説明

電子機器及び電子機器の制御方法

【課題】装置側の負荷変動タイミングと電池内の計測タイミングとが同期していないためサンプリング周期によっては負荷変動時のデータを取得できないことに起因する消費電力の誤差要因を少なくする。
【解決手段】動作状態が変化することを検出する検出手段と、前記検出手段により動作状態が変化することが検出され、負荷変動が生じると想定される場合に前記電池に対して、前記電池のデータを計測するタイミングを通知するタイミング通知手段と、前記タイミングを通知手段から通知されたタイミングで計測された負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを前記電池から取得する通信手段とを設け、負荷変動した時の電力消費の状況を示すデータを取得できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器及び電子機器の制御方法に関し、特に、通信機能を持つ電池と装置間の通信に用いて好適な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器と通信可能な機能を持つ電池を使用して、動作中に電池から様々なデータを取得し、ユーザーに電池の状態を知らせる機能を持つ電子機器は広く普及している。このような電子機器として、デジタルビデオカメラを例にして説明する。デジタルビデオカメラは、撮影時に電池が後どのくらい使用できるかを示す使用可能時間を画面上に表示している。このような使用可能時間表示は電池の残容量、電池が電子機器へ供給する消費電流、電子機器の消費電力などから算出される。
【0003】
前述した算出において、電池の残容量と消費電流は電池から取得し、消費電力は電子機器装置本体の記録媒体にメタデータとして保存している。電子機器装置本体の記録媒体に保存されている消費電力データは、平均化されている場合が多いため、電池から取得する消費電流データも負荷変動に応じたものでなく、平均化したものとしていた。このため、平均化されたデータを用いて算出された使用可能時間には、予め誤差が生じてしまう問題がある。
【0004】
一方で、電子機器装置本体の記録媒体に保存しているデータを用いずに実際の負荷変動を読み取って消費電力を算出する装置もある。このような装置の場合、消費電力を算出するための、電池から電圧値と電流値を取得して算出する。
【0005】
このような、実際の電池電圧情報と電池電流情報を取得する機器の一例として、特許文献1に記載の電子機器のように、電池の放電電圧および放電電流を示す情報を用いて、電池の放電電力の平均を求める。そして、放電電力の平均を用いて電池を使用可能な残り時間を算出する電子機器がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−15780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来例の方法では、装置側の負荷変動タイミングと電池の電圧値と電流値を計測するタイミングとが同期していない。このため、計測タイミングによっては、計測タイミング間隔中の急激な負荷変動を見過ごすこととなり、負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを取得できない可能性がある。このように、負荷変動した時の電力消費の状況を示すデータを取得することができない場合、その情報を用いて算出した消費電力が不正確な値となる。
本発明は前述の問題点に鑑み、消費電力を算出する際の誤差要因を少なくして正確に電力変動を計測できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、通信可能な機能を有する電池から電力を供給されて動作する電子機器であって、電子機器の動作状態が変化することを検出する検出手段と、前記検出手段により前記電子機器の動作状態が変化することが検出され、負荷変動が生じると想定される場合に前記電池側電子装置に対して、前記電池のデータを計測するタイミングを通知するタイミング通知手段と、前記タイミングを通知手段から通知されたタイミングで計測された負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを前記電池側電子装置から取得する通信手段とを本体側電子装置が有し、前記通信機能を介して前記本体側電子装置から計測タイミングを通知されると、電池のデータの計測を開始する計測手段と、前記計測手段により取得された電力消費の状況を示すデータを前記本体側電子装置に送信するデータ送信手段とを電池側電子装置が有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子機器に負荷変動が起こる操作の有無を電子機器装置の本体側電子装置が検出し、本体側電子装置が検出した動作状態へ遷移する前に、本体側電子装置から電池側電子装置に対して計測するタイミングを通知するようにする。これにより、次の変化を想定することが可能となり、負荷変動時の電力消費の状況を示す正確なデータを取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態を示し、電子機器の構成例を説明するブロック図である。
