電子装置およびファンの制御方法
【課題】ファンの回転速度を目標回転速度で回転させること
【解決手段】入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファン27と、温度を計測する温度検出ユニット26と、温度検出ユニットによって測定された温度に対応する目標回転速度を複数格納する不揮発性メモリ253と、ファンに入力された制御信号のデューティ比と回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比と回転速度との特性を示す関数を演算する特性関数演算モジュール303と、モータを目標回転速度で回転させるために、関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算するデューティ比演算モジュール304と、デューティ比演算モジュールによって演算されたデューティ比の制御信号をファンに出力する回転制御部307とを具備する。
【解決手段】入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファン27と、温度を計測する温度検出ユニット26と、温度検出ユニットによって測定された温度に対応する目標回転速度を複数格納する不揮発性メモリ253と、ファンに入力された制御信号のデューティ比と回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比と回転速度との特性を示す関数を演算する特性関数演算モジュール303と、モータを目標回転速度で回転させるために、関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算するデューティ比演算モジュール304と、デューティ比演算モジュールによって演算されたデューティ比の制御信号をファンに出力する回転制御部307とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するファンを有する電子装置、およびファンの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PCサーバやパーソナルコンピュータの情報処理装置は、各コンポーネント(CPUや電源ユニットなど)の高性能化により発熱部品の増加、また高密度化により、情報処理装置には、電子部品が発する熱を筐体外部に放出するため冷却ファンが設けられている。
【0003】
特に、PCサーバにて市場が拡大しているラックマウントサーバ等では筐体スペースの制限から高回転の小型冷却ファンを複数搭載したシステムが多くなっている。
【0004】
冷却ファンは、筐体から熱を放出するメリットがあるが、その一方で、騒音を発するというデメリットが存在する。そこで情報処理装置では、騒音低減のためにHW監視回路において内部コンポーネント(CPUや電源ユニットなど)の温度を測定し、HW監視回路で冷却ファンの制御を行うことで、情報処理装置の冷却に必要な最低限の風量にて冷却を実施している。
【0005】
従来では、温度監視、ファンPWM制御、ファンの回転速度を検出が可能なハードウェア監視回路において、情報処理装置の各コンポーネント(CPUや電源ユニットなど)の温度を監視し、温度があらかじめ定められた閾値を超えた場合に、HW監視回路がPWMデューティ比を変化させることで、冷却ファンの制御を行っていた。
【0006】
通常、HW監視回路が設定できるPWMデューティ比は粒度の粗い離散値であり、10%間隔程度となっている。また、冷却ファンを複数備えた情報処理装置においては、複数の冷却ファンのPWM信号のデューティ比を同じように制御する場合が多い。
【0007】
特許文献1には、換気装置で、PWM制御のファンと回転パルスからファンの回転速度を検出する制御部で、回転開始時のPWM信号のデューティ比が0%時の設定電圧及び回転速度とデューティ比が100%時の設定電圧及び回転速度を保持して、その間の任意のディユーティ比を求める技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−271144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
冷却ファンの製造において、冷却ファンに供給するPWM信号のデューティ比と冷却ファンが回転する回転速度との関係を、製造した全ての冷却ファンで同一に設定することは非常に難しい。すなわち、各冷却ファンは、その特性(冷却ファンに印加するデューティ比と冷却ファンが回転する回転速度との関係)にばらつきが生じる。
【0009】
前記の通り、PCサーバやパーソナルコンピュータの情報処理装置では、騒音低減のためにHW監視回路で冷却ファンの制御を行っている。情報処理装置の各コンポーネントを冷却するためには、冷却ファンのばらつきを考慮してデューティ比を設定する必要がある。しかし、ばらつきを考慮して冷却ファンのデューティ比を高めに設定すると、騒音仕様を満たすことができないという問題点があった。
【0010】
また、前記の通りHW監視回路で設定できるデューティ比は、粒度の粗い離散値(一般的に10%程度の間隔でしか設定できない)であり冷却ファンのばらつきによっては、デューティ比を1段階上げると、ファンの回転速度が目標回転速度をオーバし、風量は必要以上に確保できるが騒音値が仕様を満たさない場合が存在する。このような場合には、製品の騒音仕様の変更や、検査によりファンを選別する必要が生じる。
【0011】
本発明の目的は、ファンの回転速度を目標回転速度で回転させることが可能な電子装置、およびファンの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一例に係わる電子装置は、入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、温度に対応する目標回転速度の情報を複数格納する記憶装置と、温度を計測する温度計測部と、前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比と回転速度との特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記モータを前記読み出した目標回転速度で回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算するデューティ比演算手段と、前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比の制御信号を前記ファンに出力する回転制御部とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の別の一例に係わる電子装置は、入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、温度に対応する目標回転速度と前記制御信号のデューティ比との組み合わせの情報を複数格納する第1記憶装置と、温度を計測する温度計測部と、前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記読み出したデューティ比を有する制御信号を出力する制御信号出力部と、前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度と制御信号のデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第2記憶装置と、前記回転制御部が出力した制御信号を受信し、受信した制御信号のデューティ比を検出するデューティ比検出部と、前記第2記憶装置を参照することによって前記デューティ比検出部が検出したデューティ比に対応する目標回転速度を取得する目標回転速度取得部と、前記目標回転速度取得部が取得した前記目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算する補正値演算手段と、前記デューティ比検出部が受信したデューティ比を前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比に補正した制御信号を前記ファンに出力するデューティ比補正部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ファンの回転速度を目標回転速度で回転させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0016】
図1を参照して本発明の一実施形態に係わる電子装置を説明する。電子装置は、コンピュータサーバとして実現されている。
【0017】
図1は、本電子装置1のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、本電子装置1は、CPU11、ノースブリッジ12、主メモリ13、グラフィックスコントローラ14、VRAM14A、サウスブリッジ16、BIOS−ROM17、HDD18、光磁気ディスク駆動装置(ODD)19、サウンドコントローラ20、スピーカ21、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)22、ハードウェア(HW)監視回路25、温度検出ユニット26、および電動ファン27等を備えている。
【0018】
CPU11は、本電子装置1内の各部の動作を制御するプロセッサである。CPU11は、HDD18から主メモリ13にロードされるオペレーティングシステムや、このオペレーティングシステムの制御下で動作する各種プログラムを実行する。また、CPU11は、BIOS−ROM17に格納された基本入出力システム(BIOS)も実行する。なお、以下では、このBIOS−ROM17に格納された基本入出力システム自体をBIOSと称することがある。
【0019】
ノースブリッジ12は、CPU11のローカルバスとサウスブリッジ16との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ12は、バスを介してグラフィックスコントローラ14との通信を実行する機能を有しており、また、主メモリ13をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。グラフィックスコントローラ14は、本電子装置1側のディスプレイ15を制御する表示コントローラである。グラフィックスコントローラ14は、VRAM14Aに書き込まれた画像データからディスプレイ15に送出すべき映像信号を生成する。
【0020】
サウスブリッジ16は、PCIバスおよびLPCバス上の各種デバイスを制御するコントローラである。また、このサウスブリッジ16には、BIOS−ROM17、HDD18、ODD19およびサウンドコントローラ20が直接的に接続され、これらを制御する機能も有している。サウンドコントローラ20は、スピーカ21を制御する音源コントローラである。
【0021】
