説明

電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニット

【課題】複数回路のノイズ除去を行うことができ、取り付けスペースが小さくかつ取り付け作業が容易な電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットを提供する。
【解決手段】電子部品内蔵ユニット1は、互いに重ねられて固定された一対のケース11内に、それぞれ、コンデンサ3と、アース用の電線4と、前記コンデンサ3を介して前記電線4を車両のボディ等の相手部材に接地する導電性の接地部材12A,12Bと、が収容されて設けられている。これら接地部材12A,12Bには、互いに重ねられてともに相手部材に螺子止めされる相互接続部としての固定部7a,7bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品と電線を収容して該電線を接地する電子部品接続箱が複数積層されて設けられた電子部品接続箱積層体、及びこの電子部品接続箱積層体に前記電子部品と前記電線とが収容されてなる電子部品内蔵ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等に装備される各種センサ等は、ホーンやワイパモータのような高周波成分を持った雑音源からの電動ノイズや、ネオンサイン等からの外来ノイズや、誘導ノイズ等が電線を伝わって入力されることがあり、これによって誤動作を引き起こしてしまうことがあるという問題が生じていた。
【0003】
そのため、自動車等に搭載されるワイヤハーネス等においては、そのノイズ対策として、当該ワイヤハーネスを構成するアース用の電線をコンデンサを介して適当な接地部分(例えば車両のボディ等)に接続することが行われている。このようにコンデンサを介して所定の電線を接地するためのコンデンサ内蔵コネクタとしては、例えば、特許文献1に記載されているものが知られている。
【0004】
特許文献1に示すコンデンサ内蔵コネクタは、一対のリード端子がコンデンサ本体から互いに同じ向きに突出した一般的なコンデンサと、このコンデンサの一方のリード端子を接地部分に接続するアース接続導体と、このコンデンサの他方のリード端子を電線側に接続する電線接続導体と、この電線接続導体に接続される電線側端子が取り付けられた電線と、を合成樹脂製のハウジングに収容した構成となっている。
【特許文献1】特開2006−100061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のコンデンサ内蔵コネクタは、1回路分のノイズ除去しかできないことから、複数の回路のノイズ除去を行う場合は、回路数分のコンデンサ内蔵コネクタを、接地部分(例えば車両のボディ等)へ一つ一つ取り付けねばならず、この取り付け作業が煩雑なものになってしまうという問題があった。また、複数のコンデンサ内蔵コネクタを取り付けるために大きい取り付けスペースが必要になるという問題があった。なお、このような問題は、コンデンサ内蔵コネクタに限定する問題ではなく、電子部品を収容する電子部品接続箱にも同様に生じる問題である。
【0006】
したがって本発明は、複数回路のノイズ除去を行うことができ、取り付けスペースが小さくかつ取り付け作業が容易な電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1に記載された発明は、電子部品と該電子部品と電気的に接続される電線とが収容されるケースと、前記電子部品の接地端子と電気的に接続され該電子部品を介して前記電線を接地する導電性の接地部材と、を有する電子部品接続箱が複数積層されて設けられた電子部品接続箱積層体であって、互いに隣り合う前記電子部品接続箱の前記接地部材同士に、互いに電気的に接続される相互接続部が設けられ、そして、複数の前記電子部品接続箱のうち少なくとも1つの電子部品接続箱の前記接地部材に、導電性の相手部材に固定される固定部が設けられていることを特徴とする電子部品接続箱積層体である。
【0008】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、互いに隣り合う前記電子部品接続箱の前記ケース同士に、互いに係止して当該ケース同士を固定する相互係止部が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、複数の前記電子部品接続箱のうち最も前記相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱に、前記相手部材に係止することにより複数の前記ケースを前記相手部材に取り付ける係止部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された発明において、前記相互接続部が、互いに重なる板状の接地部と、該接地部に設けられた螺子止め用の貫通孔と、で構成され、そして、前記接地部同士が互いに重ねられてともに前記相手部材に螺子止めされることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、複数の前記電子部品接続箱のうち最も前記相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱、または、最も前記相手部材から離れた側に位置付けられる電子部品接続箱の前記相互接続部に、前記接地部の外縁から立設した立設片が設けられ、そして、該立設片が、前記接地部同士がともに螺子止めされる際に他の接地部の外縁に当たることにより、これら接地部同士が位置ずれすることを防止することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された発明において、互いに隣り合う一対の前記電子部品接続箱のうち一方の前記相互接続部が、前記電子部品接続箱同士の積層方向に沿って延びた筒状に設けられ、他方の前記相互接続部が、前記積層方向に沿って延びた板状に設けられ、そして、一対の前記電子部品接続箱同士を積層することにより、筒状の前記相互接続部内に板状の前記相互接続部が侵入してこれら相互接続部同士が互いに係止することを特徴とするものである。
