなわち、データが暗号化されていなければ、データの暗号化処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びその制御方法に関し、特に、電子機器に着脱可能な情報記憶素子に暗号化・復号化処理を行うことができる電子機器及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ(PC)を始めとする電子機器にユーザが着脱可能な情報記憶素子として、例えば、DVDやメモリカードなどがある。こうした情報記憶素子の記憶情報部にはセキュリティを必要とするデータが含まれている場合が多い。
【0003】
例えば、企業における顧客リスト情報、市役所、区役所などにおける住民情報、医療機関における患者の医療情報などが該当する。また一般の個人ユーザの場合には個人情報などが該当する。
【0004】
このような情報が記憶された記憶素子が不正な第三者によって盗難された場合には、記憶素子に記憶された情報が容易に盗用され、コピーされるという恐れがある。特に昨今では、このような個人情報が流出することは社会問題にさえなっているのが実情である。
【0005】
このような個人情報の流出を防止する方法として、情報記憶素子にセキュリティロック機能を設けて、本体の電子機器から外す場合に、パスワードを入力して該情報記憶素子に記憶されているデータを暗号化する方式が知られている。この方式では確かに情報記憶素子を盗難されても内部のデータが盗用されにくいという効果はある。
【0006】
情報記憶素子に記憶された情報を保護する発明としては、特許文献1から特許文献4に記載の発明が開示されている。
【0007】
特許文献1には、電子機器本体とは別個の盗難防止外部装置を設けることによって、情報記憶手段に記憶された情報の漏洩を防止する発明が開示されている。また、特許文献2は、正しく復号化されているか否かの確認をわずかな処理パワーとわずかな時間で行う発明が開示されている。
【0008】
また、特許文献3は、画像データを保存する記憶手段を着脱可能にし、ユーザや第3者による記憶手段の不正な取り外しや交換、不正な画像データの読み取り、消去が行えないセキュリティの高いリサイクル向けデジタルカメラを提供する発明が開示されている。また、特許文献4は、情報機器を分解して記憶情報を取り出すような不正アクセスを確実に防止する発明が開示されている。
【特許文献1】特開2001−084174号公報
【特許文献2】特開2003−032248号公報
【特許文献3】特開2002−354318号公報
【特許文献4】特開平11−175406号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、情報記憶素子の本来の所有者が通常に電子機器に装着する際や取り外す際にも、パスワードを入力してロック機能を開錠、施錠する必要があり、操作性が煩雑になるという問題がある。
【0010】
そこで本発明では、こうした従来技術の問題に鑑みて、電子機器に着脱可能な情報記憶素子から保守ID情報を読み出すID読出し手段とID読出し手段により読み出された保守ID情報に基き、復号処理を行うか否かを識別判断するID識別手段とを設けることにより、操作性を煩わせることなく電子機器本体に着脱可能な情報記憶素子に記憶されたデータのセキュリティの向上が図られた電子機器およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子機器本体に着脱可能であり保守情報が記憶された情報記憶媒体に対して、データの読み出し及び書き込みを行う情報記憶手段と、保守情報を読み出す保守情報読み出し手段と、情報記憶媒体に書き込まれたデータを暗号化する暗号化手段と、暗号化されたデータを復号化する復号化手段と、読み出された保守情報に基づきデータの暗号化又は復号化を行うか否かを判断する判断手段とを有する電子機器であって、電子機器本体に記憶されている保守情報と情報記憶媒体の保守情報とを比較する保守情報比較手段をさらに有し、比較された保守情報が一致した場合にデータの暗号化又は復号化を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、暗号化手段は、情報記憶媒体が接続された電子機器本体の正常終了時に行われることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、暗号化手段は、電子機器本体から情報記憶媒体を分離するときに行われることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、暗号化手段は、情報記憶媒体が接続された電子機器本体の電源切断時に行われることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、記復号化手段は、情報記憶媒体を電子機器本体の接続するときに行われることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、復号化手段は、情報記憶媒体が接続された電子機器本体を起動するときに行われることを特徴とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、読み出された保守情報に基づき、比較手段で比較された保守情報が一致しない場合には、電子機器本体と情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第1の誤装着通知手段をさらに有することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、読み出された保守情報に基づき、復号化手段によって復号化されたデータが正常に復号化されない場合には、該データを消去可能とすることを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、読み出された保守情報に基づき、暗号化は、保守情報ごとに異なることを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、読み出された保守情報に基づき、復号化は、保守情報ごとに異なることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、情報記憶媒体と電子機器本体とを接続するときに保守情報読み出し手段によって保守情報が読み出せない場合には、情報記憶媒体へのデータの暗号化又は復号化が実行できないことを通知する手段をさらに有することを特徴とする。