説明

電極組立体及びこれを用いる二次電池

【課題】 二次電池の過充放電又は内部短絡時の電極タッブ部位の発熱によるセパレータの収縮を防止して電極板間の追加的なショートを防止する。
【解決手段】 第1極集電体132と第1極活物質層134を備え少なくとも一側に第1極無地部133が形成された第1極板130,第2極集電体142と第2極活物質層144とを備え少なくとも一側に第2極無地部143が形成された第2極板140及び第1極板130と第2極板140とを絶縁させるセパレータ150を共に巻取り形成し,第1極板130と第2極板140の一側の第1極無地部133と第2極無地部143とに各々第1極タッブ136と第2極タッブ146とを固定する電極組立体を備える二次電池において,第1極板130と第2極板140及びセパレータ150を巻取る際,第1極板130または第2極板140と対向するセパレータ150の所定位置に接着する絶縁テープ160を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電極組立体及びこれを用いリチウムイオンを用いた二次電池に関し,より詳細には,二次電池の過充放電,または,内部短絡時の電極タッブ部位の発熱によるセパレータの収縮を防止して電極板間の追加的なショートを防止できる電極組立体及びこれを用いる二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
通常,二次電池(secondary battery)は,充電が不可能な一次電池とは異なり,充電及び放電が可能な電池をいうものであって,携帯電話,ノートブックコンピュータ,キャムコーダ等の先端電子機器分野で広く使われている。
【0003】
特に,リチウム二次電池市場は,作動電圧が3.7Vであって,携帯用電子装備電源としてたくさん使われているニッケル−カドミウム電池や,ニッケル−水素電池より3倍も高く,単位重量当たりエネルギー密度が高いという点で急速に伸びている趨勢である。
【0004】
このようなリチウム二次電池は,一般的に正極活物質としてはリチウム系酸化物を,負極活物質としては炭素材を使用している。また,電解液の種類によって液体電解質電池と高分子電解質電池とに分類され,液体電解質を使用する電池をリチウムイオン電池といい,高分子電解質を使用する電池をリチウムポリマー電池という。また,リチウム二次電池はいろいろな形状で製造されているが,代表的な形状としては円筒形,缶形及びパウチ形を挙げることができる。
【0005】
缶型リチウムイオン二次電池は,図1及び図2に示すように,缶10と,缶の内部に受容される電極組立体20と,上記缶10の上段開口部を封入するキャップ組立体70とを含んで形成する。
【0006】
上記缶10は,略直六面体の形状を有する金属材で形成することができ,それ自体が端子の役割を遂行することが可能である。上記缶10はその一面が開口された上段開口部10aを含み,上段開口部10aを通じて電極組立体20を受容する。
【0007】
上記電極組立体20は正極板30,負極板40及びセパレータ50を含む。上記正極板30と負極板40はセパレータ50が間に介されて積層された後,ジェリー−ロール(jelly−roll)形態で巻き取られる。
【0008】
上記正極板30は,薄板のアルミニウム箔からなる正極集電体32と上記正極集電体32の両面にコーティングするリチウム系酸化物を主成分とする正極活物質層34を含んでいる。正極集電体32上には正極活物質層34がコーティングされていない領域である正極無地部(positive electrode uncoated area)32aが正極板30の両端部に各々形成する。上記正極無地部32aには正極タッブ36が超音波熔接されて固定され,上記正極タッブ36の端部は上記正極集電体32の上段部上に突出するように固定する。正極タッブ36は,通常,ニッケル,または,ニッケル合金で形成され,他の金属素材も使われることができる。
【0009】
上記負極板40は,薄板の銅箔からなる負極集電体42と上記負極集電体42の両面にコーティングする炭素材を主成分とする負極活物質層44とを含んでいる。上記負極集電体42にも負極活物質層44がコーティングされていない領域である負極無地部(negative electrode uncoated area)42aが負極板の両端部に所定領域で形成する。上記負極無地部42aには負極タッブ46が超音波熔接されて固定され,上記負極タッブ46の端部も上記負極集電体42の上段部上に突出するように固定する。負極タッブ46は,通常,ニッケル,または,ニッケル合金で形成され,他の金属素材も使われることができる。
【0010】
一方,上記セパレータ50は,各電極板30,40間の絶縁のために上記正極板30と負極板40との間に配置されている。上記セパレータ50はポリエチレン若しくはポリプロピレン,ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルムからなっている。上記セパレータ50は上記正極板30と負極板40より幅を広く形成することが極板30,40間の短絡の防止に一層有利である。
【0011】
上記キャップ組立体70は,キャッププレート71と,絶縁プレート72,ターミナルプレート23及び負極端子74を含んでなる。キャップ組立体70は別途の絶縁ケース79と結合されて缶10の上段開口部10aに結合されて缶を封入することになる。
【0012】
