説明

電子機器

【課題】電子機器において、外観をシンプルにすると共に、挿抜自在なケーブルの抜けを十分に防止する。
【解決手段】筐体本体と、ケーブル101が挿入されるケーブル挿入口を覆うように筐体本体に対し着脱可能に配置される筐体蓋部12と、を有する筐体と、筐体の内部に配置され、筐体に対し固定されたケーブル押さえ具20と、を備え、筐体蓋部12には、ケーブル101が挿入される凹部12a,12bが形成され、ケーブル押さえ具20には、ケーブル101が挿入される切り欠き部21a,22aが形成され、凹部12a,12bと切り欠き部21a,21bとは、ケーブル101の長手方向から見て対向して位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記述された実施形態は、ケーブルが挿入される電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機器に挿入されるケーブルの抜けを防止する装置として、ケーブルが挿入される係合板と、この係合板の両端から帯状に延び機器に連結される面ファスナーとを備える装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、機器のケースの側面に取り付けられたコネクタ座と、このコネクタ座に接続されるコネクタとの抜けを防止し、嵌合により配置される抜け防止具が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【0004】
また、機器のケース内部に取り付けられたコネクタ座と、このコネクタ座に接続されるコネクタとの抜けを防止し、機器のケースに嵌合により配置される蓋体である抜け防止具が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
また、電子機器の表面に配置され、コネクタを係止する位置とコネクタを挿抜可能に開放する位置とにスライド自在な抜け防止具が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−253164号公報
【特許文献2】特開2006−210291号公報
【特許文献3】特開2006−120451号公報
【特許文献4】特開2006−139962号公報
【特許文献5】特開2009−259432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載されているように面ファスナー又は嵌合により配置される抜け防止具は、抜け防止具自体が外れやすいため、その分、ケーブルも抜けやすい。なお、ケーブルを完全に固定してケーブルの抜けを防止するのは、ケーブルの挿抜に手間がかかる。
【0008】
また、上記特許文献1〜3及び5に記載されるように機器の表面に配置される抜け防止具は、機器の表面から突出するため、外観を損ねる。
本発明の目的は、外観をシンプルにすることができると共に、挿抜自在なケーブルの抜けを十分に防止することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示する電子機器は、筐体本体と、ケーブルが挿入されるケーブル挿入口を覆うように上記筐体本体に対し着脱可能に配置される筐体蓋部と、を有する筐体と、この筐体の内部に配置され、この筐体に対し固定されたケーブル押さえ具と、を備え、上記筐体蓋部には、上記ケーブルが挿入される凹部が形成され、上記ケーブル押さえ具には、上記ケーブルが挿入される切り欠き部が形成され、上記凹部と上記切り欠き部は、上記ケーブルの長手方向から見て対向して位置する。
【発明の効果】
【0010】
本明細書で開示する電子機器によれば、外観をシンプルにすることができると共に、挿抜自在なケーブルの抜けを十分に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施の形態に係る電子機器を示す平面図である。
【図2】一実施の形態に係る電子機器を底面側から示す斜視図である。
【図3】一実施の形態に係る電子機器の内部構造を底面側から示す斜視図である。
【図4】一実施の形態に係る電子機器のケーブル抜去後の内部構造を底面側から示す斜視図である。
【図5】一実施の形態に係る電子機器のケーブル押さえ具を取り外した状態の内部構造を底面側から示す斜視図である。
【図6】一実施の形態におけるケーブル押さえ具を示す平面図である。
【図7】一実施の形態におけるケーブル押さえ具を示す側面図である。
【図8】一実施の形態におけるケーブル押さえ具を示す斜視図である。
【図9A】一実施の形態におけるケーブルの挿入方法を説明するための断面図(その1)である。
【図9B】一実施の形態におけるケーブルの挿入方法を説明するための断面図(その2)である。
【図9C】一実施の形態におけるケーブルの挿入方法を説明するための断面図(その3)である。
