説明

電子機器

【課題】記憶媒体にアクセスすることにより自装置に生じる熱や、自装置の消費電力を考慮した上で、適切な速度で記憶媒体にアクセスする電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる電子機器は、記憶媒体を着脱可能な電子機器であって、記憶媒体の特性を判定する判定手段と、記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送する転送手段と、を備え、転送手段は、第1の速度と、第1の速度よりも高速な第2の速度で記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送可能であり、判定手段の判定結果に応じて、いずれの転送速度で記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送するかを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関し、特に、記憶媒体にデータを記録できる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、アクセス速度が比較的高い記憶媒体と、アクセス速度が比較的遅い記憶媒体とを接続可能な信号転送装置を開示する。この信号転送装置は、アクセス速度が比較的高い記憶媒体が接続されている場合には、比較的高い転送レートで情報の転送を行う。一方、この信号転送装置は、アクセス速度が比較的低い記憶媒体が接続されている場合には、比較的低い転送レートで情報の転送を行う。
【0003】
これにより、この信号転送装置は、接続される記憶媒体の種類に応じて、適切な情報転送速度を選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−128168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献が開示する信号転送装置は、記憶媒体の可能なアクセス速度が高い場合には、高いアクセス速度でアクセスする。従って、高いアクセス速度で記憶媒体にアクセスすることにより、信号転送装置に生じる熱や、消費電力等を考慮しているとはいえない。
【0006】
本発明は、記憶媒体にアクセスすることにより自装置に生じる熱や、自装置の消費電力を考慮した上で、適切な速度で記憶媒体にアクセスする電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電子機器は、記憶媒体を着脱可能な電子機器であって、記憶媒体の特性を判定する判定手段と、記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送する転送手段と、を備え、転送手段は、第1の速度と、第1の速度よりも高速な第2の速度で記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送可能であり、判定手段の判定結果に応じて、いずれの転送速度で記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送するかを決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記憶媒体にアクセスすることにより自装置に生じる熱や、自装置の消費電力を考慮した上で、適切な速度で記憶媒体にアクセスする電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】デジタルカメラ100の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1の転送動作を説明するためのフローチャート
【図3】実施の形態2のメモリカードへのアクセス動作を説明するためのフローチャート
【図4】実施の形態3の転送動作を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔1.実施の形態1〕
本発明をデジタルビデオカメラに適用した実施の形態1について図を用いて説明する。
【0011】
〔1−1.概要〕
デジタルビデオカメラ100は、メモリカード240に対してデータを記録できる。また、デジタルビデオカメラ100は、メモリカード240からデータを読出し、USB290を介して、データを外部装置に転送できる。
【0012】
デジタルビデオカメラ100は、メモリカード240に対してデータを記録する際や、メモリカード240からデータを読み出す際に、比較的良好なアクセス速度でメモリカード240へとアクセスする。
【0013】
〔1−2.構成〕
〔1−2−1.電気的構成〕
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100の電気的構成について、図1を用いて説明する。図1は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルビデオカメラ100は、ズームレンズ110等からなる光学系により形成された被写体像をCCDイメージセンサー180で撮像する。CCDイメージセンサー180で生成された画像データは、画像処理部190で各種処理が施され、メモリカード240やHDD300に格納される。また、メモリカード240やHDD300に格納された画像データは、液晶モニタ270で表示可能である。以下、デジタルビデオカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0014】
デジタルビデオカメラ100の光学系は、ズームレンズ110、OIS140、フォーカスレンズ170を含む。ズームレンズ110は、光学系の光軸に沿って移動することにより、被写体像を拡大又は縮小可能である。また、フォーカスレンズ170は、光学系の光軸に沿って移動することにより、被写体像のピントを調整する。
