説明

電子部品の実装構造及び電子部品実装用基板の製造方法

【課題】半導体素子と電子部品実装用基板との接続部分の信頼性を高めることができる電子部品の実装構造及び電子部品実装用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体素子70の表面に形成された棒状の電極端子71を、多層配線基板部11bの表面に形成された壺状の開口部を有する接続端子17に挿入し、接続端子17内のはんだペースト16で、電極端子71と接続端子17とをリフローはんだ付けで接合する。電極端子71は、半導体素子70と多層配線基板部11bの熱膨張率の差に応じた位置ずれにより変形する。接続端子17の入口部分(開口部14a)は内部(開口部13a)よりも狭いので、電極端子71の先端部が接続端子17の入口部分に引っ掛かり、電極端子71と接続端子17との接続が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品(半導体素子又は半導体装置)と電子部品実装用基板(パッケージ基板又は回路基板)との熱膨張率の差に起因する接続不良を回避可能な電子部品の実装構造及び電子部品実装用基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の多機能化及び高性能化の進展に伴い、半導体素子(半導体チップ)の入出力端子の数が増加している。このような、多数の接続端子を有する半導体素子をパッケージ基板(多層配線基板)に実装する方法として、フリップチップ実装がある。フリップチップ実装では、半導体素子の表面に格子状に配置された電極の上に、はんだボール等のバンプを設け、このバンプをパッケージ基板の表面に形成された接続端子にリフローして接続する。この場合、半導体素子の電極とパッケージ基板の端子との間に若干の位置ずれがあっても、溶融したはんだの表面張力を利用して両者を接続することができる。
【0003】
なお、はんだボールは、半導体素子とパッケージ基板との接続だけではなく、半導体装置(パッケージ)と回路基板との接続にも使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−118656号公報
【特許文献2】特開2002−305262号公報
【特許文献3】特開2003−289167号公報
【特許文献4】特開2006−156630号公報
【特許文献5】特開2007−250818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のリフロー工程では、半導体素子とパッケージ基板とをリフロー温度(200℃〜300℃程度)で接合した後、室温まで冷却する。ところが、シリコン等の半導体材料で構成された半導体素子と、樹脂及び銅膜等で構成されたパッケージ基板とでは熱膨張率に大きな差がある。このため、リフロー温度から室温に冷却した際に半導体素子とパッケージ基板との間で熱膨張率の差に応じた位置ずれが生じてしまう。この位置ずれが大きい場合には、バンプと接続端子との接続部分に大きな応力が加わり、クラックが発生するなどして接続部分の信頼性が低下する。
【0006】
さらに、端子数の増加に伴ってバンプ及び接続端子の小型化やピッチの狭小化が進むと、僅かな位置ずれでも接続不良が発生する。また、リフロー温度と室温との温度差によって生じる位置ずれ量は、半導体素子のサイズが大きくなるほど増加する。このため、位置ずれ量を所定の許容値内とするために、半導体素子のサイズが制約を受けることがある。
【0007】
そこで、電子部品と電子部品実装用基板との接続部分の信頼性を高めることができる電子部品の実装構造及び電子部品実装用基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点によれば、電子部品と、前記電子部品の表面から棒状に伸びて形成された第1の電極端子と、電子部品実装用基板と、前記電子部品実装用基板の表面に形成され、入口部分が内部よりも狭い開口部を有し、該開口部で前記第1の電極端子を受け入れる第2の電極端子と、前記開口部内に導入され、前記第1の電極端子と前記第2の電極端子とを電気的に接続する導電材料と、を備えた電子部品の実装構造が提供される。
【0009】
第2の観点によれば、電子部品と、前記電子部品の表面に球状に形成された第1の電極端子と、電子部品実装用基板と、前記電子部品実装用基板の表面に形成され、入口部分が内部よりも狭い開口部を有し、該開口部で前記第1の電極端子を受け入れる第2の電極端子と、前記開口部内に導入され、前記第1の電極端子と前記第2の電極端子とを電気的に接続する導電材料と、を備えた電子部品の実装構造が提供される。
【発明の効果】
【0010】
