説明

電子機器

【課題】 製造コストの高騰を来たすことなく放熱効率の向上を図る。
【解決手段】 外部の空気を内部空間に流入させる空気流入孔と内部空間において温度が上昇した空気を外部へ放出する放熱孔とが形成された外筐と、外筐の内部空間に配置され駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、回路基板に取り付けられた取付ベースと取付ベースから突出された複数のフィンとを有するヒートシンクとを設け、外筐にヒートシンクの複数のフィンに対向して位置され温度が上昇した空気を案内する流体案内部を設け、流体案内部が放熱孔を向く方向へ傾斜され、複数のフィンが放熱孔を向く方向へ傾斜された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は電子機器についての技術分野に関する。詳しくは、外筐に設けられ温度が上昇された空気を案内する流体案内部とヒートシンクのフィンとを傾斜させて放熱効率の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体記録再生装置、音声記録再生装置、携帯電話、画像記録再生装置、撮像装置、情報処理装置、ネットワーク通信装置等の各種の電子機器には、外筐の内部に所定の配線パターンが形成された回路基板が配置されているものが多い。
【0003】
このような回路基板には各種の機能を有する電子部品が搭載され、駆動時においては電子部品が発熱する。電子部品の駆動時において発生する熱は、電子機器における動作に悪影響を及ぼすおそれがあるため、電子機器には、発生する熱による温度上昇を抑制するためのヒートシンクが回路基板に取り付けられているものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
ヒートシンクは回路基板に取り付けられる取付ベースと取付ベース上に並んで設けられた複数のフィンとを有している。ヒートシンクに複数のフィンを設けることにより放熱面積が大きくなり高い放熱性を確保することが可能になる。
【0005】
【特許文献1】特開平5−160311号公報
【特許文献2】特開平6−21283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された電子機器にあっては、冷却ファンによって強制的に対流を生じさせて外筐の内部から放熱を行う構造とされており、高い放熱効率を確保することが可能であるが、冷却ファンが必要である分、製造コストが高いと言う問題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載された電子機器にあっては、ピン型のフィンを有するヒートシンクによって放熱を行っているが、ヒートシンクから放出された熱を効率的に外部へ放出する構成が存在せず、十分に大きな放熱効率が確保されていない。
【0008】
そこで、本技術電子機器は、上記した問題点を克服し、製造コストの高騰を来たすことなく放熱効率の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1に、電子機器は、上記した課題を解決するために、外部の空気を内部空間に流入させる空気流入孔と内部空間において温度が上昇した空気を外部へ放出する放熱孔とが形成された外筐と、前記外筐の内部空間に配置され駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板に取り付けられた取付ベースと前記取付ベースから突出された複数のフィンとを有するヒートシンクとを備え、前記外筐に前記ヒートシンクの複数のフィンに対向して位置され前記温度が上昇した空気を案内する流体案内部が設けられ、前記流体案内部が前記放熱孔を向く方向へ傾斜され、前記複数のフィンが前記放熱孔を向く方向へ傾斜されたものである。
【0010】
従って、電子機器にあっては、空気流入孔から外筐の内部へ流入され温度が上昇した空気が流体案内部によって案内されて放熱孔へ向かうと共にフィンから放出された熱によって温度が上昇した空気がフィンの傾斜に沿って流動されて放熱孔へ向かう。
【0011】
第2に、上記した電子機器においては、前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外周面部と前記天面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記放熱孔とされることが望ましい。
【0012】
外周面部と天面部の間に隙間が形成され隙間が放熱孔とされることにより、外周面部と天面部の間の隙間から外筐の内部で温度が上昇した空気が放出される。
【0013】
第3に、上記した電子機器においては、前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外周面部と前記底面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記空気流入孔とされたことが望ましい。
【0014】
外周面部と底面部の間に隙間が形成され隙間が空気流入孔とされることにより、外周面部と底面部の間の隙間から外筐の内部に外部の空気が流入される。
【0015】
第4に、上記した電子機器においては、前記放熱孔が前記外周面部と前記天面部の間の全周に形成されることが望ましい。
【0016】
放熱孔が外周面部と天面部の間の全周に形成されることにより、外筐の内部からの空気の放出量が増加する。
【0017】
第5に、上記した電子機器においては、前記空気流入孔が前記外周面部と前記底面部の間の全周に形成されることが望ましい。
【0018】
空気流入孔が外周面部と底面部の間の全周に形成されることにより、外筐の内部への空気の取込量が増加する。
【0019】
第6に、上記した電子機器においては、前記天面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記底面部から離隔する傾斜面に形成することが望ましい。
【0020】
天面部の外周部における外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って底面部から離隔する傾斜面に形成することにより、外筐の内部で温度が上昇し流動する空気が傾斜面に沿って流動される。
【0021】
