電子部品実装ラインの管理システム
【課題】サーバ同士、サーバと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ること。
【解決手段】担当する電子部品実装ライン1に係る基板上に電子部品を装着するための部品ライブラリデータ及びパターンプログラムデータを格納するデータサーバ2、3と、全ての電子部品実装ライン1に係る前記基板上に電子部品を装着するための部品ライブラリデータ及びパターンプログラムデータを格納する管理サーバ7と、前記データサーバに格納された前記データと前記管理サーバ7に格納された前記データとを比較すると共に表示装置5B、6Bにその比較結果を表示するコンピュータ5、6とを備えた。
【解決手段】担当する電子部品実装ライン1に係る基板上に電子部品を装着するための部品ライブラリデータ及びパターンプログラムデータを格納するデータサーバ2、3と、全ての電子部品実装ライン1に係る前記基板上に電子部品を装着するための部品ライブラリデータ及びパターンプログラムデータを格納する管理サーバ7と、前記データサーバに格納された前記データと前記管理サーバ7に格納された前記データとを比較すると共に表示装置5B、6Bにその比較結果を表示するコンピュータ5、6とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品実装ラインの管理システムは、例えば特許文献1などに開示されている。従来、各電子部品実装ライン毎にライン管理コンピュータが接続されて、電子部品装着に係る各種データが格納され管理されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−347859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、各電子部品実装ライン毎に設けられたサーバに格納された各種データが本来同一のものであるべきであるが、異なる内容でそれぞれのサーバに格納されたり、また全ての電子部品実装ラインに係る各種データを格納する管理サーバを設けた場合に、この管理サーバの各種データと前記サーバに格納された各種データの内容が異なる場合が起こる。このような事態が起こると、電子部品実装ラインにおける基板生産に不測な事態が起こり、基板生産運転効率の向上が図れない。
【0005】
そこで本発明は、サーバ同士、サーバと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納するサーバと、
全ての電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する管理サーバと、
前記サーバに格納された前記データと前記管理サーバに格納された前記データとを比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする。
【0007】
また第2の発明は、基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する複数のサーバと、
前記各サーバに格納された前記データ同士を比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、サーバ同士、サーバと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】複数の電子部品実装ラインの管理システムの概略図を示す。
【図2】データサーバ同士、及び管理サーバ7と各データサーバとの間の情報比較に係るフローチャートを示す図である。
【図3】表示装置に表示された「装置との通信」画面を示す図である。
【図4】表示装置に表示された「比較対象の選択」画面を示す図である。
【図5】表示装置に表示された「比較対象の選択」画面を示す図である。
【図6】表示装置に表示された比較内容の選択画面を示す図である。
【図7】表示装置に表示された対象のデータサーバ同士の部品ID毎の比較結果を示す図である。
【図8】表示装置に表示された差分詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は基板上に電子部品を装着する電子部品実装ラインの管理システムの概略図であり、図1では3つの電子部品実装ライン1があり、各電子部品実装ライン1は基板であるプリント基板上に半田クリームを塗布する印刷機1Aと、プリント基板上に電子部品を装着する電子部品実装装置1B、1C、1Dとを備えているが、これらの装置に限らず、実装ライン1に電子部品の実装に係る他の装置も含んでもよい。
【0011】
図1における上段及び中段の電子部品実装ライン1は通信回線を介して各データサーバ2、3に接続され、この両データサーバ2、3は通信回線を介して各種データを作成するコンピュータ5に接続されている。下段の電子部品実装ライン1は通信回線を介してデータサーバ4に接続され、このデータサーバ4は通信回線を介して各種データを作成するコンピュータ6に接続されている。更に、両コンピュータ5、6は一元管理用の管理サーバ7に通信回線を介して接続されている。
