電子機器
【課題】外部配線を接続するための開口部を有するコネクタを容易に防水構造にできる電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機10は、開口部24を有するコネクタ20と、表面に配線が形成された主面上にコネクタ20を載置されてコネクタ20と電気的に接続されるメイン基板40とを備えるものである。コネクタ20は、両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部24に外部配線のプラグが挿抜される一方、他端の開口部をシール部材で塞がれた外部接続用筐体21と、外部接続用筐体21を支持する支持筐体23と、導電性の面状部材により構成され支持筐体23の外周平面に支持筐体23とほぼ接する形で平面的に設けられた基板接続用端子とを有する。コネクタ20がメイン基板40に載置されると、基板接続用端子によりコネクタ接続用端子41が接触されつつ押圧されることにより基板接続用端子とコネクタ接続用端子41とが電気的に接続される。
【解決手段】携帯電話機10は、開口部24を有するコネクタ20と、表面に配線が形成された主面上にコネクタ20を載置されてコネクタ20と電気的に接続されるメイン基板40とを備えるものである。コネクタ20は、両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部24に外部配線のプラグが挿抜される一方、他端の開口部をシール部材で塞がれた外部接続用筐体21と、外部接続用筐体21を支持する支持筐体23と、導電性の面状部材により構成され支持筐体23の外周平面に支持筐体23とほぼ接する形で平面的に設けられた基板接続用端子とを有する。コネクタ20がメイン基板40に載置されると、基板接続用端子によりコネクタ接続用端子41が接触されつつ押圧されることにより基板接続用端子とコネクタ接続用端子41とが電気的に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ノートブック型パーソナルコンピュータや携帯電話機などの携帯型電子機器をはじめとする電子機器には、防水対策のための構造をとるものが増えてきている。たとえば、コネクタを有する電子機器には、コネクタに設けられた外部配線を接続するための開口部から侵入した水が電子機器内部に浸入することを防ぐ構造を有するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタは、メイン基板の配線と電気的に接続されるための基板接続用端子を有する。コネクタの開口部に侵入した水は、この基板接続用端子が配設された箇所から電子機器内部に侵入する場合がある。このため、コネクタは、基板接続用端子を覆うようにシール部材で覆われることが多い。しかし、基板接続用端子は所定の領域を占有するものであるため、コネクタの基板接続用端子を防水するためには多くのシール部材を必要としてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、上述した課題を解決するために、外部配線を接続するための開口部を有するコネクタと、表面に配線が形成された主面を有し、この主面上にコネクタを載置されるとコネクタと電気的に接続される電子基板と、を備えるものである。コネクタは、両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部に外部配線のプラグが挿抜される一方、他端の開口部をシール部材で塞がれた外部接続用筐体と、外部接続用筐体を支持する支持筐体と、導電性の面状部材により構成され、支持筐体の外周平面に支持筐体に設けられ、一端の開口部に外部配線のプラグが挿入されるとこのプラグと電気的に接続される基板接続用端子と、を有する。一方、電子基板は、導電性の弾性変形可能な部材により構成され、コネクタの基板接続用端子に対応する主面上の位置に設けられたコネクタ接続用端子を有する。コネクタが外周平面と主面とが対向するように電子基板に載置されると、基板接続用端子によりコネクタ接続用端子が接触されつつ押圧されることにより基板接続用端子とコネクタ接続用端子とが電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の一構成例を示す概略的な斜視図。
【図2】携帯電話機の構造の一例を一部省略して示す分解斜視図。
【図3】コネクタの一構成例を示す底面図。
【図4】図3のIV方向から見たコネクタの一構成例を示す側面図。
【図5】図3のV方向から見たコネクタの一構成例を示す側面図。
