説明

電子部品実装システム

【課題】両面実装基板の両面の生産が連続するか否かを考慮して、複数の生産プログラムの実行順序を決定することが可能な電子部品実装システムを提供することを課題とする。
【解決手段】電子部品実装システム9の制御装置90は、複数の生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定する。複数の生産プログラムA1〜Eは、両面実装基板の一面を生産する一面プログラムA1と他面を生産する他面プログラムA2と、を含む。制御装置90は、一面プログラムA1と他面プログラムA2とを連続して実行する連続モード、一面プログラムA1と他面プログラムA2とを他の生産プログラムB〜Eを挟んで断続して実行する断続モードの選択状況を考慮して、複数の生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の生産ラインにおいて実行される、複数の生産プログラムの実行順序を決定する電子部品実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定のソート条件に従って基板の生産順序を決定する部品実装方法が開示されている。同文献には、ソート条件として、部品供給ユニット一致度、部品種一致度、基板受け台ID、リフローIDなどが例示されている。
【0003】
例えば、「ソート条件=部品供給ユニット一致度」として基板の生産順序を決定する場合、部品供給ユニットの共通度が高い複数の基板が、連続して生産されることになる。このため、生産対象となる基板の変更の際、つまり段取り替えの際に、部品供給ユニットの交換作業を短時間で行うことができる。したがって、全ての基板の生産に要する生産時間と、段取り替えなどに要する生産準備時間と、の和である総生産時間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−159160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年の電子機器においては、電子部品の集積化のため、表裏両面に電子部品が装着された両面実装基板が使用される場合が多い。図6(a)〜(g)に、両面実装基板を生産する際の生産ラインの模式図を示す。図6(a)〜(g)に示すように、生産ライン100には、三台の電子部品実装機101と、一台のリフロー炉102と、が一列に並んでいる。両面実装基板103の生産枚数は三枚である。両面実装基板103を生産する場合、生産ライン100に同一の両面実装基板103を二回流すことになる。生産一回目においては、両面実装基板103の一面を表向きにして、両面実装基板103を生産ライン100に流す。図6(a)〜(c)に示すように、三台の電子部品実装機101により、当該一面に段階的に電子部品104が装着される。図6(d)〜(f)に示すように、リフロー炉102により、電子部品装着済みの両面実装基板103に熱処理が施される。同様に、図6(g)に示すように、生産二回目においては、当該一面を裏向き、他面(一面と区別するため、ハッチングを施して示す。)を表向きにして、両面実装基板103を生産ライン100に流す。電子部品実装機101により、当該他面に電子部品104が装着される。リフロー炉102により、電子部品装着済みの両面実装基板103に熱処理が施される。
【0006】
両面実装基板の生産においては、一面にだけ電子部品104が装着された両面実装基板103(図6(f)と図6(g)との間の状態の両面実装基板103。すなわち、一面に電子部品104が装着され、他面に電子部品104が装着されていない未完成の両面実装基板103。以下、「仕掛かり品」と称す。)の発生が問題になる。ここで、図6(f)、図6(g)に示すように、一面と他面とを連続して生産すれば、仕掛かり品の発生を抑制することができる。しかしながら、この場合、生産ライン100に「遊び」が発生しやすくなる。すなわち、図6(d)〜(g)に「×」印で示すように、「空き」の状態の電子部品実装機101が発生しやすくなる。このため、両面実装基板103だけではなく、他の基板種の基板の生産まで考慮すると、総生産時間が長くなりがちである。この傾向は、電子部品実装機101の台数に対して、両面実装基板103の生産枚数(本例の場合は三枚)が少ないほど顕著になる。
【0007】
ここで、総生産時間を短縮するためには、生産ライン100の「×」印の数を少なくすればよい。具体的には、両面実装基板103の一面の生産と他面の生産との間に、他の基板種の基板の生産を割り込ませればよい。
【0008】
しかしながら、この場合、当然のことながら、仕掛かり品が発生しやすくなる。また、割り込ませる基板の基板種によっては、両面実装基板103の一面の生産と他面の生産とを連続して行った方が、総生産時間が短くなる場合がある。反対に、「×」印の数(一面と他面との両面生産間隔の長さ)によっては、一面の生産と他面の生産との間に、他の基板種の基板の生産を、複数割り込ませる方がよい場合がある。
【0009】