【0012】
そして、前記データサーバ2、3、4は担当する電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとが格納されている。また、コンピュータ5、6も担当する電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとを格納すると共に、これらのコンピュータ5、6にはキーボード等の入力手段5A、6A及びモニターなどの表示装置5B、6Bが接続されており、これらの部品ライブラリデータやパターンプログラムデータを作成することもできる。
【0013】
更に、管理サーバ7は全ての電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとが格納されている。
【0014】
前記部品ライブラリデータは、形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから構成される。即ち、この部品ライブラリデータとして、この部品ID毎に電子部品の特徴を表す電子部品のX方向、Y方向の長さ、厚さ情報等のデータ(前記形状データ)や及び使用吸着ノズルのノズルIDに関するデータ(前記制御データ)等が格納されている。
【0015】
前記パターンプログラムデータは、プリント基板PのX方向・Y方向のサイズ、厚み、基板認識の有無などから構成される基板情報データと、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX座標、Y座標、角度情報、電子部品を供給する部品供給ユニットの配置番号等から構成される装着データと、各部品供給ユニットのフィーダベース上における配置番号に対応した各電子部品の種類の情報である部品配置データと、どの装着ヘッドのどの位置にどの種類の吸着ノズル(電子部品を部品供給ユニットから吸着して取出す)が装着されているかを示すノズル配置データと、電子部品実装ライン1における何番目の装置のどの機種かに係る装置情報などから構成される。
【0016】
次に、図2のフローチャートに基づいて、各データサーバ2、3、4間、及び一元管理用の管理サーバ7と各データサーバ2、3、4との間の情報比較について説明する。先ず、管理者は、図1における上段及び中段の電子部品実装ライン1を担当するコンピュータ5を起動させる(ステップS01)。そして、このコンピュータ5に接続されるキーボード等の入力手段5Aを操作して、モニターなどの表示装置5Bに図3に示す「装置との通信」画面を表示させる(ステップS02)。
【0017】
そして、管理者は、管理サーバ7と各データサーバ2、3、4との間の通信を行うか、データサーバ2、3、4間の通信を行うかを選択する。即ち、マウスを操作してボタン部10をクリックするか、ボタン部11をクリックして、どちらかの通信を行うことを選択する。
【0018】
そして、コンピュータ5はどちらを選択したかを判断するが(ステップS03)、ここでボタン部11をクリックして、データサーバ2、3、4間の通信を行うことを選択したと判断した場合には、次に比較対象の選択をする(ステップS04)。即ち、ボタン部11をクリックすると、表示装置5Bに図4に示す「比較対象の選択」画面が表示されるので、ここで「1つ目のデータサーバ」として、ボックス15にデータサーバ2であるサーバIDの「Lserver01」を入力し、またボックス16にデータサーバ3であるサーバIDの「Lserver02」を入力する。
【0019】
また、ボタン部10をクリックして、管理サーバ7と各データサーバ2、3、4との間の通信を行うことを選択したと判断した場合には、次に比較対象の選択をする(ステップS05)。即ち、ボタン部10をクリックすると、表示装置5Bに図5に示す「比較対象の選択」画面が表示されるので、ここで管理サーバ7に対する「データサーバ」として、ボックス20にデータサーバ2であるサーバIDの「Lserver01」を入力する。
【0020】
次に、前述した比較対象同士の部品ライブラリデータの比較を実施するか否かをコンピュータ5は判定する(ステップS06)。即ち、前記ボックス15及び16に入力した後に、マウスを操作してOKボタン部17をクリックするか、前記ボックス20に入力した後に、マウスを操作してOKボタン部21をクリックすると、図6に示す比較内容の選択画面が表示装置5Bに表示されるので、ここで部品ライブラリデータ比較ボタン部24をクリックすれば、前述した比較対象同士の部品ライブラリデータの比較を実施するとコンピュータ5は判定する。
【0021】
そして、部品ライブラリデータの比較を実施すると判定すると、コンピュータ5は対象のデータサーバ2及び3か、又は管理サーバ7及びデータサーバ2から部品ライブラリデータを取得し(ステップS07)、これらの両部品ライブラリデータに基づいて、部品ID毎の比較結果を表示装置5Bに表示する(ステップS08)。
【0022】