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、情報記憶媒体と電子機器本体とを接続するときに保守情報読み出し手段によって保守情報が読み出せない場合には、電子機器と情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第2の誤装着通知手段を有することを特徴とする。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、電子機器本体はパーソナルコンピュータであり、情報記憶媒体はパーソナルコンピュータに内蔵されるフレキシブルディスク、MO、CD、DVD、USBフラッシュメモリ、HDDのうち、少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、電子機器本体はデジタルカメラであり、情報記憶媒体はデジタルカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする。
【0025】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、電子機器本体はDVDレコーダであり、情報記憶媒体はDVDレコーダに内蔵されるDVDであることを特徴とする。
【0026】
請求項16に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、電子機器本体はビデオカメラであり、情報記憶媒体はビデオカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする。
【0027】
請求項17に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、電子機器本体は携帯電話機であり、情報記憶媒体は携帯電話機に内蔵されるメモリカードであることを特徴とする。
【0028】
請求項18に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、電子機器本体は画像形成装置であり、情報記憶媒体は画像形成装置に内蔵されるHDD、プロセスカートリッジのうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0029】
請求項19に記載の発明は、電子機器本体に着脱可能であり保守情報が記憶された情報記憶媒体に対して、データの読み出し及び書き込みを行う情報記憶工程と、保守情報を読み出す保守情報読み出し工程と、読み出された保守情報に基づきデータの暗号化又は復号化を行うか否かを判断する判断工程と、情報記憶媒体に書き込まれたデータを暗号化する暗号化工程と、暗号化されたデータを復号化する復号化手段工程とを有する電子機器の制御方法であって、暗号化工程又は復号化工程の前に電子機器本体に記憶されている保守情報と情報記憶媒体の保守情報とを比較する保守情報比較工程をさらに有し、比較された保守情報が一致した場合にデータの暗号化又は復号化を行うことを特徴とする。
【0030】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、暗号化工程は、情報記憶媒体が接続された電子機器本体の正常終了時に行われることを特徴とする。
【0031】
請求項21に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、暗号化工程は、電子機器本体から情報記憶媒体を分離するときに行われることを特徴とする。
【0032】
請求項22に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、暗号化工程は、情報記憶媒体が接続された電子機器本体の電源切断時に行われることを特徴とする。
【0033】
請求項23に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、記復号化工程は、情報記憶媒体を電子機器本体の接続するときに行われることを特徴とする。
【0034】
請求項24に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、復号化工程は、情報記憶媒体が接続された電子機器本体を起動するときに行われることを特徴とする。
【0035】
請求項25に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、読み出された保守情報に基づき、比較手段で比較された保守情報が一致しない場合には、電子機器本体と情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第1の誤装着通知工程をさらに有することを特徴とする。
【0036】
請求項26に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、読み出された保守情報に基づき、復号化手段によって復号化されたデータが正常に復号化されない場合には、該データを消去可能とすることを特徴とする。
【0037】
請求項27に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、読み出された保守情報に基づき、暗号化は、保守情報ごとに異なることを特徴とする。
【0038】
請求項28に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、読み出された保守情報に基づき、復号化は、保守情報ごとに異なることを特徴とする。
【0039】