【0015】
OIS140は、内部に光軸に垂直な面内で移動可能な補正レンズを有する。OIS140は、デジタルビデオカメラ100の振れを相殺する方向に補正レンズを駆動することにより、被写体像の振れを低減する。
【0016】
ズームモータ130は、ズームレンズ110を駆動する。ズームモータ130は、パルスモータやDCモータ、リニアモータ、サーボモータなどで実現してもよい。ズームモータ130は、カム機構やボールネジなどの機構を介してズームレンズ110を駆動するようにしてもよい。検出器120は、ズームレンズ110が光軸上でどの位置に存在するのかを検出する。検出器120は、ズームレンズ110の光軸方向への移動に応じて、ブラシ等のスイッチによりズームレンズの位置に関する信号を出力する。
【0017】
OISアクチュエータ150は、OIS140内の補正レンズを光軸と垂直な面内で駆動する。OISアクチュエータ150は、平面コイルや超音波モータなどで実現できる。また、検出器160は、OIS140内における補正レンズの移動量を検出する。
【0018】
CCDイメージセンサー180は、ズームレンズ110等からなる光学系で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CCDイメージセンサー180は、露光、転送、電子シャッタなどの各種動作を行う。
【0019】
画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対して各種の処理を施す。画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対して処理を施し、液晶モニタ270に表示するための画像データを生成したり、メモリカード240やHDD(ハードディスク、以下HDDと称する)300に再格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対してガンマ補正やホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部190は、CCDイメージセンサー180で生成された画像データに対して、MPEG2やH.264規格に準拠した圧縮形式等により画像データを圧縮する。画像処理部190は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0020】
コントローラー210は、全体を制御する制御手段である。コントローラー210は、半導体素子などで実現可能である。コントローラー210は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラー210は、マイコンなどで実現できる。
【0021】
メモリ200は、画像処理部190及びコントローラー210のワークメモリとして機能する。メモリ200は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0022】
液晶モニタ270は、CCDイメージセンサー180で生成した画像データが示す画像や、メモリカード240やHDD300から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。
【0023】
ジャイロセンサー220は、圧電素子等の振動材等で構成される。ジャイロセンサー220は、圧電素子等の振動材を一定周波数で振動させコリオリ力による力を電圧に変換して角速度情報を得る。ジャイロセンサー220から角速度情報を得、この揺れを相殺する方向にOIS内の補正レンズを駆動させることにより、デジタルビデオカメラ100は、使用者による手振れを補正する。
【0024】
カードスロット230は、メモリカード240を着脱可能である。カードスロット230は、機械的及び電気的にメモリカード240と接続可能である。
【0025】
メモリカード240は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、データを格納可能である。メモリカード240は、カードIFクロックの周波数が異なる複数の書込み・読出し速度(以下、アクセス速度と称する。)に対応可能である。具体的には、メモリカード240は、第1の速度(低速)と、第2の速度(高速)とに対応できる。高速なアクセス速度が選択されると、メモリカード240内部ではデータの読み出しや書込みの速度を速くするために、内蔵されている複数のメモリデバイス(例えばNANDフラッシュメモリ)に対する同時アクセス処理が行われる。このため、データの読み出しや書込み速度が速くなる一方で、複数のメモリデバイスが同時動作するために、消費電力が高くなる。また、メモリカード240は、自装置が対応可能なアクセス速度に関する情報を記憶している。複数のアクセス速度に対応可能な場合には、メモリカード240は、複数のアクセス速度に関する情報を記憶する。また、メモリカード240は、自装置がデータの書込み・読出しを行う際の消費電力に関する情報を記憶する。
【0026】
内部メモリ280は、フラッシュメモリや強誘電低メモリなどで構成される。内部メモリ280は、デジタルビデオカメラ100全体を制御するための制御プログラム等を格納する。
【0027】
操作部材250は、使用者から画像の撮像指示を受け付ける部材である。ズームレバー260は、使用者からズーム倍率の変更指示を受け付ける部材である。
【0028】
USB290は、デジタルビデオカメラ100とパソコン等の外部装置とを接続するためのインターフェースである。デジタルビデオカメラ100は、USB290を介して、外部装置と動画像データ等のデータをやりとりすることができる。
【0029】
HDD300は、デジタルビデオカメラ100内に設けられた記憶媒体であり、データを格納可能である。
【0030】
〔1−2−2.本発明との対応〕
