説明

電子部品取付装置

【課題】 放熱板と平行ワイヤなどの電子部材との間隔を適正に保持すること。
【解決手段】 放熱板6Aに貫設した円形孔13と、該円形孔13から放熱板6Aを横断
するスリット14とを有し、円形孔13の周縁部に設定した2つのロック位置Eにそれぞ
れスペーサ12の厚さtとほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対の突起部15が突
設され、スペーサ12の一端部に一対の溝部18を形成することにより、そのスペーサ1
2が両溝部18を挟んで矩形板状のスペーサ本体12aと抜止部12bとに分けられてお
り、スペーサ12の両溝部18間の連結部12cをスリット14を通って円形孔13まで
挿入し該連結部12cを回転させてスペーサ本体12aを各ロック位置Eの突起部15間
に乗り越えて嵌入させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビジョン受像機のプリント配線基板上に立設した放熱板と平行ワ
イヤなどの電子部材との間隔を適正に保持できるようにした電子部品取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品取付装置の技術として特許文献1などに記載したものがあり、その一例
を図7及び図8に基づいて説明すると、これは、テレビジョン受像機用であって、キャビ
ネット1内のブラウン管2の下方にプリント配線基板3が配設され、該プリント配線基板
3上の発振回路が、各種電子部品4、トランジスタなどの発熱性電子部品5を止着した略
L字状放熱板6A、該放熱板6Aに接近してコネクタ7に接続した平行ワイヤ8、その放
熱板6Aを挟んで配置したフライバックトランスFBT及び別の放熱板6Bなどにより形
成されている。
【0003】
出荷前の安全試験の一つとして、試験具により平行ワイヤ8に所定圧の負荷Fを加える
ことにより、その平行ワイヤ8が発熱部材である放熱板6Aに対してどの程度接近するか
をチェックして安全規格に適合するか否かを確認している。
【特許文献1】実用新案登録第3019146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構成では、安全試験の結果、図8(b)に仮想線で示すように、平行ワイヤ
8が放熱板6Aに接近し過ぎたときには、その放熱板6Aの高熱により平行ワイヤ8の皮
膜が溶解されるおそれがあり、不合格となる。
【0005】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、放熱板と平行ワイヤなどの電子部材との間隔を適正
に保持できるようにした電子部品取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、プリント配線基板上に立設した放
熱板に発熱性電子部品が止着されると共に、該プリント配線基板上の放熱板の近傍のコネ
クタに平行ワイヤが接続された電子部品取付装置において、前記放熱板に着脱機構を介し
て着脱可能に係止されて該放熱板と平行ワイヤとの間に介在される間隔保持用スペーサが
設けられ、前記着脱機構が、放熱板に貫設した円形孔と、該円形孔から放熱板を横断する
スリットとを有し、前記放熱板の円形孔の周縁部に互いに180°の対向角度をおいて設
定した2つのロック位置にそれぞれスペーサの厚さとほぼ同じまたは若干大きい間隔をお
いて一対の突起部が突設され、前記スペーサがプリント配線基板から切り取った捨て基板
により形成され、該スペーサの一端部に放熱板の厚さと同一または若干広幅の一対の溝部
を形成することにより、そのスペーサが両溝部を挟んで矩形板状のスペーサ本体と抜止部
とに分けられと共に、両溝部間の間隔が前記円形孔の内径と同一または若干狭幅に形成さ
れており、前記スペーサの両溝部間の連結部を放熱板のスリットを通って円形孔まで挿入
し該連結部を回転させてスペーサ本体または抜止部を各ロック位置の突起部間に乗り越え
て嵌入させるようにしたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止
着されると共に、該プリント配線基板上の放熱板の近傍のコネクタに平行ワイヤが接続さ
れた電子部品取付装置において、前記放熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該
放熱板と平行ワイヤとの間に介在される間隔保持用スペーサが設けられ、前記着脱機構が
、放熱板に貫設した円形孔と、該円形孔から放熱板を横断するスリットとを有し、前記放
熱板の円形孔の周縁部に互いに180°の対向角度をおいて設定した2つのロック位置に
それぞれスペーサの厚さとほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対の突起部が突設さ
れ、前記スペーサがプリント配線基板から切り取った捨て基板により形成され、該スペー
