説明

電子機器

【課題】発光部の点灯時に装飾部材の輝度を確保でき、さらに、発光部の消灯時に装飾部材を通して内部構造が見えることを防止できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器10は、カバー18に設けられた貫通孔25と、貫通孔25の内部に設けられた装飾部材27と、第2筐体12の外部から発光部32の露呈を防ぐ隠蔽層34と、装飾部材27を囲むように設けられた枠部材36と、枠部材36に第1錐面46とを備えている。第1錐面46は、発光部側の第1開口46Aの最小径寸法D1が装飾部材27の平面最大寸法D2よりも大きいとともに、第2開口46Bの最小径寸法D3が装飾部材27の平面最大寸法D2よりも小さく設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の貫通孔の内部に装飾部材が設けられ、装飾部材に発光部から照射し、装飾部材に入射した光を屈折させて外部に投光させて装飾部材の輝度を確保するように構成された電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器として、第1筐体(下側筐体)および第2筐体(上側筐体)がヒンジ部を介して使用状態(開状態)と携帯状態(閉状態)との間で回動自在に連結された携帯端末が知られている。
第2筐体の内部に発光部(LED)が収容され、第2筐体の表面に石を見立てた装飾部材(イルミネーションレンズ)が設けられ、この装飾部材が発光部の光軸上に配置されている。
【0003】
発光部は三原色(R系、G系、B系)のLEDを有する。装飾部材は、発光部からの光を透過させる透明または半透明の合成樹脂により形成されている。
発光部、すなわち三原色(R系、G系、B系)のLEDから装飾部材の背面に光を当て、背面から入射したR系、G系、B系の三原色を装飾部材の内部で屈折させ、屈折させた光を装飾部材の外部に投光させることにより装飾部材の輝度を確保して良好な意匠性が得られる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−113166号公報(段落0041、要約、段落0061、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の電子機器は、装飾部材の背面に発光部から光を当て、装飾部材の内部で屈折させて装飾部材を宝石のように見せるために、装飾部材を透明または半透明とする必要がある。
このため、発光部の消灯時に、すなわち発光部から装飾部材の背面に光を当てていないときに、装飾部材を通して発光部が露呈してしまい、外観性の観点から改良の余地が残されていた。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、発光部の点灯時に装飾部材の輝度を確保でき、さらに、発光部の消灯時に装飾部材を通して内部構造が見えることを防止できる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る電子機器は、筐体と、前記筐体に収容された発光部と、前記筐体における前記発光部の光軸上に設けられた貫通孔と、前記貫通孔の内部において前記発光部の上方に設けられ、前記光軸に直交する底面を有する装飾部材と、前記筐体の外部から前記装飾部材を通じて前記発光部が露呈しないように前記発光部を隠蔽する隠蔽層と、前記貫通孔の内周面を覆うとともに前記装飾部材を介して囲むように設けられた枠部材と、前記枠部材における前記筐体の内側から外側に向かって先細りに形成された第1錐面と、を備え、前記第1錐面は、前記発光部側の第1開口の最小径寸法が前記装飾部材の平面最大寸法よりも大きいとともに、前記第1開口とは反対側の第2開口の最小径寸法が前記装飾部材の平面最大寸法よりも小さい。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る電子機器は、前記第1錐面が、前記装飾部材に対して空隙を介して配置されているとともに、当該第1錐面の回転軸線に対して0度を超えて45度未満に配向されている。
【0009】
