説明

電気、熱、及び水素ガスの形態でのエネルギーの同時生成のための方法及び装置

炭素質ガスから、電気、水素ガス及び熱の形態で、エネルギーの持続可能な同時生成をする方法及び装置であり、方法は、i.炭素質ガスの供給チャージを第1の供給ガス流と第2の供給ガス流とに継続的に分割し、ii.第1の供給ガス流をプライマリSOFCにチャージして電気と熱とCOを生成し、iii.他方の供給ガス流を水素ガス生成反応器システムにチャージして水素とCOを生成し、iv.少なくとも部分的に少なくとも1つのSOFC内で生じた熱により水素ガス生成システムを加熱し、v.必要に応じ純粋な酸素中でアフターバーナーガスを燃焼させ排出ガスを乾燥させてプライマリSOFC内で生成されたCOを捕捉し、vi.水素ガス生成反応器システム内で生成されたCOを吸収剤の使用で捕捉することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成ガス、及び/又は、天然ガス(これらは、更には、いくつかの主要なエネルギー源から得られてもよい)に基づく、電気、熱、及び水素ガスの形態でのエネルギーの同時生成のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力、熱、及び水素に対する、世界の需要は、予見できる将来にわたって、ガス状の、液体の、又は固体の化石燃料に基づくであろう。従って、地球温暖化への国際的関心は、炭素の捕捉及び貯蔵(CCS)に、ますます集中するであろう。CCSの問題の取り扱いを含む、環境に優しい、コスト効率及びエネルギー効率が高い技術の開発は、従って、不可避である。
【0003】
この関連における主要な課題の1つは、超重質油及びビチューメンの、回収及びアップグレーディングである。世界的な、化石エネルギー需要の増加と、在来型資源の減少との同時発生により、石油業界は、非在来型資源に向きを変えるであろう。これに関連して、世界中に蓄積された4兆バレルを超える超重質油(EHO)及びビチューメンが存在する、ということに言及しておく。例えばタールサンドからの、これらの資源の回収、及びアップグレーディングは、環境に大きな影響を及ぼす、非常に大量のエネルギーを消費するプロセスである。
【0004】
タールサンド業界では、今日、(例えば、SAGD(蒸気支援重力排出)のための)蒸気、及び電力を生成するため、かつ、アップグレーディングプロセスのための水素を生成するために、天然ガスが主に使用されている。
【0005】
長期に渡る天然ガスのコスト及び供給に対する懸念は、しかし、事業者に、ガス化ベースのエネルギー生成を、将来のプロジェクトのために考慮する動機を与えた。商用のビチューメンアップグレーディングプロセスは、高硫黄石油コークスアスファルテン副産物を生成し、これは現在備蓄されている。このような機会燃料(opportunity fuels)は、(必要に応じて、石炭、及び/又は、ビチューメンの未処理部分と共に)ガス化されて、水素、電力、及び蒸気を生成することが可能であり、従って、貴重な天然ガスに対する需要をなくす可能性がある。
【0006】
そのようなガス化ベースのシステムの最初のものは、カナダ、アルバータ州において、構築の進行した段階にある。Opti−Nexen Canada,Inc.(オプティ−ネクセンカナダ,インク.)によって所有されるLong Lake(ロングレイク)プロジェクトは、アスファルテン残渣のガス化によって燃料供給される、完全に統合された、ビチューメン抽出及びアップグレーディング設備である。(G.Ordorica−Garcia et.al(G.オルドリカ−ガルシアら)著、Energy Procedia 1(2009年)3977〜3984ページ:CO2 Capture Retrofit Options for a Gasification−based Integrated Bitumen Extraction and Upgrading Facility(ガス化ベースの統合されたビチューメン抽出及びアップグレーディング設備のためのCO2捕捉レトロフィットオプション))。ガス化ユニットは、コージェネレーションプラント内で、アップグレーディングのために必要とされる水素と、電力及び蒸気生成のための合成ガス燃料とを提供し、結果として、ほぼ完全にエネルギーを自給できる運用をもたらす。
【0007】
しかし、天然ガス、及び/又は、合成ガスの使用は、かなりの量のCOの、大気中への放出をもたらして、地球温暖化に寄与する。
【0008】
今日、オイルサンド業界内での、CCS技術の適用は、主として、水素生成及び電力プラントをターゲットにしており、その理由は、それらがCOの最大の点源(point source)だからである。将来の統合されたガス化ベースのプラント(合成ガス、蒸気、電力、及び(アップグレーディングのための)水素の生成)も、CCSの課題に対応しなければならない。そのような場合における、CO捕捉が、今日利用可能な技術に基づく場合、これは、資本及び運用コスト、並びに、プラント性能(特に、レトロフィッティングが必要とされる場合)に、かなりの影響を及ぼすであろう。
