電子機器
【課題】タッチパネルによる文字入力を容易にする電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】入力された文字に基づいて情報を提供する電子機器1であって、前記文字を入力するための文字入力画像であって、グループ分けされた文字群の各グループの代表文字のキーが並ぶ文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字のグループに属する文字群である関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した文字入力画像を表示する画像表示部100と、を備える。
【解決手段】入力された文字に基づいて情報を提供する電子機器1であって、前記文字を入力するための文字入力画像であって、グループ分けされた文字群の各グループの代表文字のキーが並ぶ文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字のグループに属する文字群である関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した文字入力画像を表示する画像表示部100と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字に基づいて情報を検索することが可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の検索が可能な電子機器においては、文字入力を行うことにより、情報の検索を行うことが可能となる。例えば、特許文献1には、ジョグダイヤルで文字入力を行なう車載電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−249568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報技術の発展により、電子機器(例えば、車載電子機器、携帯端末など)が高機能化の一途を辿っている。このような電子機器の高機能化に伴って増大するユーザ操作の負担を軽減する手段の一つとして、タッチパネルを使ったGUI(Graphical User Interface)がある。しかし、例えば、車載電子機器では、電子機器類の設置スペースが制限される車内において、十分な表示スペースを確保することが難しいため、例えば、文字入力を受けつける場合に多種多様なキーを画面に全て表示すると、ユーザが操作しづらいといった問題がある。また、携帯電話や携帯型表示装置などの携帯端末では、持ち運びしやすいように小型化が求められているため、十分な表示スペースを確保することが難しい。そのため、携帯端末においても、例えば、文字入力を受けつける場合に多種多様なキーを画面に全て表示すると、ユーザが操作しづらいといった問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、タッチパネルによる文字入力を容易にする電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、グループ分けされた文字群の各グループの何れかの代表文字のキーが選択されると、このグループに属する文字群を、選択されている部位の周囲に配置した画像を表示する。
【発明の効果】
【0007】
タッチパネルによる文字入力が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】AVN一体機の構成図である。
【図2】AVN一体機の文字入力の概念図である。
【図3】文字入力開始処理のフローチャートである。
【図4】代表文字選択処理のフローチャートである。
【図5】文字選択処理のフローチャートである。
【図6】文字入力完了処理のフローチャートである。
【図7】ナビ画面の一例を示す図である。
【図8】文字入力画面の一例を示す図である(数字入力)。
【図9】文字入力画面の一例を示す図である(かな入力)。
【図10】文字入力画面とキーボードとの対応関係を示した概念図である。
【図11】清音のかなを入力する際の画面遷移の一例を示す図である。
【図12】濁音のかなを入力する際の画面遷移の一例を示す図である。
【図13】半濁音のかなを入力する際の画面遷移の一例を示す図である。
【図14】文字入力画面に表示される画像の第一変形例を示す図である。
【図15】文字入力画面に表示される画像の第二変形例を示す図である。
【図16】文字入力画面に表示される画像の第三変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態を例示的に説明する。以下に示す実施形態は例示であり、本願発明の技術的範囲をこれらに限定するものではない。ここでは、電子機器として、車載用の電子機器を実施の形態の一つとして記載するが、本願に係る構成は、車載用の電子機器に限定されず、例えば、可搬型の携帯端末(例えば、PND、携帯電話、携帯型表示装置など)においても実現可能である。
【0010】
<構成>
図1は、本実施形態に係る車載用電子機器(オーディオ機能、ビジュアル機能、ナビゲーション機能を一体的に有する電子機器(以降、AVN一体機と称する))の構成図である。AVN一体機1は、制御部100、外部記録媒体再生部101、ラジオ受信部102、テレビジョン(Television、TV)受信部103、ディスク再生部104、ナビゲーション部106、分配回路107、表示制御装置108、音声調整回路109、画像出力部110、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信部111、GPS(Global Positioning System)情報受信部112、セレクタ113、メモリ1
17、通信ユニット121、表示部122を含む。なお、AVN一体機1は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を有してもよい。
【0011】
制御部100は、AVN一体機1の各部又は接続された外部機器からの信号に基づき、AVN一体機1の各部、又は、外部機器を統括的に制御する。制御部100は、例えば、マイクロコンピュータ(マイコン)を備え、該マイコンがROM等のメモリに記憶された各種プログラムを実行することによって、各機能を実現する。
【0012】
外部記録媒体再生部101は、コネクタを備え、該コネクタに接続された外部記録媒体に記録されたデータを読み出して出力する。外部記録媒体は、例えば、SDカード、miniSDカード、microSDカード、その他のフラッシュメモリのメモリカードである。外部録媒体再生部101は、読取信号の復号回路等を備え、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、読み込み位置等の各種動作が制御される。
【0013】
ラジオ受信部102は、アンテナにより受信された各ラジオ局から発信されるAM又はFMの放送波から、特定の周波数の放送波を選択して受信し、復調して等該放送の音声信号を出力する。TV受信部103は、アンテナにより受信された各放送局から発信される放送波から、セレクタにより特定の周波数の放送波を受信し、受信した映像信号、音声信号及びデータ信号を出力する。TV受信部103は、アナログ放送やデジタル放送を受信可能である。ラジオ受信部102及びTV受信部103は、同調回路、復調及び復号回路等を備え、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、受信周波数等の各種動作が制御される。
【0014】
ディスク再生部104は、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)などのディスクに記録
されているデータをピックアップにより読込み、読み込んだデータに基づく、音声信号、映像信号を出力する。ディスク再生部104は、光学ピックアップ、ピックアップディスク駆動機構、ピックアップディスク駆動機構の制御回路、読取信号の復号回路等を備える
。ディスク再生部104は、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、読み込み位置等の各種動作が制御される。
【0015】
VICS情報受信部111は、交通情報通信システム(VICS)に係る交通情報を受信し、受信した交通情報を出力する。VICS情報受信部111は、交通情報通信システムからのデータを受信する受信機(FM受信機、電波ビーコン受信機、光ビーコン受信機)、受信したデータを復号する復号回路等を備える。GPS情報受信機112は、GPS衛星からのGPS信号に基づき自車位置を検出し、検出した現在位置情報を出力する。GPS情報受信部112は、GPS信号を受信する受信回路、受信したGPS信号に基づき自車位置を算出する演算部等を備える。
【0016】
ナビゲーション部106は、地図上に自車位置や目的地までの経路を表示したり、交差点等で音声等により右左折等の進行方向案内を行ったり、VICS情報受信部111から交通情報を受信して表示したり、GPS情報受信部112から自車位置情報を受信して表示したりして、目的地までの経路案内を行う。ナビゲーション部106は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記録するハードディスク、各種演算処理を行うCPU(Central Processing unit)、各種処理のためにデータを記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリを備える。ナビゲーション部106は、制御部100からの制御信号
により、オン/オフ、各種動作が制御される。
【0017】
分配回路107は、制御部101の制御信号により、出力することが指定された各種ソース(ラジオ受信部102、TV受信部103、ディスク再生部104、HD再生部105、及びナビゲーション部106)の音声信号と画像信号とを画像調整回路108及び音声調整回路109に出力する。分配回路107は、リレーまたはスイッチングトランジスタ等の電子回路で構成されたスイッチ群を備える。
【0018】
画像調整回路108は、制御部100の制御信号により、入力された画像信号に対し、輝度や色調、コントラストなどを調整し、調整した各画像信号を出力する。画像調整回路108は、画像データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナリングプロセッサ等の演算回路等を備える。
【0019】
画像出力部110は、画像調整回路108から入力された画像信号と、制御部100から表示部122に表示させる表示画像信号とを入力して画像合成等の処理を施し、当該処理を施した画像信号に基づき表示部122を駆動する。画像出力部110は、例えば、演算処理により、画像処理を行う画像用に特化された演算処理回路である画像ASIC、画像処理及び出力用に画像データを記憶するビデオメモリ、画像出力用ビデオメモリに記憶された画像データに基づき表示部を駆動する画像駆動回路等を備える。
【0020】