請求項29に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、情報記憶媒体と電子機器本体とを接続するときに保守情報読み出し工程によって保守情報が読み出せない場合には、情報記憶媒体へのデータの暗号化又は復号化が実行できないことを通知する工程をさらに有することを特徴とする。
【0040】
請求項30に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、情報記憶媒体と電子機器本体とを接続するときに保守情報読み出し工程によって保守情報が読み出せない場合には、電子機器と情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第2の誤装着通知工程を有することを特徴とする。
【0041】
請求項31に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、電子機器本体はパーソナルコンピュータであり、情報記憶媒体はパーソナルコンピュータに内蔵されるフレキシブルディスク、MO、CD、DVD、USBフラッシュメモリ、HDDのうち、少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0042】
請求項32に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、電子機器本体はデジタルカメラであり、情報記憶媒体はデジタルカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする。
【0043】
請求項33に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、電子機器本体はDVDレコーダであり、情報記憶媒体はDVDレコーダに内蔵されるDVDであることを特徴とする。
【0044】
請求項34に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、電子機器本体はビデオカメラであり、情報記憶媒体はビデオカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする。
【0045】
請求項35に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、電子機器本体は携帯電話機であり、情報記憶媒体は携帯電話機に内蔵されるメモリカードであることを特徴とする。
【0046】
請求項36に記載の発明は、請求項19に記載の電子機器の制御方法において、電子機器本体は画像形成装置であり、情報記憶媒体は画像形成装置に内蔵されるHDD、プロセスカートリッジのうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
本発明の電子機器によれば、電子機器に着脱可能な情報記憶素子から保守ID情報を読み出すID読出し手段とID読出し手段により読み出された保守ID情報に基き、復号処理を行うか否かを識別判断するID識別手段とを設けることにより、操作性を煩わせることなく電子機器本体に着脱可能な情報記憶素子に記憶されたデータのセキュリティの向上が図られた電子機器及びその制御方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下に、本発明の電子機器及びその制御方法を好適に実施した実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。本実施形態では、電子機器としてパーソナルコンピュータ(PC)を例に挙げて説明する。
【0049】
図1は、本実施形態のパーソナルコンピュータ(PC)の構成を示すブロック図である。
本実施形態のPC1は、CPU2と、メモリ部3と、ROM4と、DRAM5と、ハードディスクドライブ(HDD)制御部6と、各記憶装置制御部7と、ディスプレイ制御部8と、キーボード制御部9と、マウス制御部10と、プリンタ制御部11と、通信用制御部12と、DMAコントローラ13と、HDD駆動装置14と、各補助記憶装置15と、ディスプレイ16と、キーボード17と、マウス18と、プリンタ19と、モデム20とを備えている。
【0050】
CPU2は、BUSを介してメモリ部3の他に、HDD制御部6と、各補助記憶装置制御部7と、ディスプレイ制御部8と、キーボード制御部9と、マウス制御部10と、プリンタ制御部11と、通信用制御部12と、DMAコントローラ13とに接続されている。そして、これらの各制御部およびDMAコントローラがデータなどの入出力を制御している。
メモリ部3は、ROM4とDRAM5とを備えており、ROM4には起動用プログラムなどが記憶されている。また、DRAM5には実行用プログラムなどが記憶されている。
【0051】
HDD制御部6には補助記憶装置であるHDD駆動装置14が接続されている。各補助記憶装置制御部7にはFDDやCDやDVDやUSBフラッシュメモリなどの、PC1の本体に着脱可能な補助記憶素子の駆動装置15が接続されている。
【0052】
また、ディスプレイ制御部8には表示用のディスプレイ16が、キーボード制御部9にはキーボード17が、マウス制御部10にはマウス18が、プリンタ制御部11にはプリンタ19が、それぞれ接続される。通信用制御部12には電話回線間での通信を可能にするモデム20などが接続される。
【0053】
このような汎用のPCにおいてHDDやFDDやCDやDVDやUSBフラッシュメモリなどの補助記憶装置が、PC1の本体に着脱可能な記憶素子として使用される。
【0054】
次に、本実施形態の電子機器における情報記憶素子へのデータの暗号化および復号化の動作について、図を用いて説明する。
【0055】
図2は、本実施形態の電子機器に着脱可能な情報記憶素子に、データを暗号化する際の動作を示すフローチャートである。なお、本実施形態においては、情報記憶素子としてCDを用いて説明する。
【0056】
図2に示すフローチャートは、図1に示すCPU2によって実行される。CDがPC1にセットされた状態でPC1がシャットダウン、CDの取り外し、またはPCの電源が切断されたときに、CPU2がCDの保守ID情報を識別してCDに記憶されたデータを暗号化する状態を示している。CDには保守ID情報が記憶されている。このCDを本実施形態ではCD21とする。
