電子部品の接続方法、半導体チップの実装方法、突起電極及び導電接続フィルムの形成方法、並びに電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムの製造装置
【課題】生産性良く、低コストで高性能、高品質、高信頼性を有する電子部品の接続方法、半導体チップの実装方法、及び突起電極の形成方法を提供することにある。
【解決手段】対向して配置した回路基板4及び半導体チップ1間に、導電性粒子6が分散された液状樹脂5を供給し、樹脂5中に回路基板4の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波7を生成して、樹脂5中に分散された導電性粒子6を、定在波7の節7aに捕捉することによって、半導体チップ1の接続端子2及び回路基板4の電極端子3間に、導電性粒子6が凝集してなる接続体8が形成すし、半導体チップ1を接続体8を介して回路基板4に実装する。端子2、3は、定在波7の半波長間隔で配列しており、定在波7の節7aは、樹脂5中において、端子2、3間が位置する部位に生成されている。
【解決手段】対向して配置した回路基板4及び半導体チップ1間に、導電性粒子6が分散された液状樹脂5を供給し、樹脂5中に回路基板4の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波7を生成して、樹脂5中に分散された導電性粒子6を、定在波7の節7aに捕捉することによって、半導体チップ1の接続端子2及び回路基板4の電極端子3間に、導電性粒子6が凝集してなる接続体8が形成すし、半導体チップ1を接続体8を介して回路基板4に実装する。端子2、3は、定在波7の半波長間隔で配列しており、定在波7の節7aは、樹脂5中において、端子2、3間が位置する部位に生成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップの実装を含む電子部品間の接続方法、基板の端子上に突起電極を形成する方法、及び電子部品間を接続する導電接続フィルムの形成方法に関する。また、これらの方法によって電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムを形成する製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な電子機器に電子部品の実装体が利用されている。従って、電子部品の実装体の性能および品質・信頼性の向上は、電子機器の性能および品質・信頼性の向上に貢献する。
【0003】
近年、LSIの高集積化に伴い、接続端子の多ピン化および狭ピッチ化が進んでいる。このような技術背景から、LSIを回路基板上に実装する技術として、フリップチップボンディング方法が用いられている。
【0004】
フリップチップボンディング方法は、半導体チップの接続端子と回路基板の電極端子とを半田バンプを介して接続するもので、半導体チップの接続端子上にメッキ法により半田バンプを形成した後、半導体チップを回路基板にフェイスダウンで載置し、半田バンプをリフローさせて端子間の接続を図るものである。この技術は、半導体チップと回路基板との電気的接続を一括して実行できるので、多ピン化および狭ピッチ化に適している。
【0005】
しかしながら、半田バンプを介して端子間を接続するには、半田バンプをリフローするために、回路基板を高温に加熱する必要がある。そこで、リフローのための高温加熱を必要としない技術として、導電性接着剤を用いたフリップチップ実装がある。この技術は、半導体チップの接続端子上にワイヤーボンディング法により金バンプを形成し、この金バンプに導電性接着剤を転写した後、半導体チップを回路基板にフェイスダウンで載置し、導電性接着剤を硬化させて端子間の接続を図るものである。しかしながら、この技術は、金バンプをワイヤーボンディング法により形成するので、一括して形成することができず、多ピン化に対しては生産性に劣る。
【0006】
このような半田バンプ又は金バンプを介さずに半導体チップを回路基板に実装する技術が特許文献1に記載されている。図11(a)、(b)は、この技術を説明する工程断面図である。まず、図11(a)に示すように、フィルム基材101に、貫通孔を設けた後、メッキ法で貫通孔の内部にCu等の金属材料102を析出し、然る後、フィルム基材101の両面に露出した導通路102表面に、メッキ法等で形成した半田層からなる突出部103を形成する。そして、図11(b)に示すように、半導体チップ110と回路基板111との間に導通路102及び突出部103が形成されたフィルム基材101を挟み込み、半田層を加熱溶融することにより、突出部103と半導体チップ110の接続端子112及び回路基板111の電極端子113を接続することによって、半導体チップ110を回路基板111に実装する。
【特許文献1】特開2002−151549号公報
【特許文献2】特開平9−193055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に示した従来の実装方法は、いずれも、半導体チップ及び回路基板の端子間の半田バンプ、金バンプ、又は突出部を介在させて接続を図るもので、これらの接続部材を形成する工程が必須となる。そのため、生産性に劣るという問題に加え、これらの接続部材の形成には、メッキ装置等の高価な装置が必要となり、生産コストが高くなるという問題がある。また、これらの接続部材は、半導体チップの端子等の接続部位に位置合わせをして形成する必要があるので、高精度な位置合わせ装置が必要となり、生産コストが高くなるとともに、狭ピッチ化にも限界を生じる。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、生産性良く、低コストで高性能、高品質、高信頼性を有する電子部品の接続方法、半導体チップの実装方法、及び突起電極の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係わる電子部品の接続方法は、複数の端子を有する電子部品を互いに対向させて配置し、端子間を接続体を介して電気的に接続する電子部品の接続方法であって、互いに対向させて配置した電子部品間に、導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、液状物質中に、電子部品面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程とを含み、液状物質中に分散された導電性粒子が、液状物質中に生成された定在波の節に捕捉されることによって、端子間に導電性粒子が凝集してなる接続体が形成されることを特徴とする。
【0010】
この方法によれば、導電性粒子が分散された液状物質に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、電子部品の端子間に導電性粒子が凝集してなる接続体を一括して形成することができる。これによって、電子部品間の接続を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな電子部品の接続体を実現できる。また、液状物質に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、接続体を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる端子を有する電子部品の接続に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた電子部品の接続体を実現することができる。
【0011】
本方法において、定在波の節は、液状物質中において、対向する端子間が位置する部位に生成されていることが好ましい。また、電子部品上に形成された複数の端子は、定在波の半波長間隔で配列していることが好ましい。あるいは、電子部品上に形成された複数の端子が、定在波の1/4波長間隔で配列しており、超音波を入射して定在波を生成する工程を、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行うようにしてもよい。
【0012】
ある好適な実施形態において、記液状物質を加熱して、端子間に凝集した導電性粒子を溶融させる工程をさらに含む。これにより、安定した導通状態を有する接続体を形成することができる。
【0013】
ある好適な実施形態において、端子間に接続体を形成した後、液状物質を硬化させる工程をさらに含む。これにより、安定した端子間の接続状態を維持することができる。この工程を実行するに当たり、液状物質は、硬化性樹脂からなることが好ましい。また、導電性粒子は、はんだ粉からなることが好ましい。
【0014】
本発明に係わる半導体チップの実装方法は、複数の電極端子を有する回路基板に対向させて、複数の接続端子を有する半導体チップを配置し、接続端子を接続体を介して電極端子に接続する半導体チップの実装方法であって、対向させて配置された回路基板と半導体チップとの間に導電性粒子が分散された樹脂を供給する工程と、樹脂中に回路基板及び半導体チップの表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程とを含み、樹脂中に分散された導電性粒子が樹脂中に生成された定在波の節に捕捉されることによって、導電性粒子が凝集してなる接続体が形成されることを特徴とする。
【0015】
この方法によれば、導電性粒子が分散された樹脂に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、電極端子及び接続端子間に導電性粒子が凝集してなる接続体をに一括して形成することができる。これによって、端子間の接続を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな半導体チップ実装体を実現できる。また、樹脂に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、接続体を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる接続端子を有する半導体チップに対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた半導体チップ実装体を実現することができる。
【0016】
本方法において、定在波の節は、樹脂中において、電極端子及び接続端子間が位置する部位に生成されていることが好ましい。また、電極端子及び接続端子は、定在波の半波長間隔で配列していることが好ましい。あるいは、電極端子及び接続端子が、定在波の1/4波長間隔で配列しており、超音波を入射して定在波を生成する工程を、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行うようにしてもよい。
【0017】
ある好適な実施形態において、樹脂を加熱して電極端子及び接続端子間に凝集した導電性粒子を溶融して接続体を形成する工程と、接続体を形成した後、樹脂を硬化させる工程とをさらに含む。
【0018】
本発明に係わる突起電極の形成方法は、複数の端子を有する基板の該端子上に突起電極を形成する方法であって、基板と該基板に対向させて配置された平板との間に導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、液状物質中に基板及び平板の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、端子上に導電性粒子が凝集してなる突起電極を形成する工程と、突起電極を形成後平板を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
