説明

電子機器

【課題】表示領域への意図しない光の漏れを防ぐことができる電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係る電子機器は、光源52からの出射光を導光部材51を用いて出射領域に導く光源システム50と、光源システム50を制御する制御部60と、光源システム50及び制御部60が格納される筐体10と、導光部材51の光の出射方向に配置される被覆部材と、を備え、導光部材51の外周側面が遮光部材1で覆われ、遮光部材1は、導光部材51の光の出射方向に突出する突出部2を有し、突出部2の端部が被覆部材に略接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器として、携帯電話機、タブレット端末、デジタルカメラ、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、ポータブルDVD(Digital Versatile Disk)プレーヤー、ポータブル音楽プレーヤー、ポータブルテレビ等がある。
【0003】
このような電子機器に搭載される光源システムは、表示部のバックライトとして用いられたり、電子機器の動作内容を示す記号等を背面側からの光の照射によって浮かび上がらせるために用いられたりする。
【0004】
ここで、特許文献1乃至5には、当該光源システムの導光部材の意図しない部分から光が出射しないように、導光部材の正面側の外周部分や外周側面を遮光部材で覆う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−5160号公報
【特許文献2】特開2004−71167号公報
【特許文献3】特開2008−262769号公報
【特許文献4】特開2010−50100号公報
【特許文献5】特開平8−201804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1乃至5の技術は、導光部材の意図しない部分から光が出射しない構成とされている。しかし、当該技術を電子機器に採用した場合、導光部材からの出射光が表示領域に漏れ出す可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を解決する電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係る電子機器は、光源からの出射光を導光部材を用いて出射領域に導く光源システムと、前記光源システムを制御する制御部と、前記光源システム及び前記制御部が格納される筐体と、前記導光部材の光の出射方向に配置される被覆部材と、を備え、前記導光部材の外周側面が遮光部材で覆われ、前記遮光部材は、前記導光部材の光の出射方向に突出する突出部を有し、前記突出部の端部が前記被覆部材に略接触する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示領域への意図しない光の漏れを防ぐことができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子機器を概略的に示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子機器を概略的に示す正面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図3のA1部分を概略的に示す拡大図である。
【図6】図4のA2部分を概略的に示す拡大図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電子機器に用いる、導光部材を示す正面図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【図9】遮光部材と被覆部材であるタッチパネルとの配置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る電子機器について説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0012】
本実施の形態に係る電子機器は携帯電話機として機能し、図1乃至6に示すように、筐体10、表示部20、被覆部材30、タッチパネル40、第1の光源システム50、制御部60、スピーカ70、マイクロフォン80等を備えている。
【0013】
筐体10は、表示部20、タッチパネル40、第1の光源システム50、制御部60、スピーカ70、マイクロフォン80等を収容する。筐体10は、正面側の筐体11、背面側の筐体12を備えている。筐体11は、図1及び2等に示すように、少なくとも表示領域Rが切り欠かれており、この切り欠かれた領域から表示部20やタッチパネル40が露出している。筐体11と12とは、図3及び4に示すように、例えば水や粉塵等の侵入を防止するためにパッキン等を介してボルトや嵌合構造等で接合される。
【0014】