サの一端部に放熱板の厚さと同一または若干広幅の一対の溝部を形成することにより、そ
のスペーサが両溝部を挟んで矩形板状のスペーサ本体と抜止部とに分けられと共に、両溝
部間の間隔が前記円形孔の内径と同一または若干狭幅に形成されており、前記スペーサの
両溝部間の連結部を放熱板のスリットを通って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてス
ペーサ本体または抜止部を各ロック位置の突起部間に乗り越えて嵌入させ、スペーサ本体
にT字溝が形成され、該T字溝内に平行ワイヤを差し込むようにしたことを特徴としてい
る。
【0008】
請求項3に記載の発明は、プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止
着されると共に、該プリント配線基板上の放熱板の近傍に別の放熱板が配置された電子部
品取付装置において、前記両放熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該両放熱板
間に介在される間隔保持用スペーサが設けられ、前記着脱機構が、各放熱板に貫設した円
形孔と、該円形孔から放熱板を横断するスリットとを有し、前記各放熱板の円形孔の周縁
部に互いに180°の対向角度をおいて設定した2つのロック位置にそれぞれスペーサの
厚さとほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対の突起部が突設され、前記スペーサが
プリント配線基板から切り取った捨て基板により形成され、該スペーサの両端部に放熱板
の厚さと同一または若干広幅の一対の溝部を形成することにより、そのスペーサが両溝部
を挟んで矩形板状のスペーサ本体と一対の抜止部とに分けられと共に、両溝部間の間隔が
前記円形孔の内径と同一または若干狭幅に形成されており、前記スペーサの両溝部間の各
連結部を各放熱板のスリットを通って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてスペーサ本
体または抜止部を各ロック位置の突起部間に乗り越えて嵌入させるようにしたことを特徴
としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止
着されると共に、該プリント配線基板上の放熱板の近傍に電子部材が配置された電子部品
取付装置において、前記放熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該放熱板と電子
部材との間に介在される間隔保持用スペーサが設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記着脱機構が、放熱板に
貫設した円形孔と、該円形孔から放熱板を横断するスリットとを有し、前記放熱板の円形
孔の周縁部に互いに180°の対向角度をおいて設定した2つのロック位置にそれぞれス
ペーサの厚さとほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対の突起部が突設され、前記ス
ペーサがプリント配線基板から切り取った捨て基板により形成され、該スペーサの一端部
に放熱板の厚さと同一または若干広幅の一対の溝部を形成することにより、そのスペーサ
が両溝部を挟んで矩形板状のスペーサ本体と抜止部とに分けられと共に、両溝部間の間隔
が前記円形孔の内径と同一または若干狭幅に形成されており、スペーサの両溝部間の連結
部を放熱板のスリットを通って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてスペーサ本体また
は抜止部を各ロック位置の突起部間に乗り越えて嵌入させるようにしたことを特徴として
いる。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記電子部材がプ
リント配線基板上のコネクタに接続した平行ワイヤからなることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記スペーサ本体にT字溝
が形成され、該T字溝内に平行ワイヤを差し込むようにしたことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記電子部材がフ
ライバックトランスからなることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記電子部材が別
の放熱板からなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明は第1の実施の形態(図1及び図2参照)に対応するものであっ
て、これによれば、スペーサの両溝部間の連結部を放熱板のスリットを通って円形孔まで
挿入し該連結部を回転させてスペーサ本体または抜止部を各ロック位置の突起部間に乗り