さらに、本発明の第3の態様に係る電子機器は、前記枠部材が、前記第1錐面よりも外側に配置された第2錐面を有し、前記第2錐面が、前記発光部側の第3開口よりも前記第3開口とは反対側の第4開口が大きい拡開形状とされ、かつ、当該第2錐面の回転軸線に対して0度を超えて45度未満に配向されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の態様に係る電子機器によれば、筐体の外部から装飾部材を通じて発光部が露呈しない位置、すなわち、装飾部材の直下に隠蔽層を設け、隠蔽層で発光部を隠蔽するようにした。
このように、装飾部材の直下に隠蔽層を設けることにより、発光部が消灯していても外部から発光部が露呈することを防いで外観性を阻害しないようにできるという効果を有する。
【0011】
さらに、装飾部材を囲むように枠部材を設け、枠部材に第1錐面を設けた。そして、第1錐面を筐体の内側から外側に向かって先細りに形成した。
よって、発光部の点灯時に、発光部から照射された光を第1錐面で反射させて、反射させた光を装飾部材に入射させることができる。
これにより、装飾部材に入射させた光を装飾部材の内部で屈折させ、屈折させた光を装飾部材の外部に投光させることにより装飾部材の輝度を確保して良好な意匠性が得られるという効果を有する。
【0012】
ここで、装飾部材の取付公差により、装飾部材および枠部材間の空隙を装飾部材の全周において均一に確保し難いことが考えられる。この場合、装飾部材の全周に形成された空隙から照射される光にばらつきが生じる。
しかし、本発明によれば、空隙から照射された光を発光部に入射させ、装飾部材に入射させた光を装飾部材の内部で屈折させて外部に投光(拡散)させることができる。
これにより、空隙から照射された光のばらつきを目立たないようにできるので一層良好な意匠性が得られるという効果を有する。
【0013】
加えて、第1錐面のうち、第2開口の最小径寸法を装飾部材の平面最大寸法よりも小さくした。
これにより、装飾部材の保持が筐体から外れた場合でも、筐体の外部に装飾部材が脱落することを防いで、装飾部材を紛失・誤飲する虞がないという効果を有する。
【0014】
また、本発明の第2の態様に係る電子機器によれば、第1錐面を装飾部材に対して空隙を介して配置し、第1錐面の配向を第1錐面の回転軸線に対して0度を超えて45度未満にした。
第1錐面の配向を0度を超えて45度未満にすることにより、第1錐面を発光部に好適に対峙させるとともに装飾部材に好適に対峙させることができる。
【0015】
よって、発光部から投光された光を第1錐面で確実に受光し、受光した光を第1錐面で装飾部材に向けて反射させ、反射させた光を装飾部材に確実に照射できる。
これにより、装飾部材に入射させた光を装飾部材の内部で一層良好に屈折させて、装飾部材の輝度を一層好適に確保できるという効果を有する。
【0016】
さらに、本発明の第3の態様に係る電子機器によれば、第1錐面より外側に第2錐面を設け、第2錐面の配向を第2錐面の回転軸線に対して0度を超えて45度未満にした。
第2錐面の配向を0度を超えて45度未満にすることにより、第2錐面を筐体の外部側に好適に対峙させるとともに装飾部材に好適に対峙させることができる。
【0017】
よって、筐体の外部からの外光を第2錐面で確実に受光し、受光した外光を第2錐面で装飾部材に向けて反射させ、反射させた外光を装飾部材に確実に照射できる。
これにより、装飾部材に入射させた外光を装飾部材の内部で良好に屈折させて、装飾部材の輝度を好適に確保できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る電子機器の第1実施形態における使用状態(開状態)を示す斜視図
【図2】図1の電子機器の携帯状態(閉状態)を示す斜視図
【図3】図1の電子機器の要部を示す分解斜視図
【図4】図3のI部拡大図
【図5】図2のII−II線断面図
【図6】図5のIII部拡大図
【図7】第1実施形態の電子機器において発光部の点灯時に装飾部材の輝度を確保する例を説明する断面図
【図8】第1実施形態の電子機器において発光部の消灯時に装飾部材の輝度を確保する例を説明する断面図