表示部122は、画像出力部110から入力された画像信号に基づき画像を表示する。表示部122は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極フラットパネルディスプレイ等である。表示部122は、バックライト200、液晶パネル201、タッチパネル202を備える。バックライト200は、液晶パネル201の照明である。タッチパネル202は、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式の何れであってもよい。タッチパネル202は、ユーザによって押下された座標の座標情報を制御部100に出力し、制御部100は、この座標情報と表示画面とから、ユーザによって選択されたスイッチを判定する。
【0021】
音声調整回路109は、制御部100の制御信号により、入力された音声信号に対し、音量、音声を調整し、調整した音声信号を出力する。音声調整回路109は、音声データを記憶するメモリ、音声データを演算処理するデジタルシグナルプロセッサ等の演算回路
、トランジスタ、抵抗、コイル等により構成される増幅又は減衰回路や共振回路等を備える。スピーカ16は、音声調整回路109から出力された音声信号を音声として出力する。
【0022】
メモリ117は、AVN一体機1に内蔵された、各種データやプログラムを記憶するメモリである。メモリ117は、例えば、RAMやフラッシュROM等を含む。
【0023】
通信ユニット121は、アンテナに接続された、例えば、DARC(Dedicated Short Range Communication)、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)等の近距離の無線通
信のための通信インターフェースである。
【0024】
<文字入力の概要>
AVN一体機1は、文字の入力機能を有しており、様々な場面でユーザはAVN一体機1に文字を入力できるようになっている。例えば、オーディオモードでは、音声データをタイトル及びアーティストの名称から検索するために文字を入力できたり、音声データのタイトル及びアーティストの名称の修正や、音声データをまとめたプレイリストの名称の編集の場面などで文字を入力できたりする。また、ナビゲーションモードでは、目的地の検索のためのキーワードの設定や、登録したメモリ地点の名称の修正の場面などで文字を入力できる。
【0025】
図2は、AVN一体機1の文字入力の概念図である。図2の画像D1は、文字入力が必要となる場面で所定の操作を行なうことで表示される。図2に示されるように、画像D1は、かな入力用の50音のうち各行のあ段の文字が並んでいる。この画像は、本発明でいう文字選択画像の一態様である。かな入力においては、本発明でいう“各グループ”が50音表の各行に相当し、“代表文字”が各行のあ段の文字に相当し、そして、“代表文字”のグループに含まれる文字、例えば、“代表文字”が「あ」の場合、「あ」のグループに属する文字群である「あ、い、う、え、お、」の文字及びこれらの文字を変形する変形文字が“関連文字”に相当する。
【0026】
画像D1において、例えば、「は」のボタンにタッチすると、画像D2に示すように「は」のグループに属する文字群である「は、ひ、ふ、へ、ほ、」及びこれらの文字を変形する変形キーをその周囲に配置した画像が表示される。この画像は、本発明でいう文字入力画像の一態様である。ここで、指をタッチしたまま、例えば「へ」の位置へスライドすると、画像D3に示すように「へ」が反転表示される。指を離すと、「へ」の入力が確定する。
【0027】
一方、画像D2において、指をタッチしたまま、例えば「゛小゜」の位置へスライドして指を離すと、画像D4に示すように「゛小゜」が反転表示されると共に、表示されていた「は、ひ、ふ、へ、ほ」に濁点記号が付く。ここで、例えば、「べ」のボタンをタッチすると、画像D5に示すように「べ」が反転表示される。指を離すと、「べ」の入力が確定する。
【0028】
一方、画像D4において、例えば「゛小゜」のボタンを再度タッチすると、画像D6に示すように「゛小゜」が反転表示されると共に、表示されていた「ば、び、ぶ、べ、ぼ」の濁点記号が半濁点記号に変わる。ここで、例えば、「ぺ」のボタンをタッチすると、画像D7に示すように「ぺ」が反転表示される。指を離すと、「ぺ」の入力が確定する。
【0029】
なお、ここでは、タッチパネルを用いた文字入力の構成を記載しているが、これに限定されず、例えば、AVN一体機1を操作可能な操作器(ジョグダイヤルやリモートコマンダなど)を用いた文字入力の構成であってもよい。このような、操作器を用いて文字入力
を行う場合(タッチパネルのように表示画面を直接操作するような操作でない場合)、例えば、文字入力画像において、ポインタ(例えば、矢印の画像)を代表文字の位置に移動させて、操作器において選択操作を行い、この選択操作を維持した状態で、関連文字の位置にポインタを移動させてから、選択状態を解除することにより、上述した処理と同様の処理が実現できる。また、濁点文字への変換や半濁点文字への変換においても、操作器によるポインタの移動で実現可能である。
【0030】
AVN一体機1の文字入力は、このように、あ行からわ行の各グループにグループ分けされた入力候補のかな文字群の各行のあ段の文字が並ぶ文字選択画像D1の何れかの文字がタッチ操作で選択されると、選択された文字の行に属するあ段からお段までの文字を、押されている部位の周囲に配置し、変形キーを、押されている部位の下側に配置した画像D2を生成する。このため、電子機器類の設置スペースが制限される車内に置かれることで十分な表示スペースを確保できなくても、多種多様なキーを画面に適切に表示して文字入力が容易になる。
【0031】
<文字入力の処理フロー>
以下、AVN一体機1で実行される文字入力の処理フローについて、図3〜6の処理フロー図、及び図7〜13の画像図に基づいて説明する。
【0032】
<フロー1:文字入力開始処理:図3>
本フロー1は、文字の入力画面を表示する際(以下、文字入力操作モードという)に制御部100が実行する処理である。このフロー1は、例えば、目的地の住所入力や選曲時のキーワード入力といった文字の入力を必要とする操作モードが選択された場合に実行される。
【0033】
(ステップS101)文字入力の種別判断を行なう。
【0034】
制御部100は、画面の何れのボタンが操作されてか否かについて、タッチパネル202から通知される画面上の座標情報と、画像出力部110を介して液晶パネル201に表示させている画像中の各ボタンの座標とを比較することにより判定する。また、制御部100は、ナビゲーション部106を介してGPS情報受信部112から取得される緯度および経度の情報や、メモリ117に格納された地図データに基づいてナビゲーション画面を生成すると共に、音声調整回路109を介してスピーカ16からルートガイド音声を出力する。
【0035】
AVN一体機1の文字入力には、かな入力モード、英字入力モード、数字入力モードの3モードが用意されている。また、目的地の設定操作には、「エリア」、「ジャンル」、「周辺」、「施設名」、「住所」、「郵便番号」、「電話番号」の7つのメニューが用意されている。制御部100には、各メニューと文字入力モードとの対応関係を既定したテーブルが予め用意されており、図7のD102の画面で選択されたメニューに応じて文字入力の種別を決定する。このテーブルは、例えば、かな入力モードは「エリア」、「ジャンル」、「周辺」、「施設名」、「住所」、数字入力モードは「郵便番号」、「電話番号」というように、各モードとメニューとの対応関係が規定されている。
【0036】
制御部100は、例えば、目的地の設定操作で「電話番号」のメニューが選択された場合、上記テーブルに基づき、文字入力モードの種別を数字入力モードに決定する。
【0037】
(ステップS102)制御部100は、決定した文字入力モードに対応する画像データをメモリ117から選択して読み出す。
【0038】
(ステップS103)制御部100は、メモリ117から読み出した画像データを画像表示制御部108へ引き渡し、画像出力部110を介して液晶パネル201に入力文字枠と共に表示させる。図8の画面D103は、このときに表示される画面の一例である。目的地の設定操作で「電話番号」のメニューが選択されると、電話番号の入力に必要な数字のボタンが配置されたキーボードKと入力文字枠Fとが表示される。
【0039】
なお、目的地の設定操作で例えば「施設名」のようにかな入力モードに対応するメニューが選択されていれば、図9の画面D104に示すように、施設名の入力に必要なかなのボタンが配置された画面が表示される。
【0040】
制御部100は、図8の画面D103や図9の画面D104に示したような文字入力画面を表示させている状態で、以下に示す3つのフロー(フロー2〜4)を実行する。
【0041】
<フロー2:代表文字選択処理:図4>
本フロー2は、文字入力操作モードにおいて、制御部100が後述のフロー3の前後、或いはフロー4と並列に繰り返し実行する処理である。このフロー2は、文字入力のモードを切り替える際の処理であり、かな入力、英字入力、及び数字入力のうちからユーザが入力モードを選択する処理である。
【0042】
(ステップS201)制御部100は、タッチパネル202から座標情報が通知された場合、接触があったと判断する。通知されなければ接触が無かったと判断し処理を終了する。
【0043】
(ステップS202)制御部100は、タッチパネル202から通知された座標情報と液晶パネル201に表示されている代表文字の座標とを比較する。タッチパネル202から通知された座標情報が代表文字の座標の範囲内であれば、タッチされた領域が代表文字の領域(代表文字の選択可能な領域)内であると判定し、代表文字関連文字群の環状表示処理(S205)を実行する。他方、制御部100は、タッチパネル202から通知された座標情報が代表文字の座標の範囲外であれば、タッチされた領域が代表文字の領域外であると判定し、接触位置の移動方向の検知処理(S203)を実行する。
【0044】
(ステップS203)制御部100は、タッチパネル202から通知される座標情報を解析し、タッチされている位置の移動方向を検知する。タッチされている位置の移動方向は、タッチパネル202から通知される座標情報が示す座標値の増減に基づいて判定する。例えば、タッチパネル202の上下方向の座標値が、上方向の場合に増加し、下方向の場合に減少するように規定されている場合、タッチパネル202から通知される座標情報が示す縦軸の座標値の微分値が正であれば上方向へ移動していると判定し、微分値が負であれば下方向へ移動していると判定し、微分値がゼロであれば上下方向には移動せずに止まっていると判定する。
【0045】