本発明の電子部品実装システムは上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、両面実装基板の両面の生産が連続するか否かを考慮して、複数の生産プログラムの実行順序を決定することが可能な電子部品実装システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記課題を解決するため、本発明の電子部品実装システムは、基板の生産に関する複数の生産プログラムの実行順序を決定する制御装置と、該実行順序に従って複数の基板種の該基板を順次生産する生産ラインと、を備える電子部品実装システムであって、複数の基板種の前記基板のうち、少なくとも一種の該基板は、両面に電子部品を装着する両面実装基板であり、複数の前記生産プログラムは、該両面実装基板の一面を生産する一面プログラムと、該両面実装基板の他面を生産する他面プログラムと、を含み、前記制御装置は、次の(A)を考慮して、前記実行順序を決定することを特徴とする。
(A)該一面プログラムと該他面プログラムとを連続して実行する連続モード、該一面プログラムと該他面プログラムとを他の前記生産プログラムを挟んで断続して実行する断続モードの選択状況。
【0011】
本発明の電子部品実装システムによると、両面実装基板の一面と他面とを、連続して生産するか(連続モード)、他の基板の生産を挟んで生産するか(断続モード)、の選択状況を加味して、生産プログラムの実行順序を決定することができる。このため、総生産時間の短縮、仕掛かり品の減少、稼働率の向上、作業者の作業負荷の軽減など、ユーザーの嗜好に応じて、生産プログラムの実行順序を決定することができる。
【0012】
また、既存の電子部品実装システムの制御装置には、複数の生産プログラムの実行順序を決定する順序決定プログラムが格納されている場合が多い。このため、既存の電子部品実装システムの順序決定プログラムを更新するだけで、本発明の電子部品実装システムを実現することができる。このように、本発明の電子部品実装システムは汎用性が高い。
【0013】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記制御装置は、次の(B)を考慮して、前記実行順序を決定する構成とする方がよい。
(B)前記生産プログラムの切替時に行われる段取り替えの際の、前記生産ラインを構成する構成機器の交換時間。
【0014】
本構成によると、連続モード、断続モードの選択状況のみならず、段取り替え時の構成機器の交換時間を加味して、生産プログラムの実行順序を決定することができる。
【0015】
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記生産ラインは、前記基板に装着する電子部品を供給する部品供給部と、該基板に該電子部品を装着する際に該基板を支持するバックアップ部と、を有する電子部品実装機を有し、前記(B)は、次の(b1)、(b2)を含み、前記制御装置は、該(b1)および該(b2)のうち、少なくとも一方を考慮して、前記実行順序を決定する構成とする方がよい。
(b1)前記段取り替えの際の該部品供給部の交換時間。
(b2)該段取り替えの際の該バックアップ部の交換時間。
【0016】
ここで、「部品供給部」の交換には、部品供給部全体を丸ごと交換する場合、部品供給部を部分的に交換する場合の双方が含まれる。同様に、「バックアップ部」の交換には、バックアップ部全体を丸ごと交換する場合、バックアップ部を部分的に交換する場合の双方が含まれる。
【0017】
連続して実行される二つの生産プログラム、つまり連続して生産される二つの基板種の基板において、電子部品の部品種の共通度が高い場合、その分、部品供給部の交換時間が短くなる。この場合、二つの生産プログラム間に実行される段取り替えの時間が短くなる。
【0018】
同様に、連続して実行される二つの生産プログラム、つまり連続して生産される二つの基板種の基板において、基板サイズなどの共通度が高い場合、その分、バックアップ部の交換時間が短くなる。この場合、二つの生産プログラム間に実行される段取り替えの時間が短くなる。
【0019】
本構成によると、連続モード、断続モードの選択状況のみならず、段取り替え時の部品供給部の交換時間、段取り替え時のバックアップ部の交換時間を加味して、生産プログラムの実行順序を決定することができる。
【0020】
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記生産ラインは、電子部品実装機を有し、該電子部品実装機一台あたりの、前記一面プログラムによる一枚の前記両面実装基板の前記一面に対する前記電子部品の装着時間をT1、該両面実装基板の生産枚数をN1、任意の該電子部品実装機の、該一面プログラムから前記他面プログラムへの切替時に行われる前記段取り替えに要する段取り替え時間をT2、任意の該電子部品実装機の、該一面プログラムによる該両面実装基板の該一面に対する該電子部品の装着完了から該他面プログラムによる該両面実装基板の前記他面に対する該電子部品の装着開始までに要する両面生産間隔をT3として、前記(A)においては、次の式(1)が成立する場合に前記連続モードが、式(1)が成立しない場合に前記断続モードが、各々選択される構成とする方がよい。
T1×(N1−1)+T2>T3 ・・・式(1)
【0021】
式(1)が成立する場合、一面プログラムと他面プログラムとを連続して実行しても、生産ラインを構成する構成機器が、基板待ちの状態にならない。つまり、構成機器が遊ばない。このため、連続モードが自動的に選択される。
【0022】
これに対して、式(1)が成立しない場合、一面プログラムと他面プログラムとを連続して実行すると、生産ラインを構成する構成機器が、基板待ちの状態になってしまう。つまり、構成機器が遊んでしまう。このため、断続モードが自動的に選択される。
【0023】