【0013】
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうち1項に記載された発明において、互いに隣り合う一対の前記電子部品接続箱のうち一方の前記相互接続部が、前記電子部品接続箱同士の積層方向に沿って延びた板状に設けられ、他方の前記相互接続部が、前記積層方向に沿って板状に延びた板状部と、該板状部を前記積層方向に沿って切り欠いたスリットと、で構成され、そして、一対の前記電子部品接続箱同士を積層することにより、板状の前記相互接続部が前記スリット内に侵入してこれら相互接続部同士が互いに係止することを特徴とするものである。
【0014】
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子部品接続箱積層体と、前記電子部品接続箱に収容される電子部品と、前記電子部品接続箱に収容されかつ前記電子部品及び前記接地部材を介して接地される電線と、を有していることを特徴とする電子部品内蔵ユニットである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載された発明によれば、互いに隣り合う電子部品接続箱の接地部材同士に、互いに電気的に接続される相互接続部が設けられ、そして、複数の前記電子部品接続箱のうち少なくとも1つの電子部品接続箱の前接地部材に、導電性の相手部材に固定される固定部が設けられていることから、電子部品接続箱を一つ一つ相手部材に取り付ける必要がないとともに少なくとも1つの固定部を相手部材に取り付けることで複数の電子部品接続箱を相手部材に取り付けることができるので、複数回路のノイズ除去を行うことができ、取り付けスペースが小さくかつ取り付け作業が容易な電子部品接続箱積層体を提供することができる。
【0016】
請求項2に記載された発明によれば、互いに隣り合う前記電子部品接続箱の前記ケース同士に、互いに係止して当該ケース同士を固定する相互係止部が設けられていることから、複数の電子部品接続箱を積層された状態に保つことができる。
【0017】
請求項3に記載された発明によれば、複数の前記電子部品接続箱のうち最も前記相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱に、前記相手部材に係止することにより複数の前記ケースを前記相手部材に取り付ける係止部材が設けられていることから、この係止部材を相手部材に取り付けるだけで複数の電子部品接続箱を相手部材に取り付けることができる。
【0018】
請求項4に記載された発明によれば、前記相互接続部が、互いに重なる板状の接地部と、該接地部に設けられた螺子止め用の貫通孔と、で構成され、そして、前記接地部同士が互いに重ねられてともに前記相手部材に螺子止めされることから、少なくとも1つの螺子を締めるだけで、複数の接地部同士を互いに電気的に接続させることができるとともにこれら複数の接地部を相手部材に接地することができる。
【0019】
請求項5に記載された発明によれば、複数の前記電子部品接続箱のうち最も前記相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱、または、最も前記相手部材から離れた側に位置付けられる電子部品接続箱の前記相互接続部に、前記接地部の外縁から立設した立設片が設けられ、そして、該立設片が、前記接地部同士がともに螺子止めされる際に他の接地部の外縁に当たることにより、これら接地部同士が位置ずれすることを防止することから、螺子を締める際に複数の接地部が螺子の回転方向に回ることを防止でき、容易に螺子止め作業を行うことができる。
【0020】
請求項6に記載された発明によれば、互いに隣り合う一対の前記電子部品接続箱のうち一方の前記相互接続部が、前記電子部品接続箱同士の積層方向に沿って延びた筒状に設けられ、他方の前記相互接続部が、前記積層方向に沿って延びた板状に設けられ、そして、一対の前記電子部品接続箱同士を積層することにより、筒状の前記相互接続部内に板状の前記相互接続部が侵入してこれら相互接続部同士が互いに係止することから、電子部品接続箱同士を重ね合わせる動作によって複数の接地部材同士を互いに電気的に接続させることができる。また、このような構成にすることで、少なくとも1つの接地部材に固定部を設ければ他の接地部材に固定部を設けずとも、この少なくとも1つの固定部を介して他の接地部材を相手部材に接地することができるので、前記他の接地部材を形成するための導電性材料の使用量を少なくすることができる。
【0021】
請求項7に記載された発明によれば、互いに隣り合う一対の前記電子部品接続箱のうち一方の前記相互接続部が、前記電子部品接続箱同士の積層方向に沿って延びた板状に設けられ、他方の前記相互接続部が、前記積層方向に沿って板状に延びた板状部と、該板状部を前記積層方向に沿って切り欠いたスリットと、で構成され、そして、一対の前記電子部品接続箱同士を積層することにより、板状の前記相互接続部が前記スリット内に侵入してこれら相互接続部同士が互いに係止することから、電子部品接続箱同士を重ね合わせる動作によって複数の接地部材同士を互いに電気的に接続させることができる。また、このような構成にすることで、少なくとも1つの接地部材に固定部を設ければ他の接地部材に固定部を設けずとも、この少なくとも1つの固定部を介して他の接地部材を相手部材に接地することができるので、前記他の接地部材を形成するための導電性材料の使用量を少なくすることができる。
【0022】