EC/KBC22は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード23およびマウス24を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0022】
HW監視回路25は、温度検出ユニット26が検出した温度を取得し、取得した温度に応じたデューティ比のPWM(pulse width modulation)信号を電動ファン27に出力する。電動ファン27は、PWM信号のデューティ比に応じた回転速度でモータが回転する。
【0023】
本実施形態に係わるHW監視回路25、温度検出ユニット26、および電動ファン27の構成を図2に示す。
【0024】
図2に示すように、HW監視回路25は、回転速度演算回路251、マイクロプロセッサ252、不揮発性メモリ(NVM)253、レジスタ254、PWM回路255等を有する。
【0025】
PWM回路255は、レジスタ254に書き込まれている設定に応じたデューティ比を有するPWM信号を電動ファン27に出力する。電動ファン27は、回転制御IC271、モータ272、およびブレード273を具備する。回転制御IC271は、PWM信号のデューティ比に応じた回転速度でモータ272を回転させる。モータ272の回転速度は回転制御IC271によって監視されている。回転制御IC271は、モータ272の回転速度に応じたパルス信号をEC/KBC124に供給する。
【0026】
回転速度演算回路251は、回転制御IC271が出力するパルス信号に基づいてモータ273の回転速度を演算する。実回転速度は、パルス信号に含まれるパルス間隔の反転にて算出される。
【0027】
マイクロプロセッサ252は、HW監視回路25の各部の動作を制御するプロセッサである。マイクロプロセッサ252は、不揮発性メモリ253に格納されているファームウェアを実行する。また、不揮発性メモリ253には温度検出ユニット26によって測定された温度に対する目標回転速度の情報が格納されている。
【0028】
マイクロプロセッサ252によって実行されるファームウェアは、図3に示すモジュール等から構成される。図3に示すように、ファームウェア300は、初期デューティ比設定モジュール301、回転速度取得モジュール302、特性関数演算モジュール303、デューティ比演算モジュール304、温度読出モジュール305、目標回転速度取得モジュール306、およびデューティ比設定モジュール307等を有する。
【0029】
初期デューティ比設定モジュール301は、起動時に不揮発性メモリ253からスピンアップ時のデューティ比の情報を読み出し、読み出したデューティ比の情報をレジスタ254に書き込む。また、回転が安定した後、初期デューティ比設定モジュール301は、デューティ比が0%であることを示す情報をレジスタ254に書き込む。
【0030】
初期デューティ比設定モジュール301は、レジスタ254にデューティ比の情報を書き込んでから一定時間が経過してモータ272の回転が安定すると、回転速度取得モジュール302に回転速度の取得を指示する。
【0031】
回転速度取得モジュール302は、回転速度演算回路251に演算した回転速度の送信を要求する。回転速度演算回路251は、演算した回転速度を回転速度取得モジュール302に送信する。初期デューティ比設定モジュール301は、通知された回転速度およびレジスタ254に書き込んだデューティ比の情報を特性関数演算モジュール303に通知する。
【0032】
特性関数演算モジュール303は、初期デューティ比設定モジュール301から通知された回転速度の情報とデューティ比の情報との組み合わせを二組受け取ると、受け取った二組の情報からデューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する。特性関数演算モジュール303は、特性を示す関数として一次関数を演算する。
【0033】
例えば、スピンアップ時のデューティ比が90%であり、デューティ比90%時の回転速度が8500rpmであったとする。また、PWM信号のデューティ比が0%時の回転速度が500rpmであったとする。
【0034】
図4に示すように、x軸にデューティ比、y軸に回転速度にした場合、特性関数演算モジュール303は、y=ax+bで表される一次関数で特性を示す関数を演算する。
【0035】
係数aは、
a=(90%のときの実回転速度−0%のときの実回転速度)/デューティ比差(90%−0%)
によって求められる。上述した回転速度の場合、傾きaは800/9である。
【0036】
y切片bは、0%の時の回転速度である。従って、特性を示す関数はy=(800/9)x+500である。
【0037】
特性関数演算モジュール303は、関数の演算が終了すると、傾きaおよびy切片bをデューティ比演算モジュール304に渡す。
【0038】
温度読出モジュール305は、温度検出ユニット26に対して検出温度の送信を要求し、要求に応じて温度検出ユニット26が送信した検出温度を受信する。温度読出モジュール305は、受信した検出温度を目標回転速度取得モジュール306に渡す。
【0039】
目標回転速度取得モジュール306は、不揮発性メモリ253に格納されている温度−回転速度テーブルを参照することによって渡された検出温度に対する目標回転速度を取得する。目標回転速度取得モジュール306は、目標回転速度をデューティ比演算モジュール304に渡す。
【0040】
デューティ比演算モジュール304は、目標回転速度取得モジュール306から渡された目標回転速度に対応するデューティ比を演算する。デューティ比演算モジュール304は、目標回転速度に対応するデューティ比Rを得るために
R=(目標回転速度−b)/a
を演算する。デューティ比演算モジュール304は、演算した結果をデューティ比設定モジュール307に渡す。
【0041】
デューティ比設定モジュール307は、渡されたデューティ比の情報をレジスタ254に書き込む。PWM回路は、レジスタ254に書き込まれた新たなデューティ比の情報に応じた制御信号を電動ファンに出力する。
【0042】
以上の処理で目標回転速度に応じた回転速度でモータを回転させることができる。
【0043】
[第2の実施形態]
第1の実施形態で述べた構成は新規なHW監視回路25を必要とする。本実施形態では、従来のHW監視回路を用いて目標回転速度に応じた回転速度でモータを回転させるための構成について説明する。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施形態に係わる電子装置のシステム構成を示すブロック図である。なお、図5において図1と同一な部位には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
ハードウェア(HW)監視回路35は、現在一般に用いられているHW監視回路35である。現在、一般的に用いられているHW監視回路35では、例えばPWM信号のデューティ比が、10%単位の離散的な値で設定できる。
【0046】
本実施形態では、図6に示す通りHW監視回路35で設定可能な温度範囲(3通り)により、PWM信号のデューティ比が、あらかじめ定められている(冷却設計により設定する)場合を説明する。HW監視回路35で実行されるファームウェアは、CPU温度範囲が、“50℃以下”、“50℃より高く70℃未満”、および“70℃より高い”の3通りの状態で、それぞれの状態に応じたPWM信号のデューティ比の設定値を事前に持っている。例えば、CPU温度が50℃以下の状態ではPWM信号のデューティ比は、50%になる。その時に、CPU温度が50℃を超えると、BIOSもしくはファームウェアが、70%のデューティ比をHW監視回路35のレジスタに設定してPWM信号のデューティ比を変更する。通常冷却ファンの回転速度の変更はヒステリシスを持って制御されるが、説明を簡潔にするため本実施例では省略する。
【0047】
本実施形態で追加する回転速度補正チップ36は、HW監視回路35からのPWM信号と、各冷却ファンからのファン回転速度検知信号を入力とし、各冷却ファンへのPWM信号(補正済み)を出力とし各冷却ファンを制御する。なお、HW監視回路35と回転速度補正チップ36とは異なる半導体チップに実装される。
【0048】
回転速度補正チップ36の構成について図7を参照して説明する。図7に示すように、回転速度補正チップ36は、初期デューティ比設定モジュール401、回転速度取得モジュール402、特性関数演算モジュール403、デューティ比演算モジュール404、デューティ比読出モジュール405、目標回転速度取得モジュール406、デューティ比設定モジュール407、回転速度演算回路451、不揮発性メモリ(NVM)453、デューティ比検出回路454、およびデューティ比補正回路455等を有する。
【0049】
なお、初期デューティ比設定モジュール401、回転速度取得モジュール402、特性関数演算モジュール403、デューティ比演算モジュール404、デューティ比読出モジュール405、目標回転速度取得モジュール406、およびデューティ比設定モジュール407は、回転速度補正チップ36に実装されたマイクロプロセッサによって実行されるプログラムソフトウェアである。
【0050】
不揮発性メモリ453には、マイクロプロセッサが初期デューティ比設定モジュール401、回転速度取得モジュール402、特性関数演算モジュール403、デューティ比演算モジュール404、デューティ比読出モジュール405、目標回転速度取得モジュール406、およびデューティ比設定モジュール407を実行するためのファームウェア、スピンアップ時に電動ファン27に供給するPWM信号のデューティ比、HW監視回路35が出力するPWM信号のデューティ比と目標回転速度との組み合わせが格納されている。
【0051】
起動時に初期デューティ比設定モジュール401は、デューティ比補正回路455にスピンアップ用のデューティ比を有する制御信号を補正せずに電動ファン27に供給する指示する。そして、一定時間が経過してモータの回転速度が安定した後、初期デューティ比設定モジュール301は、レジスタ254にデューティ比の情報を書き込んでから一定時間が経過してモータ272の回転が安定すると、回転速度取得モジュール402に回転速度の取得を指示する。回転速度取得モジュール402は、回転速度演算回路451に演算した回転速度の送信を要求する。回転速度演算回路451は、演算した回転速度を回転速度取得モジュール402に送信する。初期デューティ比設定モジュール401は、スピンアップ時のPWM信号のデューティ比を付記は453から読み出し、読み出したデューティ比とモータの回転速度とを特性関数演算モジュール403に渡す。
【0052】
そして、初期デューティ比設定モジュール401は、デューティ比補正回路455にデューティ比が0%のPWM信号を電動ファン27に供給するように指示する。そして、一定時間が経過してモータ272の回転速度が安定した後、初期デューティ比設定モジュール401は、回転速度取得モジュール402を用いてモータ272の回転速度を取得する。
