説明

電子部品実装ラインの管理システム

【課題】複数のコンピュータと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ること。
【解決手段】コンピュータ5を使用して部品ライブラリデータを変更すると、コンピュータ5は、変更された電子部品の部品IDの全項目情報を管理サーバ7へ送信する。すると、管理サーバ7は部品ライブラリデータが変更された部品IDに係る部品ライブラリデータの内容と、管理サーバ7で管理しているこの同一名の部品IDに係る部品ライブラリデータの内容との差分を各項目毎に比較し、変更されて同一内容でないものがあれば、変更項目を変更履歴リストに登録する。管理サーバ7は変更項目を変更履歴リストに登録し、この変更項目を元データに反映する。そして、管理サーバ7は変更されたデータ内容を個別に格納し、コンピュータ6にこの変更履歴を送信して、このコンピュータ6に備えられた記憶装置にも格納させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品実装ラインの管理システムは、例えば特許文献1などに開示されている。従来、各電子部品実装ライン毎にライン管理コンピュータが接続されて、電子部品装着に係る各種データが格納され管理されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−347859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして、各電子部品実装ラインに接続された一のコンピュータで作成された各種データは、他のコンピュータのものと本来同一のものであるべきであるが、異なる内容でそれぞれのコンピュータに格納されたり、また全ての電子部品実装ラインに係る各種データを格納する管理サーバを設けた場合に、この管理サーバの各種データと各コンピュータに格納された各種データの内容が異なる場合が起こる。このような事態が起こると、電子部品実装ラインにおける基板生産に不測な事態が起こり、基板生産運転効率の向上が図れない。
【0005】
そこで本発明は、複数のコンピュータと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記電子部品実装ラインに接続され各種データを作成する複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで作成された前記各種データを受信して格納すると共に受信した前記各種データをいずれかの前記コンピュータに送信して格納させる管理サーバと
から構成されたことを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを格納するサーバと、
前記各種データを作成し前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで作成された前記各種データを受信して格納すると共に受信した前記各種データをいずれかの前記コンピュータに送信して格納させる管理サーバと
から構成されたことを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを担当する電子部品実装ライン毎に格納する複数のサーバと、
前記各種データを作成し担当する前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで作成された前記各種データを受信して格納すると共に受信した前記各種データをいずれかの前記コンピュータに送信して格納させる管理サーバと
から構成されたことを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記電子部品実装ラインに接続され各種データを作成するコンピュータと、
前記コンピュータで前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴を前記コンピュータからの要求に応じて送信する管理サーバと
から構成されたことを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを格納するサーバと、
前記各種データを作成し前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴をいずれかの前記コンピュータからの要求に応じて送信する管理サーバと
から構成されたことを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを担当する電子部品実装ライン毎に格納する複数のサーバと、
前記各種データを作成し担当する前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴をいずれかの前記コンピュータからの要求に応じて送信する管理サーバと
から構成されたことを特徴とする。
【0012】
第7の発明は、第4乃至第6の発明において、いずれかの前記コンピュータで前記各種データを変更した場合に、リストアスイッチを設けて変更前の元の状態に戻すことができるようにした
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、複数のコンピュータと管理サーバとの間での各種データの共通化を図れるようにして、基板生産運転効率の向上を図ることができる。また、基板上に電子部品を装着するための各種データの変更履歴を、コンピュータで確認することができるから、使い勝手の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】複数の電子部品実装ラインの管理システムの概略を示す図である。