請求項8に記載された発明によれば、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子部品接続箱積層体と、前記電子部品接続箱に収容される電子部品と、前記電子部品接続箱に収容されかつ前記電子部品及び前記接地部材を介して接地される電線と、を有していることから、複数回路のノイズ除去を行うことができ、取り付けスペースが小さくかつ取り付け作業が容易な電子部品内蔵ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットの一実施形態を、図1〜図9の図面を参照して以下に説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を、図1〜図3の図面を参照して以下に説明する。図1〜図3において、電子部品内蔵ユニット1は、一対の電子部品接続箱2A,2Bが重ねられて、後述の係止爪29及び係止穴30により互いに固定されるなどして設けられた電子部品接続箱積層体61と、電子部品接続箱2A,2Bの電子部品収容部21に収容される電子部品としてのコンデンサ3と、電子部品接続箱2A,2Bの電線収容部22に収容される電線4と、を有して構成されている。そして、電子部品内蔵ユニット1は、後述の説明からも分かるようになるが、本実施形態において複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能するように構成されており、車両のボディ等の相手部材に固定されて接地される。
【0025】
上記コンデンサ3は、公知であるように、図2に示すような略座布団形状の本体31と、一対の端子32,33とを有している。コンデンサ3は、車両の振動等によってガタツキが生じない状態で電子部品接続箱2A,2Bにそれぞれ1つずつ収容される。また、端子32は、図1に示す電線4と電気的に接続され、端子33は後述する接地部材12A,12Bと電気的に接続される。即ち、本実施形態では、端子33が請求項中の接地端子に相当している。
【0026】
なお、本実施形態では、電子部品をコンデンサ3とする場合について説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、例えばダイオード、抵抗等の各種電子部品とすることもできる。
【0027】
上記電線4は、公知であるワイヤハーネスを構成する複数の電線のうちの一本、又は単独の電線であって、導体と、この導体を被覆する絶縁性の被覆部とを有して構成されている。このような電線4の中間には、後述する電線端子15が電気的に接続されている。具体的に電線端子15は、電線4の中間における被覆部を所定範囲で除去することにより剥き出しになった導体に対して接続されている。
【0028】
上記電子部品接続箱2Aは、図2に示すように、ケース11と、接地部材12Aと、係止部材13と、バスバー14と、電線端子15と、電線カバー16と、を有して構成されている。また、上記電子部品接続箱2Bは、図2に示すように、ケース11と、接地部材12Bと、係止部材13と、バスバー14と、電線端子15と、電線カバー16と、を有して構成されている。
【0029】
上記ケース11は、絶縁性を有する合成樹脂部材等で略箱状に形成されており、コンデンサ3を開口21aから内部に収容する電子部品収容部21と、該電子部品収容部21に収容されたコンデンサの端子32と電気的に接続される電線4が収容される電線収容部22と、を有している。また、電子部品収容部21及び電線収容部22は、ケース11の底壁23と、この底壁23の縁部から起立する側壁24と、前記電子部品収容部21と前記電線収容部22とを区画した隔壁25と、により囲まれた凹状の部分として形成されている。電子部品収容部21の開口21a及び電線収容部22の開口22aは、側壁24と隔壁25の縁部で囲まれた部分として形成されている。また、隔壁25が交わる側壁24の各々には、接地部材12A,12Bと係止する係止部27が設けられている。
【0030】
また、電子部品接続箱2Aのケース11と電子部品接続箱2Bのケース11とは、図1に示すように、電子部品接続箱2Aのケース11の底壁23が、電子部品接続箱2Bのケース11の開口21a,22aを覆う格好で互いに重ねられる。また、これら電子部品接続箱2Aのケース11と電子部品接続箱2Bのケース11とには、前述したように重ねられた状態で、互いに係止して当該ケース11同士を固定する相互係止部としての係止爪29と、係止穴30と、が設けられている。前記係止爪29は、電子部品接続箱2Bのケース11の側壁24の縁部から、底壁23と離れる方向に延びて設けられている。また、前記係止穴30は、電子部品接続箱2Aのケース11の側壁24のうち、電子部品接続箱2Bのケース11の係止爪29が設けられた側壁24と隣り合う側壁24に設けられている。
【0031】
このように、本発明では、互いに隣り合う電子部品接続箱2A,2Bのケース11同士に、互いに係止して当該ケース11同士を固定する相互係止部としての係止爪29及び係止穴30が設けられていることから、これら電子部品接続箱2A,2Bを積層された状態に保つことができる。
【0032】
上記接地部材12A,12Bは、導電性を有する金属板等を加工することにより形成されており、コンデンサ3の接地用の端子33と電気的に接続され、且つ、車両のボディ等の相手部材(図示せず)に電気的に接続されることで、端子33を接地する。即ち、接地部材12A,12Bがコンデンサ3を介して電線4を接地することで、電子部品内蔵ユニット1が複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能する。
【0033】
また、上記接地部材12Aは、図3に示すように、接続部12aと、カバー部12bと、係止部12c,12dと、撓み防止部12eと、相互接続部としての固定部7aと、を一体に有して構成されている。
