電子機器用カバー部材および電池蓋
【課題】
電子機器の落下に対する防護性を高め、かつ外観の選択が可能な電子機器用カバー部材および電池蓋を提供する。
【解決手段】
本発明は、電子機器2の操作面3側を開口して当該電子機器2の外側を覆う電子機器用カバー部材1であって、容器型の弾性部材20を少なくとも備え、その弾性部材20を、開口面1aとその反対側にあたる裏面1bとを反転可能に構成し、開口面1aと裏面1bの各形態を異なるようにした電子機器用カバー部材1に関する。
電子機器の落下に対する防護性を高め、かつ外観の選択が可能な電子機器用カバー部材および電池蓋を提供する。
【解決手段】
本発明は、電子機器2の操作面3側を開口して当該電子機器2の外側を覆う電子機器用カバー部材1であって、容器型の弾性部材20を少なくとも備え、その弾性部材20を、開口面1aとその反対側にあたる裏面1bとを反転可能に構成し、開口面1aと裏面1bの各形態を異なるようにした電子機器用カバー部材1に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器用カバー部材および電池蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話、携帯型のゲーム機器、電子ブック等の小型電子機器を持ち運ぶ機会が益々増えてきており、それに伴い、小型電子機器を落下させあるいは移動中に何かに接触させて破損する機会も増えている。小型電子機器を落下あるいは何かに接触させた際にその破損から防護する方法の一つに、小型電子機器をクッション性の高いカバーあるいはケースにて覆う方法が考えられる。
【0003】
例えば、小型電子機器の操作面のみを開口し、側面から裏面までを覆う形状であって、開口部分の伸縮性を高めて、小型電子機器の着脱容易にした電子機器用カバーが知られている(特許文献1を参照)。また、携帯電話の操作面側を開口した比較的硬質の材料(プラスチックあるいは金属)から構成される携帯電話用の容器および保持具も知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−027076号公報
【特許文献2】特開2000−201210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近のユーザの中には、1つのカバー部材に対して2種類の外観を選択できることを要望するユーザも少なくない。しかし、上記の従来から公知のカバーには、次のような欠点がある。特許文献1に開示されるカバーは、布のような柔らかい材料を縫合して形成されるため、カバーを容易に裏返すことはできるが、破れやすく、かつ落下時の衝撃から電子機器を保護するには十分な強度を有していない。また、特許文献2に開示される容器および保持具(ここでは、「容器」と称する)は、比較的硬質な材料から構成されているため、裏返すことはできない。加えて、電子機器を落下させたときに、容器自体が破損しやすく、繰り返しの使用に耐え得ない。また、容器により衝撃を十分に吸収できず、電子機器が破損する危険性も高い。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、電子機器の落下に対する防護性を高め、かつ外観の選択が可能な電子機器用カバー部材および電池蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するため、本発明の一形態は、電子機器の操作面側を開口して当該電子機器の外側を覆う電子機器用カバー部材であって、容器型の弾性部材を少なくとも備え、その弾性部材を、開口面とその反対側にあたる裏面とを反転可能に構成し、開口面と裏面の各形態を異なるようにした電子機器用カバー部材である。
【0008】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材の開口面と裏面の質感を異なるようにした電子機器用カバー部材である。
【0009】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材の底面側に、弾性部材よりも高硬度の第一プレートを、さらに備える電子機器用カバー部材である。
【0010】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材により第一プレートの両面を覆った電子機器用カバー部材である。
【0011】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材の開口側に、弾性部材よりも高硬度の第二プレートを、さらに備える電子機器用カバー部材である。
【0012】
本発明の別の形態は、さらに、第二プレートの形状を閉ループ形状とした電子機器用カバー部材である。
【0013】
本発明の一形態は、上述の電子機器用カバー部材が電池収納部の開口面を覆う蓋を兼ねた電池蓋である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子機器の落下に対する防護性を高め、かつ外観の選択が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の第一の実施の形態に係る電子機器用カバー部材を電子機器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す電子機器用カバー部材のA−A線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す電子機器用カバー部材のB−B線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す電子機器用カバー部材のC−C線断面図およびその一部の拡大図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す電子機器用カバー部材のD−D線断面図およびその一部の拡大図である。
【図10】図10は、本発明の第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図11】図11は、第一の実施の形態に係るカバー部材を2つ用意し、それらの背面同士を固定したカバー部材の斜視図である。
【図12】図12は、図11に示すカバー部材のE−E線断面図である。