コントローラー210は、本発明の判定手段の一例である。コントローラー210とUSB290とからなる構成は、本発明の転送手段の一例である。
【0031】
〔1−3.転送動作〕
本発明にかかるデジタルビデオカメラ100におけるメモリカード240からパソコン等の外部装置への動画像データの転送方法について図2を用いて説明する。図2はメモリカード240からパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する。)への動画像データの転送方法を説明するためのフローチャートである。
【0032】
デジタルビデオカメラ100と、PC(図示せず)とは、USB290を介して、USBケーブルで接続できる。この状態で、使用者が操作部材250のうちのモード設定釦を操作することにより、デジタルビデオカメラ100は、PC接続モードになる。PC接続モードでは、PCとデジタルビデオカメラ100とはUSBマスストレージ接続される。この場合には、PCがホストとなり、デジタルビデオカメラ100がデバイスとなる。
【0033】
使用者がPC側で、デジタルビデオカメラ100に装着されたメモリカード240に記憶されている動画像データの読み出し操作を行うと、コントローラー210は、動画像データの転送を開始する(S100)。
【0034】
動画像データの転送が開始されると、コントローラー210は、装着されているメモリカード240が高速アクセスに対応可能なメモリカードか否かを判断する(S110)。
【0035】
高速アクセスに対応可能なカードではないと判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセス速度を低速に設定する(S120)。アクセス速度を低速に設定すると、コントローラー210は、ホストからの転送要求があるか否かを判断する(S130)。ホストからの転送要求があると判断すると、コントローラー210は、メモリカード240から動画像データを読み出してPC(ホスト)へ動画像データを転送する(S140)。所定量の動画像データ転送が完了すると、コントローラー210は、PC(ホスト)への動画像データ転送がすべて完了しているか否かを判断する(S150)。ホストへの動画像データ転送が全て完了していれば、転送を完了し(S192)、転送が完了していなければ、ホストからの新たな転送要求があるかを判断する(S130)。
【0036】
一方、ステップS110でメモリカード240が高速アクセスに対応可能であると判断すると、コントローラー210はメモリカード240へのアクセス速度を高速に設定する(S160)。アクセス速度を高速に設定すると、コントローラー210は、PC(ホスト)からの転送要求がある否かを判断する(S170)。
【0037】
PC(ホスト)からの転送要求があると判断すると、コントローラー210は所定時間処理待ちをするWAIT処理を行う(S180)。WAIT処理を行った後に、コントローラー210は、メモリカード240から動画像データを読み出してPC(ホスト)へ動画像データを転送する(S190)。所定量の動画像データ転送が完了した後に、コントローラー210は、PC(ホスト)への動画像データの転送がすべて完了しているか否かを判定する(S191)。PC(ホスト)への動画像データの転送が全て完了していれば、コントローラー210は、転送を完了し(S192)、転送が完了していなければ、ホストからの新たな転送要求があるかを判断する(S130)。
【0038】
以上のように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100においては、高速のアクセスに対応可能なメモリカードが接続されている場合であって、メモリカードに記憶されている動画像データをPC(ホスト)に転送する場合、PC(ホスト)からの動画像データの転送要求ごとに、所定のWAIT処理を実行することとした。
【0039】
これにより、転送要求ごとに所定の待ち時間が発生するために、WAIT処理を入れない場合と比較して、メモリカード240からの読み出し速度が低くなり、結果としてメモリカードの消費電力が下がり、メモリカードの発熱を低く抑えることが可能となる。
〔2.実施の形態2〕
次に、実施の形態2について図3を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。
【0040】
〔2−1.メモリカードへのアクセス動作〕
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、実施の形態1にかかるデジタルビデオカメラ100とメモリカード240へのアクセス動作が異なる。以下、メモリカード240へのアクセス動作について図3を用いて説明する。図3は、メモリカードへのアクセス動作を説明するためのフローチャートである。
【0041】
使用者により操作部材250が操作され、電源がONされると、デジタルビデオカメラ100は、待機モードへと移行する(S200)。待機モードへと移行すると、コントローラー210は、装着されているメモリカード240が高速アクセスに対応可能なメモリカードか否かを判断する(S210)。
【0042】
高速アクセスに対応可能なカードではないと判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセスがあるか否かを判断する(S220)。メモリカード240へのアクセスがあると判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセス速度を低速に設定する(S230)。
【0043】
