電気ケトル
【課題】ケトル本体の軽量化及びシンプル化、ケトル本体内の構成のコンパクト化を図りつつ、制御部による加熱部の制御を確実に実行し得る安全性の高い電気ケトルの提供。
【解決手段】電源プレート2と、電源プレート2に載置されるケトル本体3とを備え、ケトル本体3の底面3aを電源プレート2の上面2aに載置した給電姿勢において、給電機構4から受電機構8に電力供給する電気ケトルであって、ケトル本体3には、少なくともケトル本体3に配設された貯留部5内の湯水を加熱する加熱部6と、貯留部5内の湯水の温度を検出する温度検出部7と、温度検出部7で検出される温度情報を電源プレート2側に送信する送信部19とが配設され、電源プレート2には、少なくとも送信部19により送信された温度情報を受信する受信部20と、加熱部6に供給される電力を受信部20が受信した温度情報に基づいて制御する制御部Pとが配設される。
【解決手段】電源プレート2と、電源プレート2に載置されるケトル本体3とを備え、ケトル本体3の底面3aを電源プレート2の上面2aに載置した給電姿勢において、給電機構4から受電機構8に電力供給する電気ケトルであって、ケトル本体3には、少なくともケトル本体3に配設された貯留部5内の湯水を加熱する加熱部6と、貯留部5内の湯水の温度を検出する温度検出部7と、温度検出部7で検出される温度情報を電源プレート2側に送信する送信部19とが配設され、電源プレート2には、少なくとも送信部19により送信された温度情報を受信する受信部20と、加熱部6に供給される電力を受信部20が受信した温度情報に基づいて制御する制御部Pとが配設される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源プレートと、電源プレートに載置されるケトル本体とを備え、電源から供給される電力を出力する給電機構が電源プレートの上面に配設されるとともに、給電機構から供給される電力を受電する受電機構がケトル本体の底面に配設され、ケトル本体の底面を電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、給電機構から受電機構に電力供給する構成の電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネ指向の高まりにより、常に保温している電気ポットではなく、必要な時に必要なだけ迅速にお湯を沸かすことができる電気ケトルの需要が高まっている。
上記電気ケトルは、基本的に、電源プレートと、この電源プレートに載置されるケトル本体とを備えて構成されている。そして、電源から供給される電力を出力する給電機構が電源プレートの上面に配設されるとともに、給電機構から供給される電力を受電する受電機構がケトル本体の底面に配設され、ケトル本体の底面を電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、給電機構から受電機構に電力供給する構成とされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の電気ケトルでは、電源プレートには給電機構が配設され、一方で、ケトル本体には、給電機構から電力を受電する受電機構と、湯水を貯留する貯留部と、貯留部内の湯水の温度を検出する温度検出部と、受電機構が受電した電力を用いて貯留部内の湯水を加熱する加熱部と、温度検出部にて検出された温度情報に基づいて加熱部への電力供給を制御する制御部とが配設された構成とされている。なお、この制御部としては、例えば、いわゆるマイコンが採用され、加熱部への電力供給の制御に加え、表示手段による湯温の表示、報知手段による加熱完了の音声報知、貯留部内の湯量の検出、湯量に応じた加熱時間の設定等の多機能化を電気ケトルにおいて実現することが可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−125356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の電気ケトルでは、加熱部への電力供給を制御する制御部及び温度検出部がケトル本体内に配置されているため、制御部と温度検出部、制御部と制御対象の加熱部をそれぞれ単純に電気的に接続することで、制御部が温度検出部からの温度信号に基づいて加熱部の作動を確実に制御することが可能となり、また、制御部としてマイコンを採用している場合には、上記多機能化を実現することも可能となる。
【0006】
ここで、電気ケトルにおいては、使用者がケトル本体を手に持って湯水を注ぐため、ケトル本体はできるだけ軽量に形成されていることが望ましい。また、ケトル本体内は、貯留部に充分な量の湯水を貯留可能で、かつ、その他の部材を設置するスペースをできるだけ多く確保可能に構成すると、湯水の貯留量を充分に確保できながら、ケトル本体内のデザインの設計可能幅を広げることができるため、ケトル本体内は可能な限りコンパクトに形成され、ケトル本体がシンプルに構成されていることが望ましい。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の電気ケトルでは、湯水を貯留する貯留部及び加熱部への電力供給を制御する制御部がケトル本体内に配置されているため、制御部内への湯水の侵入可能性を考慮すると、安全性の観点から改善の余地がある。また、制御部がケトル本体内に配置されているため、制御部及び制御部を配設するための部材や防水用の部材等の重量分だけケトル本体の重量が増加し、ケトル本体の軽量化という観点からは改善の余地がある。同様に、制御部及び制御部を配設するための部材や防水用の部材等のスペースをケトル本体内に確保することが必要となるため、このスペース分だけ貯留部の貯留可能量が減少するか、或いはケトル本体内におけるその他の部材を設置するスペースが減少することとなり、ケトル本体内の構成をコンパクトに形成し、ケトル本体をシンプルに構成するという観点からも改善の余地がある。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケトル本体の軽量化、ケトル本体内の構成のコンパクト化及びケトル本体のシンプル化を図りながら、制御部による加熱部の制御を確実に実行し得る安全性の高い電気ケトルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る電気ケトルは、電源プレートと、前記電源プレートに載置されるケトル本体とを備え、