【図13】図13は、図12に示すカバー部材の変形例を示すE−E線断面図と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る電子機器用カバー部材および電池蓋の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
<第一の実施の形態>
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る電子機器用カバー部材を電子機器に取り付けた状態を示す斜視図である。図2は、図1に示す電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図3は、図2に示す電子機器用カバー部材のA−A線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【0018】
(1)電子機器用カバー部材の構造
第一の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(以後、単に、「カバー部材」と称する)1は、電子機器2の操作面3側を開口して当該電子機器2の外側を覆うことのできる形態を有する。カバー部材1は、底板21とそれに連接する側壁22とを有する容器型の弾性部材20を備え、開口面1aとその反対側にあたる裏面1bとを反転可能に構成されている。開口面1aおよび裏面1bは、例えば、模様、文字、色、質感(例えば、表面粗度あるいは光沢度)等に代表される形態が互いに異なるように形成されている。例えば、開口面1aを光沢のある表面性状とし、裏面1bをつや消し状態の表面性状とすることができる。カバー部材1は、弾性部材20の底面側に、弾性部材20よりも高硬度の第一プレート10を備える。第一プレート10は、弾性部材20の底板21の内部に埋設されている。ただし、第一プレート10の一部が弾性部材20から開口面1a側あるいは裏面1b側に露出していても良い。
【0019】
弾性部材20は、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーなどから好適に構成され、例えば、ウレタン系あるいはシリコーン系エラストマーから特に好適に構成される。第一プレート10は、好適には樹脂から成り、より好適には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から成り、その中でも特に好適には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂から成る。弾性部材20および第一プレート10の厚さは、電子機器2の大きさ、重量等によって適正な厚さに設計可能である。例えば、電子機器2の厚さが8〜20mm、短辺が50〜200mm、長辺が80〜300mmの範囲にある場合、エラストマー製の弾性部材20を構成する底板21および側壁22の最も厚い部分は、例えば、0.4〜1.4mm、より好適には0.4〜1.0mmの範囲である。底板21と側壁22との境界線近傍、側壁22同士の境界線近傍、および2つの側壁22と底板21との合流点近傍の少なくともいずれか1つは、弾性部材20を表裏双方向に容易に裏返しできるように、底板21および側壁22よりも薄肉に形成する方が好ましい。第一プレート10は、弾性部材20の底板21の内部に埋設される場合、底板21の厚さよりも0.1〜1mm程度薄い方が好ましい。
【0020】
図3に示すように、第一プレート10を基準に、弾性部材20を矢印Xに示すように裏返すと、開口面1aは裏面に、裏面1bは開口面になる。この結果、カバー部材1の裏面1bの形態を、開口面1aの形態に変更することができる。
【0021】
この実施の形態に係るカバー部材1は、電子機器2の電池収納部に電池を入れた状態にて電子機器2に取り付けることにより電池蓋25として機能するものである。このため、電子機器2に、カバー部材1以外に、電池の脱落を防止するための別の蓋を必要としない。ただし、カバー部材1が電池蓋25を兼ねることは、必須ではない。電子機器2の電池収納部に、専用の電池蓋を備え、その上からカバー部材1を取り付けても良い。以後の各実施の形態においても同様である。
【0022】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
第一プレート10は、板材からの切り出しの他、例えば、金型内に溶融樹脂を射出して成形する射出成形法、軟化させた板状の樹脂を金型内で型締めする成形法にても好適に製造できる。また、後者の成形法の場合には、一方の金型側から減圧する方法、一方の金型側から高圧気体を送気する方法、当該減圧と送気とを組み合わせる方法を用いても良い。弾性部材20は、例えば、第一プレート10を金型内にセットして、第一プレート10の周囲を覆うように、弾性部材20を構成可能な組成物を供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより成形できる。かかる成形法を用いると、第一プレート10と弾性部材20とを容易に一体化することができる。なお、第一プレート10と弾性部材20との密着性を高めるため、第一プレート10における弾性部材20との密着領域に、プライマーを塗布してから金型にセットして、弾性部材20を構成する組成物を金型内に供給しても良い。また、上記の製造方法以外に、第一プレート10の片面と弾性部材20とを一体成形後、残る露出面に弾性部材20と同じ材料から成るシートを貼り付けて、第一プレート10の周囲を弾性部材20とシートにより覆うようにしても良い。
【0023】
<第二の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第二の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0024】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図4は、本発明の第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図5は、図4に示す電子機器用カバー部材のB−B線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【0025】