【図9】本発明に係る電子機器の第2実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る電子機器について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態である電子機器10は、第1筐体11および第2筐体(筐体)12がヒンジ部13を介して使用状態(開状態)と携帯状態(閉状態)との間で回動自在に連結された携帯端末である。
【0020】
第1筐体11は、略矩形体状の箱形に形成され、裏面11Aに操作部16を備えている。
第2筐体12は、略矩形体状の箱形に形成されたケース17と、ケース17の開口部17Aを塞ぐカバー18とを備えている。
ケース17の開口部17Aをカバー18で塞ぐことにより、第2筐体12の内部に密閉空間23(図5参照)を備えている。
ケース17の裏面17Bに表示部19およびレシーバ21が設けられている。
レシーバ21は、振動板(図示せず)を有し、例えば通話中に受信した音声を発生する機器である。
【0021】
図2に示すように、カバー18には、複数の貫通孔25が形成されている。
貫通孔25に装飾部材27が設けられることにより、装飾部材27の上面27Aが貫通孔25から第2筐体12の外部に露出されている。
【0022】
図3に示すように、第2筐体12は、内部に回路基板31、複数の発光部32、アクリルベース33、複数の隠蔽層34(図5参照)、複数の装飾部材27および枠部材36が収容され、カバー18における発光部32の光軸38(図5参照)上の部位に貫通孔25が設けられている。
【0023】
図4に示すように、回路基板31に複数の発光部32が設けられ、複数の発光部32の上方にアクリルベース33が設けられている。
発光部32は、回路基板31の表面31Aに実装されることによりカバー18の貫通孔25に向けて照射可能に配置されたLEDである。
この発光部32は、例えばメール・通話の送着信時等に点灯・点滅する機器である。
【0024】
アクリルベース33は、外形が平面視で略矩形状に形成され、発光部32から投光された光を透過可能な透明または乳白状の部材であって、複数の発光部32の各光軸38上に載置部位33A(図5参照)が形成されている。
複数の載置部位33Aに装飾部材27の底面27Bが隠蔽層34を介して(図5参照)が設けられている。
【0025】
図5に示すように、隠蔽層34は、装飾部材27の底面27Bに設けられている。
この隠蔽層34は、発光部32の光軸38上に載置されることにより発光部32を上方から覆うことができる。
隠蔽層34の上面34Aに装飾部材27が設けられている。
隠蔽層34は、一例として、透光性がない層であり、第2筐体12の外部から装飾部材27を通じて(通して)発光部32が露呈しないように発光部32を隠蔽する層である。
【0026】
装飾部材27の底面27Bに隠蔽層34を設けることにより隠蔽層34で発光部32を第2筐体12の外部から目視できないように隠蔽できる。
これにより、発光部32が消灯していても第2筐体12の外部から発光部32が露呈することを防いで電子機器10の外観性を阻害しないようにできる。
【0027】
装飾部材27は、発光部32の光軸38上に設けられ、例えば、発光部32からの光を透過させる透明または半透明の合成樹脂により略円錐台形状に形成され(図4も参照)、イルミネーションレンズが例示される。
この装飾部材27は、貫通孔25の内部において発光部32の上方に設けられ、発光部32の光軸38に直交する底面27Bを有する。
装飾部材27の底面27Bに隠蔽層34が設けられている。
【0028】
なお、装飾部材27は、発光部32に対して隠蔽層34により隠蔽されているので、アクリルベース33により拡散された光が第1錐面46で反射し、結果的に所望の機能が得られる。
従って、光軸38と発光部32の軸とが同一線に沿っていなくともよい。
【0029】
枠部材36は、アクリルベース33の上方に設けられ、発光部32から投光された光を反射可能とする半透過蒸着(半透明)な部材であって、複数の発光部32の各光軸38上に装飾孔41が形成されている。
この枠部材36は、貫通孔25の内周面25Aを覆うとともに装飾部材27を介して囲むように設けられている。
【0030】
具体的には、枠部材36がカバー18の貫通孔25に収納された状態で、枠部材36の外周段部36Aが貫通孔25(内周面25A)の内周段部25Bに係止されるとともに、枠部材36の底部36Bが支持プレート43を介してアクリルベース33に支持されている。