OKボタン部17及び部品ライブラリデータ比較ボタン部24をクリックした場合には、図7に示すように、対象のデータサーバ2及び3の部品ID毎の比較結果を表示するが(ステップS08)、OKボタン部21及び部品ライブラリデータ比較ボタン部24をクリックした場合には、管理サーバ7及びデータサーバ2の部品ID毎の比較結果が表示装置5Bに表示される。
【0023】
即ち、図7はデータサーバ2及び3の部品ID毎の比較結果を示し、部品ID「COMPID_004」及び「COMPID_008」が、部品ライブラリデータの内容が相違する部分があることを意味し、表示装置5Bに他の部品IDとは異なる色彩が付されて表示される。
【0024】
次に、管理者は相違する部分がある部品ID「COMPID_004」及び「COMPID_008」のうち、個々の差分情報を参照したい場合には、図示しない参照するかしないかの選択画面を表示させて、「参照しない」を選択すればこのまま終了するが、「参照する」を選択すると、コンピュータ5は参照するものと判定し(ステップS09)、先ほどの図7に示す画面を表示させて、管理者が図7に示す部品ID「COMPID_004」に係る部分をクリックして、詳細参照する部品ライブラリデータを選択する(ステップS10)。
【0025】
すると、コンピュータ5はデータサーバ2及び3に格納されている部品ID「COMPID_004」の差分を、図8に示すように、表示装置5Bに表示させる(ステップS11)。
【0026】
この図8にあっては、サーバID「Lserver01」のデータサーバ2とサーバID「Lserver02」のデータサーバ3に格納された部品ライブラリデータを構成する制御データの差分を示している。即ち、例えばこの最上段に表示された差分にあっては、使用吸着ノズル番号「1」の電子部品の装着の際の移動速度データとして減速度が、サーバID「Lserver01」のデータサーバ2が通常の移動減速度の「60%」と格納されているのに対して、サーバID「Lserver02」のデータサーバ3は「0%」と格納されている点で相違することを意味している。
【0027】
そして、個々の差分情報の確認をし、更に管理者は相違する部分がある他の部品ID「COMPID_008」の差分情報の確認を続けることを選択した場合には(ステップS12)、ステップS10に戻り、続けたくないを選択した場合には終了する。
【0028】
以上のように、管理者は上述せる個々の差分情報の確認を容易に行うことができ、また確認を行って、例えば電子部品の吸着率(部品供給ユニットからの取出しの成功率)などから判断して、データサーバ2に格納された部品ライブラリデータを構成する制御データとデータサーバ3に格納された部品ライブラリデータを構成する制御データとのうち、どちらが優れているかを判断して、管理者はコンピュータ5を使用して優れていると判断した制御データ内容に更新作業をして、データサーバ2又は3、及び管理サーバ7にこの更新した制御データを送信して、格納させる。
【0029】
従って、前述した電子部品の吸着率が悪い電子部品実装ライン1の吸着率の向上、延いてはプリント基板の生産性の向上を図ることができる。
【0030】
なお、前述した比較対象同士の部品ライブラリデータの比較を実施するか否かをコンピュータ5は判定した際に(ステップS06)、部品ライブラリデータの比較をしないと判定した場合には、パターンプログラムデータの比較を実施するか否かの判定をする(ステップS13)。そして、パターンプログラムデータの比較を実施するとの判定をすると、コンピュータ5は対象のデータサーバ2及び3からか、又は管理サーバ7及びデータサーバ2からパターンプログラムデータを取得し(ステップS14)、これらの両パターンプログラムデータに基づいて、部品ID毎の比較結果を表示装置5Bに表示する(ステップS15)。
【0031】
この場合、OKボタン部17及びパターンプログラムデータ比較ボタン部25をクリックした場合には、データサーバ2及びデータサーバ3のパターンプログラムデータを構成する基板情報データ、装着データ、部品配置データ、ノズル配置データ、装置情報(以下、「構成データ」という。)毎の比較結果が表示装置5Bに表示される。そして、パターンプログラムデータの内容が相違する部分がある構成データは、表示装置5Bに他の構成データとは異なる色彩が付されて表示される。なお、OKボタン部21及びパターンプログラムデータ比較ボタン部25をクリックした場合には、管理サーバ7及びデータサーバ2(比較対象としてデータサーバ2が選択された場合)のパターンプログラムデータを構成する前記構成データ毎の比較結果が表示装置5Bに表示される。この場合も、パターンプログラムデータの内容が相違する部分がある構成データは、表示装置5Bに他の構成データとは異なる色彩が付されて表示される。
【0032】
そして、管理者は相違する部分がある構成データのうち、個々の差分情報を参照したい場合には、図示しない参照するかしないかの選択画面を表示させて、「参照しない」を選択すればこのまま終了するが、「参照する」を選択すると、コンピュータ5は参照するものと判定し(ステップS16)、先ほどのパターンプログラムデータを構成する構成データを表示させて、管理者が他の構成データとは異なる色彩が付されて表示された構成データをクリックして、詳細参照するパターンプログラムデータを選択する(ステップS17)。
