電気めっき装置、及び電気めっき方法
【課題】ボイドの発生を抑止しつつ均一なめっき膜を形成するめっき装置及びめっき方法を提供する。
【解決手段】本発明による電気めっき装置は、ホルダ20、めっき槽10、電源70、スイッチ回路23とを具備する。ホルダ20は、被めっき体40を有する半導体ウエハ30を保持する。めっき槽10アノード電極50を含むめっき液100を保持する。電源70は、被めっき体40とアノード電極との間に定電圧を供給する。スイッチ回路23は、電源70に対して、被めっき体40と並列に接続される。ホルダ20は、スイッチ回路23を介して電源70に接続されるダミーカソード電極22とを備える。ダミーカソード電極22は、ホルダ20がめっき液100内に浸漬される際、被めっき体40より先にめっき液100に接触する位置に露出して設けられる。スイッチ回路23は、ダミーカソード電極22がめっき液100に接した後に、電源70とダミーカソード電極22との接続を遮断する。
【解決手段】本発明による電気めっき装置は、ホルダ20、めっき槽10、電源70、スイッチ回路23とを具備する。ホルダ20は、被めっき体40を有する半導体ウエハ30を保持する。めっき槽10アノード電極50を含むめっき液100を保持する。電源70は、被めっき体40とアノード電極との間に定電圧を供給する。スイッチ回路23は、電源70に対して、被めっき体40と並列に接続される。ホルダ20は、スイッチ回路23を介して電源70に接続されるダミーカソード電極22とを備える。ダミーカソード電極22は、ホルダ20がめっき液100内に浸漬される際、被めっき体40より先にめっき液100に接触する位置に露出して設けられる。スイッチ回路23は、ダミーカソード電極22がめっき液100に接した後に、電源70とダミーカソード電極22との接続を遮断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ上にめっきを施す電気めっき装置、及び電気めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハに対するCuダマシン法による配線形成プロセスに於いて、配線パタンの微細化が進むにつれ、ビアやトレンチへの埋設性能の向上が要求されている。ビアやトレンチにCuを埋め込む方法として電気めっき法が採用されている。この電気めっき法において、埋設性能の向上を実現するため、従来技術では、Cuシード膜を薄膜化してビアやトレンチのオーバーハングを抑制する手法がとられてきた。
【0003】
Cuシード膜は、強酸であるCuめっき液に触れると溶解してしまう。このため、従来技術では、Cuシード膜がCuめっき液に着液(接触)した瞬間に大きな電流を流して即時に成膜を開始することで、Cuシード膜の溶解を防止する手法が行われている。この場合、Cuシード膜がCuめっき液に着液する前から、Cuめっき液内のアノード電極とカソード電極(Cuシード膜)との間に電圧(待機電圧)をかけておく必要がある。
【0004】
電気めっき処理において、被めっき膜をめっき液に浸漬する前から待機電圧を印加することによってシード膜の溶解を抑制し、ボイドのない均一めっきを形成する方法が、例えば、特開2003−129294に記載されている(特許文献1参照)。
【0005】
一方、半導体ウエハをめっき液内に浸漬すると、ビアやトレンチ等の被めっき面に気泡が滞留することがある。このため、半導体ウエハをめっき液に浸漬する際、半導体ウエハを液面に対して傾斜させて入槽する方法が採用されている。
【0006】
図1Aから図2を参照して、従来技術によるめっき装置の詳細を説明する。図1Aから図1Cは、従来技術によるCuめっき装置の構成及び動作を示す図である。図1Aを参照して、従来技術によるCuメッキ装置は、めっき槽10、ウエハホルダ120、ホルダ制御装置60、電源170を具備する。めっき槽10は、内槽11及び外槽12を備え、内槽11内の底面には、Cuアノード電極50と、めっき液100を内槽11に送りこむためのめっき液噴流口13が設けられている。また、内槽11からオーバーフローしためっき液100を廃出するために、外槽14の底面には、めっき液排液口14が設けられている。
【0007】
ウエハホルダ120は、表面にCuシード膜40が成膜されたウエハ30を保持する。Cuシード膜40は、ウエハ30の外周領域においてコンタクト21(通電電極)を介して電源170に接続される。ウエハ30の処理表面(Cuシード膜40)は、ウエハホルダ120の底面において図面Y軸下向き(液面に対抗する向き)に露出するように保持され、コンタクト21は、図示しないオーリング等の封止部材で封止される。電源170は、Cuアノード電極50とCuシード膜40(カソード)との間に一定の電圧を印加する。ホルダ制御装置60は、ウエハホルダ120の昇降、回転、及び傾斜を制御する。
【0008】
従来技術によるめっき装置では、ウエハ30をめっき液に浸漬する前からCuアノード電極50とCuシード膜40との間に定電圧(待機電圧)が印加される。ウエハ30は、待機電圧が印加された状態を維持したまま、めっき液100に挿入(入槽)される。この際、図1Bを参照して、ウエハホルダ120は、液面に対して所定の角度で傾斜し、回転しながら下降してめっき液100に挿入される。これにより、ウエハ30表面におけるビアやトレンチ等の被めっき部分に存在する気泡を除去することができる。
【0009】
Cuシード膜40がめっき液100に接触(着液)した瞬間より、Cuシード膜40表面ではCuが析出し、アノード電極50表面ではCuが溶解してめっき処理が開始される。めっき膜の諸特性を安定させることを目的に、Cuシード膜40が着液した直後、電源170は定電圧制御から定電流制御に切り替える。
【0010】
以上のように、従来技術によるめっき装置では、めっき液に浸漬する前からCuめっき層とアノード電極との間に待機電圧を印加することで、めっき液との接触時におけるCuシード膜の溶解を防止することができる。又、半導体ウエハをめっき液の液面に対して傾斜し、且つ回転して浸漬することで、被めっき面において滞留している気泡を除去することができる。このように、図1Aに示すようなめっき装置によれば、Cuシード膜の溶解や気泡に起因するボイドの発生を抑制することができ、安定したCu膜を形成することができる。
【0011】
【特許文献1】特開2003−129294
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
近年、テクノロジの微細化にともない、Cuシード膜40の薄膜化が進んでいる。このため、薄膜化したCuシード膜40の溶解を防止するため、Cuシード膜40(カソード)とCuアノード電極50との間に、より大きな電圧(待機電圧)を印加して大きな初期電流を流す必要がある。例えば、膜厚が65nmノードの平均的なCuシード膜において、Cuめっきの初期電流密度が30A/m2程度の場合、ビアまたはトレンチ側壁のCuシード膜が溶解し、ビアまたはトレンチ内にボイドが発生する。これを防止する為には、30A/m2より大きなめっき初期電流密度を発生させる為の待機電圧が必要である。
【0013】
