説明

電子機器

【課題】 海外で携帯電話機を使用する際に、簡単な操作で携帯電話機を海外で利用可能な仕様に変更することを可能とする。
【解決手段】 携帯電話機100は、時刻情報を表示する表示部14と、ユーザが所望する国や地域を選択する入力部16と、選択された国や地域に対応する現地時刻を前記時刻情報として設定する表示時刻変更部111と、選択された国や地域に対応する文字入力モードに切り替え設定する文字入力モード変更部112と、を備え、ユーザ所望の国・地域を選択する操作を行うだけで、その国・地域に対応する現地時刻に時刻表示を切り替えるとともに、その国・地域に対応する文字入力モードを切り替えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国際ローミングサービスを利用して世界各国で使用することができる携帯電話機等の通信装置に関するものであり、特に、各国の現地時間に応じて時刻表示を行う機能を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、国内で使用している携帯電話機を海外においても使用できる国際ローミングサービスが普及し始めている。この国際ローミングサービスを利用して自機を渡航先で使用する場合に、ユーザは自機の表示時刻を渡航先の現地時間に変更するといった各種設定を渡航先の国または地域に応じて変更する必要がある。このため、時刻表示を行える携帯電話機の中には、表示時刻をユーザが所望する時刻に補正することができる機能を備えたものが提案されている。
【0003】
このような表示時刻の補正を行える電子機器の従来例としては、例えば、特許文献1(特開2008−224435号公報)に記載されている。この携帯端末等の電子機器において、内蔵時計を標準時刻に補正する機能に加え、補正後の内蔵時計に基づく表示時刻を更に補正する時刻補正値の設定と、該時刻補正値を設定する時間帯(補正表示時間帯)と、をユーザの操作により設定可能とし、ユーザの希望時間帯だけ表示時刻を補正して表示することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−224435号公報(段落[0028]、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、携帯電話機等の電子機器において渡航先の国または地域に応じて変更する必要がある設定項目は、表示時刻の設定の他にも、文字表示における表示言語の設定や文字入力における入力言語の設定など各種設定が存在するため、これらの設定変更には時間がかかり変更作業が煩わしいという問題点があった。
【0006】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、携帯電話機等に設けられた特定のボタンを押下、または、携帯電話機の表示画面に表示されたメニュー一覧から機能選択画面等を開いて所望の国を選択すると、自動的にその国の時刻となるように時刻補正を行うと共に、携帯電話機の文字入力モードをその国の言語に変更設定するようになせば、上記の問題点を解消し得ることを想到し本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、海外で携帯電話機を使用する際に、簡単な操作で携帯電話機を海外で利用可能な仕様に変更することを可能とすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、現在時刻を表示可能であり、少なくとも異なる2以上の言語での文字入力モードを搭載している電子機器であり、国や地域が選択されると、表示する現在時刻を自動的に前記選択された国や地域における現在時刻に修正して表示すると共に、文字入力モードも自動的に前記選択された国や地域で使用されている言語に変更することを特徴とする。
請求項2に記載の電子機器は、請求項1に記載の電子機器であり、更に、国や地域が選択されると、自動的に表示する文字を前記選択された国や地域で使用されている言語に変更することを特徴とする。
請求項3に記載の電子機器は、請求項2に記載の電子機器であり、更に、国や地域が選択されると、自動的にメール機能に関連する画面は、表示する文字を前記選択された国や地域で使用されている言語に変更し、メール機能に関連する画面を除く画面はユーザの使用言語で表示することを特徴とする。