【図2】第1の実施形態を示し、電子機器の制御例を説明するフローチャートである。
【図3】第2の実施形態を示し、電子機器の記録動作を説明する図である。
【図4】第2の実施形態を示し、電子機器の制御例を説明するフローチャートである。
【図5】第3の実施形態を示し、電子機器の制御例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかわる電子機器の構成例を示すブロック図である。
本体装置1として、本実施形態においては電子機器としてデジタルビデオカメラを一例にあげる。電子機器には本体側電子装置(以降、本体装置1とする)が配設されている。2は、電子機器に電力を供給する電池(以降、バッテリとする)である。バッテリ2には電池側電子装置が配設されている。本実施形態においては、本体側電子装置と電池側電子装置との間でデータ通信を行うことにより、負荷変動した時の電力消費の状況を示すデータを取得できるようにしている。
【0012】
バッテリ2の内部構造を説明する。
図1に示すように、本実施形態のバッテリ2は、バッテリセル3、電池電圧検出回路4、検出抵抗5、記憶媒体6、バッテリマイクロプロセッサ(以降、バッテリマイコンとする)7、及びサーミスタ8などを備えている。バッテリセル3は電気を蓄えるブロックである。電池電圧検出回路4は、電池電圧を検出するために設けられている。
【0013】
検出抵抗5は、バッテリ2から本体装置1に供給する電流値を検出するための抵抗である。この検出抵抗5の両端子の電位差と抵抗値とから本体装置1で消費する電流値をバッテリマイコン7で算出する。記憶媒体6はメモリとして設けられている。例えば、システムマイクロプロセッサ(以降、システムマイコン)20とバッテリマイコン7との間の認証コード、バッテリ電流積算値、サイクルカウント、使用時間、保管時間、電池シリアルNO等のバッテリ情報、計測したバッテリ電圧と電流データを保存する。
【0014】
サーミスタ8は、バッテリ2内の温度検出を行う。電池電圧検出と算出された消費電流とサーミスタ値は、記憶媒体6に保存され、バッテリマイコン7が管理している。また、本実施形態に記載していないその他のバッテリ関係の情報も記憶媒体6に保存され、バッテリマイコン7で管理する。
【0015】
15(15a、15b、15c、15d)は、バッテリ接点で本体装置1との接続する端子である。16(16a、16b、16c、16d)は、本体側のバッテリ接点でバッテリと接続する端子である。15a、16aは+電位の端子。15b、16bは、通信端子で本体装置1から要求コマンドを通知し、コマンドに応じたデータをバッテリが通知する通信機能を構成する端子である。15c、16cはサーミスタ端子、15d、16dは−電位の端子である。これらの端子15、16を介してバッテリ2と本体装置1とは相互に通信可能となり、データ送信を行うことができる。
【0016】
20は本体装置1のシステムマイコンであり、KEY操作や外部出力ケーブルの接続検出等の本体装置1のシステムを管理している。電源制御部25は、DC/DCコンバータで、システムマイコン20の制御によって機器内で使用する電圧を生成し装置全体に供給する。
【0017】
51は、記録・再生時の映像信号処理を制御するマイクロプロセッサである。52は、信号処理用マイクロプロセッサ51と接続されたプログラム用メモリであり、本実施形態の本体装置1の動作プログラム及び記録再生動作を実行するプログラムが格納されている。
【0018】
41は撮像レンズ40からの光学像を電気信号に変換する映像センサーである。42は、映像センサー41から出力される電気信号を画像データに変換処理及び制御するための画像処理・制御回路である。50は、画像処理・制御回路42で処理された画像データを順次データ圧縮・伸長するための回路ブロックである。
【0019】
記録媒体60は、データ圧縮・伸長回路50で処理された動画像データを記録するためのものである。この記録媒体は半導体メモリ等であり、映像を記録することができるもの全般を示す。なお、記録媒体60は本装置内に内蔵されているものだけではなく、本装置と接続して記録データを保存できるものとしてもよい。