ところが,二次電池の充放電時に発生する過充放電または電極のショート時に缶の内部に発熱が発生することになる。特に,缶の内部において電極板と電極タッブが熔接する部位は異種金属が接合する部位であるので,内部抵抗(inernal resistance,IR)が増加されて,発熱が集中する。電極タッブの周囲で発熱が集中すれば正極板と負極板とを絶縁させるセパレータは溶融され,収縮する。特に,図2において,破線52で表示したように,負極タッブ46に位置したセパレータ50の端部で収縮が激しくなって,負極板40と正極板30との間の絶縁膜がなくなる現象が生じる。従って,負極板40と正極板30との間で追加的なショートが発生する問題がある。二次電池で発熱が激しい場合には,正極タッブ36に位置したセパレータ50の端部でも収縮が生じることになる。
【0013】
最近は,二次電池の高容量化が進行することにつれて,二次電池のエネルギー密度が増加している。従って,二次電池の過充放電,または,内部短絡時の電極タッブ部位の発熱による電極板間のショートとそれに従う二次電池の発熱及び爆発が更に発生する問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は,上記の問題を解決するためのものであって,二次電池の過充放電,または,内部短絡時の電極タッブ部位の発熱によるセパレータの収縮を防止して電極板間の追加的なショートを防止できる電極組立体及びこれを用いる二次電池を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような目的の達成のための本発明の二次電池は,第1極集電体と,第1極活物質層とを備え,少なくとも一側に第1極無地部が形成された第1極板と,第2極集電体と第2極活物質層とを備え,少なくとも一側に第2極無地部が形成された第2極板及び上記第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータが共に巻取られて形成され,上記第1極板と第2極板の一側の第1極無地部と第2極無地部とに各々第1極タッブと第2極タッブとが固定する電極組立体を備え,上記第1極板と第2極板及びセパレータが巻取られる際,上記第1極板または第2極板と対向する上記セパレータの所定位置で前記セパレータに接着した絶縁テープを含んで前記電極組立体を形成することができる。その際,上記絶縁テープは上記電極組立体の内周部に位置する上記第2極板の第2極活物質層の端部を含む第2極無地部領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータの一面に接着できる。また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の内周部に位置する上記第2極板の第2極無地部領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータの一面に接着できる。また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の内周部に位置する上記第2極板の第2極無地部の端部を含む領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータに接着でき,上記絶縁テープは,上記第2極板の第2極無地部の端部が上記絶縁テープの幅の中心に位置するように上記セパレータに接着してもよい。また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の内周部に位置する上記第2極板の端部から外れて上記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着できる。
【0016】
また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極活物質層の端部を含む第1極無地部領域に対応する位置のセパレータの一面に接着できる。また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極無地部領域に対応する位置のセパレータの一面に接着できる。また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極無地部の端部を含む領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータに接着でき,上記第2極板の第2極無地部の端部が上記絶縁テープの幅の中心に位置するように上記セパレータに接着してもよい。また,上記絶縁テープは,上記第1極板の端部から外れて,上記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着できる。その際,上記絶縁テープは,上記絶縁テープが上記電極組立体の内周部に位置する際は,上記第2極板と接触されないセパレータ面に接着され,上記絶縁テープが上記電極組立体の外周部に位置する際は,上記第1極板と接触されないセパレータ面に接着できる。
【0017】
また,本発明において,上記絶縁テープは,所定幅と少なくとも上記第2極板の高さで形成することができ,上記絶縁テープはPIまたはPPSまたはPP材質で形成してもよい。また,上記絶縁テープは5〜200μmの厚さで形成してもよい。
【0018】
また,本発明において,上記第1極タッブは電極組立体の内周部に設けられ, 上記第2極タッブは上記電極組立体の外周部に設けられることができ,上記第1極タッブと第2極タッブとは,上記電極組立体の内周部から所定間隔離隔して設けられることができる。また,本発明において,上記電極組立体の外周部で上記セパレータに接着する絶縁テープの厚さは,上記電極組立体の内周部で上記セパレータに接着する絶縁テープの厚さより小さく形成してもよい。