【図2】部品ライブラリデータの変更履歴の格納に係るフローチャートを示す図である。
【図3】部品ライブラリデータの編集画面を示す図である。
【図4】部品ライブラリデータの差分比較判定処理に係るフローチャートを示す図である。
【図5】部品ライブラリデータの変更履歴の画面を示す図である。
【図6】パターンプログラムデータの変更履歴の格納に係るフローチャートを示す図である。
【図7】パターンプログラムデータの変更履歴の画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は基板上に電子部品を装着する電子部品実装ラインの管理システムの概略図であり、図1では3つの電子部品実装ライン1があり、各電子部品実装ライン1は基板であるプリント基板上に半田クリームを塗布する印刷機1Aと、プリント基板上に電子部品を装着する電子部品実装装置1B、1C、1Dとを備えているが、これらの装置に限らず、実装ライン1に電子部品の実装に係る他の作業装置も含んでもよい。
【0016】
図1における上段及び中段の電子部品実装ライン1は通信回線を介して各データサーバ2、3に接続され、この両データサーバ2、3は通信回線を介して各種データを作成するコンピュータ5に接続されている。下段の電子部品実装ライン1は通信回線を介してデータサーバ4に接続され、このデータサーバ4は通信回線を介して各種データを作成するコンピュータ6に接続されている。更に、両コンピュータ5、6は一元管理用の管理サーバ7に通信回線を介して接続されている。
【0017】
そして、前記データサーバ2、3、4は担当する電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとが格納されている。また、コンピュータ5、6も担当する電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとを格納すると共に、これらのコンピュータ5、6にはキーボード等の入力手段5A、6A及びモニターなどの表示装置5B、6Bが接続されており、これらの部品ライブラリデータやパターンプログラムデータを作成することもできる。
【0018】
更に、管理サーバ7は全ての電子部品実装ライン1で扱う電子部品ID毎の電子部品の特徴に関する部品ライブラリデータと、生産するプリント基板Pの機種毎の電子部品装着装置1を動かすためのパターンプログラムデータとが格納されている。
【0019】
前記部品ライブラリデータは、形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから構成される。即ち、この部品ライブラリデータとして、この部品ID毎に電子部品の特徴を表す電子部品のX方向、Y方向の長さ、厚さ情報等のデータ(前記形状データ)や、使用吸着ノズルのノズルIDに関するデータ(前記制御データ)等が格納されている。
【0020】
前記パターンプログラムデータは、プリント基板PのX方向・Y方向のサイズ、厚み、基板認識の有無などから構成される基板情報データと、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、プリント基板P内でのX座標、Y座標、角度情報、電子部品を供給する部品供給ユニットの配置番号等から構成される装着データと、各部品供給ユニットのフィーダベース上における配置番号に対応した各電子部品の種類の情報である部品配置データと、どの装着ヘッドのどの位置にどの種類の吸着ノズル(電子部品を部品供給ユニットから吸着して取出す)が装着されているかを示すノズル配置データと、電子部品実装ライン1における何番目の装置のどの機種かに係る装置情報などから構成される。
【0021】
次に、図2の部品ライブラリデータの変更履歴の格納に係るフローチャートについて説明する。先ず、コンピュータ5の入力手段5A及び表示装置5Bを使用して、変更作業を行う作業者名(例えば、作業者A)を入力手段5Aを使用して入力し又はバーコードリーダを用いて作業者を意味するバーコードを読み込んだ後で、部品ライブラリデータの編集ソフトウエアで部品ライブラリデータを変更する(ステップS1)。例えば、電子部品の種類(部品A)を指定して表示装置5Bに図3に示すような部品ライブラリデータの編集画面を表示させて、タッチパネルスイッチの形状データスイッチ部8Aを押圧操作して、形状選択スイッチ部8Bを押圧操作して形状指定を「通常(直方体)」から「円形(円筒形)」に変更する。
【0022】
そして、変更を終えると、コンピュータ5は、変更された電子部品の部品ID(部品A)の全項目情報(変更後の内容を含めた部品Aに係る部品ライブラリデータの全項目の内容)を管理サーバ7へ送信する(ステップS2)。この場合、この変更した作業者名(作業者A)、作業端末であるコンピュータ5のID(PC01)、及び変更日時(2010年7月7日10時21分01秒)と共に送信される。
【0023】
すると、管理サーバ7は部品ライブラリデータが変更された部品IDに係る部品ライブラリデータの内容と、管理サーバ7で管理しているこの同一名の部品IDに係る部品ライブラリデータの内容との差分を各項目毎に、即ち形状データ、認識データ・・等を構成する各データの各項目毎に比較し(ステップS3)、変更されて同一内容でないものがあれば、変更項目を変更履歴リストに登録する(ステップS4)。
【0024】
ここで、図4に示すフローチャートに基づいて、管理サーバ7における差分比較判定処理について説明する。先ず、部品ライブラリデータが変更された電子部品の部品ID部品ID(部品A)と同一名の部品IDの全項目情報(変更前の部品Aに係る部品ライブラリデータの全項目の内容)を、管理サーバ7はそのデータベース(DB)から取得する(ステップS11)。