【0020】
70は、映像センサー41によって撮像された動画像や実行状態に応じた動作状態やメッセージなどを文字及び画像にて表示するための表示装置である。なお、表示装置は、必ずしも本装置に備えるものではなく、図示していない外部出力端子を経由して接続された外部表示装置でもよい。
【0021】
80は、入力操作KEYであり、映像記録を開始停止するためのトリガースイッチ、上下左右方向指示、電源ON・OFFスイッチ、動作モード切替えスイッチなどを有する。なお、入力操作KEYはスイッチではなく、メニューに含んで操作してもよい。KEY入力はシステムマイコン20にて判断・処理される。90は出力端子であり、テレビやパーソナルコンピューター、AUDIO機器、各種の本体装置アクセサリー、その他電子機器と接続するための接続端子である。
【0022】
次に、システムマイコン20とバッテリマイコン7との間で処理させる計測通知タイミング処理動作について説明する。
図2は、本発明を実行する本体装置1における操作手順の一例を説明するフローチャートである。
処理が開始されると、S200において本体装置1の負荷状態が変化する条件であるかを判定する。本体装置1の負荷状態が変化する条件とは、入力操作KEY80が操作され記録媒体60に映像データを記録または再生動作が行われるか、出力端子90へのケーブル挿抜を検出したか、前記以外の入力操作KEY80による操作が行われたか等である。
【0023】
S200の条件判断がYESの場合、本体装置1の負荷状態が変化すると判断してS201に進む。S201においては、システムマイコン20からバッテリマイコン7へ計測タイミングの通知を行う。ここでは、本体装置1の消費電力を算出する目的で、バッテリ電圧情報とバッテリ電流情報を取得するコマンドをバッテリマイコン7へ通知する。通知するタイミングは、S204の処理で説明する。
【0024】
コマンド通知後はS202に進み、S200で入力された操作に基づいてシステムマイコン20が本体装置1の動作遷移を行う。本体装置1の動作遷移後、バッテリマイコン7の指示でバッテリ電圧情報とバッテリ電流情報の計測を行う(S203)。計測を行うタイミングは、バッテリマイコン7がコマンドを受けてから実際に計測を開始するまでの遅延時間と本体装置1で動作遷移する時間を加味して、システムマイコン20から通知されてくる。
【0025】
このため、受信したコマンドを実行すれば、本体装置1の負荷状態が変化した点の計測となる。この時の計測回数は少なくとも一回以上行うとする。計測されたデータはシステムマイコン20へ転送する(S204)。システムマイコン20は受け取ったバッテリ電圧とバッテリ電流から電力を算出する(S205)。電力算出の一例は後述する。また、計測データはバッテリ2の記憶媒体6に保存しておき、バッテリ2の内部で電力を算出してもよい。
【0026】
S205で行われる処理の一例を説明する。バッテリマイコン7から通知されたバッテリ電圧情報V1とバッテリ電流情報I1を元にして、システムマイコン20で算出する消費電力は式1となる。
消費電力=(I1×V1)・・・式1
【0027】
次に、周期的に負荷変動が行われる場合は、平均消費電力として平均消費電力で算出する(後述する式2)。周期的に負荷変動が行われる場合の一例を示す。
図1の記録媒体60に記録するデータは、信号処理用マイクロプロセッサ51からプログラム用メモリ52へ映像データを一旦書き込み、一定量のデータが溜まった時点で記録媒体60へ記録する動作を行う。この時、プログラム用メモリ52へ映像データが一定量溜まるまで記録媒体60へ記録されない。このため、図3(a)に示すように装置の記録動作としては、記録を行う書き込み期間(T1)と記録しない停止期間(T2)を繰り返す記録動作となる(以降、間欠記録とする。)。図3(a)の間欠記録の詳細な説明は第2の実施形態で行う。
【0028】
ここで、T1とT2の算出方法は、バッテリ2が時間カウンターをもつバッテリである場合、システムマイコン20からバッテリマイコン7への計測タイミング通知の間隔を計測する。
本体装置1が時間カウンターを持つ場合は、本体装置1でT1とT2を算出してもよい。
また、本体装置1とバッテリ2のいずれにも時間カウンターを持たない場合の一例は、第2の実施形態で説明する。
平均消費電力 =(I1×V1)×T1/T+(I2×V2)×T2/T・・・式2
ここで、T1時間の電流値をI1、電圧値をV1、T2時間の電流値をI2、電圧値をV2、平均周期T=T1+T2、とする。
この平均消費電力の算出は、システムマイコン20とバッテリマイコン7のどちらで行ってもよい。