この方法によれば、導電性粒子が分散された液状物質に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、端子上に導電性粒子が凝集してなる突起電極を一括して形成することができる。これによって、基板の端子上に突起電極を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな突起電極を備えた基板を実現できる。また、液状物質に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、突起電極を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる端子を有する基板に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた突起電極を備えた基板を実現することができる。
【0020】
本方法において、定在波の節は、液状物質中において、端子間が位置する部位に生成されていることが好ましい。また、複数の端子は、定在波の半波長間隔で配列していることが好ましい。あるいは、複数の端子が、定在波の1/4波長間隔で配列しており、超音波を入射して定在波を生成する工程を、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行うようにしてもよい。
【0021】
ある好適な実施形態において、液状物質を加熱して、端子上に凝集した導電性粒子を溶融して突起電極を形成する工程をさらに含む。
【0022】
ある好適な実施形態において、端子上に突起電極を形成した後、液状物質を硬化させる工程をさらに含む。ここで、液状物質は、接着性を有する樹脂からなることが好ましい。
【0023】
本発明に係わる導電接続フィルムの形成方法は、樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムの形成方法であって、互いに対向させて配置した平板間に、導電性粒子が分散された液状樹脂を供給する工程と、液状樹脂中に、平板面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、液状樹脂中に分散された導電性粒子を、定在波の節に捕捉して、液状樹脂中に、導電性粒子が凝集してなる導電性部材を形成する工程と、液状樹脂を硬化して、該液状樹脂を樹脂フィルムにする工程と、樹脂フィルムを形成した後、平板を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
この方法によれば、導電性粒子が分散された液状樹脂に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、液状樹脂中に導電性粒子が凝集してなる導電性部材を一括して形成することができる。これによって、樹脂フィルム中に導電性部材を容易に形成することができ、生産性が高く、低コストな導電接続フィルムを実現できる。また、液状樹脂に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、ピッチの異なる端子を有する電子部品に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた導電接続フィルムを実現することができる。
【0025】
本発明によれば、導電性粒子が分散された液状物質に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、電子部品の端子間、または基板の端子上に、導電性粒子が凝集してなる接続体または突起電極を一括して形成することができる。これによって、電子部品の接続または端子上に突起電極の形成を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな電子部品実装体を実現することができる。
【0026】
また、液状物質に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、接続体または突起電極を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる端子を有する電子部品の接続、またはピッチの異なる端子上への突起電極の形成に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた電子部品実装体を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0028】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態における電子部品の接続方法を模式的に示した工程断面図である。なお、本実施形態においては、電子部品に半導体チップと回路基板とを用いた例について説明する。
【0029】
まず、図1(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド(接続端子)2と、これに接続する回路基板4上に形成した入出力端子(電極端子)3が重なる位置に、半導体チップ1と回路基板4とを平行に対峙して保持した状態で、その隙間に導電性粒子(例えば、はんだ粉)6を含有する液状物質(例えば、フラックス)5を充填する。
【0030】
なお、液状物質5の供給は、回路基板4上に液状物質5を塗布した後、液状物質5の表面に半導体チップ1を当接することにより行ってもよい。
【0031】
次に、図1(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、半導体チップ1及び回路基板4に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図1(c)に示すように、導電性粒子6が定在波7の節7aに捕捉され、やがて導電性粒子6が凝集してなる接続体8が形成される。
【0032】
この方法は、従来から知られた超音波を用いて非接触で微小物体をハンドリングする非接触マイクロマニピュレーションと呼ばれる技術と同じ原理に基づくもので、導電性粒子6が捕捉されるメカニズムは以下のように説明される(例えば、特許文献2を参照)。
【0033】
すなわち、流体媒質中に超音波の定在波を生成させ、この流体媒質中に、定在波の波長に比べて十分小さい微小物体を置くと、微小物体には、物体の周りに生じる音響放射圧によって、半波長間隔で存在する力学的に安定した位置(定在波の音圧分布の節)に向かう力が及ぼされる。この作用により、液状物質5中に分散していた導電性粒子6は、定在波の節の近傍に、半波長間隔で凝集されて捕捉されることになる。
【0034】
この原理によれば、超音波の周波数や発信源での位相を変化させることによって、節の間隔や位置を自由に変更することができるので、本発明において、液状物質5中に分散する導電性粒子6を、所定の位置に配置された端子2、3間に凝集させることができる。
【0035】
さらに、図1(d)に示すように、その後液状物質5を高温で加熱することにより、節に凝集した導電性粒子6を溶融させて、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入出力端子3を接続体9を介して接続することによって、電子部品実装体が作製される。必要に応じ、半導体チップ1と回路基板4との間に封止樹脂10を注入し、硬化させることで、半導体チップ1の固定が強化される。
【0036】
なお、図1(b)に示したように、半導体チップ1の電極パッド2、及び回路基板4の入出力端子3は、定在波の半波長間隔で配列しているため、1回の超音波の入射で、全ての電極パッド2と入出力端子3とが接続体9を介して一括して接続されるが、必ずしも、一括して接続する必要はない。
【0037】
例えば、図2(a)〜(c)に示すように、超音波を2回に分けて入射することによって、電極パッド2と入出力端子3とを接続体9を介して接続することができる。すなわち、図2(a)に示すように、1回目の超音波を入射して定在波7mを生成することによって、液状物質5中に分散していた導電性粒子6を、一つおきの端子2、3上に凝集させて、接続体8mを形成する。このとき、電極パッド2及び入出力端子3は、1回目の超音波の入射で生成された定在波の波長λに対して、1/4λの間隔で配列している。
【0038】
次に、図2(b)に示すように、1回目に入射した超音波と1/4λだけ位相のずれた超音波を入射して定在波7nを生成することによって、1回目と一つづつ隣にずれた電極パッド2及び入出力端子3上に、液状物質5中に分散していた導電性粒子6を凝集させて、接続体8nを形成する。なお、1回目の超音波の入射で形成された接続体8mは、2回目の超音波の入射によって生成された定在波7nの腹の位置にあるため、2回目の超音波の入射によっては、ほとんど影響は受けず(影響を受けたとしても、実質的に問題のない程度の影響)、その場所に留まることができる。
【0039】
最後に、図2(c)に示すように、液状物質5を高温で加熱することにより、電極パッド2及び入出力端子3上に凝集した導電性粒子6を溶融させて、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入出力端子3とを接続体9を介して接続することによって、電子部品実装体を形成する。
【0040】
ところで、本実施形態において液状物質5として用いたフラックスの代わりに、硬化型樹脂または熱可塑型樹脂のような硬化する性質を有する樹脂材料を選択することで、液状物資5に封止樹脂10の機能を付加させることもできる。
【0041】
また、このように液状物質5として硬化する性質を有する樹脂材料を選択した場合は、導電性粒子6として、はんだ粉以外の材料使用も可能となる。以下、図3(a)〜(d)に示した工程断面図を参照しながら説明する。
【0042】
まず、図3(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド2と、これに接続する回路基板4上に形成した入出力端子3が重なる位置に、半導体チップ1と回路基板4とを、隙間を設けて平行にして保持した上で、その間に導電性粒子(例えば、Cu粉)6を含有する硬化する性質を有する樹脂である液状樹脂(例えば、エポキシ系熱硬化型液状樹脂)5を充填する。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、液状樹脂5中に、半導体チップ1及び回路基板4に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を発生させると、図3(c)に示すように、Cu粉6が定在波7の節7aに集合した接合体8が形成される。
【0044】
さらに、図3(d)に示すように、液状樹脂5を約150℃で加熱することにより、エポキシ系熱硬化型樹脂である液状樹脂5は、この接合体8の構造を維持したまま硬化することで、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入出力端子3とを接合体8を介して接続された電子部品実装体が作製される。
【0045】
