説明

電子機器

【課題】アンテナを配置する際の位置の制限を低減することができる電子機器を提供すること。
【解決手段】アンテナパターン20と、導電性の操作検出パターンが形成されたITO膜102及びITO膜104を有するタッチパネル10と、を備え、タッチパネル10の外周部には、アンテナパターン20が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル及びアンテナを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、筐体と、画像を表示する表示部及び接触を検出する検出部を有するタッチパネルと、筐体の内部に配置されるアンテナとを備える電子機器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−181934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、近年、特許文献1に記載されたような電子機器では、視認性の向上等を目的としてタッチパネルが大型化する傾向がある。そのため、このような電子機器では、筐体内においてタッチパネルが配置される位置によって、アンテナを配置する位置に制限が生じる可能性があった。
【0005】
本発明は、アンテナを配置する際の位置の制限を低減することができる電子機器を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子機器は、上記課題を解決するために、アンテナと、導電性の操作検出パターンが形成された電極シートを有するタッチパネルと、を備え、前記タッチパネルの外周部には、前記アンテナを構成するアンテナパターンが形成される。
【0007】
また、前記アンテナパターンは、前記電極シートにおける前記操作検出パターンの外側の領域に形成されることが好ましい。
【0008】
また、前記操作検出パターンと前記アンテナパターンとの間に形成される基準電位部をさらに備えることが好ましい。
【0009】
また、前記アンテナは、無給電素子をさらに備え、前記無給電素子は、前記電極シートにおける前記アンテナパターンの外側の領域に配置されることが好ましい。
【0010】
また、前記電子機器は、磁性体を有し、前記磁性体は、前記タッチパネルの厚さ方向において、前記アンテナパターンと重畳する位置に配置され、前記アンテナパターンは、前記タッチパネルの外周部に沿ったループ状に形成されることが好ましい。
【0011】
また、前記アンテナパターンは、第1のアンテナパターンと第2のアンテナパターンとを有し、前記電子機器は、前記操作検出パターンにより検出される操作の位置に基づいて、前記第1のアンテナパターンと前記第2のアンテナパターンとのいずれに給電するかを切り替える制御部を備えることが好ましい。
【0012】
また、前記タッチパネルは、前記電極シートに積層配置される第1シート及び第2のシートを有し、前記アンテナパターンは、第1のアンテナパターンと第2のアンテナパターンとを有し、前記第1のアンテナパターンは、前記第1のシートに形成され、前記第2のアンテナパターンは、前記第2のシートに形成され、前記第1のアンテナパターンは、前記第2のアンテナパターンと電気的に接続されることが好ましい。
【0013】
また、前記アンテナパターンは、第1のアンテナパターンと第2のアンテナパターンとを有し、前記電極シートは、第1操作検出パターンが形成された第1電極シート及び第2操作検出パターンが形成された第2電極シートを有し、前記第1操作検出パターンと前記第2操作検出パターンとは、前記電極シートの平面方向に沿った互いに異なる方向における操作位置を検出し、前記第1のアンテナパターンは、前記第1電極シートに形成され、前記第2のアンテナパターンは、前記第2電極シートに形成され、前記第1のアンテナパターンは、前記第2のアンテナパターンと電気的に接続されることが好ましい。
【0014】
また、前記電子機器は、開口部が形成された筐体を有し、前記タッチパネルは、一部の領域が前記開口部から視認可能であり、前記アンテナパターンは、前記タッチパネルにおいて、前記開口部から視認できない領域に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アンテナを配置する際の位置の制限を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係る携帯電話機の機能を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るタッチパネルの構成を示す分解斜視図である。
【図4】図3に示すタッチパネルの構成を示す断面図である。
【図5】本実施形態に係るタッチパネルにアンテナパターンを配置する具体例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るタッチパネルにアンテナパターンを配置する他の具体例を示す図である。
【図7】本実施形態に係るタッチパネルにアンテナパターンを配置する他の具体例を示す図である。
【図8】図7に示すタッチパネルの構成を示す分解斜視図である。