上記第1の観点による実装構造によれば、電子部品の表面に棒状に形成された電極端子を、電子部品実装用基板の表面に形成された第2の電極端子に挿入し、第2の電極端子内の導電材料を用いて接続する。このため、導電材料による接続を行う際の加熱又は冷却によって電子部品と電子部品実装用基板との間で熱膨張率の差に応じた位置ずれが生じても、第1の電極端子が変形して位置ずれに追随することができる。第2の電極端子の入口部分は内部よりも狭く形成されているので、第1の電極端子が変形してもその先端部は第2の電極端子の入口部分に引っ掛かる。このため、第1の電極端子と第2の電極端子との接続を保持することができる。また、第1の電極端子は棒状に形成されているので、容易に変形することができ、第1の電極端子と第2の電極端子との接続部分に加わる応力を抑制できる。したがって、第1の観点による実装構造によれば、電子部品と電子部品実装用基板との接続部分の信頼性を高めることができる。
【0011】
第2の観点の実装構造によれば、電子部品の表面に球状に形成された第1の電極端子(はんだボール)を、電子部品実装用基板側に形成された第2の電極端子に挿入し、第2の電極端子内の導電材料を用いて接続を行う。第2の電極端子は入口部分が内部よりも狭く形成されている。このため、第2の電極端子の入口部分が第1の電極端子に引っ掛かることで、第1の電極端子を第2の電極端子内に保持することができる。また、第1の電極端子と第2の電極端子とは機械的に接触しているだけなので、容易に電子部品を電子部品実装用基板に脱着することができる。さらに、第2の電極内には導電材料が導入されており、この導電材料によって第1の電極端子と第2の電極端子とを広い接触面積で接続することができので、安定した接続状態が得られる。
【0012】
なお、第2の観点の実装構造では、必要に応じて、加熱処理(リフロー)を行って第1の電極端子と第2の電極端子とをはんだ付けしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1(a)、(b)は、第1実施形態に係る実装構造を示す図であり、図1(a)はパッケージ基板と半導体素子とを接続するリフロー工程における断面図を示し、図1(b)はその後室温まで冷却したときの断面図を示す。
【図2】図2(a)〜(c)は、第1実施形態に係る実装構造に用いるパッケージ基板の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る実装構造における電極端子の変形の過程を示す模式図である。
【図4】図4(a)、(b)は第2実施形態に係る実装構造を示す図であり、図4(a)は半導体素子とパッケージ基板とを接続する前の構造を示す断面図であり、図4(b)は半導体素子とパッケージ基板とを接続した構造を示す断面図である。
【図5】図5は、図4(b)の端子部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1(a)、(b)は第1実施形態に係る実装構造を示す図であり、図1(a)はパッケージ基板(電子部品実装用基板)と半導体素子(電子部品)とを接続するリフロー工程における断面図を示し、図1(b)はその後室温まで冷却したときの断面図を示している。
【0016】
図1(a)に示すように、半導体素子70は例えば一辺が55mm程度の正方形の薄板状に形成されており、半導体素子70の下面側には入出力用の接続パッド70aが所定のピッチ(例えば、1mm程度)で配置されている。この接続パッド70aの下には、半導体素子70に対して垂直な方向に伸びる細長い棒状の電極端子71が形成されている。
【0017】
電極端子71の直径は、例えば0.1mm程度、長さは例えば1.0mm程度である。この電極端子71は、例えば、電気伝導度に優れるとともに柔軟性を有し、はんだとの接合性も良好な銅又は銅合金により形成されており、応力が加えられると容易に変形する。
【0018】
パッケージ基板(電子部品実装用基板)10は、多層配線基板部(ベース基板)11aと、多層配線基板部11aの表面(半導体素子70が実装される面)に形成された接続端子部11bとを有する。多層配線基板部11aの表面には半導体素子70と接続するための接続パッド12が形成されており、裏面には回路基板と接続するための接続パッド(図示せず)が形成されている。これらの表面側の接続パッド12と裏面側の接続パッドとは、多層配線基板部11a内に形成された多層配線(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0019】
接続端子部11bは、多層配線基板部11a上の第1の樹脂層13と、第1の樹脂層13上の第2の樹脂層14とにより形成されており、これらの第1及び第2の樹脂層13,14の開口部を用いて形成された接続端子17を有している。
【0020】
すなわち、第1の樹脂層13には、開口部13aが設けられており、第2の樹脂層14には開口部14aが設けられている。開口部13a及び開口部14aはいずれも、電極パッド12の上に配置され、相互につながっている。但し、開口部14aの直径Bは、開口部13aの直径Cよりも小さく、開口部14aの側壁は開口部13aの側壁よりも開口部13aの中心側に位置している。
【0021】
開口部14aの直径Bは、半導体素子70の電極端子71が通るように、電極端子71の直径Aよりも大きく形成されている。すなわち、電極端子71の直径Aと開口部14aの直径Bと開口部13aの直径Cとの関係は、A<B<Cとなっている。本実施形態では、電極端子71の直径Aは前述のように0.1mm程度であり、開口部13aの直径Cは例えば0.5mm程度であり、開口部14aの直径Bは例えば0.25mm程度である。