越えて嵌入させるだけで、そのスペーサを放熱板にロックして該放熱板と平行ワイヤとの
間に確実に介在させることができる。
【0016】
そして、従来のように高熱の放熱板に対して平行ワイヤが接近し過ぎて該平行ワイヤの
皮膜が溶解されることがなくなり、安全規格に適合させることができる。
【0017】
ここで特に、着脱機構である円形孔、スリット及び各突起部が放熱板をプレス成形して
形成されると共に、スペーサがプリント配線基板から切り取った捨て基板で形成されるよ
うになっており、部品点数が増加しないから、製作費を安くすることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は第2の実施の形態(図3参照)に対応するものであって、これ
によれば、請求項1に記載の発明とほぼ同じ効果を得ることができ、特に、スペーサ本体
に形成したT字溝内に平行ワイヤを差し込むことにより、該平行ワイヤと放熱板との間の
間隔を適正に保つことができると共に、その間隔方向とは直交する方向にも平行ワイヤが
位置ずれしないようにすることができ、これによって、平行ワイヤを定位置に固定して別
の放熱板やその周辺の電子部品などに接近し過ぎないようにすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は第5の実施の形態(図6参照)に対応するものであって、これ
によれば、請求項1に記載の発明とほぼ同じ効果を得ることができ、特に、スペーサによ
り放熱板どうしを一体連結して、その両放熱板間の間隔を適正に固定することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は基本形態に対応するものであって、これによれば、間隔保持用
スペーサが着脱機構により放熱板と電子部材との間に着脱可能に介在されているから、従
来のように高熱の放熱板に対して電子部材が接近し過ぎて損傷されることがなくなり、安
全規格に適合させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、スペーサの両溝部間の連結部を放熱板のスリットを通
って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてスペーサ本体または抜止部を各ロック位置の
突起部間に乗り越えて嵌入させるだけで、そのスペーサを放熱板にロックして該放熱板と
電子部材との間に確実に介在させることができる。
【0022】
ここで特に、着脱機構である円形孔、スリット及び各突起部が放熱板をプレス成形して
形成されると共に、スペーサがプリント配線基板から切り取った捨て基板で形成されるよ
うになっており、部品点数が増加しないから、製作費を安くすることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、スペーサにより平行ワイヤが放熱板に接近し過ぎるの
を阻止して、その平行ワイヤの皮膜が放熱板の高熱により溶解されるのを防ぐことができ
る。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、スペーサ本体に形成したT字溝内に平行ワイヤを差し
込むことにより、該平行ワイヤと放熱板との間の間隔を適正に保つことができると共に、
その間隔方向とは直交する方向にも平行ワイヤが位置ずれしないようにすることができ、
これによって、平行ワイヤを定位置に固定して放熱板やその周辺の電子部品などに接近し
過ぎないようにすることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、スペーサによりフライバックトランスと放熱板との間
の間隔を適正に保持することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、スペーサにより放熱板どうしの間隔を適正に保持する
ことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1及び図2は本発明の第1の実施の形態である電子部品取付装置を示すものであって
、放熱板6Aに着脱機構11を介して着脱可能に係止されて該放熱板6Aと平行ワイヤ(
電子部材)8との間に介在される間隔保持用スペーサ12が設けられている。上記以外の
構成は図7及び図8に示す構成とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその
説明を省略する。
【0028】
前記着脱機構11は、図1に示すように、放熱板6Aに貫設した円形孔13と、該円形
孔13から放熱板6Aを上方に向かって横断するスリット14とを有し、前記放熱板6A
の円形孔13の周縁部にスリット14の長手方向とは直交する水平方向に沿って互いに1
80°の対向角度をおいて2つのロック位置Eが設定され、該各ロック位置Eにそれぞれ
スペーサ12の厚さtとほぼ同じまたは若干大きい間隔hをおいて一対の突起部15が突