第7に、上記した電子機器においては、前記外周面部の前記天面部に対向する面を前記天面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成することが望ましい。
【0022】
天面部の外周部における外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って底面部から離隔する傾斜面に形成することにより、外筐の内部で温度が上昇し流動する空気が斜面に沿って流動される。
【0023】
第8に、上記した電子機器においては、前記底面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記天面部から離隔する傾斜面に形成することが望ましい。
【0024】
底面部の外周部における外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って天面部から離隔する傾斜面に形成することにより、外筐の内部へ向けて流動する空気が傾斜面に沿って流動される。
【0025】
第9に、上記した電子機器においては、前記外周面部の前記底面部に対向する面を前記底面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成することが望ましい。
【0026】
外周面部の底面部に対向する面を底面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成することにより、外筐の内部へ向けて流動する空気が斜面に沿って流動される。
【0027】
第10に、上記した電子機器においては、前記外筐に前記空気流入孔から流入される空気を前記ヒートシンクへ向かう方向へ案内する案内壁部を設けることが望ましい。
【0028】
外筐に空気流入孔から流入される空気をヒートシンクへ向かう方向へ案内する案内壁部を設けることにより、ヒートシンクへ向けて流動される空気の量が増加する。
【0029】
第11に、上記した電子機器においては、前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外筐に前記案内壁部を有し前記外周面部の内面から突出された突出部を設けることが望ましい。
【0030】
外筐に案内壁部を有し外周面部の内面から突出された突出部を設けることにより、ケース部の補強が行われる。
【0031】
第12に、上記した電子機器においては、前記ヒートシンクの複数のフィンの傾斜角度が前記取付ベースの中央部を基準として前記外周面部に近付くに従って大きくされることが望ましい。
【0032】
ヒートシンクの複数のフィンの傾斜角度が取付ベースの中央部を基準として外周面部に近付くに従って大きくされることにより、フィン間の間隔が取付ベースから離隔するに従って大きくなる。
【0033】
第13に、上記した電子機器においては、前記ヒートシンクの複数のフィンの少なくとも一つに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成することが望ましい。
【0034】
ヒートシンクの複数のフィンの少なくとも一つに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成することにより、温度が上昇された空気のフィン間での流動性が高くなる。
【0035】
第14に、上記した電子機器においては、前記ヒートシンクの取付ベースに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成することが望ましい。
【0036】
ヒートシンクの取付ベースに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成することにより、温度が上昇された空気のフィン間での流動性が高くなる。
【発明の効果】
【0037】
本技術電子機器は、外部の空気を内部空間に流入させる空気流入孔と内部空間において温度が上昇した空気を外部へ放出する放熱孔とが形成された外筐と、前記外筐の内部空間に配置され駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板に取り付けられた取付ベースと前記取付ベースから突出された複数のフィンとを有するヒートシンクとを備え、前記外筐に前記ヒートシンクの複数のフィンに対向して位置され前記温度が上昇した空気を案内する流体案内部が設けられ、前記流体案内部が前記放熱孔を向く方向へ傾斜され、前記複数のフィンが前記放熱孔を向く方向へ傾斜されている。
【0038】
従って、冷却ファン等の強制対流を発生させるための部材を使用することなくヒートシンクから放出された熱を外筐から効率的に外部へ放出することができ、製造コストの高騰を来たすことなく放熱効率の向上を図ることができる。
【0039】
請求項2に記載した技術にあっては、前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外周面部と前記天面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記放熱孔とされている。
【0040】
従って、天面部やケース部に複数の放熱孔を形成する必要がなく、天面部及びケース部の構造の簡素化を確保した上で外筐の内部からの空気の放出量を増加させて放熱性を高めることができる。
【0041】
請求項3に記載した技術にあっては、前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外周面部と前記底面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記空気流入孔とされている。
【0042】
従って、底面部やケース部に複数の空気流入孔を形成する必要がなく、底面部及びケース部の構造の簡素化を確保した上で外筐の内部への空気の取込量を増加させて放熱性を高めることができる。
【0043】
請求項4に記載した技術にあっては、前記放熱孔が前記外周面部と前記天面部の間の全周に形成されている。
【0044】
従って、外筐の内部からの空気の放出量が増加し、その分、放熱効率の向上を図ることができる。
【0045】
請求項5に記載した技術にあっては、前記空気流入孔が前記外周面部と前記底面部の間の全周に形成されている。
【0046】