【0022】
開口部13a、14aの内壁及び開口部13aの底部の接続パッド12は導体膜15で覆われている。この導体膜15は、接続パッド12を介して多層配線基板部11aの内部の配線パターンと電気的に接続されている。導体膜15は、例えば、厚さが15μm程度の銅又は銅合金の膜とすることができる。接続端子17は、接続パッド12と導体膜15とからなり、入口部が狭く内部が広い壺状の形状を有している。
【0023】
接続端子17の内部には、はんだペースト(導電材料)16が導入されている。はんだペースト16は、所定の温度(例えば200〜300℃程度)で熱処理(リフロー)することで、電極端子71と接続端子17とを物理的及び電気的に接続する。なお、接続端子17内のはんだペースト16の量は、電極端子71を挿入した際に接続端子17からあふれ出ない程度とする。
【0024】
図2(a)〜(d)は、第1実施形態の実装構造に用いるパッケージ基板10の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0025】
最初に、図2(a)に示す構造を得るまでの工程について説明する。まず、ビルドアップ法などの公知の方法により配線層と絶縁層とが交互に積層されてなる多層配線基板部11aを作製する。また、多層配線基板部11aの表面及び裏面に所定のパターンの接続パッド12等を形成する。その後、図2(a)に示すように、多層配線基板部11a及び接続パッド12の上に第1の樹脂層13及び第2の樹脂層14を順に形成する。
【0026】
第1の樹脂層13は、例えば、半硬化状態のエポキシ樹脂シートを多層配線基板部11aの表面に貼りつけて形成する。ここでは、第1の樹脂層13として、厚さが200μm程度の接着シート(京セラケミカル製TFA−860FB)を用いるものとする。
【0027】
第2の樹脂層14は、第1の樹脂層13よりも、後述するエッチング剤に対するエッチング速度が遅い材料からなる。ここでは、第2の樹脂層14として、厚さが50μm程度のポリイミド樹脂フィルムを用いるものとする。なお、ポリイミド樹脂の中でも、過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液に対するエッチングレートが特に低い宇部興産製のユーピレックス(登録商標)を用いると好適である。第1の樹脂層13として前述したTFA−860FBを使用する場合は、粘着性を有するため接着剤などを用いずに第2の樹脂層14を貼り付けることができる。
【0028】
さらに、第2の樹脂層14の上にレジスト層18を形成する。レジスト層18には、例えば、第2の樹脂層14と同様の材料からなる樹脂シートを用いることができる。その後、熱処理を行って第1の樹脂層13を熱硬化させる。
【0029】
次に、例えば炭酸ガスレーザを用いて、接続パッド12の上の部分の第1の樹脂層13、第2の樹脂層14及びレジスト層18に、接続パッド12に到達する孔19を形成する。孔19の直径は、例えば0.2mm程度とする。
【0030】
次に、図2(b)に示すように、過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液を用いたエッチング(デスミア)処理を行い、孔19の形成の際に生じた加工屑(スミア)を除去する。このとき、第1の樹脂層13は第2の樹脂層14よりも過マンガン酸カリウムのアルカリ水溶液に対するエッチングレートが大きいため、第1の樹脂層13に第2の樹脂層14の開口部14aよりも直径の大きな開口部13aが形成される。エッチング条件を適宜調整することにより開口部13a、14aの直径を制御することができる。ここでは、開口部14aの直径が0.25mm、開口部13aの直径が0.5mmであるとする。このようにして、接続パッド12の上に、入口部分(開口部14a)が内部(開口部13a)よりも狭い開口部が形成される。
【0031】
次に、図2(c)に示すように、無電解銅めっき及び電解銅めっきを順次行って、厚さが15μm程度の銅膜からなる導体膜15を開口部13a、14a内及びレジスト層18の表面に形成する。続いて、レジスト層18を第2の樹脂層14から剥離して除去する。このようにして、パッケージ基板10の表面に壺状の接続端子17が形成される。
【0032】
次に、図2(d)に示すように、例えばディスペンサーを用いて接続端子17の内部にはんだペースト16を導入する。以上の工程により本実施形態の実装構造に用いるパッケージ基板10が完成する。
【0033】
なお、ディスペンサーで接続端子17内にはんだペーストを導入する代わりに、はんだペーストをレジスト層18の上に塗布し、このはんだペーストをスキージ等でならして接続端子17内に導入してもよい。
【0034】
本実施形態では、半導体素子70とパッケージ基板10とを以下のようにして接続する。
【0035】
先ず、半導体素子70及びパッケージ基板10をはんだ(はんだペースト16)の溶融温度以上の温度(例えば200〜300℃程度)に加熱する。続いて、図1(a)に示すように、半導体素子70及びパッケージ基板10を電極端子71が接続端子17の入口部分(開口部14a)の上方となるように位置決めする。