(ステップS204)制御部100は、移動方向に応じた種別の文字入力画面に切り替える。AVN一体機1が生成する文字入力画面は、図10に示すように、数字のボタンが並ぶ領域とかな文字のボタンが並ぶ領域と英字のボタンが並ぶ領域が縦に3段状に並んだキーボードの一部を画面上に映し出すという概念の下、文字入力画面が構成されている。制御部100は、例えば、図9の画面D104が表示されているときに、ステップS203の処理で上方向のタッチ操作が検知されれば、液晶パネル201に表示させている画面を、キーボードを上方向へスライドさせる。これにより、英字のボタンが画面に映し出された図10の画像D105が液晶パネル201に表示される。なお、制御部100は、ステップS203の処理で上下の何れかの方向への移動が検知されなければ、キーボードのスライド処理を行わない。
【0046】
(ステップS205)制御部100は、ステップS202の処理において、タッチされた領域が代表文字の領域内であると判定したら、タッチされた代表文字に関連する関連文字を環状に表示した画像を生成し、液晶パネル201に表示させる。例えば、かな文字入力モードにおいて、「か」のボタンが押されると、50音順表におけるか行の代表文字である「か」に関連する「か、き、く、け、こ、゛小゜」の関連文字を環状に表示した画像を生成し、図11の画面D106に示すような画面を液晶パネル201に表示させる。
【0047】
<フロー3:文字選択処理:図5>
本フロー3は、文字入力操作モードにおいて、制御部100が前述のフロー2の前後、或いはフロー4と並列に繰り返し実行する処理である。このフロー3は、入力文字枠Fに入力する文字を選択する処理である。
【0048】
(ステップS301)制御部100は、ステップS205の処理で生成された図11の画面D106が表示された状態において、画面にタッチしている指の接触位置をタッチパネル202から送られる座標情報で検知する。
【0049】
(ステップS302)制御部100は、画面にタッチしている指の接触位置に対応する関連文字を反転表示する。制御部100は、例えば、図11の画面D106に示す画面が表示されている状態で、タッチパネル202から通知される座標情報が「こ」のボタンの座標の範囲に入れば、「こ」を画面D107に示すように反転表示する。なお、制御部100は、入力文字枠Fの下に、「こ」から始まる変換候補の文字列をメモリ117の辞書ファイルから読み出し、これらの文字列をボタン表示した文字列ボタン群Tを表示させる。
【0050】
(ステップS303)制御部100は、指の接触位置が、関連文字を小文字に変形したり、或いは関連文字に濁点記号や半濁点記号を付して文字種を変形したりする変形キー「゛小゜」の領域内であるか否かを判定する。
【0051】
(ステップS304)制御部100は、ステップS303の処理が否定判定であれば、指がタッチパネル202から離れたか否かを判定する。ここで、制御部100は、指がタッチパネル202から離れていない場合、換言すると、タッチパネル202から座標情報が通知され続けている場合、否定判定を下す。制御部100は、否定判定を下した場合、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS301以降の処理を再び実行する。一方、制御部100は、指がタッチパネル202から離れた場合、換言すると、タッチパネル202から座標情報が通知されなくなった場合、肯定判定を下す。この場合、制御部100は、指が離脱したときの領域を下記の処理で特定する。
【0052】
(ステップS305)制御部100は、ステップS304の処理で肯定判定を下した場合、指が文字領域、すなわち、関連文字「か、き、く、け、こ」の領域から離脱したのか否かを、タッチパネル202から最後に通知された座標情報と関連文字の座標との比較に基づいて判定する。
【0053】
(ステップS306)制御部100は、ステップS305の処理で肯定判定を下した場合、関連文字「か、き、く、け、こ」のうち何れの文字の領域から指が離脱したのかを、タッチパネル202から最後に通知された座標情報と各関連文字の座標との比較に基づいて特定する。
【0054】
(ステップS307)制御部100は、ステップS306の処理で特定した離脱位置に対応する文字を、入力文字枠Fに追加する。例えば、図11の画面D107に示すように
、「こ」を押していた指がタッチパネル202から離れると、画面D108に示すように、「こ」が入力文字枠Fに追加される。
【0055】
(ステップS308)一方、制御部100は、ステップS305の処理で否定判定を下した場合、指が文字種領域、すなわち、変形キー「゛小゜」の領域から離脱したのか否かを、タッチパネル202から最後に通知された座標情報と変形キーの座標との比較に基づいて判定する。
【0056】
(ステップS309)制御部100は、ステップS308の処理で肯定判定を下した場合、指がタッチパネル202から離れてから10秒が経過しているか否かを、タッチパネル202から座標情報が通知されなくなってから計時を開始したタイマーのカウンタ値に基づいて判定する。制御部100は、否定判定を下した場合、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS301以降の処理を再び実行する。一方、制御部100は、肯定判定を下した場合、次の処理を実行する。
【0057】
(ステップS310)制御部100は、ステップS307で入力文字枠Fに文字を追加した場合、ステップS308で否定判定を下した場合、或いはステップS309で肯定判定を下した場合、フロー2のステップS205の処理において環状に表示した関連文字の画像を消去する。例えば、図11の画面D107に示すように、「こ」を押していた指がタッチパネル202から離れると、画面D108に示すように、「こ」が入力文字枠Fに追加されると共に、環状に表示されていた関連文字の画像が消去される。
【0058】
(ステップS311)また、制御部100は、ステップS303の処理が肯定判定であれば、文字種領域である変形キー「゛小゜」の領域からの指の離脱の有無を、座標情報を通知するタッチパネル202からの通知が途切れたか否かに基づいて判定する。制御部100は、否定判定を下した場合、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、環状に表示した関連文字の文字種を変形することなく、ステップS301以降の処理を再び実行する。一方、制御部100は、肯定判定を下した場合、次の処理を実行する。
【0059】
(ステップS312)制御部100は、ステップS311の処理が肯定判定であれば、フロー2のステップS205の処理において環状に表示した関連文字の文字種を変形する。例えば、図12の画面D109に示すように代表文字「は」が押された後、タッチされている指が変形キー「゛小゜」の領域へスライドされた後にタッチパネル202から離脱すると、制御部100は、環状に表示した関連文字「は、ひ、ふ、へ、ほ」を、画面D110に示すように、濁点記号を付した文字「ば、び、ぶ、べ、ぼ」に変形する。制御部100は、文字を変形したのち、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS301以降の処理を再び実行する。なお、英字の場合には、文字の大きさを変形する。
【0060】
本ステップS312の処理により、環状に表示された関連文字が濁点を付した文字に変形された状態で、例えば、「べ」がタッチされると、制御部100は、上述したフロー3のステップS301〜S307の処理を実行し、画面D111に示すように、入力文字枠Fに「べ」を追加する。
【0061】
また、本ステップS312の処理を実行する際、例えば、図13の画面D112に示すように、環状に表示された関連文字が既に濁点を付した文字に変形されている場合、制御部100は、環状に表示した関連文字「ば、び、ぶ、べ、ぼ」を、画面D113に示すように、半濁点記号を付した文字「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」に変形する。環状に表示された関連文字が半濁点を付した文字に変形された状態で、例えば、「ぺ」がタッチされると、制御部100は、上述したフロー3のステップS301〜S307の処理を実行し、画面D
114に示すように、入力文字枠Fに「ぺ」を追加する。
【0062】
制御部100は、フロー2のステップS205において関連文字を環状に表示した後、これを何れかの処理で消去するまでの間、本フロー3で実行される一連の処理を繰り返し実行する。
【0063】
<フロー4:文字入力完了処理:図6>
本フロー4は、文字入力操作モードにおいて、制御部100が前述のフロー2,3の前後、或いは並列に繰り返し実行する処理である。このフロー4は、入力文字枠Fに入力した文字を確定する処理であり、確定操作、取消操作、一定時間の操作無しの何れかの場合に、文字入力操作モードを完了する。
【0064】
(ステップS401)制御部100は、上述したフロー1を実行してキーボードKと入力文字枠Fを画面に表示した状態で、タッチパネル202がタッチされない時間、すなわち、無操作時間を、タッチパネル202から座標情報が通知されなくなってから計時を開始したタイマーのカウンタ値に基づいて計測する。
【0065】
(ステップS402)制御部100は、無操作時間が10秒を経過しているか否かを判定する。制御部100は、無操作時間が10秒を経過していなければ、次のステップS403の処理を実行する。
【0066】
(ステップS403)制御部100は、ステップS402の処理で否定判定を下した場合、取消操作が行われたか否かを、修正ボタンCの操作の有無に基づいて判定する。修正ボタンCの操作の有無は、タッチパネル202から通知される座標情報と、修正ボタンCを表示している座標との対比により判定する。制御部100は、取消操作が行われていないと判定したら、次のステップS404の処理を実行する。
【0067】
(ステップS404)制御部100は、ステップS403の処理で否定判定を下した場合、入力する文字を確定する操作が行われたか否かを、変換候補の文字列ボタン群Tの操作の有無に基づいて判定する。例えば、図11の画面D108において、「こ」から始まる変換候補の文字列をボタン表示した文字列ボタン群Tのうち何れかのボタンが押されていれば、制御部100は、入力する文字を確定する操作が行われたものとし、肯定判定を下す。一方、制御部100は、文字列ボタン群Tのうち何れかのボタンも押されなければ、入力する文字を確定する操作は行われないものとし、否定判定を下す。この場合、制御部100は、本処理フロー4を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS401以降の処理を再び実行する。
【0068】
(ステップS405)制御部100は、ステップS404の処理で肯定判定を下した場合、確定した入力文字列を対象制御部に提供する。ここで、対象制御部とは、入力された文字列に基づいて各種の処理を実行する機能部であり、例えば、入力された文字列に基づいて決定された目的地までのルート検索を行うナビゲーション部106、入力された文字列に基づいて選曲した楽曲を再生するディスク再生部104、入力された文字列に基づいて選局した放送局の放送を受信するラジオ受信部102、その他、AVN一体機1が有する各種機能部が対象である。
【0069】