よって、カバー18の貫通孔25に収納された状態で枠部材36が保持されている。
【0031】
図6に示すように、枠部材36の装飾孔41は円形に形成され、装飾孔41に装飾部材27が同軸上に収容されている。
装飾孔41の内面41Aは、第2筐体12の内側から外側に向かって先細りに形成された第1錐面46と、第1錐面46よりも外側に配置されるとともに第2筐体12の内側から外側に向かって拡開(拡径)するように形成された第2錐面48とを有している。
【0032】
第1錐面46は、一例として、略円錐台形状の装飾部材27に所定間隔をおいて対峙するように円錐形状に形成されている。
この第1錐面46は、発光部32側の第1開口46Aの最小径寸法D1が装飾部材27の平面最大寸法D2よりも大きいとともに、第1開口46Aとは反対側の第2開口46Bの最小径寸法D3が装飾部材27の平面最大寸法D2よりも小さくなるように形成されている。
【0033】
よって、発光部32の点灯時に、発光部32から照射された光を第1錐面46で反射させて、反射させた光を装飾部材27に入射させることができる。
これにより、装飾部材27に入射させた光を装飾部材27の内部で屈折させ、屈折させた光を装飾部材27の外部に投光させることにより装飾部材27の輝度を確保して良好な意匠性が得られる。
【0034】
さらに、第1錐面46は、装飾部材27に対して空隙51を介して配置されているとともに、第1錐面46の回転軸線(光軸)38に対して傾斜角度θ1に配向されている。
換言すれば、第1錐面46は、発光部32から空隙51を通じて入射する光の光軸38に対して傾斜角度θ1に配向されている。
傾斜角度θ1は、0度を超えて45度未満に設定されている。
【0035】
第1錐面46の傾斜角度θ1を0度を超えて45度未満にすることにより、第1錐面46を発光部32に好適に対峙させるとともに装飾部材27に好適に対峙させることができる。
よって、発光部32から投光された光を第1錐面46で確実に受光し、受光した光を第1錐面46で装飾部材27に向けて反射させ、反射させた光を装飾部材27に確実に照射できる。
これにより、装飾部材27に入射させた光を装飾部材27の内部で良好に屈折させて、装飾部材27の輝度を一層好適に確保できる。
【0036】
加えて、第1錐面46のうち、第2開口46Bの最小径寸法D3を装飾部材27の平面最大寸法D2よりも小さくした。
これにより、装飾部材27の保持が第2筐体12から外れた場合でも、第2筐体12の外部に装飾部材27が脱落することを第2開口46Bで防いで装飾部材27を紛失・誤飲する虞がない。
【0037】
第2錐面48は、一例として、第1錐面46と同様に円錐形状に形成されている。
この第2錐面48は、発光部32側の第3開口48Aの最小径寸法D4が装飾部材27の平面最大寸法D2よりも小さくなるように形成されるとともに、第3開口48Aとは反対側の第4開口48Bの最小径寸法D5が第3開口48Aの最小径寸法D4よりも大きくなるように形成されている。
【0038】
なお、第3開口48Aは、第2開口46Bと同じ位置を示す。
よって、第3開口48Aの最小径寸法D4は、第2開口46Bの最小径寸法D3と同一となる。
【0039】
第2錐面48は、発光部32側の第3開口48Aよりも第3開口48Aとは反対側の第4開口48Bが大きい拡開形状とされ、かつ、第2錐面48の回転軸線(光軸)38に対して傾斜角度θ2に配向されている。
換言すれば、第2錐面48は、第2筐体12の外部から空隙52を通じて入射する外光の光軸38に対して傾斜角度θ2に配向されている。
傾斜角度θ2は、0度を超えて45度未満に設定されている。
【0040】
第2錐面48の傾斜角度θ2を0度を超えて45度未満にすることにより、第2錐面48を第2筐体12の外部側に好適に対峙させるとともに装飾部材27に好適に対峙させることができる。
よって、第2筐体12の外部からの外光を第2錐面48で確実に受光し、受光した外光を第2錐面48で装飾部材27に向けて反射させ、反射させた外光を装飾部材27に確実に照射できる。
これにより、装飾部材27に入射させた外光を装飾部材27の内部で良好に屈折させて、装飾部材27の輝度を好適に確保できる。