【図9】本実施形態に係るタッチパネルにアンテナパターンを配置する他の具体例を示す分解斜視図である。
【図10】図9に示すタッチパネルの構成を示す断面図である。
【図11】本実施形態に係るタッチパネルにアンテナパターンを配置する他の具体例を示す図である。
【図12】図11に示すタッチパネルの構成を示す分解斜視図である。
【図13】本実施形態に係るタッチパネルにアンテナパターンを配置する他の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0018】
携帯電話機1は、筺体2を備える。筺体2には、正面部に、タッチパネル10と、マイク13と、レシーバ14とが配置される。
【0019】
タッチパネル10は、表示部11と、検出部12とを備える(図2参照)。表示部11は、液晶又は有機EL(エレクトロルミネッセンス)で構成される表示パネルである。検出部12は、表示部11に対する携帯電話機1のユーザの指やタッチペン等の物体の接触を検出する。検出部12には、表示部11の表面に対応して配され、例えば、静電容量方式や抵抗膜方式等が利用可能である。
【0020】
マイク13は、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声を入力するために用いられる。
レシーバ14は、携帯電話機1のユーザの通話相手が発した音声を出力するために用いられる。
【0021】
続いて、図2を参照しながら、携帯電話機1の機能構成について説明する。図2は、携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。
【0022】
携帯電話機1は、上述した、タッチパネル10(表示部11及び検出部12)と、マイク13と、レシーバ14とを備える。また、携帯電話機1は、通信部15と、記憶部16と、制御部17とを備える。
【0023】
通信部15は、メインアンテナ(図示省略)とRF回路部(図示省略)とを備え、所定の連絡先に発信したり、通信したりする。通信部15が発信する連絡先は、例えば、警察や消防といった緊急連絡先である。また、通信部15が通信を行う通信先は、携帯電話機1と電話やメールの送受信を行う外部装置や、携帯電話機1がインターネットの接続を行う外部のwebサーバ等の外部装置等である。
【0024】
通信部15は、所定の使用周波数帯で外部装置と通信を行う。具体的には、通信部15は、上記のメインアンテナによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部17に供給する。また、通信部15は、制御部17から供給された信号を変調処理し、上記のメインアンテナを介して外部装置(基地局)に送信する。
【0025】
記憶部16は、例えば、ワーキングメモリを含み、制御部17による演算処理に利用される。また、記憶部16は、携帯電話機1の内部で動作するアプリケーションやデータベースを1又は複数記憶する。なお、記憶部16は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0026】
制御部17は、携帯電話機1の全体を制御しており、表示部11及び通信部15に対して制御を行う。
【0027】
図3は、本実施形態に係るタッチパネル10の構成を示す分解斜視図である。図3に示すように、筐体2には、表示部11、タッチパネル10及びハードコート層18が順に積層して配置される。
【0028】
図4は、図3に示すタッチパネル10の構成を示す断面図である。図4に示すように、タッチパネル10は、ガラス基板101と、ITO(Indium Tin Oxide)膜102と、ドットスペーサ103と、ITO膜104と、表面フィルム105と、を備える。なお、本実施形態では、抵抗膜方式のタッチパネルについて説明する。また、本実施形態に係るタッチパネル10には、他の部材が含まれてもよいが、以下の説明においては、それらの部材は説明の便宜上省略する。
【0029】
ガラス基板101と表面フィルム105とは、対向して配置されており、ガラス基板101と表面フィルム105との間には、ITO膜102、ドットスペーサ103、ITO膜104が形成される。また、ドットスペーサ103は、ITO膜102とITO膜104との間に形成され、ITO膜102とITO膜10との誤接触等を防止する。
【0030】
図4は、人間の指で表面フィルム105の一部が押下された状態を示している。この場合、ITO膜102とITO膜104とが押下点で接触する。タッチパネル10は、次のように押下点のX座標及びY軸座標を検出する。
【0031】
すなわち、押下点のX座標を検出する際には、ITO膜102のX軸方向に電圧が印加され、ITO膜102とITO膜104とが押下点で導通する。このとき、ITO膜102の電極102a及び102b(図5参照)間には、電圧勾配が生じる。制御部17は、ガラス基板101側で検出した押下点の電圧から求められる分圧に対する信号によって、押下点のX座標を検出する。
【0032】