(ステップS406)制御部100は、ステップS402あるいはステップS403の処理で肯定判定を下すか、或いはステップS405の処理で入力文字列を対象制御部に提供したら文字入力画面を消去する。
【0070】
以上、一連の処理により、入力候補の文字群全て表示する場合に比べて、表示される文
字入力画像が簡素化され、タッチパネルによる文字入力が容易になる。すなわち、入力候補の文字群が全て表示されるのではなく(例えば、かな文字の場合は50音全てが表示されるのではなく)、文字群をグループ化した各グループの代表文字のみを表示し、何れかの代表文字が押されるとこの代表文字の関連文字を表示するようにしているので、表示される文字入力画像が大幅に簡素化される。このため、文字のボタンが限られた領域に密集することなく、タッチパネルによる文字入力が容易になる。また、代表文字にタッチした指をそのままスライド移動するだけで、代表文字に関連する文字やこれらを変形した文字を入力することができるので、押下操作を繰り返して所望の文字を選択する場合に比べて、文字入力が大幅に簡素化できる。
【0071】
<変形例>
なお、上記実施形態では、関連文字のうち他のグループに共通の変形キーについて、代表文字の下側に配置した画像を生成していたが、上記AVN一体機1に表示される画像は以下のように変形してもよい。
【0072】
図14は、上記実施形態に係るAVN一体機1の第一変形例が表示する画像を示した図である。制御部100は、ステップS205の処理によって表示される画面D106に示す画面のうち関連文字の部分の画像を、図14に示すような画像に変形してもよい。すなわち、制御部100は、50音順表の各行の代表文字が選択されると、この代表文字に関連する関連文字を環状に表示するが、ここで表示される関連文字はひらがなのみならずカタカナも含まれている。つまり、制御部100は、二重に表示した環状の表示領域のうち内側にひらがなを表示し、外側にカタカナを表示する。
【0073】
画像D1xにおいて、例えば、「は」のボタンにタッチすると、画像D2xに示すように「は」のグループに属する文字群のうちひらがなである「は、ひ、ふ、へ、ほ、」を内周側に配置し、「は」のグループに属する文字群のうちカタカナである「ハ、ヒ、フ、へ、ホ」を外周側に配置した画像が表示される。ここで、指をタッチしたまま、例えば「は」の位置へスライドすると、画像D3xに示すように「は」が反転表示される。ここで指を離すと、「は」の入力が確定する。また、指を離さずにタッチしたまま、例えば「ハ」の位置へスライドすると、画像D4xに示すように「ハ」が反転表示される。ここで指を離すと、「ハ」の入力が確定する。
【0074】
制御部100がこのような画像を表示すれば、入力したひらがなをカタカナへ改めて変形する手間が省けるため、ユーザの操作性が向上する。なお、外側に表示する関連文字は、内側に表示した関連文字のカタカナ表記に限定されるものではなく、例えば、内側に表示した関連文字に濁点記号や半濁点記号を付した文字であってもよい。また、関連文字は、二重の環状に表示されるものに限らず、例えば、三重の環状に表示されてもよい。この場合、例えば、内側に普通のひらがなを表示し、中側に濁点記号を付したひらがなを表示し、外側に半濁点記号を付したひらがなを表示するようにしてもよい。
【0075】
図15は、上記実施形態に係るAVN一体機1の第二変形例が表示する画像を示した図である。制御部100は、ステップS302の処理によって表示される画面D107に示す画面のうち関連文字の部分の画像を、図15に示すような画像に変形してもよい。すなわち、制御部100は、環状に表示された関連文字の何れかを選択すると、選択された関連文字に濁点記号や半濁点記号を付した文字を、選択された関連文字の上下に隣接して表示する。
【0076】
画像D1yにおいて、例えば、「は」のボタンにタッチすると、画像D2yに示すように「は」のグループに属する文字群である「は、ひ、ふ、へ、ほ、゛小゜」を環状に配置した画像が表示される。ここで、指をタッチしたまま、例えば「へ」の位置へスライドす
ると、画像D3yに示すように「へ」が反転表示されると共に、濁点記号を付した文字「べ」が上側に隣接して表示され、半濁点記号を付した文字「ぺ」が下側に隣接して表示される。ここで指を離すと、「べ」の入力が確定する。また、指を離さずにタッチしたまま、例えば「べ」の位置へスライドすると、画像D4yに示すように「べ」が反転表示される。ここで指を離すと、「べ」の入力が確定する。また、指を離さずにタッチしたまま、例えば「ぺ」の位置へスライドすると、画像D5yに示すように「ぺ」が反転表示される。ここで指を離すと、「ぺ」の入力が確定する。
【0077】
制御部100がこのような画像を表示すれば、指をスライドさせたままの状態で特定のひらがなを選択し、或いはこれに濁点記号や半濁点記号を付したひらがなを選択して入力することができるため、ユーザの操作性が向上する。なお、選択した関連文字に隣接して表示する文字は、濁点記号や半濁点記号を付した文字のみならず、ひらがなをカタカナに変形した文字であってもよい。また、選択した関連文字に隣接して表示する文字は、選択した文字の上下のみならず、左右等に配置してもよい。また、選択した関連文字に隣接して表示する文字は、選択していない関連文字に重ならないように表示してもよい。
【0078】
また、上記実施形態や各変形例では、選択した代表文字の周囲に関連文字を環状に配置していたが、これらの関連文字は、代表文字の周囲を取り囲むように表示されていれば、環状でなく、例えば、図16に示すように方形状に表示されていてもよい。また、上記実施形態や各変形例では、特定の文字を例に挙げて説明したが、本願発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではなく、如何なる文字についても同様に適用できる。
【0079】
本願に記載の構成は、上述した課題を解決するための実施の形態の一つであり、グループ分けされた文字群の各グループの何れかの代表文字のキーが選択されると、このグループに属する文字群を、選択されている部位の周囲に配置した画像を表示する。
【0080】
詳細には、入力された文字に基づいて情報を提供する電子機器であって、前記文字を入力するための文字入力画像であって、グループ分けされた文字群の各グループの代表文字のキーが並ぶ文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字のグループに属する文字群である関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した文字入力画像を表示する画像表示部を備える。
【0081】
上記電子機器はタッチパネルを有しており、各種機能に関わる操作をユーザによるタッチ操作で実現する。
【0082】
上記電子機器は、タッチパネルに画像を表示するものであり、ナビゲーションやその他各種機能に関わる文字入力画像を表示する。ここで、各種機能とは、本電子機器に接続され、或いは該電子機器内のデバイス類と制御部が協働して実現する機能であり、タッチパネルを介した文字入力を使って実現される機能である。このような機能としては、例えば、カーナビゲーションの目的地を設定する機能や、音楽プレーヤの選曲機能等を例示できる。画像表示部は、グラフィックデータに基づいて描画される文字入力画像を表示する。画像表示部が表示画像を生成する際に参照するキー等のグラフィックデータは、予め人為的に作成されて記憶媒体に格納されたデータである。
【0083】
画像表示部は、このような各種機能によって実現される各種情報の提供の用に供する文字入力画像を表示するが、ここで表示される文字のキーは、入力候補の文字群全てではなく、これらの文字群を一定の基準でグループ分けした各グループの代表文字のキーを表示している。例えば、文字群が日本語のかなであれば、代表文字は、五十音順表のあ段に位置する各行の文字とする。そして、これらの代表文字のうち何れかのキーが選択されると、選択された代表文字に関連する関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した入力
画像を表示することで、入力候補の文字群全て表示する場合に比べて、表示される文字入力画像が簡素化され、タッチパネルによる文字入力が容易になる。
【0084】
なお、前記画像表示部は、前記文字選択画像の何れかの代表文字のキーがタッチ操作で選択されると、該選択された代表文字の関連文字を変形するキーを、選択されている部位の下側に配置した前記文字入力画像を生成するものであってもよい。
【0085】
関連文字を変形するキーとしては、例えば、関連文字に濁点記号または半濁点記号を付加するキー又は、文字の大きさを変えるキーを例示できる。このようなキーは、一般的に、各グループにおいて共通的に用いられるキーとして捉えることもできるため、このような使用頻度の高いキーが、タッチ操作で選択されている部位の下側に配置されていて指で隠れていても、ユーザはキーの存在を認知できる。このため、表示される文字入力画像が簡素化されつつ、タッチパネルによる文字入力が容易である。画像表示部は、例えば、関連文字を変形するキーが選択されると、表示している文字入力画像の関連文字を変形することにより、ユーザは、入力しようとしている文字が変形後の文字であることを容易に認知できる。
【0086】
また、前記画像表示部は、前記文字入力画像を表示した状態で、前記選択されている部位が前記関連文字の位置にスライド移動されると、該スライド移動された部位の関連文字を反転表示するものであってもよい。スライド移動して移動先の部位の関連文字が反転表示されれば、関連文字の選択操作が容易であり、押しボタン操作を繰り返すことの煩わしさがないので、タッチパネルによる文字入力が容易になる。
【符号の説明】
【0087】
1・・・AVN一体機
100・・・制御部
202・・・タッチパネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字に基づいて情報を検索することが可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の検索が可能な電子機器においては、文字入力を行うことにより、情報の検索を行うことが可能となる。例えば、特許文献1には、ジョグダイヤルで文字入力を行なう車載電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−249568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報技術の発展により、電子機器(例えば、車載電子機器、携帯端末など)が高機能化の一途を辿っている。このような電子機器の高機能化に伴って増大するユーザ操作の負担を軽減する手段の一つとして、タッチパネルを使ったGUI(Graphical User Interface)がある。しかし、例えば、車載電子機器では、電子機器類の設置スペースが制限される車内において、十分な表示スペースを確保することが難しいため、例えば、文字入力を受けつける場合に多種多様なキーを画面に全て表示すると、ユーザが操作しづらいといった問題がある。また、携帯電話や携帯型表示装置などの携帯端末では、持ち運びしやすいように小型化が求められているため、十分な表示スペースを確保することが難しい。そのため、携帯端末においても、例えば、文字入力を受けつける場合に多種多様なキーを画面に全て表示すると、ユーザが操作しづらいといった問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、タッチパネルによる文字入力を容易にする電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、グループ分けされた文字群の各グループの何れかの代表文字のキーが選択されると、このグループに属する文字群を、選択されている部位の周囲に配置した画像を表示する。