第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、第一の実施の形態と異なり、第一プレート10を弾性部材20の底板21の内部に埋設せず、その片面を露出させている。第二の実施の形態に係るカバー部材1は、さらに、別の第一プレート10’を、底板21を挟んで第一プレート10の反対側に備える。第一プレート10’は、弾性部材20よりも高硬度の材料、好適には樹脂から成り、より好適には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から成り、その中でも特に好適には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂から成る。かかる構成により、各第一プレート10,10’上にそれぞれ別の模様や文字等を形成しておくと、図5の矢印Yに示すようにカバー部材1を表裏双方向に裏返すことにより、各第一プレート10,10’上の模様や文字等を交互に視認可能となる。なお、第一プレート10、第一プレート10’のいずれか一方のみを弾性部材20の底板21に貼り付けても良い。
【0026】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
弾性部材20は、金型に弾性部材20を構成可能な組成物を供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより成形できる。第一プレート10,10’は、成形後の弾性部材20の底板21に接着剤等を介して貼り付け、あるいは溶着するのが好ましい。
【0027】
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第三の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0028】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図6は、本発明の第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図7は、図6に示す電子機器用カバー部材のC−C線断面図およびその一部の拡大図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【0029】
第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、第一の実施の形態と異なり、弾性部材20の側壁22の開口端に、閉ループ形状の第二プレート30を備える。第二プレート30は、弾性部材20よりも高硬度の材料、好適には樹脂から成り、より好適には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から成り、その中でも特に好適には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂から成る。第二プレート30を備えることにより、カバー部材1の開口側、すなわち電子機器2の操作面3側から電子機器2を落下させた場合の操作面3側の保護をより強化することができる。なお、第二プレート30は、閉ループ形状ではなく、断片状に側壁22の開口端に沿って配置しても良い。
【0030】
第二プレート30は、電子機器2の操作面3側(すなわち、内側)にわずかに延出して配置される方が好ましい。第二プレート30を変形可能なツメ部とすると、電子機器2の取り付けや取り外しが容易であると同時に電子機器2を保持しやすい。また、操作面3側から電子機器2を落下した際に、第二プレート30が最初にその衝撃を受けることになるため、電子機器2を衝撃から保護しやすい。第二プレート30は、操作面3側に延出して備える場合には、その逆方向(側壁22の外方向)にも延出している方が好ましい。図7の領域Pの拡大図にて示すように、第二プレート30が側壁22の内側および外側の両方向に延出して形成されている場合、矢印Zに示すようにカバー部材1を裏返しても、第二プレート30が側壁22の内側に延出した状態になる。このため、カバー部材1を裏返しても、上述の保護強化を図ることができる。なお、第二プレート30が側壁22の外側に延出する長さ(L1)と内側に延出する長さ(L2)を同一にすれば、カバー部材1を表裏いずれの方向に裏返しても、同程度の保護機能を発揮できるメリットが有る。なお、カバー部材1は、第二プレート30のみを備え、第一プレート10を備えていなくても良い。
【0031】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
第一プレート10の製造および弾性部材20と第一プレート10との一体化については、第一の実施の形態にて説明した製造方法と同様である。第二プレート30を弾性部材20に備える場合には、第一プレート10と共に弾性部材20と一体化しても良く、あるいは第一プレート10と弾性部材20との一体化の後に、第二プレート30を弾性部材20に接着剤等を介して貼り付け、あるいは溶着しても良い。
【0032】
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第四の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0033】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図8は、本発明の第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図9は、図8に示す電子機器用カバー部材のD−D線断面図およびその一部の拡大図である。
【0034】
第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、操作面3側からの落下に対して電子機器2を保護する趣旨では、第三の実施の形態に係るカバー部材1と共通する。第四の実施の形態に係るカバー部材1は、側壁22の開口端を操作面3側に延出させている点で、第二プレート30を操作面3側に延出させている第三の実施の形態に係るカバー部材1と異なる。また、図9の領域Qの拡大図に示すように、第四の実施の形態に係るカバー部材1は、側壁22の開口側であって開口端の下方に、閉ループ形状の第二プレート40を備える。第二プレート40は、操作面3側からの衝撃に加え、側壁22からの衝撃に対しても、電子機器2を保護する機能を有する。ただし、第二プレート40を底板21に向けて長く形成すると、カバー部材1の裏返しに対して大きな抵抗になりやすい。したがって、第二プレート40は、カバー部材1の裏返しの支障にならない程度に、側壁22の開口側から底板21の方向に延出しているのが好ましい。また、第三の実施の形態に係るカバー部材1に備える第二プレート30と、第四の実施の形態に係るカバー部材1に備える第二プレート40とを合体して、T字形状の第二プレートを弾性部材20の開口側に備えても良い。なお、カバー部材1は、第二プレート40のみを備え、第一プレート10を備えなくても良い。
