説明

電子筆記システム

【課題】電子ペーパーのバッテリを不要とすることで、紙のような筆記媒体の使い勝手に近い薄さや軽さを実現した電子筆記システムを提供すること。
【解決手段】電子ペーパー101は、色情報に対応した色表示をする電子ペーパー画素107と、電子ペーパー画素に色表示させる色情報を受信する無線通信部105と、色情報に対応した色表示を電子ペーパー画素に行わせる電子ペーパー駆動部106と、を具備する画素ユニット102を電気配線上独立して各画素毎にそれぞれ備えるように構築されており、電子ペン201は、色情報を送信する無線通信部205を備えることにより、電子ペーパーの各画素ユニットにおいて、無線通信部が電子ペンの無線通信部から送信される色情報を受信し、電子ペーパー駆動部が受信した色情報に対応した色表示を電子ペーパー画素に行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給時に表示させた画像を電力供給停止後においても保持可能なシート状の画像表示メディアである電子ペーパーと、該電子ペーパーをなぞることで描画および画像読取を行う電子ペンとを備える電子筆記システムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下に、電子筆記システムの背景技術を説明する。
近年の技術として、紙のように薄くフレキシブルである電子ペーパーが知られている。電子ペーパーは、表示させる画像を何度も書き換えることができ、表示中に消費電力が不要であり、紙と同じように反射光を利用して表示を行うため視野角が広く、直射日光に当たっても見易く目に対する負担が少ない、という利点を有している。
【0003】
この電子ペーパーには、例えば、iMPROV electronics社製の商品名:Boogie Boardのように、感圧式座標入力装置を重ねたディスプレイを備える電子筆記システムが製品化されている。例えば、図8(a)に示すように、この種の電子筆記システム810は、バッテリ811の電力により、電子回路812を駆動させて、スタイラス813でディスプレイ814をなぞった筆跡の座標データを感圧式座標入力装置により取得し、電子ペーパーで表示することができる。
【0004】
また、例えば、ペンテル社製の商品名:airpenのように、超音波を利用した電子筆記システムも製品化されている。例えば、図8(b)に示すように、この種の電子筆記システム820は、バッテリ821および超音波発信回路822を内蔵する電子ペン823と、バッテリ826および超音波受信回路827を内蔵するバインダー828と、で構成されており、バインダー828内における電子ペン823の相対位置を検出し、バインダー828上に置いた紙829に電子ペン823で書いた筆跡を電子化された画像情報として記録(記憶保持)することができる。
【0005】
また、例えば、Anote社のAnote Degital Penのように、電子ペンに内蔵されたカメラで専用用紙に印刷された非周期なドットパターンを読み取ることで、その専用用紙における位置を判別可能にする電子筆記システムも製品化されている。図示することは省略するが、この種の電子筆記システムは、その専用用紙にインクで文字や図形を書き込んでいる電子ペンの位置をドットパターンにより検出して、電子ペンの移動経路を電子化された筆跡(画像情報)として記憶保持することができる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図8(a)に示す電子筆記システム810にあっては、スタイラス813でディスプレイ814をなぞった軌跡を検出する感圧式座標入力装置を駆動させる、また、電子ペーパーの画像を書き換えるなどの処理を実行するために、電子回路812を駆動させるバッテリ811が必要である。このことから、文字や図形を書き込むだけの紙とペンの組み合わせのような筆記道具(システム)に近い使い勝手を実現することは難しい。
【0008】
また、図8(b)に示す電子筆記システム820にあっては、通常の紙829にインクで書き込むため、電子ペーパーのように一度書いた文字や図形を完全に消して繰り返し使用することが出来ない。また、電子ペン823以外にも、バッテリ826および超音波受信回路827を内蔵するバインダー828が必要であることから、紙とペンの組み合わせのような筆記道具に近い携帯性を備えることは難しい。
【0009】
また、上記特許文献1に記載のような電子筆記システムにあっては、非周期なドットパターンが印刷された専用用紙にインクで文字や図形を書き込むため、電子ペーパーのように一度書いた文字や図形を完全に消して繰り返し使用することが出来ない。