本実施形態によれば、導電性粒子6が分散された液状物質5に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、半導体チップ1及び回路基板4の端子間に導電性粒子6が凝集してなる(または、凝集後に溶融した)接続体8、9を一括して形成することができる。これによって、半導体チップ1及び回路基板4の端子間の接続を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな電子部品実装体(半導体チップ実装体)を実現できる。
【0046】
(第2の実施形態)
図4(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態における突起電極(バンプ)の形成方法を模式的に示した工程断面図である。なお、本実施形態においては、基板として半導体チップを用い、半導体チップの端子上に突起電極を形成する例について説明する。
【0047】
まず、図4(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド(端子)2の上に、平板11を、間隙を設けて平行にして保持した上で、その間に導電性粒子(例えば、はんだ粉)6を含有する液状物質(例えば、フラックス)5を充填する。
【0048】
次に、図4(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、半導体チップ1及び平板11に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図4(c)に示すように、導電性粒子6が定在波7の節7aに凝集して、接続体8が形成される。
【0049】
次に、図4(d)に示すように、液状物質5を高温で加熱することにより、節7aに凝集した接続体8を溶融して、半導体チップ1の電極パッド2上に突起電極9を形成する。その後、図4(e)に示すように、平板11を除去することによって、電極パッド2上に突起電極9を備えた半導体チップ1が完成する。
【0050】
この突起電極9を備えた半導体チップ1は、従来のフリップチップ実装工法を用いて、図5に示すように、回路基板4上に実装されることで、半導体チップ実装体が作製される。なお、必要に応じ、半導体チップ1と回路基板4との間に封止樹脂10を注入することによって、半導体チップ1の固定を強化する。
【0051】
なお、本実施形態においても、液状物質5としてフラックスの代わりに、硬化型樹脂または熱可塑型樹脂のような硬化する性質を有する樹脂材料を選択することで、封止樹脂10の機能を付加させることも可能である。
【0052】
また、このように液状物質5として硬化する性質を有する樹脂材料を選択した場合は、導電性粒子6として、はんだ粉以外の材料使用も可能となる。以下、図6(a)〜(e)に示した工程断面図を参照しながら説明する。
【0053】
まず、図6(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド2の上面に、平板11を、間隙を設けて平行にして保持した上で、その間にはんだ粉以外の導電性粒子(例えばCu粉)6を含有する硬化性を有する樹脂からなる液状物質(例えば熱硬化型エポキシ系液状樹脂)5を充填する。
【0054】
次に、図6(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、半導体チップ1及び平板11に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図6(c)に示すように、Cu粉である導電性粒子6が定在波7の節7aに凝集して接続体8が形成される。
【0055】
次に、図6(d)に示すように、約150℃で加熱することにより、エポキシ系熱硬化型樹脂である液状物質5が硬化することで、Cu粉の接続体8は、半導体チップ1の電極パッド2上に配置した構成が固定されるので、突起電極9が形成されることとなる。その後、図6(e)に示すように、平板11を除去することにより、電極パッド2上に突起電極9を備えた半導体チップ1を完成する。
【0056】
この突起電極9を備えた半導体チップ1は、図7に示すように、回路基板4上に実装されることで、半導体チップ実装体が作製される。なお、この際、硬化した液状物質5と回路基板4の接着固定には、別途接着剤(不図示)を使用するが、図6(d)の工程において、エポキシ系熱硬化型樹脂の硬化がBステージ状態(接着性を有する状態)であれば、回路基板4に実装する際の接着剤は不要となる。
【0057】
本実施形態によれば、導電性粒子6が分散された液状物質5に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、半導体チップ1の電極パッド2上に導電性粒子6が凝集してなる(または、凝集後に溶融した)突起電極8、9を一括して形成することができる。これによって、半導体チップ1の電極パッド2上に突起電極8、9を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな突起電極を備えた半導体チップを実現できる。
【0058】
(第3の実施形態)
図8(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態における導電接続フィルム(コネクターシート)の形成方法を模式的に示した工程断面図である。この導電接続フィルムは、複数の端子を有する電子部品の接続に供せられるもので、例えば、半導体チップ及び回路基板を導電接続フィルムを介して端子間の接続を図ることによって、半導体チップ実装体を得ることができる。
【0059】
まず、図8(a)に示すように、2枚の平板11を、間隙を設けて平行にして保持した上で、その間に導電性粒子(例えばCu粉)6を含有する硬化性を有する樹脂からなる液状物質(例えば熱硬化型エポキシ系液状樹脂)5を充填する。
【0060】
次に、図8(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、平板11に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図8(c)に示すように、Cu粉である導電性粒子6が定在波7の節7aに凝集した接続体8が形成される。
【0061】
次に、図8(d)に示すように、約150℃で加熱することにより、エポキシ系熱硬化型樹脂である液状物質5が硬化することで、樹脂フィルム中にCu粉の接続体8からなる複数の導電部材(Cuポスト)9が形成される。その後、図8(e)に示すように、平板11を除去することによって、樹脂フィルム中を貫通する複数のCuポスト9を有する導電接続フィルムを完成する。
【0062】
この複数のCuポスト9を有する導電接続フィルムは、図9に示すように、半導体チップ1と回路基板4とを導電接続フィルムを介して接続することによって、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入力端子3とが、導電接続フィルム中を貫通するCuポスト9を介して電気的に接続され、半導体チップ実装体が作製される。
【0063】
なお、この際、樹脂フィルムと半導体チップ1及び回路基板4の接着固定には、別途接着剤(不図示)を使用するが、図8(d)の工程において、エポキシ系熱硬化型樹脂の硬化がBステージ状態であれば、接着剤は不要となる。
【0064】
本実施形態によれば、導電性粒子6が分散された液状物質5に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、導電性粒子6が凝集してなるCuポスト9を樹脂フィルム中に一括して形成することができる。これによって、生産性が高く、低コストなCuポストを有する導電接続フィルムを得ることができる。また、この導電接続フィルムを電子部品の接続(半導体チップ実装)に適用することによって、低コストな電子部品の接続体(半導体チップ実装体)を供することができる。
【0065】
(第4の実施形態)
図10(a)〜(c)は、第1〜第3の実施形態で説明した方法によって、電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムをそれぞれ形成する製造装置の構成を模式的に示した図である。図10(a)は、第1の実施形態における電子部品の接続方法によって、複数の端子を有する電子部品を接続体を介して互いに接続された電子部品の実装体を形成する製造装置を示す。また、図10(b)は、第2の実施形態における突起電極の形成方法によって、複数の端子を有する基板の端子上に突起電極を形成する製造装置を示す。また、図10(c)は、第3の実施形態における導電接続フィルムの形成方法によって、樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムを形成する製造装置を示す。なお、各製造装置の基本的な構成は共通するので、以下、図10(a)を参照しながら説明し、図10(b)、図10(c)については説明を省略する。
【0066】
図10(a)に示すように、電子部品(この場合、半導体チップ1と回路基板4)は、互いに対向するように配置して保持手段20によって保持される。半導体チップ1を、保持手段20の表面に形成された溝部に埋設し、さらに、保持手段20の両端部に、超音波を放射させる振動板21と、超音波を反射させる反射板22を設けることによって、半導体チップ1と回路基板4との間に一定の隙間が設けられ、そこに、導電性粒子6が分散された液状物質5が供給される。
【0067】
振動板21には、パワーアンプ23及びファンクションジェネレータ24が接続され、所定の周波数及び電圧を振動板21に印加して、半導体チップ1及び回路基板4面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射することによって、液状物資5中に定在波が生成される。液状物質5中に分散された導電性粒子6は、定在波の節に捕捉されることによって、半導体チップ1の電極パッド2及び回路基板4の入出力端子3間に導電性粒子6が凝集され、これにより、導電性粒子6からなる接続体で接続された電子部品の実装体(フリップチップ実装体)が形成される。ここで、振動板21、反射板22、パワーアンプ23及びファンクションジェネレータ24で、定在波生成手段を構成している。
【0068】
なお、保持手段20には、ヒータ等の加熱手段25が設けられている。これにより、電子部品の端子2、4間に凝集した導電性粒子6を溶融させることができる。さらに、電子部品1、4間に供給された液状物質5を熱硬化させることができる。
