説明

電子線描画方法および装置

【課題】 感光材料が塗布された基板を回転ステージにより回転させるとともに、電子線を上記回転の半径方向に移動させながら照射して所望のパターンを基板上に描画する電子線描画方法において、基板全体に一様な照射エネルギーの電子線を照射するとともに、描画時間の短縮を図る。
【解決手段】 回転ステージ11を一定の回転速度で回転させるとともに、電子線EBの照射エネルギーを、回転ステージ11の回転中心から電子線EBの円形基板1上における照射位置までの距離の増加に応じて増加させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子線描画方法および装置に関するものであり、特に、基板を回転ステージにより回転させるとともに、電子線を上記回転の半径方向に移動させながら照射して所望のパターンを基板上に描画する描画方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、描画情報に応じた磁性体の微細凹凸パターンが形成されたマスター担体と、磁気記録部を有するスレーブ媒体とを密着させた状態で転写用磁界を印加し、マスター担体に担持された描画情報(例えばサーボ信号)に対応する磁化パターンをスレーブ媒体に転写記録する磁気転写方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
そして、上記のような磁気転写方法を利用することによって磁気ディスク媒体などを製造することができるが、近年、磁気ディスク媒体の小型化および高容量化が進んでおり、これに応じて磁気ディスク媒体に記録すべきサーボ信号の微細化も進んでいる。したがって、上記のような微細化されたサーボ信号を記録するためには、マスター担体に形成される凹凸パターンの微細加工が必要となる。
【0004】
そこで、たとえば、特許文献4において、微細加工が可能な電子線を利用して、上記のような微細な凹凸パターンをマスター担体に形成する電子線描画装置が提案されている。具体的には、基板上に塗布されたレジストに電子線を照射して所望のパターンを描画する電子線描画装置であって、レジストの塗布された基板が設置される回転ステージと、その回転ステージを基板の半径の方向に直線移動させる直線移動手段とを備えた電子線描画装置が提案されている。そして、上記電子線描画装置においては、上記回転ステージにより基板を一定の回転速度で回転させるとともに、上記直線移動手段により回転ステージを基板の半径方向に移動させることにより、基板上のレジストに同心円状または螺旋状のパターンを描画することができる。
【特許文献1】特開昭63−183623号公報
【特許文献2】特開平10−40544号公報
【特許文献3】特開平10−269566号公報
【特許文献4】特開2004−109573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献4に記載の電子線描画装置においては、上記のように一定の回転速度で回転ステージを回転させているため、電子線の照射位置が基板の回転中心から離れるに連れて電子線の描画軌跡の周速度は速くなることになる。したがって、電子線の照射位置の回転中心からの距離によって、照射される電子線の照射エネルギーが異なることになり、基板全体に適切な描画パターンを形成することができない。
【0006】
また、上記のような問題を回避するため、電子線の照射位置の基板の回転中心からの距離に応じて回転ステージの回転速度を変化させることも考えられるが、上記のようにしたのでは回転ステージの制御が複雑になり、また、回転むらなどを低く抑えることが困難であり、微細な描画パターンを適切に形成することが困難である。さらに、上記のように回転ステージの回転速度を変化させる場合、電子線の照射位置が基板の回転中心から離れるに連れて回転ステージの回転速度を遅くする必要があるため、その分描画時間が長くかかってしまい生産効率の低下を招くことになる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、上記のような電子線描画装置において、基板全体に一様な照射エネルギーの電子線を照射することができるとともに、描画時間の短縮を図ることができる電子線描画装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子線描画方法は、感光材料が塗布された基板を回転ステージにより回転させ、電子線を電子光学系により基板上に収束するとともに、電子線を上記回転の半径方向に基板に対して相対的に移動させながら照射して所望のパターンを基板上に描画する描画方法において、回転ステージを一定の回転速度で回転させるとともに、電子線の照射エネルギーを、回転ステージの回転中心から電子線の基板上における照射位置までの距離の増加に応じて増加させることを特徴とする。
【0009】