【0019】
また,本発明に係る電極組立体は,第1極集電体と第1極活物質層とを備え,一側の第1極無地部に第1極タッブが熔接された第1極板と,第2極集電体と第2極活物質層を備え,一側の第2極無地部に第2極タッブが熔接された第2極板と, 第1極板と第2極板とが共に巻取られ,かつ,第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータ及び上記第1極板,第2極板及びセパレータが巻取られる際,上記第1極板または第2極板と対向する上記セパレータの所定位置に接着する絶縁テープを含んで形成することができる。その際,上記絶縁テープは,上記電極組立体の内周部に位置する上記第2極板の第2極活物質層の端部を含む第2極無地部領域に対応する位置で少なくとも一つのセパレータの一面に接着できる。また,上記絶縁テープは,上記電極組立体の内周部に位置する上記第2極板の端部から外れて,上記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着できる。
【0020】
また,本発明の電極組立体において上記絶縁テープは,上記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極活物質層の端部を含む第1極無地部領域に対応する位置で少なくとも一つのセパレータの一面に接着できる。また,上記絶縁テープは,上記第1極板の端部から外れて,上記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着できる。その際,上記絶縁テープは,所定幅と少なくとも上記第2極板の高さで形成することができる。
【0021】
また,本発明において,上記第1極板は負極板で,第2極板は正極板で形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると,二次電池の充放電時に発生する過充放電または電極の短絡時に電極タッブでの発熱によってセパレータの溶融収縮が発生することを防止して電極タッブと電極板との間の追加的な短絡を防止できる効果がある。
【0023】
本発明によると,最近の二次電池の高容量化により発生する電極タッブ部位の発熱に伴う電極板間の短絡とそれに伴う二次電池の発熱及び爆発を防止して,二次電池の安全性を向上させることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に,添付した図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する発明特定事項については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
以下,添付の図面を参考しながら本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
【0026】
図3は,本発明の第1の実施の形態に係る電極組立体の巻取前の斜視図を示す。
【0027】
図4は,図3の電極組立体の平面図を示す。図5は,図3の電極組立体の巻取後の平面図を示す。本発明に係る二次電池は,図1を参照すると,缶10と,缶10の内部に受容される電極組立体100と,上記缶10の上段開口部を封入するキャップ組立体70とを含んで形成する。従来の二次電池と同じ部分は図1の図面符号を使用して説明する。
【0028】
上記缶10は,図1を参照すると,略直六面体の形状を有する金属材で形成することができ,それ自体が端子の役割を遂行することが可能である。上記缶10はその一面が開口された上段開口部10aを含み,上段開口部10aを通じて電極組立体100を受容する。
【0029】
上記キャップ組立体70は,キャッププレート71,絶縁プレート72,ターミナルプレート23及び第1極端子74を含んで構成する。キャップ組立体70は別途の絶縁ケース79と結合されて缶10の上段開口部10aに結合されて缶10を封入することになる。
【0030】
上記電極組立体100は,図3ないし図5を参照すると,第2極板130と第1極板140及びセパレータ150を含んで形成され,上記第2極板130と第1極板140とを絶縁させるセパレータ150が介されて積層された後,ジェリー−ロール(jelly−roll)形態で巻取られる。また,上記電極組立体100は上記セパレータ150の所定位置に接着する絶縁テープ160を含んで形成する。その際,上記第1極板140は負極板で,第2極板130は正極板で形成することができる。
【0031】
また,電極組立体100の内周部には第1極板140に熔接されて上部に突出する第1極タッブ146が形成されており,外周部には上記第2極板130に熔接されて上部に突出する第2極タッブ136が形成されている。ここで,上記内周部は上記電極組立体100の巻取時の中心部を意味し,上記外周部は電極組立体100の外部側を意味し,内周部と対応する概念である。上記第1極タッブ146と第2極タッブ136は形成する位置が反対にすることができ,上記第1極タッブ146と第2極タッブ136とが全て内周部に形成することができることは勿論である。
【0032】
上記第2極板130は第2極集電体132と第2極活物質層134とを含んで構成する。上記第2極集電体132は薄板のアルミニウム箔で形成され,第2極集電体132の両面にはリチウム系酸化物を主成分とする第2極活物質層134が所定厚さで塗布する。また,第2極集電体132の少なくとも一端には第2極活物質層134がコーティングされていない領域の第2極無地部133が所定領域として形成する。上記第2極タッブ136は上記第2極無地部133の両端中から一端に位置する上記第2極無地部133に超音波熔接またはレーザー熔接により固定する。上記第2極タッブ136はニッケル金属で形成され,上段部が上記第2極集電体132の上段部上に突出するように固定する。