【0029】
以上が本体装置の動作変化を想定してバッテリに計測タイミングを通知する操作手順の説明である。本実施形態の様に、事前に本体装置1の負荷変動を想定して、事前にバッテリに計測タイミングを通知することとで、負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを取得することが可能となる。これにより、動作遷移直後の急激な負荷変動に対しても、正確に計測することが可能になる。
【0030】
(第2の実施形態)
本実施形態においては、第1の実施形態との差分を説明する。
第1の実施形態では、システムマイコン20からバッテリマイコン7に対して計測タイミングの通知を行った。本実施形態では計測タイミングを通知する際に、図3(b)の動作変化テーブルの動作変化時間を一緒に通知することを特徴とする。
本実施形態の説明をする。図4は、本発明を実行する装置における操作手順の一例を説明するフローチャートである。第1の実施形態と同様の操作手順の箇所は同じステップ番号を付して省略する。
第1の実施形態と同様に平均消費電力を算出する目的で、バッテリ電圧情報とバッテリ電流情報を取得する。図3(b)は動作変化テーブルの一例である。記録媒体60へ記録・再生する際のT1・T2時間を記録レート毎(例えばMXP:25Mbps/SP:10Mbps/LP:7Mbps(bit per sec))と記録媒体のCLASS(CL)別に記載したものである。
【0031】
次に、図4のフローチャートを参照しながら本実施形態の本体装置1の動作手順を説明する。
入力操作KEY80のトリガーKEYが押されると、S400における判断条件がYESとなる。また、S400の判断条件は第1の実施形態に対して、例えば簡潔記録のような「周期的な動作変化であるか」の判断を追加している。
【0032】
トリガーKEYが押され間欠記録が開始する前に、図3(a)の(1)書き込みが開始する前にバッテリマイコン7に計測タイミングの通知と書き込み時間T1のデータ通知を行う(S401)。その後、S202に進むが、S202において行われる処理は前述した第1の実施形態で説明した処理と同様であるので、説明は省略する。
【0033】
計測タイミング通知を受けて、図3(a)の(2)バッテリマイコン7は書き込み期間T1以内に計測を行う(S203)。S204の説明は省略する。予めデータの取得回数をシステムマイコン20で決めておき、設定回数のデータ取得が終ったかの判断(S402)を行う。ここではN=2とする。したがって、判断条件(S402)がN=2でないため、処理S400へ戻る。
【0034】
判断条件(S400)においては、間欠記録動作のため周期的な動作変化であると判断して、判断はYESとなる。図3(a)の(3)書き込み停止前にバッテリマイコン7に計測タイミングの通知と書き込み停止時間T2のデータ通知を行う(S401)。S202の説明は省略する。計測タイミング通知を受けて、図3(a)の(4)バッテリマイコン7は書き込み停止時T2に計測を行う(S203)。バッテリマイコン7は受信したT1またはT2時間内に少なくとも一回以上は計測を行う。
【0035】
また、前述した説明では、図3(a)の(1)と(3)の計測タイミング通知と一緒にT1またはT2を通知していた。しかし、T1とT2が周期的な時間成分であるため、(1)の計測タイミング通知時にT1とT2を一緒に通知し、以降は通知したT1とT2を元にしてバッテリマイコン7で計測タイミングを算出することも可能である。
【0036】
次に、条件判断S402が、N=2となり、YESとなり、S205に移行する。S205では、前述した式2をシステムマイコン20で算出する。この時、計算に用いるT1とT2は、バッテリマイコン7が通知した値を用いる。
【0037】
以上が、計測タイミングを通知する際に、動作変化テーブルの変化時間を一緒に通知することを特徴とする本実施形態の動作説明である。このように、動作変化テーブルの変化時間を通知することでバッテリは、計測タイミングを受信してから計測を行う時間範囲を知ることができる。更に、計測タイミングが通知されてから、次の変化する時間までの時間内に複数回の計測も可能となる。
【0038】
(第3の実施形態)
本実施形態においては、第1の実施形態との差分を示す。
第1の実施形態では本体装置1の負荷変動があると想定されるときに、システムマイコン20からバッテリマイコン7に計測タイミング通知を行うと説明した。本実施形態では負荷変動が想定できる場合は計測タイミング通知を行う。また、XLR端子を持つマイクのように出力端子90にケーブルを接続したことを検出できずに負荷変動が想定できない場合、または一定電力で動作している場合は一定時間タイミングで計測を行う。