【0034】
上記接続部12aは、電子部品収容部21から電線収容部22に延在するコンデンサ3の端子33の上に位置付けられるように、カバー部12bの縁部から略L字状のアームとして形成されている。また、接続部12aは、コンデンサ3の端子33と溶接、ろう付け等によって電気的に接続されている。
【0035】
上記カバー部12bは、電子部品収容部21の開口21aを塞いでケース11に嵌合するように、開口21aと略同一形状の蓋状に形成されている。また、接地部材12Aのカバー部12bには、後述する係止部材13を係止するスリット状の取付部12gが設けられている。また、取付部12gは、電子部品収容部21の開口21aを塞いでいない状態では前記係止部材13が着脱自在に装着され且つ電子部品収容部21の開口21aを塞いだときに電子部品収容部21の内壁等に前記係止部材13を当接させて脱落を防止するように形成されている。具体的には、取付部12gが、ケース11の隔壁25と平行にスライドできるように、カバー部12bの中央から係止部12dに向かうスリットとして形成されている。
【0036】
上記係止部12c,12dは、図2に示すように、係止部27に係止するために、カバー部12bの縁部からケース11の側壁24に沿って延びる枠状に形成されている。また、係止部12dは、電子部品収容部21を形成するケース11の側壁24と略同一の幅となるように、係止部12cよりも幅が広くなるように形成されている。
【0037】
上記撓み防止部12eは、係止部12dに対する係止解除方向(一対の係止部27同士が互いに近付く方向)に前記係止部27が撓むことを防止している。具体的には、接地部材12Aのカバー部12bが電子部品収容部21に係止されたときに、撓み防止部12eがケース11の側壁24の内面と当接して係止解除方向の係止部27の移動を規制している。
【0038】
上記固定部7aは、カバー部12bからケース11の外部に延びるように板状に形成された接地部12fと、この接地部12fに設けられた螺子止め用の貫通孔120と、で構成されている。この接地部12fは、接地部材12Bの後述の接地部12fとともに車両のボディ等の相手部材に螺子止めされる。このことにより、接地部材12Aの接地部12fと接地部材12Bの接地部12fとが電気的に接続されるとともに、接地部材12Aの接地部12fが相手部材に固定されて接続部12aに電気的に接続された電線4が接地される。即ち、本実施形態では、固定部7aが請求項中の相互接続部も兼ねている。
【0039】
また、上記接地部材12Bは、図3に示すように、接続部12aと、カバー部12bと、係止部12c,12dと、相互接続部としての固定部7bと、を一体に有して構成されている。
【0040】
上記固定部7bは、カバー部12bの外縁から略直角に立設した立設部124と、この立設部124の端部からケース11の外部に延びるように板状に形成された接地部12fと、この接地部12fに設けられた螺子止め用の貫通孔120と、で構成されている。この接地部12fは、前述したように、接地部材12Aの接地部12fとともに車両のボディ等の相手部材に螺子止めされる。このことにより、接地部材12Bの接地部12fと接地部材12Aの接地部12fとが電気的に接続されるとともに、接地部材12Bの接地部12fが相手部材に固定されて接続部12aに電気的に接続された電線4が接地される。即ち、本実施形態では、固定部7bが請求項中の相互接続部も兼ねている。
【0041】
また、電子部品接続箱2Aと電子部品接続箱2Bとを重ねた状態で、接地部材12Bの接地部12fと接地部材12Aの接地部12fとが面接触するように、上記立設部124が設けられている。
【0042】
このように、本発明では、接地部材12A,12Bが、互いに重ねられて相手部材に螺子止めされる相互接続部としての固定部7a,7bを有していることから、1つの螺子を締めるだけで、接地部12f同士を互いに電気的に接続させることができるとともにこれら接地部12fを相手部材に接地することができる。
【0043】
さらに、一対の電子部品接続箱2A,2Bのうち相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱2Aの固定部7aには、接地部12fの外縁から板状に立設した立設片123が設けられている。この立設片123は、接地部12f同士がともに螺子止めされる際に電子部品接続箱2Bの接地部12fの外縁に当たることにより、これら接地部12f同士が位置ずれすることを防止する。よって、螺子を締める際に接地部材12Bの接地部12fが接地部材12Aの接地部12fに対して螺子の回転方向に回ることを防止でき、容易に螺子止め作業を行うことができる。
【0044】
上記係止部材13は、電子部品接続箱2Aと、この電子部品接続箱2Aに固定された電子部品接続箱2Bと、を前記相手部材に対して係止させるための部材であり、その形状は一例を示している。係止部材13は、図2に示すように、前記相手部材に係止するための係止凸部13aと、該係止凸部13aとの間に取付部12g(カバー部12b)の縁部をスライド自在に挟持するための隙間を形成するベース部13bと、を有している。そして、本実施例では、カバー部12bの取付部12gに係止部12d側から挿入されて、カバー部12bの中央にスライドされることで、係止部材13を取付部12gに係止して保持する構造となっている。
【0045】
この係止部材13は、複数の電子部品接続箱2A,2Bに対して少なくとも1つ設けられていれば良い。また、この係止部材13は、本実施形態では、相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱2Aの接地部材12Aに1つ取り付けられる。
【0046】