【図6】メイン基板に設けられるコネクタ接続用端子の一構成例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る電子機器の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の一構成例を示す概略的な斜視図である。なお、本実施形態では、本発明に係る電子機器として、携帯電話機を用いる場合の一例について示す。また、電子機器は、外部配線を接続するための開口部を有するコネクタを備えた機器であれば携帯電話機に限られず、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像装置、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などでもよい。また、外部配線を接続するための開口部を有するコネクタとしては、たとえばイヤホンジャックなどを用いることができる。
【0009】
図1に示すように、携帯電話機10の本体筐体は上側ケース11と下側ケース12とが組み立てられて形成される。上側ケース11の表面上には、タッチパネル13、レシーバ14、マイクロフォン15およびタッチキー16が設けられる。
【0010】
タッチパネル13は、表示部と、表示部の近傍に設けられた入力部としてのタッチセンサと有する。表示部は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。タッチセンサは、ユーザによるタッチセンサ上の指示位置の情報を携帯電話機10のCPUに与える。タッチセンサとしては、静電容量式センサや感圧式センサ、抵抗膜式センサなど、従来各種のものが知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である。
【0011】
レシーバ14は、受話音声をはじめとした各種の情報に対応した音を出力する。マイクロフォン15は、ユーザによって入力された音声をデジタル音声信号に変換する。タッチキー16は、たとえば静電容量方式のタッチセンサにより構成され、キーに対するユーザの接触操作に応じた信号を出力する。
【0012】
一方、下側ケース12の一側面には、ユーザによるシステムの起動指示や終了指示などを受け付けるための電源ボタン17が設けられる。また、下側ケース12の一側面には開口が設けられ、この開口にはコネクタ20が挿入される。
【0013】
図2は、携帯電話機10の構造の一例を一部省略して示す分解斜視図である。また、図3は、コネクタ20の一構成例を示す底面図である。さらに、図4は、図3のIV方向から見たコネクタ20の一構成例を示す側面図であり、図5は、図3のV方向から見たコネクタ20の一構成例を示す側面図である。
【0014】
図2に示すように、上側ケース11にはあらかじめメイン基板40が組み付けられる。また、下側ケース12にはあらかじめコネクタ20が組み付けられる。上側ケース11に設けられたビス穴51と下側ケース12に設けられた接続ピン52とを互いに係合させて組み立てることにより、携帯電話機10の筐体が形成される。
【0015】
メイン基板40の配線が形成された主面には、コネクタ20と電気的に接続するためのコネクタ接続用端子41が複数配置される。メイン基板40は、プリント回路板であり、主面にはたとえばCPUなどの電子回路が配設される。
【0016】
コネクタ20は、外部接続用筐体21、防水リング22および支持筐体23を有する。
【0017】
外部接続用筐体21は、両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部としてのジャック24に外部配線のプラグが挿抜される。一方、外部接続用筐体21の他端の開口部25は、シール部材26によりふさがれている(図4参照)。このため、開口部24から浸入した水は、外部接続用筐体21の他端の開口部25から携帯電話機10の内部に漏れ出すことがない。
【0018】
防水リング22は、樹脂などにより構成され、下側ケース12の内壁に密に圧着される。この防水リング22は、下側ケース12の開口と外部接続用筐体21の外周との隙間から携帯電話機10の内部へ水が浸入することを防ぐ。
【0019】
支持筐体23は、側面に係止片27を有する。支持筐体23は、係止片27を介して下側ケース12にネジ止めやビス止めなどにより固定される。
【0020】
支持筐体23の底面には、コネクタ20をメイン基板40と電気的に接続するための基板接続用端子28および座屈防止部29が設けられる(図3参照)。
【0021】
基板接続用端子28は、導電性の面状部材により構成され、支持筐体23とほぼ接する形で平面的に設けられる。導電性の面状部材としては、たとえば金属の薄板や薄膜のほか、導電性のペーストなどを用いることができる。この基板接続用端子28は、ジャック24にプラグが挿入されると、プラグと電気的に接続されるように構成される。
【0022】
座屈防止部29は、図5に示すように、基板接続用端子28の面から所定の高さDを有するよう構成される。座屈防止部29は、メイン基板40の主面上に当接する部材であり、かつメイン基板40との電気的接続を必要とする部材ではないため、樹脂等の絶縁性部材により構成されることが好ましい。