【0025】
次に、管理サーバ7は部品ライブラリデータが変更された部品IDに係る部品ライブラリデータの内容と、管理サーバ7で管理しているこの同一名の部品IDに係る部品ライブラリデータの内容との差分を各項目毎に比較する(ステップS12)。
【0026】
そして、同一内容かどうかを判定し(ステップS13)、同一内容であれば全ての項目を比較したか判定し(ステップS14)、全ての項目の比較を終えてなければ、ステップS12に戻り、次の項目について比較する(ステップS12)。
【0027】
このようにして、同一内容か否かを判定し(ステップS13)、同一内容でなければ、変更項目を変更履歴リストに登録し(ステップS15)、全ての項目の比較を終えるまで、以上のことを繰り返し、全ての項目の比較を終えると(ステップS14)、差分比較判定を終了する。
【0028】
管理サーバ7は図4に示すような差分比較判定処理を終え(ステップS3)、次に変更項目があればこの変更項目を変更履歴リストに登録する(ステップS4)。この場合、リスト登録時に変更履歴のナンバリングを行うが、複数項目の変更があった場合、ナンバリングは同一のNo(ナンバー)となる。
【0029】
この変更項目の変更履歴リストへの登録を終えると、管理サーバ7はこの変更項目を元データに反映する(ステップS5)。即ち、後述する同期管理しているそのデータベース(DB)化されたデータの部品IDの全項目情報を変更する。
【0030】
そして、管理サーバ7は変更されたデータ内容を個別に格納する(ステップS6)。即ち、管理サーバ7は前述のナンバリングされたNoのフォルダを作成し、コンピュータ5から送信された変更部品IDの全項目情報をこのフォルダ内に個別に格納する。
【0031】
以上のように、部品Aの部品ライブラリデータの形状指定を「通常」から「円形」に変更すると、この変更された部品ライブラリデータが管理サーバ7に格納されることとなるが、この管理サーバ7は担当するコンピュータ6にこの変更された最新の部品ライブラリデータを送信して、このコンピュータ6に備えられた記憶装置にも格納させ、同期管理を図る。この場合、コンピュータで同期管理されるのは部品ライブラリデータ等で、変更履歴は管理サーバ7のみで管理される。これにより、管理サーバ7、コンピュータ5、6の間でこの変更された部品ライブラリデータの共有化が図れる。この変更された部品ライブラリデータを、各コンピュータ5、6で確認することができるから、使い勝手の向上を図ることができる。
【0032】
そして、作業者は前述した変更履歴を確認する場合には、コンピュータ5又は6の入力手段5A又は6Aを操作して、部品ライブラリデータ変更履歴表示のメニューを選択すると、図5に示すような画面が表示され、項目はリスト・ボックス8D内に表示される「全体」、「部品ID」、「作業者」、「作業端末」で検索できるので、例えばコンピュータ5の入力手段5Aを操作して、「全体」項目を選択してタッチパネルスイッチである「検索」スイッチ部8Eを押圧操作して項目検索を、期間の開始期間と終了期間を入力してタッチパネルスイッチである「検索」スイッチ部8Fを押圧操作する。すると、変更履歴を要求する信号がコンピュータ5から管理サーバ7へ送られ管理サーバ7は期間検索を開始する。この検索が終了すると、この検索対象の情報が管理サーバ7からコンピュータ5へ送られて表示装置5Bに表示される。
【0033】
従って、管理サーバ7はいずれかの前記コンピュータ5、6で前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴をいずれかの前記コンピュータ5、6からの要求に応じて送信するものである。
【0034】
即ち、ナンバリングがされた変更内容について、7つの変更履歴項目である「部品ID」、「変更数」、「内容」、「その他(変更数が複数の場合は○を表示)」、「作業者」、「作業端末」及び「変更日時」について、部品ライブラリデータの変更履歴が表示装置5Bに表示される。
【0035】
なお、変更前の状態に戻したい場合には、この図5の部品ライブラリデータ変更履歴画面において、その戻したいナンバーの行を入力手段5Aを使用して指定した後、タッチパネルスイッチである「リストア」スイッチ部8Gを押圧操作する。
【0036】
すると、このリストアも部品ライブラリデータの変更処理の一部とみなされて、コンピュータ5は、リストアするために選択された変更履歴のナンバリングを管理サーバ7へ送信する。この場合、このリストアの選択をした作業者名、作業端末であるコンピュータ5のID、及びリストアの選択日時と共に送信される。
【0037】
管理サーバ7は取得したナンバリングデータを元に、そのナンバーのフォルダ内に格納された部品IDの全項目情報を取得する。そして、管理サーバ7は取得した部品IDの全項目情報を部品ライブラリデータのデータベースに書き込むと共に変更履歴データベースへ変更情報(例えば、「元の状態に変更しました。」)を書き込む。このときに、新たにナンバリングされたNoのフォルダを作成し、このフォルダ内へ変更された部品IDの全情報を保存する。
【0038】
そして、この管理サーバ7は担当するコンピュータ6にこの変更履歴を送信して、このコンピュータ6に備えられた記憶装置にも格納させ、同期管理を図る。これにより、管理サーバ7、コンピュータ5、6の間でこのリストア変更された部品ライブラリデータの共有化が図れる。このリストア変更された部品ライブラリデータの変更履歴、即ち変更された内容と共に、変更した作業者及び日時をコンピュータ5又は6で確認でき、さらに変更履歴を異なる電子実装ライン1が接続された各コンピュータ5、6で確認することができるから、使い勝手の向上を図ることができる。