従って、外筐の内部への空気の取込量が増加し、その分、放熱効率の向上を図ることができる。
【0047】
請求項6に記載した技術にあっては、前記天面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記底面部から離隔する傾斜面に形成している。
【0048】
従って、外筐の内部で温度が上昇し流動する空気が傾斜面に沿って流動され易く、外部へ放出される空気の流動性を高めて放熱効率の向上を図ることができる。
【0049】
請求項7に記載した技術にあっては、前記外周面部の前記天面部に対向する面を前記天面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成している。
【0050】
従って、外筐の内部で温度が上昇し流動する空気が斜面に沿って流動され易く、外部へ放出される空気の流動性を高めて放熱効率の向上を図ることができる。
【0051】
請求項8に記載した技術にあっては、前記底面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記天面部から離隔する傾斜面に形成している。
【0052】
従って、外筐の内部へ向けて流動する空気が傾斜面に沿って流動され易く、外筐の内部へ流入される空気の流動性を高めて放熱効率の向上を図ることができる。
【0053】
請求項9に記載した技術にあっては、前記外周面部の前記底面部に対向する面を前記底面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成している。
【0054】
従って、外筐の内部へ向けて流動する空気が斜面に沿って流動され易く、外筐の内部へ流入される空気の流動性を高めて放熱効率の向上を図ることができる。
【0055】
請求項10に記載した技術にあっては、前記外筐に前記空気流入孔から流入される空気を前記ヒートシンクへ向かう方向へ案内する案内壁部を設けている。
【0056】
従って、ヒートシンクへ向けて流動される空気の量が増加し、放熱性の向上を図ることができる。
【0057】
請求項11に記載した技術にあっては、前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外筐に前記案内壁部を有し前記外周面部の内面から突出された突出部を設けている。
【0058】
従って、放熱性の向上に加え、ケース部の補強が行われケース部の剛性を高めることができる。
【0059】
請求項12に記載した技術にあっては、前記ヒートシンクの複数のフィンの傾斜角度が前記取付ベースの中央部を基準として前記外周面部に近付くに従って大きくされている。
【0060】
従って、隣り合うフィンの間隔が取付ベースから離隔するに従って大きくなり、温度が上昇された空気のフィン間での流動性が高まり、その分、放熱効率の向上を図ることができる。
【0061】
請求項13に記載した技術にあっては、前記ヒートシンクの複数のフィンの少なくとも一つに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成している。
【0062】
従って、温度が上昇された空気のフィン間での流動性が一層高まり、放熱効率の一層の向上を図ることができる。
【0063】
請求項14に記載した技術にあっては、前記ヒートシンクの取付ベースに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成している。
【0064】
従って、温度が上昇された空気のフィン間での流動性がより一層高まり、放熱効率のより一層の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下に、本技術を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0066】
以下に示した最良の形態は、本技術撮像装置を通信により取得した画像や映像をテレビジョン受像器等の表示装置に出力して表示装置に表示させる通信機能を有するネットワーク通信装置に適用したものである。
【0067】
尚、本技術電子機器の適用範囲はネットワーク通信装置に限られることはない。本技術電子機器は、画像や映像の記録再生装置、音声記録再生装置、撮像装置、パーソナルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置等の他の各種の電子機器に広く適用することができる。
【0068】
以下の説明にあっては、外筐の内部に配置された回路基板が向く方向を上下方向として前後上下左右の方向を示すものとする。
【0069】
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0070】
[電子機器の構成]
電子機器(ネットワーク通信装置)1は外筐2の内部に所要の各部が配置されて成り、外筐2は樹脂材料によって天板部3とケース部4と底面部5から成る(図1乃至図3参照)。
【0071】
天面部3は上下方向を向く矩形の略板状に形成され、上面3aが平面に形成されている。
【0072】
天面部3の下面3bの外周部は外方へ行くに従って上方へ変位する傾斜面6として形成されている(図4及び図5参照)。天面部3の下面3bの外周寄りの位置には一部を除いて突条部7が設けられている。突条部7は下面3bから下方へ突出され周方向に延びる状態で設けられている。
【0073】
ケース部4は枠状の外周面部8と外周面部8の内側に設けられた各部とが一体に形成されて成る(図6乃至図9参照)。外周面部8は前面部9と一対の側面部10、10と一対の側面部10、10の後縁から互いに近付く方向へ突出された突面部11、11とから成る。突面部11、11間の部分は開口11aとして形成されている。前面部9と側面部10、10と突面部11、11の各外面はそれぞれ内方へ凸の緩やかな曲面に形成されている。
【0074】
ケース部4には前面部9と側面部10、10と突面部11、11の各上端部に連続する結合面部12が設けられている。
【0075】
ケース部4の下端部における内面側には係止凹部4a、4a、・・・が設けられており、係止凹部4a、4a、・・・は前面部9と側面部10、10に設けられ周方向において離隔して位置されている。
【0076】
外周面部8の上端部には外方へ行くに従って上方へ変位する斜面13が形成され、外周面部8の下端部には外方へ行くに従って下方へ変位する斜面14が形成されている。