【0041】
次に、発光部32の点灯時に装飾部材27の輝度を確保する例を図7に基づいて説明する。
発光部32の点灯時に、発光部32から矢印Aのように照射された光を第1錐面46で反射させて、反射させた光を装飾部材27に矢印Bのように入射させる。
そして、装飾部材27に入射させた光を装飾部材27の内部で屈折させる。
このように、屈折させた光を装飾部材27の上面27Aから外部に矢印Cのように投光させることにより装飾部材27の輝度を確保でき、良好な意匠性が得られる。
【0042】
ここで、装飾部材27の取付公差により、装飾部材27の全周に形成された空隙51から照射される光にばらつきが生じることが考えられる。
そこで、空隙51から照射された光を発光部32に入射させ、装飾部材27に入射させた光を装飾部材27の内部で屈折させて上面27Aから外部に投光(拡散)させるようにした。
これにより、隠蔽層34と装飾部材27の全周との間にできる取付公差による隙間(バラツキ)に光を通し、その後、空隙51を抜けて光を第1錐面46に反射させ、装飾部材27に光を入り込ませて内部で屈折させる。
このため、装飾部材27の取付公差による光のバラツキが目立たない様にでき、一層良好な意匠性が得られる。
【0043】
さらに、枠部材36を半透過蒸着(半透明)な部材とすることにより、発光部32から投光された光がアクリルベース33を経由して枠部材36を矢印D方向に透過して第2筐体12の外部に照射させることができる。
【0044】
次いで、発光部32の消灯時に装飾部材27の輝度を確保する例を図8に基づいて説明する。
発光部32の点灯時に、第2筐体12の外部から外光が矢印Eのように第2錐面48に向けて照射される。外光を第2錐面48で反射し、反射した外光を第2錐面48で装飾部材27に向けて矢印Fのように反射させて装飾部材27に照射する。
【0045】
装飾部材27に入射させた外光を装飾部材27の内部で良好に屈折させる。
このように、屈折させた光を装飾部材27の上面27Aから外部に矢印Gのように投光させることにより装飾部材27の輝度を確保でき、良好な意匠性が得られる。
【0046】
次に、第2実施形態を図9に基づいて説明する。
なお、第2実施形態において第1実施形態の電子機器10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
(第2実施形態)
第2実施形態の電子機器60は、第1実施形態の装飾孔41を装飾孔61に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の電子機器10と同様である。
装飾孔61は、内面61Aに第1錐面63、第2錐面64および第3錐面65を有する。
【0048】
第1錐面63は、第1実施形態の第1錐面46と同様に、第2筐体12の内側から外側に向かって先細りに形成された錐面である。
第3錐面65は、第2錐面64よりも外側に配置されるとともに、第1実施形態の第2錐面48と同様に、第2筐体12の内側から外側に向かって拡開(拡径)するように形成された錐面である。
第2錐面64は、第1錐面46および第2錐面48間に設けられ、一例として、円筒形状に形成された面を例示するが、第2錐面64の形状は適宜変更が可能である。
【0049】
第2実施形態の電子機器60によれば、第1実施形態の電子機器10と同様の効果を得ることができる。
【0050】
なお、本発明に係る電子機器は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
例えば、第1実施形態および第2実施形態では、装飾部材27を略円錐台形状とした例について説明したが、これに限らないで、装飾部材27を略角錐形状、略円錐形状や略球形状等の他の形状に形成することも可能である。
【0051】
また、第1実施形態および第2実施形態では、装飾部材27を透明または半透明の合成樹脂とした例について説明したが、これに限らないで、装飾部材27を不透明とすることも可能である。
【0052】
さらに、第1実施形態では、第1錐面46および第2錐面48を円錐形状に形成した例について説明したが、これに限らないで、第1錐面46および第2錐面48を装飾部材27の形状と相似形状とする必要はなく、角錐形状等の他の形状に形成することも可能である。