【0057】
まず、図1に示すPC1が起動している状態で、PC1の補助記憶素子(本実施形態ではCD21)の駆動装置(各補助記憶装置15)に、CD21がセットされているか否かをCPU2が判定する(ステップS201)。CD21がセットされていない場合には(ステップS201/No)、CD21がセットされるまで待機する。CD21がセットされたことを認識すると(ステップS201/Yes)、ユーザはPC1を操作してHDD上のデータをCD21にコピーする(ステップS203)。これでCD21にはユーザにとって必要なデータが記憶されたことになる。
【0058】
データをCD21にコピーした後、PC1のシャットダウンが開始されるかの判定を行う(ステップS204)。シャットダウンが開始されない場合には(ステップS204/No)、上述した補助記憶素子の駆動装置(各補助記憶装置15)から、CD21の取り外しを開始するかの判定を行う(ステップS205)。ここで、CD21を取り外さない場合には(ステップS205/No)、PC1のシャットダウンが開始されるか、または、CD21を取り外すまで待機する。
【0059】
PC1のシャットダウンがされた場合(ステップS204/Yes)、または、CD21が各補助記憶装置15から取り外された場合には(ステップS205/Yes)、CPU2がCD21に記憶されている保守IDを読み出す(ステップS206)。
【0060】
次に、CD21に記憶されている保守IDを識別する(ステップS207)。
保守IDが識別できた場合には(ステップS207/Yes)、CD21に記憶されたデータの読み出しを行う(ステップS208)。なお、本実施形態においては以後、CD21に記憶されたデータのことを、CDデータと呼ぶ。ここで、CDデータの識別が可能かどうかを判別する(ステップS209)。CDデータの識別が可能であれば(ステップS209/Yes)、すなわち、CDデータが暗号化されていなければ、CPU2がCDデータの暗号化処理を実行する(ステップS210)。
【0061】
また、CDデータが識別できない可能性もある。これは、CD自体に傷や汚れなどが付着する等、CD自体の不良によりデータが普通に読み出せない状態になっていることが想定される。
このように、CDデータの識別ができない場合には(ステップS209/No)、CDデータが識別できないことをPC1上のディスプレイ16などに表示する(ステップS214)。さらに、このCDデータを消去するか否かを選択して(ステップS215)、データを消去する場合には(ステップS215/Yes)、CD21に記憶されているCDデータを消去して(ステップS216)、その後PC1からCD21を取り外す(ステップS217)。データを消去しない場合には(ステップS215/No)、そのままPC1からCD21を取り外す(ステップS217)。
【0062】
一方、CD21の保守IDを識別できない場合があるが、これは、CD21に保守IDが最初から入っていない場合が想定される。
このように、保守IDが識別できなかった場合には(ステップS207/No)、保守IDが識別できない旨をPC1のディスプレイ16などに表示する(ステップS211)。次に、CDデータの識別が可能かどうかを判別する(ステップS212)。CDデータの識別が可能であれば(ステップS212/Yes)、CD自体は使用可能であるがCDデータの暗号化及び復号化ができないCDである旨を、PC1のディスプレイ16などに表示する(ステップS213)。なお、CDデータの識別ができない場合には(ステップS212/No)、上述したCDデータが識別できないことをPC1上のディスプレイ16などに表示する、ステップS214へと移行する。
【0063】
このようにして、CD21をPC1から取り外したときには、CDデータは必ず暗号化された状態になっている。したがって、第三者によってデータが不正に盗用される危険性が無くなる。
【0064】
次に、PCの電源が切断された場合の動作を説明する。
図3は、PC1のHDD上のデータをCD21にコピーした後、何らかの原因でPC1の電源が切断された場合を示すフローチャートである。
【0065】
まず、PC1が起動している状態で、PC1の各補助記憶装置15にCD21がセットされているか否かをCPU2が判定する(ステップS301)。CD21がセットされていない場合には(ステップS301/No)、CD21がセットされるまで待機する。CD21がセットされたことを認識すると(ステップS301/Yes)、ユーザはPC1を操作してHDD上のデータをCD21にコピーする(ステップS303)。これでCD21にはユーザにとって必要なデータが記憶されたことになる。
【0066】
データをCD21にコピーした後、PC1の電源が切断されたかどうかの判定を行う(ステップS304)。PC1の電源が切断されていない場合には(ステップS304/No)、そのまま待機する。PC1の電源が切断された場合には(ステップS304/Yes)、CPU2がCD21に記憶されている保守IDを読み出す(ステップS305)。保守IDを読み出した後は、CD21に記憶されている保守IDを識別する(ステップS306)。
【0067】
保守IDが識別できた場合には(ステップS306/Yes)、CD21に記憶されたデータ(CDデータ)の読み出しを行う(ステップS307)。ここで、CDデータの識別が可能かどうかを判別する(ステップS308)。CDデータの識別が可能であれば(ステップS308/Yes)、CPU2がCDデータの暗号化処理を実行する(ステップS309)。
【0068】
保守IDが識別できなかった場合や(ステップS306/No)、CDデータの識別ができなかった場合には(ステップS306/No)、各補助記憶装置15に誤ったCDがセットされていると判定し、その旨をディスプレイ16に表示する(ステップS310)。
【0069】