【0053】
初期デューティ比設定モジュール401は、回転速度取得モジュール402から取得した回転速度およびデューティ比(0%)の情報を特性関数演算モジュール403に通知する。
【0054】
特性関数演算モジュール403は、初期デューティ比設定モジュール401から通知された回転速度の情報とデューティ比の情報との組み合わせを二組受け取ると、受け取った二組の情報からデューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する。特性関数演算モジュール403は、特性を示す関数として一次関数を演算する。一次関数の演算は、一実施形態と同様なので説明を省略する。特性関数演算モジュール403は、関数の演算が終了すると、傾きaおよびy切片bをデューティ比演算モジュール404に渡す。
【0055】
デューティ比検出回路454は、HW監視回路35が出力したPWM信号のデューティ比を検出する。デューティ比読出モジュール405は、デューティ比検出回路454から検出したPWM信号のデューティ比を読み出す。デューティ比検出回路454は、PWM信号のHレベルの時間とLレベルの時間とからデューティ比を検出する。デューティ比読出モジュール405は検出したデューティ比を目標回転速度取得モジュール406に通知する。
【0056】
不揮発性メモリには、HW監視回路35が出力する制御信号のデューティ比と目標回転速度との組み合わせテーブルが全て格納されている。目標回転速度取得モジュール406は、不揮発性メモリ453を参照することによって、デューティ比読出モジュール405が通知したデューティ比に対する目標回転速度を取得する。目標回転速度取得モジュールは、取得した目標回転速度をデューティ比演算モジュール404およびデューティ比設定モジュール407に通知する。
【0057】
デューティ比演算モジュール404は、目標回転速度取得モジュール406から通知された目標回転速度に対応するデューティ比を演算する。デューティ比演算モジュール404は、目標回転速度に対応するデューティ比Rを得るために
R=(目標回転速度−b)/a
を演算する。デューティ比演算モジュール404は、演算した結果をデューティ比設定モジュール407に通知する。
【0058】
例えば、温度検出ユニット26の検出が50℃以下で、冷却ファンの目標回転速度が5500rpmの場合に、HW監視回路35はデューティ比が50%のPWM信号を出力する。しかし、デューティ比演算モジュール404は、下記の通り56%のPWMディーティ比が必要であると演算する。
【0059】
デューティ比=(5500rpm−500rpm)/88.88=56%
HW監視回路からはデューティ比が50%のPWM信号が出力されている。本実施形態の電動ファンでは、4944rpmになってしまう。このため、HW監視回路で設定可能な50%のままでは冷却能力が不足するが、HW監視回路のPWM信号のデューティ比は10%ごとにしか設定できないため、60%にした場合には、アイドル時の騒音仕様等をオーバする可能性がある。本実施例では、回転速度補正チップ36にてデューティ比を補正する。
【0060】
デューティ比設定モジュール407は、以下の処理を行う。
先ず、デューティ比設定モジュール407は、デューティ比演算モジュール404が演算した補正デューティ比とデューティ比検出モジュールが検出したデューティ比とが等しいか否かを判別する。等しいと判別した場合、デューティ比設定モジュール407は、デューティ比補正モジュールが入力される制御信号に対して補正処理を行わないようにするための設定をデューティ比補正回路455に行う。
【0061】
等しくないと判断した場合、デューティ比演算モジュール404が演算した補正デューティ比がデューティ比検出モジュールが検出したデューティ比より大きいか否かを判別する。大きいと判別した場合、大きいと判別した場合、デューティ比設定モジュール407は、PWM信号のデューティ比を大きくするための設定をデューティ比補正回路455に行う。大きくないと判別した場合、デューティ比設定モジュール407は、PWM信号に対してデューティ比を小さくするための設定をデューティ比補正回路455に行う。
【0062】
デューティ比補正回路455の構成について図8を参照して説明する。選択回路501、第1補正回路510、および第2補正回路等520から構成されている。選択回路501は、HW監視回路35が出力したPWM信号を第1補正回路510に入力、第2補正回路520に入力、直接電動ファン27に入力の何れかに設定する。
【0063】
第1補正回路510は、デューティ比を大きくするための回路である。第1補正回路510は、プリセット付きダウンカウンタ511と、論理和演算回路512とから構成されている。
【0064】
ダウンカウンタ511に供給されるクロックは、電動ファン27に供給するPWM信号の周波数よりも十分に周波数の高いものとする。本実施形態では、PWM信号の周波数を25kHzとすると、2.5MHzのクロックを供給することで、PWM信号のデューティ比を1%単位で設定することが可能となる。
【0065】
プリセット付きダウンカウンタ511は、PWM信号の波形の立下りにおいてプリセットされているカウントからカウントダウンを開始し、ダウンカウンタがカウント終了するまでの間、Hレベルの信号を出力する。カウント終了後、ダウンカウンタはLレベルの信号を出力する。
【0066】
論理和演算回路512は、HW監視回路35が出力するPWM信号とダウンカウンタ511の出力との論理和を演算する。論理和演算回路512の出力が電動ファン27に入力される。
【0067】
HW監視回路35が出力するPWM信号のデューティ比が50%であり、制御信号のデューティ比を56%の場合を考える。デューティ比設定モジュール407はデューティ比が56%になるように、ダウンカウンタにプリセットする。図9に、HW監視回路35、ダウンカウンタ511の出力、回転速度補正チップ36の出力(論理和演算回路512の出力)を示す。図9に示すように、回転速度補正チップ36の出力(論理和演算回路512の出力)のデューティ比は56%である。従って、モータ272は5500rpmで回転する。
【0068】
また、第2補正回路520は、デューティ比を小さくするための回路である。第2補正回路520は、プリセット付きダウンカウンタ521と、論理積演算回路522とから構成されている。
【0069】
ダウンカウンタ521に供給されるクロックは、電動ファン27に供給するPWM信号の周波数よりも十分に周波数の高いものとする。本実施形態では、PWM信号の周波数を25kHzとすると、2.5MHzのクロックを供給することで、PWM信号のデューティ比を1%単位で設定することが可能となる。
【0070】
ダウンカウンタ521は、PWM信号の波形の立上りにおいてプリセットされているカウントからカウントダウンを開始し、ダウンカウンタがカウント終了するまでの間、Hレベルの信号を出力する。カウントダウン終了後、ダウンカウンタはLレベルの信号を出力する。
【0071】
論理積演算回路522は、HW監視回路35が出力する制御信号とダウンカウンタ521の出力との論理積を演算する。論理積演算回路522の出力が電動ファン27に入力される。
【0072】
HW監視回路35が出力する制御信号のデューティ比が50%であり、制御信号のデューティ比を46%の場合を考える。デューティ比設定モジュール407はデューティ比が46%になるように、ダウンカウンタにプリセットする。図10に、HW監視回路35、ダウンカウンタ521の出力、回転速度補正チップ36の出力(論理積演算回路522の出力)を示す。図10に示すように、回転速度補正チップ36の出力(論理積演算回路522の出力)のデューティ比は44%である。従って、モータ272は5500rpmで回転する。
【0073】
HW監視回路35が出力するPWM信号のデューティ比を回転速度補正チップ36によって補正することで、電動ファン27のモータ272を目標の回転速度で回転させることができる。
【0074】
本実施形態によれば、電動ファンのばらつきに関係なく冷却能力/騒音仕様を達成することができる。また、HW監視回路35で設定できないデューティ比で電動ファンを制御し目標回転速度で動作させることができる。
【0075】
例えば、図11に特性関数演算モジュールが演算した一次関数に基づくデューティ比に対する回転速度の関係を示す。図11に示すように、目標回転速度が5500rpmでモータ272を回転させたいのに、HW監視回路35からデューティ比が50%のPWM信号を出力すると、モータ272は4944rpmで回転し、目標回転速度に足りず、冷却性能が不足してしまう。ところが、HW監視回路35がデューティ比が50%のPWM信号を出力した場合に、回転速度補正チップ36がデューティ比が56%のPWM信号を出力することによって、モータ272は目標回転速度の5500rpmで回転し、冷却性能が不足することがない。
【0076】
同様に、目標回転速度が7300rpmでモータ272を回転させたいのに、HW監視回路35からデューティ比が70%のPWM信号を出力すると、モータ272は6722rpmで回転し、目標回転速度に足りず、冷却性能が不足してしまう。ところが、HW監視回路35がデューティ比が70%のPWM信号を出力した場合に、回転速度補正チップ36がデューティ比が76%のPWM信号を出力することによって、モータ272は目標回転速度の7300rpmで回転し、冷却性能が不足することがない。
【0077】
更に同様に、目標回転速度が9100rpmでモータ272を回転させたいのに、HW監視回路35からデューティ比が90%のPWM信号を出力すると、モータ272は8500rpmで回転し、目標回転速度に足りず、冷却性能が不足してしまう。ところが、HW監視回路35がデューティ比が90%のPWM信号を出力した場合に、回転速度補正チップ36がデューティ比が96%のPWM信号を出力することによって、モータ272は目標回転速度の9100rpmで回転し、冷却性能が不足することがない。
【0078】
また、PWM信号に対し、目標回転速度より速い回転速度で回転してしまうモータであっても、回転速度補正チップ36によってPWM信号のデューティ比を調整することで、目標回転速度で回転させることができる。その結果、風切り音を抑制することができる。
【0079】
なお、上記実施形態では、HW監視回路35内で動作するファームウェアがデューティ比の設定を行っていたが、ファームウェアの代わりにBIOSが行っても良い。BIOSが設定を行う場合、温度に対する目標回転速度、温度に対するデューティ比を示すテーブルはBIOS−ROMに格納される。
【0080】
また、図12に示すように、PWM信号によって回転速度が制御される数の電動ファン27A,27Bが存在し、複数ファンに対して同じPWM信号で制御をする場合がある。ただし、個々のファンのばらつきは異なるため、それぞれに目標回転速度を満たすためには、個別のPWMデューティを設定する必要がある。この場合には、PWMデューティ比を個別に管理する必要があり、BIOSやファームウェアでの処理が非常に煩雑になる。