一方、半導体ウエハを傾斜して浸漬するめっき方法では、半導体ウエハの周辺部が中央部よりも先にめっき液に着液する。図1Bを参照して、Cuシード膜40とめっき液100が最初に接触する領域(接触領域200)は、Cuシード膜40全体に比べて微小面積である。このとき、大きな待機電圧が、Cuシード膜40(カソード)とCuアノード電極50との間に印加されている場合、接触領域200に電流が集中し、高い電流密度となる。
【0014】
図2は、Cuシード膜40に流れる電流密度Iの時間推移を示す図である。Cuシード膜40がめっき液100に接触する時刻T1において接触領域200に電流が集中する。すなわち、時刻T1では電流密度Iが大きくなり、接触領域200に大きな電流が流れる。この後、他の領域がめっき液100に浸漬されると、電流経路は分散されるため、電流密度Iは減少し、時刻T2では、図1Cに示すように所定の面積(例えば全ての面積)のCuシード膜40が浸漬され、電流密度Iは一定の値となる。時刻T1から時刻T2までの期間は短時間であるが、この間、接触領域200に流れる電流量は、他の領域に比べて大きくなる。単位面積当たりの析出量(めっき金属の膜厚みと比例)は、単位面積当たりの電流量に応じた値となる。このため、接触領域200、すなわち、半導体ウエハの周辺部の領域には、他の領域よりも多くの銅が析出してしまう。
【0015】
以上のように、従来技術によるめっき装置では、めっき液と最初に接触する領域において過大電流が発生し、銅が異常析出する。これにより、半導体ウエハの周辺部に埋め込まれるめっき量は中央部よりも多くなり、ウエハ全体に形成されるめっき膜の膜厚は不均一となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0017】
本発明による電気めっき装置は、ホルダ(20)、めっき槽(10)、電源(70)、スイッチ回路(23)とを具備する。ホルダ(20)は、被めっき体(40)を有する半導体ウエハ(30)を保持する。めっき槽(10)アノード電極(50)を含むめっき液(100)を保持する。電源(70)は、被めっき体(40)とアノード電極との間に定電圧を供給する。スイッチ回路(23)は、電源(70)に対して、被めっき体(40)と並列に接続される。ホルダ(20)は、スイッチ回路(23)を介して電源(70)に接続されるダミーカソード電極(22)とを備える。ダミーカソード電極(22)は、ホルダ(20)がめっき液(100)内に浸漬される際、被めっき体(40)より先にめっき液(100)に接触する位置に露出して設けられる。スイッチ回路(23)は、ダミーカソード電極(22)がめっき液(100)に接した後に、電源(70)とダミーカソード電極(22)との接続を遮断する。
【0018】
このように、被めっき体(40)とダミーカソード電極(22)は電源(70)に並列接続され、被めっき体(40)より先にダミーカソード電極(22)がめっき液(100)に接触するため、接液当初、ダミーカソード電極(22)に電流が集中する。このため、めっきされる金属の異常析出がダミーカソード電極(22)で発生する。又、被めっき体(40)がめっき液(100)に接触する頃には、電流密度も減少しているため、被めっき体(40)に対する異常析出を抑制することができる。又、スイッチ回路(23)がオフ状態になると、被めっき体(40)表面に析出した金属がめっき液(100)中に溶解していき、めっき前の表面状態に戻る。
【0019】
本発明による電気めっき方法は、上述の電気めっき装置を用いて行われる電気めっき方法において、被めっき体(40)及びダミーカソード電極(22)のそれぞれと、アノード電極(50)との間に定電圧を供給しながら、被めっき体(40)より先にダミーカソード(22)をめっき液(100)に浸漬するステップと、ダミーカソード電極(2)がめっき液(100)に接触した後に、ダミーカソード電極(22)に対する定電圧の供給を遮断するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0020】
本発明による電気めっき装置、及び電気めっき方法によれば、ボイドの発生を抑止しつつ均一なめっき膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。
【0022】
(構成)
図3A、図4及び図5を参照して、本発明によるめっき装置の構成の詳細を説明する。図3Aから図3Cは、本発明によるCuめっき装置の構成及び動作を示す図である。本発明によるめっき装置は、めっき槽10、ウエハホルダ20、ホルダ制御装置60、電源70を具備する。めっき槽10は、めっき液100を保持する内槽11と、内槽11からオーバーフローしためっき液100を保持する外槽12とを備える。内槽11内の底面には、Cuアノード電極50と、めっき液100を内槽11に送りこむためのめっき液噴流口13が設けられる。又、内槽11からオーバーフローしためっき液100を廃出するために、外槽14の底面には、めっき液排液口14が設けられる。
【0023】
ウエハホルダ20は、表面に被めっき体であるCuシード膜40が成膜された半導体ウエハ30(以下、ウエハ30と称す)を保持する。Cuシード膜40は、ウエハ30の外周領域においてコンタクト21(通電電極)を介して電源70に接続される。ウエハ30の処理表面(Cuシード膜40)は、ウエハホルダ20の底面において図面Y軸下向き(液面に対抗する向き)に露出するように保持される。コンタクト21は、図示しないオーリング等の封止部材で封止される。
【0024】
本発明によるウエハホルダ20は、ダミーカソード電極22とスイッチ回路23とを更に備える。ダミーカソード電極22は、ウエハホルダ20の底面に埋め込まれており、スイッチ回路23を介して電源70と接続している。図4は、ウエハホルダをY軸方向下方(ウエハ側)から見た底面構造を示す平面図である。図3A及び図4を参照して、ダミーカソード電極22は、ウエハホルダ23の外周部に、一部が被めっき面となるように露出して設置される。又、ダミーカソード電極22は、保持されるウエハ30の外側の領域に離隔して設けられることが好ましい。更に、ダミーカソード電極22の形状は、ウエハ30との距離が一様となる形状が好ましい。通常、ウエハ30は円形であるため、その形状は円形(リング形)であることが好ましい。コンタクト21は、ウエハ20の外縁部のコンタクト形成領域25に形成される。
【0025】
ダミーカソード電極22は、図4に示すように、ウエハ30を囲むように1つの電極(金属板又は金属膜)で形成されていても良いし、図5に示すように、複数の電極(金属板又は金属膜)で形成されていても良い。この場合、複数の電極はそれぞれスイッチ回路23の一端に共通接続される。又、図示しないが、ダミーカソード電極22は、被めっき面となる露出部分がある程度の表面積を有するように配置されれば配線によって構成されても良い。ダミーカソード電極22をウエハ30の外周部に設ける場合、ダミーカソード電極22の直径は、ウエハの直径より大きい事が必要である。現在、300mmウエハが主流になりつつあるため、直径が300mmより大きなダミーカソード電極22を設ける必要がある。しかし、このような大きさで表面が均一なダミーカソード電極22を1つのパーツで構成するのは製造の観点から難しく、且つ高コストとなる。このため、図5に示す一例のように複数に分割された金属板(金属膜)によってダミーカソード電極22が構成されていれば、高精度で、低コストの部材供給が可能となる。