【0035】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
第一プレート10および第二プレート40と、弾性部材20との一体化は、第一の実施の形態にて説明した製造方法と同様、第一プレート10および第二プレート40を金型内にセットして、第一プレート10および第二プレート40の各周囲を覆うように、弾性部材20を構成可能な組成物を供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより実現できる。
【0036】
<第五の実施の形態>
次に、本発明の第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第五の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0037】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図10は、本発明の第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【0038】
第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、第一プレート10を備えておらず、その点を除く構成を第一の実施の形態に係るカバー部材1と同じ構成とする。すなわち、第五の実施の形態に係るカバー部材1は、弾性部材20のみから成り、開口面1aとその反対側にあたる裏面1bとを反転可能な構成を有する。開口面1aおよび裏面1bの模様、文字、色、質感等に代表される形態を互いに異なるようにしているため、ユーザは、カバー部材1の表裏を裏返すことにより、異なる形態を楽しむことができる。
【0039】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
弾性部材20は、それを構成可能な組成物を金型内に供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより成形できる。
【0040】
<その他の実施の形態>
以上、本発明の好適な各実施の形態について説明してきたが、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々変形実施可能である。
【0041】
図11は、第一の実施の形態に係るカバー部材を2つ用意し、それらの背面同士を固定したカバー部材の斜視図である。図12は、図11に示すカバー部材のE−E線断面図である。
【0042】
図12に示すように、第一プレート10と弾性部材20(底板21と側壁22とから成る形態)とを備えるカバー部材と、第一プレート10と弾性部材50(底板51と側壁52とから成る形態)とを備える別のカバー部材の互いの背面同士を固定した形状のカバー部材1は、表裏双方向に電子機器2を保持可能である。表裏双方向の開口面1a,1cを異なる模様、文字、質感に仕上げると、カバー部材1の裏返しができなくても、ユーザは、異なる形態を楽しむことができる。
【0043】
図13は、図12に示すカバー部材の変形例を示すE−E線断面図と同様の断面図である。
【0044】
図13に示すカバー部材1は、図12に示すカバー部材1と異なり、弾性部材20,50に共通の第一プレート10を1枚のみ備える。また、弾性部材50は、その開口面積を弾性部材20のそれに比して大きく形成されている。弾性部材20と弾性部材50との間で、開口面積以外にも、色や模様を変えることもできる。このように、弾性部材50と弾性部材20の両形態を変えることにより、異なる形態の2つの電子機器2を保持することができるのみならず、電子機器2を保持していない状態において、ユーザは、瞬時に、使用目的の電子機器2をどちらに保持すべきかを判断できる。
【0045】
上記の第一の実施の形態、第二の実施の形態、第三の実施の形態、第四の実施の形態および第五の実施の形態は、特に組み合わせ不能な場合を除き、互いにそれぞれの特徴を一以上組み合わせても良い。例えば、第二の実施の形態と第三の実施の形態、あるいは第二の実施の形態と第四の実施の形態の各組み合わせを行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、電子機器の保護カバーとして利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 カバー部材(電子機器用カバー部材)
1a,1c 開口面
1b 裏面
2 電子機器
3 操作面
10,10’ 第一プレート
20 弾性部材
25 電池蓋
30,40 第二プレート
50 弾性部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器用カバー部材および電池蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話、携帯型のゲーム機器、電子ブック等の小型電子機器を持ち運ぶ機会が益々増えてきており、それに伴い、小型電子機器を落下させあるいは移動中に何かに接触させて破損する機会も増えている。小型電子機器を落下あるいは何かに接触させた際にその破損から防護する方法の一つに、小型電子機器をクッション性の高いカバーあるいはケースにて覆う方法が考えられる。
【0003】
例えば、小型電子機器の操作面のみを開口し、側面から裏面までを覆う形状であって、開口部分の伸縮性を高めて、小型電子機器の着脱容易にした電子機器用カバーが知られている(特許文献1を参照)。また、携帯電話の操作面側を開口した比較的硬質の材料(プラスチックあるいは金属)から構成される携帯電話用の容器および保持具も知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−027076号公報