そこで、本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子ペーパーのバッテリを不要とすることで、紙のような筆記媒体の使い勝手に近い薄さや軽さを実現するとともに、その電子ペーパーの特徴である、一度書いた文字や図形を完全に消して繰り返し使用することができる特徴を確保しつつ、書き込んだ文字や図形を電子化された画像情報として記録できる、電子筆記システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する電子筆記システムの発明の第1の態様は、同一の基材上に配置された複数の画素において色表示をそれぞれ行う電子ペーパーと、該電子ペーパーをなぞることで描画する電子ペン、で構成された電子筆記システムであって、前記各画素が、電気配線上独立した画素ユニットをそれぞれ有しており、前記各画素ユニットが、自己の画素ユニットに該当する色情報を受信する独立した画素ユニット側無線通信部と、前記色情報に対応した色表示をする独立した表示素子と、前記色情報に対応した色表示を前記表示素子に行わせる独立した画素駆動部と、を備え、さらに、前記電子ペンが、前記色情報を送信する電子ペン側無線通信部を備え、前記各画素ユニットにおいて、前記画素ユニット側無線通信部が、前記電子ペンから自己の画素ユニットに対して送信された前記色情報を受信し、前記画素駆動部が、前記画素ユニット側無線通信部が受信した前記色情報に対応した色表示を前記表示素子に行わせ、さらに、前記電子ペンにおいて、前記電子ペン側無線通信部が、前記各画素ユニットに前記色情報を送信する、ことを特徴とするものである。
【0011】
上記課題を解決する電子筆記システムの発明の第2の態様は、同一の基材上に配置された複数の画素において色表示をそれぞれ行う電子ペーパーと、該電子ペーパーをなぞることで描画する電子ペン、で構成された電子筆記システムであって、前記各画素が、電気配線上独立した画素ユニットをそれぞれ有しており、前記各画素ユニットが、自己の画素ユニットに割り当てられた独自の識別情報と、自己の画素ユニットに該当する色情報と、を送信する独立した画素ユニット側無線通信部を備え、さらに、前記電子ペンが、前記識別情報と前記色情報とを受信する電子ペン側無線通信部と、前記識別情報と前記色情報とを記憶保持するメモリと、を備え、前記各画素ユニットにおいて、前記画素ユニット側無線通信部が、前記電子ペンへ、前記各画素ユニットの前記識別情報と前記色情報とを送信し、さらに、前記電子ペンにおいて、前記電子ペン側無線通信部が、前記各画素ユニットから、前記各画素ユニットの前記識別情報と前記色情報とを受信し、前記メモリが、前記各画素ユニットの前記識別情報と前記色情報とを記憶保持する、ことを特徴とするものである。
【0012】
上記課題を解決する電子筆記システムの発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様の特定事項に加え、前記電子筆記システムにおいて、前記各画素が、電気配線上独立した画素ユニットをそれぞれ有しており、前記各画素ユニットが、独立した無線電力受信部を備え、さらに、前記電子ペンが、電子ペン側無線通信部から画素ユニット側無線通信部へ色情報を送信する無線信号に電力信号を重畳する機能を備え、前記各画素ユニットにおいて、前記無線電力受信部が、前記電子ペン側無線通信部が送信する無線信号に重畳されている前記電力信号を受信し各部の電力とする、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明の第1の態様によれば、電子ペーパー側に二次元的に並べられた画素毎の画素ユニットのそれぞれが独立していることから、その電子ペーパーを任意の形状・面積に加工することができ、外部の電子ペンを電子ペーパーに近接させて無線通信により各画素に2値または多色の色情報を受信させて色表示させ描画などすることができる。
本発明の第2の態様によれば、電子ペーパー側から電子ペン側に各画素の識別情報と共に色情報を送信して記憶保持させることができ、電子ペンにより電子ペーパーに書き込まれた筆跡を読み取って電子化された画像情報として記録することができる。
本発明の第3の態様によれば、電子ペーパー側にバッテリを内蔵させることなく、適宜、電子ペン側から電力供給して駆動させることができ、電子ペーパーを薄く軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子筆記システムの構成要素である電子ペーパーを示す図であり、(a)はその全体構成を示す透視平面概念図、(b)はその透視側面概念図である。