なお、PC1の電源をOFFした場合にCDデータを暗号化する方法としては、PC1の電源がOFFされた場合にPC1内に実装されたコンデンサなどを使用して一定時間、各補助記憶装置15を介してCD21に供給される電源を確保する手段を設ければよい。
【0070】
次に、本実施形態の電子機器における情報記憶素子へのデータの復号化の動作について、図を用いて説明する。
【0071】
図4は、本実施形態の電子機器に着脱可能な情報記憶素子に、データを復号化する際の動作を示すフローチャートである。暗号化されたデータと保守IDとを備えたCDがPCにセットされた後か、あるいは、CDがセットされた状態でPCが起動した後にCDデータを復号化する状態を示している。なお、本実施形態の動作もCPU2によって実行される。
【0072】
まず、PC1にCD21をセットする(ステップS401)。PC1にCD21が正常にセットされているかどうか判定を行い(ステップS402)、CD21がセットされていなければ(ステップS402/No)、CD21がセットされるまで待機する。CD21がセットされたら(ステップS402/Yes)、次に、PC1が起動しているかどうかの判定を行う(ステップS403)。PC1が起動していれば(ステップS403/Yes)、CPU2はCD21から保守IDを読み出す(ステップS404)。PC1が起動していなければ(ステップS403/No)、CD21がセットされているPC1を起動させる(ステップS405)。
【0073】
ここで、CD21の保守IDを識別する(ステップS406)。保守IDの識別が可能であれば(ステップS406/Yes)、このCD21に記憶されているCDデータを読み出す(ステップS407)。次に、CDデータが暗号化されているか否かを判定する(ステップS408)。CDデータが暗号化されている場合には(ステップS408/Yes)、そのCDデータの復号化処理を実行し(ステップS409)、CDデータの復号化が正しく処理されたか否かを判定する(ステップS410)。CDデータが正しく復号化されていれば(ステップS410/Yes)、その後、ユーザは復号化されたCDデータをPC1内のHDDなどにコピーし、PC1を通常に操作してデータを使用することになる。
【0074】
また、CDデータが暗号化されていないことを判定する場合として、CD21が新品であったり初期化された状態であったりすることが想定される。
このように、CDデータが暗号化されていない場合には(ステップS408/No)、このCDデータが識別可能であるか否かを判断する(ステップS414)。CDデータが識別可能な場合には(ステップS414/Yes)、CDデータが暗号化されていない状態である旨をディスプレイ16に表示する(ステップS415)。
【0075】
CDデータが識別できなかった場合(ステップS414/No)や、CDデータが正しく復号化されなかった場合(ステップS410/No)には、CDデータを識別判断できない旨をPC1のディスプレイ16などに表示する(ステップS416)。
【0076】
さらに、このCDデータを消去するか否かを選択して(ステップS417)、データを消去する場合には(ステップS417/Yes)、CD21に記憶されているCDデータを消去して(ステッはプS418)、その後PC1からCD21を取り外す(ステップS419)。データを消去しない場合には(ステップS417/No)、そのままPC1からCD21を取り外す(ステップS419)。
【0077】
また、保守IDが識別できなかった場合には(ステップS406/No)、保守IDが識別できない旨をPC1のディスプレイ16などに表示する(ステップS411)。次に、CDデータの識別が可能かどうかを判別する(ステップS412)。CDデータの識別が可能であれば(ステップS412/Yes)、CD自体は使用可能であるがCDデータの暗号化及び復号化ができないCDである旨を、PC1のディスプレイ16などに表示する(ステップS413)。なお、CDデータの識別ができない場合には(ステップS412/No)、上述したCDデータが識別できないことをPC1上のディスプレイ16などに表示する、ステップS416へと移行する。
【0078】
なお、CPU2がCD21から読み出す保守IDは、PC1内のメモリ部3に予め保守IDが登録されており、PC1にセットされたCD21の保守IDと一致するかどうかで判断してもよい。また、CD21に記憶される保守IDはCDごとに異なるようなユニークな番号であってもよい。
【0079】
また、CDデータを暗号化・複合化する方式は、保守IDによって異なる方式を採るようにすることで、情報セキュリティの信頼性がより一層高いものとなる。さらに、CDをセットする際や取り外す際に、いちいち暗号化や複合化の処理を実行する必要がなく、操作性に優れたものとなる。
【0080】
次に、保守IDが入っていないCDやCDデータが識別されないCDがセットされた場合などの動作を、図面を用いて説明する。
【0081】
上述した実施形態においては、CD21の保守IDが読み出せな場合、すなわち、保守ID情報が記憶されていない情報記憶素子であっても保守IDが識別できない旨及びデータの暗号化・復号化処理ができない旨をディスプレイ16などに表示し、その上で使用を可能としている。このようにすることで電子機器の信頼性を損なうことなく、かつ、機器の操作の利便性を保持することが可能となっている。しかしこの方法では、不正な第三者が保守ID情報のないCDを利用して、容易にPC1の内部のデータを盗用することが可能となってしまう。
【0082】
そこで、本発明の他の実施形態は、保守IDの入っていないCDやCDデータが識別されないCDがセットされた場合には、誤ったCDであることを表示してそのCDを使用できないようにする。図5は、本実施形態の電子機器に、保守IDの入っていないCDやデータが識別できないCDがセットされた場合の動作を示すフローチャートである。
【0083】
まず、PC1にCD21をセットする(ステップS501)。PC1にCD21が正常にセットされているかどうか判定を行い(ステップS502)、CD21がセットされていなければ(ステップS502/No)、CD21がセットされるまで待機する。CD21がセットされたら(ステップS502/Yes)、次に、PC1が起動しているかどうかの判定を行う(ステップS503)。PC1が起動していれば(ステップS503/Yes)、CPU2はCD21から保守IDを読み出す(ステップS504)。PC1が起動していなければ(ステップS503/No)、CD21がセットされているPC1を起動させる(ステップS505)。