このように、本構成によると、装着時間T1、生産枚数N1、段取り替え時間T2、両面生産間隔T3を基に、式(1)により、制御装置が、自動的に連続モード、断続モードを選択することができる。
【0024】
(4−1)好ましくは、上記(4)の構成において、前記一面プログラムによる一枚目の前記両面実装基板の前記一面に対する前記電子部品の装着完了から後処理工程完了までの後処理時間をt1、該一面に該電子部品が装着され該後処理工程が完了した該両面実装基板である仕掛かり品を一度にまとめて前記生産ラインの上流端まで搬送できるバッチ搬送数をN3、該バッチ搬送時間を含む固定時間をt3として、前記両面生産間隔T3は、次の式(3)から算出される構成とする方がよい。
T3=t1×N3+t3 ・・・式(3)
【0025】
本構成によると、後処理時間t1、バッチ搬送数N3、固定時間t3を基に、式(3)により、制御装置が、自動的に両面生産間隔T3を算出することができる。
【0026】
(5)好ましくは、上記(4)の構成において、前記式(1)が成立しない場合、前記電子部品実装機一台あたりの、前記一面プログラムおよび前記他面プログラムを除く任意の前記生産プログラムによる一枚の前記基板に対する前記電子部品の装着時間をT4、該基板の生産枚数をN2として、前記制御装置は、次の式(2)が成立するように、該一面プログラムと該他面プログラムとの間に、該生産プログラムを挿入する構成とする方がよい。
T1×(N1−1)+T2+(T4×N2)>T3 ・・・式(2)
【0027】
本構成によると、断続モードにおいて、一面プログラムと他面プログラムとの間に、どの生産プログラムを挿入することができるかを、制御装置が自動的に算出することができる。
【0028】
式(2)が成立するように、一面プログラムと他面プログラムとの間に、他の生産プログラム(単一、複数、プログラムの一部でもよい)を挿入すると、生産ラインを構成する構成機器が、基板待ちの状態になりにくい。
【0029】
(5−1)好ましくは、上記(5)の構成において、前記制御装置は、前記式(2)が成立する限界まで、前記一面プログラムと前記他面プログラムとの間に、前記生産プログラムを挿入する構成とする方がよい。
【0030】
本構成によると、断続モードにおいて、生産ラインが遊ばない限界まで、一面プログラムと他面プログラムとの間に別の生産プログラムを挿入することができる。言い換えると、断続モードにおいて、生産ラインが遊ばない限界まで、一面プログラムと他面プログラムとを時系列的に近接して実行することができる。このため、総生産時間を短縮しながら、仕掛かり品を減少させることができる。
【0031】
(5−2)好ましくは、上記(5)の構成において、前記制御装置は、前記一面プログラムと前記他面プログラムとの間に、前記生産プログラム単位で、該生産プログラムを挿入する構成とする方がよい。本構成によると、一面プログラムと他面プログラムとの間に、生産プログラムの一部だけが挿入されるおそれがない。このため、段取り替えの回数が少なくて済む。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、両面実装基板の両面の生産が連続するか否かを考慮して、複数の生産プログラムの実行順序を決定することが可能な電子部品実装システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第一実施形態の電子部品実装システムの模式図である。
【図2】同電子部品実装システムの生産ラインの電子部品実装機の斜視図である。
【図3】(a)は、同電子部品実装機のバックアップ部付近の搬送幅が狭い場合の斜視図である。(b)は、同バックアップ部付近の搬送幅が広い場合の斜視図である。
【図4】同電子部品実装機の部品供給部付近の斜視図である。
【図5】同電子部品実装システムの生産プログラムの実行順序決定方法のフローチャートである。
【図6】(a)〜(g)は、両面実装基板を生産する際の生産ラインの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の電子部品実装システムの実施の形態について説明する。
【0035】
<第一実施形態>
[電子部品実装システムの構成]
まず、本実施形態の電子部品実装システムの構成について説明する。図1に、本実施形態の電子部品実装システムの模式図を示す。図1に示すように、本実施形態の電子部品実装システム9は、制御装置90と、生産ライン91と、を備えている。
【0036】
生産ライン91は、複数の電子部品実装機1と、基板外観検査機910と、リフロー炉911と、を備えている。基板(図略)は、左側(上流側)から右側(下流側)に向かって、生産ライン91を搬送される。複数の電子部品実装機1は、基板の上面に、段階的に電子部品を装着する。基板外観検査機910は、基板に対する電子部品の装着状態を検査する。リフロー炉911は、基板に対して所定の温度パターンで熱処理を施す。そして、基板と電子部品とを接合するクリームはんだを、溶融、固化させる。
【0037】
制御装置90は、生産ライン91を総括制御している。制御装置90は、演算部900と、記憶部901と、を備えている。記憶部901には、基板種ごとに基板の生産プログラムが格納されている。演算部900は、所定期間(例えば一日、一週間など)において生産する複数の基板種の基板の生産プログラムの実行順序を決定する。そして、決定した実行順序を、生産ライン91を構成する、複数の電子部品実装機1と、基板外観検査機910と、リフロー炉911と、に伝送する。