【0081】
ところが、図12に示すように、HW監視回路35と電動ファン27Aとの間に回転速度補正チップ36Aを設置し、HW監視回路35と電動ファン27Bとの間に回転速度補正チップ36Bを設置することで、それぞれの電動ファン27Aのモータ数を目標回転速度で回転させることができる。その結果、複数の冷却ファンの制御で、HW監視回路35やBIOS/ファームウェア部分は冷却ファンのばらつきを考慮せずに制御が可能である。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施形態に係わる電子装置のシステム構成を示すブロック図。
【図2】第1の施形態に係わるHW監視回路、温度検出ユニット、および電動ファンの構成を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わるマイクロプロセッサによって実行されるファームウェアの構成を示す図。
【図4】第1の実施形態に係わる特性関数演算モジュールによって演算された特性関数を示す図。
【図5】第2の実施形態に係わる電子装置のシステム構成を示すブロック図。
【図6】第2の実施形態に係わるハードウェア監視回路で設定される温度に対するPWM信号のデューティ比を示す図。
【図7】第2の実施形態に係わる回転速度補正チップの構成を示すブロック図。
【図8】第2の実施形態に係わるデューティ比補正回路の構成を示すブロック図。
【図9】第2の実施形態に係わるHW監視回路、ダウンカウンタの出力、回転速度補正チップの出力(論理和演算回路の出力)を示す図。
【図10】第2の実施形態に係わるHW監視回路、ダウンカウンタの出力、回転速度補正チップの出力(論理積演算回路の出力)を示す図。
【図11】第2の実施形態に係わる特性関数演算モジュールが演算した一次関数に基づくデューティ比に対する回転速度の関係を示す図。
【図12】第2の実施形態に係わる回転速度補正チップを用いた変形例を示す図。
【符号の説明】
【0084】
25…ハードウェア監視回路,26…温度検出ユニット,27…電動ファン,27A.27B…電動ファン,35…ハードウェア監視回路,36…回転速度補正チップ,251…回転速度演算回路,252…マイクロプロセッサ,253…不揮発性メモリ,254…レジスタ,255…PWM回路,271…回転制御IC,272…モータ,273…ブレード,300…ファームウェア,301…初期デューティ比設定モジュール,302…回転速度取得モジュール,303…特性関数演算モジュール,304…デューティ比演算モジュール,305…温度読出モジュール,306…目標回転速度取得モジュール,307…デューティ比設定モジュール,401…初期デューティ比設定モジュール,402…回転速度取得モジュール,403…特性関数演算モジュール,404…デューティ比演算モジュール,405…デューティ比読出モジュール,406…目標回転速度取得モジュール,407…デューティ比設定モジュール,451…回転速度演算回路,453…不揮発性メモリ,454…デューティ比検出回路,455…デューティ比補正回路,501…選択回路,510…第1補正回路,511…プリセット付きダウンカウンタ,512…論理和演算回路,520…第2補正回路,521…プリセット付きダウンカウンタ,522…論理積演算回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するファンを有する電子装置、およびファンの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PCサーバやパーソナルコンピュータの情報処理装置は、各コンポーネント(CPUや電源ユニットなど)の高性能化により発熱部品の増加、また高密度化により、情報処理装置には、電子部品が発する熱を筐体外部に放出するため冷却ファンが設けられている。
【0003】
特に、PCサーバにて市場が拡大しているラックマウントサーバ等では筐体スペースの制限から高回転の小型冷却ファンを複数搭載したシステムが多くなっている。
【0004】
冷却ファンは、筐体から熱を放出するメリットがあるが、その一方で、騒音を発するというデメリットが存在する。そこで情報処理装置では、騒音低減のためにHW監視回路において内部コンポーネント(CPUや電源ユニットなど)の温度を測定し、HW監視回路で冷却ファンの制御を行うことで、情報処理装置の冷却に必要な最低限の風量にて冷却を実施している。
【0005】
従来では、温度監視、ファンPWM制御、ファンの回転速度を検出が可能なハードウェア監視回路において、情報処理装置の各コンポーネント(CPUや電源ユニットなど)の温度を監視し、温度があらかじめ定められた閾値を超えた場合に、HW監視回路がPWMデューティ比を変化させることで、冷却ファンの制御を行っていた。
【0006】
通常、HW監視回路が設定できるPWMデューティ比は粒度の粗い離散値であり、10%間隔程度となっている。また、冷却ファンを複数備えた情報処理装置においては、複数の冷却ファンのPWM信号のデューティ比を同じように制御する場合が多い。
【0007】
特許文献1には、換気装置で、PWM制御のファンと回転パルスからファンの回転速度を検出する制御部で、回転開始時のPWM信号のデューティ比が0%時の設定電圧及び回転速度とデューティ比が100%時の設定電圧及び回転速度を保持して、その間の任意のディユーティ比を求める技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−271144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
冷却ファンの製造において、冷却ファンに供給するPWM信号のデューティ比と冷却ファンが回転する回転速度との関係を、製造した全ての冷却ファンで同一に設定することは非常に難しい。すなわち、各冷却ファンは、その特性(冷却ファンに印加するデューティ比と冷却ファンが回転する回転速度との関係)にばらつきが生じる。
【0009】
前記の通り、PCサーバやパーソナルコンピュータの情報処理装置では、騒音低減のためにHW監視回路で冷却ファンの制御を行っている。情報処理装置の各コンポーネントを冷却するためには、冷却ファンのばらつきを考慮してデューティ比を設定する必要がある。しかし、ばらつきを考慮して冷却ファンのデューティ比を高めに設定すると、騒音仕様を満たすことができないという問題点があった。
【0010】
また、前記の通りHW監視回路で設定できるデューティ比は、粒度の粗い離散値(一般的に10%程度の間隔でしか設定できない)であり冷却ファンのばらつきによっては、デューティ比を1段階上げると、ファンの回転速度が目標回転速度をオーバし、風量は必要以上に確保できるが騒音値が仕様を満たさない場合が存在する。このような場合には、製品の騒音仕様の変更や、検査によりファンを選別する必要が生じる。
【0011】
本発明の目的は、ファンの回転速度を目標回転速度で回転させることが可能な電子装置、およびファンの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一例に係わる電子装置は、入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、温度に対応する目標回転速度の情報を複数格納する記憶装置と、温度を計測する温度計測部と、前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比と回転速度との特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記モータを前記読み出した目標回転速度で回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算するデューティ比演算手段と、前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比の制御信号を前記ファンに出力する回転制御部とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の別の一例に係わる電子装置は、入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、温度に対応する目標回転速度と前記制御信号のデューティ比との組み合わせの情報を複数格納する第1記憶装置と、温度を計測する温度計測部と、前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記読み出したデューティ比を有する制御信号を出力する制御信号出力部と、前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度と制御信号のデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第2記憶装置と、前記回転制御部が出力した制御信号を受信し、受信した制御信号のデューティ比を検出するデューティ比検出部と、前記第2記憶装置を参照することによって前記デューティ比検出部が検出したデューティ比に対応する目標回転速度を取得する目標回転速度取得部と、前記目標回転速度取得部が取得した前記目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算する補正値演算手段と、前記デューティ比検出部が受信したデューティ比を前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比に補正した制御信号を前記ファンに出力するデューティ比補正部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ファンの回転速度を目標回転速度で回転させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0016】
図1を参照して本発明の一実施形態に係わる電子装置を説明する。電子装置は、コンピュータサーバとして実現されている。
【0017】
図1は、本電子装置1のシステム構成を示すブロック図である。図1に示すように、本電子装置1は、CPU11、ノースブリッジ12、主メモリ13、グラフィックスコントローラ14、VRAM14A、サウスブリッジ16、BIOS−ROM17、HDD18、光磁気ディスク駆動装置(ODD)19、サウンドコントローラ20、スピーカ21、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)22、ハードウェア(HW)監視回路25、温度検出ユニット26、および電動ファン27等を備えている。
【0018】
