説明

電子機器

【課題】不具合の解析に有用な情報を十分に取得することによって、従来よりも不具合の解析の効率を向上させることが出来る電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】電子機器が、準備画面記憶部から表示画面記憶部へ画面データが転送され、表示画面記憶部が当該画面データを記憶すると、表示部が当該画面データに基づいて画面を切り替える電子機器であって、エラー情報記憶部と、エラーが発生すると、エラー発生時に表示画面記憶部が記憶する画面データと、準備画面記憶部が記憶する画面データとをエラー情報としてエラー情報記憶部に記憶させる記憶制御手段と、エラー情報出力指示を受け付けると前記エラー情報を出力する出力制御手段と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面表示機能を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、携帯電話機、プリンタ、複合機及び家電機器等の各種電子機器は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等のハードウェアと、CPUが実行するソフトウェアから構成されている。そして、この電子機器におけるハードウェア及びソフトウェアには、操作処理、通信処理及び待ち受け処理等の各種処理中に生じる各種要因によって、様々な不具合が引き起こされる。例えば、ソフトウェアの設計上の問題が電子機器に存在している場合には、開発担当者の意図しない動作を実行する、また、起動が不可能になってしまう等の致命的な不具合が電子機器に生じてしまう。そして、これらの致命的な不具合が電子機器に発生すると、開発工程であれば開発担当者、製造工程であれば製造担当者または市場に出回っている場合であればメンテナンス担当者が、その不具合を解析して、その原因の特定を行う。その際、不具合の解析を行う担当者は、各種情報を基に不具合の原因の特定を行う。
【0003】
そして、このような不具合の解析を行う担当者に、不具合の原因を特定する為に必要な情報を提供する発明として、下記特許文献1には、エラー発生時の画面情報を保存しておくことにより、エラー対処を確実に行うことができるデータ処理装置が開示されている。このデータ処理装置では、アプリケーション実行中にエラーが発生すると、LCDがアプリケーション画面の上にエラーメッセージ画面を表示し、エラーメッセージ画面に表示されている「閉じる」ボタンが押下されると、LCDに表示されているエラーメッセージ画面及びを当該エラーメッセージ画面の下のアプリケーション画面から成る画像データをエラー情報としてメモリが記憶し、エラー情報の出力指示に基づいて表示制御手段がこのメモリに記憶されているエラー情報をLCDに表示させる。
【特許文献1】特開2003−44326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術では、エラーが発生すると、実行中のアプリケーション画面の上にエラーメッセージ画面を表示して、エラーメッセージ画面に表示されている「閉じる」ボタンが押下されると、エラーメッセージ画面及び当該エラーメッセージ画面の下のアプリケーション画面から成る画像データをエラー情報としてメモリが記憶し、エラー情報の出力指示に基づいてLCDがこのエラー情報を表示することによって、不具合の解析に必要な情報を不具合の解析の担当者へ提供している。
【0005】
しかしながら、画面表示機能を有する電子機器では、現在表示している画面を記憶する表示画面記憶領域とは別に、これから表示する画面の生成に使用する記憶領域(準備画面記憶領域)が設けられており、この準備画面記憶領域に記憶される生成された画面が表示画面記憶領域へ転送され、表示画面記憶領域が当該画面を記憶するとディスプレイに表示されている画面が切り替わる。また、コピー、プリント、スキャン及びファクシミリ等の複数の機能を有する複合機では、各機能に応じた画面を準備画面記憶領域に記憶させ、操作指示に応じて準備画面記憶領域から表示画面記憶領域へ画面を転送することによって各機能に応じた画面へ切り替えている。そして、このような電子機器では、バックグランドにおいて機能が動作している場合に、その動作に応じて準備画面記憶領域が記憶する画面が更新されており、現在表示している画面だけでなく、準備画面記憶領域が記憶している画面にも不具合の原因を特定する為の手がかりが残っている可能性がある。その為、上記従来技術のように現在表示している画面をエラー情報として保存するだけでは、不具合の解析に有用な情報を十分に取得しているとは言い難かった。このようなことから、上記従来技術には、不具合の解析の効率を向上させる為に、改善すべき余地が十分に残されている。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、不具合の解析に有用な情報を十分に取得することによって、従来よりも不具合の解析の効率を向上させることが出来る電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、電子機器に係る第1の解決手段として、表示画面記憶部が記憶する画面データに基づいて画面を表示する表示部と、バックグランドにおいて動作する機能の画面及びこれから表示する画面の画面データを記憶する準備画面記憶部とを有し、前記準備画面記憶部から前記表示画面記憶部へ画面データが転送され、前記表示画面記憶部が当該画面データを記憶すると、前記表示部が当該画面データに基づいて画面を切り替える電子機器であって、エラー情報記憶部と、エラーが発生すると、エラー発生時に表示画面記憶部が記憶する画面データと、準備画面記憶部が記憶する画面データとをエラー情報として前記エラー情報記憶部に記憶させる記憶制御手段と、エラー情報出力指示を受け付けると前記エラー情報を出力する出力制御手段と、を具備するという手段を採用する。