この場合には、メモリカード240が動画像データの記録・再生の際にアクセスされていても、動画像データの転送・コピーの際にアクセスされていても、メモリカード240は低速で動画像データのやりとりをする。ここで、動画像データの転送とは、デジタルビデオカメラ100から、USB290を介して、パソコン等の外部装置に動画像データの転送をすることをいう。また、動画像データのコピーとは、メモリカード240に記憶されている動画像データをHDD300にコピーすることや、HDD300に記憶されている動画像データをメモリカード240にコピーすることをいう。メモリカードへのアクセス速度が低速に設定されると、コントローラー210は、アクセス速度の選択を完了する(S240)。
【0044】
一方、ステップS210で、高速アクセスに対応可能なカードであると判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセスがあるか否かを判断する(S250)。メモリカード240へのアクセスがあると判断すると、コントローラー210は、デジタルビデオカメラ100の動作モードを判断する(S260)。具体的には、コントローラー210は、デジタルビデオカメラ100が記録もしくは再生モードであるか、転送もしくはコピーモードであるかを判断する。
【0045】
動作モードが動画像データの記録・再生であると判断した場合には、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセスを低速に設定する(S270)。メモリカード240へのアクセス速度が低速に設定されると、コントローラー210は、アクセス速度の選択を完了する(S240)。この場合、メモリカード240に対する記録・再生は低速で行われる。
【0046】
一方、ステップS260で、動作モードが動画像データの転送・コピーであると判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセスを高速に設定する(S280)。メモリカードへのアクセス速度が高速に設定されると、コントローラー210は、アクセス速度の選択を完了する(S240)。この場合、メモリカード240に対する動画像データの転送・コピーは高速で行われる。
【0047】
以上のように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、動作モードが記録・再生モードであるか転送・コピーモードであるかに応じて、メモリカード240へのアクセス速度を変更している。具体的には、動作モードが記録・再生モードである場合には、低速でメモリカード240へアクセスする。また、動作モードが転送・コピーモードである場合には、高速でメモリカード240へアクセスする。このようにする理由について次に説明する。
【0048】
記録・再生の際は、所定時間に必要とされるメモリカードへの転送量は、記録・再生する動画像データのデータレートによって決まる。従って、高速アクセスを行うメリットがない。また、記録・再生の際に高速な転送を行うと、メモリカードの消費電力が大きくなる。従って、バッテリーが早く消費され、動画像の記録時間が短くなる。また、メモリカードの発熱が大きくなる等のデメリットがある。
【0049】
一方、動画像データの転送・コピーの際は、転送レートが早ければ早いほど処理時間が短縮されるために、出来るだけ早いアクセス速度を使用することにメリットがある。
〔3.実施の形態3〕
次に、実施の形態3について図4を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様の部分については説明を省略する。
【0050】
〔3−1。転送動作〕
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、実施の形態1にかかるデジタルビデオカメラ100とメモリカード240へのアクセス動作が異なる。以下、メモリカード240へのアクセス動作について図4を用いて説明する。図4は、メモリカードへのアクセス動作を説明するためのフローチャートである。
【0051】
使用者により操作部材250が操作され、電源がONされると、デジタルビデオカメラ100は、待機モードへと移行する(S300)。待機モードへと移行すると、コントローラー210は、装着されているメモリカード240が高速なアクセスに対応可能なメモリカードか否かを判断する(S310)。
【0052】
高速なアクセスに対応可能なカードではないと判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセス速度を低速に設定する(S320)。
【0053】
メモリカードへのアクセス速度が低速に設定されると、コントローラー210は、アクセス速度のモード選択を完了する(S360)。
【0054】
一方、ステップS310で、高速アクセスに対応可能なカードであると判断すると、コントローラー210は、装着されているメモリカード240の消費電力が所定値より高いか低いかを判断する(S330)。具体的には、コントローラー210は、メモリカード240内に格納されている消費電力情報を参照し、その情報と、予め記憶している所定値とを比較することによりこの判断を行う。
【0055】
消費電力情報がメモリカード240内に格納されていなかったり、消費電力が所定値よりも高いカードであった場合には、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセス速度を低速に設定する(S340)。メモリカードへのアクセス速度が低速に設定されると、コントローラー210は、アクセス速度の選択を完了する(S360)。この場合、メモリカード240に対するアクセスは低速で行われる。
【0056】
一方、ステップS330で、消費電力が低いカードであると判断すると、コントローラー210は、メモリカード240へのアクセス速度を高速に設定する(S350)。メモリカード240へのアクセス速度を高速に設定すると、コントローラー210は、アクセス速度の選択を完了する(S360)。この場合、メモリカード240に対する動画像データのアクセスは高速で行われる。
【0057】