請求項4に記載の電子機器は、時刻を表示する表示手段と、国や地域を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された国や地域に対応する現地時刻を前記表示手段に表示する時刻として設定する時刻設定手段と、前記選択手段により選択された国や地域に対応する文字入力モードに切り替え設定する文字入力モード設定手段と、を有し、前記選択手段により国や地域が選択されると、自動的に前記時刻設定手段により、前記選択手段により選択された国や地域に対応する現地時刻を前記表示手段に表示する時刻として設定し、更に、自動的に前記文字入力モード設定手段により、前記選択手段により選択された国や地域に対応する文字入力モードに切り替え設定することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の電子機器は、請求項4に記載の電子機器であり、更に、前記選択手段によって選択された国や地域に対応する言語を前記表示手段の表示言語として設定する表示言語設定手段を有し、前記選択手段に国や地域が選択されると、自動的に前記表示言語設定手段により、前記選択手段によって選択された国や地域に対応する言語を前記表示手段の表示言語として設定することを特徴する。
【0010】
請求項6に記載の電子機器は、請求項5に記載の電子機器であり、前記表示言語設定手段は、メール機能に関連する画面を表示する際には、前記選択手段によって選択された国や地域に対応する言語を前記表示手段の表示言語として設定し、メール機能に関連する画面を除いた画面を表示する際には、ユーザの使用言語で表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願の電子機器は、次のような効果を奏する。すなわち、請求項1及び4に記載の発明においては、国や地域が選択されると、表示する現在時刻を自動的に選択された国や地域にすると共に文字入力モードも自動的に選択された国や地域で使用されている言語による文字入力モードにする為、ユーザが海外に旅行に行った際に一々現在時刻や文字入力モードを設定する必要がない。
【0012】
又、請求項2及び5に記載の発明においては、更に表示する文字も選択された国や地域で使用されている言語で表示する為、容易に、電子機器をその国での表示仕様にすることが可能である。
【0013】
更に、請求項3及び6に記載の発明においては、更にメール機能に関連する画面は、表示する文字を選択された国や地域で使用されている言語で表示する為、容易にメールを作成する際には電子機器をその国での表示仕様にし、メール作成を容易にすることが可能である。一方、電話帳や着信履歴などはユーザの使用言語で表示される為、ユーザは電話帳等の検索を戸惑う事無く行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る携帯電話機の外観を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る携帯電話機においてユーザの操作に応じて表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る携帯電話機においてユーザの操作に応じて表示部に表示される表示画面のその他を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯電話機を例示するものであって、本発明をこの携帯電話機に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電子機器にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の実施例に係る携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。携帯電話機100は、図1のブロック図に示すように、通信部1、アンテナ2、ベースバンド部3、第1スピーカ4、増幅回路5,7,9、マイクロホン6、第2スピーカ8、切替部10、制御部11、ROM12、RAM13、表示部14、バイブレータ15、入力部16、開閉検出部17などを備えて構成されている。なお、表示部14は本発明の表示手段に相当し、入力部16は本発明の選択手段に相当する。
【0017】
通信部1は、アンテナ2と接続されており、アンテナ2を介して基地局からの電波を受信し、アンテナ2を介してベースバンド部3からの信号を基地局へ発信する。ベースバンド部3は、通信部1と接続されており、CDMA処理回路31と、音声コーデック32と、を有している。
【0018】
ここで、CDMA処理回路31は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック32は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。
【0019】