【0038】
[電子部品実装機1の構成]
次に、電子部品実装機1の構成について説明する。図2に、本実施形態の電子部品実装システムの生産ラインの電子部品実装機の斜視図を示す。図2に示すように、電子部品実装機1は、ベース2と、モジュール3と、部品供給部4と、デバイスパレット5と、を備えている。
【0039】
(ベース2、モジュール3)
ベース2は、工場のフロアFに配置されている。ベース2には、制御装置90や他の電子部品実装機1と通信するための制御装置(図略)などが収容されている。
【0040】
モジュール3は、ベース2の上面に、交換可能に配置されている。モジュール3は、左右一対のY方向ガイドレール20と、基板搬送部30と、XYロボット31と、装着ヘッド32と、バックアップ部35と、を備えている。
【0041】
Y方向ガイドレール20は、前後方向に延在している。基板搬送部30は、基準壁部300と、可動壁部301と、前後一対のコンベアベルト302と、を備えている。基準壁部300は、ベース2の上面に配置されている。基準壁部300の上縁には、挟持片300aが配置されている。可動壁部301は、基準壁部300の後方に並設されている。可動壁部301の上縁には、挟持片301aが配置されている。可動壁部301は、Y方向ガイドレール20に沿って、前後方向に移動可能である。前後一対のコンベアベルト302は、基準壁部300の後面と、可動壁部301の前面と、に対向して配置されている。基板10は、前後一対のコンベアベルト302により、左側から右側に向かって搬送される。
【0042】
図3(a)に、本実施形態の電子部品実装システムの生産ラインの電子部品実装機のバックアップ部付近の搬送幅が狭い場合の斜視図を示す。図3(b)に、同バックアップ部付近の搬送幅が広い場合の斜視図を示す。なお、図3(a)、図3(b)においては、基板10を透過して示す。
【0043】
図2、図3(a)、図3(b)に示すように、バックアップ部35は、バックアッププレート350と、複数のバックアップピン351と、を備えている。バックアッププレート350は、ボールねじ機構(図略)により、上下方向に移動可能である。複数のバックアップピン351は、バックアッププレート350の上面に配置されている。電子部品を装着する際、基板10は、下方のバックアップピン351と、上方の挟持片300a、301aと、により、上下方向から挟持、固定されている。
【0044】
図3(a)、図3(b)に示すように、可動壁部301をY方向ガイドレール20に沿って移動させることにより、基板10の搬送幅を拡縮調整することができる。図3(a)に示すように、搬送幅が狭い場合、言い換えると前後方向幅の狭い基板10が生産される場合は、前後方向幅の狭いバックアッププレート350が用いられる。これに対して、図3(b)に示すように、搬送幅が広い場合、言い換えると前後方向幅の広い基板10が生産される場合は、前後方向幅の広いバックアッププレート350が用いられる。また、基板10の下面における電子部品の装着状況などに応じて、バックアッププレート350に対する、バックアップピン351の位置、配置数は適宜変更される。
【0045】
図2に戻って、XYロボット31は、Y方向スライダ310と、X方向スライダ311と、左右一対のY方向ガイドレール312と、上下一対のX方向ガイドレール313と、を備えている。
【0046】
左右一対のY方向ガイドレール312は、モジュール3のハウジング内部空間の上面に配置されている。Y方向スライダ310は、左右一対のY方向ガイドレール312に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。上下一対のX方向ガイドレール313は、Y方向スライダ310の前面に配置されている。X方向スライダ311は、上下一対のX方向ガイドレール313に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。
【0047】
装着ヘッド32は、X方向スライダ311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。装着ヘッド32の下方には、吸着ノズル320が取り付けられている。吸着ノズル320は、装着ヘッド32に対して、下方に移動可能である。このため吸着ノズル320は、XYロボット31、装着ヘッド32により、前後左右上下方向に移動可能である。
【0048】
(部品供給部4、デバイスパレット5)
デバイスパレット5は、モジュール3の前部開口に装着されている。図4に、本実施形態の電子部品実装システムの生産ラインの電子部品実装機の部品供給部付近の斜視図を示す。なお、図4においては、部品供給部4を透過して示す。図4に示すように、デバイスパレット5は、多数のスロット50を備えている。部品供給部4は、多数のテープフィーダ40を備えている。テープフィーダ40は、スロット50に装着されている。テープフィーダ40のテープ400には、長手方向に所定間隔ずつ離間して、電子部品が封入されている。
【0049】
部品供給部4は、デバイスパレット5に、一体的に丸ごと着脱可能である。また、テープフィーダ40は、スロット50に、個別に着脱可能である。段取り替えの際に装着対象となる電子部品を交換する場合は、段取り替え前に生産されていた基板10と、段取り替え後に生産される基板10と、を比較して、電子部品の共通度が高い場合はテープフィーダ40単位で電子部品を交換する。また、電子部品の共通度が低い場合は部品供給部4を丸ごと交換する。