【発明の効果】
【0007】
タッチパネルによる文字入力が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】AVN一体機の構成図である。
【図2】AVN一体機の文字入力の概念図である。
【図3】文字入力開始処理のフローチャートである。
【図4】代表文字選択処理のフローチャートである。
【図5】文字選択処理のフローチャートである。
【図6】文字入力完了処理のフローチャートである。
【図7】ナビ画面の一例を示す図である。
【図8】文字入力画面の一例を示す図である(数字入力)。
【図9】文字入力画面の一例を示す図である(かな入力)。
【図10】文字入力画面とキーボードとの対応関係を示した概念図である。
【図11】清音のかなを入力する際の画面遷移の一例を示す図である。
【図12】濁音のかなを入力する際の画面遷移の一例を示す図である。
【図13】半濁音のかなを入力する際の画面遷移の一例を示す図である。
【図14】文字入力画面に表示される画像の第一変形例を示す図である。
【図15】文字入力画面に表示される画像の第二変形例を示す図である。
【図16】文字入力画面に表示される画像の第三変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態を例示的に説明する。以下に示す実施形態は例示であり、本願発明の技術的範囲をこれらに限定するものではない。ここでは、電子機器として、車載用の電子機器を実施の形態の一つとして記載するが、本願に係る構成は、車載用の電子機器に限定されず、例えば、可搬型の携帯端末(例えば、PND、携帯電話、携帯型表示装置など)においても実現可能である。
【0010】
<構成>
図1は、本実施形態に係る車載用電子機器(オーディオ機能、ビジュアル機能、ナビゲーション機能を一体的に有する電子機器(以降、AVN一体機と称する))の構成図である。AVN一体機1は、制御部100、外部記録媒体再生部101、ラジオ受信部102、テレビジョン(Television、TV)受信部103、ディスク再生部104、ナビゲーション部106、分配回路107、表示制御装置108、音声調整回路109、画像出力部110、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信部111、GPS(Global Positioning System)情報受信部112、セレクタ113、メモリ1
17、通信ユニット121、表示部122を含む。なお、AVN一体機1は、このような構成に限定されるものではなく、他の構成を有してもよい。
【0011】
制御部100は、AVN一体機1の各部又は接続された外部機器からの信号に基づき、AVN一体機1の各部、又は、外部機器を統括的に制御する。制御部100は、例えば、マイクロコンピュータ(マイコン)を備え、該マイコンがROM等のメモリに記憶された各種プログラムを実行することによって、各機能を実現する。
【0012】
外部記録媒体再生部101は、コネクタを備え、該コネクタに接続された外部記録媒体に記録されたデータを読み出して出力する。外部記録媒体は、例えば、SDカード、miniSDカード、microSDカード、その他のフラッシュメモリのメモリカードである。外部録媒体再生部101は、読取信号の復号回路等を備え、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、読み込み位置等の各種動作が制御される。
【0013】
ラジオ受信部102は、アンテナにより受信された各ラジオ局から発信されるAM又はFMの放送波から、特定の周波数の放送波を選択して受信し、復調して等該放送の音声信号を出力する。TV受信部103は、アンテナにより受信された各放送局から発信される放送波から、セレクタにより特定の周波数の放送波を受信し、受信した映像信号、音声信号及びデータ信号を出力する。TV受信部103は、アナログ放送やデジタル放送を受信可能である。ラジオ受信部102及びTV受信部103は、同調回路、復調及び復号回路等を備え、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、受信周波数等の各種動作が制御される。
【0014】
ディスク再生部104は、CD(Compact Disc)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)などのディスクに記録
されているデータをピックアップにより読込み、読み込んだデータに基づく、音声信号、映像信号を出力する。ディスク再生部104は、光学ピックアップ、ピックアップディスク駆動機構、ピックアップディスク駆動機構の制御回路、読取信号の復号回路等を備える
。ディスク再生部104は、制御部100からの制御信号により、オン/オフ、読み込み位置等の各種動作が制御される。
【0015】
VICS情報受信部111は、交通情報通信システム(VICS)に係る交通情報を受信し、受信した交通情報を出力する。VICS情報受信部111は、交通情報通信システムからのデータを受信する受信機(FM受信機、電波ビーコン受信機、光ビーコン受信機)、受信したデータを復号する復号回路等を備える。GPS情報受信機112は、GPS衛星からのGPS信号に基づき自車位置を検出し、検出した現在位置情報を出力する。GPS情報受信部112は、GPS信号を受信する受信回路、受信したGPS信号に基づき自車位置を算出する演算部等を備える。
【0016】
ナビゲーション部106は、地図上に自車位置や目的地までの経路を表示したり、交差点等で音声等により右左折等の進行方向案内を行ったり、VICS情報受信部111から交通情報を受信して表示したり、GPS情報受信部112から自車位置情報を受信して表示したりして、目的地までの経路案内を行う。ナビゲーション部106は、ナビゲーションの為に利用される地図情報を記録するハードディスク、各種演算処理を行うCPU(Central Processing unit)、各種処理のためにデータを記憶するRAM(Random Access Memory)等のメモリを備える。ナビゲーション部106は、制御部100からの制御信号
により、オン/オフ、各種動作が制御される。
【0017】
分配回路107は、制御部101の制御信号により、出力することが指定された各種ソース(ラジオ受信部102、TV受信部103、ディスク再生部104、HD再生部105、及びナビゲーション部106)の音声信号と画像信号とを画像調整回路108及び音声調整回路109に出力する。分配回路107は、リレーまたはスイッチングトランジスタ等の電子回路で構成されたスイッチ群を備える。
【0018】
画像調整回路108は、制御部100の制御信号により、入力された画像信号に対し、輝度や色調、コントラストなどを調整し、調整した各画像信号を出力する。画像調整回路108は、画像データを記憶するメモリ、画像データを演算処理するデジタルシグナリングプロセッサ等の演算回路等を備える。
【0019】
画像出力部110は、画像調整回路108から入力された画像信号と、制御部100から表示部122に表示させる表示画像信号とを入力して画像合成等の処理を施し、当該処理を施した画像信号に基づき表示部122を駆動する。画像出力部110は、例えば、演算処理により、画像処理を行う画像用に特化された演算処理回路である画像ASIC、画像処理及び出力用に画像データを記憶するビデオメモリ、画像出力用ビデオメモリに記憶された画像データに基づき表示部を駆動する画像駆動回路等を備える。
【0020】
表示部122は、画像出力部110から入力された画像信号に基づき画像を表示する。表示部122は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、冷陰極フラットパネルディスプレイ等である。表示部122は、バックライト200、液晶パネル201、タッチパネル202を備える。バックライト200は、液晶パネル201の照明である。タッチパネル202は、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、及び静電容量方式の何れであってもよい。タッチパネル202は、ユーザによって押下された座標の座標情報を制御部100に出力し、制御部100は、この座標情報と表示画面とから、ユーザによって選択されたスイッチを判定する。
【0021】
音声調整回路109は、制御部100の制御信号により、入力された音声信号に対し、音量、音声を調整し、調整した音声信号を出力する。音声調整回路109は、音声データを記憶するメモリ、音声データを演算処理するデジタルシグナルプロセッサ等の演算回路
、トランジスタ、抵抗、コイル等により構成される増幅又は減衰回路や共振回路等を備える。スピーカ16は、音声調整回路109から出力された音声信号を音声として出力する。
【0022】
メモリ117は、AVN一体機1に内蔵された、各種データやプログラムを記憶するメモリである。メモリ117は、例えば、RAMやフラッシュROM等を含む。
【0023】
通信ユニット121は、アンテナに接続された、例えば、DARC(Dedicated Short Range Communication)、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)等の近距離の無線通
信のための通信インターフェースである。
【0024】
<文字入力の概要>
AVN一体機1は、文字の入力機能を有しており、様々な場面でユーザはAVN一体機1に文字を入力できるようになっている。例えば、オーディオモードでは、音声データをタイトル及びアーティストの名称から検索するために文字を入力できたり、音声データのタイトル及びアーティストの名称の修正や、音声データをまとめたプレイリストの名称の編集の場面などで文字を入力できたりする。また、ナビゲーションモードでは、目的地の検索のためのキーワードの設定や、登録したメモリ地点の名称の修正の場面などで文字を入力できる。
【0025】
図2は、AVN一体機1の文字入力の概念図である。図2の画像D1は、文字入力が必要となる場面で所定の操作を行なうことで表示される。図2に示されるように、画像D1は、かな入力用の50音のうち各行のあ段の文字が並んでいる。この画像は、本発明でいう文字選択画像の一態様である。かな入力においては、本発明でいう“各グループ”が50音表の各行に相当し、“代表文字”が各行のあ段の文字に相当し、そして、“代表文字”のグループに含まれる文字、例えば、“代表文字”が「あ」の場合、「あ」のグループに属する文字群である「あ、い、う、え、お、」の文字及びこれらの文字を変形する変形文字が“関連文字”に相当する。