設されている。なお、16は放熱板6Aをプリント配線基板3に係止するための係止具で
ある。
【0029】
前記スペーサ12は、図2に示すように、プリント配線基板3に多数の切取孔17を貫
設することによりスペーサ12と同形の捨て基板を形成し、各切取孔17を破断すること
によりプリント配線基板3から切り取られた捨て基板により形成されている。また、図1
に示すように、スペーサ12の一端部に放熱板6Aの厚さdと同一または若干広幅eの一
対の溝部18を形成することにより、そのスペーサ12が両溝部18を挟んで矩形板状の
スペーサ本体12aと細長状の抜止部12bとに分けられと共に、両溝部18間にスペー
サ本体12aと抜止部12bとを一体に連結する連結部12cが形成され、両溝部18間
の間隔fが前記円形孔13の内径gと同一または若干狭幅に形成されている。
【0030】
上記構成によれば、連結部12cを放熱板6Aのスリット14を通って円形孔13まで
挿入し該連結部12cを90°回転させてスペーサ本体12aを各ロック位置Eの突起部
15間に乗り越えて嵌入させだけで〔図1(d)参照〕、そのスペーサ12を放熱板6A
にロックして該放熱板6Aと平行ワイヤ8との間に確実に介在させることができる。
【0031】
そして、従来のように高熱の放熱板6Aに対して平行ワイヤ8が接近し過ぎて該平行ワ
イヤ8の皮膜が溶解されることがなくなり、安全規格に適合させることができる。
【0032】
ここで特に、着脱機構11である円形孔13、スリット14及び各突起部15が放熱板
6Aをプレス成形して形成されると共に、スペーサ12がプリント配線基板3から切り取
った捨て基板で形成されるようになっており、部品点数が増加しないから、製作費を安く
することができる。
【0033】
上記の実施の形態では、突起部15を放熱板6Aの表面に突設してスペーサ本体12a
を係合させるようにしたが、これに限定されるわけではなく、突起部15を放熱板6Aの
裏面側に突設して、その突起部15に抜止部12bを係合させるようにしてもよい。
【0034】
図3は本発明の第2の実施の形態である電子部品取付装置の要部を示すものであって、
スペーサ本体12aにT字溝20が形成されており、該T字溝20内に平行ワイヤ8を差
し込んでいる。上記以外の構成は図1及び図2に示す第1の実施の形態とほぼ同じである
から、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
上記構成によれば、第1の実施の形態とほぼ同じ効果を得ることができ、特に、スペー
サ本体12aに形成したT字溝20内に平行ワイヤ8を差し込むことにより、該平行ワイ
ヤ8と放熱板6Aとの間の間隔を適正に保つことができると共に、その間隔方向Xとは直
交する方向Yにも平行ワイヤ8が位置ずれしないようにすることができ、これによって、
平行ワイヤ8を定位置に固定して別の放熱板6Bやその周辺の電子部品4などに接近し過
ぎないようにすることができる。
【0036】
図4は本発明の第3の実施の形態である電子部品取付装置の要部を示すものであって、
放熱板6Aに着脱機構11を介して着脱可能に係止されて該放熱板6Aとフライバックト
ランス(電子部材)FBTとの間に介在される間隔保持用スペーサ12が設けられている
。上記以外の構成は図1及び図2に示す第1の実施の形態とほぼ同じであるから、同一部
分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0037】
上記構成によれば、第1の実施の形態とほぼ同じ効果を得ることができ、特に、スペー
サ12によりフライバックトランスFBTと放熱板6Aとの間の間隔を適正に保持するこ
とができる。
【0038】
図5は本発明の第4の実施の形態である電子部品取付装置の要部を示すものであって、
放熱板6Aに着脱機構11を介して着脱可能に係止されて該放熱板6Aと別の放熱板(電
子部材)6Bとの間に介在される間隔保持用スペーサ12が設けられている。上記以外の
構成は図1及び図2に示す第1の実施の形態とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号
を付してその説明を省略する。
【0039】
上記構成によれば、第1の実施の形態とほぼ同じ効果を得ることができ、特に、スペー
サ12により放熱板6A,6Bどうしの間隔を適正に保持することができる。
【0040】
図6は本発明の第5の実施の形態である電子部品取付装置の要部を示すものであって、
図1及び図2を参考にして説明すると、放熱板6Aの近傍に別の放熱板6Bが配置された
電子部品取付装置において、両放熱板6A,6Bに着脱機構11を介して着脱可能に係止
されて該両放熱板6A,6B間に介在される間隔保持用スペーサ12が設けられ、前記着
脱機構11が、各放熱板6A,6Bに貫設した円形孔13と、該円形孔13から放熱板6
A,6Bを横断するスリット14とを有し、前記各放熱板6A,6Bの円形孔13の周縁