【0036】
次に、半導体素子70をパッケージ基板10側に接近させ、電極端子71を接続端子17内に挿入する。これにより、電極端子71の先端部が接続端子17内のはんだ(溶融したはんだペースト16)に接触する。
【0037】
次に、半導体素子70及びパッケージ基板10を室温まで冷却して接続端子17内のはんだを凝固させ、電極端子71と接続端子17とをはんだ付けする。このリフロー温度から室温までの冷却の際に、半導体素子70とパッケージ基板との間に熱膨張率の差に応じて、例えば、図1(b)に示すように、接続パッド12と接続パッド70aとの間に半導体素子70の表面に平行な方向の位置ずれが生じる。この位置ずれにより、電極端子71に半導体素子70の表面に平行な方向の力が作用する。
【0038】
図3は、このときの電極端子71の変形の過程を示す模式図である。図3に示すように、リフロー温度から室温までの温度の変化に伴って、半導体素子70とパッケージ基板10との位置ずれ量がd1→d2→d3と増加し、電極端子71も位置ずれ量に応じて変形する。この場合に、電極端子71は直径が0.1mmと細い銅又は銅合金により形成されているため、小さい力で容易に変形する。また、接続端子17は、入口部分が狭く形成されているので、電極端子71の先端部分が接続端子17の入口部分に引っ掛かって接続端子71と接続端子17との接続が保持される。このようにして熱膨張率の差に起因する接続不良が回避できる。
【0039】
なお、上述の例ではリフロー温度のときに半導体素子70の接続パッド70aとパッケージ基板10の接続パッド12との位置ずれがなくなる場合について説明したが、室温のときに接続パッド70aと接続パッド12との位置ずれがなくなるようにしてもよい。この場合には、リフロー温度に加熱する前に半導体素子70の電極端子71をパッケージ基板10の接続端子17内に挿入しておく。この場合も熱膨張率の差に応じた位置ずれが生じるが、位置ずれに応じて電極端子71が変形することで、信頼性の高い接続を行うことができる。
【0040】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態の実装構造について説明する。図4(a)、(b)は第2実施形態に係る実装構造を示す図であり、図4(a)はパッケージ基板と半導体素子との接続前の構造を示す断面図であり、図4(b)は半導体素子とパッケージ基板とを接続した構造を示す断面図である。図5は、図4(b)の端子部分を拡大して示す断面図である。
【0041】
図4(a)に示すように、半導体素子(電子部品)70の下面には所定のピッチで入出力用の接続パッド70aが形成されており、この接続パッド70aの下には球状の電極端子(はんだボール)72が形成されている。電極端子72の直径Aは、例えば0.5mm程度である。
【0042】
パッケージ基板(電子部品実装用基板)20は、フレキシブル基板部(ベース基板)21aと接続端子部21bとを備えている。フレキシブル基板部21aは、柔軟性を有するベースフィルム(図示せず)とベースフィルムの表面に形成された接続パッド22及び所定のパターンの配線とを有している。
【0043】
接続端子部21bは、フレキシブル基板部21a上の第1の樹脂層13と、第1の樹脂層13上の第2の樹脂層14とにより形成されている。そして、第1の樹脂層13には、開口部13aが設けられており、第2の樹脂層14には開口部14aが設けられている。開口部13a及び開口部14aはいずれも、接続パッド22の上に配置され、相互につながっている。ただし開口部14aの直径Bは、開口部13aの直径Cよりも小さく、開口部14aの側壁は開口部13aの側壁よりも開口部13aの中心側に位置している。
【0044】
本実施形態では、開口部13aの直径Cは、電極端子72の直径Aと同等又はそれより大きく形成されている。また、開口部14aの直径Bは、電極端子72の直径Aよりも小さく形成されている。すなわち、電極端子72の直径Aと開口部14aの直径Bと開口部13aの直径Cとの関係は、B<A≦Cとなっている。前述したように電極端子72の直径Aは0.5mm程度である。ここでは、開口部14aの直径Bを0.25mm程度、開口部13cの直径Cを0.5mm程度とする。
【0045】
開口部13a、14aの内壁及び開口部13aの底部の接続パッド12は、厚さが15μm程度の銅又は銅合金からなる導体膜15で覆われている。接続端子27は、接続パッド12と導体膜15とからなり、入口部分が狭く内部が広い壺状の形状を有している。
【0046】
接続端子27の内部にはある程度の流動性を有する導電材料26が導入されている。導電材料26としては、銀粉、銀ペースト及びはんだペースト等を用いることができる。なお、導電材料26の導入量は、電極端子72と接続端子27内に挿入した時に、接続端子27から導電材料26があふれ出ない程度とする。
【0047】
第2実施形態のパッケージ基板20のフレキシブル基板部21a及び接続パッド22は、成膜工程、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程等を使用する公知の手法で製造できる。また、パッケージ基板20の接続端子部21bは、第1実施形態のパッケージ基板10の製造方法(図2参照)で説明したのと同様の手順で製造することができる。