【0026】
画像D1において、例えば、「は」のボタンにタッチすると、画像D2に示すように「は」のグループに属する文字群である「は、ひ、ふ、へ、ほ、」及びこれらの文字を変形する変形キーをその周囲に配置した画像が表示される。この画像は、本発明でいう文字入力画像の一態様である。ここで、指をタッチしたまま、例えば「へ」の位置へスライドすると、画像D3に示すように「へ」が反転表示される。指を離すと、「へ」の入力が確定する。
【0027】
一方、画像D2において、指をタッチしたまま、例えば「゛小゜」の位置へスライドして指を離すと、画像D4に示すように「゛小゜」が反転表示されると共に、表示されていた「は、ひ、ふ、へ、ほ」に濁点記号が付く。ここで、例えば、「べ」のボタンをタッチすると、画像D5に示すように「べ」が反転表示される。指を離すと、「べ」の入力が確定する。
【0028】
一方、画像D4において、例えば「゛小゜」のボタンを再度タッチすると、画像D6に示すように「゛小゜」が反転表示されると共に、表示されていた「ば、び、ぶ、べ、ぼ」の濁点記号が半濁点記号に変わる。ここで、例えば、「ぺ」のボタンをタッチすると、画像D7に示すように「ぺ」が反転表示される。指を離すと、「ぺ」の入力が確定する。
【0029】
なお、ここでは、タッチパネルを用いた文字入力の構成を記載しているが、これに限定されず、例えば、AVN一体機1を操作可能な操作器(ジョグダイヤルやリモートコマンダなど)を用いた文字入力の構成であってもよい。このような、操作器を用いて文字入力
を行う場合(タッチパネルのように表示画面を直接操作するような操作でない場合)、例えば、文字入力画像において、ポインタ(例えば、矢印の画像)を代表文字の位置に移動させて、操作器において選択操作を行い、この選択操作を維持した状態で、関連文字の位置にポインタを移動させてから、選択状態を解除することにより、上述した処理と同様の処理が実現できる。また、濁点文字への変換や半濁点文字への変換においても、操作器によるポインタの移動で実現可能である。
【0030】
AVN一体機1の文字入力は、このように、あ行からわ行の各グループにグループ分けされた入力候補のかな文字群の各行のあ段の文字が並ぶ文字選択画像D1の何れかの文字がタッチ操作で選択されると、選択された文字の行に属するあ段からお段までの文字を、押されている部位の周囲に配置し、変形キーを、押されている部位の下側に配置した画像D2を生成する。このため、電子機器類の設置スペースが制限される車内に置かれることで十分な表示スペースを確保できなくても、多種多様なキーを画面に適切に表示して文字入力が容易になる。
【0031】
<文字入力の処理フロー>
以下、AVN一体機1で実行される文字入力の処理フローについて、図3〜6の処理フロー図、及び図7〜13の画像図に基づいて説明する。
【0032】
<フロー1:文字入力開始処理:図3>
本フロー1は、文字の入力画面を表示する際(以下、文字入力操作モードという)に制御部100が実行する処理である。このフロー1は、例えば、目的地の住所入力や選曲時のキーワード入力といった文字の入力を必要とする操作モードが選択された場合に実行される。
【0033】
(ステップS101)文字入力の種別判断を行なう。
【0034】
制御部100は、画面の何れのボタンが操作されてか否かについて、タッチパネル202から通知される画面上の座標情報と、画像出力部110を介して液晶パネル201に表示させている画像中の各ボタンの座標とを比較することにより判定する。また、制御部100は、ナビゲーション部106を介してGPS情報受信部112から取得される緯度および経度の情報や、メモリ117に格納された地図データに基づいてナビゲーション画面を生成すると共に、音声調整回路109を介してスピーカ16からルートガイド音声を出力する。
【0035】
AVN一体機1の文字入力には、かな入力モード、英字入力モード、数字入力モードの3モードが用意されている。また、目的地の設定操作には、「エリア」、「ジャンル」、「周辺」、「施設名」、「住所」、「郵便番号」、「電話番号」の7つのメニューが用意されている。制御部100には、各メニューと文字入力モードとの対応関係を既定したテーブルが予め用意されており、図7のD102の画面で選択されたメニューに応じて文字入力の種別を決定する。このテーブルは、例えば、かな入力モードは「エリア」、「ジャンル」、「周辺」、「施設名」、「住所」、数字入力モードは「郵便番号」、「電話番号」というように、各モードとメニューとの対応関係が規定されている。
【0036】
制御部100は、例えば、目的地の設定操作で「電話番号」のメニューが選択された場合、上記テーブルに基づき、文字入力モードの種別を数字入力モードに決定する。
【0037】
(ステップS102)制御部100は、決定した文字入力モードに対応する画像データをメモリ117から選択して読み出す。
【0038】
(ステップS103)制御部100は、メモリ117から読み出した画像データを画像表示制御部108へ引き渡し、画像出力部110を介して液晶パネル201に入力文字枠と共に表示させる。図8の画面D103は、このときに表示される画面の一例である。目的地の設定操作で「電話番号」のメニューが選択されると、電話番号の入力に必要な数字のボタンが配置されたキーボードKと入力文字枠Fとが表示される。
【0039】
なお、目的地の設定操作で例えば「施設名」のようにかな入力モードに対応するメニューが選択されていれば、図9の画面D104に示すように、施設名の入力に必要なかなのボタンが配置された画面が表示される。
【0040】
制御部100は、図8の画面D103や図9の画面D104に示したような文字入力画面を表示させている状態で、以下に示す3つのフロー(フロー2〜4)を実行する。
【0041】
<フロー2:代表文字選択処理:図4>
本フロー2は、文字入力操作モードにおいて、制御部100が後述のフロー3の前後、或いはフロー4と並列に繰り返し実行する処理である。このフロー2は、文字入力のモードを切り替える際の処理であり、かな入力、英字入力、及び数字入力のうちからユーザが入力モードを選択する処理である。
【0042】
(ステップS201)制御部100は、タッチパネル202から座標情報が通知された場合、接触があったと判断する。通知されなければ接触が無かったと判断し処理を終了する。
【0043】
(ステップS202)制御部100は、タッチパネル202から通知された座標情報と液晶パネル201に表示されている代表文字の座標とを比較する。タッチパネル202から通知された座標情報が代表文字の座標の範囲内であれば、タッチされた領域が代表文字の領域(代表文字の選択可能な領域)内であると判定し、代表文字関連文字群の環状表示処理(S205)を実行する。他方、制御部100は、タッチパネル202から通知された座標情報が代表文字の座標の範囲外であれば、タッチされた領域が代表文字の領域外であると判定し、接触位置の移動方向の検知処理(S203)を実行する。
【0044】
(ステップS203)制御部100は、タッチパネル202から通知される座標情報を解析し、タッチされている位置の移動方向を検知する。タッチされている位置の移動方向は、タッチパネル202から通知される座標情報が示す座標値の増減に基づいて判定する。例えば、タッチパネル202の上下方向の座標値が、上方向の場合に増加し、下方向の場合に減少するように規定されている場合、タッチパネル202から通知される座標情報が示す縦軸の座標値の微分値が正であれば上方向へ移動していると判定し、微分値が負であれば下方向へ移動していると判定し、微分値がゼロであれば上下方向には移動せずに止まっていると判定する。
【0045】
(ステップS204)制御部100は、移動方向に応じた種別の文字入力画面に切り替える。AVN一体機1が生成する文字入力画面は、図10に示すように、数字のボタンが並ぶ領域とかな文字のボタンが並ぶ領域と英字のボタンが並ぶ領域が縦に3段状に並んだキーボードの一部を画面上に映し出すという概念の下、文字入力画面が構成されている。制御部100は、例えば、図9の画面D104が表示されているときに、ステップS203の処理で上方向のタッチ操作が検知されれば、液晶パネル201に表示させている画面を、キーボードを上方向へスライドさせる。これにより、英字のボタンが画面に映し出された図10の画像D105が液晶パネル201に表示される。なお、制御部100は、ステップS203の処理で上下の何れかの方向への移動が検知されなければ、キーボードのスライド処理を行わない。
【0046】
(ステップS205)制御部100は、ステップS202の処理において、タッチされた領域が代表文字の領域内であると判定したら、タッチされた代表文字に関連する関連文字を環状に表示した画像を生成し、液晶パネル201に表示させる。例えば、かな文字入力モードにおいて、「か」のボタンが押されると、50音順表におけるか行の代表文字である「か」に関連する「か、き、く、け、こ、゛小゜」の関連文字を環状に表示した画像を生成し、図11の画面D106に示すような画面を液晶パネル201に表示させる。
【0047】
<フロー3:文字選択処理:図5>
本フロー3は、文字入力操作モードにおいて、制御部100が前述のフロー2の前後、或いはフロー4と並列に繰り返し実行する処理である。このフロー3は、入力文字枠Fに入力する文字を選択する処理である。
【0048】
(ステップS301)制御部100は、ステップS205の処理で生成された図11の画面D106が表示された状態において、画面にタッチしている指の接触位置をタッチパネル202から送られる座標情報で検知する。
【0049】
(ステップS302)制御部100は、画面にタッチしている指の接触位置に対応する関連文字を反転表示する。制御部100は、例えば、図11の画面D106に示す画面が表示されている状態で、タッチパネル202から通知される座標情報が「こ」のボタンの座標の範囲に入れば、「こ」を画面D107に示すように反転表示する。なお、制御部100は、入力文字枠Fの下に、「こ」から始まる変換候補の文字列をメモリ117の辞書ファイルから読み出し、これらの文字列をボタン表示した文字列ボタン群Tを表示させる。
【0050】
(ステップS303)制御部100は、指の接触位置が、関連文字を小文字に変形したり、或いは関連文字に濁点記号や半濁点記号を付して文字種を変形したりする変形キー「゛小゜」の領域内であるか否かを判定する。
【0051】
(ステップS304)制御部100は、ステップS303の処理が否定判定であれば、指がタッチパネル202から離れたか否かを判定する。ここで、制御部100は、指がタッチパネル202から離れていない場合、換言すると、タッチパネル202から座標情報が通知され続けている場合、否定判定を下す。制御部100は、否定判定を下した場合、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS301以降の処理を再び実行する。一方、制御部100は、指がタッチパネル202から離れた場合、換言すると、タッチパネル202から座標情報が通知されなくなった場合、肯定判定を下す。この場合、制御部100は、指が離脱したときの領域を下記の処理で特定する。