第1スピーカ4は、増幅回路5で増幅されたベースバンド部3の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ4は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。マイクロホン6は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン6により出力された電気信号は、増幅回路7で増幅されてベースバンド部3に出力される。
【0020】
第2スピーカ8は、増幅回路9で増幅されたベースバンド部3の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ8は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ8は、着信報知の鳴動も行う。
【0021】
切替部10は、ベースバンド部3と接続されるとともに、増幅回路5,7,9を介してそれぞれ第1スピーカ4、マイクロホン6、第2スピーカ8と接続されている。そして、ベースバンド部3との接続を、第1スピーカ4用の増幅回路5とマイクロホン6用の増幅回路7側にするか、あるいは拡声用の第2スピーカ8用の増幅回路9とマイクロホン6用の増幅回路7側にするかを切り替える。
【0022】
制御部11は、マイクロプロセッサからなる制御手段であり、ROM12及びRAM13と接続されており、ROM12に記憶されたシステムプログラムに基づきは各部を制御する。制御部11は、通信部1、ベースバンド部3および切替部10とそれぞれ接続されており、制御部11の制御により上述した切替部10による切り替えが行われる。また、制御部11によりベースバンド部3の音声コーデック32が制御され、音声コーデック32により第1スピーカ4及び第2スピーカ8の音量やマイクロホン6の感度が変更される。
【0023】
また、RAM13には、制御部11の動作に必要な情報である携帯電話機100の各種機能の設定フラグや、ユーザが入力する電話帳等の登録情報を記憶する。さらに、本実施例では、RAM13には、各国及び地域間の時差データと、各国・地域と文字入力モードとを対応付けてテーブル化した文字入力モード変換データと、各国語の表示用言語(例えば、日本語、英語、中国語の3カ国語の表示用言語)として用意される表示言語データと、が記憶される。
【0024】
表示部14は、液晶パネルや有機ELパネルなどから構成される表示手段であり、制御部11と接続されている。表示部14は、制御部11の制御により、メニュー画面や操作画面、時刻情報、電話帳情報、電子メールといった各種視覚情報を表示する。バイブレータ15は、制御部11に接続されており、制御部11の制御に基づき着信時に振動を発生させる。
【0025】
入力部16は、制御部11に接続されており、電話番号等の入力を行うテンキー161、カーソル移動等に用いられる十字キー162、各種機能の設定を行う機能キー163の他に、発呼及び通話の開始等を操作する通話キー、通話の終了等を操作する終話キー、決定キー、クリアキー等を有している。
【0026】
開閉検出部17は、後述するようにスピーカ4や表示部14が配設された第1の筐体(上部筐体201)と、マイクロホン6や入力部16が配設された第2の筐体(下部筐体202)とを回動開閉自在に結合するヒンジ機構202の開閉状態を検出し、検出結果を制御部11に出力する。
【0027】
また、本実施例の制御部11は、表示時刻変更部111と、文字入力モード変更部112と、表示言語変更部113と、を備えている。表示時刻変更部111は、表示部14に表示させる時刻情報をユーザが選択した所望の国・地域に対応する現地時間に変更して表示部14に表示させ、文字入力モード変更部112は、入力部16を用いて入力できる文字種をユーザが選択した所望の国・地域に対応する言語の文字種に対応した文字入力モードにモード設定を切り替える。また、表示言語変更部113は、表示部14に表示させる文字表示をユーザが選択した所望の国・地域に対応する言語に変更して表示部14に表示させる。
【0028】
なお、表示時刻変更部111は本発明の時刻情報設定手段に相当し、文字入力モード変更部112は本発明の文字入力モード設定手段に相当し、表示言語変更部113は本発明の表示言語設定手段に相当する。
【0029】
表示時刻変更部111は、表示部14に表示された国選択リストから入力部16で受け付けられた選択入力により指定された国・地域に基づいて、RAM13に記憶されている各国及び地域間の時差データからその国・地域の時差データを読み出し、読み出した時差データに基づいてその国・地域の現在時刻を算出する。例えば、日本の現在時刻が表示されている状態においてユーザが所望の国として「米国」を選択すると、米国の時差データと日本の時差データとから、米国と日本との時差を算出し、算出された時差と現在の日本時刻から米国での現在時刻を算出する。そして、表示時刻変更部111は、算出された所望の国・地域の現在時刻を表示部14に出力して表示部14の表示画面(例えば、待ち受け画面)に表示させる。