また、上記電子線描画方法においては、上記回転中心から上記照射位置までの距離に応じて電子光学系の焦点位置および/または非点収差を補正するようにすることができる。
【0010】
本発明の電子線描画装置は、感光材料が塗布された基板を回転させる回転ステージと、回転ステージの回転速度を制御する回転速度制御手段と、回転ステージ上に設置された基板に照射される電子線を射出する射出手段と、射出手段から射出された電子線を電子光学系により基板上に収束するとともに、電子線を上記回転の半径方向に基板に対して相対的に移動させながら照射して所望のパターンを描画する照射手段と、照射手段により基板の照射される電子線の照射エネルギーを制御する照射エネルギー制御手段とを備えた描画装置において、回転速度制御手段が、一定の回転速度で回転ステージを回転させるものであり、照射エネルギー制御手段が、電子線の照射エネルギーを、回転ステージの回転中心から電子線の基板上における照射位置までの距離の増加に応じて増加させるものであることを特徴とする。
【0011】
また、上記電子線描画装置においては、上記回転中心から上記照射位置までの距離に応じて電子光学系の焦点位置を補正する焦点位置補正手段をさらに備えるようにすることができる。
【0012】
また、上記回転中心から上記照射位置までの距離に応じて電子光学系の非点収差を補正する非点収差補正手段をさらに備えるようにすることができる。
【0013】
ここで、上記「回転速度」とは、単位時間あたりの回転数のことを意味する。
【0014】
また、上記「電子線の照射エネルギー」とは、電子線の照射対象に与えられる電子線の単位時間あたりのエネルギーのことを意味する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子線描画方法および装置によれば、回転ステージを一定の回転速度で回転させるとともに、電子線の照射エネルギーを、回転ステージの回転中心から電子線の基板上における照射位置までの距離の増加に応じて増加させるようにしたので、基板全体に一様な照射エネルギーの電子線を照射することができ、基板全体に適切な描画パターンを形成することができる。
【0016】
また、電子線の照射位置の回転中心からの距離に応じて回転ステージの回転速度を遅くする必要もないので、回転ステージの回転速度を高速なまま維持することができ、描画時間の短縮を図ることができるので生産効率の向上を図ることができる。
【0017】
さらに、回転ステージの回転速度を安定な回転速度に設定するようにすれば、回転むらなども低く抑えることができる。
【0018】
また、上記電子線描画方法および装置において、電子線の照射位置の回転中心からの距離に応じて電子光学系の焦点位置および/または非点収差を補正するようにすれば、より適切な描画パターンを基板上に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の電子線描画方法および装置の一実施形態を用いた電子線露光装置について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本電子線露光装置の要部側面図(a)および上面図(b)を示すものである。
【0020】
本電子線露光装置10は、レジストの塗布された円形基板1を支持するとともに矢印A方向に回転させる円形ステージ11および円形ステージ11の中心軸12と一致するように設けられたモータ軸を有するスピンドルモータ13を備えた回転ステージユニット14と、該回転ステージユニット14の一部を貫通し、円形ステージ11の半径方向(図中矢印Y方向)に延びる一本のシャフト16と、該回転ステージユニット14をシャフト16に沿って移動させるための直線移動手段19とを備えている。回転ステージユニット14の一部には、上記シャフト16と平行に配された、精密なネジきりが施されたロッド17が螺合され、このロッド17は、パルスモータ18によって正逆回転されるようになっており、このロッド17とパルスモータ18により回転ステージユニット14の直線移動手段19が構成される。
【0021】
さらに、電子線露光装置10は、電子線EBを出射する電子銃20と、電子線EBをY方向(基板の半径方向)およびY方向に直交するX方向(円周方向)へ偏光させる偏光手段21、22と、偏光手段21,22により偏光された電子線EBを円形基板1上に収束させる電子光学系23とを備えており、電子銃20から出射された電子線EBは偏光手段21、22および電子光学系23を経て、円形基板1上に照射される。
【0022】
そして、本電子線露光装置10における電子光学系23は、図2に示すように、電子線EBの円形基板1上への照射エネルギーを調整する調整用電子レンズ23aと、調整用電子レンズ23aを通過した電子線EBが通過するアパーチャ23bと、アパーチャ23bを通過した電子線EBの円形基板1上へのフォーカスおよび非点収差を補正する補正用電子レンズ23cとを備えている。調整用電子レンズ23aおよび補正用電子レンズ23cは、それぞれ電流が流されることにより磁場を発生する複数のコイルを備えており、このコイルに流れる電流が制御されることにより調整用電子レンズ23aおよび補正用電子レンズ23aのレンズの強度が制御される。