【0039】
本実施形態の説明を行う。図5は、本発明を実行する装置における操作手順の一例を示すフローチャートである。図5において、前述した第1の実施形態と同様の処理を行うステップについては同じステップ番号を付して説明を省略する。
【0040】
前述したように、本体装置1の負荷状態が変わる条件は以下の通りである。すなわち、入力操作KEY80が操作され記録媒体60に映像データを記録または再生動作が行われるか、出力端子90へのケーブル挿抜を検出したか、前記以外の入力操作KEY80による操作が行われたか等である。つまり、現状態から負荷変動がある場合を想定し、その変化を逃すことが無いように、バッテリマイコン7が計測を行う。一方、KEY入力または出力端子90へのケーブル挿抜がなく動作が安定した状態の場合、接続を検出できない端子を使用する場合は一定時間タイミングで計測を行う。
【0041】
図5において、本体装置1が安定動作時に、システムマイコン20からバッテリマイコン7へ計測タイミングの通知を行う(S500)。第1の実施形態と同様に、本体装置1の消費電力を算出する目的で、バッテリ電圧情報とバッテリ電流情報を取得するコマンドをバッテリマイコン7へ通知する。次の処理S203、S204は第1の実施形態と同様のため、省略する。
【0042】
次に、S501、S502は待機時間調整を行うステップで、システムマイコン20で予め設定したM、Nの値で待機時間を決めている。S501は、安定動作時に何秒間隔で計測するかの待機時間設定である。M秒間の待機が終了する(条件判断S501がYES)とS502へ移行する。S502は、システムマイコン20がバッテリマイコン7から通知されたバッテリ電圧情報とバッテリ電流情報を元にして消費電力を計算する間隔を決めている。N秒間の待機が終る(条件判断S502がYES)と、処理S503へ移行し、システムマイコン20でバッテリ電圧情報とバッテリ電流情報から消費電力を算出する。条件判断S502がNOの時は条件判断S200へ移行する。S200以降は第1の実施形態と同様のため、省略する。
【0043】
計測タイミングを通知してから一定期間タイミング計測に戻るタイミングは、通知から一定時間経過後に自動的に一定期間タイミング計測に戻る(図5のフローチャートの処理の終了後から一定時間後に開始操作を始める)。または、計測タイミングを通知後に本体装置1から解除通知を通知し、それをバッテリが受けると一定期間タイミング計測に戻るとしてもよい。
【0044】
以上が、一定期間タイミングの計測と計測タイミング通知による計測とを切り替える計測方法の動作説明である。負荷変動が生じない時間は、電池のデータ計測タイミングは一定周期でデータの計測を行う。また、電子機器の動作状態が変化することを検出できる場合は、電池へ計測タイミングを通知して計測タイミング通知による計測を行うように計測タイミングを切り替える計測タイミング制御方法の動作説明である。このような動作にすることで、必要に応じて計測方法を切り替えるため、より効率的な計測を可能にすることができる。
【0045】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。また、前述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0046】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワークまたは各種のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0047】
1 本体装置、2 バッテリ、3 バッテリセル、4 電池電圧検出、5 検出抵抗、6 記憶媒体、7 バッテリマイクロプロセッサ、8 サーミスタ、15 バッテリ側端子、16 本体側バッテリ端子、20 システムマイクロプロセッサ、25 電源制御部、
40 レンズ、41 映像センサー、42 画像処理・制御ブロック、50 データ圧縮・伸長ブロック、51 信号処理用マイクロプロセッサ、52 プログラムメモリ、60 記録媒体、70 表示装置、80 入力操作KEY、90 出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体側電子装置と通信可能な電池側電子装置を有する電池から電力を供給されて動作する電子機器であって、
前記電子機器の動作状態が変化することを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記電子機器の動作状態が変化することが検出され、負荷変動が生じると想定される場合に前記電池側電子装置に対して、前記電池のデータを計測するタイミングを通知するタイミング通知手段と、