【0050】
[生産プログラムの実行順序決定方法]
次に、本実施形態の電子部品実装システムの生産プログラムの実行順序決定方法について説明する。表1に、実行順序の決定対象となる生産プログラムA1〜Eの一覧表を示す。
【表1】

【0051】
表1に示すように、実行順序決定方法においては、合計六つの生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定する。生産プログラムA1、A2は、基板種が同一の両面実装基板の一面生産用、他面生産用である。生産プログラムA1は、本発明の「一面プログラム」の概念に含まれる。生産プログラムA2は、本発明の「他面プログラム」の概念に含まれる。生産プログラムB〜Eは、各々、基板種の異なる片面実装基板生産用である。
【0052】
図5に、本実施形態の電子部品実装システムの生産プログラムの実行順序決定方法のフローチャートを示す。
【0053】
(ステップ1)
本ステップにおいては、図5に示すように、作業者が、生産プログラムA1〜E各々の生産枚数N1を、図1に示す制御装置90に入力する(S1)。具体的には、表1の生産枚数N1を入力する。
【0054】
(ステップ2)
本ステップにおいては、作業者が、両面実装基板の両面を連続して生産するか(つまり生産プログラムA1と生産プログラムA2とを連続して実行するか)、両面実装基板の両面を断続して生産するか(つまり生産プログラムA1と生産プログラムA2とを断続して実行するか)、を選択し、図1に示す制御装置90に入力する(S2)。具体的には、連続モード、断続モードのいずれかを選択する。
【0055】
(ステップ3)
作業者が連続モードを選択すると、図1に示す制御装置90が、生産プログラムA1と生産プログラムA2とを連続して実行することを固定する(S3)。一方、作業者が断続モードを選択すると、ステップ3〜5がスキップされる。この場合、図1に示す制御装置90が、生産プログラムA1と生産プログラムA2とを連続して実行することを固定しない。
【0056】
(ステップ4)
本ステップにおいては、作業者が、両面実装基板の両面生産間隔T3を、図1に示す制御装置90に入力する(S4)。ここで、両面生産間隔T3は、生産ライン91の最上流端の電子部品実装機1の、生産プログラムA1による両面実装基板の一面に対する電子部品の装着完了から、生産プログラムA2による両面実装基板の他面に対する電子部品の装着開始まで、に要する時間である。
【0057】
両面生産間隔T3には、図1に示す基板外観検査機910による、一枚目の両面実装基板の一面に対する電子部品の装着状態の検査時間が含まれる。また、両面生産間隔T3には、リフロー炉911による、一枚目の両面実装基板の一面に対する熱処理時間が含まれる。また、両面生産間隔T3には、一枚目の両面実装基板をリフロー炉911の出側(下流側)から最上流側の電子部品実装機1に送り込むまでの搬送時間が含まれる。
【0058】
(ステップ5)
本ステップにおいては、図1に示す制御装置90が、両面生産間隔T3を数値化する(S5)。例えば、表1においては、「10」に数値化されている。両面生産間隔T3が長いほど、数値が大きくなる。
【0059】
(ステップ6)
本ステップにおいては、図1に示す制御装置90が、全ての電子部品実装機1に対して、図4に示す部品供給部4の非共通度を数値化する(S6)。共通度が低いほど、数値が大きくなる。具体的には、連続して実行される任意の二つの生産プログラムA1〜E間の段取り替えの際に、部品供給部4を丸ごと交換する場合、数値が大きくなる。また、テープフィーダ40の交換で済む場合、交換本数が少ないほど、数値が小さくなる。また、部品供給部4を全く交換しないで済む場合、数値が0になる。
【0060】
例えば、表1においては、生産プログラムA1対生産プログラムA2の非共通度は、「15」に数値化されている。また、生産プログラムA2対生産プログラムDの非共通度は、「20」に数値化されている。また、生産プログラムC対生産プログラムEの非共通度は、「20」に数値化されている。
【0061】
(ステップ7)
本ステップにおいては、図1に示す制御装置90が、全ての電子部品実装機1に対して、図3(a)、図3(b)に示すバックアップ部35の非共通度を数値化する(S7)。共通度が低いほど、数値が大きくなる。具体的には、連続して実行される任意の二つの生産プログラムA1〜E間の段取り替えの際に、バックアッププレート350を交換する場合、数値が大きくなる。また、バックアップピン351の交換(バックアップピン351の加除を含む)で済む場合、交換本数が少ないほど、数値が小さくなる。また、バックアップ部35を全く交換しないで済む場合、数値が0になる。
【0062】
例えば、表1においては、生産プログラムA1対生産プログラムA2の非共通度は、「1」に数値化されている。また、生産プログラムA2対生産プログラムDの非共通度は、「4」に数値化されている。また、生産プログラムC対生産プログラムEの非共通度は、「5」に数値化されている。
【0063】
(ステップ8)
本ステップにおいては、ステップ5〜ステップ7により取得した数値を、生産プログラムA1〜E間の距離に換算する(S8)。
【表2】

【0064】
表2に、距離換算表を示す。なお、表2においては、説明の便宜上、表1の数値をそのまま用いて距離を算出している。例えば、生産プログラムA1〜A2間の距離「26」は、表1の両面生産間隔「10」と、部品供給部4の非共通度(生産プログラムA1対生産プログラムA2)「15」と、バックアップ部35の非共通度(生産プログラムA1対生産プログラムA2)「1」と、の和である。