【図9D】一実施の形態におけるケーブルの挿入方法を説明するための断面図(その4)である。
【図10】図9A〜図9Dの合成図である。
【図11】一実施の形態における挿入後のケーブルを示す平面図である。
【図12】他の実施の形態におけるケーブル押さえ具を示す平面図である。
【図13】他の実施の形態におけるケーブル押さえ具を示す側面図である。
【図14】他の実施の形態におけるケーブル押さえ具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態に係る電子機器について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施の形態に係る電子機器1を示す平面図である。
図2は、電子機器1を底面側から示す斜視図である。
【0013】
図3は、電子機器1の内部構造を底面側から示す斜視図である。
図4は、電子機器1のケーブル101,102抜去後の内部構造を底面側から示す斜視図である。
【0014】
図5は、電子機器1のケーブル押さえ具20を取り外した状態の内部構造を底面側から示す斜視図である。
図6、図7、及び図8は、一実施の形態におけるケーブル押さえ具20を示す平面図、側面図、及び斜視図である。
【0015】
電子機器1は、筐体10と、ケーブル押さえ具20と、静脈センサ30と、磁気カードリーダ40と、ICカードリーダ50と、テンキーユニット60と、覗き見防止フード70と、指先ガイド部80と、ケーブル挿入口91,92と、を備える。
【0016】
電子機器1は、ケーブル101,102が挿抜される電子機器であればよいが、例えば、卓上端末として銀行の窓口等に配置される認証装置である。静脈センサ30、磁気カードリーダ40、ICカードリーダ50、及びテンキーユニット60は、認証手段の一例である。
【0017】
なお、ケーブル101,102は、例えば制御端末に接続された信号用及び電源用のケーブルである。本実施の形態では、2本のケーブル101,102を例に説明するが、ケーブルの数は1本であっても3本以上であってもよい。
【0018】
図2に示すように、筐体10は、筐体本体11と、筐体蓋部12とを有する。この筐体蓋部12は、ケーブル101,102が挿入される図4及び図5に示すケーブル挿入口91,92を覆うように筐体本体11に対し着脱可能に配置される。
【0019】
筐体本体11の背面には、外部からの信号を受送信するケーブル101,102を接続するためのケーブル挿入口91,92が設けられている。また、筐体本体11の背面から底面にかけてケーブル接続用の開口部が形成され、この開口部に筐体蓋部12が配置される。筐体蓋部12で覆われる筐体10の内部には、ケーブル挿入口91,92が設けられている。このケーブル挿入口91,92には、筐体本体11の背面に対して垂直方向にケーブルが接続される。
【0020】
筐体蓋部12は、断面がL字形状を成し、筐体本体11の背面に嵌合する面(ケーブル挿入口91、92に対向した面)には、ケーブル101が挿入される凹部12a,12bが設けられている。筐体蓋部12が筐体本体11に装着された状態で、筐体10の内部には、ケーブル101,102の接続部101a,102aの少なくとも先端が収容される。
【0021】
筐体蓋部12のうち筐体本体11の底面に嵌合する面には、筐体本体11の凹部11aと嵌合する嵌合凸部12cが形成されている。
なお、本実施の形態では、ケーブル挿入口91,92が背面に設けられているが、これに限定されるものではなく、ケーブル挿入口91,92が他の面に設けられるようにしてもよい。
【0022】
また、ケーブル接続用の筐体本体11の開口部も、背面から底面にかけて開口しているが、背面のみに開口してもよい。筐体蓋部12も、L字形状としているがこれに限定されるものではなく、例えば、筐体蓋部12は、平板状や他の形状であってもよい。
【0023】
静脈センサ30は、表面のパネル部分が図1の平面視において正方形状を呈し、人の手のひらの静脈を検知する。
磁気カードリーダ40は、筐体10の右側面から突出するように設けられている。磁気カードリーダ40は、スリット状のカード挿入口41に挿入される磁気カードの磁気情報を読み取る。
【0024】
ICカードリーダ50は、筐体10の正面側に設けられている。ICカードリーダ50は、挿入されるICカードの情報を読み取る。
テンキーユニット60は、筐体10の上面のうち正面側に設けられている。テンキーユニット60は、例えば、暗証番号やID情報の入力に用いられる。
【0025】
覗き見防止フード70は、手首ガイド部71と、左側面部72と、右側面部73とを有する。これら手首ガイド部71、左側面部72、及び右側面部73は、一体に形成されて筐体10の上面に立設されている。
【0026】
手首ガイド部71は、静脈センサ30の検知性能を高めるべく、手首をガイドすることで静脈センサ30と手のひらとの間隔を一定に保つ。