このように、本発明では、複数の電子部品接続箱2A,2Bのうち最も相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱2Aに、係止部材13が設けられていることから、この係止部材13を相手部材に取り付けるだけで複数の電子部品接続箱2A,2B、即ち電子部品内蔵ユニット1、を相手部材に取り付けることができる。
【0047】
上記バスバー14は、導電性を有する金属部材等を加工することによって図2に示す形状に形成されている。バスバー14は、電線収容部22に収容されてコンデンサ3の端子32と電気的に接続される基部14aと、該基部14aから突出してケース11にバスバー14を固定する複数の固定部14bと、基部14aからケース11の隔壁25と平行に起立し電線端子15と電気的に接続される起立部14cと、を一体に有している。
【0048】
上記電線端子15は、導電性を有する金属部材等を加工することによって図2に示す形状に形成されている。電線端子15は、電線4の被覆部から剥き出しになった導体に直接接続される電線接続部15aと、前記起立部14cと電気的に接続される接触部15bと、を有している。
【0049】
上記電線カバー16は、絶縁性を有する合成樹脂製の部材であって、電線収容部22に収容された電線端子15を押さえ付けて開口22aを塞いでいる。電線カバー16は、天井壁16aと、該天井壁16aの縁部に形成される一対の側壁16bと、一対の側壁16bの間に形成されて電線4を係止する電線係止部16eと、を有している。
【0050】
また、ケース11の側壁24の電線係止部16eに対応した部分には、溝状に切り欠かれた電線支持部28が一対対向して形成されている。電線支持部28は、組み付けにより差し込まれた電線4を保持できるように形成されている。そして、電線係止部16eが保持している電線4は、上述した電線カバー16の電線係止部16eによって押さえ付けられることで、電子部品接続箱2に固定される。
【0051】
次に、上記構成の電子部品内蔵ユニット1の組み立て方法、及び相手部材への取り付け方法を以下に説明する。
【0052】
電子部品内蔵ユニット1を組み立てるには、まず、電子部品接続箱2A,2Bのケース11それぞれに部品を組み付けて、それから、ケース11同士を、電子部品接続箱2Aのケース11の底壁23と、電子部品接続箱2Bの接地部材12Bのカバー部12bと、が当接する向きで重ね、係止爪29と係止穴30とを互いに係止させることによりケース11同士を固定する。そして組み立てられた電子部品内蔵ユニット1を相手部材に取り付ける。
【0053】
具体的には、コンデンサ3が電子部品収容部21の開口21aから挿入され、電線収容部22にコンデンサ3の端子32,33が突出した状態で電子部品収容部21に収容される。そして、電線収容部22にバスバー14が挿入されてケース11に固定される。また、係止部材13が接地部材12Aの取付部12gに挿入され、カバー部12bの中央までスライドされることで、接地部材12Aに係止される。
【0054】
そして、接地部材12A,12Bが、それぞれ電線収容部22の開口22aを塞ぐようにケース11に近付けられ、係止部12c,12dと一対の係止部27とがそれぞれ係止される。また、コンデンサ3の端子33上には、バスバー14と接地部材12A,12Bの接続部12aが位置しており、それらが溶接等によって電気的に接続される。
【0055】
電線4は、所望の位置となる電線4の中間において、被覆部を所定の範囲で除去して導体を露出され、そこを電線端子15の電線接続部15aが覆うように電線端子15が圧着され、導体と電線端子15とが電気的に接続される。そして、その電線端子15は電線カバー16に挿入され、該電線カバー16は開口22aを塞ぐように電線収容部22に挿入される。これにより、電線4と前記バスバー14とが電線端子15を介して電気的に接続された状態で、電線4が電線収容部22に収容される。
【0056】
こうして部品が組み付けられたケース11同士を、電子部品接続箱2Aのケース11の底壁23と、電子部品接続箱2Bの接地部材12Bのカバー部12bと、が当接する向きで重ねて固定することにより、電子部品内蔵ユニット1の組み立てが完了する。
【0057】
このように組み立てられた電子部品内蔵ユニット1は、前記相手部材の取付穴に係止部材13が挿入されて仮固定され、接地部材12A,12Bの接地部12fの貫通孔120と前記相手部材の螺子穴を合わせ、螺子で締められて固定されることで、接地部12fが相手部材に機械的に固定されるとともに電気的に接続される。即ち接地される。こうして電子部品内蔵ユニット1が、複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能することになる。
【0058】
このように、本発明では、複数の電子部品接続箱2A,2B同士を積層した状態で相手部材に取り付けることから、電子部品接続箱2A,2Bを一つ一つ相手部材に取り付ける必要がなく、そのために、取付作業を容易にすることができる。また、複数の電子部品接続箱2A,2B同士を積層することで、相手部材への取り付けスペースを小さくすることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を、図4〜図6の図面を参照して以下に説明する。また、同図において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図4〜図6において、電子部品内蔵ユニット101は、一対の電子部品接続箱2C,2Dが重ねられて、係止爪29及び係止穴30により互いに固定されるなどして設けられた電子部品接続箱積層体62と、電子部品接続箱2C,2Dの電子部品収容部21に収容される電子部品としてのコンデンサ3と、電子部品接続箱2C,2Dの電線収容部22に収容される電線4と、を有して構成されている。そして、電子部品内蔵ユニット101は、第1の実施形態と同様に、本実施形態において複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能するように構成されており、車両のボディ等の相手部材に固定されて接地される。