【0023】
図2に示すように、支持筐体23の外周表面の基板接続用端子28と、メイン基板40の主面上のコネクタ接続用端子41とは、互いに対応する位置に配設される。また、上側ケース11および下側ケース12は、互いに組み立てられると、支持筐体23がコネクタ接続用端子41に載置されるよう、すなわち、基板接続用端子28によりコネクタ接続用端子41が接触されつつ押圧されて基板接続用端子28とコネクタ接続用端子41とが互いに電気的に接続されるように、それぞれコネクタ20およびメイン基板40を支持する。
【0024】
上側ケース11と下側ケース12とが組み立てられると、基板接続用端子28はそれぞれ対応するコネクタ接続用端子41を接触しつつ押圧する。この結果、基板接続用端子28は、コネクタ接続用端子41と電気的に接続され、ジャック24に挿入されたプラグとメイン基板40とが電気的に接続される。
【0025】
図6は、メイン基板40に設けられるコネクタ接続用端子41の一構成例を示す説明図である。
【0026】
コネクタ接続用端子41は、たとえば金属により構成されたバネ板などの導電性の弾性変形可能な部材により構成された接栓バネである。コネクタ接続用端子41は、メイン基板40の主面から高さd0を有するよう構成される。このコネクタ接続用端子41は、面状の基板接続用端子28に押圧されると、所定の距離だけ降伏しつつもとの位置へ戻るよう付勢される。
【0027】
コネクタ接続用端子41の高さd0は、容易に変更することが可能である。このため、コネクタ接続用端子41の高さd0を変更することにより、コネクタ20の実装高さを変更することができる。
【0028】
ところで、コネクタ接続用端子41は、弾性変形可能な部材により構成される。この部材は、弾性限界を超える応力を加えられて所定の変位量d1より大きく降伏すると、非弾性変形してしまいもとの位置に戻ることができない。このため、コネクタ接続用端子41は、所定の変位量d1より大きく降伏しないようにすることが好ましい。
【0029】
そこで、本実施形態に係る携帯電話機10は、支持基板23の基板接続用端子28の面から所定の高さDを有する座屈防止部29を備える。上側ケース11と下側ケース12とが組み立てられると、座屈防止部29は、メイン基板40の主面に当接することにより、メイン基板40の主面と基板接続用端子28の面とを所定の高さD離間させることができる。
【0030】
このため、コネクタ接続用端子41の高さd0から所定の高さDを減じた距離が、所定の変位量d1より小さくなるよう所定の高さDを決定することにより、コネクタ接続用端子41は、所定の変位量d1より大きく降伏することがなくなる。したがって、座屈防止部29によれば、コネクタ接続用端子41に弾性限度を超える応力が加わることを未然に防止することができる。
【0031】
基板接続用端子28を弾性変形可能な部材により構成する場合、この弾性変形可能な部材の支持部材23との接合部分を防水する必要がある。また、接合部分を防水処理することで、この部材の変形可能な範囲が限定されてしまう。
【0032】
一方、本実施形態に係る携帯電話機10のコネクタ20の基板接続用端子28は、支持部材23とほぼ接する形で平面的に設けた面状の導電性部材により構成される。したがって、基板接続用端子28は稼動しないため、稼動領域を防水する必要がないため、弾性変形可能な部材により構成する場合に比べ、コネクタ20の防水エリアを大きく減少することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る携帯電話機10のコネクタ20は、基板実装型ではなく、コネクタ20を上側ケース11のメイン基板40に組みつけておく必要がない。このため、コネクタ20をまず下側ケース12に組み付けておいてから、上側ケース11と下側ケース12とが組み立てて携帯電話機10の筐体を形成することができる。したがって、本実施形態に係る携帯電話機10は、組立が容易である。
【0034】
また、コネクタ20をあらかじめ下側ケースに組みつけておくことができるため、上側ケース11と下側ケース12との合わせ面を容易に平坦な面にすることができ、合わせ面の外縁を容易に直線にすることができる。したがって、本実施形態に係る携帯電話機10によれば、デザインの自由度が高まる。
【0035】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
10 携帯電話機
11 上側ケース
12 下側ケース
20 コネクタ
21 外部接続用筐体
23 支持筐体
24 ジャック(一端の開口部)
25 他端の開口部
26 シール部材
28 基板接続用端子
29 座屈防止部
40 メイン基板