【0077】
ケース部4には前面部9の内面に連続して突出部15、15、・・・が左右に離隔して設けられている(図6及び図8参照)。突出部15は前面部9の上側の半部に連続して設けられ、前面部9から後方へ突出された上下方向を向く第1の案内壁部16と第1の案内壁部16の先端部から上方へ突出され前後方向を向く第2の案内壁部17とを有している。
【0078】
第2の案内壁部17は上端部が結合面部12に連続されている。第2の案内壁部17の上端側の部分には放出孔17aが形成されている。
【0079】
ケース部4には側面部10、10の内面に連続してそれぞれ突出部18、18、・・・が前後に離隔して設けられている(図6、図7及び図9参照)。突出部18は側面部10の上側の半部に連続して設けられ、側面部8から左方又は右方へ突出された上下方向を向く第1の案内壁部19と第1の案内壁部19の先端部から上方へ突出され左右方向を向く第2の案内壁部20とを有している。
【0080】
第2の案内壁部20は上端部が結合面部12に連続されている。第2の案内壁部20の上端側の部分には放出孔20aが形成されている。
【0081】
突出部18、18、・・・のうち前後左右に離隔して位置された四つの突出部18、18、・・・からはそれぞれ下方へ突出された結合軸部21、21、・・・が設けられている(図6乃至図9参照)。
【0082】
ケース部4の結合面部12は上下方向を向く平板状に形成された平面部22と下方へ突出された流体案内部23、23、・・・とを有している(図6、図8及び図9参照)。流体案内部23、23、・・・は前後に離隔して設けられ、左側に位置する突出部18、18、・・・と右側に位置する突出部18、18、・・・との間に位置されている。
【0083】
流体案内部23は左方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜された第1の案内面部24と右方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜された第2の案内面部25とを有し、第1の案内面部24の右端部と第2の案内面部25の左端部とが結合面部12の左右方向における中央部で連続されている。
【0084】
底面部5は上下方向を向く矩形の略板状に形成されたベース板部26とベース板部26の後端部から上方へ突出された支持壁部27とを有している(図2及び図10参照)。
【0085】
ベース板部26の上面26aの外周部は外方へ行くに従って下方へ変位する傾斜面28として形成されている。ベース板部26の上面26aの外周寄りの位置には一部を除いて突条部29が設けられている。突条部29は上面26aから上方へ突出され周方向に延びる状態で設けられている。
【0086】
ベース板部26の外周部における後端部以外の部分には係止突部26b、26b、・・・が設けられており、係止突部26b、26b、・・・は周方向において離隔して位置されている。
【0087】
ベース板26の上面26aには前後左右に離隔して結合用突部30、30、・・・が設けられている。
【0088】
支持壁部27は横長の略矩形状に形成され、複数の配置孔27a、27a、・・・を有している。
【0089】
底面部5のベース板部26の上面26aには回路基板31が取り付けられている(図2及び図3参照)。回路基板31上にはそれぞれ所定の機能を有する複数の電子部品32、32、・・・が搭載されている。電子部品32、32、・・・は駆動時に熱を発生する熱源とされる。
【0090】
回路基板31の上面における後端部にはコネクター33、33、・・・が搭載されている。回路基板31の後端部には回路基板31から上方へ突出された状態で支持板金34が取り付けられ、支持板金34にはコネクター33、33、・・・が支持されている。コネクター33、33、・・・は支持壁部27に形成された配置孔27a、27a、・・・に配置されている。
【0091】
回路基板31上には略中央部にヒートシンク35が取り付けられている。ヒートシンク35は放熱性の高い金属材料、例えば、アルミニウム、銅、鉄、鉄に錫や銅のメッキを施した材料等によって形成され、上下方向を向く取付ベース36と取付ベース36から上方へ突出された複数のフィン37、37、・・・とを有している(図2、図3及び図11参照)。
【0092】
フィン37、37、・・・は左右に略等間隔に離隔して設けられ、少なくとも上方側の端部が垂直方向に対してそれぞれ所定の方向へ傾斜されている。取付ベース36の左右方向における中央を基準として、左側に位置するフィン37a、37a、・・・は左斜め上方へ向くように傾斜され、右側に位置するフィン37b、37b、・・・は右斜め上方へ向くように傾斜されている。
【0093】
左側に位置するフィン37a、37a、・・・は左方側に位置するに従って垂直方向に対する傾斜角度が大きくなるようにされ、右側に位置するフィン37b、37b、・・・は右方側に位置するに従って垂直方向に対する傾斜角度が大きくなるようにされている。
【0094】
取付ベース36の四隅の位置にはそれぞれ被取付片38、38、・・・・が取り付けられている。ヒートシンク35は被取付片38、38、・・・が回路基板31に半田付け等によって取り付けられることにより、回路基板31に取付ベース36が上面31aから上方に離隔した状態で配置される。従って、回路基板31にヒートシンク35が配置された状態においては、取付ベース36の下側に熱源となる一部の電子部品32、32、・・・が位置される。
【0095】
[外筐の結合構造]
天面部3とケース部4と底面部5が上記のように構成された状態において、天面部3とケース部4は、例えば、溶着等によって上下方向において結合される(図3参照)。天面部3とケース部4が結合された状態においては、天面部3の下面3bがケース部4の結合面部12における平面部22に面接触された状態とされ、天面部3のケース部4に対する位置決めが行われている。
【0096】
天面部3の外周部に形成された傾斜面6とケース部4の外周面部8の上端部に形成された斜面13との間には隙間が形成され、この隙間が外筐2の内部で温度が上昇される空気を外部へ放出する放熱孔39とされる。傾斜面6と斜面13はそれぞれ外方へ行くに従って上方へ変位するように傾斜されており、両者は略平行な状態で対向して位置されている。
【0097】