【0008】
本発明では、電子機器に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記記憶制御手段は、エラー情報をエラー情報記憶部に記憶させた後に、前記準備画面記憶部において生成されたエラー通知画面の画面データをエラー情報として前記エラー情報記憶部に記憶させるという手段を採用する。
【0009】
本発明では、電子機器に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記記憶制御手段は、定型画面の画面データをエラー情報記憶部に記憶させる場合には、当該定型画面の識別子をエラー情報としてエラー情報記憶部に記憶させるという手段を採用する。
【0010】
本発明では、電子機器に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、前記記憶制御手段は、前記表示画面記憶部と、前記準備画面記憶部とに記憶された画面データを区別してエラー情報記憶部に記憶させ、前記出力制御手段は、前記エラー情報記憶部が記憶する前記エラー情報に基づいて、記表示画面記憶部と、前記準備画面記憶部とに記憶されていた画面データを区別して、前記表示部に表示させるという手段を採用する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電子機器が、表示画面記憶部が記憶する画面データに基づいて画面を表示する表示部と、バックグランドにおいて動作する機能の画面及びこれから表示する画面の画面データを記憶する準備画面記憶部とを有し、準備画面記憶部から表示画面記憶部へ画面データが転送され、表示画面記憶部が当該画面データを記憶すると、表示部が当該画面データに基づいて画面を切り替える電子機器であって、エラー情報記憶部と、エラーが発生すると、エラー発生時に表示画面記憶部が記憶する画面データと、準備画面記憶部が記憶する画面データとをエラー情報としてエラー情報記憶部に記憶させる記憶制御手段と、エラー情報出力指示を受け付けるとエラー情報を出力する出力制御手段と、を具備する。
【0012】
このように、本発明では、エラー発生時に、表示画面記憶部画面と、準備画面記憶部とに記憶された画面データをエラー情報として保存し、エラー情報出力指示を受け付けると保存されたエラー情報を出力することによって、バックグランドにおいて動作する機能がエラーの原因であったとしても、不具合の解析の担当者は、エラー情報に基づいてエラー解析を実施することによって、速やかにエラーの原因を特定することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の電子機器に含まれる画像形成装置の一つであるコピー機能、プリント機能、スキャン機能及びファクシミリ送信/受信機能を併せ持つ複合機に関する。
まず、複合機Aの機能構成について、図1を参照して、説明する。図1は本実施形態に係る複合機Aの機能ブロック図である。
複合機Aは、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、各種センサ群4、用紙搬送部5、画像読取部6、画像データ記憶部7、画像形成部8、通信I/F部9、操作表示部10、エラー情報記憶部11及び準備画面記憶部12を備えている。
【0014】
CPU1は、ROM2に記憶されている制御プログラム、各種センサ群4から受信する各種検出信号、画像データ記憶部7に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データまたはファクシミリ画像データ、通信I/F部9を介してクライアントコンピュータ(図示略)または公衆網(図示略)から入力される各種指示及び操作表示部10から入力される操作指示に基づいて複合機Aの全体動作を制御する。なお、このCPU1の制御処理の詳細については、以下に複合機Aの動作として説明する。
ROM2は、CPU1で実行される制御プログラム及びその他のデータを記憶する不揮発性メモリである。
【0015】
RAM3は、CPU1が制御プログラムを実行して各種動作を行う際に、データの一時保存先となるワーキングエリアとして用いられる揮発性メモリである。
各種センサ群4は、例えば用紙切れ検出センサや、用紙詰まり検出センサ、用紙位置検出センサ、温度センサ等の画像形成動作に必要な各種センサであり、それぞれのセンサで検出した各種の情報を検出信号としてCPU1へ出力する。
【0016】
用紙搬送部5は、用紙トレイに収納されている印刷用紙を画像形成部8に搬送するための搬送ローラ及び搬送ローラ駆動用のモータや、画像形成処理後の印刷用紙を図示しない排紙トレイに搬送するための搬送ローラ及び搬送ローラ駆動用のモータなどから構成されている。
【0017】