【0033】
上記第1極板140は,第1極集電体142と第1極活物質層144とを含んで構成する。上記第1極集電体142は薄板の銅箔で形成され,第1極集電体142の両面には炭素材を主成分とする第1極活物質層144が塗布する。また,第1極集電体142の少なくとも一端には第1極活物質層144がコーティングされていない領域である第1極無地部143が形成する。上記第1極タッブ146は,ニッケル金属で形成され,両端の第1極無地部143中,巻取時の内周部に位置する第1極無地部143に超音波熔接されて固定する。上記第1極タッブ146はその上段部が第1極集電体140の上段部上に突出するように固定する。
【0034】
上記セパレータ150は,図5を参照すると,上記電極組立体100から上記第2極板130と第1極板140を絶縁させるために上記第2極板130と第1極板140との間に介されて巻取られる。また,上記セパレータ150は,上記第2極板130と第1極板140及びセパレータ150が巻取られる際,上記第2極板130または第1極板140と対向する上記セパレータ150の所定位置に接着する絶縁テープ160を含む。
【0035】
上記絶縁テープ160は,所定幅と少なくとも上記第2極板130または第1極板140の高さで形成されて上記セパレータ150の一面に接着され,上記第2極板130と接触されないセパレータ150面に接着する。上記セパレータ150は所定幅で形成してもよく,上記第2極板130の第2極無地部133に対応する位置の上記セパレータ150に接着されて,上記セパレータ150が熱によって収縮することを防止することになる。即ち,上記絶縁テープ160はセパレータ150の一定の面積に接着されて,上記セパレータ150が熱を受ける場合にも上記セパレータ150を支えるので,セパレータ150の収縮を防止できることになり,特に,上記電極組立体100から熱が大いに発生する第1極タッブ146が形成された位置と対応する位置でセパレータ150の収縮を效果的に防止できることになる。
【0036】
上記絶縁テープ160は,第1極板140及び第2極板130が上記セパレータ150と共に巻取られて電極組立体100を形成する際,電極組立体100の内周部に位置する上記第2極板130の第2極活物質層134の端部を含む第2極無地部133領域に対応する位置で少なくとも一つの上記セパレータ150の一面に接着する。上記セパレータ150は上記第2極板130の両面に対をなして介されて巻取られるので,上記セパレータ150の各々の一面に接着する。その際,上記絶縁テープ160は,上記第2極板130の第2極無地部133と接触されないセパレータ150面に接着するようにしてもよい。上記第2極板130の第2極無地部133と接触する上記セパレータ150面に上記絶縁テープ160が接着できることは勿論である。上記絶縁テープ160が上記第2極板130の第2極活物質層134の端部部位を含む領域に対応する位置のセパレータ150に接着すると,上記絶縁テープ160は上記第2極活物質層134の端部部位の突出部による上記セパレータ150の損傷を防止できることになる。
【0037】
また,上記絶縁テープ160は,上記電極組立体100の内周部に位置する上記第2極板130の第2極無地部133領域に対応する位置で少なくとも一つのセパレータの一面に接着できる。即ち,上記電極組立体100の内周部に位置する上記第1極タッブ146が形成する位置と対応する位置に通常的に上記第2極板130の第2極無地部133が位置することになるので,上記絶縁テープ160は上記第2極板130の第2極無地部133領域に対応する位置のセパレータ150に接着してもよい。
【0038】
また,上記絶縁テープ160は,上記電極組立体100の内周部に位置する上記第2極板130の第2極無地部133の端部を含む領域に対応する位置のセパレータ150に接着できる。上記セパレータ150が熱により収縮する場合には,まず,端部から収縮されながら上記第2極板130の第2極無地部133の端部が露出して上記第1極板140と短絡する可能性がある。従って,上記絶縁テープ160は上記第2極板130の第2極無地部133の端部を含む領域に対応する位置のセパレータ150に接着してもよい。また,上記絶縁テープ160は上記第2極板130の第2極無地部133の端部が上記絶縁テープ160の幅の中心に位置するように,上記セパレータ150に接着してもよい。
【0039】
また,上記絶縁テープ160は上記電極組立体100の内周部に位置する上記第2極板130の端部から外れて上記セパレータ150同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータ150に接着できる。即ち,上記セパレータ150が上記第2極板130の第2極無地部133から大いに外れて,長く形成する場合には,上記セパレータ150の端部に上記絶縁テープ160が接着でき,その際,上記絶縁テープ160は上記第2極板130の端部から外れたセパレータ150の端部領域に接着されて,上記セパレータ150の端部の収縮を防止することになる。
【0040】