【0065】
この場合、各々の数値に補正値を乗じた値(例えば、両面生産間隔「10α」、部品供給部4の非共通度「15β」、バックアップ部35の非共通度「1γ」、(α、β、γは補正値))を基に距離を算出してもよい。また、ステップ5〜ステップ7により数値を取得する前に、予め補正値を乗じておいてもよい。
【0066】
(ステップ9)
本ステップにおいては、図1に示す制御装置90が、換算された生産プログラムA1〜E間の距離を基に(表2参照)、全生産プログラムA1〜Eの経路が最短になるように、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定する(S9)。
【0067】
なお、ステップ2において連続モードを選択した場合、図1に示す制御装置90は、「生産プログラムA1の後に必ず生産プログラムA2を実行すること」を、「全生産プログラムA1〜Eの経路が最短になること」よりも優先して、実行順序を決定する。
【0068】
一方、ステップ2において断続モードを選択した場合、図1に示す制御装置90は、「全生産プログラムA1〜Eの経路が最短になること」を最優先して、実行順序を決定する。
【0069】
(ステップ10)
本ステップにおいては、図1に示す制御装置90が、決定済みの生産プログラムA1〜Eの実行順序を、生産ライン91を構成する電子部品実装機1、基板外観検査機910、リフロー炉911に出力する(S10)。
【0070】
その後、出力された実行順序に従って、生産プログラムA1〜Eが順次実行される。すなわち、生産プログラムA1〜Eに対応する基板種の基板10が、所定の生産枚数ずつ、順次生産される。
【0071】
[作用効果]
次に、本実施形態の電子部品実装システムの作用効果について説明する。図5に示すように、本実施形態の電子部品実装システム9によると、両面実装基板の一面と他面とを、連続して生産するか(連続モード)、他の基板の生産を挟んで生産するか(断続モード)、の選択状況を加味して、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定することができる。このため、総生産時間の短縮、仕掛かり品の減少、稼働率の向上、作業者の作業負荷の軽減など、ユーザーの嗜好に応じて、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定することができる。
【0072】
また、図1に示すように、既存の電子部品実装システム9の制御装置90の記憶部901には、複数の生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定する順序決定プログラムが格納されている場合が多い。このため、既存の電子部品実装システム9の順序決定プログラムを更新するだけで、本実施形態の電子部品実装システム9を実現することができる。このように、本実施形態の電子部品実装システム9は汎用性が高い。
【0073】
また、本実施形態の電子部品実装システム9によると、図5に示すように、部品供給部4の非共通度を考慮して、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定している。ここで、部品供給部4の非共通度が高いほど、段取り替えの際の部品供給部4の交換時間が長くなる。このため、本実施形態の電子部品実装システム9によると、部品供給部4の交換時間を考慮して、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定することができる。
【0074】
また、本実施形態の電子部品実装システム9によると、図5に示すように、バックアップ部35の非共通度を考慮して、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定している。ここで、バックアップ部35の非共通度が高いほど、段取り替えの際のバックアップ部35の交換時間が長くなる。このため、本実施形態の電子部品実装システム9によると、バックアップ部35の交換時間を考慮して、生産プログラムA1〜Eの実行順序を決定することができる。
【0075】
また、本実施形態の電子部品実装システム9によると、図5に示すように、両面生産間隔、部品供給部4の非共通度、バックアップ部35の非共通度を、生産プログラムA1〜E間の距離に換算して、生産プログラムA1〜Eの実行順序を最適化している。このため、実行順序が画面や紙などに出力された場合、作業者が、生産プログラムA1〜Eの実行順序を感覚的に把握しやすい。
【0076】
<第二実施形態>
本実施形態の電子部品実装システムと、第一実施形態の電子部品実装システムとの相違点は、連続モード、断続モードの選択を、作業者ではなく制御装置が行っている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。なお、説明においては、図1〜図5を援用する。
【0077】
本実施形態の電子部品実装システムは、図5のステップ2(S2)のモード選択を、図1の制御装置90が自動で行っている。具体的には、以下の式(1)を用いて、モード選択を行っている。
T1×(N1−1)+T2>T3 ・・・式(1)
【0078】