【0053】
また、第1実施形態および第2実施形態では、隠蔽層34を装飾部材27の底面27Bに設けた例について説明したが、これに限らないで、隠蔽層34をアクリルベース33の載置部位33Aに設けることも可能である。
【0054】
さらに、第1実施形態および第2実施形態では、隠蔽層34を透光性がない層とした例について説明したが、これに限らないで、隠蔽層34としてハーフミラーを用いることも可能である。
隠蔽層34としてハーフミラーを用いることにより発光部32から投光された光を装飾部材27に入射させることが可能になる。
また、装飾部材27を透光性がない部材とすることにより、装飾部材27の底面27Bに隠蔽層34を設ける必要がない。
【0055】
また、第1実施形態では、第1錐面46および装飾部材27間に空隙51を形成した例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、装飾部材27に透光性を有することにより、第1錐面46を装飾部材27に密着させても、発光部32から投光された光を装飾部材27に入射させて装飾部材27の輝度を確保できる。
【0056】
さらに、第1実施形態および第2実施形態で使用した電子機器、第2筐体、カバー、貫通孔、装飾部材、発光部、隠蔽層、枠部材、第1錐面、第2錐面および空隙等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、筐体の貫通孔の内部に装飾部材が設けられ、装飾部材に発光部から照射した光を装飾部材の内部で屈折させて外部に投光するように構成された電子機器への適用に好適である。
【符号の説明】
【0058】
10,60 電子機器
12 第2筐体(筐体)
18 カバー
25 貫通孔
25A 貫通孔の内周面
27 装飾部材
27B 装飾部材の底面
32 発光部
34 隠蔽層
36 枠部材
38 回転軸線(光軸)
46,63 第1錐面
46A 第1開口
46B 第2開口
48,64 第2錐面
48A 第3開口
48B 第4開口
51 空隙
D1 第1開口の最小径寸法
D2 装飾部材の平面最大寸法
D3 第2開口の最小径寸法
D4 第3開口の最小径寸法
D5 第4開口の最小径寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容された発光部と、
前記筐体における前記発光部の光軸上に設けられた貫通孔と、
前記貫通孔の内部において前記発光部の上方に設けられ、前記光軸に直交する底面を有する装飾部材と、
前記筐体の外部から前記装飾部材を通じて前記発光部が露呈しないように前記発光部を隠蔽する隠蔽層と、
前記貫通孔の内周面を覆うとともに前記装飾部材を介して囲むように設けられた枠部材と、
前記枠部材における前記筐体の内側から外側に向かって先細りに形成された第1錐面と、を備え、
前記第1錐面は、前記発光部側の第1開口の最小径寸法が前記装飾部材の平面最大寸法よりも大きいとともに、前記第1開口とは反対側の第2開口の最小径寸法が前記装飾部材の平面最大寸法よりも小さい電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記第1錐面が、前記装飾部材に対して空隙を介して配置されているとともに、当該第1錐面の回転軸線に対して0度を超えて45度未満に配向されている電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器において、
前記枠部材が、前記第1錐面よりも外側に配置された第2錐面を有し、
前記第2錐面が、前記発光部側の第3開口よりも前記第3開口とは反対側の第4開口が大きい拡開形状とされ、かつ、当該第2錐面の回転軸線に対して0度を超えて45度未満に配向されている電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−182664(P2012−182664A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44303(P2011−44303)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】