【図2】その電子筆記システムの構成要素である電子ペンを示す透視平面概念図である。
【図3】その電子筆記システムの描画動作に関わる構成を説明する機能ブロック図である。
【図4】その電子筆記システムの画像読取動作に関わる構成を説明する機能ブロック図である。
【図5】その電子筆記システムの描画動作を説明する説明図である。
【図6】その電子筆記システムの画像読取動作を説明する説明図である。
【図7】その電子筆記システムの応用例を示す図であり、(a)はシステム手帳を示す説明図、(b)は電子黒板を示す説明図である。
【図8】その電子筆記システムの関連技術を説明する図であり、(a)、(b)は異なるタイプの電子筆記システムを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図7は本発明に係る電子筆記システムの一実施形態を示す図である。
図1において、電子ペーパー101は、画素ユニット102が二次元的に格子状に並べられ、透明樹脂シート111と基材112の間に封入されており、この画素ユニット102は、ICチップ(電子回路)113にアンテナ103となる配線が接続されているとともに、電子ペーパー画素(表示素子)107が接続され、個々の画素毎に独立するように構成されている。この構成により、電子ペーパー101は、任意のサイズ・形状に切断しても、後述するように、独立する画素ユニット102が個々に駆動することができる。
【0016】
図2において、電子ペン201は、ICチップ213に2種のアンテナ203、204となるケーブルがそれぞれ接続され、ペン形状に形成されている外装ケース215内に収納されており、このICチップ213は、外装ケース215内に同様に内蔵されているバッテリ206から電力供給を受けて、無線通信部205として駆動するようになっている。
【0017】
そして、図3に示す電子ペーパー101への描画動作時には、電子ペン201は、無線通信部205が描画動作用のアンテナ203を介して、近接する電子ペーパー101の画素ユニット102の構成要素である無線通信部105と無線通信を行い、予め設定されている色情報221を無線信号によりその電子ペーパー101の画素ユニット102に送信する。この無線信号には、電子ペーパー101の各画素ユニット102を構成するICチップ113に電力を供給するための電力信号222を重畳するようになっており、この無線通信部205を構成するICチップ213の電子回路には、例えば、RFID(Radio Frequency Identification Tag)の規格であるISO/IEC15693準拠のRFIDリーダライタと同様の仕組みを利用することが出来る。
【0018】
これに対して、電子ペーパー101は、ICチップ113内に、無線電力受信部104、無線通信部105、電子ペーパー駆動部106が集積化されている。図3に示す電子ペン201による描画動作時には、無線通信部105は、電子ペン201の描画動作用アンテナ203に近接するアンテナ103を介してその電子ペン201と無線通信を行い、電子ペン201から色情報221を受信する。無線電力受信部104は、電子ペン201からアンテナ103を介して受信した無線信号から色情報221の送信信号を分離した後の電力信号222を整流し回路全体のDC電力を生成する。これらアンテナ103、無線電力受信部104、および、無線通信部105を構成するICチップ113の電子回路にも、電子ペン201と同様に、例えばRFIDの規格であるISO/IEC15693準拠のRFIDタグと同様の仕組みを利用することが出来る。
電子ペーパー駆動部106は、無線電力受信部104が生成したDC電力を昇圧して電子ペーパー101を駆動するのに十分な電圧を生成し、無線通信部105から受け取った色情報221に基づき電子ペーパー画素107を発色駆動させる。
【0019】
また、図4に示す電子ペーパー101からの画像読取動作時には、電子ペン201は、無線通信部205が画像読取動作用のアンテナ204を介して電子ペーパー101の画素ユニット102の構成要素である無線通信部105と無線通信を行い、画素毎(画素ユニット102毎)に異なる識別情報120と色情報121を受信する。この無線通信部205は、電子ペーパー101上の画素(画素ユニット102)の識別情報120と色情報121とを関連づけた画像情報データテーブル211をICチップ213内のメモリ(図示せず)に記憶している。この無線信号にも、描画時と同様に、電子ペーパー101の各画素ユニット102を構成するICチップ113に電力を供給するための電力信号222を重畳するようになっている。このとき、画像読取動作用のアンテナ204は、描画動作用のアンテナ203より大きいため、一度に電力信号222を供給できる各画素ユニット102の数(面積)が多い。