【0084】
ここで、CD21の保守IDを識別する(ステップS506)。保守IDの識別が可能であれば(ステップS506/Yes)、このCD21に記憶されているCDデータを読み出す(ステップS507)。次に、CDデータが暗号化されているか否かを判定する(ステップS508)。CDデータが暗号化されている場合には(ステップS508/Yes)、そのCDデータの復号化処理を実行し(ステップS509)、CDデータの復号化が正しく処理されたか否かを判定する(ステップS510)。CDデータが正しく復号化されていれば(ステップS510/Yes)、その後、ユーザは復号化されたCDデータをPC1内のHDDなどにコピーし、PC1を通常に操作してデータを使用することになる。
【0085】
保守IDが識別できなかった場合(ステップS506/No)や、CDデータが正しく復号化されなかった場合(ステップS510/No)や、CDデータが識別できなかった場合(ステップS511/No)には、PC1にセットされたこのCD21が、使用不可能な誤ったCDである旨を表示PC1のディスプレイ16などに表示する(ステップS513)。また、CDデータを識別判断することができない旨もあわせて表示する(ステップS514)。
【0086】
さらに、このCDデータを消去するか否かを選択して(ステップS515)、データを消去する場合には(ステップS515/Yes)、CD21に記憶されているCDデータを消去して(ステッはプS516)、その後PC1からCD21を取り外す(ステップS517)。データを消去しない場合には(ステップS515/No)、そのままPC1からCD21を取り外す(ステップS517)。
【0087】
このように保守IDが記憶されていないCD、あるいはデータが正しく識別されないCDをPC1にセットした場合には、誤ったCDであることを表示した上でデータのコピーなど通常の使用ができないようにする。したがって、不正な第三者によるデータの盗用が困難なものとなり、セキュリティの信頼性がより一層高いものになる。
【0088】
なお、本実施形態はこれに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。例えば、上述した実施形態ではPCに着脱可能な記憶素子としてCDを例示したが、他の記憶素子として、FDDや、MOや、DVDや、USBフラッシュメモリや、HDDなどを使用しても同様の処理の適用が可能となる。
【0089】
また、PC1が他の電子機器、例えば、デジタルカメラや、DVDレコーダや、ビデオカメラや、携帯型電話機や、画像形成装置であってもよい。各電子機器に着脱可能な記憶素子としては、例えば、デジタルカメラや、ビデオカメラや、携帯型電話機にはメモリカードなどが適用可能である。また、DVDレコーダにはDVDなどが、画像形成装置にはHDDやプロセスカートリッジ搭載のメモリチップなどが適用可能である。
【0090】
このようにして、電子機器に着脱可能な記憶素子が装着された状態でシャットダウンされたときや、記憶素子が取り外されるときに、記憶素子に記憶されたデータの暗号化処理を実行することにより、操作者が施錠などの操作を行う必要なく、セキュリティが必要な情報の機密保護を図ることができる。
【0091】
また、電子機器本体の電源が急に切断された場合に電子機器本体内部で一定時間、記憶素子に供給される電源を確保することでデータの暗号化処理を実行することができる。したがって、電源遮断という突発的な事故が発生してもセキュリティが必要な情報の機密保護を図ることができる。
【0092】
さらに、着脱可能な記憶素子が暗号化された状態で電子機器に装着される際や、記憶素子が装着されている状態で電子機器本体を起動する際などには、記憶素子の保守IDが読み出されて復号化処理が自動的に実行される。したがって、操作者がいちいち開錠などの操作を行う必要がなく、操作性が優れたものとなる。
【0093】
また、電子機器に装着された記憶素子が正しく復号化処理が実行されない場合には、記憶素子が誤装着されたものであることを表示したり、記憶素子に記憶されたデータを消去可能することで電子機器本体に対する信頼性を維持することができる。さらに、電子機器内部のデータの不正な盗用を防ぐことが可能になる。
【0094】
また、暗号化・復号化する方式を保守IDによって異なるものとすることで、記憶素子に記憶されたデータのセキュリティレベルは高いものとなる。
【0095】
また、電子機器に装着された記憶素子の保守ID情報が読み出せないことが識別された場合には、記憶素子が暗号化ならびに復号化ができないものであることをユーザに通知することで電子機器の信頼性を維持するとともに、保守ID情報のない記憶素子を使用することで操作の利便性が高くなる。同様に、記憶素子が誤装着されたものであることを表示することで電子機器本体に対する信頼性を維持するとともに、電子機器内部のデータの不正な盗用を防ぐことが可能になり、セキュリティレベルが向上する。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本実施形態の電子機器は、PC,デジタルカメラ,DVDレコーダ,ビデオカメラ,携帯型電話機,画像形成装置などに適用可能であり、これらの電子機器に装着される記憶素子の多彩な情報の機密性を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本実施形態のPC1の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の電子機器に着脱可能な情報記憶素子に、データを暗号化する際の動作を示すフローチャートである。