一般的に,上記電極組立体100では,上記第1極板140または第2極板130に第1極タッブ146または第2極タッブ136が熔接された部分で発熱量が多くなり,特に,上記第1極板140に第1極タッブ146が熔接された部分は電極組立体100内で発熱量が最も多くなる。従って,上記電極組立体100の内周部に巻取られるセパレータ150の収縮が激しくなる。
【0041】
しかし,セパレータ150の一面に温度に伴う変化の少ない絶縁テープ160を接着させれば,電極組立体100の内周部,特に,第1極タッブ146部位から熱が発生しても,隣り合うセパレータ150の収縮を防止できることになる。従って,第2極板130と第1極板140が互いに短絡することを防止できることになる。
【0042】
上記絶縁テープ160は二次電池に使われる電解液に耐性があり,かつ,耐熱性が強くて,150℃以上でも収縮等の変形のないPPS(Polyphenylene Sulfide),PI(polyimide),PP(polypropylene)のような材質の接着テープで形成され,厚さは,5〜200μmで形成してもよい。厚さが5μmより薄ければ絶縁テープ160の強度が足りないのでセパレータの収縮現象の防止が困難であり,200μmを超過してあまり厚ければゼリーロールの厚さが部分的に厚くなることになる。
【0043】
また, 上記絶縁テープ160によって上記第1極タッブ146部位から発生する熱が上記セパレータ150に直ぐ伝えられることを防止できることになる。
【0044】
図6は,本発明の第2の実施の形態に係る電極組立体の巻取後の平面図を示す。
【0045】
本発明の第2の実施の形態に係る電極組立体100aは,図6を参照すると,内周部の上記第2極板130の第2極無地部133に対応する位置のセパレータ150aだけでなく,外周部の第1極板140に対向する位置のセパレータ150aにも絶縁テープ160aが接着できる。即ち,上記電極組立体100aの外周部に位置する上記第1極板140に接触されないセパレータ150a面に上記絶縁テープ160aが接着できる。
【0046】
上記絶縁テープ160aは,上記電極組立体100aの外周部に位置する上記第1極板140の第1極活物質層144の端部を含む第1極無地部143領域に対応する位置において,少なくとも一つのセパレータ150aの一面に接着できる。上記セパレータ150aは上記第1極板140の両面に対をなして介されて巻取られるので,上記絶縁テープ160aは上記セパレータ150aの各々の一面に接着する。その際,上記絶縁テープ160aは,上記第2極板130の第2極無地部133と接触されない面のセパレータ150に接着するようにしてもよい。
【0047】
上記絶縁テープ160aが上記第1極板140の第1極活物質層144の終端部位を含む領域に対応する位置のセパレータ150aに接着すると,上記絶縁テープ160aは上記第1極活物質層144の終端部位の突出部による上記セパレータ150aの損傷を防止できる効果があることになる。
【0048】
上記電極組立体100aの外周部には一般的に第2極タッブ136が形成され,発生する熱が缶10の外部方向に広がるので,発生する熱が上記電極組立体100aの内周部よりは小さくなる。しかし,二次電池の内部で熱が急激に発生する場合には,外周部でもセパレータ150aが収縮できる。従って,上記第1極板140の第1極無地部143に対応する位置のセパレータ150aにも絶縁テープ160aが接着されて,セパレータ150aの収縮を防止するようにする。
【0049】
但し,上記電極組立体100aの外周部のセパレータ150aに接着する絶縁テープ160aは内周部のセパレータ150aに接着する絶縁テープ160より厚さの薄い絶縁テープを使用することが可能になる。
【0050】
上記絶縁テープ160aは上記電極組立体100aの外周部に位置する上記第1極板140の第1極無地部143領域に対応する位置において,少なくとも一つのセパレータの一面に接着できる。即ち,上記電極組立体100aの外周部に位置する上記第2極タッブ136が形成する位置と対応する位置に通常的に上記第1極板140の第1極無地部143が位置することになるので,上記絶縁テープ160aは上記第1極板140の第1極無地部143領域に対応する位置のセパレータ150aに接着してもよい。
【0051】
また,上記絶縁テープ160aは上記電極組立体100aの外周部に位置する上記第1極板140の第1極無地部143の端部を含む領域に対応する位置のセパレータ150aに接着できる。上記セパレータ150aが熱により収縮する場合には,まず,端部から収縮されながら上記第1極板140の第1極無地部143の端部が露出して,上記第2極板130と短絡する可能性がある。
【0052】
従って,上記絶縁テープ160aは上記第1極板140の第1極無地部143の端部を含む領域に対応する位置のセパレータ150aに接着してもよい。また,上記絶縁テープ160aは上記第1極板140の第1極無地部143の端部が上記絶縁テープ160aの幅の中心に位置するように,上記セパレータ150aに接着してもよい。
【0053】
また,上記絶縁テープ160aは上記電極組立体100aの外周部に位置する上記第1極板140の端部から外れて,上記セパレータ150a同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータ150aに接着できる。即ち,上記セパレータ150aが上記第1極板140の第1極無地部143を大いに外れて,長く形成する場合には,上記セパレータ150aの端部に上記絶縁テープ160aが接着することができ,その際,上記絶縁テープ160aは上記第1極板140の端部から外れたセパレータ150aの端部領域に接着されて,上記セパレータ150aの端部が収縮することを防止することになる。