表示部20は、一般的な液晶ディスプレイ装置である。すなわち、表示部20は、液晶パネル21、図示を省略した第2の光源システム等を備えている。第2の光源システムは、液晶パネル21の背面側に配置され、液晶パネル21のバックライトとして機能する。つまり、第2の光源システムは、導光部材や光源等を備えている。これらの液晶パネル21や光源は、制御部60によって制御される。
【0015】
被覆部材30は、液晶パネル21の正面側に配置されている。被覆部材30は、ガラスや樹脂等の光を透過する平板部材であり、表示部20を覆うのに十分な平面領域を有する。つまり、被覆部材30は、表示部20やタッチパネル40等の被覆部材として機能する。
【0016】
タッチパネル40としては、一般的なタッチパネルを用いることができ、静電容量方式のタッチパネルを好適に用いることができる。例えばタッチパネル40は、図5に示すように、ガラスや樹脂等の光を透過する部材から成る被覆部材41、導電膜が形成された光透過性基板42等を備え、積層されている。このようなタッチパネル40は、例えばユーザが指を接近させた領域の座標を示す入力情報を制御部60に出力する。
【0017】
タッチパネル40は、液晶パネル21と被覆部材30との間に配置されている。すなわち、背面側から正面側に向かって、表示部20、タッチパネル40、被覆部材30の順で積層されている。ここで、図示例のタッチパネル40は、被覆部材30と同様に表示部20を覆うのに十分な平面領域を有し、特に第1の光源システム50を覆うように後面側に延在している。つまり、当該タッチパネル40は、表示部20等の被覆部材としての機能も担う。
【0018】
タッチパネル40は、正面から見て表示領域Rに対応する領域の外周部分が遮光部材90で覆われている。例えば、被覆部材41の外周部分の下面に光の透過を遮る塗料を遮光部材90として塗布することで、タッチパネル40の外周部分を遮光部材90で覆う。但し、遮光部材90は、光透過性基板42の外周部分の正面に塗布しても良く、被覆部材41の背面と光透過性基板42の正面との両面に塗布しても良い。また、被覆部材30における表示領域Rに対応する領域の外周部分が遮光部材90で覆われても良い。また、遮光部材90はこの限りでなく、シート状に形成され、タッチパネル40に接着する構成等でも良い。
【0019】
遮光部材90は、電子機器の動作内容を示す記号(文字等を含む)等が背面側からの光の照射によって浮かび上がるように、部分的に省略されている。図示例では、遮光部材90の後面側の領域に、当該記号に対応する抜き部分91が形成されている。
【0020】
第1の光源システム50は、上述の抜き部分91の背面側に配置されている。第1の光源システム50は、図3及び5に示すように、導光部材51、光源52等を備えている。詳細には、導光部材51は、表示部20の近傍に配置されており、表示部20の後面側であって、且つ遮光部材90における後面側の領域内に収まるように形成されている。図示例の導光部材51は、長尺形状に形成されている。この導光部材51は、長手方向が電子機器の左右方向に配置され、背面側の筐体12の台座121上に載置されている。
【0021】
光源52としては、例えばLED(Light Emitting Diode)等を用いることができる。光源52は、図3及び5に示すように、導光部材51の短尺側の側面近傍に配置されている。
【0022】
制御部60は、図示を省略した記憶部から読み出したプログラムに基づいて、通信を実現したり、通信によって受信又は当該記憶部から読み出した情報を表示部20に表示したり、第1の光源システム50の光源52を制御したり、する等のために機能する。つまり、制御部60は、送信側から受信した情報を復号化してスピーカ70や表示部20に出力する。また、制御部60は、マイクロフォン80から入力される音声情報を符号化して例えば公衆網に出力する。さらに制御部60は、図示を省略した記憶部から情報を読み出して表示部20に出力し、タッチパネル40を介して入力される入力情報に基づいて動作する。
【0023】
このような電子機器は、第1の光源システム50において、光源52からの出射光が導光部材51を介して電子機器の正面方向に導かれ、遮光部材90の抜き部分91から出射する。このとき、図6に示すように、第1の光源システム50の導光部材51の外周側面から光が漏れ出し、当該光が遮光部材90の内方領域に漏れ出す場合がある。つまり、第1の光源システム50からの出射光が表示領域(図2のA3部分)に漏れ出す場合がある。
【0024】
そこで、本実施の形態に係る第1の光源システム50の導光部材51の外周側面は、図7及び8に示すように、遮光部材1で覆われている。そして、当該遮光部材1は導光部材51の光の出射方向、即ち正面側に突出する突出部2を有する。しかも、遮光部材1の突出部2の端部は、図9に示すように、タッチパネル40の背面に略接触している。
【0025】
このように、導光部材51の外周側面、即ち光源52が配置される側の側面を除く、3側面(本実施の形態では前面、右側面、後面)が遮光部材1で覆われているので、導光部材51の外周側面から光が漏れ出すことがなく、光を電子機器の正面方向に良好に導くことができる。しかも、遮光部材1の突出部2の端部がタッチパネル40の背面に略接触しているので、電子機器の正面方向に導かれた光が、タッチパネル40と導光部材51との隙間から漏れ出すことを防ぐことができる。そのため、表示品質の優れた電子機器となる。