【0052】
(ステップS305)制御部100は、ステップS304の処理で肯定判定を下した場合、指が文字領域、すなわち、関連文字「か、き、く、け、こ」の領域から離脱したのか否かを、タッチパネル202から最後に通知された座標情報と関連文字の座標との比較に基づいて判定する。
【0053】
(ステップS306)制御部100は、ステップS305の処理で肯定判定を下した場合、関連文字「か、き、く、け、こ」のうち何れの文字の領域から指が離脱したのかを、タッチパネル202から最後に通知された座標情報と各関連文字の座標との比較に基づいて特定する。
【0054】
(ステップS307)制御部100は、ステップS306の処理で特定した離脱位置に対応する文字を、入力文字枠Fに追加する。例えば、図11の画面D107に示すように
、「こ」を押していた指がタッチパネル202から離れると、画面D108に示すように、「こ」が入力文字枠Fに追加される。
【0055】
(ステップS308)一方、制御部100は、ステップS305の処理で否定判定を下した場合、指が文字種領域、すなわち、変形キー「゛小゜」の領域から離脱したのか否かを、タッチパネル202から最後に通知された座標情報と変形キーの座標との比較に基づいて判定する。
【0056】
(ステップS309)制御部100は、ステップS308の処理で肯定判定を下した場合、指がタッチパネル202から離れてから10秒が経過しているか否かを、タッチパネル202から座標情報が通知されなくなってから計時を開始したタイマーのカウンタ値に基づいて判定する。制御部100は、否定判定を下した場合、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS301以降の処理を再び実行する。一方、制御部100は、肯定判定を下した場合、次の処理を実行する。
【0057】
(ステップS310)制御部100は、ステップS307で入力文字枠Fに文字を追加した場合、ステップS308で否定判定を下した場合、或いはステップS309で肯定判定を下した場合、フロー2のステップS205の処理において環状に表示した関連文字の画像を消去する。例えば、図11の画面D107に示すように、「こ」を押していた指がタッチパネル202から離れると、画面D108に示すように、「こ」が入力文字枠Fに追加されると共に、環状に表示されていた関連文字の画像が消去される。
【0058】
(ステップS311)また、制御部100は、ステップS303の処理が肯定判定であれば、文字種領域である変形キー「゛小゜」の領域からの指の離脱の有無を、座標情報を通知するタッチパネル202からの通知が途切れたか否かに基づいて判定する。制御部100は、否定判定を下した場合、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、環状に表示した関連文字の文字種を変形することなく、ステップS301以降の処理を再び実行する。一方、制御部100は、肯定判定を下した場合、次の処理を実行する。
【0059】
(ステップS312)制御部100は、ステップS311の処理が肯定判定であれば、フロー2のステップS205の処理において環状に表示した関連文字の文字種を変形する。例えば、図12の画面D109に示すように代表文字「は」が押された後、タッチされている指が変形キー「゛小゜」の領域へスライドされた後にタッチパネル202から離脱すると、制御部100は、環状に表示した関連文字「は、ひ、ふ、へ、ほ」を、画面D110に示すように、濁点記号を付した文字「ば、び、ぶ、べ、ぼ」に変形する。制御部100は、文字を変形したのち、本処理フロー3を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS301以降の処理を再び実行する。なお、英字の場合には、文字の大きさを変形する。
【0060】
本ステップS312の処理により、環状に表示された関連文字が濁点を付した文字に変形された状態で、例えば、「べ」がタッチされると、制御部100は、上述したフロー3のステップS301〜S307の処理を実行し、画面D111に示すように、入力文字枠Fに「べ」を追加する。
【0061】
また、本ステップS312の処理を実行する際、例えば、図13の画面D112に示すように、環状に表示された関連文字が既に濁点を付した文字に変形されている場合、制御部100は、環状に表示した関連文字「ば、び、ぶ、べ、ぼ」を、画面D113に示すように、半濁点記号を付した文字「ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ」に変形する。環状に表示された関連文字が半濁点を付した文字に変形された状態で、例えば、「ぺ」がタッチされると、制御部100は、上述したフロー3のステップS301〜S307の処理を実行し、画面D
114に示すように、入力文字枠Fに「ぺ」を追加する。
【0062】
制御部100は、フロー2のステップS205において関連文字を環状に表示した後、これを何れかの処理で消去するまでの間、本フロー3で実行される一連の処理を繰り返し実行する。
【0063】
<フロー4:文字入力完了処理:図6>
本フロー4は、文字入力操作モードにおいて、制御部100が前述のフロー2,3の前後、或いは並列に繰り返し実行する処理である。このフロー4は、入力文字枠Fに入力した文字を確定する処理であり、確定操作、取消操作、一定時間の操作無しの何れかの場合に、文字入力操作モードを完了する。
【0064】
(ステップS401)制御部100は、上述したフロー1を実行してキーボードKと入力文字枠Fを画面に表示した状態で、タッチパネル202がタッチされない時間、すなわち、無操作時間を、タッチパネル202から座標情報が通知されなくなってから計時を開始したタイマーのカウンタ値に基づいて計測する。
【0065】
(ステップS402)制御部100は、無操作時間が10秒を経過しているか否かを判定する。制御部100は、無操作時間が10秒を経過していなければ、次のステップS403の処理を実行する。
【0066】
(ステップS403)制御部100は、ステップS402の処理で否定判定を下した場合、取消操作が行われたか否かを、修正ボタンCの操作の有無に基づいて判定する。修正ボタンCの操作の有無は、タッチパネル202から通知される座標情報と、修正ボタンCを表示している座標との対比により判定する。制御部100は、取消操作が行われていないと判定したら、次のステップS404の処理を実行する。
【0067】
(ステップS404)制御部100は、ステップS403の処理で否定判定を下した場合、入力する文字を確定する操作が行われたか否かを、変換候補の文字列ボタン群Tの操作の有無に基づいて判定する。例えば、図11の画面D108において、「こ」から始まる変換候補の文字列をボタン表示した文字列ボタン群Tのうち何れかのボタンが押されていれば、制御部100は、入力する文字を確定する操作が行われたものとし、肯定判定を下す。一方、制御部100は、文字列ボタン群Tのうち何れかのボタンも押されなければ、入力する文字を確定する操作は行われないものとし、否定判定を下す。この場合、制御部100は、本処理フロー4を繰り返す。すなわち、制御部100は、ステップS401以降の処理を再び実行する。
【0068】
(ステップS405)制御部100は、ステップS404の処理で肯定判定を下した場合、確定した入力文字列を対象制御部に提供する。ここで、対象制御部とは、入力された文字列に基づいて各種の処理を実行する機能部であり、例えば、入力された文字列に基づいて決定された目的地までのルート検索を行うナビゲーション部106、入力された文字列に基づいて選曲した楽曲を再生するディスク再生部104、入力された文字列に基づいて選局した放送局の放送を受信するラジオ受信部102、その他、AVN一体機1が有する各種機能部が対象である。
【0069】
(ステップS406)制御部100は、ステップS402あるいはステップS403の処理で肯定判定を下すか、或いはステップS405の処理で入力文字列を対象制御部に提供したら文字入力画面を消去する。
【0070】
以上、一連の処理により、入力候補の文字群全て表示する場合に比べて、表示される文
字入力画像が簡素化され、タッチパネルによる文字入力が容易になる。すなわち、入力候補の文字群が全て表示されるのではなく(例えば、かな文字の場合は50音全てが表示されるのではなく)、文字群をグループ化した各グループの代表文字のみを表示し、何れかの代表文字が押されるとこの代表文字の関連文字を表示するようにしているので、表示される文字入力画像が大幅に簡素化される。このため、文字のボタンが限られた領域に密集することなく、タッチパネルによる文字入力が容易になる。また、代表文字にタッチした指をそのままスライド移動するだけで、代表文字に関連する文字やこれらを変形した文字を入力することができるので、押下操作を繰り返して所望の文字を選択する場合に比べて、文字入力が大幅に簡素化できる。
【0071】
<変形例>
なお、上記実施形態では、関連文字のうち他のグループに共通の変形キーについて、代表文字の下側に配置した画像を生成していたが、上記AVN一体機1に表示される画像は以下のように変形してもよい。
【0072】
図14は、上記実施形態に係るAVN一体機1の第一変形例が表示する画像を示した図である。制御部100は、ステップS205の処理によって表示される画面D106に示す画面のうち関連文字の部分の画像を、図14に示すような画像に変形してもよい。すなわち、制御部100は、50音順表の各行の代表文字が選択されると、この代表文字に関連する関連文字を環状に表示するが、ここで表示される関連文字はひらがなのみならずカタカナも含まれている。つまり、制御部100は、二重に表示した環状の表示領域のうち内側にひらがなを表示し、外側にカタカナを表示する。
【0073】
画像D1xにおいて、例えば、「は」のボタンにタッチすると、画像D2xに示すように「は」のグループに属する文字群のうちひらがなである「は、ひ、ふ、へ、ほ、」を内周側に配置し、「は」のグループに属する文字群のうちカタカナである「ハ、ヒ、フ、へ、ホ」を外周側に配置した画像が表示される。ここで、指をタッチしたまま、例えば「は」の位置へスライドすると、画像D3xに示すように「は」が反転表示される。ここで指を離すと、「は」の入力が確定する。また、指を離さずにタッチしたまま、例えば「ハ」の位置へスライドすると、画像D4xに示すように「ハ」が反転表示される。ここで指を離すと、「ハ」の入力が確定する。
【0074】