【0048】
図4(b)及び図5に示すように、半導体素子70のパッケージ基板20への実装は、半導体素子70の電極端子72を接続端子17内に押し込むことで行う。
【0049】
開口部14aは、電極端子72を押し込む際に変形して直径が広がることで、電極端子72を通すことができる。また、電極端子72が開口部13a内に装着された状態では、開口部14aが電極端子72の表面に沿って変形して、直径が小さくなる。これにより、電極端子72を接続端子27内に保持することができる。
【0050】
電極端子72は、接続端子27内の導体膜15と接触するとともに、接続端子27内に導入された導電材料26と接触する。導電材料26は流動性を有するため、電極端子72と接続端子27との隙間を埋めて、広い面積で電極端子72と導体膜15と接触し、電極端子72と接続端子27とを安定に接続する。
【0051】
本実施形態の実装構造では、半導体素子70とパッケージ基板20とは機械的に接触しているだけであり、動作確認試験を行って不具合が発見された場合、半導体素子70を容易に取り外し、新たな半導体素子70と交換することができる。フレキシブル基板部21aは、柔軟性を有するので、半導体素子70の取外し作業及び装着作業を容易に行うことができる。
【0052】
なお、必要に応じて、半導体素子70及びパッケージ基板20をリフローして電極端子(はんだボール)72によるはんだ付けを行ってもよい。
【0053】
上記第1及び第2実施形態では、いずれも半導体素子(半導体チップ)とパッケージ基板との接続を例に説明したが、上記第1及び第2実施形態に開示した技術を、半導体素子とパッケージ基板とからなる半導体装置(電子部品)と回路基板(電子部品実装用基板)との接続に使用してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0054】
10、20…パッケージ基板、11a…多層配線基板部、11b、21b…接続端子部、12、22、70a…接続パッド、13…第1の樹脂層、13a、14a…開口部、14…第2の樹脂層、15…導体膜、16…はんだペースト、17、27…接続端子、18…レジスト層、19…孔、21a…フレキシブル基板部、26…導電材料、70…半導体素子、71、72…電極端子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、
前記電子部品の表面から棒状に伸びて形成された第1の電極端子と、
電子部品実装用基板と、
前記電子部品実装用基板の表面に形成され、入口部分が内部よりも狭い開口部を有し該開口部で前記第1の電極端子を受け入れる第2の電極端子と、
前記開口部内に導入され、前記第1の電極端子と前記第2の電極端子とを電気的に接続する導電材料と、
を備えたことを特徴とする電子部品の実装構造。
【請求項2】
前記第1の電極端子の直径をA、前記開口部の入口部分の直径をB、前記開口部の内部の直径をCとしたときに、A<B<Cの関係を有することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の実装構造。
【請求項3】
電子部品と、
前記電子部品の表面に球状に形成された第1の電極端子と、
電子部品実装用基板と、
前記電子部品実装用基板の表面に形成され、入口部分が内部よりも狭い開口部を有し該開口部で前記第1の電極端子を受け入れる第2の電極端子と、
前記開口部内に導入され、前記第1の電極端子と前記第2の電極端子とを電気的に接続する導電材料と、
を備えたことを特徴とする電子部品の実装構造。
【請求項4】
前記第1の電極端子の直径をA、前記開口部の入口部分の直径をB、前記開口部の内部の直径をCとしたときに、B<A≦Cの関係を有することを特徴とする請求項3に記載の電子部品の実装構造。
【請求項5】
前記配線基板は柔軟性を有するフレキシブル基板であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電子部品の実装構造。
【請求項6】
表面に接続パッドが形成されたベース基板の上に第1の樹脂層を形成する工程と、
前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する工程と、
前記第1及び第2の樹脂層に前記接続パッドに到達する孔を形成する工程と、
前記孔を介して前記第1及び第2の樹脂層をエッチングして、入口部分が内部よりも狭い開口部を形成する工程と、
前記開口部の壁面に導体膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする電子部品実装用基板の製造方法。
【請求項7】
更に、前記開口部内に導電材料を導入することを特徴とする請求項6に記載の電子部品実装用基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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