41 コネクタ接続用端子
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ノートブック型パーソナルコンピュータや携帯電話機などの携帯型電子機器をはじめとする電子機器には、防水対策のための構造をとるものが増えてきている。たとえば、コネクタを有する電子機器には、コネクタに設けられた外部配線を接続するための開口部から侵入した水が電子機器内部に浸入することを防ぐ構造を有するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタは、メイン基板の配線と電気的に接続されるための基板接続用端子を有する。コネクタの開口部に侵入した水は、この基板接続用端子が配設された箇所から電子機器内部に侵入する場合がある。このため、コネクタは、基板接続用端子を覆うようにシール部材で覆われることが多い。しかし、基板接続用端子は所定の領域を占有するものであるため、コネクタの基板接続用端子を防水するためには多くのシール部材を必要としてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る電子機器は、上述した課題を解決するために、外部配線を接続するための開口部を有するコネクタと、表面に配線が形成された主面を有し、この主面上にコネクタを載置されるとコネクタと電気的に接続される電子基板と、を備えるものである。コネクタは、両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部に外部配線のプラグが挿抜される一方、他端の開口部をシール部材で塞がれた外部接続用筐体と、外部接続用筐体を支持する支持筐体と、導電性の面状部材により構成され、支持筐体の外周平面に支持筐体に設けられ、一端の開口部に外部配線のプラグが挿入されるとこのプラグと電気的に接続される基板接続用端子と、を有する。一方、電子基板は、導電性の弾性変形可能な部材により構成され、コネクタの基板接続用端子に対応する主面上の位置に設けられたコネクタ接続用端子を有する。コネクタが外周平面と主面とが対向するように電子基板に載置されると、基板接続用端子によりコネクタ接続用端子が接触されつつ押圧されることにより基板接続用端子とコネクタ接続用端子とが電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子機器の一構成例を示す概略的な斜視図。
【図2】携帯電話機の構造の一例を一部省略して示す分解斜視図。
【図3】コネクタの一構成例を示す底面図。
【図4】図3のIV方向から見たコネクタの一構成例を示す側面図。
【図5】図3のV方向から見たコネクタの一構成例を示す側面図。
【図6】メイン基板に設けられるコネクタ接続用端子の一構成例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る電子機器の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器の一構成例を示す概略的な斜視図である。なお、本実施形態では、本発明に係る電子機器として、携帯電話機を用いる場合の一例について示す。また、電子機器は、外部配線を接続するための開口部を有するコネクタを備えた機器であれば携帯電話機に限られず、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像装置、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機などでもよい。また、外部配線を接続するための開口部を有するコネクタとしては、たとえばイヤホンジャックなどを用いることができる。
【0009】
図1に示すように、携帯電話機10の本体筐体は上側ケース11と下側ケース12とが組み立てられて形成される。上側ケース11の表面上には、タッチパネル13、レシーバ14、マイクロフォン15およびタッチキー16が設けられる。
【0010】
タッチパネル13は、表示部と、表示部の近傍に設けられた入力部としてのタッチセンサと有する。表示部は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。タッチセンサは、ユーザによるタッチセンサ上の指示位置の情報を携帯電話機10のCPUに与える。タッチセンサとしては、静電容量式センサや感圧式センサ、抵抗膜式センサなど、従来各種のものが知られており、これらのうち任意のものを使用することが可能である。
【0011】
レシーバ14は、受話音声をはじめとした各種の情報に対応した音を出力する。マイクロフォン15は、ユーザによって入力された音声をデジタル音声信号に変換する。タッチキー16は、たとえば静電容量方式のタッチセンサにより構成され、キーに対するユーザの接触操作に応じた信号を出力する。
【0012】