放熱孔39はケース部4に設けられた突出部15、15、・・・、18、18、・・・の内側の空間及び突出部15、15、・・・、18、18、・・・にそれぞれ形成された放出孔17a、17a、・・・、20a、20a、・・・を介してケース部4の内部における流体案内部23、23、・・・の下側の空間に連通されている。
【0098】
ケース部4と底面部5は、係止凹部4a、4a、・・・にそれぞれ係止突部26b、26b、・・・が係止されると共に結合軸部21、21、・・・と結合用突部30、30、・・・がそれぞれ上下で突き合わされてネジ止めされることにより結合される。ケース部4と底面部5が結合された状態においては、結合軸部21、21、・・・と結合用突部30、30、・・・がそれぞれ上下で突き合わされた状態とされ、ケース部4の底面部5に対する位置決めが行われている。
【0099】
底面部5の外周部に形成された傾斜面28とケース部4の外周面部8の下端部に形成された斜面14との間には隙間が形成され、この隙間が外筐2の内部に外部の空気を流入させる空気流入孔40とされる。傾斜面28と斜面14はそれぞれ外方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜されており、両者は略平行な状態で対向して位置されている。
【0100】
空気流入孔40は回路基板31が配置されている外筐2の内部空間41に連通されている。
【0101】
ケース部4と底面部5が結合された状態においては、ケース部4の突面部11、11間の開口11aに底面部5の支持壁部27が配置される。
【0102】
上記のように天面部3とケース部4と底面部5が結合され外筐2の内部に回路基板31及びヒートシンク35等が配置されて電子機器1が構成される。電子機器1においては、ヒートシンク35の上側にケース部4の流体案内部23、23、・・・が対向した状態で位置され、流体案内部23、23、・・・の第1の案内面部24、24、・・・と第2の案内面部25、25、・・・がそれぞれ放熱孔39を向く方向へ傾斜された状態とされている。また、ヒートシンク35のフィン37、37、・・・も放熱孔39を向く方向へ傾斜された状態とされている。
【0103】
さらに、流体案内部23、23、・・・の左側の第1の案内面部24、24、・・・の傾斜方向と第1の案内面部24、24、・・・の真下に位置されたヒートシンク35の左側のフィン36a、36a、・・・の傾斜方向とが同じ方向にされている。また、流体案内部23、23、・・・の右側の第2の案内面部25、25、・・・の傾斜方向と第2の案内面部25、25、・・・の真下に位置されたヒートシンク35の右側のフィン36b、36b、・・・の傾斜方向とが同じ方向にされている。
【0104】
このとき天面部3の傾斜面6とケース部4の斜面13とは傾斜方向における延長線上にヒートシンク35が存在する方向へ傾斜されており、底面部5の傾斜面28とケース部4の斜面14も傾斜方向における延長線上にヒートシンク35が存在する方向へ傾斜されている。
【0105】
尚、放熱孔39と空気流入孔40の直ぐ内側にはそれぞれ天面部3に設けられた突条部7と底面部5に設けられた突条部29とが設けられており、突条部7と突条部29によってそれぞれ放熱孔39と空気流入孔40からの塵埃の侵入が抑制される。
【0106】
[放熱動作]
上記のように構成された電子機器1において、回路基板31に搭載された電子部品32、32、・・・の駆動時には電子部品32、32、・・・が発熱し、電子部品32、32、・・・が発熱すると外筐2の内部空間41に存在する空気の温度が上昇して対流が生じる(図12参照)。
【0107】
内部空間41において対流が生じると、ケース部4と底面部5の間に形成された空気流入孔40から外部の空気が内部空間41に取り込まれる(矢印A、B参照)。内部空間41に取り込まれた空気は一部が突出部15、15、・・・の第1の案内壁部16、16、・・・及び突出部18、18、・・・の第1の案内壁部19、19、・・・に案内されてヒートシンク35側へ向かう(矢印C、D参照)。また、内部空間41に取り込まれた空気の他の一部は突出部15、15、・・・の第2の案内壁部17、17、・・・及び突出部18、18、・・・の第2の案内壁部20、20、・・・に案内されて上方へ向かう(矢印E参照)。
【0108】
このとき主にヒートシンク35の取付ベース36の下側に配置された電子部品32、32、・・・において発生した熱がヒートシンク35に伝達されて取付ベース36及びフィン37、37、・・・から放出される。
【0109】
ヒートシンク35のフィン37、37、・・・から放出された熱によって温度が上昇した空気は、フィン37、37、・・・がそれぞれ放熱孔39側へ傾斜されているため、放熱孔39に向かって流動されていく(矢印F参照)。また、内部空間41において温度が上昇した空気は、流体案内部23、23、・・・の第1の案内面部24、24、・・・と第2の案内面部25、25、・・・とがそれぞれ放熱孔39へ向かう方向へ傾斜されているため、第1の案内面部24、24、・・・と第2の案内面部25、25、・・・に案内されて放熱孔39に向かって流動されていく(矢印F参照)。
【0110】
このように内部空間41において温度が上昇した空気は、フィン37、37、・・・の傾斜方向及び第1の案内面部24、24、・・・と第2の案内面部25、25、・・・の傾斜方向に沿って放熱孔39へ向かい、放出孔17a、17a、・・・、20a、20a、・・・を介して放熱孔39から外部へ放出される(矢印G参照)。
【0111】
[まとめ]
以上に記載した通り、電子機器1にあっては、流体案内部23、23、・・・が放熱孔39を向く方向へ傾斜され、ヒートシンク35のフィン37、37、・・・が放熱孔39を向く方向へ傾斜されている。
【0112】
従って、冷却ファン等の強制対流を発生させるための部材を使用することなくヒートシンク35から放出された熱を外筐2から効率的に外部へ放出することができ、製造コストの高騰を来たすことなく放熱効率の向上を図ることができる。
【0113】
また、電子機器1にあっては、ケース部4の外周面部8と天面部3の間に放熱孔39が形成されているため、例えば、天面部3やケース部4に複数の放熱孔を形成する必要がなく、天面部3及びケース部4の構造の簡素化を確保した上で外筐2の内部からの空気の放出量を増加させて放熱性を高めることができる。
【0114】