【0030】
文字入力モード変更部112は、表示部14に表示された国選択リストから入力部16で受け付けられた選択入力により指定された国・地域に基づいて、RAM13に記憶されている文字入力モード変換データを参照し、入力部16を用いて入力できる文字種に対応した文字入力モードにモード設定を切り替える。例えば、現在の文字入力モードが仮名入力モードに設定されている状態においてユーザが所望の国として「米国」を選択すると、文字入力モードを米国と対応付けられているアルファベット入力モードに切り替える。切り替え設定された文字入力モードは、対応した文字入力モードを表すフラグをRAM13に格納することで、その状態が表示部14において表示され、その文字種が入力可能となる。
【0031】
表示言語変更部113は、表示部14に表示された国選択リストから入力部16で受け付けられた選択入力により指定された国・地域に基づいて、RAM13に記憶されている各国及び地域に対応する表示言語データからその国・地域に対応する表示言語データを読み出し、読み出した表示言語データに基づいて文字表示を行う。例えば、現在の文字表示が日本語に設定されている状態においてユーザが所望の国として「米国」を選択すると、表示部14の文字表示が英語に変更される。
【0032】
図2は、本発明の実施例に係る携帯電話機の外観を示す図である。携帯電話機10は、ヒンジ機構203により回動開閉自在に結合された上部筐体201と下部筐体202からなり、図2では、通話時あるいは設定操作時に2つの筐体が開いた状態を示す携帯電話機の外観を示している。
【0033】
図2に示すように、上部筐体201には、スピーカ4と表示部14とが設けられ、表示部14の表示画面141には、待ち受け画面等が表示される。下部筐体202には、入力部16とマイクロホン6とが設けられている。入力部16を形成する操作キー群には、テンキー161、十字(4方向)キー162および機能キー163が含まれている。
【0034】
機能キー163は、国選択専用ボタンとしてユーザ所望の国や地域が選択できるように所定の国や地域が予め割り当てられている。例えば、図2に示す3つの機能キー163に対して、それぞれ日本、米国、中国を選択するように割り当てられているとすると、ユーザによって米国を選択する機能キーが押下されると、表示時刻変更部111の制御により表示画面141の待ち受け画面では時刻表示を米国時刻に切り替えて表示するとともに、文字入力モード変更部112の制御により自動的にテンキー161等からの文字入力モードもアルファベット入力モードになる。さらに、表示言語変更部113の制御により表示画面141の文字表示も英語に変更される。
【0035】
図3は、本発明の実施例に係る携帯電話機においてユーザの操作に応じて表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。 図3(a)は、携帯電話機100を使用する国として「日本」が選択されている場合の待ち受け画面の一例を示している。ユーザが設定操作のため折り畳まれた携帯電話機筐体(上部筐体と下部筐体)を開くと、開閉検出部17からの検出信号に応じて表示部14に待ち受け画面が表示される。
【0036】
図3(a)に示すように、待ち受け画面141aには、時刻情報301aの他、その上方に受信電波の電界強度のレベルを示すアンテナバー302、バッテリの残量を示すバッテリアイコン303が表示されている。時刻情報301aは、日本の現在時刻(9時37分)と日付(2月17日火曜日)を表しており、曜日を日本語で表わしている。そして、この待ち受け状態において、ユーザによって十字キー162が押下されると、表示部14には、図3(b)に示すメニュー一覧画面141bが表示される。
【0037】
図3(b)に示すように、メニュー一覧画面141bには、メール、Webといった各項目からなるメニュー一覧の他、その上方にアンテナバーやバッテリアイコンとともに、時刻情報304b(日本時間:9時37分、火曜日)が表示されている。また、メニュー一覧画面141bの下方には、十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン305bが表示されており、例えば、図2に示す十字キー162は、その左右キーがそれぞれ赤外線受信を指示するための赤外線受信キーとメニュー切り替えを指示するためのメニュー切替キーに割り当てられていることを示し、十字キー162のセンターキーがメニュー一覧の中から所望の項目を選択するための選択キーに割り当てられていることを示している。なお、メニュー一覧画面141bの文字表示は日本語になっている。
【0038】