【0009】
「炭素質材料からの水素製造」のための方法及び装置が、Lackner et al(ラックナーら)、国際公開第01/42132(A1)号によって特許されている。この装置は、石炭の、ガス化容器中での水素化によるガス化を実行する。このプロセス段階に続いて、炭酸化容器中での酸化カルシウムの炭酸化反応を使用して駆動される、メタン及び水からの水素生成が行われる。そのようなプロセスは、しばしば、収着強化水蒸気メタン改質による水素生成(Hydrogen production by sorption enhanced steam methane reforming)(SE−SMR)と呼ばれる。ガス化ステップにおいて(ラックナーら)、石炭(又は、合成ガス)が、水素を使用して水素化され、主にメタンからなる、ガス状反応生成物が生成される。このガス状反応生成物は、炭酸化容器に運ばれ、そこで、水、及び酸化カルシウムと反応して、水素、及び固体炭酸カルシウムが生成され、かつ、生成物ガス流から二酸化炭素が除去される。
【0010】
ラックナーらのプロセスは、例えばSAGDのための、余分な熱を提供しない。従って、このプロセスには、多くの興味深い適用例のために望ましい汎用性が欠如している。更に、プロセスシステムの全てのCOが、SE−SMR−プロセス内で捕捉される。これは、例えばタールサンド業界における、必要な量の水素及び電気と組み合わされた、大量の外部熱が必要とされる適用例においては、コスト効率が良くない可能性がある。
【0011】
国際公開第2004/025767号パンフレット(Vik et al.(ビークら))では、炭化水素含有流からの電気の生成のためのプラントが開示されている。一実施形態によれば、SOFCが、電気を生成するために使用される。このプロセスは、水素を生成するために燃料を改質してから、水素を他の成分から分離して、純粋な水素を燃料電池への燃料として使用することを含む。改質の間に生成されるCOは、それに続く使用又は貯蔵のために、捕捉されてもよい。ビークらのプロセスは、余剰熱が必要とされない、かつ、高効率の、電気及び水素の同時生成のみが主な目的である、適用例をターゲットにしている。
【0012】
従って、エネルギー最適化、CO捕捉、及び地表化貯蔵又は使用(例えば、EOR)に焦点を合わせた、新たな技術(好ましくは、変革)が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2001/42132号
【特許文献2】国際公開第2004/025767号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、コスト効率及びエネルギー効率が高い、重油及びビチューメンの持続可能な回収、重油及びビチューメンからのエネルギー生成、並びに、バイオマス及び有機廃棄物からの持続可能なエネルギー生成を、工業規模で可能にする方法を提供することである。
【0015】
派生した目的は、効率的な二酸化炭素捕捉及び貯蔵を提供する、かつ、電気、水素、及び熱の形態での、エネルギーの非常に汎用的な生成を可能にする手段を、上記に提供することである。これに関しての「汎用性(versatility)」は、これらのエネルギー形態の量の比率が、本発明のプロセス内での、パラメータの単なる変更によって、広い限界内で変更されてもよい、ということと理解される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的は、請求項1によって規定された発明に従った方法によって達成される。
【0017】
別の態様によれば、本発明は、請求項16によって規定された方法を実行するための装置に関する。
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項によって開示される。
【0019】
「燃料電池」、「SOFC」、又は「少なくとも1つの燃料電池又はSOFC」への言及が行われる場合、工業的ケースでは、燃料電池のいくつかのスタックが存在する可能性がある、ということに一般的に留意されたい。
【0020】
「天然ガス」は、一般に、地下層から回収されたメタンが豊富なガスを意味するが、本明細書で提示される文脈における「天然ガス」は、任意のメタンが豊富なガスを、その起源に関係なく含むことが意図されている。
【0021】
用語「プライマリSOFC」とは、本発明による方法又は装置に含まれる、別の(セカンダリ)SOFCが存在することを必ずしも意味しない、ということに留意されたい。別の(セカンダリ)SOFCの存在は、本発明の省略可能な特徴である。
【0022】
コスト効率が高い、COの捕捉は、本技術の主要な利点であり、今日の環境状況では、本発明に基づくいかなる工業プラントにおいても、CO捕捉が含まれることは明らかである、ということに更に留意されたい。環境状況は、しかし、時が経つにつれて変化する可能性があるため、かつ、本発明の方法は、CO捕捉を伴っても伴わなくても有益であるため、この特徴は、依然として、SOFCユニットと比較して省略可能な特徴と呼ばれる。