さらに、電子機器1にあっては、ケース部4の外周面部8と底面部5の間に空気流入孔40が形成されているため、例えば、底面部5やケース部4に複数の空気流入孔を形成する必要がなく、底面部5及びケース部4の構造の簡素化を確保した上で外筐2の内部への空気の取込量を増加させて放熱性を高めることができる。
【0115】
尚、天面部3とケース部4の間に放熱孔を形成し、底面部5とケース部4の間に空気流入孔を形成することにより、放熱孔及び空気流入孔が外部から視認し難く、電子機器1のデザイン性の向上を図ることができる。
【0116】
また、電子機器1にあっては、ケース部4の外周面部8と底面部5の間に空気流入孔40が形成されているため、例えば、底面部5やケース部4に複数の空気流入孔を形成する必要がなく、底面部5及びケース部4の構造の簡素化を確保した上で外筐2の内部への空気の取込量を増加させて放熱性を高めることができる。
【0117】
さらに、電子機器1においては、ケース部4の外周面部8と天面部3の間の全周に放熱孔39が形成されているため、外筐2の内部からの空気の放出量が増加し、その分、放熱効率の向上を図ることができる。
【0118】
また、電子機器1においては、ケース部4の外周面部8と底面部5の間の全周に空気流入孔40が形成されているため、外筐2の内部への空気の取込量が増加し、その分、放熱効率の向上を図ることができる。
【0119】
さらにまた、天面部3の外周部に傾斜面6が形成され、傾斜面6に対向する位置にケース部4の斜面13が形成されているため、外筐2の内部で温度が上昇し上方へ流動する空気が傾斜面6及び斜面13に沿って流動され易く、外部へ放出される空気の流動性を高めて放熱効率の向上を図ることができる。
【0120】
加えて、底面部5の外周部に傾斜面28が形成され、傾斜面28に対向する位置にケース部4の斜面14が形成されているため、外筐2の内部へ向けて上方へ流動する空気が傾斜面28及び斜面14に沿って流動され易く、外筐2の内部へ流入される空気の流動性を高めて放熱効率の向上を図ることができる。
【0121】
また、外筐2には空気流入孔40から流入される空気をヒートシンク35へ向かう方向へ案内する第1の案内壁部16、16、・・・、19、19、・・・を設けているため、ヒートシンク35へ向けて流動される空気の量が増加し、一層の放熱性の向上を図ることができる。
【0122】
尚、第1の案内壁部16、16、・・・、19、19、・・・は突出部15、15、・・・、18、18、・・・の一部として外周面部8の内面に連続して設けられているため、放熱性の向上に加え、ケース部4の補強が行われケース部4の剛性を高めることができる。
【0123】
また、ヒートシンク35の複数のフィン37、37、・・・の傾斜角度が取付ベース36の中央部を基準として外周面部8に近付くに従って大きくされている。
【0124】
従って、フィン37、37、・・・の間隔が取付ベース36から離隔するに従って大きくなり、温度が上昇された空気のフィン37、37、・・・間での流動性が高まり、その分、放熱効率の向上を図ることができる。
【0125】
尚、ヒートシンク35においては、フィン37、37、・・・の少なくとも一つに、温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔37c、37c、・・・を形成してもよい(図13参照)。フィン37に空気流動孔37c、37c、・・・を形成することにより、温度が上昇された空気のフィン37、37、・・・間での流動性が一層高まり、放熱効率の一層の向上を図ることができる。
【0126】
また、ヒートシンク35の取付ベース36に温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔36a、36a、・・・を形成してもよい。取付ベース36に空気流動孔36a、36a、・・・を形成することにより、温度が上昇された空気のフィン37、37、・・・間での流動性がより一層高まり、放熱効率のより一層の向上を図ることができる。
【0127】
さらに、ヒートシンク35のフィン37の数は任意であり、例えば、図14に示すように、取付ベース36の両端部から突出された二つのフィン37、37を設けてもよい。この場合に、取付ベース36に温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔36a、36a、・・・を形成してもよい。取付ベース36に空気流動孔36a、36a、・・・を形成することにより、放熱効率の向上を図ることができる。また、図14に示すヒートシンク35は、取付ベース36の中央部に下方へ突出された突面部36bが設けられ、突面部36bが駆動時に発熱量が大きい電子部品32に近接して位置されている。従って、電子部品32において発生した熱のヒートシンク35に対する伝達効率が高く、放熱効率の一層の向上を図ることができる。
【0128】
[測定データー]
以下に、ヒートシンク35と流体案内部23の放熱効果について行った測定結果について説明する。以下に示す測定結果は、何れも27°Cの温度環境下において、電子部品32、32、・・・の駆動時の各部における温度を測定したものである。温度の測定は、外筐2の天板部3の中央と、ヒートシンクの真下に位置し信号処理を行う電子部品32の中央とについて行った。
【0129】
先ず、流体案内部23が設けられていない場合において、垂直方向に対して傾斜されたフィン37、37、・・・を有するヒートシンク35が配置された電子機器A(図15参照)と、垂直方向に延び傾斜されていないフィン37F、37F、・・・を有するヒートシンク35Fが配置された電子機器B(図16参照)とについて測定を行った。
【0130】
電子機器Aにおいては、外筐2の天板部3の中央の表面温度が45.1°Cであり、電子部品32の中央の表面温度が76.6°Cであった。
【0131】
電子機器Bにおいては、外筐2の天板部3の中央の表面温度が45.3°Cであり、電子部品32の中央の表面温度が78.2°Cであった。
【0132】
電子機器Aと電子機器Bを比較すると、電子部品32の中央の表面温度において電子機器Aの方が1.6°C低い値となり、ヒートシンク35を用いることにより放熱効率の向上が図られる結果が得られた。
【0133】