図3(b)に示すように、このメニュー一覧表示の状態において、ユーザによって「機能」の項目が選択されると、表示部14には、図3(c)に示す機能一覧画面141cが表示される。
【0039】
図3(c)に示すように、機能一覧画面141cには、音/バイブ、画面/照明といった各項目からなる機能一覧の他、その上方に図3(b)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報が表示されている。また、下方には図3(b)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「選択」と「戻る」)が表示されている。
【0040】
なお、図3(b)に示すメニュー一覧表示の状態において、ユーザによって「メール」の項目が選択されると、表示部14には、図3(b1)に示すメール作成画面141b1が表示される。このとき、メール作成画面141b1の下方には、下方には図3(b)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「確定」と「変換」)とともに、現在の文字入力モードが仮名入力モードに設定されていることを示すアイコン305b1が表示されている。
【0041】
また、図3(b)に示すメニュー一覧表示の状態において、ユーザによって「アドレス帳」の項目が選択されると、表示部14には、図3(b2)に示すアドレス帳検索画面141b2が表示される。このとき、メール作成画面141b1の下方には、下方には図3(b1)と同じく現在の文字入力モードが仮名入力モードに設定されていることを示すアイコン305b2が表示されている。
【0042】
図3(c)に示すように、機能一覧表示の状態において、ユーザによって「国選択」の項目が選択されると、表示部14には、図3(d)に示す国選択一覧画面141dが表示される。
【0043】
図3(d)に示すように、国選択一覧画面141dには、米国(ハワイ)、米国(太平洋)といった各国・地域からなる国選択一覧の他、その上方に図3(b)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報が表示されている。また、下方には図3(b)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「選択」と「戻る」と「次に」)が表示されている。
【0044】
図3(d)に示すように、この国選択一覧表示の状態において、ユーザによって「米国(東部)」の項目が選択されると、表示部14には、図3(e)に示す待ち受け画面141eが表示される。
【0045】
図3(e)に示すように、待ち受け画面141eには、時刻情報301eの他、その上方に図3(a)と同じくアンテナバーとバッテリアイコンが表示されている。時刻情報301eは、米国東部の現在時刻(19時37分)と日付(2月16日月曜日)を表しており、曜日を英語で表わしている。
【0046】
このように、本実施例では、表示部14に表示された国選択一覧からユーザによって所望の国・地域(例えば、米国東部)が選択されると、表示時刻変更部111の制御により待ち受け画面141eでは時刻表示を米国東部時刻に切り替えて表示するとともに、表示言語変更部113の制御により待ち受け画面141eの文字表示も英語に変更される。
【0047】
図4は、本発明の実施例に係る携帯電話機においてユーザの操作に応じて表示部に表示される表示画面のその他を示す図である。 図4(f1)〜(f4)は、図3(d)に示す国選択一覧表示の状態において、ユーザによって「米国(東部)」の項目が選択された場合のメール作成画面やアドレス帳検索画面の一例を示している。
【0048】
図4(f1)に示すように、メール作成画面141f1には、メール作成欄の他、その上方にアンテナバーやバッテリアイコンとともに、時刻情報304f1(米国東部時間:19時37分、月曜日)が表示されている。また、メール作成画面141f1の下方には、図3(b1)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「OK」と「Convert」)とともに、現在の文字入力モードがアルファベット入力モードに設定されていることを示すアイコン305f1が表示されている。なお、メール作成画面141f1の文字表示(例えば、時刻情報304f1の曜日や操作内容を示すアイコン)は英語になっている。
【0049】
図4(f2)に示すように、アドレス帳検索画面141f2には、名前入力欄の他、その上方に図4(f1)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報が表示されている。また、下方には図4(f1)と同じく現在の文字入力モードがアルファベット入力モードに設定されていることを示すアイコン305f2が表示されている。なお、アドレス帳検索画面141f2の文字表示は英語になっている。