【0023】
本技術は、そのような変革技術を表し、上で示した目的への大きな寄与を提供する。
【0024】
本発明の概念は、全て、2つの主要な「構成要素」に基づく。
1.合成ガス及び天然ガスに(直接的に)基づく、SOFC熱電併給(CHP)プラント
2.合成ガス(COシフト反応)、又は天然ガス(SE−SMR反応、収着強化水蒸気メタン改質)に基づく、統合されたCO捕捉(固体CO吸収剤(例えば、CaO)を使用した、水素ガス生成ユニット
【0025】
これらの2つの構成要素は、熱を、ガス化ユニット(合成ガスの生成)に提供し、蒸気を、SAGDと、水素生成ユニット(CO2吸収剤の再生)と、アップグレーダとに提供し、電気を、総合生成設備における内部使用のため、及びローカルグリッドへの販売のために提供し、そして、水素を、アップグレーダ(SAGDからのビチューメンの、合成原油、又はより精製された生成物へのアップグレーディング)に提供する。
【0026】
COは、2つ、又は3つの異なる手法で捕捉されてもよい。
a)SOFCスタックから直接に(「アフターバーナー」ガスを純粋な酸素中で燃焼させることによって。エネルギー効率を2〜3%減少させるのみ)。
b)合成ガスの水素を生成することによって。
【0027】
後者の場合、COは、COシフト反応内に組み込まれたCO吸収剤(例えば、CaO)によって捕捉される。純粋なCOが、再生反応(CaCOの、CaO及び(貯蔵又は使用のための)COへのカルシネーション)内で放出される。水素は、この場合、一部は熱及び電気の生成のためにSOFCに供給するために使用され、一部はアップグレーダ内で使用される。
c)COは、a)とb)との組み合わせによって捕捉される。実際には、これが、好ましい、最もコスト効率が高い解決法である可能性がある。
【0028】
本発明の様々な実施形態について、包含されている図面を参照して、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1a】適用例によって限定されない、本発明の原理の概略図である。
【図1b】適用例によって限定されない、本発明の原理の概略図である。
【図1c】適用例によって限定されない、本発明の原理の概略図である。
【図2a】主要なエネルギー源が天然ガスである、本発明の原理の概略図である。
【図2b】図2aによって示されるプロセスの変形を示す。
【図2c】図2aによって示されるプロセスの、別の変形を示す。
【図2d】図2aによって示されるプロセスの、更に別の変形を示す。
【図3a】重油/ビチューメンが主要なエネルギー源である適用例における、本発明の概略図である。
【図3b】図3aの、分散型の変形を示す。
【図4】バイオマスが主要なエネルギー源である適用例における、本発明の概略図である。
【図5】バイオマスが主要なエネルギー源である、別の適用例における、本発明の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1a〜図1cは、統合されてコスト効率及びエネルギー効率が高いCO捕捉を使用した、3つのエネルギー要素(電気、熱、及び水素)の柔軟な生成の原理を一般に示す。
【0031】
図1aは、炭素質燃料が、ガス化ユニットに供給され、プラントからの熱によって加熱されることを示し、ここで、チャージは合成ガスに転化される。関連する要求に応じて精製された後、合成ガスは、第1及び第2の供給ガス流に分割される。2つの間の比率は、当該適用例によって、特に、内部及び外部からの水素に対する要求によって決定される。第1の供給ガス流は、電気と水素とを生成するために、燃料電池に向けられる。当業者は、燃料電池(SOFC)の一方の電極に燃料が供給されている間、他方の電極に空気が供給されなければならないということを容易に理解するであろう。COも燃料電池内で生成され、以下でより詳細に説明する手法で捕捉される。注目に値するのは、従来の方法では、CO捕捉により効率が5〜10%減少するのに比較して、本方法によれば、2〜3%減少するにすぎないということである。それに続くCOの使用又は廃棄は、本発明の一部ではない。
【0032】
第2の供給ガス流は、水素ガス生成反応器システム(この実施形態では、直列の2つの反応器によって表される)に向けられる。2つの反応器のうちの第1では、合成ガスのCO部分が、水、及び触媒/吸収体システムとの反応を介して、水素に転化される。示される実施形態では、触媒/吸収体はCaOであり、これは、CaCOに反応され、それにより、反応において生成されるいかなるCOも吸収する。第2のステップは、COの放出を介してCaOに転化されて戻される吸収体の再生のステップである。言うまでもなく、このようにして放出されたCOは、後で使用するために隔離して保持されるべきである。水素ガス生成反応器システムの再生ステップは、一般に、水素ガス生成ステップより高い温度において、かつ/又は水素ガス生成ステップより低い圧力において実行される。
【0033】
正味の反応は、以下のように書かれてもよい。
CaO+CO+HO=CaCO+H(水素生成ステップ)