次に、流体案内部23が設けられている場合において、垂直方向に対して傾斜されたフィン37、37、・・・を有するヒートシンク35が配置された電子機器C(図17参照)と、垂直方向に延び傾斜されていないフィン37F、37F、・・・を有するヒートシンク35Fが配置された電子機器D(図18参照)とについて測定を行った。電子機器Cは本技術における電子機器1である。
【0134】
電子機器Cにおいては、外筐2の天板部3の中央の表面温度が40.0°Cであり、電子部品32の中央の表面温度が74.9°Cであった。
【0135】
電子機器Dにおいては、外筐2の天板部3の中央の表面温度が40.4°Cであり、電子部品32の中央の表面温度が76.2°Cであった。
【0136】
電子機器C(電子機器1)と電子機器Dを比較すると、電子部品32の中央の表面温度において電子機器Cの方が1.3°C低い値となり、ヒートシンク35を用いることにより放熱効率の向上が図られる結果が得られた。
【0137】
一方、電子機器Aと電子機器C(電子機器1)を比較すると、天板部3の中央の表面温度において電子機器Cの方が5.1°C低い値となり、電子部品32の中央の表面温度において電子機器Cの方が1.7°C低い値となった。また、電子機器Bと電子機器Dを比較すると、天板部3の中央の表面温度において電子機器Dの方が4.9°C低い値となり、電子部品32の中央の表面温度において電子機器Dの方が2.0°C低い値となった。
【0138】
従って、流体案内部23を設けることにより放熱効率の向上が図られる結果が得られた。
【0139】
以上の測定結果により、ヒートシンク35を用いることにより放熱効率の向上が図られることが解り、流体案内部23を設けることによっても放熱効率の向上が図られることが解った。従って、ヒートシンク35及び流体案内部23を有する電子機器1にあっては、ヒートシンク35及び流体案内部23によって相乗的に大幅に放熱効率の向上が図られることが証明された。
【0140】
[本技術]
本技術は、以下のような構成にすることができる。
【0141】
(1)外部の空気を内部空間に流入させる空気流入孔と内部空間において温度が上昇した空気を外部へ放出する放熱孔とが形成された外筐と、前記外筐の内部空間に配置され駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板に取り付けられた取付ベースと前記取付ベースから突出された複数のフィンとを有するヒートシンクとを備え、前記外筐に前記ヒートシンクの複数のフィンに対向して位置され前記温度が上昇した空気を案内する流体案内部が設けられ、前記流体案内部が前記放熱孔を向く方向へ傾斜され、前記複数のフィンが前記放熱孔を向く方向へ傾斜された電子機器。
【0142】
(2)前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外周面部と前記天面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記放熱孔とされた前記(1)に記載の電子機器。
【0143】
(3)前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外周面部と前記底面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記空気流入孔とされた前記(1)又は前記(2)に記載の電子機器。
【0144】
(4)前記放熱孔が前記外周面部と前記天面部の間の全周に形成された前記(2)又は前記(3)に記載の電子機器。
【0145】
(5)前記空気流入孔が前記外周面部と前記底面部の間の全周に形成された前記(2)から前記(4)の何れかに記載の電子機器。
【0146】
(6)前記天面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記底面部から離隔する傾斜面に形成した前記(2)から前記(5)の何れかに記載の電子機器。
【0147】
(7)前記外周面部の前記天面部に対向する面を前記天面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成した前記(2)から前記(6)の何れかに記載の電子機器。
【0148】
(8)前記底面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記天面部から離隔する傾斜面に形成した前記(2)から前記(7)の何れかに記載の電子機器。
【0149】
(9)前記外周面部の前記底面部に対向する面を前記底面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成した前記(2)から前記(8)の何れかに記載の電子機器。
【0150】
(10)前記外筐に前記空気流入孔から流入される空気を前記ヒートシンクへ向かう方向へ案内する案内壁部を設けた前記(1)から前記(9)の何れかに記載の電子機器。
【0151】
(11)前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、前記外筐に前記案内壁部を有し前記外周面部の内面から突出された突出部を設けた前記(10)に記載の電子機器。
【0152】
(12)前記ヒートシンクの複数のフィンの傾斜角度が前記取付ベースの中央部を基準として前記外周面部に近付くに従って大きくされた前記(1)から前記(11)の何れかに記載の電子機器。
【0153】
(13)前記ヒートシンクの複数のフィンの少なくとも一つに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成した前記(1)から前記(12)の何れかに記載の電子機器。
【0154】
(14)前記ヒートシンクの取付ベースに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成した前記(1)から前記(13)の何れかに記載の電子機器。
【0155】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本技術を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】図2乃至図18と共に本技術を実施するための最良の形態を示すものであり、本図は、電子機器の斜視図である。
【図2】電子機器の分解斜視図である。
【図3】電子機器の断面図である。