左側面部72及び右側面部73は、テンキーユニット60の覗き見を防止するべく、テンキーユニット60を挟んで対向するように配置されている。
【0027】
指先ガイド部80は、筐体10の上面のうち背面側の端部において立設されている。指先ガイド部80は、上述の手首ガイド部71と同様に、静脈センサ30の検知性能を高めるべく、手の指先をガイドすることで静脈センサ30と手のひらとの間隔を一定に保つ。
【0028】
図2〜図5に示すように、ケーブル押さえ具20は、筐体10の背面側の内部に配置され、図6に示す連結部23に形成された例えば複数の固定用孔23aにおいて、筐体10に対し固定されている。
【0029】
図6〜図8に示すように、ケーブル押さえ具20は、第1の押さえ部21と、第2の押さえ部22と、連結部23とを有する。第1の押さえ部21と第2の押さえ部22とは互いに平行な板状を呈する。また、第1の押さえ部21及び第2の押さえ部22、並びにこれらを連結する連結部23は、略U字板状を構成するように設けられている。
【0030】
第1の押さえ部21は、先端側である機器内部側においてケーブル101,102を押さえ、第2の押さえ部22は、第1の押さえ部21が押さえるのと同一のケーブル101,102を機器外部側において押さえる。
【0031】
第1の押さえ部21及び第2の押さえ部22には、筐体蓋部12の例えば底面内面に対向しケーブル101,102が挿入される切り欠き部21a,21b,22a,22bが2つずつ形成されている。切り欠き部21a,21b,22a,22bは、ケーブル101の長手方向から見ると、筐体蓋部12の凹部12a,12bと対向して位置する。
【0032】
第1の押さえ部21の一方の切り欠き部21aと第2の押さえ部22の一方の切り欠き部22aには、一方のケーブル101が挿入され、第1の押さえ部21の他方の切り欠き部21bと第2の押さえ部22の他方の切り欠き部22bには、他方のケーブル102が挿入される。
【0033】
図6に示すように、第1の押さえ部21の切り欠き部21aの幅W1は、接続部101aの幅W4と同等か、接続部101aが左右に振れない程度に接続部101aの幅W4よりも広くなっている(W1≧W4)。また、第2の押さえ部22の切り欠き部22aの幅W2は、第1の押さえ部21の切り欠き部21aの幅W1よりも狭い(W1>W2で、ケーブル101の幅W3よりは広い)。そして、ケーブル101の接続部101aの幅W4が最大となる部分が、切り欠き部21aの幅W1より狭く、切り欠き部22aの幅W2よりも広い。このように、幅の広い方から順に、切り欠き部21aの幅W1、接続部101aの幅W4、切り欠き部22aの幅W2、ケーブル101の幅W3という大小関係が成り立つ(W1≧W4>W2>W3)。
【0034】
そのため、図6に示す場合に、第2の押さえ具22によって、接続部101aの幅W4が最大となる部分においてケーブル101の抜けを防止することができる。なお、他方の切り欠き部21b,22bの関係も同様である。
【0035】
図7に示すように、第2の押さえ部22の長さL2(連結部23から先端である上端部22cまでの長さ)は、第1の押さえ部21の長さL1(連結部23から先端である上端部21dまでの長さ)よりも長い。そのため、切り欠き部21a,21b,22a,22bが形成される部分(本実施の形態では上端21c,22c)と、筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12d,12eとのケーブル101の長手方向から見た間隔L11,L12では、第1の押さえ部21の間隔L11は、第2の押さえ部22の間隔L12よりも大きい(L11>L12)。
【0036】
また、切り欠き部21a,21b,22a,22bの底部21d,21e,22d,22eと、筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12d,12eとのケーブル101の長手方向から見た間隔L21,L22では、第1の押さえ部21の間隔L21は、第2の押さえ部22の間隔L22よりも大きい(L21>L22)。第2の押さえ部22の切り欠き部22a,22bの底部22d,22eと、筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12c,12dとのケーブル101の長手方向から見た間隔L22の隙間により、ケーブル101が上下に可動することを防止し、ケーブル101を保持することができる。
【0037】
図9A〜図9Dは、ケーブル101の挿入方法を説明するための断面図である。
図10は、図9A〜図9Dの合成図である。
図11は、挿入後のケーブル101を示す平面図である。
【0038】