【0039】
次に、図6に基づいて、前記パターンプログラムデータの変更履歴の格納に係るフローチャートについて説明する。先ず、コンピュータ5の入力手段5A及び表示装置5Bを使用して、変更作業を行う作業者名を入力手段5Aを使用して入力し又はバーコードリーダを用いて作業者を意味するバーコードを読み込んだ後で、パターンプログラムデータの編集ソフトウエアでパターンプログラムデータを変更する(ステップS21)。例えば、プリント基板の生産機種名PB01について、パターンプログラムデータを変更する。
【0040】
そして、変更を終えると、コンピュータ5は、変更されたパターンプログラムデータのファイルを管理サーバ7へ送信する(ステップS22)。この場合、この変更した作業者名(作業者A)、作業端末であるコンピュータ5のID(PC01)、及び変更日時(2010年7月7日10時31分01秒)と共に送信される。
【0041】
すると、管理サーバ7は変更されたパターンプログラムデータを変更履歴リストに登録する(ステップS23)。この場合、リスト登録時に変更履歴のナンバリングを行う。
【0042】
この変更履歴リストへの登録を終えると、管理サーバ7は変更されたパターンプログラムデータファイルを元ファイルに上書き変更する(ステップS24)。そして、管理サーバ7は変更されたデータを個別に格納する(ステップS25)。即ち、管理サーバ7はコンピュータ5から送信された変更されたパターンプログラムデータファイルをナンバリング毎に格納する。
【0043】
以上のように、生産機種名PB01のパターンプログラムデータを変更すると、この変更されたパターンプログラムデータが管理サーバ7に格納されることとなるが、この管理サーバ7は担当するコンピュータ6にこの変更された最新のパターンプログラムデータを送信して、このコンピュータ6に備えられた記憶装置にも格納さ、同期管理を図る。この場合、コンピュータで同期管理されるのはパターンプログラムデータ等で、変更履歴は管理サーバ7のみで管理される。これにより、管理サーバ7、コンピュータ5、6の間でこの変更されたパターンプログラムデータの共有化が図れる。この変更されたパターンプログラムデータを、各コンピュータ5、6で確認することができるから、使い勝手の向上を図ることができる。
【0044】
そして、作業者は前述した変更履歴を確認する場合には、コンピュータ5又は6の入力手段5A又は6Aを操作して、パターンプログラムデータ変更履歴表示のメニューを選択すると、図7に示すような画面が表示され、項目はリスト・ボックス8D内に表示される「全体」、「生産機種名(プリント基板の機種名)」、「作業者」、「作業端末」で検索できるので、例えばコンピュータ5の入力手段5Aを操作して、「全体」項目を選択してタッチパネルスイッチである「検索」スイッチ部8Eを押圧操作して項目検索を、期間の開始期間と終了期間を入力してタッチパネルスイッチである「検索」スイッチ部8Fを押圧操作する。すると、変更履歴を要求する信号がコンピュータ5から管理サーバ7へ送られ、管理サーバ7は期間検索を開始する。この検索が終了すると、この検索対象の情報が管理サーバ7からコンピュータ5へ送られて表示装置5Bに表示される。
【0045】
従って、管理サーバ7はいずれかの前記コンピュータ5、6で前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴をいずれかの前記コンピュータ5、6からの要求に応じて送信するものである。
【0046】
即ち、ナンバリングがされた変更内容について、4つの変更履歴項目である「生産機種名」、「作業者」、「作業端末」及び「変更日時」について、パターンプログラムデータの変更履歴が表示装置5Bに表示される。
【0047】
なお、変更前の状態に戻したい場合には、この図7のパターンプログラムデータ変更履歴画面において、その戻したいナンバーの行を入力手段5Aを使用して指定した後、タッチパネルスイッチである「リストア」スイッチ部8Gを押圧操作する。
【0048】
すると、このリストアもパターンプログラムデータの変更処理の一部とみなされて、コンピュータ5は、リストアするために選択された変更履歴のナンバリングを管理サーバ7へ送信する。この場合、このリストアの選択をした作業者名、作業端末であるコンピュータ5のID、及びリストアの選択日時と共に送信される。
【0049】
管理サーバ7は取得したナンバリングデータを元に、そのナンバーのフォルダ内に格納されたパターンプログラムデータファイルを取得する。そして、管理サーバ7は取得したパターンプログラムデータファイルをパターンプログラムデータ格納フォルダへコピーし、変更履歴データベースへ変更情報(例えば、「元の状態に変更しました。」)を書き込み、このときに新たにナンバリングされたNoのフォルダを作成し、このフォルダ内へ変更されたパターンプログラムデータファイルを保存する。
【0050】
そして、この管理サーバ7は担当するコンピュータ6にこの変更履歴を送信して、このコンピュータ6に備えられた記憶装置にも格納させ、同期管理を図る。これにより、管理サーバ7、コンピュータ5、6の間でこのリストア変更されたパターンプログラムデータの共有化が図れる。また、このリストア変更されたパターンプログラムデータの変更履歴を、各コンピュータ5、6で確認することができるから、使い勝手の向上を図ることができる。
【0051】