【図3】PC1のHDD上のデータをCD21にコピーした後、何らかの原因でPC1の電源が切断された場合を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の電子機器に着脱可能な情報記憶素子に、データを復号化する際の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の電子機器に、保守IDの入っていないCDやデータが識別できないCDがセットされた場合の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1 PC
2 CPU
3 メモリ部
4 ROM
5 DRAM
6 HDD制御部
7 各補助記憶装置制御部
8 ディスプレイ制御部
9 キーボード制御部
10 マウス制御部
11 プリンタ制御部
12 通信用制御部
13 DMAコントローラ
14 HDD駆動装置
15 各補助記憶装置
16 ディスプレイ
17 キーボード
18 マウス
19 プリンタ
20 モデム
21 CD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器本体に着脱可能であり保守情報が記憶された情報記憶媒体に対して、データの読み出し及び書き込みを行う情報記憶手段と、
前記保守情報を読み出す保守情報読み出し手段と、
前記情報記憶媒体に書き込まれた前記データを暗号化する暗号化手段と、
前記暗号化された前記データを復号化する復号化手段と、
読み出された前記保守情報に基づき前記データの暗号化又は復号化を行うか否かを判断する判断手段とを有する電子機器であって、
前記電子機器本体に記憶されている保守情報と前記情報記憶媒体の前記保守情報とを比較する保守情報比較手段をさらに有し、
比較された前記保守情報が一致した場合に前記データの暗号化又は復号化を行うことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記暗号化手段は、前記情報記憶媒体が接続された前記電子機器本体の正常終了時に行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記暗号化手段は、前記電子機器本体から前記情報記憶媒体を分離するときに行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記暗号化手段は、前記情報記憶媒体が接続された前記電子機器本体の電源切断時に行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記復号化手段は、前記情報記憶媒体を前記電子機器本体の接続するときに行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記復号化手段は、前記情報記憶媒体が接続された前記電子機器本体を起動するときに行われることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
読み出された前記保守情報に基づき、前記比較手段で比較された前記保守情報が一致しない場合には、前記電子機器本体と前記情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第1の誤装着通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
読み出された前記保守情報に基づき、前記復号化手段によって復号化された前記データが正常に復号化されない場合には、該データを消去可能とすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
読み出された前記保守情報に基づき、前記暗号化は、前記保守情報ごとに異なることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項10】
読み出された前記保守情報に基づき、前記復号化は、前記保守情報ごとに異なることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記情報記憶媒体と前記電子機器本体とを接続するときに前記保守情報読み出し手段によって前記保守情報が読み出せない場合には、
前記情報記憶媒体への前記データの前記暗号化又は前記復号化が実行できないことを通知する手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項12】
前記情報記憶媒体と前記電子機器本体とを接続するときに前記保守情報読み出し手段によって前記保守情報が読み出せない場合には、
前記電子機器と前記情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第2の誤装着通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記電子機器本体はパーソナルコンピュータであり、前記情報記憶媒体は前記パーソナルコンピュータに内蔵されるフレキシブルディスク、MO、CD、DVD、USBフラッシュメモリ、HDDのうち、少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項14】
前記電子機器本体はデジタルカメラであり、前記情報記憶媒体は前記デジタルカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項15】
前記電子機器本体はDVDレコーダであり、前記情報記憶媒体は前記DVDレコーダに内蔵されるDVDであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項16】
前記電子機器本体はビデオカメラであり、前記情報記憶媒体は前記ビデオカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項17】
前記電子機器本体は携帯電話機であり、前記情報記憶媒体は前記携帯電話機に内蔵されるメモリカードであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項18】
前記電子機器本体は画像形成装置であり、前記情報記憶媒体は前記画像形成装置に内蔵されるHDD、プロセスカートリッジのうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項19】