CPU11は、本電子装置1内の各部の動作を制御するプロセッサである。CPU11は、HDD18から主メモリ13にロードされるオペレーティングシステムや、このオペレーティングシステムの制御下で動作する各種プログラムを実行する。また、CPU11は、BIOS−ROM17に格納された基本入出力システム(BIOS)も実行する。なお、以下では、このBIOS−ROM17に格納された基本入出力システム自体をBIOSと称することがある。
【0019】
ノースブリッジ12は、CPU11のローカルバスとサウスブリッジ16との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ12は、バスを介してグラフィックスコントローラ14との通信を実行する機能を有しており、また、主メモリ13をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。グラフィックスコントローラ14は、本電子装置1側のディスプレイ15を制御する表示コントローラである。グラフィックスコントローラ14は、VRAM14Aに書き込まれた画像データからディスプレイ15に送出すべき映像信号を生成する。
【0020】
サウスブリッジ16は、PCIバスおよびLPCバス上の各種デバイスを制御するコントローラである。また、このサウスブリッジ16には、BIOS−ROM17、HDD18、ODD19およびサウンドコントローラ20が直接的に接続され、これらを制御する機能も有している。サウンドコントローラ20は、スピーカ21を制御する音源コントローラである。
【0021】
EC/KBC22は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード23およびマウス24を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。
【0022】
HW監視回路25は、温度検出ユニット26が検出した温度を取得し、取得した温度に応じたデューティ比のPWM(pulse width modulation)信号を電動ファン27に出力する。電動ファン27は、PWM信号のデューティ比に応じた回転速度でモータが回転する。
【0023】
本実施形態に係わるHW監視回路25、温度検出ユニット26、および電動ファン27の構成を図2に示す。
【0024】
図2に示すように、HW監視回路25は、回転速度演算回路251、マイクロプロセッサ252、不揮発性メモリ(NVM)253、レジスタ254、PWM回路255等を有する。
【0025】
PWM回路255は、レジスタ254に書き込まれている設定に応じたデューティ比を有するPWM信号を電動ファン27に出力する。電動ファン27は、回転制御IC271、モータ272、およびブレード273を具備する。回転制御IC271は、PWM信号のデューティ比に応じた回転速度でモータ272を回転させる。モータ272の回転速度は回転制御IC271によって監視されている。回転制御IC271は、モータ272の回転速度に応じたパルス信号をEC/KBC124に供給する。
【0026】
回転速度演算回路251は、回転制御IC271が出力するパルス信号に基づいてモータ273の回転速度を演算する。実回転速度は、パルス信号に含まれるパルス間隔の反転にて算出される。
【0027】
マイクロプロセッサ252は、HW監視回路25の各部の動作を制御するプロセッサである。マイクロプロセッサ252は、不揮発性メモリ253に格納されているファームウェアを実行する。また、不揮発性メモリ253には温度検出ユニット26によって測定された温度に対する目標回転速度の情報が格納されている。
【0028】
マイクロプロセッサ252によって実行されるファームウェアは、図3に示すモジュール等から構成される。図3に示すように、ファームウェア300は、初期デューティ比設定モジュール301、回転速度取得モジュール302、特性関数演算モジュール303、デューティ比演算モジュール304、温度読出モジュール305、目標回転速度取得モジュール306、およびデューティ比設定モジュール307等を有する。
【0029】
初期デューティ比設定モジュール301は、起動時に不揮発性メモリ253からスピンアップ時のデューティ比の情報を読み出し、読み出したデューティ比の情報をレジスタ254に書き込む。また、回転が安定した後、初期デューティ比設定モジュール301は、デューティ比が0%であることを示す情報をレジスタ254に書き込む。
【0030】
初期デューティ比設定モジュール301は、レジスタ254にデューティ比の情報を書き込んでから一定時間が経過してモータ272の回転が安定すると、回転速度取得モジュール302に回転速度の取得を指示する。
【0031】
回転速度取得モジュール302は、回転速度演算回路251に演算した回転速度の送信を要求する。回転速度演算回路251は、演算した回転速度を回転速度取得モジュール302に送信する。初期デューティ比設定モジュール301は、通知された回転速度およびレジスタ254に書き込んだデューティ比の情報を特性関数演算モジュール303に通知する。
【0032】
特性関数演算モジュール303は、初期デューティ比設定モジュール301から通知された回転速度の情報とデューティ比の情報との組み合わせを二組受け取ると、受け取った二組の情報からデューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する。特性関数演算モジュール303は、特性を示す関数として一次関数を演算する。
【0033】
例えば、スピンアップ時のデューティ比が90%であり、デューティ比90%時の回転速度が8500rpmであったとする。また、PWM信号のデューティ比が0%時の回転速度が500rpmであったとする。
【0034】
図4に示すように、x軸にデューティ比、y軸に回転速度にした場合、特性関数演算モジュール303は、y=ax+bで表される一次関数で特性を示す関数を演算する。
【0035】
係数aは、
a=(90%のときの実回転速度−0%のときの実回転速度)/デューティ比差(90%−0%)
によって求められる。上述した回転速度の場合、傾きaは800/9である。
【0036】
y切片bは、0%の時の回転速度である。従って、特性を示す関数はy=(800/9)x+500である。
【0037】
特性関数演算モジュール303は、関数の演算が終了すると、傾きaおよびy切片bをデューティ比演算モジュール304に渡す。
【0038】
温度読出モジュール305は、温度検出ユニット26に対して検出温度の送信を要求し、要求に応じて温度検出ユニット26が送信した検出温度を受信する。温度読出モジュール305は、受信した検出温度を目標回転速度取得モジュール306に渡す。
【0039】
目標回転速度取得モジュール306は、不揮発性メモリ253に格納されている温度−回転速度テーブルを参照することによって渡された検出温度に対する目標回転速度を取得する。目標回転速度取得モジュール306は、目標回転速度をデューティ比演算モジュール304に渡す。
【0040】
デューティ比演算モジュール304は、目標回転速度取得モジュール306から渡された目標回転速度に対応するデューティ比を演算する。デューティ比演算モジュール304は、目標回転速度に対応するデューティ比Rを得るために
R=(目標回転速度−b)/a
を演算する。デューティ比演算モジュール304は、演算した結果をデューティ比設定モジュール307に渡す。
【0041】
デューティ比設定モジュール307は、渡されたデューティ比の情報をレジスタ254に書き込む。PWM回路は、レジスタ254に書き込まれた新たなデューティ比の情報に応じた制御信号を電動ファンに出力する。
【0042】
以上の処理で目標回転速度に応じた回転速度でモータを回転させることができる。
【0043】
[第2の実施形態]
第1の実施形態で述べた構成は新規なHW監視回路25を必要とする。本実施形態では、従来のHW監視回路を用いて目標回転速度に応じた回転速度でモータを回転させるための構成について説明する。
【0044】
図5は、本発明の第2の実施形態に係わる電子装置のシステム構成を示すブロック図である。なお、図5において図1と同一な部位には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
ハードウェア(HW)監視回路35は、現在一般に用いられているHW監視回路35である。現在、一般的に用いられているHW監視回路35では、例えばPWM信号のデューティ比が、10%単位の離散的な値で設定できる。
【0046】
本実施形態では、図6に示す通りHW監視回路35で設定可能な温度範囲(3通り)により、PWM信号のデューティ比が、あらかじめ定められている(冷却設計により設定する)場合を説明する。HW監視回路35で実行されるファームウェアは、CPU温度範囲が、“50℃以下”、“50℃より高く70℃未満”、および“70℃より高い”の3通りの状態で、それぞれの状態に応じたPWM信号のデューティ比の設定値を事前に持っている。例えば、CPU温度が50℃以下の状態ではPWM信号のデューティ比は、50%になる。その時に、CPU温度が50℃を超えると、BIOSもしくはファームウェアが、70%のデューティ比をHW監視回路35のレジスタに設定してPWM信号のデューティ比を変更する。通常冷却ファンの回転速度の変更はヒステリシスを持って制御されるが、説明を簡潔にするため本実施例では省略する。
【0047】
本実施形態で追加する回転速度補正チップ36は、HW監視回路35からのPWM信号と、各冷却ファンからのファン回転速度検知信号を入力とし、各冷却ファンへのPWM信号(補正済み)を出力とし各冷却ファンを制御する。なお、HW監視回路35と回転速度補正チップ36とは異なる半導体チップに実装される。
【0048】
回転速度補正チップ36の構成について図7を参照して説明する。図7に示すように、回転速度補正チップ36は、初期デューティ比設定モジュール401、回転速度取得モジュール402、特性関数演算モジュール403、デューティ比演算モジュール404、デューティ比読出モジュール405、目標回転速度取得モジュール406、デューティ比設定モジュール407、回転速度演算回路451、不揮発性メモリ(NVM)453、デューティ比検出回路454、およびデューティ比補正回路455等を有する。
【0049】
なお、初期デューティ比設定モジュール401、回転速度取得モジュール402、特性関数演算モジュール403、デューティ比演算モジュール404、デューティ比読出モジュール405、目標回転速度取得モジュール406、およびデューティ比設定モジュール407は、回転速度補正チップ36に実装されたマイクロプロセッサによって実行されるプログラムソフトウェアである。
【0050】
不揮発性メモリ453には、マイクロプロセッサが初期デューティ比設定モジュール401、回転速度取得モジュール402、特性関数演算モジュール403、デューティ比演算モジュール404、デューティ比読出モジュール405、目標回転速度取得モジュール406、およびデューティ比設定モジュール407を実行するためのファームウェア、スピンアップ時に電動ファン27に供給するPWM信号のデューティ比、HW監視回路35が出力するPWM信号のデューティ比と目標回転速度との組み合わせが格納されている。