【0026】
ダミーカソード電極22の材質はPt、Ti、SUS等、めっき液100中の硫酸に耐性を持つ金属が好ましい。ダミーカソード電極22のサイズは、内径がウエハ直径より1mm〜10mm大きい事が好ましく、その径方向の幅は、めっき液100に接触した際、銅が異常析出する領域より大きいことが必要である。すなわち、ウエハ30(Cuシード膜40)が着液した際の電流密度が、銅の異常析出を起こさない大きさとなるように、ダミーカソード電極22の大きさ(被めっき面となる表面積)を設定することが好ましい。このため、ダミーカソード電極22の径方向の幅は、5mm〜20mmが好ましい。
【0027】
スイッチ回路23は、電源70とダミーカソード電極22との間に接続され、電源70とダミーカソード電極22との接続を制御する。スイッチ回路23がオン状態のとき、ダミーカソード電極22と、コンタクト21(Cuシード膜40)とは電源に共通接続される。この際、電源70は、共通の定電圧をダミーカソード電極22及びCuシード膜40に印加する。スイッチ回路23がオフ状態のとき、ダミーカソード電極22と電源70との接続は切断される。尚、スイッチ回路23は、ウエハホルダ20の外部に設けられても良い。
【0028】
電源70は、Cuアノード電極50とCuシード膜40(カソード)又はダミーカソード電極22との間に一定の電圧を印加する。電源70は、Cuアノード電極50に高電圧、Cuシード膜40(カソード)又はダミーカソード電極22に低電圧を印加する。更に、めっき膜の諸特性を安定させることを目的に、Cuシード膜40がめっき液100に着液後、電源70は定電圧制御から定電流制御に切り替えられる。この切り替えは、Cuシード膜40の着液面積が所定の値となると実行される。例えば、定電圧制御から定電流制御に切り替えは、Cuシード膜40に流れる電流値に応じて行われても良いし、めっき処理の開始からカウントされた時間に応じて行われても良い。通常、電源70は、Cuシード膜40表面の全てがめっき液100に着液すると、定電圧制御から定電流制御に切り替えられる。又、この切り替え制御は、スイッチ回路23の切断制御と同時的に行われても良い。
【0029】
ホルダ制御装置60は、ウエハホルダ20の昇降、回転、及び傾斜を制御する。図3A〜図3Cを参照して、重力方向をY軸、液面方向をX軸とすると、ウエハホルダ20はY軸方向に昇降し、A軸周りに回転し、X軸に対し所定の角度を有するB軸にウエハ30の表面が平行となるように傾斜する。本発明によるホルダ制御装置60は、ウエハホルダ20を傾斜及び回転させながらめっき槽10内に移動し、めっき液100に浸漬する。Cuシード膜40の全てがめっき液100に浸漬されると、ホルダ制御装置60は、ウエハ30が液面(Cuアノード電極50)と平行になるようにウエハホルダ20を制御する。
【0030】
(動作)
図3Aから図3C、及び図6を参照して、本発明によるめっき装置のめっき処理動作の詳細を説明する。先ず、ウエハホルダ20がCuめっき液100に接液する以前に、Cuアノード電極50が陽極、ダミーカソード電極22、及びCuシード膜40が陰極となるように、電源70から一定の電圧(待機電圧)が印加される(図6参照、時刻T0)。この際、スイッチ回路23はオン状態に制御される。
【0031】
図3Aを参照して、ウエハホルダ20は、めっき液100に対して所定の角度に傾斜し、回転しながらめっき槽10内に下降する(図6参照、時刻T0から時刻T1)。この際、Cuシード膜40とCuアノード電極50との間に上述の待機電圧が印加されながら、ウエハホルダ20はめっき槽10内に下降する。
【0032】
図3Bを参照して、時刻T1においてウエハホルダ20は、めっき液100に接触(着液)する。この際、ウエハホルダ20はめっき液の液面(X軸方向)に対して傾斜(B軸方向)しているため、被めっき面であるCuシード膜40よりも先にダミーカソード電極22がめっき液100に接触する。ダミーカソード電極23が着液した瞬間より、ダミーカソード電極30では銅が析出を開始し、アノード電極50表面では銅が溶解を開始してめっき処理が行なわれる。図6を参照して、ダミーカソード電極22に対して一定の待機電圧が印加されているため、めっき液100と接触した時刻T1では、ダミーカソード電極22に電流が集中する。このため、時刻T1では大きな電流密度Iによって、めっき液100に接触するダミーカソード電極22の表面に銅が異常析出する。
【0033】
ウエハホルダ20が下降を続けると、ダミーカソード電極22とめっき液100との接触面積が増加し、更にはCuシード膜40がめっき液100に接触する(図6参照、時刻T2)。Cuシード膜40が着液した瞬間より、Cuシード膜表面では銅が析出を開始し、アノード電極50表面では銅が溶解を開始してめっき処理が行なわれる。ウエハホルダ20の下降(時間の経過)にともないめっき液100に着液するダミーカソード電極22の面積は増大するため、ダミーカソード電極22−アノード電極50間に流れる電流密度Iは減少する。これにより、Cuシード膜22がめっき液100に接触する時刻T2における電流密度Iは、銅の異常析出が抑制される程度の大きさとなる。
【0034】
更に、ウエハホルダ20が下降すると、めっき液100に着液するカソード(ダミーカソード電極22、Cuシード膜22)の面積は増大するため、カソード−アノード電極50間に流れる電流密度Iは減少する。図3Cを参照して、Cuシード膜40における所定の面積がめっき液に浸漬されると、スイッチ回路23はオフ状態となるように制御され、ダミーカソード電極22と電源70との間の接続が遮断される(図6参照、時刻T3)。例えば、電流密度Iが所定の電流密度itとなったときにスイッチ回路23はオフ状態に制御される。あるいは、Cuシード膜40の全てがめっき液100に浸漬されたときにスイッチ回路23はオフ状態に制御される。このように、スイッチ回路23のオンオフ制御は、電流密度Iに応じて行われても良いし、ウエハホルダ20の下降開始からの時間の経過に応じて行われても良い。通常、ウエハホルダ20とめっき液100との接触時刻T1からCuシード膜40の全てが浸漬されるまでの時間は短時間(μ秒オーダー)である。このため、スイッチ回路23は、ウエハホルダ20がウエハ液100に接触直後にオフ状態となるように制御されることが好ましい。
【0035】
スイッチ回路23によってダミーカソード電極23とCuアノード電極50との接続が遮断されると、時刻T3までにめっき液100に浸漬されたダミーカソード電極23が減少するため、電流密度Iは上昇する。しかし、Cuシード膜40の面積に比べて、ダミーカソード電極23の面積は小さいため、電流密度Iの上昇分は小さく、めっき処理に影響を与えることはない。
【0036】