CaCO=CaO+CO(吸収体再生ステップ)
CO+HO=H+CO(総合プロセス)
【0034】
水素生成ユニット内で、水素は、反応器(反応器1)内でCOシフト反応によって生成され、ここで、COは(CaOによって例示される)CO吸収剤によって捕捉され、結果として、ほとんど純粋な水素(95%+)が1つのプロセスステップにおいてもたらされる(ほとんどの工業目的のためには、水素の更なるアップグレーディングは必要とされない)。吸収剤の再生は、再生反応器(反応器2)内で、高温(T=850〜900℃)において発生し、ここで、純粋なCOが貯蔵又は使用のために放出される。再生された吸収剤は、水素生成ユニットに戻される。2つの反応器(1、及び2)(水素生成反応器、及び再生反応器)は、2つの流動床反応器からなってもよく、ここで、一方の反応器は水素生成専用であり(反応器1)、他方の反応器はCO吸収剤の再生専用である(反応器2)。
【0035】
図1bに注目されたい。代替として、水素ガス生成反応器システムの2つの反応器は、直列の2つの反応器(流動床反応器)ではなく、並列の2つの反応器(固定床反応器)であってもよい。直列の2つの反応器の使用は、反応器のそれぞれにおける、継続的生成、及び定常状態条件を可能にするが、同時に、2つの反応器の間で固体が循環されなければならないということを必要とする。反応器が並列に動作させられる場合、それらは、それぞれ、生成様式(production modus)、及び吸収体再生様式(absorber regeneration modus)において、断続的に使用される。温度及びおそらく圧力は、交互に変更されなければならないが、固体材料を循環させることの必要性は回避される。図1bによれば、反応器1と反応器2との間での、吸収剤の移送はない。代わりに、これらの反応器は断続的に動作させられる。ある期間において、反応器1は水素生成のために使用され、同時に、吸収剤が反応器2において再生される。それに続く期間において状況は逆になる。
【0036】
水素ガス生成反応器システムの両方のステップは熱を必要とし、そして、SOFCにおいて生成された熱を使用して加熱される。SOFCからの熱は、ガス化ユニットを加熱するためにも使用される。外部又は内部からの水素に対する需要の一時的な低下があれば、第1及び第2の供給ガス流の間の比率は迅速に変更されてもよい。一つの選択肢として、生成された水素の一部も、(少なくとも1つの)燃料電池内で熱及び電気を生成するために使用されてもよい。
【0037】
燃料電池からのCO捕捉は、燃料電池からのアノード排出ガス内の、燃料の残留部分の、純粋な酸素中での燃焼によって実行されるように構成される。従って、排出ガスは、COと水蒸気とのみを含む。後者は凝結又はその他の乾燥手段によって除去されて、純粋なCOが排出ガス流内に残されてもよい。酸素は、酸素ポンプ(電気化学的に駆動される、膜を介した酸素輸送)の使用によって、又は空気排出と燃料排出との間の分圧勾配によって駆動される酸素輸送膜の使用によって取得されてもよい。
【0038】
図1a及び図1bの左側に示されているように、余剰エネルギーは、外部での消費のためにプラントから配送される。余剰エネルギーが、水素ガス生成反応器からガス化ユニットに移送されることも示されている。
【0039】
図1cは、図1bにかなり類似した一実施形態を示し、唯一の違いは、SOFCは全ての熱をガス化ユニットに提供し、水素ガス生成反応器からの余剰熱は外部に配送される、ということである。
【0040】
図2aは、図1に類似した一実施形態を示し、しかし、ここでは、プラントへの主要なエネルギー源は天然ガス(主としてメタン)であり、かつ、ここでは、ガス化ユニットは、従って、メタンを合成ガスに転化するように構成された改質ユニットによって置き換えられる。図2aのその他の全ての特徴は図1と同様である。天然ガスから開始した場合、水素が豊富な合成ガスが取得される。熱は、SOFCから、水素ガス生成反応器システムの再生反応器に、及び改質ユニットに、及び外部への配送のために供給される。改質ユニットからの余剰熱も、外部に配送されてもよい。
【0041】
図2bは、異なるユニット間の熱輸送はある程度異なるが、プロセスにおいて内部で必要とされる熱が燃料電池によって生成されるという意味で、プロセスの原理は依然として同じものである、図2aの一実施形態を示す。ここでは、水素ガス生成反応器システム(その生成反応器)からの余剰熱は、改質ユニットに供給される。
【0042】
図2cは、天然ガスが主要なエネルギー源である本発明による方法の、更に別の変形を示す。この場合、しかし天然ガスは、それ自体が水素ガス生成反応器システムに供給され、改質ユニットは、第1の供給ガス流のみを合成ガスに転化するように構成される。ここでも、燃料電池からの熱は、改質ユニットと、水素ガス生成反応器システムの吸収体再生部とを加熱するために使用される。水素生成のために必要とされる熱は、温かい再生された吸収体と、発熱吸収体反応とのみによって供給されてもよい。
【0043】