一方、下側ケース12の一側面には、ユーザによるシステムの起動指示や終了指示などを受け付けるための電源ボタン17が設けられる。また、下側ケース12の一側面には開口が設けられ、この開口にはコネクタ20が挿入される。
【0013】
図2は、携帯電話機10の構造の一例を一部省略して示す分解斜視図である。また、図3は、コネクタ20の一構成例を示す底面図である。さらに、図4は、図3のIV方向から見たコネクタ20の一構成例を示す側面図であり、図5は、図3のV方向から見たコネクタ20の一構成例を示す側面図である。
【0014】
図2に示すように、上側ケース11にはあらかじめメイン基板40が組み付けられる。また、下側ケース12にはあらかじめコネクタ20が組み付けられる。上側ケース11に設けられたビス穴51と下側ケース12に設けられた接続ピン52とを互いに係合させて組み立てることにより、携帯電話機10の筐体が形成される。
【0015】
メイン基板40の配線が形成された主面には、コネクタ20と電気的に接続するためのコネクタ接続用端子41が複数配置される。メイン基板40は、プリント回路板であり、主面にはたとえばCPUなどの電子回路が配設される。
【0016】
コネクタ20は、外部接続用筐体21、防水リング22および支持筐体23を有する。
【0017】
外部接続用筐体21は、両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部としてのジャック24に外部配線のプラグが挿抜される。一方、外部接続用筐体21の他端の開口部25は、シール部材26によりふさがれている(図4参照)。このため、開口部24から浸入した水は、外部接続用筐体21の他端の開口部25から携帯電話機10の内部に漏れ出すことがない。
【0018】
防水リング22は、樹脂などにより構成され、下側ケース12の内壁に密に圧着される。この防水リング22は、下側ケース12の開口と外部接続用筐体21の外周との隙間から携帯電話機10の内部へ水が浸入することを防ぐ。
【0019】
支持筐体23は、側面に係止片27を有する。支持筐体23は、係止片27を介して下側ケース12にネジ止めやビス止めなどにより固定される。
【0020】
支持筐体23の底面には、コネクタ20をメイン基板40と電気的に接続するための基板接続用端子28および座屈防止部29が設けられる(図3参照)。
【0021】
基板接続用端子28は、導電性の面状部材により構成され、支持筐体23とほぼ接する形で平面的に設けられる。導電性の面状部材としては、たとえば金属の薄板や薄膜のほか、導電性のペーストなどを用いることができる。この基板接続用端子28は、ジャック24にプラグが挿入されると、プラグと電気的に接続されるように構成される。
【0022】
座屈防止部29は、図5に示すように、基板接続用端子28の面から所定の高さDを有するよう構成される。座屈防止部29は、メイン基板40の主面上に当接する部材であり、かつメイン基板40との電気的接続を必要とする部材ではないため、樹脂等の絶縁性部材により構成されることが好ましい。
【0023】
図2に示すように、支持筐体23の外周表面の基板接続用端子28と、メイン基板40の主面上のコネクタ接続用端子41とは、互いに対応する位置に配設される。また、上側ケース11および下側ケース12は、互いに組み立てられると、支持筐体23がコネクタ接続用端子41に載置されるよう、すなわち、基板接続用端子28によりコネクタ接続用端子41が接触されつつ押圧されて基板接続用端子28とコネクタ接続用端子41とが互いに電気的に接続されるように、それぞれコネクタ20およびメイン基板40を支持する。
【0024】
上側ケース11と下側ケース12とが組み立てられると、基板接続用端子28はそれぞれ対応するコネクタ接続用端子41を接触しつつ押圧する。この結果、基板接続用端子28は、コネクタ接続用端子41と電気的に接続され、ジャック24に挿入されたプラグとメイン基板40とが電気的に接続される。
【0025】
図6は、メイン基板40に設けられるコネクタ接続用端子41の一構成例を示す説明図である。
【0026】
コネクタ接続用端子41は、たとえば金属により構成されたバネ板などの導電性の弾性変形可能な部材により構成された接栓バネである。コネクタ接続用端子41は、メイン基板40の主面から高さd0を有するよう構成される。このコネクタ接続用端子41は、面状の基板接続用端子28に押圧されると、所定の距離だけ降伏しつつもとの位置へ戻るよう付勢される。
【0027】
コネクタ接続用端子41の高さd0は、容易に変更することが可能である。このため、コネクタ接続用端子41の高さd0を変更することにより、コネクタ20の実装高さを変更することができる。
【0028】