【0061】
上記電子部品接続箱2Cは、図5に示すように、ケース11と、接地部材12Cと、係止部材13と、バスバー14と、電線端子15と、電線カバー16と、を有して構成されている。また、上記電子部品接続箱2Dは、図5に示すように、ケース11と、接地部材12Dと、係止部材13と、バスバー14と、電線端子15と、電線カバー16と、を有して構成されている。
【0062】
上記接地部材12C,12Dは、導電性を有する金属板等を加工することにより形成されており、コンデンサ3の接地用の端子33と電気的に接続され、且つ、車両のボディ等の相手部材(図示せず)に電気的に接続されることで、端子33を接地する。即ち、接地部材12C,12Dがコンデンサ3を介して電線4を接地することで、電子部品内蔵ユニット101が複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能する。
【0063】
また、上記接地部材12Cは、図6に示すように、接続部12aと、取付部12gが設けられたカバー部12bと、係止部12c,12dと、撓み防止部12eと、固定部7aと、相互接続部127と、を一体に有して構成されている。また、上記接地部材12Dは、図6に示すように、接続部12aと、カバー部12b’と、相互接続部128と、を一体に有して構成されている。また、前記カバー部12b’は、カバー部12bを図6中の二点鎖線Mで切断した形状である。即ち、接地部材12Dは、固定部を有していない。
【0064】
上記相互接続部127は、電子部品接続箱2C,2D同士の積層方向に沿って延びた筒状に設けられている。具体的には、相互接続部127は、係止部12cから延設された延設部125と、この延設部125との間に相互接続部128を挟む挟持部126と、で構成されている。また、挟持部126は、延設部125の一部に切れ目が設けられ、アーチ状に曲げられて形成されている。また、上記相互接続部128は、カバー部12b’の外縁から略直角に立設し電子部品接続箱2C,2D同士の積層方向に沿って延びた板状に設けられている。これら相互接続部127,128は、一対の電子部品接続箱2C,2D同士を重ねることにより、相互接続部127内に相互接続部128が侵入して、即ち延設部125と挟持部126との間に相互接続部128が侵入して、これら相互接続部127,128同士が互いに係止するとともに電気的に接続される。
【0065】
このように、本発明では、接地部材12C,12Dが、電子部品接続箱2C,2D同士を積層することにより互いに係止する相互接続部127,128を有していることから、電子部品接続箱2C,2D同士を重ね合わせる動作によって複数の接地部材12C,12D同士を互いに電気的に接続させることができる。
【0066】
また、本発明では、接地部材12C,12Dが、互いに係止して電気的に接続される相互接続部127,128を有していることから、一対の接地部材12C,12Dのうち少なくとも一方に固定部7aを設ければ他方に固定部7aを設けずとも、この少なくとも1つの固定部7aを介して他方を相手部材に接地することができるので、前記他方即ち接地部材12Dを形成するための導電性材料の使用量を少なくすることができる。
【0067】
上記構成の電子部品内蔵ユニット101を組み立てるには、前述した第1の実施形態と同様に、電子部品接続箱2C,2Dのケース11それぞれに部品を組み付けて、それからケース11同士を電子部品接続箱2Cのケース11の底壁23と、電子部品接続箱2Dの接地部材12Dのカバー部12b’と、が当接する向きで重ね、係止爪29と係止穴30とを互いに係止させることによりケース11同士を固定する。また、上述したように、ケース11同士を重ねることにより、相互接続部127,128同士が互いに係止する。
【0068】
そして組み立てられた電子部品内蔵ユニット101を相手部材に取り付ける。即ち、前記相手部材の取付穴に係止部材13が挿入されて仮固定され、接地部材12Cの接地部12fの貫通孔120と前記相手部材の螺子穴を合わせ、螺子で締められて固定されることで、接地部12fが相手部材に機械的に固定されるとともに電気的に接続される。即ち接地される。また、接地部材12Dは、相互接続部127,128の係止により接地部材12Cに電気的に接続されており、接地部材12Cを介して相手部材に接地される。こうして電子部品内蔵ユニット101が、複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能することになる。
【0069】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を、図7〜図9の図面を参照して以下に説明する。また、同図において、前述した第1,2の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0070】
図7〜図9において、電子部品内蔵ユニット201は、一対の電子部品接続箱2E,2Fが重ねられて互いに固定されて設けられた電子部品接続箱積層体63と、電子部品接続箱2E,2Fの電子部品収容部に収容される電子部品としてのコンデンサ3と、電子部品接続箱2E,2Fの電線収容部に収容される電線4と、を有して構成されている。そして、電子部品内蔵ユニット201は、第1,2の実施形態と同様に、本実施形態において複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能するように構成されており、車両のボディ等の相手部材に固定されて接地される。
【0071】