図2dは、天然ガスが主要なエネルギー源である本発明による方法の、更に別の変形を示す。ここでは、天然ガスは、それ自体が燃料電池と水素ガス生成反応器システムとの両方に供給される。従って、この変形によれば、合成ガスはプロセス内に含まれない。熱輸送は概して同じであるが、この場合、改質ユニットは、少なくともプラントの付近には含まれない。外部使用のための余剰エネルギーの要素は、左側に示されている。
【0044】
図2a〜2dに示す全ての変形において、水素ガス生成反応器システムは、定常状態で動作する流動床反応器、又は断続的に動作する固定床反応器であってもよい。全ての変形において、SOFCからのCOはスタックから直接的に捕捉され、水素ガス生成反応器システムからのCOは吸収剤によって捕捉され、再生ユニット内で放出される。
【0045】
本発明の核心を上に提示したが、いくつかの関連する適用例を以下に示す。
【0046】
柔軟な量で、コスト効率及びエネルギー効率が高く、熱、電力、及び水素の生成が必要とされる、多くの工業的状況又は統合産業クラスタ(integrated industry clusters)が存在する。そのような場合における主要な課題は、コスト効率及びエネルギー効率が高いCO捕捉を同時に得ることである。
【0047】
この課題は、本発明によって対処される。
【0048】
タールサンド業界における、石油精製装置と、生成及びアップグレーディングの統合設備とは、この関連における明白な場合の例である。化石エネルギー(及び供給原料)の生成に関連する適用例に加えて、異なる生物由来の、燃料/供給原料の使用に関連した、興味深い適用例も生じる。
【0049】
この点について説明するために、図3〜図5を参照して、3つの異なる可能なシナリオ(又は例)を以下に提示する。これらのシナリオは、全て、任意の目的又は必要に合わせてカスタマイズされることが可能で、統合されたCO捕捉を使用した柔軟な量の電気、熱、及び水素の生成及び使用に基づく。但し、本シナリオは例にすぎず、本発明の使用によってもたらされる可能性、組み合わせ、及び柔軟性は、1つの工業設備又は適用例からの廃棄物が、別の工業設備又は適用例に、興味深い価値のある供給原料を提供することが可能な統合産業クラスタに、又は、いくつかの工業的状況が一緒に「結合」された状況に、ほとんど「無限」の選択肢を提供するということを指摘しておく。
【0050】
図3aは、重油/ビチューメン又はタールサンド(以下では略して、ビチューメンとする)を主要なエネルギー源として開始される、より完全な適用例システムを、非常に概略的に示す。当業者ならば理解するように、ビチューメンを表面化させることに含まれる課題が存在し、場合によっては蒸気の形態での熱が、ビチューメンを表面下から回収するために必要とされる。1つのそのような方法は、SAGD(蒸気支援重力排出)と呼ばれる。回収されたビチューメンは、アップグレーディングユニット内でアップグレードされ、中間生成物(石油コークス)が、(図1におけるものと同様の)ガス化ユニットにチャージされて、合成ガスが取得される。従って、この場合、燃料電池に供給されるガスを取得する前に、3つのエネルギーを要求するステップが必要とされる。依然として、プロセスの中核は同じであり、言及した内部ステップのために必要とされる熱は、(少なくとも1つの)燃料電池によって提供される。アップグレーディングユニットのための水素は、水素ガス生成反応器システムによって提供される。このシステムは、関連するエネルギー要素の(やはり内部的な)より複雑な使用を示し、従って、当該の適用例に応じて、又は、更には、同一の適用例についての需要の経時変化と共に、エネルギー要素間の比率を適合させること、又は変更することに固有のシステムの利点(その固有の能力に関して汎用性がある)を明らかにする。この実施形態/適用例によれば、本発明は、比較的安価な原材料からの、持続可能なエネルギー生成を可能にする、ということに留意されたい。
【0051】
タールサンドシナリオの1つの可能なバージョンは、井戸注入(SAGD)と、生産クラスタとにおける需要のためにカスタマイズされた、分散型の、熱、電気、及び水素生成量を有することである。分散されたユニットのための合成ガスは、中央プラントから供給される(図3A)。分散されたユニットの水素生成は、必要に応じて制限されてもよく、又は小さくてもよい(例えば、10〜0%)。水素は、(例えば、国際公開第2008/058400(A1)号パンフレット:Catalytic down−hole upgrading of heavy oil sand bitumen(重油砂ビチューメンの触媒ダウンホールアップグレーディング)におけるような)現場でのアップグレーディングのために、又は電気の生成のための専用SOFCスタックの燃料供給のために使用されてもよく、又は中央プラントにおけるアップグレーダまで、パイプラインシステム内を輸送されてもよい。
【0052】
生成される石油コークスが、プロセスを動作させるために十分な量だけ生成されない場合は、他の炭素質燃料(石炭、未処理ビチューメン、バイオマス、又は、更には、天然ガスなど)と組み合わされてもよい、ということに留意されたい。