【0051】
起動時に初期デューティ比設定モジュール401は、デューティ比補正回路455にスピンアップ用のデューティ比を有する制御信号を補正せずに電動ファン27に供給する指示する。そして、一定時間が経過してモータの回転速度が安定した後、初期デューティ比設定モジュール301は、レジスタ254にデューティ比の情報を書き込んでから一定時間が経過してモータ272の回転が安定すると、回転速度取得モジュール402に回転速度の取得を指示する。回転速度取得モジュール402は、回転速度演算回路451に演算した回転速度の送信を要求する。回転速度演算回路451は、演算した回転速度を回転速度取得モジュール402に送信する。初期デューティ比設定モジュール401は、スピンアップ時のPWM信号のデューティ比を付記は453から読み出し、読み出したデューティ比とモータの回転速度とを特性関数演算モジュール403に渡す。
【0052】
そして、初期デューティ比設定モジュール401は、デューティ比補正回路455にデューティ比が0%のPWM信号を電動ファン27に供給するように指示する。そして、一定時間が経過してモータ272の回転速度が安定した後、初期デューティ比設定モジュール401は、回転速度取得モジュール402を用いてモータ272の回転速度を取得する。
【0053】
初期デューティ比設定モジュール401は、回転速度取得モジュール402から取得した回転速度およびデューティ比(0%)の情報を特性関数演算モジュール403に通知する。
【0054】
特性関数演算モジュール403は、初期デューティ比設定モジュール401から通知された回転速度の情報とデューティ比の情報との組み合わせを二組受け取ると、受け取った二組の情報からデューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する。特性関数演算モジュール403は、特性を示す関数として一次関数を演算する。一次関数の演算は、一実施形態と同様なので説明を省略する。特性関数演算モジュール403は、関数の演算が終了すると、傾きaおよびy切片bをデューティ比演算モジュール404に渡す。
【0055】
デューティ比検出回路454は、HW監視回路35が出力したPWM信号のデューティ比を検出する。デューティ比読出モジュール405は、デューティ比検出回路454から検出したPWM信号のデューティ比を読み出す。デューティ比検出回路454は、PWM信号のHレベルの時間とLレベルの時間とからデューティ比を検出する。デューティ比読出モジュール405は検出したデューティ比を目標回転速度取得モジュール406に通知する。
【0056】
不揮発性メモリには、HW監視回路35が出力する制御信号のデューティ比と目標回転速度との組み合わせテーブルが全て格納されている。目標回転速度取得モジュール406は、不揮発性メモリ453を参照することによって、デューティ比読出モジュール405が通知したデューティ比に対する目標回転速度を取得する。目標回転速度取得モジュールは、取得した目標回転速度をデューティ比演算モジュール404およびデューティ比設定モジュール407に通知する。
【0057】
デューティ比演算モジュール404は、目標回転速度取得モジュール406から通知された目標回転速度に対応するデューティ比を演算する。デューティ比演算モジュール404は、目標回転速度に対応するデューティ比Rを得るために
R=(目標回転速度−b)/a
を演算する。デューティ比演算モジュール404は、演算した結果をデューティ比設定モジュール407に通知する。
【0058】
例えば、温度検出ユニット26の検出が50℃以下で、冷却ファンの目標回転速度が5500rpmの場合に、HW監視回路35はデューティ比が50%のPWM信号を出力する。しかし、デューティ比演算モジュール404は、下記の通り56%のPWMディーティ比が必要であると演算する。
【0059】
デューティ比=(5500rpm−500rpm)/88.88=56%
HW監視回路からはデューティ比が50%のPWM信号が出力されている。本実施形態の電動ファンでは、4944rpmになってしまう。このため、HW監視回路で設定可能な50%のままでは冷却能力が不足するが、HW監視回路のPWM信号のデューティ比は10%ごとにしか設定できないため、60%にした場合には、アイドル時の騒音仕様等をオーバする可能性がある。本実施例では、回転速度補正チップ36にてデューティ比を補正する。
【0060】
デューティ比設定モジュール407は、以下の処理を行う。
先ず、デューティ比設定モジュール407は、デューティ比演算モジュール404が演算した補正デューティ比とデューティ比検出モジュールが検出したデューティ比とが等しいか否かを判別する。等しいと判別した場合、デューティ比設定モジュール407は、デューティ比補正モジュールが入力される制御信号に対して補正処理を行わないようにするための設定をデューティ比補正回路455に行う。
【0061】
等しくないと判断した場合、デューティ比演算モジュール404が演算した補正デューティ比がデューティ比検出モジュールが検出したデューティ比より大きいか否かを判別する。大きいと判別した場合、大きいと判別した場合、デューティ比設定モジュール407は、PWM信号のデューティ比を大きくするための設定をデューティ比補正回路455に行う。大きくないと判別した場合、デューティ比設定モジュール407は、PWM信号に対してデューティ比を小さくするための設定をデューティ比補正回路455に行う。
【0062】
デューティ比補正回路455の構成について図8を参照して説明する。選択回路501、第1補正回路510、および第2補正回路等520から構成されている。選択回路501は、HW監視回路35が出力したPWM信号を第1補正回路510に入力、第2補正回路520に入力、直接電動ファン27に入力の何れかに設定する。
【0063】
第1補正回路510は、デューティ比を大きくするための回路である。第1補正回路510は、プリセット付きダウンカウンタ511と、論理和演算回路512とから構成されている。
【0064】
ダウンカウンタ511に供給されるクロックは、電動ファン27に供給するPWM信号の周波数よりも十分に周波数の高いものとする。本実施形態では、PWM信号の周波数を25kHzとすると、2.5MHzのクロックを供給することで、PWM信号のデューティ比を1%単位で設定することが可能となる。
【0065】
プリセット付きダウンカウンタ511は、PWM信号の波形の立下りにおいてプリセットされているカウントからカウントダウンを開始し、ダウンカウンタがカウント終了するまでの間、Hレベルの信号を出力する。カウント終了後、ダウンカウンタはLレベルの信号を出力する。
【0066】
論理和演算回路512は、HW監視回路35が出力するPWM信号とダウンカウンタ511の出力との論理和を演算する。論理和演算回路512の出力が電動ファン27に入力される。
【0067】
HW監視回路35が出力するPWM信号のデューティ比が50%であり、制御信号のデューティ比を56%の場合を考える。デューティ比設定モジュール407はデューティ比が56%になるように、ダウンカウンタにプリセットする。図9に、HW監視回路35、ダウンカウンタ511の出力、回転速度補正チップ36の出力(論理和演算回路512の出力)を示す。図9に示すように、回転速度補正チップ36の出力(論理和演算回路512の出力)のデューティ比は56%である。従って、モータ272は5500rpmで回転する。
【0068】
また、第2補正回路520は、デューティ比を小さくするための回路である。第2補正回路520は、プリセット付きダウンカウンタ521と、論理積演算回路522とから構成されている。
【0069】
ダウンカウンタ521に供給されるクロックは、電動ファン27に供給するPWM信号の周波数よりも十分に周波数の高いものとする。本実施形態では、PWM信号の周波数を25kHzとすると、2.5MHzのクロックを供給することで、PWM信号のデューティ比を1%単位で設定することが可能となる。
【0070】
ダウンカウンタ521は、PWM信号の波形の立上りにおいてプリセットされているカウントからカウントダウンを開始し、ダウンカウンタがカウント終了するまでの間、Hレベルの信号を出力する。カウントダウン終了後、ダウンカウンタはLレベルの信号を出力する。
【0071】
論理積演算回路522は、HW監視回路35が出力する制御信号とダウンカウンタ521の出力との論理積を演算する。論理積演算回路522の出力が電動ファン27に入力される。
【0072】
HW監視回路35が出力する制御信号のデューティ比が50%であり、制御信号のデューティ比を46%の場合を考える。デューティ比設定モジュール407はデューティ比が46%になるように、ダウンカウンタにプリセットする。図10に、HW監視回路35、ダウンカウンタ521の出力、回転速度補正チップ36の出力(論理積演算回路522の出力)を示す。図10に示すように、回転速度補正チップ36の出力(論理積演算回路522の出力)のデューティ比は44%である。従って、モータ272は5500rpmで回転する。
【0073】
HW監視回路35が出力するPWM信号のデューティ比を回転速度補正チップ36によって補正することで、電動ファン27のモータ272を目標の回転速度で回転させることができる。
【0074】
本実施形態によれば、電動ファンのばらつきに関係なく冷却能力/騒音仕様を達成することができる。また、HW監視回路35で設定できないデューティ比で電動ファンを制御し目標回転速度で動作させることができる。
【0075】
例えば、図11に特性関数演算モジュールが演算した一次関数に基づくデューティ比に対する回転速度の関係を示す。図11に示すように、目標回転速度が5500rpmでモータ272を回転させたいのに、HW監視回路35からデューティ比が50%のPWM信号を出力すると、モータ272は4944rpmで回転し、目標回転速度に足りず、冷却性能が不足してしまう。ところが、HW監視回路35がデューティ比が50%のPWM信号を出力した場合に、回転速度補正チップ36がデューティ比が56%のPWM信号を出力することによって、モータ272は目標回転速度の5500rpmで回転し、冷却性能が不足することがない。
【0076】
同様に、目標回転速度が7300rpmでモータ272を回転させたいのに、HW監視回路35からデューティ比が70%のPWM信号を出力すると、モータ272は6722rpmで回転し、目標回転速度に足りず、冷却性能が不足してしまう。ところが、HW監視回路35がデューティ比が70%のPWM信号を出力した場合に、回転速度補正チップ36がデューティ比が76%のPWM信号を出力することによって、モータ272は目標回転速度の7300rpmで回転し、冷却性能が不足することがない。
【0077】