上記電子部品接続箱2Eは、図8に示すように、ケース11と、接地部材12Eと、係止部材13と、バスバー14と、電線端子15と、電線カバー16と、を有して構成されている。また、上記電子部品接続箱2Fは、図8に示すように、ケース11Fと、接地部材12Fと、係止部材13と、バスバー14と、電線端子15と、電線カバー16と、を有して構成されている。
【0072】
上記接地部材12E,12Fは、導電性を有する金属板等を加工することにより形成されており、コンデンサ3の接地用の端子33と電気的に接続され、且つ、車両のボディ等の相手部材(図示せず)に電気的に接続されることで、端子33を接地する。即ち、接地部材12E,12Fがコンデンサ3を介して電線4を接地することで、電子部品内蔵ユニット201が複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能する。
【0073】
また、上記接地部材12Eは、図9に示すように、接続部12aと、取付部12gが設けられたカバー部12bと、係止部12c,12dと、撓み防止部12eと、固定部7aと、相互接続部51と、を一体に有して構成されている。また、上記接地部材12Fは、図9に示すように、接続部12aと、カバー部12bと、係止部12c,12d’と、相互接続部54と、を一体に有して構成されている。即ち、接地部材12Fは、固定部を有していない。
【0074】
上記相互接続部51は、接地部12fの外縁から略直角に立設し電子部品接続箱2E,2F同士の積層方向に沿って延びた板状に設けられている。また、上記相互接続部54は、カバー部12bの外縁から略直角に立設し電子部品接続箱2E,2F同士の積層方向に沿って板状に延びた板状部52と、この板状部52の外縁を前記積層方向に沿って切り欠いたスリット53と、で構成されている。これら相互接続部51,54は、一対の電子部品接続箱2E,2F同士を重ねることにより、スリット53内に相互接続部51が侵入して、これら相互接続部51,54同士が互いに係止するとともに電気的に接続される。
【0075】
このように、本発明では、接地部材12E,12Fが、電子部品接続箱2E,2F同士を積層することにより互いに係止する相互接続部51,54を有していることから、電子部品接続箱2E,2F同士を重ね合わせる動作によって複数の接地部材12E,12F同士を互いに電気的に接続させることができる。
【0076】
また、本発明では、接地部材12E,12Fが、互いに係止して電気的に接続される相互接続部51,54を有していることから、一対の接地部材12E,12Fのうち少なくとも一方に固定部7aを設ければ他方に固定部7aを設けずとも、この少なくとも1つの固定部7aを介して他方を相手部材に接地することができるので、前記他方即ち接地部材12Fを形成するための導電性材料の使用量を少なくすることができる。
【0077】
また、上記ケース11Fは、図8に示すように、上述したケース11の構成に加えて、電子部品収容部21を構成する3面の側壁24からそれぞれ延設された3面の延設壁24’と、これら延設壁24’に1つずつ設けられた3つの係止穴24a’,24b’(2つ)と、上記相互接続部54が通される貫通穴24c’と、を有している。
【0078】
そして、図7に示すように、電子部品接続箱2E,2F同士が重ねられた状態で、電子部品接続箱2Eのケース11の側壁24の外表面が、ケース11Fの延設壁24’の内表面に当接し、電子部品接続箱2Eのケース11の側壁24の外表面に3つ設けられた係止突起29a,29b(2つ)が、上述した延設壁24’に設けられた係止穴24a’,24b’(2つ)に係止することにより、ケース11とケース11Fとが固定される。また、これら係止突起29a,29bと係止穴24a’,24b’とは、請求項中の相互係止部をなしている。
【0079】
このように、本発明では、互いに隣り合う電子部品接続箱2E,2Fのケース11,11F同士に、互いに係止して当該ケース11,11F同士を固定する相互係止部としての係止突起29a,29b及び係止穴24a’,24b’が設けられていることから、これら電子部品接続箱2E,2Fを積層された状態に保つことができる。
【0080】
上記構成の電子部品内蔵ユニット201を組み立てるには、前述した第1,2の実施形態と同様に、電子部品接続箱2E,2Fのケース11,11Fそれぞれに部品を組み付けて、それから、ケース11,11F同士を、電子部品接続箱2Eのケース11の底壁23と、電子部品接続箱2Fの接地部材12Fのカバー部12bと、が当接する向きで重ね、係止突起29a,29bと係止穴24a’,24b’とを互いに係止させることによりケース11,11F同士を固定する。また、上述したように、ケース11,11F同士を重ねることにより、相互接続部51,54同士が互いに係止する。
【0081】
そして組み立てられた電子部品内蔵ユニット201を、第2の実施形態と同様にして相手部材に取り付ける。こうして電子部品内蔵ユニット201が、複数回路のノイズ除去を行うノイズフィルタとして機能することになる。
【0082】
また、上述した第1〜3の実施形態では、電子部品接続箱を2つ有した電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットを説明したが、本発明では、電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットが、電子部品接続箱を2つ以上有していても良い。
【0083】
また、上述した第1〜3の実施形態では、相互係止部としての係止爪29と係止穴30、または、係止突起29a,29bと係止穴24a’,24b’を互いに係止させることにより、ケース11同士、または、ケース11,11F同士を互いに固定するようにしていたが、本発明では、ケース同士を例えば粘着テープ等で固定するようにしても良い。
【0084】