【0023】
スピンドルモータ13の駆動すなわち円形ステージ11の回転速度、パルスモータ18の駆動すなわち直線移動手段19による直線移動、電子線の変調、偏光手段21,22および電子光学系23の制御等はコントローラ30によって行われる。
【0024】
そして、コントローラ30が、スピンドルモータ13の駆動およびパルスモータ18の駆動のタイミング等を制御することにより、円形基板1上に同心円状のパターンまたは螺旋状のパターンなどの所望のパターンを描画することができる。そして、本電子線露光装置10のコントローラ30は、円形ステージ11が一定の回転速度で回転するようにスピンドルモータ13の駆動を制御するものである。
【0025】
ここで、たとえば、コントローラ30により、同心円状のパターンを描画する際のスピンドルモータ13およびパルスモータ18の駆動について説明する。
【0026】
図3は、同心円状のパターンを描画する際の、円形基板1の半径方向における電子線照射位置rと時間tとの関係を示すグラフであり、同図(a)は、最小半径位置r0から描画を開始する場合、同図(b)は、最大半径位置r(=R)から描画を開始する場合を示す。
【0027】
ここでは、円形基板1上の描画範囲内の最大半径同心円の半径をR、回転ステージ11により円形基板1が1回転するのに必要な時間(周期)をTで表す。同心円状のパターンを形成するために、コントローラ30は、回転ステージ11の回転に伴って円形基板1が1回転され1つの同心円に沿ったパターン描画が終わる毎に、回転ステージ11を半径方向にトラックピッチ分移動させるよう制御する。より詳細には、図3(a)に示すように、円形基板1上の半径r0 の位置に電子線EBが照射された状態で回転ステージ11により円形基板1が周期Tで1回転され、時刻tにおいて電子線照射位置が半径rの位置となるように、回転ステージ11をY方向にトラックピッチ分移動させる。これを、最小半径同心円の半径rの位置から最大半径同心円の半径r(=R)の位置まで繰り返すことにより、(n+1)トラック分のパターンを描画することができる。なお、図3(b)に示すように、パターン描画を最大半径同心円から開始しても、同様に同心円状に配列するパターンを描画することができる。
【0028】
ここで、上記のように一定の回転速度で回転ステージ11を回転させ、同心円状のパターンを描画する場合、電子線EBの照射位置rが円形基板1の回転中心から離れるにつれて、その描画軌跡の周速度は速くなることになる。したがって、電子線EBの照射位置の回転中心からの距離によって円形基板1に照射される電子線EBの照射エネルギーが異なることになり、円形基板1上のレジスト全体を適切な照射エネルギーで露光することができない。そこで、本電子線露光装置10は、電子線EBの照射位置が円形基板1の回転中心から離れるにつれて、円形基板1上の照射される電子線EBの照射エネルギーが大きくなるように制御するものである。
【0029】
具体的には、本電子線露光装置10のコントローラ30には、電子線EBの照射エネルギーを制御する照射エネルギー制御手段31が設けられている。照射エネルギー制御手段31は、調整用電子レンズ23aのコイルに流される電流を制御することによって、調整用電子レンズ23aのレンズ値(レンズの強度)を制御し、これにより電子線EBの照射エネルギーを制御するものである。照射エネルギー制御手段31には、電子線EBの照射位置とその照射位置に応じたコイル電流とを対応づけたテーブルまたは関数などが予め設定されており、照射エネルギー制御手段31は、電子線の照射位置rを直線移動手段16における移動距離などに基づいて取得し、その取得された照射位置rと上記テーブルまたは関数とを利用してコイル電流を求め、その求められたコイル電流が調整用電子レンズ23aのコイルに流れるように制御するものである。上記のようにしてレンズ値を制御することによりアパーチャでさえぎられる電子線EBの量を変化させることができ、これにより円形基板1上に照射される電子線EBの照射エネルギーを制御することができる。図4に上記レンズ値と円形基板1上に照射される電子線EBの照射エネルギーとの関係の一例を示す。なお、図4においては、電子線EBの照射エネルギーを電流値(nA)(図4における横軸)として示してある。図4に示すように、レンズ値が小さくなるほど電子線EBの照射エネルギーが大きくなるので、円形基板1上の回転中心から電子線EBの照射位置までの距離が大きいほどレンズ値が小さくなるように調整用電子レンズ23aのコイルに流れる電流を制御するようにすればよい。
【0030】