【特許文献2】特開2000−201210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近のユーザの中には、1つのカバー部材に対して2種類の外観を選択できることを要望するユーザも少なくない。しかし、上記の従来から公知のカバーには、次のような欠点がある。特許文献1に開示されるカバーは、布のような柔らかい材料を縫合して形成されるため、カバーを容易に裏返すことはできるが、破れやすく、かつ落下時の衝撃から電子機器を保護するには十分な強度を有していない。また、特許文献2に開示される容器および保持具(ここでは、「容器」と称する)は、比較的硬質な材料から構成されているため、裏返すことはできない。加えて、電子機器を落下させたときに、容器自体が破損しやすく、繰り返しの使用に耐え得ない。また、容器により衝撃を十分に吸収できず、電子機器が破損する危険性も高い。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、電子機器の落下に対する防護性を高め、かつ外観の選択が可能な電子機器用カバー部材および電池蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するため、本発明の一形態は、電子機器の操作面側を開口して当該電子機器の外側を覆う電子機器用カバー部材であって、容器型の弾性部材を少なくとも備え、その弾性部材を、開口面とその反対側にあたる裏面とを反転可能に構成し、開口面と裏面の各形態を異なるようにした電子機器用カバー部材である。
【0008】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材の開口面と裏面の質感を異なるようにした電子機器用カバー部材である。
【0009】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材の底面側に、弾性部材よりも高硬度の第一プレートを、さらに備える電子機器用カバー部材である。
【0010】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材により第一プレートの両面を覆った電子機器用カバー部材である。
【0011】
本発明の別の形態は、さらに、弾性部材の開口側に、弾性部材よりも高硬度の第二プレートを、さらに備える電子機器用カバー部材である。
【0012】
本発明の別の形態は、さらに、第二プレートの形状を閉ループ形状とした電子機器用カバー部材である。
【0013】
本発明の一形態は、上述の電子機器用カバー部材が電池収納部の開口面を覆う蓋を兼ねた電池蓋である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子機器の落下に対する防護性を高め、かつ外観の選択が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の第一の実施の形態に係る電子機器用カバー部材を電子機器に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す電子機器用カバー部材のA−A線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、図4に示す電子機器用カバー部材のB−B線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す電子機器用カバー部材のC−C線断面図およびその一部の拡大図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図9】図9は、図8に示す電子機器用カバー部材のD−D線断面図およびその一部の拡大図である。
【図10】図10は、本発明の第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【図11】図11は、第一の実施の形態に係るカバー部材を2つ用意し、それらの背面同士を固定したカバー部材の斜視図である。
【図12】図12は、図11に示すカバー部材のE−E線断面図である。
【図13】図13は、図12に示すカバー部材の変形例を示すE−E線断面図と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る電子機器用カバー部材および電池蓋の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
<第一の実施の形態>
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る電子機器用カバー部材を電子機器に取り付けた状態を示す斜視図である。図2は、図1に示す電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図3は、図2に示す電子機器用カバー部材のA−A線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【0018】
(1)電子機器用カバー部材の構造
第一の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(以後、単に、「カバー部材」と称する)1は、電子機器2の操作面3側を開口して当該電子機器2の外側を覆うことのできる形態を有する。カバー部材1は、底板21とそれに連接する側壁22とを有する容器型の弾性部材20を備え、開口面1aとその反対側にあたる裏面1bとを反転可能に構成されている。開口面1aおよび裏面1bは、例えば、模様、文字、色、質感(例えば、表面粗度あるいは光沢度)等に代表される形態が互いに異なるように形成されている。例えば、開口面1aを光沢のある表面性状とし、裏面1bをつや消し状態の表面性状とすることができる。カバー部材1は、弾性部材20の底面側に、弾性部材20よりも高硬度の第一プレート10を備える。第一プレート10は、弾性部材20の底板21の内部に埋設されている。ただし、第一プレート10の一部が弾性部材20から開口面1a側あるいは裏面1b側に露出していても良い。
【0019】