【0053】
図3bは、図3aに類似しているが、全体「像」は含まない。図3bによって示されるポイントは、プラントの一部(サブプラント)が、関連する需要に応じてローカルサイトに分散されてもよく、他の部分(具体的には、アップグレーディングユニット、ガス化ユニット、及び精製ユニット(図3bには図示せず))は、中央位置において別個に配置され、任意の数の分散されたサブプラント(図3bに示すものなど)にサービスを提供してもよい、ということである。
【0054】
図4は、統合された「バイオ精製装置」を有する、スタンドアロン型の生物エネルギープラントのシナリオを示す。
【0055】
図4は、本発明による、電力、熱、及び水素の複合生成プラントが、どのようにして、必要な地域暖房のための(及び、必要に応じて、熱分解プラントのための)熱と、生物エネルギー/バイオ精製装置サイト全体のための電気と、アップグレーディングの目的(有機化学薬品、及びバイオディーゼルの生成)のため、バイオメタノールの生成のため、及び、交通セクタへの水素供給のための、水素とを提供できるかを示す。捕捉されたCOは、バイオメタノールの生成、交通セクタへのCOニュートラルな燃料の提供、又はその他の任意の好適な用途のために使用されてもよい。
【0056】
合成ガス及び固体炭素が、必要なバイオマスと共に、エネルギー、水素生成システムに燃料供給する。バイオマスは、熱分解プラントのための供給原料でもあってもよい。全てのバイオCOが捕捉され、これは、持続可能な手法で使用される場合、又は貯蔵される場合、倍の「ボーナス」を提供する。図4の最も左側の3列におけるボックス内で実施される個々のプロセスについては、それら自体は本発明の一部ではないため、詳細に説明しない。この状況において重要なことは、本発明による方法が、どのようにして、そのようなプロセスとの密接な相互作用を、上記で何度か言及した3つの形態の、必要とされる適合された量のエネルギーの供給を介して可能にするかである。
【0057】
図5は、バイオガス生成プラント内に組み込まれた、スタンドアロン型の、エネルギー及び水素生成システムを示す。
【0058】
図5は、本発明による、電力、熱、及び水素の複合生成プラントが、どのようにして、必要な有機廃棄物/下水スラッジの初期加熱のため、並びに、現場における乾燥の目的及びその他の用途のための熱と、バイオガス生成サイト全体のため(バイオガスからのCO捕捉のための必要な電力を含む)、及び、ローカルグリッドへの販売のための、電気とバイオガスからの、及び/又は、スタンドアロン型の、エネルギー及び水素生成システムからのCOに基づくバイオメタノールの生成のための水素とを提供できるかを示す。
【0059】
(バイオガスからの)バイオメタンは、水素生成のために使用されてもよい。但し、車両グレードのメタンの生成のために、COがバイオガスから分離された場合、このメタンは、交通セクタにおいて直接的に使用される可能性が最も高い。エネルギー水素生成プラントのための燃料又は合成ガスは、好適なバイオマスから作られる。ここでも、全てのバイオCOが捕捉され、これは、使用されるか又は貯蔵される場合に倍の「ボーナス」を提供する。また、ここでも、図面の左側の個々のプロセスについては、それら自体は本発明の一部ではないため、ここではいかなる詳細についても説明しない。この状況における興味深い部分は、エネルギーを要求するプロセスユニットの、そのような複雑なシステムに適合し、各プロセスによって必要とされる形態での、エネルギーの持続可能な配送を提供する、本発明による方法の能力である。
【0060】
本発明に基づく、ガス化ベースの統合されたビチューメン抽出及びアップグレーディング設備のための総合生成プラントは、従って、任意の重油/ビチューメンプロジェクトのためにカスタマイズされた、必要な量の、熱、電気、及び水素の最適な組み合わせを達成することが可能である。総合プロセスは、加えて、ガス化された石油コークス/アップグレーディング残渣(又は未処理ビチューメン)からの合成ガスと、非常にエネルギー効率が高い、統合されたCO捕捉とに基づいて、エネルギーを自給できる。
【0061】
加えて、総合システムの柔軟性又は汎用性は、石炭、バイオマス、及び有機廃棄物、又は更に言えば、その他の任意の炭素含有材料が主要なエネルギー源を構成する適用例にも適合する、ということに留意されたい。
【0062】
本発明のいくつかの好ましい実施形態において、炭素質ガスは、合成ガスである。他の好ましい実施形態において、炭素質ガスは、天然ガス、又は、その他の、メタンが豊富なガスである。
【0063】
合成ガス、及び/又は、天然ガスは、任意の源から得られてもよく、しかし、少なくとも部分的には、重油、ビチューメン、又はその他の炭素含有燃料の、回収、及び、アップグレーディングによって得られることが好ましく、ここで、アップグレーディングのために必要とされる熱は、少なくとも部分的には、少なくとも1つのSOFCによって提供される。言及したアップグレーディングは、一般に、ガス化を含む。
【0064】