また、押下点のY座標を検出する際には、ITO膜102のY軸方向に電圧が印加され、ITO膜102とITO膜104とが押下点で導通する。このとき、ITO膜104の電極104a及び104b(図5参照)間には、電圧勾配が生じる。制御部17は、ガラス基板101側で検出した押下点の電圧から求められる分圧に対する信号によって、押下点のY座標を検出する。
【0033】
図5は、本実施形態に係るタッチパネル10にアンテナパターン20を配置する具体例を示す図である。なお、以下の説明では、便宜上ドットスペーサ103については省略する。図5に示すように、ITO膜102には、制御部17等が実装された回路基板(図示せず)とITO膜102とが電気的に接続するためのフレキシブル基板30が形成されている。なお、図示していないが、フレキシブル基板30は、ITO膜104とも電気的に接続されている。
【0034】
タッチパネル10のITO膜102の外周部には、メインアンテナを構成するアンテナパターン20が形成される。詳細には、アンテナパターン20は、ITO膜102の左側及び下側の外周部(X軸及びY軸方向)に沿って形成され、L字形状を有している。
【0035】
これにより、本実施形態に係る携帯電話機1は、タッチパネル10の外周部にアンテナパターン20を形成しているため、例えば、筐体2の内部にアンテナを配置する空間が確保できない等のようなアンテナを配置する際の制限を解消することができる。また、携帯電話機1は、アンテナパターン20をITO膜102の外周部に形成することにより、好適にアンテナパターン20を形成することができる。
【0036】
さらに、図5に示すように、タッチパネル10は、電極102a(操作検出パターン)とアンテナパターン20との間に形成される基準電位パターン21を備えている。基準電位パターン21は、L字形状を有しており、アンテナパターン20に沿って形成される。基準電位パターン21の長さは、アンテナパターン20よりも長くなっている。
【0037】
これにより、本実施形態に係る携帯電話機1は、基準電位パターン21によりタッチパネル10の電極102a及び102bとアンテナパターン20との磁界結合を抑制することができるため、アンテナパターン20のアンテナ特性の劣化を抑制することができる。
【0038】
図6は、本実施形態に係るタッチパネル10にアンテナパターン20を配置する他の具体例を示す図である。図6に示すように、タッチパネル10は、ITO膜102の外周部に形成され、かつアンテナパターン20よりもITO膜102の外側に配置される無給電素子22を備えている。無給電素子22は、L字形状を有しており、アンテナパターン20に沿って形成される。無給電素子22の長さは、アンテナパターン20よりも短くなっている。無給電素子22は、例えば、金属等で構成される。
【0039】
本実施形態に係る携帯電話機1は、無給電素子22によりアンテナパターン20の指向性を電極102a及び102b側ではなく、無給電素子22側に向けることができるため、アンテナパターン20のアンテナ特性の向上を図ることができる。
【0040】
図7は、本実施形態に係るタッチパネル10にアンテナパターン20を配置する他の具体例を示す図である。図7に示すように、タッチパネル10は、ITO膜102及びITO膜104とは別に設けられ、アンテナパターン20を形成するためのシート106を備えていてもよい。
【0041】
シート106は、ループ形状のアンテナパターン20が外周部に形成される。なお、アンテナパターン20は、フレキシブル基板30等によって、制御部17等が設けられた回路基板(図示せず)と電気的に接続される。
【0042】
図8は、図7に示すタッチパネル10の構成を示す分解斜視図である。図8に示すように、タッチパネル10は、ITO膜102、ITO膜104、シート106の順に積層して配置される。
【0043】
図9は、本実施形態に係るタッチパネル10にアンテナパターン20を配置する他の具体例を示す分解斜視図である。図9に示すように、前述の図3と同様に、筐体2には、表示部11、タッチパネル10及びハードコート層18が順に積層して配置される。図9に示す例では、タッチパネル10とハードコート層18(又はタッチパネル10の表面フィルム105)との間に磁性シート19が形成される。
【0044】
磁性シート19は、例えば、タッチパネル10とハードコート層18との間の隙間への塵の侵入を防止する防塵用スポンジに、磁性体を含有させて形成される。また、アンテナパターン20は、ループ形状を有している。
【0045】
図10は、図9に示すタッチパネル10の構成を示す断面図である。図10に示すように、磁性シート19は、タッチパネル10及びハードコート層18との外周部に形成されている。すなわち、磁性シート19は、タッチパネル10の厚さ方向において、アンテナパターン20と重畳する位置に配置される。
【0046】
このような携帯電話機1は、例えば、アンテナパターン20を、外部リーダライタとの非接触通信に用いられるループアンテナとした場合に、外部(ハードコート層18側)から到来した磁束が磁性シート19によって誘導され、磁性シート19を介してタッチパネル10の平面方向においてアンテナパターン20により囲まれる領域に導かれる。したがって、携帯電話機1は、磁性シート19を設けたことにより、アンテナパターン20のアンテナ特性の向上を図ることができる。