部に互いに180°の対向角度をおいて設定した2つのロック位置Eにそれぞれスペーサ
12の厚さtとほぼ同じまたは若干大きい間隔hをおいて一対の突起部15が突設され、
前記スペーサ12がプリント配線基板3から切り取った捨て基板により形成され、該スペ
ーサ12の両端部に放熱板6A,6Bの厚さdと同一または若干広幅eの一対の溝部18
を形成することにより、そのスペーサ12が両溝部18を挟んで矩形板状のスペーサ本体
12aと一対の抜止部12bとに分けられと共に、両溝部18間の間隔fが前記円形孔1
3の内径gと同一または若干狭幅に形成されており、前記スペーサ12の両溝部18間の
各連結部12cを各放熱板6A,6Bのスリット14を通って円形孔13まで挿入し該連
結部12cを回転させてスペーサ本体12a(または抜止部12b)を各ロック位置Eの
突起部15間に乗り越えて嵌入させるようにした。上記以外の構成は図1及び図2に示す
第1の実施の形態とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0041】
上記構成によれば、第1の実施の形態とほぼ同じ効果を得ることができ、特に、スペー
サ12により放熱板6A,6Bどうしを一体連結して、その両放熱板6A,6B間の間隔
を適正に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態である電子部品取付装置における放熱板付近の分解斜視図、(b)は同側面図、(c)は同縦断面図、(d)はA−A拡大矢視図、(e)はB−B矢視図である。
【図2】捨て基板付きプリント配線基板の平面図である。
【図3】(a)は本発明の第2の実施の形態である電子部品取付装置における放熱板付近の分解斜視図、(b)は同縦断面図、(c)はC−C矢視図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態である電子部品取付装置における要部の水平断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態である電子部品取付装置における要部の水平断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態である電子部品取付装置における要部の水平断面図である。
【図7】テレビジョン受像機内に配置した電子部品取付装置の側面図である。
【図8】(a)は同放熱板付近の斜視図、(b)は同縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
3 プリント配線基板
5 発熱性電子部品
6A 放熱板
6B 放熱板(電子部材)
7 コネクタ
8 平行ワイヤ(電子部材)
11 着脱機構
12 スペーサ
12a スペーサ本体
12b 抜止部
12c 連結部
13 円形孔
14 スリット
15 突起部
18 溝部
20 T字溝
FBT フライバックトランス(電子部材)
E ロック位置
t スペーサの厚さ
h 突起部間の間隔
d 放熱板の厚さ
e 溝部の幅
f 両溝部間の間隔
g 円形孔の内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止着されると共に、該プリン
ト配線基板上の放熱板の近傍のコネクタに平行ワイヤが接続された電子部品取付装置にお
いて、前記放熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該放熱板と平行ワイヤとの間
に介在される間隔保持用スペーサが設けられ、前記着脱機構が、放熱板に貫設した円形孔
と、該円形孔から放熱板を横断するスリットとを有し、前記放熱板の円形孔の周縁部に互
いに180°の対向角度をおいて設定した2つのロック位置にそれぞれスペーサの厚さと
ほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対の突起部が突設され、前記スペーサがプリン
ト配線基板から切り取った捨て基板により形成され、該スペーサの一端部に放熱板の厚さ
と同一または若干広幅の一対の溝部を形成することにより、そのスペーサが両溝部を挟ん
で矩形板状のスペーサ本体と抜止部とに分けられと共に、両溝部間の間隔が前記円形孔の
内径と同一または若干狭幅に形成されており、前記スペーサの両溝部間の連結部を放熱板
のスリットを通って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてスペーサ本体または抜止部を
各ロック位置の突起部間に乗り越えて嵌入させるようにしたことを特徴とする電子部品取
付装置。
【請求項2】
プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止着されると共に、該プリン
ト配線基板上の放熱板の近傍のコネクタに平行ワイヤが接続された電子部品取付装置にお
いて、前記放熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該放熱板と平行ワイヤとの間