又、スイッチ回路23がオフ状態となる時刻T3と同時的に、電源70は定電圧制御から定電流制御に切り替えられる。これにより、めっき膜の諸特性は安定する。更に、これに前後して、ウエハホルダ20は、傾斜状態から(Cuアノード電極50)と平行な状態(水平状態)に移行する。ウエハ30とCuアノード電極50が平行な状態となることで、均一なめっき処理を行うことができる。電源70に対する定電圧制御から定電流制御に切り替え制御は、時刻T3と同時的に行われても、電流密度Iが安定する時刻T4に行われてもどちらでも良い。又、電流密度Iが安定する時刻T4において、ウエハ30とCuアノード電極50とが平行となるように制御されても良い。
【0037】
スイッチ回路23がオフ状態になると、Cuシード膜40表面では定電流制御でのCuめっき成膜が継続され、ダミーカソード電極30表面では、時刻T3までの期間にわずかに析出したCuがめっき液100中に溶解していき、Cuめっき前の表面状態に戻る。又、Cuシード膜40に対するめっき処理の間、スイッチ回路23によってダミーカソード電極23を介して流れる電流は遮断される。これにより、ウエハ30におけるダミーカソード電極23周辺領域とウエハ30の中心領域の電界が均一となり、めっき膜の膜厚を均一にすることができる。
【0038】
以上のように、本発明では、Cuシード膜40に接続するコンタクト21とダミーカソード電極22は、電源70とめっき液100内のCuアド−ド電極50との間に並列接続され、一定の電圧が印加されている。これにより、ダミーカソード電極22は、Cuシード膜40とともに被めっき面となる。すなわち、めっき処理の間に被めっき面に流れる電流密度は、めっき液100に着液したCuシード膜40とダミーカソード電極22の面積に応じた値となる。本発明によるめっき装置では、所望の被めっき面であるCuシード膜40より先に、ダミーカソード電極22がめっき液100と接触するため、ダミーカソード電極22に大きな電流密度が発生する。又、Cuシード膜40がめっき液100に接触するとき、ダミーカソード電極22の一部が既にめっき液100に浸漬しているため、電流密度は接触当初に比べ減少している。以上のことから、従来技術で述べた銅の異常析出は、ダミーカソード電極22において発生し、Cuシード膜40がめっき液100に浸漬するときには抑制される。従って、本発明によるめっき装置では、所望のCuめっき膜特性を得ることができる。更に、本発明によるめっき装置では、ウエハ30の表面をめっき液100の液面に対して傾斜して浸漬しているため、ボイドの発生を抑止しつつ均一なめっき膜を形成することことができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。ダミーカソード電極22は、ウエハホルダ20に保持されるウエハ30表面より、めっき液100に突出した位置に設けられることが好ましいが、ウエハ30より先にめっき液100に着液すれば、ウエハ30表面と同一面上に設けられても良い。又、ダミーカソード電極22の表面において気泡の発生を防止するため、ダミーカソード電極22の表面とウエハホルダ20の表面が同一面となるように構成されることが好ましい。更に、本実施の形態では、銅配線をめっきするめっき装置について説明したが、他の金属配線(例えば金配線)をめっきするめっき装置にも適用できる。この場合、被めっき体となるCuシード膜40に替えて他の金属シード層が用いられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】図1Aは、従来技術によるめっき装置の構成及びめっき処理の一例を示す図である。
【図1B】図1Bは、従来技術によるめっき装置の構成及びめっき処理の一例を示す図である。
【図1C】図1Cは、従来技術によるめっき装置の構成及びめっき処理の一例を示す図である。
【図2】図2は、従来技術によるめっき処理における電流密度の推移を示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明によるめっき装置の実施の形態における構成及びめっき方法を示す図である。
【図3B】図3Bは、本発明によるめっき装置の実施の形態における構成及びめっき方法を示す図である。
【図3C】図3Cは、本発明によるめっき装置の実施の形態における構成及びめっき方法を示す図である。
【図4】図4は、本発明によるウエハホルダの底面構造の一例を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明によるウエハホルダの底面構造の一例を示す平面図である。
【図6】図6は、本発明によるめっき処理における電流密度の推移を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10:めっき槽
20:ウエハホルダ
21:コンタクト
22:ダミーカソード電極
23:スイッチ回路
30:ウエハ
40:Cuシード膜
50:Cuアノード電極
60:ウエハホルダ制御装置
100:めっき液
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ上にめっきを施す電気めっき装置、及び電気めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハに対するCuダマシン法による配線形成プロセスに於いて、配線パタンの微細化が進むにつれ、ビアやトレンチへの埋設性能の向上が要求されている。ビアやトレンチにCuを埋め込む方法として電気めっき法が採用されている。この電気めっき法において、埋設性能の向上を実現するため、従来技術では、Cuシード膜を薄膜化してビアやトレンチのオーバーハングを抑制する手法がとられてきた。
【0003】
Cuシード膜は、強酸であるCuめっき液に触れると溶解してしまう。このため、従来技術では、Cuシード膜がCuめっき液に着液(接触)した瞬間に大きな電流を流して即時に成膜を開始することで、Cuシード膜の溶解を防止する手法が行われている。この場合、Cuシード膜がCuめっき液に着液する前から、Cuめっき液内のアノード電極とカソード電極(Cuシード膜)との間に電圧(待機電圧)をかけておく必要がある。
【0004】
電気めっき処理において、被めっき膜をめっき液に浸漬する前から待機電圧を印加することによってシード膜の溶解を抑制し、ボイドのない均一めっきを形成する方法が、例えば、特開2003−129294に記載されている(特許文献1参照)。
【0005】
一方、半導体ウエハをめっき液内に浸漬すると、ビアやトレンチ等の被めっき面に気泡が滞留することがある。このため、半導体ウエハをめっき液に浸漬する際、半導体ウエハを液面に対して傾斜させて入槽する方法が採用されている。
【0006】
図1Aから図2を参照して、従来技術によるめっき装置の詳細を説明する。図1Aから図1Cは、従来技術によるCuめっき装置の構成及び動作を示す図である。図1Aを参照して、従来技術によるCuメッキ装置は、めっき槽10、ウエハホルダ120、ホルダ制御装置60、電源170を具備する。めっき槽10は、内槽11及び外槽12を備え、内槽11内の底面には、Cuアノード電極50と、めっき液100を内槽11に送りこむためのめっき液噴流口13が設けられている。また、内槽11からオーバーフローしためっき液100を廃出するために、外槽14の底面には、めっき液排液口14が設けられている。
【0007】