弾性部材20は、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマーなどから好適に構成され、例えば、ウレタン系あるいはシリコーン系エラストマーから特に好適に構成される。第一プレート10は、好適には樹脂から成り、より好適には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から成り、その中でも特に好適には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂から成る。弾性部材20および第一プレート10の厚さは、電子機器2の大きさ、重量等によって適正な厚さに設計可能である。例えば、電子機器2の厚さが8〜20mm、短辺が50〜200mm、長辺が80〜300mmの範囲にある場合、エラストマー製の弾性部材20を構成する底板21および側壁22の最も厚い部分は、例えば、0.4〜1.4mm、より好適には0.4〜1.0mmの範囲である。底板21と側壁22との境界線近傍、側壁22同士の境界線近傍、および2つの側壁22と底板21との合流点近傍の少なくともいずれか1つは、弾性部材20を表裏双方向に容易に裏返しできるように、底板21および側壁22よりも薄肉に形成する方が好ましい。第一プレート10は、弾性部材20の底板21の内部に埋設される場合、底板21の厚さよりも0.1〜1mm程度薄い方が好ましい。
【0020】
図3に示すように、第一プレート10を基準に、弾性部材20を矢印Xに示すように裏返すと、開口面1aは裏面に、裏面1bは開口面になる。この結果、カバー部材1の裏面1bの形態を、開口面1aの形態に変更することができる。
【0021】
この実施の形態に係るカバー部材1は、電子機器2の電池収納部に電池を入れた状態にて電子機器2に取り付けることにより電池蓋25として機能するものである。このため、電子機器2に、カバー部材1以外に、電池の脱落を防止するための別の蓋を必要としない。ただし、カバー部材1が電池蓋25を兼ねることは、必須ではない。電子機器2の電池収納部に、専用の電池蓋を備え、その上からカバー部材1を取り付けても良い。以後の各実施の形態においても同様である。
【0022】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
第一プレート10は、板材からの切り出しの他、例えば、金型内に溶融樹脂を射出して成形する射出成形法、軟化させた板状の樹脂を金型内で型締めする成形法にても好適に製造できる。また、後者の成形法の場合には、一方の金型側から減圧する方法、一方の金型側から高圧気体を送気する方法、当該減圧と送気とを組み合わせる方法を用いても良い。弾性部材20は、例えば、第一プレート10を金型内にセットして、第一プレート10の周囲を覆うように、弾性部材20を構成可能な組成物を供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより成形できる。かかる成形法を用いると、第一プレート10と弾性部材20とを容易に一体化することができる。なお、第一プレート10と弾性部材20との密着性を高めるため、第一プレート10における弾性部材20との密着領域に、プライマーを塗布してから金型にセットして、弾性部材20を構成する組成物を金型内に供給しても良い。また、上記の製造方法以外に、第一プレート10の片面と弾性部材20とを一体成形後、残る露出面に弾性部材20と同じ材料から成るシートを貼り付けて、第一プレート10の周囲を弾性部材20とシートにより覆うようにしても良い。
【0023】
<第二の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第二の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0024】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図4は、本発明の第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図5は、図4に示す電子機器用カバー部材のB−B線断面図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【0025】
第二の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、第一の実施の形態と異なり、第一プレート10を弾性部材20の底板21の内部に埋設せず、その片面を露出させている。第二の実施の形態に係るカバー部材1は、さらに、別の第一プレート10’を、底板21を挟んで第一プレート10の反対側に備える。第一プレート10’は、弾性部材20よりも高硬度の材料、好適には樹脂から成り、より好適には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から成り、その中でも特に好適には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂から成る。かかる構成により、各第一プレート10,10’上にそれぞれ別の模様や文字等を形成しておくと、図5の矢印Yに示すようにカバー部材1を表裏双方向に裏返すことにより、各第一プレート10,10’上の模様や文字等を交互に視認可能となる。なお、第一プレート10、第一プレート10’のいずれか一方のみを弾性部材20の底板21に貼り付けても良い。
【0026】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
弾性部材20は、金型に弾性部材20を構成可能な組成物を供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより成形できる。第一プレート10,10’は、成形後の弾性部材20の底板21に接着剤等を介して貼り付け、あるいは溶着するのが好ましい。
【0027】
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第三の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0028】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図6は、本発明の第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図7は、図6に示す電子機器用カバー部材のC−C線断面図およびその一部の拡大図であって、裏返す前後の状態を示す図である。
【0029】