【0069】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、本実施形態において、電子部品は半導体チップと回路基板としたが、これは他の電子部品、例えば、チップ部品、半導体ウェハ、コネクタなど他の部品でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、生産性良く、低コストで高性能、高品質、高信頼性を有する電子部品の接続方法、突起電極及び導電接続フィルムの形成方法、並びに電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムの製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係わる電子部品の接続方法を模式的に示した工程断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態における定在波の生成方法を説明した工程断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係わる電子部品の接続方法を模式的に示した工程断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係わる突起電極の形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における突起電極を備えた半導体チップを回路基板へ実装した半導体チップ実装体の構成を示した断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係わる突起電極の形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における突起電極を備えた半導体チップを回路基板へ実装した半導体チップ実装体の構成を示した断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態に係わる導電接続フィルムの形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における導電接続フィルムを用いて半導体チップを回路基板へ実装した半導体チップ実装体の構成を示した断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に係わる電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムを形成する製造装置の構成を示した構成図である。
【図11】従来の半導体チップの回路基板への実装方法を示した工程断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 半導体チップ(電子部品)
2 電極パッド(接続端子)
3 入力端子(電極端子)
4 回路基板(電子部品)
5 液状物質
6 導電性粒子
7 定在波
7a 節
8、9 接続体(突起電極、導電性部材)
10 封止樹脂
11 平板
20 保持手段
21 振動板
22 反射板
23 パワーアンプ
24 ファンクションジェネレータ
25 ヒータ(加熱手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップの実装を含む電子部品間の接続方法、基板の端子上に突起電極を形成する方法、及び電子部品間を接続する導電接続フィルムの形成方法に関する。また、これらの方法によって電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムを形成する製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な電子機器に電子部品の実装体が利用されている。従って、電子部品の実装体の性能および品質・信頼性の向上は、電子機器の性能および品質・信頼性の向上に貢献する。
【0003】
近年、LSIの高集積化に伴い、接続端子の多ピン化および狭ピッチ化が進んでいる。このような技術背景から、LSIを回路基板上に実装する技術として、フリップチップボンディング方法が用いられている。
【0004】
フリップチップボンディング方法は、半導体チップの接続端子と回路基板の電極端子とを半田バンプを介して接続するもので、半導体チップの接続端子上にメッキ法により半田バンプを形成した後、半導体チップを回路基板にフェイスダウンで載置し、半田バンプをリフローさせて端子間の接続を図るものである。この技術は、半導体チップと回路基板との電気的接続を一括して実行できるので、多ピン化および狭ピッチ化に適している。
【0005】
しかしながら、半田バンプを介して端子間を接続するには、半田バンプをリフローするために、回路基板を高温に加熱する必要がある。そこで、リフローのための高温加熱を必要としない技術として、導電性接着剤を用いたフリップチップ実装がある。この技術は、半導体チップの接続端子上にワイヤーボンディング法により金バンプを形成し、この金バンプに導電性接着剤を転写した後、半導体チップを回路基板にフェイスダウンで載置し、導電性接着剤を硬化させて端子間の接続を図るものである。しかしながら、この技術は、金バンプをワイヤーボンディング法により形成するので、一括して形成することができず、多ピン化に対しては生産性に劣る。
【0006】
このような半田バンプ又は金バンプを介さずに半導体チップを回路基板に実装する技術が特許文献1に記載されている。図11(a)、(b)は、この技術を説明する工程断面図である。まず、図11(a)に示すように、フィルム基材101に、貫通孔を設けた後、メッキ法で貫通孔の内部にCu等の金属材料102を析出し、然る後、フィルム基材101の両面に露出した導通路102表面に、メッキ法等で形成した半田層からなる突出部103を形成する。そして、図11(b)に示すように、半導体チップ110と回路基板111との間に導通路102及び突出部103が形成されたフィルム基材101を挟み込み、半田層を加熱溶融することにより、突出部103と半導体チップ110の接続端子112及び回路基板111の電極端子113を接続することによって、半導体チップ110を回路基板111に実装する。
【特許文献1】特開2002−151549号公報
【特許文献2】特開平9−193055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記に示した従来の実装方法は、いずれも、半導体チップ及び回路基板の端子間の半田バンプ、金バンプ、又は突出部を介在させて接続を図るもので、これらの接続部材を形成する工程が必須となる。そのため、生産性に劣るという問題に加え、これらの接続部材の形成には、メッキ装置等の高価な装置が必要となり、生産コストが高くなるという問題がある。また、これらの接続部材は、半導体チップの端子等の接続部位に位置合わせをして形成する必要があるので、高精度な位置合わせ装置が必要となり、生産コストが高くなるとともに、狭ピッチ化にも限界を生じる。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、生産性良く、低コストで高性能、高品質、高信頼性を有する電子部品の接続方法、半導体チップの実装方法、及び突起電極の形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係わる電子部品の接続方法は、複数の端子を有する電子部品を互いに対向させて配置し、端子間を接続体を介して電気的に接続する電子部品の接続方法であって、互いに対向させて配置した電子部品間に、導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、液状物質中に、電子部品面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程とを含み、液状物質中に分散された導電性粒子が、液状物質中に生成された定在波の節に捕捉されることによって、端子間に導電性粒子が凝集してなる接続体が形成されることを特徴とする。
【0010】
この方法によれば、導電性粒子が分散された液状物質に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、電子部品の端子間に導電性粒子が凝集してなる接続体を一括して形成することができる。これによって、電子部品間の接続を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな電子部品の接続体を実現できる。また、液状物質に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、接続体を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる端子を有する電子部品の接続に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた電子部品の接続体を実現することができる。
【0011】
本方法において、定在波の節は、液状物質中において、対向する端子間が位置する部位に生成されていることが好ましい。また、電子部品上に形成された複数の端子は、定在波の半波長間隔で配列していることが好ましい。あるいは、電子部品上に形成された複数の端子が、定在波の1/4波長間隔で配列しており、超音波を入射して定在波を生成する工程を、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行うようにしてもよい。
【0012】
ある好適な実施形態において、記液状物質を加熱して、端子間に凝集した導電性粒子を溶融させる工程をさらに含む。これにより、安定した導通状態を有する接続体を形成することができる。
【0013】
ある好適な実施形態において、端子間に接続体を形成した後、液状物質を硬化させる工程をさらに含む。これにより、安定した端子間の接続状態を維持することができる。この工程を実行するに当たり、液状物質は、硬化性樹脂からなることが好ましい。また、導電性粒子は、はんだ粉からなることが好ましい。
【0014】
本発明に係わる半導体チップの実装方法は、複数の電極端子を有する回路基板に対向させて、複数の接続端子を有する半導体チップを配置し、接続端子を接続体を介して電極端子に接続する半導体チップの実装方法であって、対向させて配置された回路基板と半導体チップとの間に導電性粒子が分散された樹脂を供給する工程と、樹脂中に回路基板及び半導体チップの表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程とを含み、樹脂中に分散された導電性粒子が樹脂中に生成された定在波の節に捕捉されることによって、導電性粒子が凝集してなる接続体が形成されることを特徴とする。
【0015】
この方法によれば、導電性粒子が分散された樹脂に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、電極端子及び接続端子間に導電性粒子が凝集してなる接続体をに一括して形成することができる。これによって、端子間の接続を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな半導体チップ実装体を実現できる。また、樹脂に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、接続体を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる接続端子を有する半導体チップに対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた半導体チップ実装体を実現することができる。
【0016】
本方法において、定在波の節は、樹脂中において、電極端子及び接続端子間が位置する部位に生成されていることが好ましい。また、電極端子及び接続端子は、定在波の半波長間隔で配列していることが好ましい。あるいは、電極端子及び接続端子が、定在波の1/4波長間隔で配列しており、超音波を入射して定在波を生成する工程を、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行うようにしてもよい。
【0017】
ある好適な実施形態において、樹脂を加熱して電極端子及び接続端子間に凝集した導電性粒子を溶融して接続体を形成する工程と、接続体を形成した後、樹脂を硬化させる工程とをさらに含む。
【0018】