【0050】
このように、上記実施例では、表示部14に表示された国選択一覧からユーザによって所望の国・地域(例えば、米国東部)が選択されると、表示時刻変更部111の制御により待ち受け画面141eでは時刻表示を米国東部時刻に切り替えて表示するとともに、文字入力モード変更部112の制御により自動的にテンキー161等からの文字入力モードもアルファベット入力モードになる。さらに、表示言語変更部113の制御により表示画面141の文字表示も英語に変更される。
【0051】
このため、例えば日本人ユーザが米国へ渡航した際に、現地(米国)においてメールを送信する相手先となるのは英語を使用言語とする人々の可能性が高まるので、メール作成時の入力にはアルファベット入力モードになっていることが好ましく、本発明のように、待ち受け画面の時刻情報を現地(米国)時刻に変更するための操作として国の選択を行うと、文字の入力モードも自動的に選択された国に応じて、文字入力モード(例えば、アルファベット入力モード)や表示文字が変更されるので、ユーザの操作設定が簡略化されてユーザの利便性が高まる。
【0052】
なお、メールの作成などでは選択された国に応じた文字入力モード(例えば、アルファベット入力モード)になると利便性が高まるが、メールの作成を除いた表示画面の文字表示まで選択された国に応じた言語(例えば、英語)に変更すると、例えば、日本人ユーザ等は、かえって分かり難くなる場合もあるので、文字表示はユーザの使用言語(例えば、日本語)のまま維持するのが好ましい。
即ち、メールの作成画面においては、米国で相手側にメールを送信する際にはメール本文を英文で作成する可能性が高い為、文字入力モードをアルファベット入力モードにすると共に表示文字をアルファベットとした方が良いが、相手先にメールを送信しない場合といった、ユーザが表示画面を見るだけの場合(例えば電話帳の表示、着信履歴の表示、機能一覧の表示等)には、ユーザの使用言語で表示させることが好ましく、その方がユーザにとって読みやすい。
【0053】
一例を挙げてみると、図4の(f1)の画面において、メール本文の作成部分はアルファベットで表示し、その他の時刻表示304f1やアイコン305f1の部分はユーザの使用言語で表示させても良い。例えば、図4(f3)に示すように、メール作成画面141f3には、メール作成欄の他、その上方にアンテナバーやバッテリアイコンとともに、時刻情報304f3(米国東部時間:19時37分、月曜日)が表示されている。また、メール作成画面141f3の下方には、図4(f1)と同じく十字キー162に割り当てられている操作内容を示すアイコン(「確定」と「変換」)とともに、現在の文字入力モードがアルファベット入力モードに設定されていることを示すアイコン305f3が表示されている。ここで、メール作成画面141f3の文字表示(例えば、時刻情報304f3の曜日や操作内容を示すアイコン)は日本語になっている。
【0054】
更に、他の例として、メール作成以外の文字入力、例えば、アドレス帳やスケジュール等の文字入力は、入力後のアドレス等をユーザ自身が利用するものであるので、このときの文字入力はユーザの使用言語(例えば、日本語)のまま維持するのが好ましい。このため、メール(他人と共有するデータ等)作成時の文字入力はアルファベット入力モードになるが、その他(個人で利用するデータ等)の文字入力の場合には日本語入力モード(仮名入力モード)のままにしてもよい。また、文字表示もユーザの使用言語(例えば、日本語)のまま維持するのが好ましい。例えば、図4(f4)に示すように、アドレス帳検索画面141f4には、名前入力欄の他、その上方に図4(f3)と同じくアンテナバー、バッテリアイコン、時刻情報304f4(米国東部時間:19時37分、月曜日)が表示されている。また、下方には図3(b2)と同じく現在の文字入力モードが仮名入力モードに設定されていることを示すアイコン305f4が表示されている。なお、ここでもアドレス帳検索画面141f4の文字表示(例えば、時刻情報304f4の曜日や操作内容を示すアイコン)は日本語になっている。
【0055】
以上説明したように本発明に係る携帯電話機によれば、ユーザ所望の国・地域を選択する操作を行うだけで、その国・地域に対応する現地時刻に時刻表示を切り替えるとともに、その国・地域に対応する文字入力モードあるいは文字表示を切り替えるように構成することで、簡単な操作で海外で携帯電話機を使用することができる仕様に設定変更することができる。
【0056】