第三の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、第一の実施の形態と異なり、弾性部材20の側壁22の開口端に、閉ループ形状の第二プレート30を備える。第二プレート30は、弾性部材20よりも高硬度の材料、好適には樹脂から成り、より好適には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂から成り、その中でも特に好適には、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはポリアミド系樹脂から成る。第二プレート30を備えることにより、カバー部材1の開口側、すなわち電子機器2の操作面3側から電子機器2を落下させた場合の操作面3側の保護をより強化することができる。なお、第二プレート30は、閉ループ形状ではなく、断片状に側壁22の開口端に沿って配置しても良い。
【0030】
第二プレート30は、電子機器2の操作面3側(すなわち、内側)にわずかに延出して配置される方が好ましい。第二プレート30を変形可能なツメ部とすると、電子機器2の取り付けや取り外しが容易であると同時に電子機器2を保持しやすい。また、操作面3側から電子機器2を落下した際に、第二プレート30が最初にその衝撃を受けることになるため、電子機器2を衝撃から保護しやすい。第二プレート30は、操作面3側に延出して備える場合には、その逆方向(側壁22の外方向)にも延出している方が好ましい。図7の領域Pの拡大図にて示すように、第二プレート30が側壁22の内側および外側の両方向に延出して形成されている場合、矢印Zに示すようにカバー部材1を裏返しても、第二プレート30が側壁22の内側に延出した状態になる。このため、カバー部材1を裏返しても、上述の保護強化を図ることができる。なお、第二プレート30が側壁22の外側に延出する長さ(L1)と内側に延出する長さ(L2)を同一にすれば、カバー部材1を表裏いずれの方向に裏返しても、同程度の保護機能を発揮できるメリットが有る。なお、カバー部材1は、第二プレート30のみを備え、第一プレート10を備えていなくても良い。
【0031】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
第一プレート10の製造および弾性部材20と第一プレート10との一体化については、第一の実施の形態にて説明した製造方法と同様である。第二プレート30を弾性部材20に備える場合には、第一プレート10と共に弾性部材20と一体化しても良く、あるいは第一プレート10と弾性部材20との一体化の後に、第二プレート30を弾性部材20に接着剤等を介して貼り付け、あるいは溶着しても良い。
【0032】
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第四の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0033】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図8は、本発明の第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。図9は、図8に示す電子機器用カバー部材のD−D線断面図およびその一部の拡大図である。
【0034】
第四の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、操作面3側からの落下に対して電子機器2を保護する趣旨では、第三の実施の形態に係るカバー部材1と共通する。第四の実施の形態に係るカバー部材1は、側壁22の開口端を操作面3側に延出させている点で、第二プレート30を操作面3側に延出させている第三の実施の形態に係るカバー部材1と異なる。また、図9の領域Qの拡大図に示すように、第四の実施の形態に係るカバー部材1は、側壁22の開口側であって開口端の下方に、閉ループ形状の第二プレート40を備える。第二プレート40は、操作面3側からの衝撃に加え、側壁22からの衝撃に対しても、電子機器2を保護する機能を有する。ただし、第二プレート40を底板21に向けて長く形成すると、カバー部材1の裏返しに対して大きな抵抗になりやすい。したがって、第二プレート40は、カバー部材1の裏返しの支障にならない程度に、側壁22の開口側から底板21の方向に延出しているのが好ましい。また、第三の実施の形態に係るカバー部材1に備える第二プレート30と、第四の実施の形態に係るカバー部材1に備える第二プレート40とを合体して、T字形状の第二プレートを弾性部材20の開口側に備えても良い。なお、カバー部材1は、第二プレート40のみを備え、第一プレート10を備えなくても良い。
【0035】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
第一プレート10および第二プレート40と、弾性部材20との一体化は、第一の実施の形態にて説明した製造方法と同様、第一プレート10および第二プレート40を金型内にセットして、第一プレート10および第二プレート40の各周囲を覆うように、弾性部材20を構成可能な組成物を供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより実現できる。
【0036】
<第五の実施の形態>
次に、本発明の第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材について説明する。なお、当該第五の実施の形態において、第一の実施の形態と共通する部分については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
【0037】
(1)電子機器用カバー部材の構造
図10は、本発明の第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材をその開口面側から見た斜視図である。
【0038】
第五の実施の形態に係る電子機器用カバー部材(カバー部材)1は、第一プレート10を備えておらず、その点を除く構成を第一の実施の形態に係るカバー部材1と同じ構成とする。すなわち、第五の実施の形態に係るカバー部材1は、弾性部材20のみから成り、開口面1aとその反対側にあたる裏面1bとを反転可能な構成を有する。開口面1aおよび裏面1bの模様、文字、色、質感等に代表される形態を互いに異なるようにしているため、ユーザは、カバー部材1の表裏を裏返すことにより、異なる形態を楽しむことができる。
【0039】
(2)電子機器用カバー部材の製造方法