ウエハホルダ120は、表面にCuシード膜40が成膜されたウエハ30を保持する。Cuシード膜40は、ウエハ30の外周領域においてコンタクト21(通電電極)を介して電源170に接続される。ウエハ30の処理表面(Cuシード膜40)は、ウエハホルダ120の底面において図面Y軸下向き(液面に対抗する向き)に露出するように保持され、コンタクト21は、図示しないオーリング等の封止部材で封止される。電源170は、Cuアノード電極50とCuシード膜40(カソード)との間に一定の電圧を印加する。ホルダ制御装置60は、ウエハホルダ120の昇降、回転、及び傾斜を制御する。
【0008】
従来技術によるめっき装置では、ウエハ30をめっき液に浸漬する前からCuアノード電極50とCuシード膜40との間に定電圧(待機電圧)が印加される。ウエハ30は、待機電圧が印加された状態を維持したまま、めっき液100に挿入(入槽)される。この際、図1Bを参照して、ウエハホルダ120は、液面に対して所定の角度で傾斜し、回転しながら下降してめっき液100に挿入される。これにより、ウエハ30表面におけるビアやトレンチ等の被めっき部分に存在する気泡を除去することができる。
【0009】
Cuシード膜40がめっき液100に接触(着液)した瞬間より、Cuシード膜40表面ではCuが析出し、アノード電極50表面ではCuが溶解してめっき処理が開始される。めっき膜の諸特性を安定させることを目的に、Cuシード膜40が着液した直後、電源170は定電圧制御から定電流制御に切り替える。
【0010】
以上のように、従来技術によるめっき装置では、めっき液に浸漬する前からCuめっき層とアノード電極との間に待機電圧を印加することで、めっき液との接触時におけるCuシード膜の溶解を防止することができる。又、半導体ウエハをめっき液の液面に対して傾斜し、且つ回転して浸漬することで、被めっき面において滞留している気泡を除去することができる。このように、図1Aに示すようなめっき装置によれば、Cuシード膜の溶解や気泡に起因するボイドの発生を抑制することができ、安定したCu膜を形成することができる。
【0011】
【特許文献1】特開2003−129294
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
近年、テクノロジの微細化にともない、Cuシード膜40の薄膜化が進んでいる。このため、薄膜化したCuシード膜40の溶解を防止するため、Cuシード膜40(カソード)とCuアノード電極50との間に、より大きな電圧(待機電圧)を印加して大きな初期電流を流す必要がある。例えば、膜厚が65nmノードの平均的なCuシード膜において、Cuめっきの初期電流密度が30A/m2程度の場合、ビアまたはトレンチ側壁のCuシード膜が溶解し、ビアまたはトレンチ内にボイドが発生する。これを防止する為には、30A/m2より大きなめっき初期電流密度を発生させる為の待機電圧が必要である。
【0013】
一方、半導体ウエハを傾斜して浸漬するめっき方法では、半導体ウエハの周辺部が中央部よりも先にめっき液に着液する。図1Bを参照して、Cuシード膜40とめっき液100が最初に接触する領域(接触領域200)は、Cuシード膜40全体に比べて微小面積である。このとき、大きな待機電圧が、Cuシード膜40(カソード)とCuアノード電極50との間に印加されている場合、接触領域200に電流が集中し、高い電流密度となる。
【0014】
図2は、Cuシード膜40に流れる電流密度Iの時間推移を示す図である。Cuシード膜40がめっき液100に接触する時刻T1において接触領域200に電流が集中する。すなわち、時刻T1では電流密度Iが大きくなり、接触領域200に大きな電流が流れる。この後、他の領域がめっき液100に浸漬されると、電流経路は分散されるため、電流密度Iは減少し、時刻T2では、図1Cに示すように所定の面積(例えば全ての面積)のCuシード膜40が浸漬され、電流密度Iは一定の値となる。時刻T1から時刻T2までの期間は短時間であるが、この間、接触領域200に流れる電流量は、他の領域に比べて大きくなる。単位面積当たりの析出量(めっき金属の膜厚みと比例)は、単位面積当たりの電流量に応じた値となる。このため、接触領域200、すなわち、半導体ウエハの周辺部の領域には、他の領域よりも多くの銅が析出してしまう。
【0015】
以上のように、従来技術によるめっき装置では、めっき液と最初に接触する領域において過大電流が発生し、銅が異常析出する。これにより、半導体ウエハの周辺部に埋め込まれるめっき量は中央部よりも多くなり、ウエハ全体に形成されるめっき膜の膜厚は不均一となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0017】
本発明による電気めっき装置は、ホルダ(20)、めっき槽(10)、電源(70)、スイッチ回路(23)とを具備する。ホルダ(20)は、被めっき体(40)を有する半導体ウエハ(30)を保持する。めっき槽(10)アノード電極(50)を含むめっき液(100)を保持する。電源(70)は、被めっき体(40)とアノード電極との間に定電圧を供給する。スイッチ回路(23)は、電源(70)に対して、被めっき体(40)と並列に接続される。ホルダ(20)は、スイッチ回路(23)を介して電源(70)に接続されるダミーカソード電極(22)とを備える。ダミーカソード電極(22)は、ホルダ(20)がめっき液(100)内に浸漬される際、被めっき体(40)より先にめっき液(100)に接触する位置に露出して設けられる。スイッチ回路(23)は、ダミーカソード電極(22)がめっき液(100)に接した後に、電源(70)とダミーカソード電極(22)との接続を遮断する。
【0018】
このように、被めっき体(40)とダミーカソード電極(22)は電源(70)に並列接続され、被めっき体(40)より先にダミーカソード電極(22)がめっき液(100)に接触するため、接液当初、ダミーカソード電極(22)に電流が集中する。このため、めっきされる金属の異常析出がダミーカソード電極(22)で発生する。又、被めっき体(40)がめっき液(100)に接触する頃には、電流密度も減少しているため、被めっき体(40)に対する異常析出を抑制することができる。又、スイッチ回路(23)がオフ状態になると、被めっき体(40)表面に析出した金属がめっき液(100)中に溶解していき、めっき前の表面状態に戻る。
【0019】
本発明による電気めっき方法は、上述の電気めっき装置を用いて行われる電気めっき方法において、被めっき体(40)及びダミーカソード電極(22)のそれぞれと、アノード電極(50)との間に定電圧を供給しながら、被めっき体(40)より先にダミーカソード(22)をめっき液(100)に浸漬するステップと、ダミーカソード電極(2)がめっき液(100)に接触した後に、ダミーカソード電極(22)に対する定電圧の供給を遮断するステップとを具備する。
【発明の効果】
【0020】
本発明による電気めっき装置、及び電気めっき方法によれば、ボイドの発生を抑止しつつ均一なめっき膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。
【0022】
(構成)