【図4】天面部の底面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】ケース部の底面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図6のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】底面部の平面図である。
【図11】ヒートシンクの拡大斜視図である。
【図12】空気の流路を示す断面図である。
【図13】空気流動孔が形成されたヒートシンクの拡大斜視図である。
【図14】二つのフィンが設けられたヒートシンクが配置された例を示す電子機器の断面図である。
【図15】図16乃至図18と共にヒートシンクと流体案内部の放熱効果について行った測定に用いられた電子機器を示すものであり、本図は、流体案内部が設けられておらずフィンが傾斜されたヒートシンクが用いられた電子機器を示す概念図である。
【図16】流体案内部が設けられておらずフィンが傾斜されていないヒートシンクが用いられた電子機器を示す概念図である。
【図17】流体案内部が設けられておりフィンが傾斜されたヒートシンクが用いられた電子機器を示す概念図である。
【図18】流体案内部が設けられておりフィンが傾斜されていないヒートシンクが用いられた電子機器を示す概念図である。
【符号の説明】
【0157】
1…電子機器、2…外筐、3…天面部、4…ケース部、5…底面部、6…傾斜面、8…外周面部、13…斜面、14…斜面、16…第1の案内壁部、18…突出部、19…第1の案内壁部、23…流体案内部、28…傾斜面、31…回路基板、32…電子部品、35…ヒートシンク、36…取付ベース、37…フィン、37a…フィン、37b…フィン、39…放熱孔、40…空気流入孔、41…内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の空気を内部空間に流入させる空気流入孔と内部空間において温度が上昇した空気を外部へ放出する放熱孔とが形成された外筐と、
前記外筐の内部空間に配置され駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、
前記回路基板に取り付けられた取付ベースと前記取付ベースから突出された複数のフィンとを有するヒートシンクとを備え、
前記外筐に前記ヒートシンクの複数のフィンに対向して位置され前記温度が上昇した空気を案内する流体案内部が設けられ、
前記流体案内部が前記放熱孔を向く方向へ傾斜され、
前記複数のフィンが前記放熱孔を向く方向へ傾斜された
電子機器。
【請求項2】
前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、
前記外周面部と前記天面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記放熱孔とされた
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、
前記外周面部と前記底面部の間に隙間が形成され前記隙間が前記空気流入孔とされた
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記放熱孔が前記外周面部と前記天面部の間の全周に形成された
請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記空気流入孔が前記外周面部と前記底面部の間の全周に形成された
請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記天面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記底面部から離隔する傾斜面に形成した
請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記外周面部の前記天面部に対向する面を前記天面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成した
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記底面部の外周部における前記外周面部に対向して位置する面を外周に近付くに従って前記天面部から離隔する傾斜面に形成した
請求項3に記載の電子機器。
【請求項9】
前記外周面部の前記底面部に対向する面を前記底面部の傾斜面に沿う方向に傾斜された斜面に形成した
請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記外筐に前記空気流入孔から流入される空気を前記ヒートシンクへ向かう方向へ案内する案内壁部を設けた
請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】
前記外筐が、外周面部を有するケース部と、前記外周面部の一方の開口側から前記外周面部に取り付けられる天面部と、前記外周面部の他方の開口側から前記外周面部に取り付けられる底面部とを備え、
前記外筐に前記案内壁部を有し前記外周面部の内面から突出された突出部を設けた
請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記ヒートシンクの複数のフィンの傾斜角度が前記取付ベースの中央部を基準として前記外周面部に近付くに従って大きくされた
請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】
前記ヒートシンクの複数のフィンの少なくとも一つに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成した
請求項1に記載の電子機器。
【請求項14】
前記ヒートシンクの取付ベースに温度が上昇した空気を流動させる空気流動孔を形成した
請求項1に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−51294(P2013−51294A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187929(P2011−187929)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】