【0033】
すると、コンピュータ5は管理サーバ7及びデータサーバ2に格納されているパターンプログラムデータの構成データの差分を、表示装置5Bに表示させる(ステップS18)。
【0034】
そして、個々の差分情報の確認をし、更に管理者は相違する部分がある他のパターンプログラムデータの差分情報の確認を続けることを選択した場合には(ステップS19)、ステップS17に戻り、続けたくないを選択した場合には終了する。
【0035】
以上のように、管理者は上述せる個々の差分情報の確認を容易に行うことができ、また確認を行って、プリント基板の運転の履歴から判断して、データサーバ2に格納されたパターンプログラムデータと管理サーバ7に格納されたパターンプログラムデータを構成する構成データのうち、どちらが正しいかを判断して、管理者はコンピュータ5を使用して正しいと判断した構成データ内容に更新作業をして、データサーバ2又は3、及び管理サーバ7にこの更新した構成データを送信して、格納させる。
【0036】
なお、コンピュータ5又は6をデータサーバ2、3、4にそれぞれ接続することにより、コンピュータ5又は6でデータサーバ2、3、4間の部品ライブラリデータやパターンプログラムデータの比較するようにしてもよいし、またコンピュータ5又は6で管理コンピュータ10とデータサーバ2、3又は4との間の品ライブラリデータやパターンプログラムデータの比較するようにしてもよい。
【0037】
従って、前述した電子部品実装ライン1のプリント基板の生産性の向上を図ることができる。
【0038】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0039】
1 電子部品実装ライン
2、3、4 データサーバ
5、6 コンピュータ
5A、6A 入力手段
5B、6B 表示装置
7 管理サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品実装ラインの管理システムは、例えば特許文献1などに開示されている。従来、各電子部品実装ライン毎にライン管理コンピュータが接続されて、電子部品装着に係る各種データが格納され管理されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−347859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、各電子部品実装ライン毎に設けられたサーバに格納された各種データが本来同一のものであるべきであるが、異なる内容でそれぞれのサーバに格納されたり、また全ての電子部品実装ラインに係る各種データを格納する管理サーバを設けた場合に、この管理サーバの各種データと前記サーバに格納された各種データの内容が異なる場合が起こる。このような事態が起こると、電子部品実装ラインにおける基板生産に不測な事態が起こり、基板生産運転効率の向上が図れない。
【0005】
そこで本発明は、サーバ同士、サーバと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納するサーバと、
全ての電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する管理サーバと、
前記サーバに格納された前記データと前記管理サーバに格納された前記データとを比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする。
【0007】
また第2の発明は、基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する複数のサーバと、
前記各サーバに格納された前記データ同士を比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、サーバ同士、サーバと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】複数の電子部品実装ラインの管理システムの概略図を示す。
【図2】データサーバ同士、及び管理サーバ7と各データサーバとの間の情報比較に係るフローチャートを示す図である。
【図3】表示装置に表示された「装置との通信」画面を示す図である。
【図4】表示装置に表示された「比較対象の選択」画面を示す図である。
【図5】表示装置に表示された「比較対象の選択」画面を示す図である。
【図6】表示装置に表示された比較内容の選択画面を示す図である。
【図7】表示装置に表示された対象のデータサーバ同士の部品ID毎の比較結果を示す図である。
【図8】表示装置に表示された差分詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は基板上に電子部品を装着する電子部品実装ラインの管理システムの概略図であり、図1では3つの電子部品実装ライン1があり、各電子部品実装ライン1は基板であるプリント基板上に半田クリームを塗布する印刷機1Aと、プリント基板上に電子部品を装着する電子部品実装装置1B、1C、1Dとを備えているが、これらの装置に限らず、実装ライン1に電子部品の実装に係る他の装置も含んでもよい。