本発明に係わる突起電極の形成方法は、複数の端子を有する基板の該端子上に突起電極を形成する方法であって、基板と該基板に対向させて配置された平板との間に導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、液状物質中に基板及び平板の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、端子上に導電性粒子が凝集してなる突起電極を形成する工程と、突起電極を形成後平板を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
この方法によれば、導電性粒子が分散された液状物質に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、端子上に導電性粒子が凝集してなる突起電極を一括して形成することができる。これによって、基板の端子上に突起電極を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな突起電極を備えた基板を実現できる。また、液状物質に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、突起電極を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる端子を有する基板に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた突起電極を備えた基板を実現することができる。
【0020】
本方法において、定在波の節は、液状物質中において、端子間が位置する部位に生成されていることが好ましい。また、複数の端子は、定在波の半波長間隔で配列していることが好ましい。あるいは、複数の端子が、定在波の1/4波長間隔で配列しており、超音波を入射して定在波を生成する工程を、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行うようにしてもよい。
【0021】
ある好適な実施形態において、液状物質を加熱して、端子上に凝集した導電性粒子を溶融して突起電極を形成する工程をさらに含む。
【0022】
ある好適な実施形態において、端子上に突起電極を形成した後、液状物質を硬化させる工程をさらに含む。ここで、液状物質は、接着性を有する樹脂からなることが好ましい。
【0023】
本発明に係わる導電接続フィルムの形成方法は、樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムの形成方法であって、互いに対向させて配置した平板間に、導電性粒子が分散された液状樹脂を供給する工程と、液状樹脂中に、平板面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、液状樹脂中に分散された導電性粒子を、定在波の節に捕捉して、液状樹脂中に、導電性粒子が凝集してなる導電性部材を形成する工程と、液状樹脂を硬化して、該液状樹脂を樹脂フィルムにする工程と、樹脂フィルムを形成した後、平板を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
この方法によれば、導電性粒子が分散された液状樹脂に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、液状樹脂中に導電性粒子が凝集してなる導電性部材を一括して形成することができる。これによって、樹脂フィルム中に導電性部材を容易に形成することができ、生産性が高く、低コストな導電接続フィルムを実現できる。また、液状樹脂に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、ピッチの異なる端子を有する電子部品に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた導電接続フィルムを実現することができる。
【0025】
本発明によれば、導電性粒子が分散された液状物質に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、電子部品の端子間、または基板の端子上に、導電性粒子が凝集してなる接続体または突起電極を一括して形成することができる。これによって、電子部品の接続または端子上に突起電極の形成を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな電子部品実装体を実現することができる。
【0026】
また、液状物質に入射する超音波の周波数又は位相を変えることによって、定在波の節、すなわち、導電性粒子を捕捉する位置を調整することができるので、接続体または突起電極を形成するための高精度な位置合わせは不要となるとともに、ピッチの異なる端子を有する電子部品の接続、またはピッチの異なる端子上への突起電極の形成に対しても、フレキシブルに対応することが可能となる。これにより、生産性が高く、かつ信頼性に優れた電子部品実装体を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、説明の簡略化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0028】
(第1の実施形態)
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態における電子部品の接続方法を模式的に示した工程断面図である。なお、本実施形態においては、電子部品に半導体チップと回路基板とを用いた例について説明する。
【0029】
まず、図1(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド(接続端子)2と、これに接続する回路基板4上に形成した入出力端子(電極端子)3が重なる位置に、半導体チップ1と回路基板4とを平行に対峙して保持した状態で、その隙間に導電性粒子(例えば、はんだ粉)6を含有する液状物質(例えば、フラックス)5を充填する。
【0030】
なお、液状物質5の供給は、回路基板4上に液状物質5を塗布した後、液状物質5の表面に半導体チップ1を当接することにより行ってもよい。
【0031】
次に、図1(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、半導体チップ1及び回路基板4に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図1(c)に示すように、導電性粒子6が定在波7の節7aに捕捉され、やがて導電性粒子6が凝集してなる接続体8が形成される。
【0032】
この方法は、従来から知られた超音波を用いて非接触で微小物体をハンドリングする非接触マイクロマニピュレーションと呼ばれる技術と同じ原理に基づくもので、導電性粒子6が捕捉されるメカニズムは以下のように説明される(例えば、特許文献2を参照)。
【0033】
すなわち、流体媒質中に超音波の定在波を生成させ、この流体媒質中に、定在波の波長に比べて十分小さい微小物体を置くと、微小物体には、物体の周りに生じる音響放射圧によって、半波長間隔で存在する力学的に安定した位置(定在波の音圧分布の節)に向かう力が及ぼされる。この作用により、液状物質5中に分散していた導電性粒子6は、定在波の節の近傍に、半波長間隔で凝集されて捕捉されることになる。
【0034】
この原理によれば、超音波の周波数や発信源での位相を変化させることによって、節の間隔や位置を自由に変更することができるので、本発明において、液状物質5中に分散する導電性粒子6を、所定の位置に配置された端子2、3間に凝集させることができる。
【0035】
さらに、図1(d)に示すように、その後液状物質5を高温で加熱することにより、節に凝集した導電性粒子6を溶融させて、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入出力端子3を接続体9を介して接続することによって、電子部品実装体が作製される。必要に応じ、半導体チップ1と回路基板4との間に封止樹脂10を注入し、硬化させることで、半導体チップ1の固定が強化される。
【0036】
なお、図1(b)に示したように、半導体チップ1の電極パッド2、及び回路基板4の入出力端子3は、定在波の半波長間隔で配列しているため、1回の超音波の入射で、全ての電極パッド2と入出力端子3とが接続体9を介して一括して接続されるが、必ずしも、一括して接続する必要はない。
【0037】
例えば、図2(a)〜(c)に示すように、超音波を2回に分けて入射することによって、電極パッド2と入出力端子3とを接続体9を介して接続することができる。すなわち、図2(a)に示すように、1回目の超音波を入射して定在波7mを生成することによって、液状物質5中に分散していた導電性粒子6を、一つおきの端子2、3上に凝集させて、接続体8mを形成する。このとき、電極パッド2及び入出力端子3は、1回目の超音波の入射で生成された定在波の波長λに対して、1/4λの間隔で配列している。
【0038】
次に、図2(b)に示すように、1回目に入射した超音波と1/4λだけ位相のずれた超音波を入射して定在波7nを生成することによって、1回目と一つづつ隣にずれた電極パッド2及び入出力端子3上に、液状物質5中に分散していた導電性粒子6を凝集させて、接続体8nを形成する。なお、1回目の超音波の入射で形成された接続体8mは、2回目の超音波の入射によって生成された定在波7nの腹の位置にあるため、2回目の超音波の入射によっては、ほとんど影響は受けず(影響を受けたとしても、実質的に問題のない程度の影響)、その場所に留まることができる。
【0039】
最後に、図2(c)に示すように、液状物質5を高温で加熱することにより、電極パッド2及び入出力端子3上に凝集した導電性粒子6を溶融させて、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入出力端子3とを接続体9を介して接続することによって、電子部品実装体を形成する。
【0040】
ところで、本実施形態において液状物質5として用いたフラックスの代わりに、硬化型樹脂または熱可塑型樹脂のような硬化する性質を有する樹脂材料を選択することで、液状物資5に封止樹脂10の機能を付加させることもできる。
【0041】
また、このように液状物質5として硬化する性質を有する樹脂材料を選択した場合は、導電性粒子6として、はんだ粉以外の材料使用も可能となる。以下、図3(a)〜(d)に示した工程断面図を参照しながら説明する。
【0042】
まず、図3(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド2と、これに接続する回路基板4上に形成した入出力端子3が重なる位置に、半導体チップ1と回路基板4とを、隙間を設けて平行にして保持した上で、その間に導電性粒子(例えば、Cu粉)6を含有する硬化する性質を有する樹脂である液状樹脂(例えば、エポキシ系熱硬化型液状樹脂)5を充填する。
【0043】
次に、図3(b)に示すように、液状樹脂5中に、半導体チップ1及び回路基板4に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を発生させると、図3(c)に示すように、Cu粉6が定在波7の節7aに集合した接合体8が形成される。
【0044】
さらに、図3(d)に示すように、液状樹脂5を約150℃で加熱することにより、エポキシ系熱硬化型樹脂である液状樹脂5は、この接合体8の構造を維持したまま硬化することで、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入出力端子3とを接合体8を介して接続された電子部品実装体が作製される。
【0045】