ところで、コネクタ接続用端子41は、弾性変形可能な部材により構成される。この部材は、弾性限界を超える応力を加えられて所定の変位量d1より大きく降伏すると、非弾性変形してしまいもとの位置に戻ることができない。このため、コネクタ接続用端子41は、所定の変位量d1より大きく降伏しないようにすることが好ましい。
【0029】
そこで、本実施形態に係る携帯電話機10は、支持基板23の基板接続用端子28の面から所定の高さDを有する座屈防止部29を備える。上側ケース11と下側ケース12とが組み立てられると、座屈防止部29は、メイン基板40の主面に当接することにより、メイン基板40の主面と基板接続用端子28の面とを所定の高さD離間させることができる。
【0030】
このため、コネクタ接続用端子41の高さd0から所定の高さDを減じた距離が、所定の変位量d1より小さくなるよう所定の高さDを決定することにより、コネクタ接続用端子41は、所定の変位量d1より大きく降伏することがなくなる。したがって、座屈防止部29によれば、コネクタ接続用端子41に弾性限度を超える応力が加わることを未然に防止することができる。
【0031】
基板接続用端子28を弾性変形可能な部材により構成する場合、この弾性変形可能な部材の支持部材23との接合部分を防水する必要がある。また、接合部分を防水処理することで、この部材の変形可能な範囲が限定されてしまう。
【0032】
一方、本実施形態に係る携帯電話機10のコネクタ20の基板接続用端子28は、支持部材23とほぼ接する形で平面的に設けた面状の導電性部材により構成される。したがって、基板接続用端子28は稼動しないため、稼動領域を防水する必要がないため、弾性変形可能な部材により構成する場合に比べ、コネクタ20の防水エリアを大きく減少することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る携帯電話機10のコネクタ20は、基板実装型ではなく、コネクタ20を上側ケース11のメイン基板40に組みつけておく必要がない。このため、コネクタ20をまず下側ケース12に組み付けておいてから、上側ケース11と下側ケース12とが組み立てて携帯電話機10の筐体を形成することができる。したがって、本実施形態に係る携帯電話機10は、組立が容易である。
【0034】
また、コネクタ20をあらかじめ下側ケースに組みつけておくことができるため、上側ケース11と下側ケース12との合わせ面を容易に平坦な面にすることができ、合わせ面の外縁を容易に直線にすることができる。したがって、本実施形態に係る携帯電話機10によれば、デザインの自由度が高まる。
【0035】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0036】
10 携帯電話機
11 上側ケース
12 下側ケース
20 コネクタ
21 外部接続用筐体
23 支持筐体
24 ジャック(一端の開口部)
25 他端の開口部
26 シール部材
28 基板接続用端子
29 座屈防止部
40 メイン基板
41 コネクタ接続用端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部配線を接続するための開口部を有するコネクタと、
表面に配線が形成された主面を有し、この主面上に前記コネクタを載置されると前記コネクタと電気的に接続される電子基板と、
を備え
前記コネクタは、
両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部に前記外部配線のプラグが挿抜される一方、他端の開口部をシール部材で塞がれた外部接続用筐体と、
前記外部接続用筐体を支持する支持筐体と、
導電性の面状部材により構成され、前記支持筐体の外周平面に前記支持筐体に設けられ、前記一端の開口部に前記外部配線のプラグが挿入されるとこのプラグと電気的に接続される基板接続用端子と、
を有し、
前記電子基板は、
導電性の弾性変形可能な部材により構成され、前記コネクタの前記基板接続用端子に対応する前記主面上の位置に設けられたコネクタ接続用端子、
を有し、
前記コネクタが前記外周平面と前記主面とが対向するように前記電子基板に載置されると、前記基板接続用端子により前記コネクタ接続用端子が接触されつつ押圧されることにより前記基板接続用端子と前記コネクタ接続用端子とが電気的に接続されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
一面が開口するとともに、一側面から前記外部接続用筐体の前記一端の開口部が露出するよう前記コネクタを支持する第1のケースと、
前記電子基板を支持するとともに、前記第1のケースと組み立てられて電子機器の筐体を構成する第2のケースと、
をさらに備え、
前記第1のケースおよび前記第2のケースは、