画像読取部6は、ADF(自動原稿送り装置)とCCD(Charge Coupled Device)センサ等を備え、ADFによって順次給紙される原稿の画像をCCDセンサに読み取らせ、原稿画像に基づく原稿画像データを出力する。なお、画像読取部6は、原稿画像データをCPU1に出力し、一方、CPU1は、原稿画像データを画像データ記憶部7に記憶させる。
画像データ記憶部7は、例えばフラッシュメモリまたはハードディスクであり、CPU1の指示の下、原稿画像データ、通信I/F部9がクライアントコンピュータ(図示略)から受信するプリント画像データ及び通信I/F部9が公衆網(図示略)から受信するファクシミリ画像データを記憶する。
【0018】
画像形成部8は、CPU1の制御の下、画像データ記憶部7に記憶されている原稿画像データ、プリント画像データまたはファクシミリ画像データに基づいて、用紙搬送部5から搬送される印刷用紙にトナーによって形成される画像形成画像を転写し、定着ローラによって当該画像形成画像の定着処理を行う。
通信I/F部9は、外部のクライアントコンピュータ及び公衆網に接続し、このクライアントコンピュータ及び公衆網との間で各種信号の送受信を行う。
【0019】
操作表示部10は、コピー画面表示キー、プリント画面表示キー、スキャン画面表示キー、ファクシミリ画面表示キー、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー(数値入力キー)、タッチパネル10a及びその他の各種操作キーを備えており、それぞれのキーの操作指示をCPU1に出力すると共に、CPU1の制御の下、タッチパネル10aへ種々の画面を表示する。そして、タッチパネル10aは、表示画面記憶部10a‐1を備えており、表示画面記憶部10a‐1がCPU1の指示に基づいて所定の画面の画面データを記憶すると、表示画面記憶部10a‐1が記憶する画面データに基づく画面へ切り替える。なお、操作表示部10におけるコピー画面表示キー、プリント画面表示キー、スキャン画面表示キー、ファクシミリ画面表示キーは、各機能の画面へ切り替える為のキーである。
【0020】
エラー情報記憶部11は、例えばフラッシュメモリまたはハードディスクであり、CPU1の制御の下、複合機Aにおいて各種エラーが発生すると、不具合の解析の担当者がエラーを解析する為に使用する各種エラー情報を記憶する。
準備画面記憶部12は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、CPUの制御の下、タッチパネル10aへ次に表示させる画面及びタッチパネル10aが表示している画面以外の機能の画面の画面データを記憶する。
【0021】
例えば、タッチパネル10aがコピーに関する画面を表示している場合に、準備画面記憶部12は、コピー以外のプリント、スキャン及びファクシミリに関する画面を記憶している。そして、CPU1は、操作表示部10が受け付ける画面切替指示に応じて、この準備画面記憶部12が記憶する各機能の画面データをタッチパネル10aが有する表示画面記憶部10a‐1へ記憶させ、画面をタッチパネル10aに切り替えさせる。
【0022】
次に、上記構成の本実施形態に係る複合機Aの動作について図2を参照して詳しく説明する。図2は、本実施形態に係る複合機Aの動作を示すフローチャートである。
CPU1は、コピー画面表示キーの押下によって操作表示部10がコピー画面表示指示を受け付けたか否か判定し(ステップS1)、ステップS1において『NO』と判定した場合には、すなわち操作表示部10がコピー画面表示指示を受け付けていないと判定した場合には、操作表示部10がコピー画面表示指示を受け付けるまで待機し、ステップS1において『YES』と判定した場合には、すなわち操作表示部10がコピー画面表示指示を受け付けた場合には、表示画面記憶部10a‐1にコピー基本画面の画面データを記憶させ、当該画面データに基づいてコピー基本画面をタッチパネル10aに表示させる(ステップS2)。
【0023】
図3は、本実施形態に係る複合機Aのコピー基本画面を示す図である。上記コピー基本画面は、複合機Aのコピー機能におけるトップ画面であり、図3に示すように、その左側に現在のコピー条件を表示すると供にコピーにおける各条件の条件選択画面を表示させる為の条件選択画面表示ボタンを表示する。
【0024】
CPU1は、ステップS2の後に、ファクシミリ送信予約時間になったまたは通信I/F部9が受信した信号に基づいてファクシミリ受信があったか否か判定し(ステップS3)、ステップS3において『NO』と判定した場合には、すなわちファクシミリ送信予約時間になっていないかつファクシミリ受信がない場合には、ファクシミリ送信予約時間になるまたはファクシミリ受信があるまで待機し、ステップS3において『YES』と判定した場合には、すなわちファクシミリ送信予約時間になったまたはファクシミリ受信があった場合には、バックグラウンドにおいてファクシミリ送受信処理を通信I/F部9に開始させ、ファクシミリ送受信処理に応じて準備画面記憶部12が記憶するファクシミリ送受信状態確認画面の画面データを更新する(ステップS4)。
【0025】
図4は、本実施形態に係る複合機Aのファクシミリ送受信状態確認画面を示す図である。上記ファクシミリ送受信状態確認画面は、ファクシミリジョブ毎の現在のファクシミリ送受信状態を示す一覧を表示する画面である。図4に示すファクシミリ送受信状態確認画面では、ジョブ名「20080716‐001」のファクシミリジョブのファクシミリ受信中であることを示している。