【0011】
図1における上段及び中段の電子部品実装ライン1は通信回線を介して各データサーバ2、3に接続され、この両データサーバ2、3は通信回線を介して各種データを作成するコンピュータ5に接続されている。下段の電子部品実装ライン1は通信回線を介してデータサーバ4に接続され、このデータサーバ4は通信回線を介して各種データを作成するコンピュータ6に接続されている。更に、両コンピュータ5、6は一元管理用の管理サーバ7に通信回線を介して接続されている。
【0012】
そして、前記データサーバ2、3、4は担当する電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとが格納されている。また、コンピュータ5、6も担当する電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとを格納すると共に、これらのコンピュータ5、6にはキーボード等の入力手段5A、6A及びモニターなどの表示装置5B、6Bが接続されており、これらの部品ライブラリデータやパターンプログラムデータを作成することもできる。
【0013】
更に、管理サーバ7は全ての電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとが格納されている。
【0014】
前記部品ライブラリデータは、形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから構成される。即ち、この部品ライブラリデータとして、この部品ID毎に電子部品の特徴を表す電子部品のX方向、Y方向の長さ、厚さ情報等のデータ(前記形状データ)や及び使用吸着ノズルのノズルIDに関するデータ(前記制御データ)等が格納されている。
【0015】
前記パターンプログラムデータは、プリント基板PのX方向・Y方向のサイズ、厚み、基板認識の有無などから構成される基板情報データと、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX座標、Y座標、角度情報、電子部品を供給する部品供給ユニットの配置番号等から構成される装着データと、各部品供給ユニットのフィーダベース上における配置番号に対応した各電子部品の種類の情報である部品配置データと、どの装着ヘッドのどの位置にどの種類の吸着ノズル(電子部品を部品供給ユニットから吸着して取出す)が装着されているかを示すノズル配置データと、電子部品実装ライン1における何番目の装置のどの機種かに係る装置情報などから構成される。
【0016】
次に、図2のフローチャートに基づいて、各データサーバ2、3、4間、及び一元管理用の管理サーバ7と各データサーバ2、3、4との間の情報比較について説明する。先ず、管理者は、図1における上段及び中段の電子部品実装ライン1を担当するコンピュータ5を起動させる(ステップS01)。そして、このコンピュータ5に接続されるキーボード等の入力手段5Aを操作して、モニターなどの表示装置5Bに図3に示す「装置との通信」画面を表示させる(ステップS02)。
【0017】
そして、管理者は、管理サーバ7と各データサーバ2、3、4との間の通信を行うか、データサーバ2、3、4間の通信を行うかを選択する。即ち、マウスを操作してボタン部10をクリックするか、ボタン部11をクリックして、どちらかの通信を行うことを選択する。
【0018】
そして、コンピュータ5はどちらを選択したかを判断するが(ステップS03)、ここでボタン部11をクリックして、データサーバ2、3、4間の通信を行うことを選択したと判断した場合には、次に比較対象の選択をする(ステップS04)。即ち、ボタン部11をクリックすると、表示装置5Bに図4に示す「比較対象の選択」画面が表示されるので、ここで「1つ目のデータサーバ」として、ボックス15にデータサーバ2であるサーバIDの「Lserver01」を入力し、またボックス16にデータサーバ3であるサーバIDの「Lserver02」を入力する。
【0019】
また、ボタン部10をクリックして、管理サーバ7と各データサーバ2、3、4との間の通信を行うことを選択したと判断した場合には、次に比較対象の選択をする(ステップS05)。即ち、ボタン部10をクリックすると、表示装置5Bに図5に示す「比較対象の選択」画面が表示されるので、ここで管理サーバ7に対する「データサーバ」として、ボックス20にデータサーバ2であるサーバIDの「Lserver01」を入力する。
【0020】
次に、前述した比較対象同士の部品ライブラリデータの比較を実施するか否かをコンピュータ5は判定する(ステップS06)。即ち、前記ボックス15及び16に入力した後に、マウスを操作してOKボタン部17をクリックするか、前記ボックス20に入力した後に、マウスを操作してOKボタン部21をクリックすると、図6に示す比較内容の選択画面が表示装置5Bに表示されるので、ここで部品ライブラリデータ比較ボタン部24をクリックすれば、前述した比較対象同士の部品ライブラリデータの比較を実施するとコンピュータ5は判定する。