本実施形態によれば、導電性粒子6が分散された液状物質5に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、半導体チップ1及び回路基板4の端子間に導電性粒子6が凝集してなる(または、凝集後に溶融した)接続体8、9を一括して形成することができる。これによって、半導体チップ1及び回路基板4の端子間の接続を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな電子部品実装体(半導体チップ実装体)を実現できる。
【0046】
(第2の実施形態)
図4(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態における突起電極(バンプ)の形成方法を模式的に示した工程断面図である。なお、本実施形態においては、基板として半導体チップを用い、半導体チップの端子上に突起電極を形成する例について説明する。
【0047】
まず、図4(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド(端子)2の上に、平板11を、間隙を設けて平行にして保持した上で、その間に導電性粒子(例えば、はんだ粉)6を含有する液状物質(例えば、フラックス)5を充填する。
【0048】
次に、図4(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、半導体チップ1及び平板11に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図4(c)に示すように、導電性粒子6が定在波7の節7aに凝集して、接続体8が形成される。
【0049】
次に、図4(d)に示すように、液状物質5を高温で加熱することにより、節7aに凝集した接続体8を溶融して、半導体チップ1の電極パッド2上に突起電極9を形成する。その後、図4(e)に示すように、平板11を除去することによって、電極パッド2上に突起電極9を備えた半導体チップ1が完成する。
【0050】
この突起電極9を備えた半導体チップ1は、従来のフリップチップ実装工法を用いて、図5に示すように、回路基板4上に実装されることで、半導体チップ実装体が作製される。なお、必要に応じ、半導体チップ1と回路基板4との間に封止樹脂10を注入することによって、半導体チップ1の固定を強化する。
【0051】
なお、本実施形態においても、液状物質5としてフラックスの代わりに、硬化型樹脂または熱可塑型樹脂のような硬化する性質を有する樹脂材料を選択することで、封止樹脂10の機能を付加させることも可能である。
【0052】
また、このように液状物質5として硬化する性質を有する樹脂材料を選択した場合は、導電性粒子6として、はんだ粉以外の材料使用も可能となる。以下、図6(a)〜(e)に示した工程断面図を参照しながら説明する。
【0053】
まず、図6(a)に示すように、半導体チップ1上に形成した電極パッド2の上面に、平板11を、間隙を設けて平行にして保持した上で、その間にはんだ粉以外の導電性粒子(例えばCu粉)6を含有する硬化性を有する樹脂からなる液状物質(例えば熱硬化型エポキシ系液状樹脂)5を充填する。
【0054】
次に、図6(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、半導体チップ1及び平板11に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図6(c)に示すように、Cu粉である導電性粒子6が定在波7の節7aに凝集して接続体8が形成される。
【0055】
次に、図6(d)に示すように、約150℃で加熱することにより、エポキシ系熱硬化型樹脂である液状物質5が硬化することで、Cu粉の接続体8は、半導体チップ1の電極パッド2上に配置した構成が固定されるので、突起電極9が形成されることとなる。その後、図6(e)に示すように、平板11を除去することにより、電極パッド2上に突起電極9を備えた半導体チップ1を完成する。
【0056】
この突起電極9を備えた半導体チップ1は、図7に示すように、回路基板4上に実装されることで、半導体チップ実装体が作製される。なお、この際、硬化した液状物質5と回路基板4の接着固定には、別途接着剤(不図示)を使用するが、図6(d)の工程において、エポキシ系熱硬化型樹脂の硬化がBステージ状態(接着性を有する状態)であれば、回路基板4に実装する際の接着剤は不要となる。
【0057】
本実施形態によれば、導電性粒子6が分散された液状物質5に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、半導体チップ1の電極パッド2上に導電性粒子6が凝集してなる(または、凝集後に溶融した)突起電極8、9を一括して形成することができる。これによって、半導体チップ1の電極パッド2上に突起電極8、9を容易に達成することができ、生産性が高く、低コストな突起電極を備えた半導体チップを実現できる。
【0058】
(第3の実施形態)
図8(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態における導電接続フィルム(コネクターシート)の形成方法を模式的に示した工程断面図である。この導電接続フィルムは、複数の端子を有する電子部品の接続に供せられるもので、例えば、半導体チップ及び回路基板を導電接続フィルムを介して端子間の接続を図ることによって、半導体チップ実装体を得ることができる。
【0059】
まず、図8(a)に示すように、2枚の平板11を、間隙を設けて平行にして保持した上で、その間に導電性粒子(例えばCu粉)6を含有する硬化性を有する樹脂からなる液状物質(例えば熱硬化型エポキシ系液状樹脂)5を充填する。
【0060】
次に、図8(b)に示すように、液状物質5中に超音波を入射し、平板11に対して、振幅の方向が垂直でかつ波形進行方向が平行となる方向に定在波7を生成させると、図8(c)に示すように、Cu粉である導電性粒子6が定在波7の節7aに凝集した接続体8が形成される。
【0061】
次に、図8(d)に示すように、約150℃で加熱することにより、エポキシ系熱硬化型樹脂である液状物質5が硬化することで、樹脂フィルム中にCu粉の接続体8からなる複数の導電部材(Cuポスト)9が形成される。その後、図8(e)に示すように、平板11を除去することによって、樹脂フィルム中を貫通する複数のCuポスト9を有する導電接続フィルムを完成する。
【0062】
この複数のCuポスト9を有する導電接続フィルムは、図9に示すように、半導体チップ1と回路基板4とを導電接続フィルムを介して接続することによって、半導体チップ1の電極パッド2と回路基板4の入力端子3とが、導電接続フィルム中を貫通するCuポスト9を介して電気的に接続され、半導体チップ実装体が作製される。
【0063】
なお、この際、樹脂フィルムと半導体チップ1及び回路基板4の接着固定には、別途接着剤(不図示)を使用するが、図8(d)の工程において、エポキシ系熱硬化型樹脂の硬化がBステージ状態であれば、接着剤は不要となる。
【0064】
本実施形態によれば、導電性粒子6が分散された液状物質5に超音波を入射させ、定在波を生成することによって、導電性粒子6が凝集してなるCuポスト9を樹脂フィルム中に一括して形成することができる。これによって、生産性が高く、低コストなCuポストを有する導電接続フィルムを得ることができる。また、この導電接続フィルムを電子部品の接続(半導体チップ実装)に適用することによって、低コストな電子部品の接続体(半導体チップ実装体)を供することができる。
【0065】
(第4の実施形態)
図10(a)〜(c)は、第1〜第3の実施形態で説明した方法によって、電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムをそれぞれ形成する製造装置の構成を模式的に示した図である。図10(a)は、第1の実施形態における電子部品の接続方法によって、複数の端子を有する電子部品を接続体を介して互いに接続された電子部品の実装体を形成する製造装置を示す。また、図10(b)は、第2の実施形態における突起電極の形成方法によって、複数の端子を有する基板の端子上に突起電極を形成する製造装置を示す。また、図10(c)は、第3の実施形態における導電接続フィルムの形成方法によって、樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムを形成する製造装置を示す。なお、各製造装置の基本的な構成は共通するので、以下、図10(a)を参照しながら説明し、図10(b)、図10(c)については説明を省略する。
【0066】
図10(a)に示すように、電子部品(この場合、半導体チップ1と回路基板4)は、互いに対向するように配置して保持手段20によって保持される。半導体チップ1を、保持手段20の表面に形成された溝部に埋設し、さらに、保持手段20の両端部に、超音波を放射させる振動板21と、超音波を反射させる反射板22を設けることによって、半導体チップ1と回路基板4との間に一定の隙間が設けられ、そこに、導電性粒子6が分散された液状物質5が供給される。
【0067】
振動板21には、パワーアンプ23及びファンクションジェネレータ24が接続され、所定の周波数及び電圧を振動板21に印加して、半導体チップ1及び回路基板4面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射することによって、液状物資5中に定在波が生成される。液状物質5中に分散された導電性粒子6は、定在波の節に捕捉されることによって、半導体チップ1の電極パッド2及び回路基板4の入出力端子3間に導電性粒子6が凝集され、これにより、導電性粒子6からなる接続体で接続された電子部品の実装体(フリップチップ実装体)が形成される。ここで、振動板21、反射板22、パワーアンプ23及びファンクションジェネレータ24で、定在波生成手段を構成している。
【0068】
なお、保持手段20には、ヒータ等の加熱手段25が設けられている。これにより、電子部品の端子2、4間に凝集した導電性粒子6を溶融させることができる。さらに、電子部品1、4間に供給された液状物質5を熱硬化させることができる。
【0069】
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、本実施形態において、電子部品は半導体チップと回路基板としたが、これは他の電子部品、例えば、チップ部品、半導体ウェハ、コネクタなど他の部品でも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、生産性良く、低コストで高性能、高品質、高信頼性を有する電子部品の接続方法、突起電極及び導電接続フィルムの形成方法、並びに電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムの製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係わる電子部品の接続方法を模式的に示した工程断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態における定在波の生成方法を説明した工程断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係わる電子部品の接続方法を模式的に示した工程断面図である。