水素ガス生成反応器システム内で使用される吸収体のタイプによっては、水が、通常、供給ガスと共に反応器システムに供給されるが、それら2つは、反応器システムにチャージされる前に、組み合わされるか又は混合される必要はない。
【0065】
水素ガス生成反応器システムの再生反応器のために必要とされる熱は、一般に、少なくとも部分的には、少なくとも1つのSOFCによって提供される。
【0066】
いくつかの実施形態において、合成ガスは、少なくとも部分的には、バイオマスから得られるか、又は天然ガスを改質することによって生成されてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態において、炭素質ガスは、バイオマス、及び有機廃棄物という源のうちの1つ以上から得られた、メタンが豊富なガス(「天然ガス」)である。プライマリSOFCにチャージされる、天然ガスの部分は、いくつかの実施形態では、最初に合成ガスに改質されてもよい。
【0068】
プロセスの所望の汎用性を得るために、第1の供給ガス流と第2の供給ガス流との間の比率は、当該の適用例における、水素に対する需要に応じて決められる。
【0069】
水素ガス生成反応器システムは、a)並列の2つの反応器(それぞれが、生成様式、及び吸収体再生様式においてそれぞれ断続的に動作させられる)を含む反応器システム、及び、b)直列の2つの反応器(第1の反応器が、生成様式において継続的に動作し、第2の反応器が、吸収体再生様式において継続的に動作する)を含む反応器システム、のうちから選択される。
【0070】
水素ガス生成反応器システムの、生成様式における温度は、一般に、500〜650℃に維持される。吸収体再生様式における温度は、一般に、800〜950℃に維持される。吸収体再生様式における圧力は、生成様式における圧力より低いレベルにおいて維持される。
【0071】
本発明の好ましいバージョンにおいては、必要な、熱、電力、及び水素は、合成ガスによって直接的に燃料供給され、かつ、別個の水素生成ユニット(燃料としての合成ガスに基づく)と組み合わされた「熱電併給」(CHP)SOFC設備によって配送される。水素生成ユニット内では、CO2吸収剤(例えば、CaO)によってCO2が捕捉され、CHP−SOFCからのCO2は、エネルギー効率及びコスト効率が高い後燃焼方法によって捕捉される。(所望により選択してもよいバージョンでは、SOFCスタックの専用部分に、水素が燃料供給又は供給される)。
【0072】
定量的な例
以下の表は、本方法の汎用性を示す。
【表1】

【0073】
計算は、炭素を水と反応させることによって生成される、合成ガスに基づく。
C+HO=>CO+H
【0074】
電気生成は、次の式によって与えられる。
電気生成=4*F*セル電圧*燃料電池内での燃料利用率*(1−Split)
ここで、F=ファラデー定数であり、Split=Hガス生成反応器への部分である。
【0075】
水素生成は、次の式によって与えられる。
水素生成=Split*2*dH_H
ここで、dH_H=Hの発熱量、である。
【0076】
正味の熱生成は、次の式によって与えられる。
熱=dH_C−電気生成−水素生成
ここで、dH_Cは、炭素の発熱量である。
【0077】
上記の例は、本発明による装置の汎用性をその限界をテストせずに示す。従って、生成された総エネルギーの0%〜63%の、熱生成における(相対的な)変化が示されており、相対的なH生成における変化は13〜89%に渡り、電気の形態のエネルギーは8〜67%の相対量で示されている。
【0078】
説明した方法は、予見できる将来にわたって人類が依存するであろう、いくつかのエネルギー資源からの、持続可能な、かつ比類なく汎用的な、エネルギーの生成を提供するものであり、生成される全てのCOを捕捉及び制御する能力が、その1つの非常に重要な(しかし、決定的ではない)側面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素質ガスからの、電気、水素ガス、及び熱の形態でのエネルギーの同時生成のための方法であって、
i.炭素質ガスの供給チャージを、第1の供給ガス流と第2の供給ガス流とに継続的に分割し、
ii.前記第1の供給ガス流を、プライマリSOFCにチャージして、電気と、熱と、COとを生成し、
iii.他方の供給ガス流を、水素ガス生成反応器システムにチャージして、水素と、COとを生成し、
iv.必要に応じて、生成された前記水素ガスの少なくとも一部を、セカンダリSOFCにチャージして、電気と、熱とを生成し、これにより、生成される正味の水素ガスを減少させ、
v.少なくとも部分的には、少なくとも1つのSOFC内で生じた熱によって、前記水素ガス生成反応器システムに熱を供給し、
vi.必要に応じて、純粋な酸素中で「アフターバーナー」ガスを燃焼させ、排出ガスを乾燥させることによって、前記プライマリSOFC内で生成された前記COを捕捉し、
vii.前記水素ガス生成反応器システム内で生成された前記COを、吸収剤の使用によって捕捉すること