なお、図9A〜図10において、第1の押さえ部21の切り欠き部21a及び第2の押さえ部22の切り欠き部22aは、底部の位置が同一高さであり、図7に示すような筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12d,12eとの間隔差(L21>L22)がないように図示しているが、上述のように間隔差(L21>L22)を生じさせることが望ましい。
【0039】
まず、図9Aに示す第1の位置(P1)のケーブル101は、ケーブル挿入口91よりも上方から斜めにケーブル挿入口91へ接近している。
次に、図9Bに示す第2の位置(P2)のケーブル101は、第1の位置(P1)よりも傾斜が緩やかな状態で、ケーブル挿入口91への挿入が開始される。
【0040】
そして、図9Cに示す第3の位置(P3)のケーブル101は、ケーブル挿入口91に挿入されながら徐々に傾斜が緩やかになり、図9Dに示す第4の位置(P4)のケーブル101は、傾斜がなくなった状態でケーブル挿入口91に完全に挿入される。
【0041】
ケーブル挿入口91に完全に挿入されたケーブル101は、例えば、図11に示すようにケーブル101の接続部101aの幅W4(図6参照)が第2の押さえ部22の切り欠き部22aの幅W2(図6参照)よりも大きいこと、或いは、切り欠き部21a,21b,22a,22bに嵌め込まれることによって、抜けが防止される。更には、図2に示す筐体蓋部12が筐体本体11に対し装着されることで、筐体蓋部12の切り欠き部21a,21b,22a,22bに対向する部分(例えば、筐体本体11の底面内面)或いは凹部12aによっても保持され、抜けが防止される。
【0042】
以上説明した本実施の形態では、ケーブル押さえ具20は、筐体10の内部に配置され、筐体10に対し固定されている。また、ケーブル押さえ具20には、ケーブル101,102が挿入される切り欠き部21a,21b,22a,22bが形成され、筐体蓋部12には、ケーブル101,102が挿入される凹部12a,12bが形成されている。そして、ケーブル押さえ具20の切り欠き部21a,21b,22a,22bと筐体蓋部12の凹部12a,12bは、ケーブル101,102の長手方向から見て対向して位置する。
【0043】
このようにケーブル押さえ具20が筐体10の内部に配置されることで、ケーブル押さえ具20が筐体10の外側に配置される場合に比較して外観がシンプルになる。また、ケーブル押さえ具20が、筐体10に対し固定され、ケーブル押さえ具20に、ケーブル101,102の長手方向から見て筐体蓋部12の凹部12a,12bに対向し、ケーブル101,102が挿入される切り欠き部21a,21b,22a,22bが形成されていることで、筐体蓋部12をワンタッチで取り外すことにより、ケーブル101,102をケーブル挿入口91,92へ容易に接続が可能となり、また、ケーブル101,102を接続後、筐体蓋部12をワンタッチで嵌合させることにより、ケーブルが引っ張られた時でも、固定されたケーブル押さえ具20、切り欠き部21a,21b,22a,22b、筐体蓋部12等によってケーブル101,102が抜けるのが十分に防止される。
【0044】
よって、本実施の形態によれば、外観をシンプルにすることができると共に、挿抜自在なケーブル101,102の抜けを十分に防止することができる。また、ケーブル101,102の挿抜の際にドライバー等の工具を使用することなく、容易に挿抜が可能となる。
【0045】
また、本実施の形態では、ケーブル先端側である機器内部側においてケーブル101,102を押さえる第1の押さえ部21、及び機器外部側においてケーブル101,102を押さえる第2の押さえ部22に対し、上記の切り欠き部21a,21b,22a,22bが形成されている。そのため、第1の押さえ部21及び第2の押さえ部22の両方によって、ケーブル101,102の抜けをより一層防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、切り欠き部21a,21b,22a,22bが形成される部分(本実施の形態では上端21d,22d)と筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12d,12eとの間隔L11,L12では、第1の押さえ部21の間隔L11は、第2の押さえ部22の間隔L12よりも大きい(L11>L12)。そのため、ケーブル101,102とケーブル押さえ具20との干渉を回避するようにケーブル101,102をケーブル挿入口91,92に傾斜させて挿入し、その後、ケーブル101,102を切り欠き部21a,21b,22a,22bに挿入することができ、ケーブル101,102の抜けをより一層防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、切り欠き部21a,21b,22a,22bの底部21e,22eと筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12d,12eとの間隔L21,L22では、第1の押さえ部21の間隔L21は、第2の押さえ部22の間隔L22よりも大きい(L21>L22)。そのため、この構成によっても、ケーブル101,102とケーブル押さえ具20との干渉を回避するようにケーブル101,102をケーブル挿入口91,92に傾斜させて挿入し、その後、ケーブル101,102を切り欠き部21a,21b,22a,22bに挿入することができ、ケーブル101,102の抜けをより一層防止することができる。