図3A、図4及び図5を参照して、本発明によるめっき装置の構成の詳細を説明する。図3Aから図3Cは、本発明によるCuめっき装置の構成及び動作を示す図である。本発明によるめっき装置は、めっき槽10、ウエハホルダ20、ホルダ制御装置60、電源70を具備する。めっき槽10は、めっき液100を保持する内槽11と、内槽11からオーバーフローしためっき液100を保持する外槽12とを備える。内槽11内の底面には、Cuアノード電極50と、めっき液100を内槽11に送りこむためのめっき液噴流口13が設けられる。又、内槽11からオーバーフローしためっき液100を廃出するために、外槽14の底面には、めっき液排液口14が設けられる。
【0023】
ウエハホルダ20は、表面に被めっき体であるCuシード膜40が成膜された半導体ウエハ30(以下、ウエハ30と称す)を保持する。Cuシード膜40は、ウエハ30の外周領域においてコンタクト21(通電電極)を介して電源70に接続される。ウエハ30の処理表面(Cuシード膜40)は、ウエハホルダ20の底面において図面Y軸下向き(液面に対抗する向き)に露出するように保持される。コンタクト21は、図示しないオーリング等の封止部材で封止される。
【0024】
本発明によるウエハホルダ20は、ダミーカソード電極22とスイッチ回路23とを更に備える。ダミーカソード電極22は、ウエハホルダ20の底面に埋め込まれており、スイッチ回路23を介して電源70と接続している。図4は、ウエハホルダをY軸方向下方(ウエハ側)から見た底面構造を示す平面図である。図3A及び図4を参照して、ダミーカソード電極22は、ウエハホルダ23の外周部に、一部が被めっき面となるように露出して設置される。又、ダミーカソード電極22は、保持されるウエハ30の外側の領域に離隔して設けられることが好ましい。更に、ダミーカソード電極22の形状は、ウエハ30との距離が一様となる形状が好ましい。通常、ウエハ30は円形であるため、その形状は円形(リング形)であることが好ましい。コンタクト21は、ウエハ20の外縁部のコンタクト形成領域25に形成される。
【0025】
ダミーカソード電極22は、図4に示すように、ウエハ30を囲むように1つの電極(金属板又は金属膜)で形成されていても良いし、図5に示すように、複数の電極(金属板又は金属膜)で形成されていても良い。この場合、複数の電極はそれぞれスイッチ回路23の一端に共通接続される。又、図示しないが、ダミーカソード電極22は、被めっき面となる露出部分がある程度の表面積を有するように配置されれば配線によって構成されても良い。ダミーカソード電極22をウエハ30の外周部に設ける場合、ダミーカソード電極22の直径は、ウエハの直径より大きい事が必要である。現在、300mmウエハが主流になりつつあるため、直径が300mmより大きなダミーカソード電極22を設ける必要がある。しかし、このような大きさで表面が均一なダミーカソード電極22を1つのパーツで構成するのは製造の観点から難しく、且つ高コストとなる。このため、図5に示す一例のように複数に分割された金属板(金属膜)によってダミーカソード電極22が構成されていれば、高精度で、低コストの部材供給が可能となる。
【0026】
ダミーカソード電極22の材質はPt、Ti、SUS等、めっき液100中の硫酸に耐性を持つ金属が好ましい。ダミーカソード電極22のサイズは、内径がウエハ直径より1mm〜10mm大きい事が好ましく、その径方向の幅は、めっき液100に接触した際、銅が異常析出する領域より大きいことが必要である。すなわち、ウエハ30(Cuシード膜40)が着液した際の電流密度が、銅の異常析出を起こさない大きさとなるように、ダミーカソード電極22の大きさ(被めっき面となる表面積)を設定することが好ましい。このため、ダミーカソード電極22の径方向の幅は、5mm〜20mmが好ましい。
【0027】
スイッチ回路23は、電源70とダミーカソード電極22との間に接続され、電源70とダミーカソード電極22との接続を制御する。スイッチ回路23がオン状態のとき、ダミーカソード電極22と、コンタクト21(Cuシード膜40)とは電源に共通接続される。この際、電源70は、共通の定電圧をダミーカソード電極22及びCuシード膜40に印加する。スイッチ回路23がオフ状態のとき、ダミーカソード電極22と電源70との接続は切断される。尚、スイッチ回路23は、ウエハホルダ20の外部に設けられても良い。
【0028】
電源70は、Cuアノード電極50とCuシード膜40(カソード)又はダミーカソード電極22との間に一定の電圧を印加する。電源70は、Cuアノード電極50に高電圧、Cuシード膜40(カソード)又はダミーカソード電極22に低電圧を印加する。更に、めっき膜の諸特性を安定させることを目的に、Cuシード膜40がめっき液100に着液後、電源70は定電圧制御から定電流制御に切り替えられる。この切り替えは、Cuシード膜40の着液面積が所定の値となると実行される。例えば、定電圧制御から定電流制御に切り替えは、Cuシード膜40に流れる電流値に応じて行われても良いし、めっき処理の開始からカウントされた時間に応じて行われても良い。通常、電源70は、Cuシード膜40表面の全てがめっき液100に着液すると、定電圧制御から定電流制御に切り替えられる。又、この切り替え制御は、スイッチ回路23の切断制御と同時的に行われても良い。
【0029】
ホルダ制御装置60は、ウエハホルダ20の昇降、回転、及び傾斜を制御する。図3A〜図3Cを参照して、重力方向をY軸、液面方向をX軸とすると、ウエハホルダ20はY軸方向に昇降し、A軸周りに回転し、X軸に対し所定の角度を有するB軸にウエハ30の表面が平行となるように傾斜する。本発明によるホルダ制御装置60は、ウエハホルダ20を傾斜及び回転させながらめっき槽10内に移動し、めっき液100に浸漬する。Cuシード膜40の全てがめっき液100に浸漬されると、ホルダ制御装置60は、ウエハ30が液面(Cuアノード電極50)と平行になるようにウエハホルダ20を制御する。
【0030】
(動作)
図3Aから図3C、及び図6を参照して、本発明によるめっき装置のめっき処理動作の詳細を説明する。先ず、ウエハホルダ20がCuめっき液100に接液する以前に、Cuアノード電極50が陽極、ダミーカソード電極22、及びCuシード膜40が陰極となるように、電源70から一定の電圧(待機電圧)が印加される(図6参照、時刻T0)。この際、スイッチ回路23はオン状態に制御される。
【0031】
図3Aを参照して、ウエハホルダ20は、めっき液100に対して所定の角度に傾斜し、回転しながらめっき槽10内に下降する(図6参照、時刻T0から時刻T1)。この際、Cuシード膜40とCuアノード電極50との間に上述の待機電圧が印加されながら、ウエハホルダ20はめっき槽10内に下降する。
【0032】
図3Bを参照して、時刻T1においてウエハホルダ20は、めっき液100に接触(着液)する。この際、ウエハホルダ20はめっき液の液面(X軸方向)に対して傾斜(B軸方向)しているため、被めっき面であるCuシード膜40よりも先にダミーカソード電極22がめっき液100に接触する。ダミーカソード電極23が着液した瞬間より、ダミーカソード電極30では銅が析出を開始し、アノード電極50表面では銅が溶解を開始してめっき処理が行なわれる。図6を参照して、ダミーカソード電極22に対して一定の待機電圧が印加されているため、めっき液100と接触した時刻T1では、ダミーカソード電極22に電流が集中する。このため、時刻T1では大きな電流密度Iによって、めっき液100に接触するダミーカソード電極22の表面に銅が異常析出する。