【0021】
そして、部品ライブラリデータの比較を実施すると判定すると、コンピュータ5は対象のデータサーバ2及び3か、又は管理サーバ7及びデータサーバ2から部品ライブラリデータを取得し(ステップS07)、これらの両部品ライブラリデータに基づいて、部品ID毎の比較結果を表示装置5Bに表示する(ステップS08)。
【0022】
OKボタン部17及び部品ライブラリデータ比較ボタン部24をクリックした場合には、図7に示すように、対象のデータサーバ2及び3の部品ID毎の比較結果を表示するが(ステップS08)、OKボタン部21及び部品ライブラリデータ比較ボタン部24をクリックした場合には、管理サーバ7及びデータサーバ2の部品ID毎の比較結果が表示装置5Bに表示される。
【0023】
即ち、図7はデータサーバ2及び3の部品ID毎の比較結果を示し、部品ID「COMPID_004」及び「COMPID_008」が、部品ライブラリデータの内容が相違する部分があることを意味し、表示装置5Bに他の部品IDとは異なる色彩が付されて表示される。
【0024】
次に、管理者は相違する部分がある部品ID「COMPID_004」及び「COMPID_008」のうち、個々の差分情報を参照したい場合には、図示しない参照するかしないかの選択画面を表示させて、「参照しない」を選択すればこのまま終了するが、「参照する」を選択すると、コンピュータ5は参照するものと判定し(ステップS09)、先ほどの図7に示す画面を表示させて、管理者が図7に示す部品ID「COMPID_004」に係る部分をクリックして、詳細参照する部品ライブラリデータを選択する(ステップS10)。
【0025】
すると、コンピュータ5はデータサーバ2及び3に格納されている部品ID「COMPID_004」の差分を、図8に示すように、表示装置5Bに表示させる(ステップS11)。
【0026】
この図8にあっては、サーバID「Lserver01」のデータサーバ2とサーバID「Lserver02」のデータサーバ3に格納された部品ライブラリデータを構成する制御データの差分を示している。即ち、例えばこの最上段に表示された差分にあっては、使用吸着ノズル番号「1」の電子部品の装着の際の移動速度データとして減速度が、サーバID「Lserver01」のデータサーバ2が通常の移動減速度の「60%」と格納されているのに対して、サーバID「Lserver02」のデータサーバ3は「0%」と格納されている点で相違することを意味している。
【0027】
そして、個々の差分情報の確認をし、更に管理者は相違する部分がある他の部品ID「COMPID_008」の差分情報の確認を続けることを選択した場合には(ステップS12)、ステップS10に戻り、続けたくないを選択した場合には終了する。
【0028】
以上のように、管理者は上述せる個々の差分情報の確認を容易に行うことができ、また確認を行って、例えば電子部品の吸着率(部品供給ユニットからの取出しの成功率)などから判断して、データサーバ2に格納された部品ライブラリデータを構成する制御データとデータサーバ3に格納された部品ライブラリデータを構成する制御データとのうち、どちらが優れているかを判断して、管理者はコンピュータ5を使用して優れていると判断した制御データ内容に更新作業をして、データサーバ2又は3、及び管理サーバ7にこの更新した制御データを送信して、格納させる。
【0029】
従って、前述した電子部品の吸着率が悪い電子部品実装ライン1の吸着率の向上、延いてはプリント基板の生産性の向上を図ることができる。
【0030】
なお、前述した比較対象同士の部品ライブラリデータの比較を実施するか否かをコンピュータ5は判定した際に(ステップS06)、部品ライブラリデータの比較をしないと判定した場合には、パターンプログラムデータの比較を実施するか否かの判定をする(ステップS13)。そして、パターンプログラムデータの比較を実施するとの判定をすると、コンピュータ5は対象のデータサーバ2及び3からか、又は管理サーバ7及びデータサーバ2からパターンプログラムデータを取得し(ステップS14)、これらの両パターンプログラムデータに基づいて、部品ID毎の比較結果を表示装置5Bに表示する(ステップS15)。
【0031】
この場合、OKボタン部17及びパターンプログラムデータ比較ボタン部25をクリックした場合には、データサーバ2及びデータサーバ3のパターンプログラムデータを構成する基板情報データ、装着データ、部品配置データ、ノズル配置データ、装置情報(以下、「構成データ」という。)毎の比較結果が表示装置5Bに表示される。そして、パターンプログラムデータの内容が相違する部分がある構成データは、表示装置5Bに他の構成データとは異なる色彩が付されて表示される。なお、OKボタン部21及びパターンプログラムデータ比較ボタン部25をクリックした場合には、管理サーバ7及びデータサーバ2(比較対象としてデータサーバ2が選択された場合)のパターンプログラムデータを構成する前記構成データ毎の比較結果が表示装置5Bに表示される。この場合も、パターンプログラムデータの内容が相違する部分がある構成データは、表示装置5Bに他の構成データとは異なる色彩が付されて表示される。