なお、上記実施例では、携帯電話機としてヒンジ機構により2つの筐体が結合された形態の折り畳み型携帯電話機について説明したが、携帯電話機はこれに限ることなく、その他の形態の携帯電話機に適用することも可能である。例えば、スライド型の携帯電話機やストレート型の携帯電話機であっても本発明は同様に適用可能である。
【0057】
また、上記実施例では、本発明を携帯電話機に適用した場合で説明したが、本発明は、これに限定されず、PDA(Personal Digital Assistant)やPND(Portable Navigation Device)などの他の通信装置であってもよく、また、携帯音楽プレーヤや携帯ゲーム機などの一般的に通信機能を有しない他の電子機器であってもよい。
【符号の説明】
【0058】
100・・・・携帯電話機
1・・・・通信部
2・・・・アンテナ
3・・・・ベースバンド部
31・・・・CDMA処理回路
32・・・・音声コーデック
4・・・・第1スピーカ
5,7,9・・・・増幅回路
6・・・・マイクロホン
8・・・・第2スピーカ
10・・・・切替部
11・・・・制御部
111・・・・表示時刻変更部
112・・・・文字入力モード変更部
113・・・・表示言語変更部
12・・・・ROM
13・・・・RAM
14・・・・表示部
141・・・・表示画面
15・・・・バイブレータ
16・・・・入力部
161・・・・テンキー
162・・・・十字キー
163・・・・機能キー
17・・・・開閉検出部
201・・・・上部筐体
202・・・・下部筐体
203・・・・ヒンジ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を表示可能であり、少なくとも異なる2以上の言語での文字入力モードを搭載している電子機器であり、
国や地域が選択されると、表示する現在時刻を自動的に前記選択された国や地域における現在時刻に修正して表示すると共に、文字入力モードも自動的に前記選択された国や地域で使用されている言語に変更することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であり、
更に、国や地域が選択されると、自動的に表示する文字を前記選択された国や地域で使用されている言語に変更することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器であり、
更に、国や地域が選択されると、自動的にメール機能に関連する画面は、表示する文字を前記選択された国や地域で使用されている言語に変更し、メール機能に関連する画面を除く画面はユーザの使用言語で表示することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
時刻を表示する表示手段と、
国や地域を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された国や地域に対応する現地時刻を前記表示手段に表示する時刻として設定する時刻設定手段と、
前記選択手段により選択された国や地域に対応する文字入力モードに切り替え設定する文字入力モード設定手段と、を有し、
前記選択手段により国や地域が選択されると、自動的に前記時刻設定手段により、前記選択手段により選択された国や地域に対応する現地時刻を前記表示手段に表示する時刻として設定し、更に、自動的に前記文字入力モード設定手段により、前記選択手段により選択された国や地域に対応する文字入力モードに切り替え設定することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であり、
更に、前記選択手段によって選択された国や地域に対応する言語を前記表示手段の表示言語として設定する表示言語設定手段を有し、
前記選択手段に国や地域が選択されると、自動的に前記表示言語設定手段により、前記選択手段によって選択された国や地域に対応する言語を前記表示手段の表示言語として設定することを特徴する電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器であり、前記表示言語設定手段は、メール機能に関連する画面を表示する際には、前記選択手段によって選択された国や地域に対応する言語を前記表示手段の表示言語として設定し、メール機能に関連する画面を除いた画面を表示する際には、ユーザの使用言語で表示することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−193389(P2010−193389A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−38295(P2009−38295)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】