【0033】
ウエハホルダ20が下降を続けると、ダミーカソード電極22とめっき液100との接触面積が増加し、更にはCuシード膜40がめっき液100に接触する(図6参照、時刻T2)。Cuシード膜40が着液した瞬間より、Cuシード膜表面では銅が析出を開始し、アノード電極50表面では銅が溶解を開始してめっき処理が行なわれる。ウエハホルダ20の下降(時間の経過)にともないめっき液100に着液するダミーカソード電極22の面積は増大するため、ダミーカソード電極22−アノード電極50間に流れる電流密度Iは減少する。これにより、Cuシード膜22がめっき液100に接触する時刻T2における電流密度Iは、銅の異常析出が抑制される程度の大きさとなる。
【0034】
更に、ウエハホルダ20が下降すると、めっき液100に着液するカソード(ダミーカソード電極22、Cuシード膜22)の面積は増大するため、カソード−アノード電極50間に流れる電流密度Iは減少する。図3Cを参照して、Cuシード膜40における所定の面積がめっき液に浸漬されると、スイッチ回路23はオフ状態となるように制御され、ダミーカソード電極22と電源70との間の接続が遮断される(図6参照、時刻T3)。例えば、電流密度Iが所定の電流密度itとなったときにスイッチ回路23はオフ状態に制御される。あるいは、Cuシード膜40の全てがめっき液100に浸漬されたときにスイッチ回路23はオフ状態に制御される。このように、スイッチ回路23のオンオフ制御は、電流密度Iに応じて行われても良いし、ウエハホルダ20の下降開始からの時間の経過に応じて行われても良い。通常、ウエハホルダ20とめっき液100との接触時刻T1からCuシード膜40の全てが浸漬されるまでの時間は短時間(μ秒オーダー)である。このため、スイッチ回路23は、ウエハホルダ20がウエハ液100に接触直後にオフ状態となるように制御されることが好ましい。
【0035】
スイッチ回路23によってダミーカソード電極23とCuアノード電極50との接続が遮断されると、時刻T3までにめっき液100に浸漬されたダミーカソード電極23が減少するため、電流密度Iは上昇する。しかし、Cuシード膜40の面積に比べて、ダミーカソード電極23の面積は小さいため、電流密度Iの上昇分は小さく、めっき処理に影響を与えることはない。
【0036】
又、スイッチ回路23がオフ状態となる時刻T3と同時的に、電源70は定電圧制御から定電流制御に切り替えられる。これにより、めっき膜の諸特性は安定する。更に、これに前後して、ウエハホルダ20は、傾斜状態から(Cuアノード電極50)と平行な状態(水平状態)に移行する。ウエハ30とCuアノード電極50が平行な状態となることで、均一なめっき処理を行うことができる。電源70に対する定電圧制御から定電流制御に切り替え制御は、時刻T3と同時的に行われても、電流密度Iが安定する時刻T4に行われてもどちらでも良い。又、電流密度Iが安定する時刻T4において、ウエハ30とCuアノード電極50とが平行となるように制御されても良い。
【0037】
スイッチ回路23がオフ状態になると、Cuシード膜40表面では定電流制御でのCuめっき成膜が継続され、ダミーカソード電極30表面では、時刻T3までの期間にわずかに析出したCuがめっき液100中に溶解していき、Cuめっき前の表面状態に戻る。又、Cuシード膜40に対するめっき処理の間、スイッチ回路23によってダミーカソード電極23を介して流れる電流は遮断される。これにより、ウエハ30におけるダミーカソード電極23周辺領域とウエハ30の中心領域の電界が均一となり、めっき膜の膜厚を均一にすることができる。
【0038】
以上のように、本発明では、Cuシード膜40に接続するコンタクト21とダミーカソード電極22は、電源70とめっき液100内のCuアド−ド電極50との間に並列接続され、一定の電圧が印加されている。これにより、ダミーカソード電極22は、Cuシード膜40とともに被めっき面となる。すなわち、めっき処理の間に被めっき面に流れる電流密度は、めっき液100に着液したCuシード膜40とダミーカソード電極22の面積に応じた値となる。本発明によるめっき装置では、所望の被めっき面であるCuシード膜40より先に、ダミーカソード電極22がめっき液100と接触するため、ダミーカソード電極22に大きな電流密度が発生する。又、Cuシード膜40がめっき液100に接触するとき、ダミーカソード電極22の一部が既にめっき液100に浸漬しているため、電流密度は接触当初に比べ減少している。以上のことから、従来技術で述べた銅の異常析出は、ダミーカソード電極22において発生し、Cuシード膜40がめっき液100に浸漬するときには抑制される。従って、本発明によるめっき装置では、所望のCuめっき膜特性を得ることができる。更に、本発明によるめっき装置では、ウエハ30の表面をめっき液100の液面に対して傾斜して浸漬しているため、ボイドの発生を抑止しつつ均一なめっき膜を形成することことができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。ダミーカソード電極22は、ウエハホルダ20に保持されるウエハ30表面より、めっき液100に突出した位置に設けられることが好ましいが、ウエハ30より先にめっき液100に着液すれば、ウエハ30表面と同一面上に設けられても良い。又、ダミーカソード電極22の表面において気泡の発生を防止するため、ダミーカソード電極22の表面とウエハホルダ20の表面が同一面となるように構成されることが好ましい。更に、本実施の形態では、銅配線をめっきするめっき装置について説明したが、他の金属配線(例えば金配線)をめっきするめっき装置にも適用できる。この場合、被めっき体となるCuシード膜40に替えて他の金属シード層が用いられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】図1Aは、従来技術によるめっき装置の構成及びめっき処理の一例を示す図である。
【図1B】図1Bは、従来技術によるめっき装置の構成及びめっき処理の一例を示す図である。
【図1C】図1Cは、従来技術によるめっき装置の構成及びめっき処理の一例を示す図である。
【図2】図2は、従来技術によるめっき処理における電流密度の推移を示す図である。
【図3A】図3Aは、本発明によるめっき装置の実施の形態における構成及びめっき方法を示す図である。
【図3B】図3Bは、本発明によるめっき装置の実施の形態における構成及びめっき方法を示す図である。
【図3C】図3Cは、本発明によるめっき装置の実施の形態における構成及びめっき方法を示す図である。
【図4】図4は、本発明によるウエハホルダの底面構造の一例を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明によるウエハホルダの底面構造の一例を示す平面図である。
【図6】図6は、本発明によるめっき処理における電流密度の推移を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
10:めっき槽
20:ウエハホルダ
21:コンタクト