【0054】
図7は,本発明の第3の実施の形態に係る電極組立体の巻取後の平面図を示す。
【0055】
本発明の第3の実施の形態に係る上記電極組立体100bは,図7を参照すれば,上記第2極タッブ136bと第1極タッブ146bとが全て電極組立体100bの内周部に形成され,上記第2極板130bの第2極無地部133bに対応する位置のセパレータ150bの少なくとも一面に絶縁テープ160が形成する。上記第2極板130bの第2極無地部133bと接触されない上記セパレータ150b面に上記絶縁テープ160が接着するようにしてもよい。
【0056】
従って,上記セパレータ150bは上記絶縁テープ160により固定するので,熱の発生時にも収縮されないし,上記第2極板130bと第1極板140bが互いに短絡しない。上記電極組立体100bの第1極板140bと第2極板130b及び絶縁テープ160の別の形状は図5または図6と同一に形成することができる。ここではその詳細な説明を省略する。
【0057】
また,本明細書では本発明の好適な実施の形態として,本発明の電極組立体をゼリーロール形状で形成した後,一定に圧着した缶型二次電池について説明したが,これは,但に角形二次電池に限るのではなく,本実施の形態のような電極ゼリーロールが使われることができる電池はいかなる形態でも適用可能である。従って,本発明は角形二次電池だけでなく,円筒形二次電池とボタン形二次電池及び一次電池等,多様に適用することができる。
【0058】
以上,説明した通り,本発明は上述した特定の好ましい実施の形態に限るのではなく,特許請求範囲で請求する本発明の要旨を外れない範囲内で当該発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変形の実施が可能であることは勿論であり,そのような変更は特許請求範囲の記載の範囲内にあることになる。
【0059】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】従来の二次電池の概略的な説明図である。
【図2】従来の電極組立体の巻取前の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電極組立体の巻取前の斜視図である。
【図4】図3の電極組立体の平面図である。
【図5】図3の電極組立体の巻取後の平面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による電極組立体の巻取後の平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の電極組立体の巻取後の平面図である。
【符号の説明】
【0061】
130 正極板
132 正極集電体
133 正極無地部
134 正極活物質層
136 正極タッブ
140 負極板
142 負極集電体
143 負極無地部
144 負極活物質層
146 負極タッブ
150 セパレータ
160 絶縁テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1極集電体と,第1極活物質層を備え,少なくとも一側に第1極無地部が形成された第1極板と,第2極集電体と第2極活物質層とを備え,少なくとも一側に第2極無地部が形成された第2極板及び前記第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータが共に巻取られて形成され,前記第1極板と第2極板の一側の第1極無地部と第2極無地部とに各々第1極タッブと第2極タッブとが固定する電極組立体を備える二次電池において,
前記電極組立体は,前記第1極板または第2極板と対向する前記セパレータの所定位置で前記セパレータに接着した絶縁テープを含むことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の第2極活物質層の端部を含む第2極無地部領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータの一面に接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項3】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の第2極無地部領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータの一面に接着することを特徴とする請求項2記載の二次電池。
【請求項4】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の第2極無地部の端部を含む領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータに接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項5】