【0020】
これに対して、電子ペーパー101は、無線通信部105が電子ペン201の画像読取動作用アンテナ204に近接するアンテナ103を介してその電子ペン201と無線通信を行い、画素毎(画素ユニット102毎)に異なる独自の識別情報120と、画素毎の色情報121をその電子ペン201に送信する。また、描画時と同様に、無線電力受信部104は、電子ペン201からアンテナ103を介して受信した無線信号から電力信号222を分離・整流し、回路全体のDC電力を生成する。
【0021】
次に、図5を用いて、電子ペン201により電子ペーパー101に描画する手順を説明する。
まずは、電子ペーパー101の表面を任意の場所から任意の方向へ、電子ペン201の描画動作用のアンテナ203が配置された側にてなぞる。電子ペン201は、描画命令や色情報221などを含む送信信号に重畳して送信する電力信号222により、電子ペン201でなぞった電子ペーパー101の画素ユニット102へ電力を伝送して画素ユニット102のICチップ113を起動させる。
【0022】
すると、電子ペーパー101側では、画素ユニット102の電子ペーパー駆動部106が無線通信部105により受信した電子ペン201指定の色情報221に基づき、電子ペーパー画素107の色を変更する。なお、図5中には、電子ペン201がなぞって色を変更させた後の画素を、画素ユニット102Aの符号を付して図示し、また、その電子ペン201でなぞる前(色を変更させる前)の画素を、画素ユニット102Bの符号を付して図示し、さらに、電子ペン201が画素ユニット102をなぞった軌跡を引用符号503で示している。
【0023】
次に、図6を用いて、電子ペン201により電子ペーパー101から画像を読み取る手順を説明する。
まずは、電子ペーパー101の表面を任意の場所から任意の方向へ、電子ペン201の画像読取動作用のアンテナ204が配置された側にてなぞる。電子ペン201は、画像読取命令などを含む送信信号に重畳して送信する電力信号222により、電子ペン201でなぞった電子ペーパー101の画素ユニット102へ電力を伝送して画素ユニット102のICチップ113を起動させる。
【0024】
すると、電子ペーパー101側では、画素ユニット102の無線通信部105が画素毎(画素ユニット102毎)に異なる識別情報120と色情報121を、電子ペン201へ送信する。このとき、電子ペン201の描画動作用アンテナ203と比較して画像読取動作用アンテナ204は大きいため、描画動作時に電子ペン201が電子ペーパー101を直線でなぞることにより色を変更できる画素ユニット102の領域と比較して、画像読取動作時に電子ペン201が電子ペーパー101を直線でなぞって色を読み取れる画素ユニット102の領域の方が大きい。このとき、電子ペン201がなぞった画素ユニット102はすでに情報が読み込まれていることを示すために、例えば、画素ユニットの色を白色にかえるなどの処理をしてもよい。なお、図6中には、図5と同様に、色の変更の有無を画素ユニット102A、120Bの符号で図示し、さらに、電子ペン201が画素ユニット102をなぞった軌跡を引用符号601で示している。
【0025】
次に、図7を用いて、本実施形態に係る電子筆記システムの応用例を説明する。
電子ペーパー101がバッテリを不要として紙の使い勝手に近い薄さや軽さを備えた特徴を利用し、例えば、図7(a)に示すように、従来の紙のリーフ711とペンにて構成されたシステム手帳710へ、新たに電子ペーパー101のリーフを追加して利用することもできる。また、図示することは省略するが、従来の紙とペンによるノートと同様に、複数枚の電子ペーパー101を束ねて一冊のノートとして利用することもできる。
【0026】
また、図7(b)に示すように、壁や移動式のボード等の平板表面721に貼るなどして、電子黒板720として利用することもできる。なお、図7(b)中の引用符号702は、電子ペン201の描画動作用アンテナ203側で画素ユニット102をなぞった軌跡を示している。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0027】