【図4】(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係わる突起電極の形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における突起電極を備えた半導体チップを回路基板へ実装した半導体チップ実装体の構成を示した断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係わる突起電極の形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における突起電極を備えた半導体チップを回路基板へ実装した半導体チップ実装体の構成を示した断面図である。
【図8】(a)〜(e)は、本発明の第3の実施形態に係わる導電接続フィルムの形成方法を模式的に示した工程断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態における導電接続フィルムを用いて半導体チップを回路基板へ実装した半導体チップ実装体の構成を示した断面図である。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の第4の実施形態に係わる電子部品の実装体、突起電極、及び導電接続フィルムを形成する製造装置の構成を示した構成図である。
【図11】従来の半導体チップの回路基板への実装方法を示した工程断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 半導体チップ(電子部品)
2 電極パッド(接続端子)
3 入力端子(電極端子)
4 回路基板(電子部品)
5 液状物質
6 導電性粒子
7 定在波
7a 節
8、9 接続体(突起電極、導電性部材)
10 封止樹脂
11 平板
20 保持手段
21 振動板
22 反射板
23 パワーアンプ
24 ファンクションジェネレータ
25 ヒータ(加熱手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端子を有する電子部品を互いに対向させて配置し、前記端子間を接続体を介して電気的に接続する電子部品の接続方法であって、
互いに対向させて配置した前記電子部品間に、導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、
前記液状物質中に、前記電子部品面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程と
を含み、
前記液状物質中に分散された前記導電性粒子が、前記液状物質中に生成された前記定在波の節に捕捉されることによって、前記端子間に前記導電性粒子が凝集してなる前記接続体が形成される、電子部品の接続方法。
【請求項2】
前記定在波の節は、前記液状物質中において、前記対向する端子間が位置する部位に生成されている、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項3】
前記電子部品上に形成された複数の端子は、前記定在波の半波長間隔で配列している、請求項2に記載の電子部品の接続方法。
【請求項4】
前記電子部品上に形成された複数の端子は、前記定在波の1/4波長間隔で配列しており、
前記超音波を入射して定在波を生成する工程は、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行われる、請求項2に記載の電子部品の接続方法。
【請求項5】
前記液状物質を加熱して、前記端子間に凝集した前記導電性粒子を溶融させる工程をさらに含む、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項6】
前記端子間に前記接続体を形成した後、前記液状物質を硬化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項7】
前記液状物質は、硬化性樹脂からなる、請求項5に記載の電子部品の接続方法。
【請求項8】
前記導電性粒子は、はんだ粉からなる、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項9】
前記液状物質を供給する工程は、
前記複数の端子を有する一方の電子部品上に、前記導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、
前記液状物質の表面に、前記一方の電子部品に対向させて、前記複数の端子を有する他方の電子部品を当接する工程と
からなる、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項10】
前記電子部品は、回路基板または半導体チップである、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項11】
複数の電極端子を有する回路基板に対向させて、複数の接続端子を有する半導体チップを配置し、前記接続端子を接続体を介して前記電極端子に接続する半導体チップの実装方法であって、
対向させて配置された前記回路基板と前記半導体チップとの間に、導電性粒子が分散された樹脂を供給する工程と、
前記樹脂中に、前記回路基板及び前記半導体チップの表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程と
を含み、
前記樹脂中に分散された前記導電性粒子が、前記樹脂中に生成された前記定在波の節に捕捉されることによって、前記電極端子及び前記接続端子間に、前記導電性粒子が凝集してなる前記接続体が形成される、半導体チップの実装方法。
【請求項12】
前記定在波の節は、前記樹脂中において、前記電極端子及び前記接続端子間が位置する部位に生成されている、請求項11に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項13】
前記電極端子及び前記接続端子は、前記定在波の半波長間隔で配列している、請求項12に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項14】
前記電極端子及び前記接続端子は、前記定在波の1/4波長間隔で配列しており、
前記超音波を入射して定在波を生成する工程は、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行われる、請求項12に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項15】
前記樹脂を加熱して、前記電極端子及び前記接続端子間に凝集した前記導電性粒子を溶融して前記接続体を形成する工程と、
前記接続体を形成した後、前記樹脂を硬化させる工程と
をさらに含む、請求項11に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項16】
複数の端子を有する基板の該端子上に突起電極を形成する方法であって、
前記基板と、該基板に対向させて配置された平板との間に、導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、
前記液状物質中に、前記基板及び前記平板の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、前記液状物質中に分散された前記導電性粒子を、前記定在波の節に捕捉して、前記端子上に前記導電性粒子が凝集してなる前記突起電極を形成する工程と、
前記突起電極を形成後、前記平板を除去する工程と
を含む、突起電極の形成方法。
【請求項17】
前記定在波の節は、前記液状物質中において、前記端子が位置する部位に生成されている、請求項16に記載の突起電極の形成方法。
【請求項18】
前記複数の端子は、前記定在波の半波長間隔で配列している、請求項17に記載の突起電極の形成方法。
【請求項19】
前記複数の端子は、前記定在波の1/4波長間隔で配列しており、
前記超音波を入射して定在波を生成する工程は、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行われる、請求項17に記載の突起電極の形成方法。
【請求項20】
前記液状物質を加熱して、前記端子上に凝集した前記導電性粒子を溶融して前記突起電極を形成する工程をさらに含む、請求項16に記載の突起電極の形成方法。
【請求項21】
前記端子上に前記突起電極を形成した後、前記液状物質を硬化させる工程をさらに含む、請求項16に記載の突起電極の形成方法。
【請求項22】
前記液状物質は、接着性を有する樹脂からなる、請求項13に記載の突起電極の形成方法。
【請求項23】
樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムの形成方法であって、
互いに対向させて配置した平板間に、導電性粒子が分散された液状樹脂を供給する工程と、
前記液状樹脂中に、前記平板面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、前記液状樹脂中に分散された前記導電性粒子を、前記定在波の節に捕捉して、前記液状樹脂中に、前記導電性粒子が凝集してなる前記導電性部材を形成する工程と、
前記液状樹脂を硬化して、該液状樹脂を樹脂フィルムにする工程と、
前記樹脂フィルムを形成した後、前記平板を除去する工程と
を含む、導電接続フィルムの形成方法。
【請求項24】
請求項1の電子部品の接続方法によって、複数の端子を有する電子部品を接続体を介して互いに接続された電子部品の実装体を形成する製造装置であって、
前記電子部品を、互いに対向するように配置して保持する保持手段と、
前記保持手段で保持された前記電子部品間に供給された導電性粒子が分散された液状物質中に、前記電子部品面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する定在波生成手段と
を備え、
前記液状物質中に分散された前記導電性粒子が、前記定在波生成手段によって、前記液状物質中に生成された前記定在波の節に捕捉されることにより、前記端子間に前記導電性粒子が凝集してなる前記接続体が形成される、電子部品実装体の製造装置。
【請求項25】
前記端子間に凝集した前記導電性粒子を溶融させる加熱手段をさらに備えている、請求項24に記載の電子部品実装体の製造装置。
【請求項26】
前記加熱手段によって、前記電子部品間に供給された前記液状物質が熱硬化させる、請求項25に記載の電子部品実装体の製造装置。
【請求項27】
請求項16の突起電極の形成方法によって、複数の端子を有する基板の端子上に突起電極を形成する製造装置であって、
前記基板と、該基板に対向して配置された平板とを保持する保持手段と、
前記保持手段で保持された前記基板と前記平板間に供給された導電性粒子が分散された液状物質中に、前記基板及び前記平板の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する定在波生成手段と
を備え、
前記液状物質中に分散された前記導電性粒子が、前記定在波生成手段によって、前記液状物質中に生成された前記定在波の節に捕捉されることにより、前記端子上に前記導電性粒子が凝集してなる前記突起電極が形成される、突起電極の製造装置。
【請求項28】
前記端子上に凝集した前記導電性粒子を溶融させる加熱手段をさらに備えている、請求項27に記載の突起電極の製造装置。
【請求項29】
前記加熱手段によって、前記基板と前記平板間に供給された前記液状物質が熱硬化させる、請求項28に記載の突起電極の製造装置。
【請求項30】
請求項23の導電接続フィルムの形成方法によって、樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムを形成する製造装置であって、