【0026】
CPU1は、ステップS4の後に、コピー基本画面における「用紙」ボタンの押下によって用紙選択画面表示指示をタッチパネル10aが受け付けると、準備画面記憶部12において用紙選択画面の画面データを生成する(ステップS5)。図5は、本実施形態に係る複合機Aの用紙選択画面を示す図である。上記用紙選択画面は、コピーにおける印刷用紙条件として印刷用紙のサイズ及び印刷用紙に対する印刷向きをユーザに選択させる為の画面である。図5に示す用紙選択画面は、印刷用紙サイズがA4かつ印刷向きがヨコであることを示す「A4ヨコ」ボタンの反転表示が行われている。これは、 デフォルトの条件として印刷用紙条件「A4ヨコ」が選択されていることを示している。
【0027】
CPU1は、ステップS5において準備画面記憶部12における用紙選択画面の画面データの生成が完了し、準備画面記憶部12から表示画面記憶部10a‐1へ用紙選択画面の画面データを転送する直前のタイミングで、ファクシミリダイヤルトーン未検出等のファクシミリ送受信におけるエラーが発生したと判定すると、表示画面記憶領域10a‐1が記憶するコピー基本画面の画面データと、準備画面記憶部12が記憶するファクシミリ送受信状態確認画面及び用紙選択画面の画面データとをJPEGまたはGIF等の画像ファイルに変換し、コピー基本画面、ファクシミリ送受信状態確認画面及び用紙選択画面の画像ファイルをエラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させる(ステップS6)。なお、CPU1は、エラーが発生したと判定したタイミングで、ファクシミリ送受信状態確認画面の画面データを更新している場合、画面データの更新を中断し、更新直前の画面データを画像ファイルに変換し、当該画像ファイルをエラー情報記憶部11に記憶させる。
【0028】
CPU1は、ステップS6の後に、エラー通知画面の画面データ準備画面記憶部12において生成し、エラー通知画面の画面データの生成が完了すると、準備画面記憶部12が記憶するエラー通知画面の画面データを画像ファイルに変換し、当該画像ファイルをエラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させ(ステップS7)、エラー通知画面の画面データを準備画面記憶部12から表示画面記憶部10a‐1へ転送し、表示画面記憶部10a‐1が記憶する画面データに基づいてエラー通知画面をタッチパネル10aに表示させる(ステップS8)。図6は、本実施形態に係る複合機Aのエラー通知画面を示す図である。上記エラー通知画面は、ファクシミリ送受信におけるエラーの発生を通知する画面であり、エラー種別を示すエラーナンバーを表示している。
【0029】
なお、CPU1は、タッチパネル10aが現在表示している画面の画面データ、すなわち表示画面記憶部10a‐1が記憶している画面データと、準備画面記憶部が記憶している画面データとを、区別してエラー情報記憶部11に記憶させる。例えば、表示画面記憶部10a‐1が記憶しているコピー基本画面の画面データと、準備画面記憶部が記憶しているファクシミリ送受信状態確認画面、用紙選択画面及びエラー通知画面とを区別する為に、CPU1は、識別子を付加してエラー情報記憶部11に記憶させる。
【0030】
そして、CPU1は、ステップS8の後に、キー操作によってエラー情報出力指示を操作表示部10が受け付けると、タッチパネル10aに表示されていた画面と、準備画面記憶部12に記憶されていた画面とを区別できるタイトル名を付加してエラー情報記憶部11が記憶するコピー基本画面、ファクシミリ送受信状態確認画面、用紙選択画面及びエラー通知画面の画像ファイルをタッチパネル10aに表示させる(ステップS9)。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る複合機Aにおいて、CPU1は、エラーが発生したと判定すると、タッチパネル10aに表示しているコピー基本画面の画面データだけではなく、準備画面記憶部12が記憶するファクシミリ送受信状態確認画面及び用紙選択画面の画面データを画像ファイルに変換し、当該画像ファイルをエラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させている。さらに、CPU1は、コピー基本画面、ファクシミリ送受信状態確認画面、用紙選択画面の画像ファイルをエラー情報記憶部11に記憶さえた後に、準備画面記憶部12において生成するエラー通知画面の画面データも、画像ファイルに変換し、エラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させている。
【0032】
このように、タッチパネル10aが表示している画面だけでなく、準備画面記憶部12が記憶する画面もエラー情報として保存することによって、タッチパネル10aに現在表示している機能と共にバックグランドにおいて動作している機能の動作/状態を不具合の解析の担当者が把握することが出来る為に、複合的な要因によって発生しているエラーであっても、当該エラーの原因を効率良く特定することが出来る。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)上記実施形態は、本発明を画像形成装置の一つである複合機に適用したものであるが、本発明は、現在表示している画面を記憶する表示画面記憶部とは別に、これから表示する画面の生成に使用する準備画面記憶部が設けられているものであれば、パーソナルコンピュータ及び携帯端末等のあらゆる電子機器に適用することが出来る。