式(1)中、T1は、電子部品実装機1の一台あたりの、生産プログラムA1(一面生産用)による一枚の両面実装基板の一面に対する電子部品の装着時間である。N1は、両面実装基板の生産枚数(=30枚(表1参照))である。T2は、生産ライン91の最上流端の電子部品実装機1の、生産プログラムA1から生産プログラムA2(他面生産用)への切替時に行われる段取り替えに要する段取り替え時間である。T3は、生産ライン91の最上流端の電子部品実装機1の、生産プログラムA1による両面実装基板の一面に対する電子部品の装着完了から、生産プログラムA2による両面実装基板の他面に対する電子部品の装着開始まで、に要する両面生産間隔である。
【0079】
また、制御装置90は、両面生産間隔T3を、以下の式(3)から算出する。
T3=t1×N3+t3 ・・・式(3)
【0080】
式(3)中、t1は、生産プログラムA1による一枚目の両面実装基板の一面に対する電子部品の装着完了から、後処理工程(図1に示す基板外観検査機910による検査工程、リフロー炉911による熱処理工程)が完了するまでの後処理時間である。N3は、仕掛かり品を、図1に示すリフロー炉911の出側(下流側)から最上流側の電子部品実装機1まで、例えば台車、ラックなどにより、一度にまとめて搬送する際のバッチ搬送数である。t3は、バッチ搬送時間である。
【0081】
式(1)が成立する場合、生産プログラムA1と生産プログラムA2とを連続して実行しても、図1の生産ライン91を構成する構成機器(電子部品実装機1、基板外観検査機910)が、基板待ちの状態にならない。つまり、構成機器が遊ばない。このため、図1の制御装置90が連続モードを選択する。
【0082】
これに対して、式(1)が成立しない場合、生産プログラムA1と生産プログラムA2とを連続して実行すると、図1の生産ライン91を構成する構成機器(電子部品実装機1、基板外観検査機910)が、基板待ちの状態になってしまう。つまり、構成機器が遊んでしまう。このため、図1の制御装置90が断続モードを選択する。
【0083】
断続モードにおいては、図1の制御装置90は、残りの生産プログラムB〜Eのうち、どの生産プログラムB〜Eを、どれだけ生産プログラムA1と生産プログラムA2との間に挿入するかを判別する。
【0084】
具体的には、以下の式(2)を用いて、判別を行っている。
T1×(N1−1)+T2+(T4×N2)>T3 ・・・式(2)
【0085】
式(2)中、T1、N1、T2、T3は、式(1)同様である。T4は、電子部品実装機1の一台あたりの、生産プログラムB〜Eによる一枚の基板に対する電子部品の装着時間である。N2は、基板の生産枚数(生産プログラムBの場合は40枚、生産プログラムCの場合は50枚、生産プログラムDの場合は25枚、生産プログラムEの場合は35枚(表1参照))である。
【0086】
式(2)が成立するように、生産プログラムA1と生産プログラムA2との間に、他の生産プログラムB〜Eを挿入すると、図1の生産ライン91を構成する構成機器(電子部品実装機1、基板外観検査機910)が、基板待ちの状態にならないことになる。つまり、構成機器が遊ばないことになる。
【0087】
本実施形態の電子部品実装システムは、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の電子部品実装システムと同様の作用効果を有する。また、本実施形態の電子部品実装システムによると、式(1)により、図1の制御装置90が、自動的に連続モード、断続モードを選択することができる。また、式(3)により、制御装置90が、自動的に両面生産間隔T3を算出することができる。
【0088】
また、式(2)により、制御装置90が、断続モードにおいて、生産プログラムA1と生産プログラムA2との間に、どの生産プログラムB〜Eをどれだけ挿入することができるかを、自動的に算出することができる。このため、生産ライン91が遊ばない限界まで、生産プログラムA1と生産プログラムA2との間に、別の生産プログラムB〜Eを挿入することができる。言い換えると、断続モードにおいて、生産ライン91が遊ばない限界まで、生産プログラムA1と生産プログラムA2とを時系列的に近接して実行することができる。このため、総生産時間を短縮しながら、仕掛かり品を減少させることができる。
【0089】
<その他>
以上、本発明の電子部品実装システムの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0090】
図1に示す生産ライン91の構成は特に限定しない。例えば、電子部品実装機1の上流側に、スクリーン印刷機、印刷状態検査機が配置されていてもよい。また、リフロー炉911の下流側に、基板外観検査機910が配置されていてもよい。また、生産ライン91に、基板外観検査機910が配置されていなくてもよい。図4に示す電子部品実装機1における部品供給部4の配置数は特に限定しない。単一でも、複数でもよい。また、パレットタイプ(皿状のパレットの上に電子部品が搭載されているタイプ)の部品供給部4を配置してもよい。
【0091】
上記実施形態においては、仕掛かり品を、図1に示すリフロー炉911の出側(下流側)から最上流側の電子部品実装機1まで、バッチ搬送した。しかし、コンベアなどにより、仕掛かり品を連続搬送してもよい。
【0092】
表1に示す生産プログラムA1〜Eの数、構成は特に限定しない。両面実装基板用の生産プログラムA1、A2が複数あってもよい。また、両面実装基板の一面、他面は、表面でも裏面でもよい。すなわち、両面実装基板を生産する場合、生産プログラムA1で表面を、生産プログラムA2で裏面を、各々生産してもよい。反対に、生産プログラムA1で裏面を、生産プログラムA2で表面を、各々生産してもよい。