【0048】
また、本実施の形態では、第2の押さえ部22の切り欠き部22a,22bの幅W2は、第1の押さえ部21の切り欠き部21a,21bの幅W1よりも狭い(W1>W2)。そして、ケーブル101の接続部101aの幅W4が最大となる部分が、切り欠き部21a,21bの幅W1より狭く、切り欠き部22a,22bの幅W2よりも広い。そのため、図6に示すように、第1の押さえ具21及び第2の押さえ具22によって、ケーブル101の接続部101aの幅W4が最大となる部分においてケーブル101の抜けを防止することができ、ケーブル101,102の抜けをより一層防止することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、第1の押さえ部21及び第2の押さえ部22は、互いに平行な板状を呈する。そのため、ケーブル押さえ具20ひいては電子機器1を簡素な構成とすることができる。
【0050】
また、本実施の形態では、第1の押さえ部21と第2の押さえ部22と連結部23とは、略U字板状を構成するように設けられている。そのため、この構成によっても、ケーブル押さえ具20ひいては電子機器1を簡素な構成とすることができる。
【0051】
図12、図13、及び図14は、他の実施の形態におけるケーブル押さえ具200を示す平面図、側面図、及び斜視図である。
本実施の形態では、ケーブル押さえ具200が上述の一実施の形態のケーブル押さえ具20のように略U字形状を呈するのではなく、略L字形状を呈する。そのため、板状の押さえ部201は、第1の押さえ部21に相当する部分が省略され、1つのみ配置されている。その他の点は、上述の一実施の形態と同様であるため、相違点のみについて説明する。
【0052】
ケーブル押さえ具200は、ケーブル101を押さえる押さえ部201と、図5等に示す筐体10の内部に固定される固定用板202とを有する。
押さえ部201には、上述の第1の押さえ部21及び第2の押さえ部22と同様に、切り欠き部201a,201bが形成されている。
【0053】
固定用板202は、例えば複数の図12に示す固定用孔202aにおいて、筐体10に対し固定される。
本実施形態においても、ケーブル101は、傾斜した状態で、図4及び図5に示すケーブル挿入口91へ挿入されて、例えば、ケーブル101の接続部101aの幅W4が最大でない部分において、切り欠き部201aに嵌め込まれる。図12に示すように、切り欠き部201aの幅W5は、ケーブル101の接続部101aの幅W4よりも狭い(W5<W4)が、ケーブル101の接続部101aの最大幅W4と同等にして切り欠き部201aに接続部101aの最大幅部分(幅W4)が嵌め込まれるようにしてもよい(W5=W4)。なお、切り欠き部201aの幅W5は、ケーブル101の幅W3よりは広い(W5>W3)。そのため、押さえ具201によって、接続部101aの幅W4が最大となる部分においてケーブル101の抜けを防止することができる。なお、他方の切り欠き部201bの関係も同様である。
【0054】
図13に示すように、押さえ部201は、切り欠き部201a,201bの底部201c,201dにおいて、筐体蓋部12の凹部12a,12bの底部12c,12dと協働してケーブル101の接続部101aを保持する。そのため、ケーブル101とケーブル押さえ具200との干渉をより一層防ぐことができる。
【0055】
以上説明した他の実施の形態においても、上述の一実施の形態と同様に、ケーブル押さえ具200は、筐体10の内部に配置され、筐体10に対し固定されている。また、ケーブル押さえ具200には、筐体蓋部12に対向しケーブル101,102が挿入される切り欠き部201a,201bが形成される。
【0056】
よって、本実施の形態によっても、上述の一実施の形態と同様に、外観をシンプルにすることができると共に、挿抜自在なケーブル101,102の抜けを十分に防止することができる。また、ケーブル101の挿抜の際にドライバー等の工具を使用することなく、挿抜が可能となる。
【0057】