に介在される間隔保持用スペーサが設けられ、前記着脱機構が、放熱板に貫設した円形孔
と、該円形孔から放熱板を横断するスリットとを有し、前記放熱板の円形孔の周縁部に互
いに180°の対向角度をおいて設定した2つのロック位置にそれぞれスペーサの厚さと
ほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対の突起部が突設され、前記スペーサがプリン
ト配線基板から切り取った捨て基板により形成され、該スペーサの一端部に放熱板の厚さ
と同一または若干広幅の一対の溝部を形成することにより、そのスペーサが両溝部を挟ん
で矩形板状のスペーサ本体と抜止部とに分けられと共に、両溝部間の間隔が前記円形孔の
内径と同一または若干狭幅に形成されており、前記スペーサの両溝部間の連結部を放熱板
のスリットを通って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてスペーサ本体または抜止部を
各ロック位置の突起部間に乗り越えて嵌入させ、スペーサ本体にT字溝が形成され、該T
字溝内に平行ワイヤを差し込むようにしたことを特徴とする電子部品取付装置。
【請求項3】
プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止着されると共に、該プリン
ト配線基板上の別の放熱板の近傍に放熱板が配置された電子部品取付装置において、前記
両放熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該両放熱板間に介在される間隔保持用
スペーサが設けられ、前記着脱機構が、各放熱板に貫設した円形孔と、該円形孔から放熱
板を横断するスリットとを有し、前記各放熱板の円形孔の周縁部に互いに180°の対向
角度をおいて設定した2つのロック位置にそれぞれスペーサの厚さとほぼ同じまたは若干
大きい間隔をおいて一対の突起部が突設され、前記スペーサがプリント配線基板から切り
取った捨て基板により形成され、該スペーサの両端部に放熱板の厚さと同一または若干広
幅の一対の溝部を形成することにより、そのスペーサが両溝部を挟んで矩形板状のスペー
サ本体と一対の抜止部とに分けられと共に、両溝部間の間隔が前記円形孔の内径と同一ま
たは若干狭幅に形成されており、前記スペーサの両溝部間の各連結部を各放熱板のスリッ
トを通って円形孔まで挿入し該連結部を回転させてスペーサ本体または抜止部を各ロック
位置の突起部間に乗り越えて嵌入させるようにしたことを特徴とする電子部品取付装置。
【請求項4】
プリント配線基板上に立設した放熱板に発熱性電子部品が止着されると共に、該プリン
ト配線基板上の放熱板の近傍に電子部材が配置された電子部品取付装置において、前記放
熱板に着脱機構を介して着脱可能に係止されて該放熱板と電子部材との間に介在される間
隔保持用スペーサが設けられていることを特徴とする電子部品取付装置。
【請求項5】
前記着脱機構が、放熱板に貫設した円形孔と、該円形孔から放熱板を横断するスリット
とを有し、前記放熱板の円形孔の周縁部に互いに180°の対向角度をおいて設定した2
つのロック位置にそれぞれスペーサの厚さとほぼ同じまたは若干大きい間隔をおいて一対
の突起部が突設され、前記スペーサがプリント配線基板から切り取った捨て基板により形
成され、該スペーサの一端部に放熱板の厚さと同一または若干広幅の一対の溝部を形成す
ることにより、そのスペーサが両溝部を挟んで矩形板状のスペーサ本体と抜止部とに分け
られと共に、両溝部間の間隔が前記円形孔の内径と同一または若干狭幅に形成されており
、スペーサの両溝部間の連結部を放熱板のスリットを通って円形孔まで挿入し該連結部を
回転させてスペーサ本体または抜止部を各ロック位置の突起部間に乗り越えて嵌入させる
ようにしたことを特徴とする請求項4に記載の電子部品取付装置。
【請求項6】
前記電子部材がプリント配線基板上のコネクタに接続した平行ワイヤからなることを特
徴とする請求項4または5に記載の電子部品取付装置。
【請求項7】
前記スペーサ本体にT字溝が形成され、該T字溝内に平行ワイヤを差し込むようにした
ことを特徴とする請求項6に記載の電子部品取付装置。
【請求項8】
前記電子部材がフライバックトランスからなることを特徴とする請求項4または5に記
載の電子部品取付装置。
【請求項9】
前記電子部材が別の放熱板からなることを特徴とする請求項4または5に記載の電子部
品取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−216653(P2006−216653A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26147(P2005−26147)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】