【0047】
図11は、本実施形態に係るタッチパネル10にアンテナパターン20を配置する他の具体例を示す図である。図11に示すように、タッチパネル10は、ITO膜102と、ITO膜104と、シート107と、シート108と、を備えていてもよい。シート107には、アンテナパターン20aが形成され、シート108には、アンテナパターン20bが形成される。
【0048】
詳細には、アンテナパターン20aは、シート107の左側の外周部及び下側の外周部にわたって形成され、L字形状を有している。アンテナパターン20bは、シート107の上側の外周部及び右側の外周部にわたって形成され、L字形状を有している。すなわち、アンテナパターン20aとアンテナパターン20bとは、タッチパネル10の厚さ方向において、重畳しない位置に配置されている。
【0049】
図12は、図11に示すタッチパネル10の構成を示す分解斜視図である。図11に示すように、タッチパネル10には、ITO膜102、ITO膜104、シート107及びシート108の順に積層して配置される。
【0050】
そして、前述の図2に示す制御部17は、ITO膜102及びITO膜104において検出される接触操作の位置に基づいて、アンテナパターン20aとアンテナパターン20bとのいずれかに給電するかを切り替える。切り替える方法としては、例えば、不図示のスイッチを用いることが考えられる。
【0051】
具体的には、制御部17は、ITO膜102及びITO膜104において、ユーザにより接触操作された位置がアンテナパターン20bよりもアンテナパターン20aに近接している場合(例えば、図11におけるP点とQ点を結ぶ直線に対して電極102a側の領域)には、アンテナパターン20bに給電する。
【0052】
一方、制御部17は、ITO膜102及びITO膜104において、ユーザにより接触操作された位置がアンテナパターン20aよりもアンテナパターン20bに近接している場合(例えば、図11におけるP点とQ点を結ぶ直線に対して電極102b側の領域)には、アンテナパターン20aに給電する。
【0053】
このように接触操作が検出された位置に近接するアンテナパターン20a又は20bには、ユーザの手が覆いかぶさっている可能性が高いため、携帯電話機1は、接触操作が検出された位置とは反対側のアンテナパターンに給電することによって、アンテナが人体に覆われることに起因するアンテナ特性の劣化を抑制することができる。
【0054】
また、制御部17は、使用周波数の状況に応じてアンテナパターン20aとアンテナパターン20bとのいずれかに給電するかを決定してもよい。これにより、携帯電話機1は、アンテナパターン20a及びアンテナパターン20bをダイバーシチ用や、MIMO(Multiple Input Multiple Output)用アンテナとして用いることができる。
【0055】
図13は、本実施形態に係るタッチパネル10にアンテナパターン20を配置する他の具体例を示す図である。図13に示すように、タッチパネル10は、ITO膜102と、ITO膜104と、シート109と、シート110と、を備えていてもよい。
【0056】
シート109には、シート109の外周部において、2周回巻かれているループ形状を有するアンテナパターン20cが形成される。シート110には、シート110の外周部において、1周回巻かれているループ形状を有するアンテナパターン20dが形成される。
【0057】
また、シート109及びシート110は、図12に示すシート107及びシート108と同様に積層されて配置される。
【0058】
さらに、アンテナパターン20cの一端には、アンテナパターン20cとアンテナパターン20dとを電気的に接続する接続部20eが形成される。同様に、アンテナパターン20dの一端には、アンテナパターン20cとアンテナパターン20dとを電気的に接続する接続部20fが形成される。接続部20e及び接続部20fは、例えば、金属等の導電性の物質で構成され、互いに電気的に接続している。
【0059】
このように本実施形態に係る携帯電話機1によれば、アンテナパターン20c及びアンテナパターン20dは、ITO膜102及びITO膜104とは異なるシートに形成され、アンテナパターン20cとアンテナパターン20dとを電気的に接続する接続部20e及び接続部20fを備えている。これにより、携帯電話機1は、アンテナパターン20cとアンテナパターン20dとを電気的に接続することにより、立体的で複雑なアンテナパターンを形成できる。また、携帯電話機1は、複数の周波数に対応することが容易となる。また、アンテナパターン20cがITO膜102に、アンテナパターン20dがITO膜104にそれぞれ形成されていてもよい。そのような構成とすることで、タッチパネル10を薄型化でき、ひいては携帯電話機1を薄型化できる。
【0060】