そして、上記のように調整用電子レンズ23aのレンズの強度を変化させると、円形基板1上までの焦点距離と円形基板1上における非点収差も変化してしまう。そこで、本電子線露光装置10のコントローラ30には、上記のような調整用電子レンズ23aのレンズの強度の変化に応じて変化した焦点距離および非点収差を補正するよう補正用電子レンズ23cを制御する補正手段32が設けられている。補正手段32には、電子線EBの照射位置とその照射位置に応じたコイル電流とを対応づけたテーブルまたは関数などが予め設定されており、補正手段32は、電子線EBの照射位置rを直線移動手段16における移動距離などに基づいて取得し、その取得された照射位置rと上記テーブルまたは関数とを利用してコイル電流を求め、その求められたコイル電流が補正用電子レンズ23bのコイルに流れるように制御するものである。上記のようにして補正用電子レンズ23bに流れる電流を制御することにより補正用電子レンズ23bの焦点距離および非点収差を変化させることができ、これにより調整用電子レンズ23aのレンズ強度の変化により変化してしまった焦点距離および非点収差を補正することができる。図5に、補正用電子レンズ23bのフォーカスレンズ値と円形基板1上に照射される電子線EBの照射エネルギーとの関係の一例を示す。なお、図5においても、電子線EBの照射エネルギーを電流値(nA)(図5における横軸)として示してある。図5に示すように、補正用電子レンズ23bのフォーカスレンズ値は、調整用電子レンズ23aのレンズ値とは逆に、電子線EBの照射エネルギーが大きくなるほど大きくなるように制御される。つまり、円形基板1上の回転中心から電子線EBの照射位置までの距離が大きいほどフォーカスレンズ値が大きくなるように補正用電子レンズ23bのコイルに流れる電流を制御するようにすればよい。
【0031】
なお、本電子線露光装置においては、上記のように補正用電子レンズ23bおよび補正手段32を用いて焦点距離と非点収差との両方を補正するようにしたが、いずれか一方のみを補正するようにしてもよい。
【0032】
また、上記説明においては、円形基板1上に同心円状のパターンを描画する場合について説明したが、螺旋状のパターンを描画する場合においても、上記と同様に、回転ステージ14を一定の回転速度で回転させるとともに、電子線EBの照射位置に応じて円形基板1上に照射される電子線EBの照射エネルギーを変化させるようにすればよい。また、上記のように調整レンズ23aのレンズの強度を変化させることにより電子線EBの照射エネルギーを変化させる場合には、上記と同様に、調整用電子レンズ23aのレンズの強度の変化に応じて補正用電子レンズ23bのフォーカスレンズ値とを変化させるようにすればよい。
【0033】
上記のように回転ステージ14を一定の回転速度で回転させるとともに、電子線EBの照射位置に応じて円形基板1上に照射される電子線EBの照射エネルギーを変化させるようにすることにより、円形基板1上のレジスト全体を適切な照射エネルギーで露光することができるとともに、その描画時間を短縮することができる。図6(A)に、電子線EBの照射位置の回転中心からの距離に応じて回転ステージ14の回転速度を遅くした場合における描画時間を示し、図6(B)に、本電子線露光装置のように回転ステージ14の回転速度を一定にした場合における描画時間を示す。なお、図6(A)、(B)における斜線部分の面積が描画時間を示すことになる。図6(A)、(B)に示すように、本電子線露光装置にように回転ステージ14を制御することにより描画時間を半分にすることができる。
【0034】
以下に、上記のような電子線露光装置を用いて磁気転写用マスター担体を製造する方法を説明する。
【0035】
まず、電子線描画用レジストが塗布された円形基板11を矢印A方向に一定の回転速度で回転させながら、サーボ信号等の転写情報に対応して変調した電子線EBを走査させることにより1トラック毎に所望のパターンを描画する。なお、このときの電子線EBの照射エネルギーの制御については上述したとおりである。
【0036】
そして、次に、電子線描画用レジストを現像処理して、同心円に沿ったパターンが電子線描画用レジストに転写された円形基板を得る。これが磁気転写用マスター担体の原盤となる。
【0037】
次に、上記原盤の表面の凹凸パターン表面に図示しない薄い導電層を成膜し、その上に電着により金属層を形成する。そして、所定の厚みで形成された金属層を原盤から剥離することにより導電層と金属層とからなる基板を取得する。基板の表面の凹凸パターンは原盤の凹凸形状が反転されたものである。
【0038】
基板の裏面を研磨した後、この基板をそのまま磁気転写用マスター担体とするか、あるいは、凹凸パターン上に磁性層を被覆したものを磁気転写用マスター担体とする。
【0039】