【0034】
(2)上記実施形態では、CPU1は、エラーが発生したと判定すると、タッチパネル10aに表示しているコピー基本画面と、準備画面記憶部12が記憶するファクシミリ送受信状態確認画面及び用紙選択画面の画面データを画像ファイルに変換し、当該画像ファイルをエラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させ、その後に、準備画面記憶部12において生成するエラー通知画面の画面データも、画像ファイルに変換し、エラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させたが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
コピー基本画面、ファクシミリ送受信状態確認画面及び用紙選択画面は、ユーザによる操作または各機能の動作/状態に応じて表示内容が変化する画面である為、表示画面記憶部10a‐1または準備画面記憶部12が記憶している画面データに基づく画像ファイルをエラー情報記憶部11へ記憶させる必要があるが、エラー通知画面のように表示内容が常に定型である画面であれば、画像ファイルではなく、当該画面の画面ID等の識別子をエラー情報としてエラー情報記憶部11に記憶させるようにしてもよい。画面の識別子をエラー情報記憶部11に保存させることによって、画面データの画像ファイルを保存する場合と比較して、エラー情報記憶部11の容量の圧迫を抑えることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る複合機Aの機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る複合機Aの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る複合機Aのコピー基本画面を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る複合機Aのファクシミリ送受信状態確認画面を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る複合機Aの用紙選択画面を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る複合機Aのエラー通知画面を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
A…複合機、1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…各種センサ群、5…用紙搬送部、6…画像読取部、7…画像データ記憶部、8…画像形成部、9…通信I/F部、10…操作表示部、10a…タッチパネル、10a‐1…表示画面記憶部、11…エラー情報記憶部、12…準備画面記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面記憶部が記憶する画面データに基づいて画面を表示する表示部と、バックグランドにおいて動作する機能の画面及びこれから表示する画面の画面データを記憶する準備画面記憶部とを有し、前記準備画面記憶部から前記表示画面記憶部へ画面データが転送され、前記表示画面記憶部が当該画面データを記憶すると、前記表示部が当該画面データに基づいて画面を切り替える電子機器であって、
エラー情報記憶部と、
エラーが発生すると、エラー発生時に表示画面記憶部が記憶する画面データと、準備画面記憶部が記憶する画面データとをエラー情報として前記エラー情報記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
エラー情報出力指示を受け付けると前記エラー情報を出力する出力制御手段と、を具備する電子機器。
【請求項2】
前記記憶制御手段は、エラー情報をエラー情報記憶部に記憶させた後に、前記準備画面記憶部において生成されたエラー通知画面の画面データをエラー情報として前記エラー情報記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記記憶制御手段は、定型画面の画面データをエラー情報記憶部に記憶させる場合には、当該定型画面の識別子をエラー情報としてエラー情報記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、前記表示画面記憶部と、前記準備画面記憶部とに記憶された画面データを区別してエラー情報記憶部に記憶させ、
前記出力制御手段は、前記エラー情報記憶部が記憶する前記エラー情報に基づいて、記表示画面記憶部と、前記準備画面記憶部とに記憶されていた画面データを区別して、前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−92226(P2010−92226A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260907(P2008−260907)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】