【0093】
上記実施形態においては、図5に示すように、段取り替えの際の部品供給部4、バックアップ部35の交換時間を、生産プログラムA1〜Eの実行順序の決定に反映させた。しかしながら、図2に示す吸着ノズル320、装着ヘッド32の交換時間、図3に示す基板10の搬送幅の変更時間、モジュール3の交換時間などを、生産プログラムA1〜Eの実行順序の決定に反映させてもよい。また、図5に示すステップ5(S5)〜ステップ7(S7)の実行順は、特に限定しない。
【0094】
上記第二実施形態において、生産プログラムA1と生産プログラムA2との間に挿入する生産プログラムB〜Eは、単数でも複数でもよい。生産プログラムB〜E単位で挿入すると、段取り替えの回数が少なくて済む。また、生産プログラムB〜Eの一部だけを挿入してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1:電子部品実装機、2:ベース、3:モジュール、4:部品供給部、5:デバイスパレット、9:電子部品実装システム。
10:基板、20:Y方向ガイドレール、30:基板搬送部、31:XYロボット、32:装着ヘッド、35:バックアップ部、40:テープフィーダ、50:スロット、90:制御装置、91:生産ライン。
300:基準壁部、300a:挟持片、301:可動壁部、301a:挟持片、302:コンベアベルト、310:Y方向スライダ、311:X方向スライダ、312:Y方向ガイドレール、313:X方向ガイドレール、320:吸着ノズル、350:バックアッププレート、351:バックアップピン、400:テープ、900:演算部、901:記憶部、910:基板外観検査機、911:リフロー炉。
F:フロア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の生産に関する複数の生産プログラムの実行順序を決定する制御装置と、該実行順序に従って複数の基板種の該基板を順次生産する生産ラインと、を備える電子部品実装システムであって、
複数の基板種の前記基板のうち、少なくとも一種の該基板は、両面に電子部品を装着する両面実装基板であり、
複数の前記生産プログラムは、該両面実装基板の一面を生産する一面プログラムと、該両面実装基板の他面を生産する他面プログラムと、を含み、
前記制御装置は、次の(A)を考慮して、前記実行順序を決定することを特徴とする電子部品実装システム。
(A)該一面プログラムと該他面プログラムとを連続して実行する連続モード、該一面プログラムと該他面プログラムとを他の前記生産プログラムを挟んで断続して実行する断続モードの選択状況。
【請求項2】
前記制御装置は、次の(B)を考慮して、前記実行順序を決定する請求項1に記載の電子部品実装システム。
(B)前記生産プログラムの切替時に行われる段取り替えの際の、前記生産ラインを構成する構成機器の交換時間。
【請求項3】
前記生産ラインは、前記基板に装着する電子部品を供給する部品供給部と、該基板に該電子部品を装着する際に該基板を支持するバックアップ部と、を有する電子部品実装機を有し、
前記(B)は、次の(b1)、(b2)を含み、
前記制御装置は、該(b1)および該(b2)のうち、少なくとも一方を考慮して、前記実行順序を決定する請求項2に記載の電子部品実装システム。
(b1)前記段取り替えの際の該部品供給部の交換時間。
(b2)該段取り替えの際の該バックアップ部の交換時間。
【請求項4】
前記生産ラインは、電子部品実装機を有し、
該電子部品実装機一台あたりの、前記一面プログラムによる一枚の前記両面実装基板の前記一面に対する前記電子部品の装着時間をT1、
該両面実装基板の生産枚数をN1、
任意の該電子部品実装機の、該一面プログラムから前記他面プログラムへの切替時に行われる前記段取り替えに要する段取り替え時間をT2、
任意の該電子部品実装機の、該一面プログラムによる該両面実装基板の該一面に対する該電子部品の装着完了から該他面プログラムによる該両面実装基板の前記他面に対する該電子部品の装着開始までに要する両面生産間隔をT3として、
前記(A)においては、次の式(1)が成立する場合に前記連続モードが、式(1)が成立しない場合に前記断続モードが、各々選択される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品実装システム。
T1×(N1−1)+T2>T3 ・・・式(1)
【請求項5】
前記式(1)が成立しない場合、
前記電子部品実装機一台あたりの、前記一面プログラムおよび前記他面プログラムを除く任意の前記生産プログラムによる一枚の前記基板に対する前記電子部品の装着時間をT4、
該基板の生産枚数をN2として、
前記制御装置は、次の式(2)が成立するように、該一面プログラムと該他面プログラムとの間に、該生産プログラムを挿入する請求項4に記載の電子部品実装システム。
T1×(N1−1)+T2+(T4×N2)>T3 ・・・式(2)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−30533(P2013−30533A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164040(P2011−164040)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】