また、上記原盤にメッキを施してポジ状凹凸パターンを有する第2の原盤を作成し、この第2の原盤を使用してメッキを行い、ネガ状凹凸パターンを有する基板を作成してもよい。さらに、ポジ状凹凸パターンを有する第2の原盤にメッキを行うか樹脂液を押し付けて硬化を行ってネガ状凹凸パターンを有する第3の原盤を作成し、第3の原盤にメッキを行い、ポジ状凹凸パターンを有する基板を作成してもよい。
【0040】
一方、円形基板に電子線描画用レジストによる凹凸パターンを形成した後、電子線描画用レジストをマスクにエッチングして円形基板に凹凸パターンを形成し、電子線描画用レジストを除去した原盤を得てもよい。
【0041】
また、上記のような磁気転写用マスター担体に限らず、上記電子線露光装置を用いて光ディスクスタンパ作製のためのパターンを描画するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の電子線描画装置の一実施形態を用いた電子線露光装置の概略構成を示す要部側面図および上面図
【図2】図1に示す電子線露光装置における電子光学系の概略構成図
【図3】図1に示す電子線露光装置により同心円状パターンを描画する際の、円形基板の半径方向における電子線照射位置rと時間tとの関係を示すグラフ
【図4】図1に示す電子線描画装置における調整用電子レンズのレンズ値と円形基板に照射される電子線の照射エネルギー(電流値)との関係を示す図
【図5】図1に示す電子線描画装置における補正用電子レンズのフォーカスレンズ値と円形基板に照射される電子線の照射エネルギー(電流値)との関係を示す図
【図6】図1の示す電子線露光装置を用いて描画した場合における効果を説明するための図
【符号の説明】
【0043】
1 円形基板
10 電子線露光装置
11 回転ステージ
12 中心軸
13 スピンドルモータ
14 回転ステージユニット
16 シャフト
17 ロッド
18 パルスモータ
20 電子銃
21,22 偏光手段
23 電子光学系
23a 調整用電子レンズ
23b アパーチャ
23c 補正用電子レンズ
30 コントローラ
31 照射エネルギー制御手段
32 補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光材料が塗布された基板を回転ステージにより回転させ、電子線を電子光学系により前記基板上に収束するとともに、前記電子線を前記回転の半径方向に前記基板に対して相対的に移動させながら照射して所望のパターンを前記基板上に描画する電子線描画方法において、
前記回転ステージを一定の回転速度で回転させるとともに、
前記電子線の照射エネルギーを、前記回転ステージの回転中心から前記電子線の前記基板上における照射位置までの距離の増加に応じて増加させることを特徴とする電子線描画方法。
【請求項2】
前記回転中心から前記照射位置までの距離に応じて前記電子光学系の焦点位置および/または非点収差を補正することを特徴とする請求項1記載の電子線描画方法。
【請求項3】
感光材料が塗布された基板を回転させる回転ステージと、該回転ステージの回転速度を制御する回転速度制御手段と、前記回転ステージ上に設置された前記基板に照射される電子線を射出する射出手段と、該射出手段から射出された電子線を電子光学系により前記基板上に収束するとともに、前記電子線を前記回転の半径方向に前記基板に対して相対的に移動させながら照射して所望のパターンを描画する照射手段と、該照射手段により前記基板の照射される前記電子線の照射エネルギーを制御する照射エネルギー制御手段とを備えた電子線描画装置において、
前記回転速度制御手段が、一定の回転速度で前記回転ステージを回転させるものであり、
前記照射エネルギー制御手段が、前記電子線の照射エネルギーを、前記回転ステージの回転中心から前記電子線の前記基板上における照射位置までの距離の増加に応じて増加させるものであることを特徴とする電子線描画装置。
【請求項4】
前記回転中心から前記照射位置までの距離に応じて前記電子光学系の焦点位置を補正する焦点位置補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の電子線描画装置。
【請求項5】
前記回転中心から前記照射位置までの距離に応じて前記電子光学系の非点収差を補正する非点収差補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4記載の電子線描画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−138923(P2006−138923A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326389(P2004−326389)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【復代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
【Fターム(参考)】