制御部100がこのような画像を表示すれば、入力したひらがなをカタカナへ改めて変形する手間が省けるため、ユーザの操作性が向上する。なお、外側に表示する関連文字は、内側に表示した関連文字のカタカナ表記に限定されるものではなく、例えば、内側に表示した関連文字に濁点記号や半濁点記号を付した文字であってもよい。また、関連文字は、二重の環状に表示されるものに限らず、例えば、三重の環状に表示されてもよい。この場合、例えば、内側に普通のひらがなを表示し、中側に濁点記号を付したひらがなを表示し、外側に半濁点記号を付したひらがなを表示するようにしてもよい。
【0075】
図15は、上記実施形態に係るAVN一体機1の第二変形例が表示する画像を示した図である。制御部100は、ステップS302の処理によって表示される画面D107に示す画面のうち関連文字の部分の画像を、図15に示すような画像に変形してもよい。すなわち、制御部100は、環状に表示された関連文字の何れかを選択すると、選択された関連文字に濁点記号や半濁点記号を付した文字を、選択された関連文字の上下に隣接して表示する。
【0076】
画像D1yにおいて、例えば、「は」のボタンにタッチすると、画像D2yに示すように「は」のグループに属する文字群である「は、ひ、ふ、へ、ほ、゛小゜」を環状に配置した画像が表示される。ここで、指をタッチしたまま、例えば「へ」の位置へスライドす
ると、画像D3yに示すように「へ」が反転表示されると共に、濁点記号を付した文字「べ」が上側に隣接して表示され、半濁点記号を付した文字「ぺ」が下側に隣接して表示される。ここで指を離すと、「べ」の入力が確定する。また、指を離さずにタッチしたまま、例えば「べ」の位置へスライドすると、画像D4yに示すように「べ」が反転表示される。ここで指を離すと、「べ」の入力が確定する。また、指を離さずにタッチしたまま、例えば「ぺ」の位置へスライドすると、画像D5yに示すように「ぺ」が反転表示される。ここで指を離すと、「ぺ」の入力が確定する。
【0077】
制御部100がこのような画像を表示すれば、指をスライドさせたままの状態で特定のひらがなを選択し、或いはこれに濁点記号や半濁点記号を付したひらがなを選択して入力することができるため、ユーザの操作性が向上する。なお、選択した関連文字に隣接して表示する文字は、濁点記号や半濁点記号を付した文字のみならず、ひらがなをカタカナに変形した文字であってもよい。また、選択した関連文字に隣接して表示する文字は、選択した文字の上下のみならず、左右等に配置してもよい。また、選択した関連文字に隣接して表示する文字は、選択していない関連文字に重ならないように表示してもよい。
【0078】
また、上記実施形態や各変形例では、選択した代表文字の周囲に関連文字を環状に配置していたが、これらの関連文字は、代表文字の周囲を取り囲むように表示されていれば、環状でなく、例えば、図16に示すように方形状に表示されていてもよい。また、上記実施形態や各変形例では、特定の文字を例に挙げて説明したが、本願発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではなく、如何なる文字についても同様に適用できる。
【0079】
本願に記載の構成は、上述した課題を解決するための実施の形態の一つであり、グループ分けされた文字群の各グループの何れかの代表文字のキーが選択されると、このグループに属する文字群を、選択されている部位の周囲に配置した画像を表示する。
【0080】
詳細には、入力された文字に基づいて情報を提供する電子機器であって、前記文字を入力するための文字入力画像であって、グループ分けされた文字群の各グループの代表文字のキーが並ぶ文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字のグループに属する文字群である関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した文字入力画像を表示する画像表示部を備える。
【0081】
上記電子機器はタッチパネルを有しており、各種機能に関わる操作をユーザによるタッチ操作で実現する。
【0082】
上記電子機器は、タッチパネルに画像を表示するものであり、ナビゲーションやその他各種機能に関わる文字入力画像を表示する。ここで、各種機能とは、本電子機器に接続され、或いは該電子機器内のデバイス類と制御部が協働して実現する機能であり、タッチパネルを介した文字入力を使って実現される機能である。このような機能としては、例えば、カーナビゲーションの目的地を設定する機能や、音楽プレーヤの選曲機能等を例示できる。画像表示部は、グラフィックデータに基づいて描画される文字入力画像を表示する。画像表示部が表示画像を生成する際に参照するキー等のグラフィックデータは、予め人為的に作成されて記憶媒体に格納されたデータである。
【0083】
画像表示部は、このような各種機能によって実現される各種情報の提供の用に供する文字入力画像を表示するが、ここで表示される文字のキーは、入力候補の文字群全てではなく、これらの文字群を一定の基準でグループ分けした各グループの代表文字のキーを表示している。例えば、文字群が日本語のかなであれば、代表文字は、五十音順表のあ段に位置する各行の文字とする。そして、これらの代表文字のうち何れかのキーが選択されると、選択された代表文字に関連する関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した入力
画像を表示することで、入力候補の文字群全て表示する場合に比べて、表示される文字入力画像が簡素化され、タッチパネルによる文字入力が容易になる。
【0084】
なお、前記画像表示部は、前記文字選択画像の何れかの代表文字のキーがタッチ操作で選択されると、該選択された代表文字の関連文字を変形するキーを、選択されている部位の下側に配置した前記文字入力画像を生成するものであってもよい。
【0085】
関連文字を変形するキーとしては、例えば、関連文字に濁点記号または半濁点記号を付加するキー又は、文字の大きさを変えるキーを例示できる。このようなキーは、一般的に、各グループにおいて共通的に用いられるキーとして捉えることもできるため、このような使用頻度の高いキーが、タッチ操作で選択されている部位の下側に配置されていて指で隠れていても、ユーザはキーの存在を認知できる。このため、表示される文字入力画像が簡素化されつつ、タッチパネルによる文字入力が容易である。画像表示部は、例えば、関連文字を変形するキーが選択されると、表示している文字入力画像の関連文字を変形することにより、ユーザは、入力しようとしている文字が変形後の文字であることを容易に認知できる。
【0086】
また、前記画像表示部は、前記文字入力画像を表示した状態で、前記選択されている部位が前記関連文字の位置にスライド移動されると、該スライド移動された部位の関連文字を反転表示するものであってもよい。スライド移動して移動先の部位の関連文字が反転表示されれば、関連文字の選択操作が容易であり、押しボタン操作を繰り返すことの煩わしさがないので、タッチパネルによる文字入力が容易になる。
【符号の説明】
【0087】
1・・・AVN一体機
100・・・制御部
202・・・タッチパネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された文字に基づいて情報を提供する電子機器であって、
前記文字を入力するための文字入力画像であって、グループ分けされた文字群の各グループの代表文字のキーが並ぶ文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字のグループに属する文字群である関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した文字入力画像を表示する画像表示部を備える、
電子機器。
【請求項2】
前記画像表示部は、前記文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字の関連文字を変形するキーを、選択されている部位の下側に配置した前記文字入力画像を生成する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記関連文字を変形するキーは、該関連文字に濁点記号または半濁点記号を付加するキー又は、文字の大きさを変えるキーであり、
前記画像表示部は、前記関連文字を変形するキーが選択されると、前記文字入力画像の前記関連文字を変形する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記画像表示部は、前記文字入力画像を表示した状態で、前記選択されている部位が前記関連文字の位置にスライド移動されると、該スライド移動された部位の関連文字を反転表示する、
請求項1から3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記文字群は、日本語のかなであり、
前記代表文字は、五十音順表のあ段に位置する各行の文字である、
請求項1から4の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項1】
入力された文字に基づいて情報を提供する電子機器であって、
前記文字を入力するための文字入力画像であって、グループ分けされた文字群の各グループの代表文字のキーが並ぶ文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字のグループに属する文字群である関連文字を、選択されている部位の周囲に配置した文字入力画像を表示する画像表示部を備える、
電子機器。
【請求項2】
前記画像表示部は、前記文字選択画像の何れかの代表文字のキーが選択されると、該選択された代表文字の関連文字を変形するキーを、選択されている部位の下側に配置した前記文字入力画像を生成する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記関連文字を変形するキーは、該関連文字に濁点記号または半濁点記号を付加するキー又は、文字の大きさを変えるキーであり、
前記画像表示部は、前記関連文字を変形するキーが選択されると、前記文字入力画像の前記関連文字を変形する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記画像表示部は、前記文字入力画像を表示した状態で、前記選択されている部位が前記関連文字の位置にスライド移動されると、該スライド移動された部位の関連文字を反転表示する、
請求項1から3の何れか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記文字群は、日本語のかなであり、
前記代表文字は、五十音順表のあ段に位置する各行の文字である、
請求項1から4の何れか一項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−123461(P2012−123461A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271510(P2010−271510)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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