また、前述した図11〜13に示すように、アンテナパターン20(20a〜20d)は、タッチパネル10の外周部に形成されると共に、筐体2の外部から視認できない位置に配置されることが好ましい。これにより、携帯電話機1は、タッチパネル10の視認性を損なうことがなく、筐体2内においてアンテナパターン20を配置する際の位置の制限を解消することができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上述した実施形態において、電子機器としての携帯電話機1について説明したが、他の電子機器にも適用可能である。例えば、本発明の電子機器は、デジタルカメラ、PHS(登録商標;Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、パソコン、ノートパソコン、携帯ゲーム装置等であってもよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、ITO膜又は他のシートの平面方向で操作検出パターンに対して外周側の領域にアンテナパターンを形成しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ITO膜同士の間に配置されているタッチパネルの外表面の一部を構成する絶縁体の外周部に蒸着等でアンテナパターンを形成することで、タッチパネルの平面方向における外縁部にアンテナパターンを形成する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 携帯電話機(電子機器)
2 筐体
10 タッチパネル
20 アンテナパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと、
導電性の操作検出パターンが形成された電極シートを有するタッチパネルと、を備え、
前記タッチパネルの外周部には、前記アンテナを構成するアンテナパターンが形成される、電子機器。
【請求項2】
前記アンテナパターンは、前記電極シートにおける前記操作検出パターンの外側の領域に形成される請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記操作検出パターンと前記アンテナパターンとの間に形成される基準電位部をさらに備える請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記アンテナは、無給電素子をさらに備え、
前記無給電素子は、前記電極シートにおける前記アンテナパターンの外側の領域に配置される請求項1から3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
磁性体を有し、
前記磁性体は、前記タッチパネルの厚さ方向において、前記アンテナパターンと重畳する位置に配置され、
前記アンテナパターンは、前記タッチパネルの外周部に沿ったループ状に形成される請求項1から4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記アンテナパターンは、第1のアンテナパターンと第2のアンテナパターンとを有し、
前記操作検出パターンにより検出される操作の位置に基づいて、前記第1のアンテナパターンと前記第2のアンテナパターンとのいずれに給電するかを切り替える制御部を備える請求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記タッチパネルは、前記電極シートに積層配置される第1のシート及び第2のシートを有し、
前記アンテナパターンは、第1のアンテナパターンと第2のアンテナパターンとを有し、
前記第1のアンテナパターンは、前記第1のシートに形成され、
前記第2のアンテナパターンは、前記第2のシートに形成され、
前記第1のアンテナパターンは、前記第2のアンテナパターンと電気的に接続される請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記アンテナパターンは、第1のアンテナパターンと第2のアンテナパターンとを有し、
前記電極シートは、第1操作検出パターンが形成された第1電極シート及び第2操作検出パターンが形成された第2電極シートを有し、
前記第1操作検出パターンと前記第2操作検出パターンとは、前記電極シートの平面方向に沿った互いに異なる方向における操作位置を検出し、
前記第1のアンテナパターンは、前記第1電極シートに形成され、
前記第2のアンテナパターンは、前記第2電極シートに形成され、
前記第1のアンテナパターンは、前記第2のアンテナパターンと電気的に接続される求項1から5のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
開口部が形成された筐体を有し、
前記タッチパネルは、一部の領域が前記開口部から視認可能であり、
前記アンテナパターンは、前記タッチパネルにおいて、前記開口部から視認できない領域に形成される請求項1から8のいずれか一項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−134902(P2012−134902A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287036(P2010−287036)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】