22:ダミーカソード電極
23:スイッチ回路
30:ウエハ
40:Cuシード膜
50:Cuアノード電極
60:ウエハホルダ制御装置
100:めっき液
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被めっき体を有する半導体ウエハを保持するホルダと、
アノード電極を含むめっき液を保持するめっき槽と、
前記被めっき体と前記アノード電極との間に定電圧を供給する電源と、
前記電源に対して、前記被めっき体と並列に接続される前記スイッチ回路と、
を具備し、
前記ホルダは、前記スイッチ回路を介して前記電源に接続されるダミーカソード電極とを備え、
前記ダミーカソード電極は、前記ホルダが前記めっき液内に浸漬される際、前記被めっき体より先に前記めっき液に接触する位置に露出して設けられ、
前記スイッチ回路は、前記ダミーカソード電極が前記めっき液に接した後に、前記電源と前記ダミーカソード電極との接続を遮断する
電気めっき装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気めっき装置において、
前記ダミーカソード電極は、前記ホルダが保持する前記半導体ウエハの外周領域に設けられる
電気めっき装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気めっき装置において、
前記スイッチ回路は、前記ダミーカソード電極が前記めっき溶液に接触してから、前記カソード電極と前記電源との間の電流が所定の値となった後に、前記ダミーカソード電極と前記電源との接続を遮断する
電気めっき装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気めっき装置において、
前記スイッチ回路は、前記ダミーカソード電極が前記めっき溶液に接触してから所定の時間が経過すると、前記ダミーカソード電極と前記電源との接続を遮断する
電気めっき装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気めっき装置において、
前記アノード電極は、銅を含む
電気めっき装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電気めっき装置を用いて行われる電気めっき方法において、
前記被めっき体及び前記ダミーカソード電極のそれぞれと、前記アノード電極との間に定電圧を供給しながら、前記被めっき体より先に前記ダミーカソードを前記めっき液に浸漬するステップと、
前記ダミーカソード電極が前記めっき液に接触した後に、前記ダミーカソード電極に対する前記定電圧の供給を遮断するステップと、
を具備する
電気めっき方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電気めっき方法において、
前記めっき液に浸漬するステップは、前記半導体ウエハの表面と前記めっき液の液面とが非平行な状態を保ちながら、前記半導体ウエハを保持した前記ホルダを前記めっき液に浸漬するステップを備える
電気めっき方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電気めっき方法において、
前記被めっき体と前記アノード電極との間の電流値を測定するステップを更に具備し、
前記定電圧の供給を遮断するステップは、前記電流値が所定の値となると、前記ダミーカソード電極に対する前記定電圧の供給を遮断するステップを備える
電気めっき方法。
【請求項1】
被めっき体を有する半導体ウエハを保持するホルダと、
アノード電極を含むめっき液を保持するめっき槽と、
前記被めっき体と前記アノード電極との間に定電圧を供給する電源と、
前記電源に対して、前記被めっき体と並列に接続される前記スイッチ回路と、
を具備し、
前記ホルダは、前記スイッチ回路を介して前記電源に接続されるダミーカソード電極とを備え、
前記ダミーカソード電極は、前記ホルダが前記めっき液内に浸漬される際、前記被めっき体より先に前記めっき液に接触する位置に露出して設けられ、
前記スイッチ回路は、前記ダミーカソード電極が前記めっき液に接した後に、前記電源と前記ダミーカソード電極との接続を遮断する
電気めっき装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気めっき装置において、
前記ダミーカソード電極は、前記ホルダが保持する前記半導体ウエハの外周領域に設けられる
電気めっき装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気めっき装置において、
前記スイッチ回路は、前記ダミーカソード電極が前記めっき溶液に接触してから、前記カソード電極と前記電源との間の電流が所定の値となった後に、前記ダミーカソード電極と前記電源との接続を遮断する
電気めっき装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気めっき装置において、
前記スイッチ回路は、前記ダミーカソード電極が前記めっき溶液に接触してから所定の時間が経過すると、前記ダミーカソード電極と前記電源との接続を遮断する
電気めっき装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気めっき装置において、
前記アノード電極は、銅を含む
電気めっき装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電気めっき装置を用いて行われる電気めっき方法において、
前記被めっき体及び前記ダミーカソード電極のそれぞれと、前記アノード電極との間に定電圧を供給しながら、前記被めっき体より先に前記ダミーカソードを前記めっき液に浸漬するステップと、
前記ダミーカソード電極が前記めっき液に接触した後に、前記ダミーカソード電極に対する前記定電圧の供給を遮断するステップと、
を具備する
電気めっき方法。
【請求項7】
請求項6に記載の電気めっき方法において、
前記めっき液に浸漬するステップは、前記半導体ウエハの表面と前記めっき液の液面とが非平行な状態を保ちながら、前記半導体ウエハを保持した前記ホルダを前記めっき液に浸漬するステップを備える
電気めっき方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の電気めっき方法において、
前記被めっき体と前記アノード電極との間の電流値を測定するステップを更に具備し、
前記定電圧の供給を遮断するステップは、前記電流値が所定の値となると、前記ダミーカソード電極に対する前記定電圧の供給を遮断するステップを備える
電気めっき方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−293088(P2009−293088A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148764(P2008−148764)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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