前記第1のケースと前記第2のケースとが組み立てられると、前記基板接続用端子により前記コネクタ接続用端子が接触されつつ押圧されることにより前記基板接続用端子と前記コネクタ接続用端子とが互いに電気的に接続されるように、それぞれ前記コネクタおよび前記電子基板を支持する、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1のケースおよび前記第2のケースの前記一側面に対応する合わせ面は、平坦な面である、
請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記支持筐体の前記外周平面に設けられ、所定の高さを有し、前記コネクタが前記外周平面と前記主面とが対向するように前記電子基板に載置されると、前記主面に当接することにより前記外周平面と前記主面とを前記所定の高さ離間させる座屈防止部、
をさらに備え、
前記所定の高さは、
前記コネクタ接続用端子が前記基板接続用端子押圧されて変形する際の、前記主面に垂直な方向の所定の変位量以下であり、
前記所定の変位量は、
前記基板接続用端子による押圧力が前記コネクタ接続用端子の弾性限度となる、前記コネクタ接続用端子が前記基板接続用端子押圧されて変形する際の前記主面に垂直な方向の変位量である、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項1】
外部配線を接続するための開口部を有するコネクタと、
表面に配線が形成された主面を有し、この主面上に前記コネクタを載置されると前記コネクタと電気的に接続される電子基板と、
を備え
前記コネクタは、
両端が開口した筒状形状を有し、一端の開口部に前記外部配線のプラグが挿抜される一方、他端の開口部をシール部材で塞がれた外部接続用筐体と、
前記外部接続用筐体を支持する支持筐体と、
導電性の面状部材により構成され、前記支持筐体の外周平面に前記支持筐体に設けられ、前記一端の開口部に前記外部配線のプラグが挿入されるとこのプラグと電気的に接続される基板接続用端子と、
を有し、
前記電子基板は、
導電性の弾性変形可能な部材により構成され、前記コネクタの前記基板接続用端子に対応する前記主面上の位置に設けられたコネクタ接続用端子、
を有し、
前記コネクタが前記外周平面と前記主面とが対向するように前記電子基板に載置されると、前記基板接続用端子により前記コネクタ接続用端子が接触されつつ押圧されることにより前記基板接続用端子と前記コネクタ接続用端子とが電気的に接続されることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
一面が開口するとともに、一側面から前記外部接続用筐体の前記一端の開口部が露出するよう前記コネクタを支持する第1のケースと、
前記電子基板を支持するとともに、前記第1のケースと組み立てられて電子機器の筐体を構成する第2のケースと、
をさらに備え、
前記第1のケースおよび前記第2のケースは、
前記第1のケースと前記第2のケースとが組み立てられると、前記基板接続用端子により前記コネクタ接続用端子が接触されつつ押圧されることにより前記基板接続用端子と前記コネクタ接続用端子とが互いに電気的に接続されるように、それぞれ前記コネクタおよび前記電子基板を支持する、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1のケースおよび前記第2のケースの前記一側面に対応する合わせ面は、平坦な面である、
請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記支持筐体の前記外周平面に設けられ、所定の高さを有し、前記コネクタが前記外周平面と前記主面とが対向するように前記電子基板に載置されると、前記主面に当接することにより前記外周平面と前記主面とを前記所定の高さ離間させる座屈防止部、
をさらに備え、
前記所定の高さは、
前記コネクタ接続用端子が前記基板接続用端子押圧されて変形する際の、前記主面に垂直な方向の所定の変位量以下であり、
前記所定の変位量は、
前記基板接続用端子による押圧力が前記コネクタ接続用端子の弾性限度となる、前記コネクタ接続用端子が前記基板接続用端子押圧されて変形する際の前記主面に垂直な方向の変位量である、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−54011(P2012−54011A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193800(P2010−193800)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(310022372)富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
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