前記タイミングを通知手段から通知されたタイミングで計測された負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを前記電池側電子装置から取得する通信手段とを本体側電子装置が有し、
前記本体側電子装置から計測タイミングを通知されると、電池のデータの計測を開始する計測手段と、
前記計測手段により取得された電力消費の状況を示すデータを前記本体側電子装置に送信するデータ送信手段とを電池側電子装置が有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
周期的に動作する前記電子機器の動作変化時間を前記本体側電子装置の記録媒体に保存しておき、前記検出手段で前記電子機器の動作状態が変化することが検出され、周期的な負荷変動が生じると想定される場合に、前記本体側電子装置から前記電池側電子装置へ計測タイミングを通知する際に、前記動作変化時間を一緒に通知し、
前記電池側電子装置の計測手段は、受信した前記動作変化時間の内に少なくとも一回以上の計測を行うことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記タイミング通知手段は、前記検出手段で前記電子機器の動作状態が変化することが検出され、周期的な負荷変動が生じると想定される場合に、前記電池側電子装置へ計測タイミングを通知する際に、一回のみ前記動作変化時間を通知し、前記通知した動作変化時間に基づいて計測タイミングを算出して計測を行わせることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記電子機器の負荷変動が生じない時間は、前記電池のデータの計測タイミングは一定周期でデータの計測を行い、前記検出手段で前記電子機器の動作状態が変化することを検出できる場合は、前記電池側電子装置へ計測タイミングを通知して計測タイミング通知による計測を行うように計測タイミングを切り替える計測タイミング制御手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
本体側電子装置と通信可能な電池側電子装置を有する電池から電力を供給されて動作する電子機器の制御方法であって、
電子機器の動作状態が変化することを検出する検出工程と、
前記検出工程において前記電子機器の動作状態が変化することが検出され、負荷変動が生じると想定される場合に前記電池側電子装置に対して、前記電池のデータを計測するタイミングを通知するタイミング通知工程と、
前記タイミングを通知工程から通知されたタイミングで計測された負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを前記電池側電子装置から取得する通信工程とを本体側電子装置が有し、
前記本体側電子装置から計測タイミングを通知されると、電池のデータの計測を開始する計測工程と、
前記計測工程において取得された電力消費の状況を示すデータを前記本体側電子装置に送信するデータ送信工程とを電池側電子装置が有することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項6】
本体側電子装置と通信可能な電池側電子装置を有する電池から電力を供給されて動作する電子機器の制御方法の各処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
電子機器の動作状態が変化することを検出する検出工程と、
前記検出工程において前記電子機器の動作状態が変化することが検出され、負荷変動が生じると想定される場合に前記電池側電子装置に対して、前記電池のデータを計測するタイミングを通知するタイミング通知工程と、
前記タイミングを通知工程から通知されたタイミングで計測された負荷変動時の電力消費の状況を示すデータを前記電池側電子装置から取得する通信工程と、
前記本体側電子装置から計測タイミングを通知されると、電池のデータの計測を開始する計測工程と、
前記計測工程において取得された電力消費の状況を示すデータを前記本体側電子装置に送信するデータ送信工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−85137(P2013−85137A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224079(P2011−224079)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】