前記絶縁テープは,前記第2極板の第2極無地部の端部が前記絶縁テープの幅の中心に位置するように前記セパレータに接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項6】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の端部から外れて前記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項7】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極活物質層の端部を含む第1極無地部領域に対応する位置のセパレータの一面に接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項8】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極無地部領域に対応する位置のセパレータの一面に接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項9】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の外周部に位置する前記第1極板の第1極無地部の端部を含む領域に対応する位置の少なくとも一つのセパレータに接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項10】
前記絶縁テープは,前記第1極板の第1極無地部の端部が前記絶縁テープの幅中心に位置するように前記セパレータに接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項11】
前記絶縁テープは,前記第1極板の端部から外れて,前記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項12】
前記絶縁テープは,前記絶縁テープが前記電極組立体の内周部に位置する際は,前記第2極板と接触されないセパレータ面に接着され,前記絶縁テープが前記電極組立体の外周部に位置する際は,前記第1極板と接触されないセパレータ面に接着することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項13】
前記絶縁テープは,所定幅と少なくとも前記第2極板の高さで形成することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項14】
前記絶縁テープは,PI,PPS,または,PP材質で形成することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項15】
前記絶縁テープは,5〜200μmの厚さで形成することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項16】
前記第1極タッブは電極組立体の内周部に設けられ,前記第2極タッブは前記電極組立体の外周部に設けられることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項17】
前記第1極タッブと第2極タッブとは,前記電極組立体の内周部から所定間隔離隔して設けられることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項18】
前記電極組立体の外周部で前記セパレータに接着する絶縁テープの厚さは前記電極組立体の内周部で前記セパレータに接着する絶縁テープの厚さより小さく形成することを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項19】
第1極集電体と第1極活物質層を備え,一側の第1極無地部に第1極タッブが熔接された第1極板と,
第2極集電体と第2極活物質層を備え,一側の第2極無地部に第2極タッブが熔接された第2極板と,
第1極板と第2極板とが共に巻取られ,かつ,第1極板と第2極板とを絶縁させるセパレータと,
前記第1極板または第2極板と対向する前記セパレータの所定位置で前記セパレータに接着した絶縁テープを含むことを特徴とする二次電池用電極組立体。
【請求項20】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の第2極活物質層の端部を含む第2極無地部領域に対応する位置で少なくとも一つのセパレータの一面に接着することを特徴とする請求項19記載の二次電池用電極組立体。
【請求項21】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の内周部に位置する前記第2極板の端部から外れて前記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着することを特徴とする請求項19記載の二次電池用電極組立体。
【請求項22】
前記絶縁テープは,前記電極組立体の外周部に位置する上記第1極板の第1極活物質層の端部を含む第1極無地部領域に対応する位置で少なくとも一つのセパレータの一面に接着することを特徴とする請求項19記載の二次電池用電極組立体。
【請求項23】
前記絶縁テープは,前記第1極板の端部から外れて,前記セパレータ同士接触された領域の少なくとも一つのセパレータに接着することを特徴とする請求項19記載の二次電池用電極組立体。
【請求項24】
前記絶縁テープは,所定幅と少なくとも前記第2極板の高さで形成することを特徴とする請求項19記載の二次電池用電極組立体。
【請求項25】
前記第1極板は負極板で,第2極板は正極板で形成することを特徴とする請求項19記載の二次電池用電極組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−12812(P2006−12812A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179625(P2005−179625)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】