弾性部材20は、それを構成可能な組成物を金型内に供給して、当該組成物を架橋させる方法などにより成形できる。
【0040】
<その他の実施の形態>
以上、本発明の好適な各実施の形態について説明してきたが、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々変形実施可能である。
【0041】
図11は、第一の実施の形態に係るカバー部材を2つ用意し、それらの背面同士を固定したカバー部材の斜視図である。図12は、図11に示すカバー部材のE−E線断面図である。
【0042】
図12に示すように、第一プレート10と弾性部材20(底板21と側壁22とから成る形態)とを備えるカバー部材と、第一プレート10と弾性部材50(底板51と側壁52とから成る形態)とを備える別のカバー部材の互いの背面同士を固定した形状のカバー部材1は、表裏双方向に電子機器2を保持可能である。表裏双方向の開口面1a,1cを異なる模様、文字、質感に仕上げると、カバー部材1の裏返しができなくても、ユーザは、異なる形態を楽しむことができる。
【0043】
図13は、図12に示すカバー部材の変形例を示すE−E線断面図と同様の断面図である。
【0044】
図13に示すカバー部材1は、図12に示すカバー部材1と異なり、弾性部材20,50に共通の第一プレート10を1枚のみ備える。また、弾性部材50は、その開口面積を弾性部材20のそれに比して大きく形成されている。弾性部材20と弾性部材50との間で、開口面積以外にも、色や模様を変えることもできる。このように、弾性部材50と弾性部材20の両形態を変えることにより、異なる形態の2つの電子機器2を保持することができるのみならず、電子機器2を保持していない状態において、ユーザは、瞬時に、使用目的の電子機器2をどちらに保持すべきかを判断できる。
【0045】
上記の第一の実施の形態、第二の実施の形態、第三の実施の形態、第四の実施の形態および第五の実施の形態は、特に組み合わせ不能な場合を除き、互いにそれぞれの特徴を一以上組み合わせても良い。例えば、第二の実施の形態と第三の実施の形態、あるいは第二の実施の形態と第四の実施の形態の各組み合わせを行っても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、電子機器の保護カバーとして利用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 カバー部材(電子機器用カバー部材)
1a,1c 開口面
1b 裏面
2 電子機器
3 操作面
10,10’ 第一プレート
20 弾性部材
25 電池蓋
30,40 第二プレート
50 弾性部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の操作面側を開口して当該電子機器の外側を覆う電子機器用カバー部材であって、
容器型の弾性部材を少なくとも備え、
その弾性部材を、開口面とその反対側にあたる裏面とを反転可能に構成し、
上記開口面と上記裏面の各形態を異なるようにしたことを特徴とする電子機器用カバー部材。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記開口面と前記裏面の質感を異なるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項3】
前記弾性部材の底面側に、前記弾性部材よりも高硬度の第一プレートを、さらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記第一プレートの両面を覆っていること特徴とする請求項3に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項5】
前記弾性部材の開口側に、前記弾性部材よりも高硬度の第二プレートを、さらに備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項6】
前記第二プレートの形状は、閉ループ形状であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器用カバー部材が電池収納部の開口面を覆う蓋を兼ねることを特徴とする電池蓋。
【請求項1】
電子機器の操作面側を開口して当該電子機器の外側を覆う電子機器用カバー部材であって、
容器型の弾性部材を少なくとも備え、
その弾性部材を、開口面とその反対側にあたる裏面とを反転可能に構成し、
上記開口面と上記裏面の各形態を異なるようにしたことを特徴とする電子機器用カバー部材。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記開口面と前記裏面の質感を異なるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項3】
前記弾性部材の底面側に、前記弾性部材よりも高硬度の第一プレートを、さらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記第一プレートの両面を覆っていること特徴とする請求項3に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項5】
前記弾性部材の開口側に、前記弾性部材よりも高硬度の第二プレートを、さらに備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項6】
前記第二プレートの形状は、閉ループ形状であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器用カバー部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電子機器用カバー部材が電池収納部の開口面を覆う蓋を兼ねることを特徴とする電池蓋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−199773(P2012−199773A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62589(P2011−62589)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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