【0032】
そして、管理者は相違する部分がある構成データのうち、個々の差分情報を参照したい場合には、図示しない参照するかしないかの選択画面を表示させて、「参照しない」を選択すればこのまま終了するが、「参照する」を選択すると、コンピュータ5は参照するものと判定し(ステップS16)、先ほどのパターンプログラムデータを構成する構成データを表示させて、管理者が他の構成データとは異なる色彩が付されて表示された構成データをクリックして、詳細参照するパターンプログラムデータを選択する(ステップS17)。
【0033】
すると、コンピュータ5は管理サーバ7及びデータサーバ2に格納されているパターンプログラムデータの構成データの差分を、表示装置5Bに表示させる(ステップS18)。
【0034】
そして、個々の差分情報の確認をし、更に管理者は相違する部分がある他のパターンプログラムデータの差分情報の確認を続けることを選択した場合には(ステップS19)、ステップS17に戻り、続けたくないを選択した場合には終了する。
【0035】
以上のように、管理者は上述せる個々の差分情報の確認を容易に行うことができ、また確認を行って、プリント基板の運転の履歴から判断して、データサーバ2に格納されたパターンプログラムデータと管理サーバ7に格納されたパターンプログラムデータを構成する構成データのうち、どちらが正しいかを判断して、管理者はコンピュータ5を使用して正しいと判断した構成データ内容に更新作業をして、データサーバ2又は3、及び管理サーバ7にこの更新した構成データを送信して、格納させる。
【0036】
なお、コンピュータ5又は6をデータサーバ2、3、4にそれぞれ接続することにより、コンピュータ5又は6でデータサーバ2、3、4間の部品ライブラリデータやパターンプログラムデータの比較するようにしてもよいし、またコンピュータ5又は6で管理コンピュータ10とデータサーバ2、3又は4との間の品ライブラリデータやパターンプログラムデータの比較するようにしてもよい。
【0037】
従って、前述した電子部品実装ライン1のプリント基板の生産性の向上を図ることができる。
【0038】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0039】
1 電子部品実装ライン
2、3、4 データサーバ
5、6 コンピュータ
5A、6A 入力手段
5B、6B 表示装置
7 管理サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納するサーバと、
全ての電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する管理サーバと、
前記サーバに格納された前記データと前記管理サーバに格納された前記データとを比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項2】
基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する複数のサーバと、
前記各サーバに格納された前記データ同士を比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項1】
基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納するサーバと、
全ての電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する管理サーバと、
前記サーバに格納された前記データと前記管理サーバに格納された前記データとを比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項2】
基板上に電子部品を装着する複数の電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
担当する電子部品実装ラインに係る前記基板上に電子部品を装着するためのデータを格納する複数のサーバと、
前記各サーバに格納された前記データ同士を比較すると共に表示装置にその比較結果を表示するコンピュータと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−199078(P2011−199078A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65255(P2010−65255)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
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