以上のように、本発明は、メモリカードに記載されているアクセス速度情報に加えて、メモリカードに消費電力情報が記載されている場合は、アクセス速度情報と消費電力情報の両方をから使用するアクセス速度を決定する。
【0058】
これにより、消費電力が所定値より高いメモリカードの場合は、低速アクセスを行うことでメモリカードの発熱を抑えることができる。
【0059】
また、消費電力が所定値より低いメモリカードの場合は、高速アクセスを行うことでPCへの動画像データの転送などを早く処理することができる。
〔4.他の実施の形態〕
以上により、本発明の実施の形態として、実施の形態1を説明した。しかし、本発明は、これらには限定されない。そこで、本発明の他の実施の形態を本欄にまとめて説明する。
【0060】
本実施の形態にかかるデジタルカメラ100の光学系及び駆動系は、図1に示すものに限定されない。例えば、図1では3群構成の光学系を例示しているが、他の群構成のレンズ構成としてもよい。また、それぞれのレンズは、1つのレンズで構成してもよく、複数のレンズから構成されるレンズ群として構成してもよい。
【0061】
また、実施の形態1では、撮像手段として、CCDイメージセンサー180を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、CMOSイメージセンサーで構成してもよく、NMOSイメージセンサーで構成してもよい。
【0062】
また、実施の形態1では、デジタルビデオカメラ100とPCをUSBマスストレージ接続するための操作として、USB端子290とPCがUSBケーブルで接続された状態で、使用者が操作部材250を操作する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えばUSB端子290とPCがUSBケーブルで接続されると、自動的にUSBマスストレージ接続される構成でも本発明は適用可能である。
【0063】
また、実施の形態1では、デジタルビデオカメラ100とPCがUSBマスストレージ接続された状態で動画像データをデジタルビデオカメラ100に装着されたメモリカード240からPCへ転送する動作を例として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、PCからデジタルビデオカメラ100に装着されたメモリカード240への転送についても本発明は適用可能である。
【0064】
また、本実施の形態では、動画像データの記録・再生・転送・コピーを例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。静止画データや、音声データを扱う場合についても適用可能である。さらに、デジタルビデオカメラ100で記録・再生できないようなデータを転送・コピーする場合についても本発明は適用可能である。
【0065】
また、本実施の形態では、メモリカード240が第1の速度(低速)と、第2の速度(高速)の2つのアクセス速度に対応している場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。3つ以上のアクセス速度に対応している場合でも本発明は適用可能である。実施例2への適用の一例としては、低速側の設定は、記録・再生に必要な所定のアクセス速度を満たす中で一番低い速度とし、高速側の設定は、一番早いアクセス速度とする等の応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
100 デジタルカメラ
110 ズームレンズ
120 検出器
130 ズームモータ
140 OIS
150 OISアクチュエータ
160 検出器
170 フォーカスレンズ
180 CCDイメージセンサー
190 画像処理部
200 メモリ
210 コントローラー
220 ジャイロセンサー
230 カードスロット
240 メモリカード
250 操作部材
260 ズームレバー
270 液晶モニタ
280 内部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶媒体を着脱可能な電子機器であって、
前記記憶媒体の特性を判定する判定手段と、
前記記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送する転送手段と、を備え、
前記転送手段は、
第1の速度と、前記第1の速度よりも高速な第2の速度で前記記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送可能であり、
前記判定手段の判定結果に応じて、いずれの転送速度で前記記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送するかを決定する、
電子機器。
【請求項2】
前記判定手段は、前記記憶媒体に対してデータの読み書きを行う際に消費する電力に関する情報である、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記転送手段は、
前記判定手段により消費電力が所定値以上であると判定された場合に、第1の速度で前記記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送し、
前記判定手段により消費電力が所定値未満であると判定された場合に、第2の速度で前記記憶媒体に記憶されているデータを外部装置に転送する、
請求項2に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−100242(P2011−100242A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253710(P2009−253710)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】