なお、データサーバ2、3、4が保有している部品ライブラリデータ、パターンプログラムデータは、担当する電子部品実装ラインの1の作業装置において変更された部品ライブラリデータ、パターンプログラムデータや、対応するコンピュータ5又は6から送信された部品ライブラリデータ、パターンプログラムデータである。
【0052】
なお、上述した実施の形態では、電子部品実装ライン1毎にデータサーバ2、3、4が接続されているが、必ずしもデータサーバ2、3、4が接続されていなくてもよく、例えば部品ライブラリデータやパターンプログラムデータをコンピュータ5、6が電子部品実装装置1B、1C、1D等から直接得るように接続してもよい。
【0053】
また、コンピュータが電子部品実装ライン1ではなく複数の電子部品実装装置等の作業装置或いは単体の作業装置に直接接続される場合にも、本願発明を適用することができる。
【0054】
更に、電子部品実装装置等の作業装置を管理するデータサーバがコンピュータと作業装置との間に接続されている場合に、電子部品実装ライン1毎にデータサーバを設けるのではなく、データサーバが複数の作業装置に或いは単体の作業装置に接続されている場合にも、本願発明を適用することができる。
【0055】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0056】
1 電子部品実装ライン
2、3、4 データサーバ
5、6 コンピュータ
5A、6A 入力手段
5B、6B 表示装置
7 管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記電子部品実装ラインに接続され各種データを作成する複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで作成された前記各種データを受信して格納すると共に受信した前記各種データをいずれかの前記コンピュータに送信して格納させる管理サーバと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項2】
基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを格納するサーバと、
前記各種データを作成し前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで作成された前記各種データを受信して格納すると共に受信した前記各種データをいずれかの前記コンピュータに送信して格納させる管理サーバと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項3】
基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを担当する電子部品実装ライン毎に格納する複数のサーバと、
前記各種データを作成し担当する前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで作成された前記各種データを受信して格納すると共に受信した前記各種データをいずれかの前記コンピュータに送信して格納させる管理サーバと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項4】
基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記電子部品実装ラインに接続され各種データを作成するコンピュータと、
前記コンピュータで前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴を前記コンピュータからの要求に応じて送信する管理サーバと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項5】
基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを格納するサーバと、
前記各種データを作成し前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴をいずれかの前記コンピュータからの要求に応じて送信する管理サーバと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項6】
基板上に電子部品を装着するための複数の作業装置を備えた電子部品実装ラインの管理システムにおいて、
前記基板上に電子部品を装着するための各種データを担当する電子部品実装ライン毎に格納する複数のサーバと、
前記各種データを作成し担当する前記サーバにこの各種データを送信可能な複数のコンピュータと、
いずれかの前記コンピュータで前記各種データを変更した変更データを受信して格納すると共にこの変更履歴をいずれかの前記コンピュータからの要求に応じて送信する管理サーバと
から構成されたことを特徴とする電子部品実装ラインの管理システム。
【請求項7】
いずれかの前記コンピュータで前記各種データを変更した場合に、リストアスイッチを設けて変更前の元の状態に戻すことができるようにした
ことを特徴とする請求項4乃至請求6のいずれかに記載の電子部品実装ラインの管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−33071(P2012−33071A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173087(P2010−173087)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】