電子機器本体に着脱可能であり保守情報が記憶された情報記憶媒体に対して、データの読み出し及び書き込みを行う情報記憶工程と、
前記保守情報を読み出す保守情報読み出し工程と、
読み出された前記保守情報に基づき前記データの暗号化又は復号化を行うか否かを判断する判断工程と、
前記情報記憶媒体に書き込まれた前記データを暗号化する暗号化工程と、
前記暗号化された前記データを復号化する復号化手段工程とを有する電子機器の制御方法であって、
前記暗号化工程又は前記復号化工程の前に前記電子機器本体に記憶されている保守情報と前記情報記憶媒体の前記保守情報とを比較する保守情報比較工程をさらに有し、
比較された前記保守情報が一致した場合に前記データの暗号化又は復号化を行うことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項20】
前記暗号化工程は、前記情報記憶媒体が接続された前記電子機器本体の正常終了時に行われることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項21】
前記暗号化工程は、前記電子機器本体から前記情報記憶媒体を分離するときに行われることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項22】
前記暗号化工程は、前記情報記憶媒体が接続された前記電子機器本体の電源切断時に行われることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項23】
前記復号化工程は、前記情報記憶媒体を前記電子機器本体の接続するときに行われることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項24】
前記復号化工程は、前記情報記憶媒体が接続された前記電子機器本体を起動するときに行われることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項25】
読み出された前記保守情報に基づき、前記比較手段で比較された前記保守情報が一致しない場合には、前記電子機器本体と前記情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第1の誤装着通知工程をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項26】
読み出された前記保守情報に基づき、前記復号化手段によって復号化された前記データが正常に復号化されない場合には、該データを消去可能とすることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項27】
読み出された前記保守情報に基づき、前記暗号化は、前記保守情報ごとに異なることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項28】
読み出された前記保守情報に基づき、前記復号化は、前記保守情報ごとに異なることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項29】
前記情報記憶媒体と前記電子機器本体とを接続するときに前記保守情報読み出し工程によって前記保守情報が読み出せない場合には、
前記情報記憶媒体への前記データの前記暗号化又は前記復号化が実行できないことを通知する工程をさらに有することを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項30】
前記情報記憶媒体と前記電子機器本体とを接続するときに前記保守情報読み出し工程によって前記保守情報が読み出せない場合には、
前記電子機器と前記情報記憶媒体とが誤って接続されていることを通知する第2の誤装着通知工程を有することを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項31】
前記電子機器本体はパーソナルコンピュータであり、前記情報記憶媒体は前記パーソナルコンピュータに内蔵されるフレキシブルディスク、MO、CD、DVD、USBフラッシュメモリ、HDDのうち、少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項32】
前記電子機器本体はデジタルカメラであり、前記情報記憶媒体は前記デジタルカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項33】
前記電子機器本体はDVDレコーダであり、前記情報記憶媒体は前記DVDレコーダに内蔵されるDVDであることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項34】
前記電子機器本体はビデオカメラであり、前記情報記憶媒体は前記ビデオカメラに内蔵されるメモリカードであることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項35】
前記電子機器本体は携帯電話機であり、前記情報記憶媒体は前記携帯電話機に内蔵されるメモリカードであることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。
【請求項36】
前記電子機器本体は画像形成装置であり、前記情報記憶媒体は前記画像形成装置に内蔵されるHDD、プロセスカートリッジのうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項19に記載の電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−202158(P2006−202158A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14881(P2005−14881)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】