【0026】
ここで、遮光部材1は、光を遮ることができ、且つ突出部2を形成することができれば、材質は特に限定しないが、ゴム等の弾性部材が帯状に形成されていることが好ましい。当該弾性部材を図7に示すように遮光部材1の外周側面に巻き付けて接着剤等で接合するだけで、簡単に導光部材51の外周側面を遮光部材1で覆うことができる。しかも、遮光部材1を弾性部材で構成すると、タッチパネル40の背面と導光部材51の正面との隙間が製造誤差によって変化しても、当該誤差を良好に吸収することができる。そのため、突出部2の高さT1は、タッチパネル40の背面と導光部材51の正面との隙間T2より高く形成されていることが好ましい。これにより、突出部2の端部をより確実にタッチパネル40の背面に接触させることができる。
【0027】
また、導光部材51の背面も遮光部材1で覆うことが好ましい。これにより、導光部材51の背面からの光の漏れも防ぐことができる。
【0028】
本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0029】
上記実施の形態では、遮光部材1の突出部2の端部をタッチパネル40の背面に略接触させているが、被覆部材30の背面に略接触させても良い。要するに、遮光部材1の突出部2の端部を第1の光源システム50の正面側に配置される部材と略接触させることで、光が意図せずに表示領域に漏れ出すことを防ぐことができれば良い。
【0030】
上記実施の形態では、電子機器として携帯電話機の例を示したが、この限りでない。すなわち、電子機器として、タブレット端末、デジタルカメラ、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistants)、ポータブルDVD(Digital Versatile Disk)プレーヤー、ポータブル音楽プレーヤー、ポータブルテレビ等を用いても、略同様に実施することができる。
【0031】
上記実施の形態では、第1の光源システム50の導光部材51の外周側面を遮光部材1で覆ったが、第2の光源システムの導光部材の外周側面を遮光部材で覆っても良い。勿論、両方の導光部材の外周側面を遮光部材で覆っても良い。
【0032】
上記実施の形態では、導光部材51の正面、右側面、後面を遮光部材1で覆ったが、光源52の配置位置や、第1の光源システム50の配置位置によって、遮光部材1で覆われる外周側面は適宜変更される。
【0033】
上記実施の形態では、遮光部材1として光を遮る部材を用いたが、反射する機能も備えた部材を用いると、光量減少を最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 遮光部材
2 遮光部材の突出部
10 筐体
11 正面側の筐体
12 背面側の筐体、121 台座
20 表示部、21 液晶パネル
30 被覆部材
40 タッチパネル、41 被覆部材、42 ガラス基板
50 第1の光源システム、51 導光部材、52 光源
60 制御部
70 スピーカ
80 マイクロフォン
90 遮光部材
91 抜き部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの出射光を導光部材を用いて出射領域に導く光源システムと、
前記光源システムを制御する制御部と、
前記光源システム及び前記制御部が格納される筐体と、
前記導光部材の光の出射方向に配置される被覆部材と、を備え、
前記導光部材の外周側面が遮光部材で覆われ、
前記遮光部材は、前記導光部材の光の出射方向に突出する突出部を有し、前記突出部の端部が前記被覆部材に略接触する電子機器。
【請求項2】
前記遮光部材は、弾性部材である請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記遮光部材は、帯状部材であって、前記導光部材の外周側面に接合されている請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記突出部の長さは、前記導光部材と前記被覆部材との隙間より長い請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体から露出する表示部を備え、
前記光源システムは、前記表示部の光源システムとは別に備えられており、前記表示部の周辺に配置されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記遮光部材は、反射部材としても機能する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−3498(P2013−3498A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137149(P2011−137149)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】