また、本明細書では、図5で説明する描画動作は描画動作用アンテナ203が行い、また、図6で説明する画像読取動作は画像読取動作用のアンテナ204が行うという一例を、本発明の実施形態として説明したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。描画動作と画像読取動作は、同一のアンテナを利用しても、本発明を実施できる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0028】
すなわち、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0030】
101…電子ペーパー
102、102A、102B…画素ユニット
103…アンテナ
104…無線電力受信部
105…無線通信部
106…電子ペーパー駆動部
107…電子ペーパー画素
111…透明樹脂シート
112…基材
113、213…ICチップ
120…識別情報
121、221…色情報
201…電子ペン
203…描画動作用アンテナ
204…画像読取動作用アンテナ
205…無線通信部
206…バッテリ
222…電力信号
211…画像情報データテーブル
503、601、702…電子ペンでなぞった軌跡
710…システム手帳
720…電子黒板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の基材上に配置された複数の画素において色表示をそれぞれ行う電子ペーパーと、該電子ペーパーをなぞることで描画する電子ペン、で構成された電子筆記システムであって、
前記各画素が、電気配線上独立した画素ユニットをそれぞれ有しており、
前記各画素ユニットが、自己の画素ユニットに該当する色情報を受信する独立した画素ユニット側無線通信部と、前記色情報に対応した色表示をする独立した表示素子と、前記色情報に対応した色表示を前記表示素子に行わせる独立した画素駆動部と、を備え、
さらに、前記電子ペンが、前記色情報を送信する電子ペン側無線通信部を備え、
前記各画素ユニットにおいて、前記画素ユニット側無線通信部が、前記電子ペンから自己の画素ユニットに対して送信された前記色情報を受信し、前記画素駆動部が、前記画素ユニット側無線通信部が受信した前記色情報に対応した色表示を前記表示素子に行わせ、
さらに、前記電子ペンにおいて、前記電子ペン側無線通信部が、前記各画素ユニットに前記色情報を送信する、
ことを特徴とする、電子筆記システム。
【請求項2】
同一の基材上に配置された複数の画素において色表示をそれぞれ行う電子ペーパーと、該電子ペーパーをなぞることで描画する電子ペン、で構成された電子筆記システムであって、
前記各画素が、電気配線上独立した画素ユニットをそれぞれ有しており、
前記各画素ユニットが、自己の画素ユニットに割り当てられた独自の識別情報と、自己の画素ユニットに該当する色情報と、を送信する独立した画素ユニット側無線通信部を備え、
さらに、前記電子ペンが、前記識別情報と前記色情報とを受信する電子ペン側無線通信部と、前記識別情報と前記色情報とを記憶保持するメモリと、を備え、
前記各画素ユニットにおいて、前記画素ユニット側無線通信部が、前記電子ペンへ、前記各画素ユニットの前記識別情報と前記色情報とを送信し、
さらに、前記電子ペンにおいて、前記電子ペン側無線通信部が、前記各画素ユニットから、前記各画素ユニットの前記識別情報と前記色情報とを受信し、前記メモリが、前記各画素ユニットの前記識別情報と前記色情報とを記憶保持する、
ことを特徴とする、電子筆記システム。
【請求項3】
前記電子筆記システムにおいて、
前記各画素が、電気配線上独立した画素ユニットをそれぞれ有しており、
前記各画素ユニットが、独立した無線電力受信部を備え、
さらに、前記電子ペンが、電子ペン側無線通信部から画素ユニット側無線通信部へ色情報を送信する無線信号に電力信号を重畳する機能を備え、
前記各画素ユニットにおいて、前記無線電力受信部が、前記電子ペン側無線通信部が送信する無線信号に重畳されている前記電力信号を受信し各部の電力とする、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の電子筆記システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−77061(P2013−77061A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215250(P2011−215250)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】