また、本実施の形態では、ケーブル押さえ具200は、略L字板状を呈する。そのため、ケーブル押さえ具20ひいては電子機器1を簡素な構成とすることができる。更には、ケーブル101,102とケーブル押さえ具200との干渉を上述の一実施の形態よりも回避することができ、ケーブル101,102をケーブル挿入口91,92に傾斜させて挿入し、その後、ケーブル101,102を切り欠き部201a,201bに挿入することができ、ケーブル101,102の抜けをより一層防止することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 電子機器
10 筐体
11 筐体本体
11a 嵌合凹部
12 筐体蓋部
12a,12b 凹部
12c 嵌合凸部
12d,12e 底部
20 ケーブル押さえ具
21 第1の押さえ部
21a,21b 切り欠き部
21c 上端
21d,21e 底部
22 第2の押さえ部
22a,22b 切り欠き部
22c 上端
22d,22e 底部
23 連結部
23a 固定用孔
30 静脈センサ
40 磁気カードリーダ
41 カード挿入口
50 ICカードリーダ
60 テンキーユニット
70 覗き見防止フード
71 手首ガイド部
72 左側面部
73 右側面部
80 指先ガイド部
91,92 ケーブル挿入口
101,102 ケーブル
101a,102a 接続部
200 ケーブル押さえ具
201 ケーブル押さえ部
202 固定用板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体本体と、ケーブルが挿入されるケーブル挿入口を覆うように前記筐体本体に対し着脱可能に配置される筐体蓋部と、を有する筐体と、
前記筐体の内部に配置され、該筐体に対し固定されたケーブル押さえ具と、を備え、
前記筐体蓋部には、前記ケーブルが挿入される凹部が形成され、
前記ケーブル押さえ具には、前記ケーブルが挿入される切り欠き部が形成され、
前記凹部と前記切り欠き部は、前記ケーブルの長手方向から見て対向して位置する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記ケーブル押さえ具は、同一の前記ケーブルを、ケーブル先端側である機器内部側において押さえる第1の押さえ部及び機器外部側において押さえる第2の押さえ部を有し、
前記切り欠き部は、前記第1の押さえ部及び前記第2の押さえ部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の押さえ部は、前記第2の押さえ部よりも、前記切り欠き部が形成される部分と前記筐体蓋部の前記凹部の底部との前記ケーブルの長手方向から見た間隔が大きいことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1の押さえ部は、前記第2の押さえ部よりも、前記切り欠き部の底部と前記筐体蓋部の前記凹部の底部との前記ケーブルの長手方向から見た間隔が大きいことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の押さえ部は、前記第1の押さえ部よりも、前記切り欠き部の幅が狭いことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1の押さえ部及び前記第2の押さえ部は、互いに平行な板状を呈することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項記載の電子機器。
【請求項7】
前記ケーブル押さえ具は、前記第1の押さえ部と前記第2の押さえ部とを連結する連結部を更に有し、
前記第1の押さえ部と前記第2の押さえ部と前記連結部とは、略U字板状を構成するように設けられている、
ことを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記ケーブル押さえ具は、前記ケーブルを押さえる押さえ部を有し、
前記切り欠き部は、前記押さえ部に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項9】
前記押さえ部の前記切り欠き部の幅は、前記ケーブルの接続部の幅よりも狭く、
前記切り欠き部には、前記ケーブルの前記接続部が嵌め込まれることを特徴とする請求項8記載の電子機器。
【請求項10】
前記押さえ部は、前記切り欠き部の底部において、前記筐体蓋部の前記凹部の底部と協働して前記ケーブルの接続部を保持していることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の電子機器。
【請求項11】
前記ケーブル押さえ具は、略L字板状を呈することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−69513(P2013−69513A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206644(P2011−206644)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】