更に同様に、目標回転速度が9100rpmでモータ272を回転させたいのに、HW監視回路35からデューティ比が90%のPWM信号を出力すると、モータ272は8500rpmで回転し、目標回転速度に足りず、冷却性能が不足してしまう。ところが、HW監視回路35がデューティ比が90%のPWM信号を出力した場合に、回転速度補正チップ36がデューティ比が96%のPWM信号を出力することによって、モータ272は目標回転速度の9100rpmで回転し、冷却性能が不足することがない。
【0078】
また、PWM信号に対し、目標回転速度より速い回転速度で回転してしまうモータであっても、回転速度補正チップ36によってPWM信号のデューティ比を調整することで、目標回転速度で回転させることができる。その結果、風切り音を抑制することができる。
【0079】
なお、上記実施形態では、HW監視回路35内で動作するファームウェアがデューティ比の設定を行っていたが、ファームウェアの代わりにBIOSが行っても良い。BIOSが設定を行う場合、温度に対する目標回転速度、温度に対するデューティ比を示すテーブルはBIOS−ROMに格納される。
【0080】
また、図12に示すように、PWM信号によって回転速度が制御される数の電動ファン27A,27Bが存在し、複数ファンに対して同じPWM信号で制御をする場合がある。ただし、個々のファンのばらつきは異なるため、それぞれに目標回転速度を満たすためには、個別のPWMデューティを設定する必要がある。この場合には、PWMデューティ比を個別に管理する必要があり、BIOSやファームウェアでの処理が非常に煩雑になる。
【0081】
ところが、図12に示すように、HW監視回路35と電動ファン27Aとの間に回転速度補正チップ36Aを設置し、HW監視回路35と電動ファン27Bとの間に回転速度補正チップ36Bを設置することで、それぞれの電動ファン27Aのモータ数を目標回転速度で回転させることができる。その結果、複数の冷却ファンの制御で、HW監視回路35やBIOS/ファームウェア部分は冷却ファンのばらつきを考慮せずに制御が可能である。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施形態に係わる電子装置のシステム構成を示すブロック図。
【図2】第1の施形態に係わるHW監視回路、温度検出ユニット、および電動ファンの構成を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わるマイクロプロセッサによって実行されるファームウェアの構成を示す図。
【図4】第1の実施形態に係わる特性関数演算モジュールによって演算された特性関数を示す図。
【図5】第2の実施形態に係わる電子装置のシステム構成を示すブロック図。
【図6】第2の実施形態に係わるハードウェア監視回路で設定される温度に対するPWM信号のデューティ比を示す図。
【図7】第2の実施形態に係わる回転速度補正チップの構成を示すブロック図。
【図8】第2の実施形態に係わるデューティ比補正回路の構成を示すブロック図。
【図9】第2の実施形態に係わるHW監視回路、ダウンカウンタの出力、回転速度補正チップの出力(論理和演算回路の出力)を示す図。
【図10】第2の実施形態に係わるHW監視回路、ダウンカウンタの出力、回転速度補正チップの出力(論理積演算回路の出力)を示す図。
【図11】第2の実施形態に係わる特性関数演算モジュールが演算した一次関数に基づくデューティ比に対する回転速度の関係を示す図。
【図12】第2の実施形態に係わる回転速度補正チップを用いた変形例を示す図。
【符号の説明】
【0084】
25…ハードウェア監視回路,26…温度検出ユニット,27…電動ファン,27A.27B…電動ファン,35…ハードウェア監視回路,36…回転速度補正チップ,251…回転速度演算回路,252…マイクロプロセッサ,253…不揮発性メモリ,254…レジスタ,255…PWM回路,271…回転制御IC,272…モータ,273…ブレード,300…ファームウェア,301…初期デューティ比設定モジュール,302…回転速度取得モジュール,303…特性関数演算モジュール,304…デューティ比演算モジュール,305…温度読出モジュール,306…目標回転速度取得モジュール,307…デューティ比設定モジュール,401…初期デューティ比設定モジュール,402…回転速度取得モジュール,403…特性関数演算モジュール,404…デューティ比演算モジュール,405…デューティ比読出モジュール,406…目標回転速度取得モジュール,407…デューティ比設定モジュール,451…回転速度演算回路,453…不揮発性メモリ,454…デューティ比検出回路,455…デューティ比補正回路,501…選択回路,510…第1補正回路,511…プリセット付きダウンカウンタ,512…論理和演算回路,520…第2補正回路,521…プリセット付きダウンカウンタ,522…論理積演算回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、
温度に対応する目標回転速度の情報を複数格納する記憶装置と、
温度を計測する温度計測部と、
前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比と回転速度との特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、
前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記モータを前記読み出した目標回転速度で回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算するデューティ比演算手段と、
前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比の制御信号を前記ファンに出力する回転制御部とを具備することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記特性関数演算手段は、スピンアップ時のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせと、0%のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせとを取得することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、
温度に対応する目標回転速度と前記制御信号のデューティ比との組み合わせの情報を複数格納する第1記憶装置と、
温度を計測する温度計測部と、
前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記読み出したデューティ比を有する制御信号を出力する制御信号出力部と、
前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、
前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度と制御信号のデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第2記憶装置と、
前記回転制御部が出力した制御信号を受信し、受信した制御信号のデューティ比を検出するデューティ比検出部と、
前記第2記憶装置を参照することによって前記デューティ比検出部が検出したデューティ比に対応する目標回転速度を取得する目標回転速度取得部と、
前記目標回転速度取得部が取得した前記目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算する補正値演算手段と、
前記デューティ比検出部が受信したデューティ比を前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比に補正した制御信号を前記ファンに出力するデューティ比補正部とを具備することを特徴とする電子装置。
【請求項4】
前記特性関数演算手段は、スピンアップ時に前記ファンに供給するデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせと、0%のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせとを取得することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記制御信号出力部と、前記特性関数演算手段、前記第2記憶装置、前記デューティ比検出部、前記目標回転速度取得部、前記補正値演算手段、および前記デューティ比補正部とは、異なる半導体チップに実装されていることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項6】
前記デューティ比補正部は、プリセット機能付きダウンカウンタを具備し、
前記補正値演算手段が演算したデューティ比が前記デューティ比検出部が検出したデューティ比より大きい場合、前記ダウンカウンタは、前記制御信号の立ち下がりを起点としてカウントダウンを開始し、カウンタがカウント終了するまでHレベルの信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項7】
前記デューティ比補正部は、プリセット機能付きダウンカウンタを具備し、
前記補正値演算手段が演算したデューティ比が前記デューティ比検出部が検出したデューティ比より小さい場合、前記ダウンカウンタは、前記制御信号の立ち上がりを起点としてカウントダウンを開始し、カウンタがカウント終了するまでHレベルの信号を出力し、カウントダウン終了後Lレベルの信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項8】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有する第2ファンと、
前記第2ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との対を複数対取得し、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する第2特性関数演算手段と、
前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度とデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第3記憶装置と、
前記回転制御部が出力した制御信号を受信し、受信した制御信号のデューティ比を検出する第2デューティ比検出部と、
前記第3記憶装置を参照することによって前記第2デューティ比検出部が検出したデューティ比に対応する目標回転速度を取得する第2目標回転速度取得部と、
前記第2目標回転速度取得部が取得した目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算する第2補正値演算手段と、