互いに対向して配置された平板を保持する保持手段と、
前記保持手段で保持された前記平板間に供給された導電性粒子が分散された液状樹脂中に、前記平板面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する定在波生成手段と、
前記平板間に供給された前記液状樹脂を熱硬化する加熱手段と
を備え、
前記液状樹脂中に分散された前記導電性粒子が、前記定在波生成手段によって、前記液状樹脂中に生成された前記定在波の節に捕捉されることにより、前記液状樹脂中に、前記導電性粒子が凝集してなる前記導電性部材が形成され、さらに、前記加熱手段によって、前記液状樹脂を熱硬化することにより、該液状樹脂を前記樹脂フィルムにする、導電接続フィルムの製造装置。
【請求項1】
複数の端子を有する電子部品を互いに対向させて配置し、前記端子間を接続体を介して電気的に接続する電子部品の接続方法であって、
互いに対向させて配置した前記電子部品間に、導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、
前記液状物質中に、前記電子部品面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程と
を含み、
前記液状物質中に分散された前記導電性粒子が、前記液状物質中に生成された前記定在波の節に捕捉されることによって、前記端子間に前記導電性粒子が凝集してなる前記接続体が形成される、電子部品の接続方法。
【請求項2】
前記定在波の節は、前記液状物質中において、前記対向する端子間が位置する部位に生成されている、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項3】
前記電子部品上に形成された複数の端子は、前記定在波の半波長間隔で配列している、請求項2に記載の電子部品の接続方法。
【請求項4】
前記電子部品上に形成された複数の端子は、前記定在波の1/4波長間隔で配列しており、
前記超音波を入射して定在波を生成する工程は、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行われる、請求項2に記載の電子部品の接続方法。
【請求項5】
前記液状物質を加熱して、前記端子間に凝集した前記導電性粒子を溶融させる工程をさらに含む、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項6】
前記端子間に前記接続体を形成した後、前記液状物質を硬化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項7】
前記液状物質は、硬化性樹脂からなる、請求項5に記載の電子部品の接続方法。
【請求項8】
前記導電性粒子は、はんだ粉からなる、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項9】
前記液状物質を供給する工程は、
前記複数の端子を有する一方の電子部品上に、前記導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、
前記液状物質の表面に、前記一方の電子部品に対向させて、前記複数の端子を有する他方の電子部品を当接する工程と
からなる、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項10】
前記電子部品は、回路基板または半導体チップである、請求項1に記載の電子部品の接続方法。
【請求項11】
複数の電極端子を有する回路基板に対向させて、複数の接続端子を有する半導体チップを配置し、前記接続端子を接続体を介して前記電極端子に接続する半導体チップの実装方法であって、
対向させて配置された前記回路基板と前記半導体チップとの間に、導電性粒子が分散された樹脂を供給する工程と、
前記樹脂中に、前記回路基板及び前記半導体チップの表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する工程と
を含み、
前記樹脂中に分散された前記導電性粒子が、前記樹脂中に生成された前記定在波の節に捕捉されることによって、前記電極端子及び前記接続端子間に、前記導電性粒子が凝集してなる前記接続体が形成される、半導体チップの実装方法。
【請求項12】
前記定在波の節は、前記樹脂中において、前記電極端子及び前記接続端子間が位置する部位に生成されている、請求項11に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項13】
前記電極端子及び前記接続端子は、前記定在波の半波長間隔で配列している、請求項12に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項14】
前記電極端子及び前記接続端子は、前記定在波の1/4波長間隔で配列しており、
前記超音波を入射して定在波を生成する工程は、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行われる、請求項12に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項15】
前記樹脂を加熱して、前記電極端子及び前記接続端子間に凝集した前記導電性粒子を溶融して前記接続体を形成する工程と、
前記接続体を形成した後、前記樹脂を硬化させる工程と
をさらに含む、請求項11に記載の半導体チップの実装方法。
【請求項16】
複数の端子を有する基板の該端子上に突起電極を形成する方法であって、
前記基板と、該基板に対向させて配置された平板との間に、導電性粒子が分散された液状物質を供給する工程と、
前記液状物質中に、前記基板及び前記平板の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、前記液状物質中に分散された前記導電性粒子を、前記定在波の節に捕捉して、前記端子上に前記導電性粒子が凝集してなる前記突起電極を形成する工程と、
前記突起電極を形成後、前記平板を除去する工程と
を含む、突起電極の形成方法。
【請求項17】
前記定在波の節は、前記液状物質中において、前記端子が位置する部位に生成されている、請求項16に記載の突起電極の形成方法。
【請求項18】
前記複数の端子は、前記定在波の半波長間隔で配列している、請求項17に記載の突起電極の形成方法。
【請求項19】
前記複数の端子は、前記定在波の1/4波長間隔で配列しており、
前記超音波を入射して定在波を生成する工程は、互いに1/4波長だけ位相のずれた超音波を2回入射して行われる、請求項17に記載の突起電極の形成方法。
【請求項20】
前記液状物質を加熱して、前記端子上に凝集した前記導電性粒子を溶融して前記突起電極を形成する工程をさらに含む、請求項16に記載の突起電極の形成方法。
【請求項21】
前記端子上に前記突起電極を形成した後、前記液状物質を硬化させる工程をさらに含む、請求項16に記載の突起電極の形成方法。
【請求項22】
前記液状物質は、接着性を有する樹脂からなる、請求項13に記載の突起電極の形成方法。
【請求項23】
樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムの形成方法であって、
互いに対向させて配置した平板間に、導電性粒子が分散された液状樹脂を供給する工程と、
前記液状樹脂中に、前記平板面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成することにより、前記液状樹脂中に分散された前記導電性粒子を、前記定在波の節に捕捉して、前記液状樹脂中に、前記導電性粒子が凝集してなる前記導電性部材を形成する工程と、
前記液状樹脂を硬化して、該液状樹脂を樹脂フィルムにする工程と、
前記樹脂フィルムを形成した後、前記平板を除去する工程と
を含む、導電接続フィルムの形成方法。
【請求項24】
請求項1の電子部品の接続方法によって、複数の端子を有する電子部品を接続体を介して互いに接続された電子部品の実装体を形成する製造装置であって、
前記電子部品を、互いに対向するように配置して保持する保持手段と、
前記保持手段で保持された前記電子部品間に供給された導電性粒子が分散された液状物質中に、前記電子部品面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する定在波生成手段と
を備え、
前記液状物質中に分散された前記導電性粒子が、前記定在波生成手段によって、前記液状物質中に生成された前記定在波の節に捕捉されることにより、前記端子間に前記導電性粒子が凝集してなる前記接続体が形成される、電子部品実装体の製造装置。
【請求項25】
前記端子間に凝集した前記導電性粒子を溶融させる加熱手段をさらに備えている、請求項24に記載の電子部品実装体の製造装置。
【請求項26】
前記加熱手段によって、前記電子部品間に供給された前記液状物質が熱硬化させる、請求項25に記載の電子部品実装体の製造装置。
【請求項27】
請求項16の突起電極の形成方法によって、複数の端子を有する基板の端子上に突起電極を形成する製造装置であって、
前記基板と、該基板に対向して配置された平板とを保持する保持手段と、
前記保持手段で保持された前記基板と前記平板間に供給された導電性粒子が分散された液状物質中に、前記基板及び前記平板の表面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する定在波生成手段と
を備え、
前記液状物質中に分散された前記導電性粒子が、前記定在波生成手段によって、前記液状物質中に生成された前記定在波の節に捕捉されることにより、前記端子上に前記導電性粒子が凝集してなる前記突起電極が形成される、突起電極の製造装置。
【請求項28】
前記端子上に凝集した前記導電性粒子を溶融させる加熱手段をさらに備えている、請求項27に記載の突起電極の製造装置。
【請求項29】
前記加熱手段によって、前記基板と前記平板間に供給された前記液状物質が熱硬化させる、請求項28に記載の突起電極の製造装置。
【請求項30】
請求項23の導電接続フィルムの形成方法によって、樹脂フィルム中を貫通する複数の導電性部材を有する導電接続フィルムを形成する製造装置であって、
互いに対向して配置された平板を保持する保持手段と、
前記保持手段で保持された前記平板間に供給された導電性粒子が分散された液状樹脂中に、前記平板面に垂直方向の振幅を有する超音波を入射して定在波を生成する定在波生成手段と、
前記平板間に供給された前記液状樹脂を熱硬化する加熱手段と
を備え、
前記液状樹脂中に分散された前記導電性粒子が、前記定在波生成手段によって、前記液状樹脂中に生成された前記定在波の節に捕捉されることにより、前記液状樹脂中に、前記導電性粒子が凝集してなる前記導電性部材が形成され、さらに、前記加熱手段によって、前記液状樹脂を熱硬化することにより、該液状樹脂を前記樹脂フィルムにする、導電接続フィルムの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−311769(P2007−311769A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78466(P2007−78466)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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