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記炭素質ガスは、合成ガスであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記合成ガスは、少なくとも部分的には、重油、ビチューメン、又はその他の炭素含有燃料の、回収及びアップグレーディングによって得られ、前記アップグレーディングのために必要とされる熱は、少なくとも部分的には、少なくとも1つのSOFCによって提供されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アップグレーディングからの残余生成物は、ガス化を受けることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水素ガス生成反応器に、水が、その他の供給されるガス流と共に供給されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記合成ガスは、少なくとも部分的には、バイオマスから得られることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記合成ガスは、天然ガスを改質することによって生成され、改質のために必要とされる熱は、少なくとも部分的には、少なくとも1つのSOFCによって提供されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記炭素質ガスは、メタンが豊富なガスであり、好ましくは天然ガスであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ガスは、バイオマス、及び有機廃棄物という源のうちの、少なくとも1つから得られることを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記プライマリSOFCにチャージされる天然ガスの部分は、最初に合成ガスに改質され、前記改質によって必要とされる前記熱は、少なくとも部分的には、少なくとも1つのSOFCによって提供されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の供給ガス流と前記第2の供給ガス流との間の比率は、当該適用における、水素に対する需要に応じて決められることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記水素ガス生成反応器システムは、a)それぞれが、生成様式、及び吸収体再生様式においてそれぞれ断続的に動作させられる並列の2つの反応器を含む反応器システム、及び、b)第1の反応器が、生成様式において継続的に動作し、第2の反応器が、吸収体再生様式において継続的に動作する直列の2つの反応器を含む反応器システム、のうちから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記生成様式における温度は、500〜650℃に維持されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記吸収体再生様式における温度は、800〜950℃に維持されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記吸収体再生様式における圧力は、前記生成様式における圧力より低いレベルにおいて維持されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
炭素質ガスからの、電気、水素ガス、及び熱の形態での、エネルギーの同時生成のための装置であって、
炭素質ガスを供給する手段と、
炭素質ガスを、可変の相対的量の2つの部分に分割する手段と、
電気と、熱と、COとを生成するために、合成ガス、及び天然ガスのうちから選択されたガスを受け取るように構成された、SOFCと、
前記SOFC内で生成されたCOを、直ちに捕捉する手段と、
前記SOFCと並列に配置された、水素ガス生成反応器システムと、
前記SOFCによって生成された熱を、内部及び外部に配送する手段と、
前記SOFCによって生成された電気を、内部及び外部に配送する手段と、
生成された水素を配送する手段と、
捕捉されたCOを処理する手段と、
電気と、熱とを生成するために、水素を受け取るように構成された、省略可能な、別のSOFCと、
を備えることを特徴とする、装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515344(P2013−515344A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545885(P2012−545885)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/NO2010/000400
【国際公開番号】WO2011/078681
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(512164540)
【Fターム(参考)】