前記第2デューティ比検出部が受信したデューティ比を前記第2補正値演算手段によって演算されたデューティ比に補正した制御信号を前記第2ファンに出力する第2デューティ比補正部とを更に具備することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項9】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンの制御方法であって、
前記モータに入力された制御信号のデューティ比に対する前記モータの回転速度を複数組取得し、
前記前記取得した複数組のデューティ比および回転速度から、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、
温度を計測し、
前記温度計測部によって測定された温度に対応する目標回転速度と、前記温度計測部によって測定された温度に対応するデューティ比との組み合わせを複数格納する第1記憶装置から前記計測された温度に対応するデューティ比を取得し、
前記取得したデューティ比を有する制御信号を出力し、
前記制御信号のデューティ比を検出し、
前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度とデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第2記憶装置を参照することによって、前記検出されたデューティ比に対応する目標回転速度を取得し、
前記目標回転速度取得部が取得した前記目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算し、
前記演算されたデューティ比を有する制御信号を前記ファンに出力することを特徴とするファンの制御方法。
【請求項10】
スピンアップ時に前記ファンに供給するデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせと、0%のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせとを取得することを特徴とする請求項9に記載のファンの制御方法。
【請求項1】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、
温度に対応する目標回転速度の情報を複数格納する記憶装置と、
温度を計測する温度計測部と、
前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比と回転速度との特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、
前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記モータを前記読み出した目標回転速度で回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算するデューティ比演算手段と、
前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比の制御信号を前記ファンに出力する回転制御部とを具備することを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記特性関数演算手段は、スピンアップ時のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせと、0%のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせとを取得することを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンと、
温度に対応する目標回転速度と前記制御信号のデューティ比との組み合わせの情報を複数格納する第1記憶装置と、
温度を計測する温度計測部と、
前記記憶装置に格納されている複数の情報から前記温度計測部によって計測される温度に対応する目標回転速度を読み出し、前記読み出したデューティ比を有する制御信号を出力する制御信号出力部と、
前記ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせを複数組取得し、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、
前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度と制御信号のデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第2記憶装置と、
前記回転制御部が出力した制御信号を受信し、受信した制御信号のデューティ比を検出するデューティ比検出部と、
前記第2記憶装置を参照することによって前記デューティ比検出部が検出したデューティ比に対応する目標回転速度を取得する目標回転速度取得部と、
前記目標回転速度取得部が取得した前記目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算する補正値演算手段と、
前記デューティ比検出部が受信したデューティ比を前記補正値演算手段によって演算されたデューティ比に補正した制御信号を前記ファンに出力するデューティ比補正部とを具備することを特徴とする電子装置。
【請求項4】
前記特性関数演算手段は、スピンアップ時に前記ファンに供給するデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせと、0%のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせとを取得することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記制御信号出力部と、前記特性関数演算手段、前記第2記憶装置、前記デューティ比検出部、前記目標回転速度取得部、前記補正値演算手段、および前記デューティ比補正部とは、異なる半導体チップに実装されていることを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項6】
前記デューティ比補正部は、プリセット機能付きダウンカウンタを具備し、
前記補正値演算手段が演算したデューティ比が前記デューティ比検出部が検出したデューティ比より大きい場合、前記ダウンカウンタは、前記制御信号の立ち下がりを起点としてカウントダウンを開始し、カウンタがカウント終了するまでHレベルの信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項7】
前記デューティ比補正部は、プリセット機能付きダウンカウンタを具備し、
前記補正値演算手段が演算したデューティ比が前記デューティ比検出部が検出したデューティ比より小さい場合、前記ダウンカウンタは、前記制御信号の立ち上がりを起点としてカウントダウンを開始し、カウンタがカウント終了するまでHレベルの信号を出力し、カウントダウン終了後Lレベルの信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項8】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有する第2ファンと、
前記第2ファンに入力された制御信号のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との対を複数対取得し、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する第2特性関数演算手段と、
前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度とデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第3記憶装置と、
前記回転制御部が出力した制御信号を受信し、受信した制御信号のデューティ比を検出する第2デューティ比検出部と、
前記第3記憶装置を参照することによって前記第2デューティ比検出部が検出したデューティ比に対応する目標回転速度を取得する第2目標回転速度取得部と、
前記第2目標回転速度取得部が取得した目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算する第2補正値演算手段と、
前記第2デューティ比検出部が受信したデューティ比を前記第2補正値演算手段によって演算されたデューティ比に補正した制御信号を前記第2ファンに出力する第2デューティ比補正部とを更に具備することを特徴とする請求項3に記載の電子装置。
【請求項9】
入力される制御信号のデューティ比に応じて回転速度が変化するモータを有し、前記モータの回転速度を計測する回転速度検出部を有するファンの制御方法であって、
前記モータに入力された制御信号のデューティ比に対する前記モータの回転速度を複数組取得し、
前記前記取得した複数組のデューティ比および回転速度から、デューティ比に対する回転速度の特性を示す関数を演算する特性関数演算手段と、
温度を計測し、
前記温度計測部によって測定された温度に対応する目標回転速度と、前記温度計測部によって測定された温度に対応するデューティ比との組み合わせを複数格納する第1記憶装置から前記計測された温度に対応するデューティ比を取得し、
前記取得したデューティ比を有する制御信号を出力し、
前記制御信号のデューティ比を検出し、
前記第1記憶装置に格納されている目標回転速度とデューティ比との組み合わせの情報の複製を格納する第2記憶装置を参照することによって、前記検出されたデューティ比に対応する目標回転速度を取得し、
前記目標回転速度取得部が取得した前記目標回転速度で前記モータを回転させるために、前記関数に基づいて当該目標回転速度に対するデューティ比を演算し、
前記演算されたデューティ比を有する制御信号を前記ファンに出力することを特徴とするファンの制御方法。
【請求項10】
スピンアップ時に前記ファンに供給するデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせと、0%のデューティ比と前記回転速度検出部によって計測された回転速度との組み合わせとを取得することを特徴とする請求項9に記載のファンの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−110185(P2010−110185A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282288(P2008−282288)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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