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1に示された電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットの分解図である。
【図3】図2に示された接地部材を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットを示す斜視図である。
【図5】図4に示された電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットの分解図である。
【図6】図5に示された接地部材を示す斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットを示す斜視図である。
【図8】図7に示された電子部品接続箱積層体及び電子部品内蔵ユニットの分解図である。
【図9】図8に示された接地部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
1,101,201 電子部品内蔵ユニット
2A〜2F 電子部品接続箱
3 コンデンサ(電子部品)
4 電線
7a,7b 固定部(相互接続部)
11,11F ケース
12A〜12F 接地部材
12f 接地部
13 係止部材
24a’,24b’ 係止穴(相互係止部)
29 係止爪(相互係止部)
29a,29b 係止突起(相互係止部)
30 係止穴(相互係止部)
33 端子(接地端子)
51,54,127,128 相互接続部
61,62,63 電子部品接続箱積層体
120 貫通孔
123 立設片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と該電子部品と電気的に接続される電線とが収容されるケースと、前記電子部品の接地端子と電気的に接続され該電子部品を介して前記電線を接地する導電性の接地部材と、を有する電子部品接続箱が複数積層されて設けられた電子部品接続箱積層体であって、
互いに隣り合う前記電子部品接続箱の前記接地部材同士に、互いに電気的に接続される相互接続部が設けられ、そして、
複数の前記電子部品接続箱のうち少なくとも1つの電子部品接続箱の前記接地部材に、導電性の相手部材に固定される固定部が設けられている
ことを特徴とする電子部品接続箱積層体。
【請求項2】
互いに隣り合う前記電子部品接続箱の前記ケース同士に、互いに係止して当該ケース同士を固定する相互係止部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子部品接続箱積層体。
【請求項3】
複数の前記電子部品接続箱のうち最も前記相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱に、前記相手部材に係止することにより複数の前記ケースを前記相手部材に取り付ける係止部材が設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子部品接続箱積層体。
【請求項4】
前記相互接続部が、互いに重なる板状の接地部と、該接地部に設けられた螺子止め用の貫通孔と、で構成され、そして、前記接地部同士が互いに重ねられてともに前記相手部材に螺子止めされる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち1項に記載の電子部品接続箱積層体。
【請求項5】
複数の前記電子部品接続箱のうち最も前記相手部材側に位置付けられる電子部品接続箱、または、最も前記相手部材から離れた側に位置付けられる電子部品接続箱の前記相互接続部に、前記接地部の外縁から立設した立設片が設けられ、そして、
該立設片が、前記接地部同士がともに螺子止めされる際に他の接地部の外縁に当たることにより、これら接地部同士が位置ずれすることを防止する
ことを特徴とする請求項4に記載の電子部品接続箱積層体。
【請求項6】
互いに隣り合う一対の前記電子部品接続箱のうち一方の前記相互接続部が、前記電子部品接続箱同士の積層方向に沿って延びた筒状に設けられ、
他方の前記相互接続部が、前記積層方向に沿って延びた板状に設けられ、そして、
一対の前記電子部品接続箱同士を積層することにより、筒状の前記相互接続部内に板状の前記相互接続部が侵入してこれら相互接続部同士が互いに係止する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち1項に記載の電子部品接続箱積層体。
【請求項7】
互いに隣り合う一対の前記電子部品接続箱のうち一方の前記相互接続部が、前記電子部品接続箱同士の積層方向に沿って延びた板状に設けられ、
他方の前記相互接続部が、前記積層方向に沿って板状に延びた板状部と、該板状部を前記積層方向に沿って切り欠いたスリットと、で構成され、そして、
一対の前記電子部品接続箱同士を積層することにより、板状の前記相互接続部が前記スリット内に侵入してこれら相互接続部同士が互いに係止する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうち1項に記載の電子部品接続箱積層体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子部品接続箱積層体と、
前記電子部品接続箱に収容される電子部品と、
前記電子部品接続箱に収容されかつ前記電子部品及び前記接地部材を介して接地される電線と、
を有していることを特徴とする電子部品内蔵ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−140690(P2009−140690A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314493(P2007−314493)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】