電源から供給される電力を出力する給電機構が前記電源プレートの上面に配設されるとともに、前記給電機構から供給される電力を受電する受電機構が前記ケトル本体の底面に配設され、前記ケトル本体の底面を前記電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、前記給電機構から前記受電機構に電力供給する構成の電気ケトルであって、
その特徴構成は、前記ケトル本体には、少なくとも前記ケトル本体に配設された貯留部内の湯水を加熱する加熱部と、前記貯留部内の湯水の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部で検出される温度情報を前記電源プレート側に送信する送信部とが配設されるとともに、
前記電源プレートには、少なくとも前記送信部により送信された前記温度情報を受信する受信部と、前記給電機構から前記受電機構を介して前記加熱部に供給される電力を前記受信部が受信した前記温度情報に基づいて制御する制御部とが配設された点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、電源プレートとケトル本体とを備えた電気ケトルにおいて、温度検出部で検出される温度情報に基づいて加熱部に供給される電力を制御する制御部が電源プレートに配設されているので、ケトル本体の重量を当該制御部及び制御部を配設するための部材、さらには制御部を防水するための部材の重量分だけ軽量化でき、加えて、ケトル本体内のスペースを当該制御部及び制御部を配設或いは防水するための部材のスペース分だけ省スペース化することができる。この場合、ケトル本体内(特に、貯留部近傍)には上記制御部が存在しないので、当該制御部への湯水の浸入可能性を考慮しなくてよく、安全性を高めることができる。
また、ケトル本体には温度検出部にて検出された貯留部内の湯水に関する温度情報を電源プレートの受信部に送信する送信部が配設されているので、上記のように温度検出部及び加熱部をケトル本体に、制御部を電源プレートにそれぞれ分離して別々の部材に配設した場合でも、温度検出部からの温度情報を送信部及び受信部を介して制御部に確実に送信することができる。これにより、電源プレートに配設された制御部は、加熱部への電力供給の制御を、ケトル本体に配設された温度検出部で検出された温度情報に対応して正確に行うことができる。
なお、電源から供給される電力を出力する給電機構が電源プレートの上面に配設されるとともに、給電機構から供給される電力を受電する受電機構がケトル本体の底面に配設されるので、ケトル本体に配設された加熱部にて用いられる電力は、ケトル本体の底面を電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、電源から給電機構及び受電機構を介して加熱部に供給される。
よって、ケトル本体の軽量化、ケトル本体内の構成のコンパクト化及びケトル本体のシンプル化を図りながら、制御部による加熱部の制御を確実に、しかも、安全性の高い状態で実行することができる。
【0011】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記送信部は、前記温度検出部で検出される前記温度情報を光信号として出力する発光部を前記ケトル本体の底面に備え、前記受信部は、前記発光部から出力された前記光信号を受光する受光部を前記電源プレートの上面に備えて構成され、
前記給電姿勢において前記ケトル本体の底面と前記電源プレートの上面とが対向する状態で、前記発光部と前記受光部とが、前記発光部から出力された前記光信号を前記受光部にて受光可能な位置に配置されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、ケトル本体に配設された温度検出部で検出される温度情報は、ケトル本体の底面に配設された送信部である発光部にて光信号となり、当該光信号は電源プレートの上面に配設された受信部である受光部に対して出力され受光されるので、ケトル本体から電源プレートに温度情報を非接触、かつ、簡便な構成で送信して、電源プレートの制御部において加熱部の制御に用いることが可能となる。なお、非接触で温度情報を送信できるので、温度情報の送信に関し、接触して送信する構成とした場合の接点劣化も防止できる。
この際には、給電姿勢においてケトル本体の底面と電源プレートの上面とが対向する状態で、発光部と受光部とが、発光部から出力された光信号を受光部にて受光可能な位置に配置されているので、発光部から出力される光信号は確実に受光部に到達することができる。
よって、ケトル本体から電源プレートの制御部に温度情報を、非接触、かつ簡便な構成で確実に伝達させることが可能となる。
【0013】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記発光部は、前記光信号を出力する発光素子と、当該発光素子から出力された当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させる本体側光伝搬部とを備えている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、発光素子から出力された光信号は、本体側光伝搬部の全体を伝搬しながら外部に向けて放射(反射又は拡散(散乱))される。つまり、発光素子からの光信号は、本体側光伝搬部の全体から、電源プレート上の広い範囲に向けて放射される。その結果、発光素子からの光信号を、より確実に受光部で受光させることができる。
また、発光素子から本体側光伝搬部を介さずに、光信号を直接受光部に出力する際には、受光部に対して発光素子を略対向する位置に配置しなければ光信号を受光させることが困難となるが、上記特徴構成によれば、少なくとも本体側光伝搬部と受光部とが対向して配置されていれば光信号を受光できるので、発光素子の設置位置の自由度を高めることができる。
【0015】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面において前記受電機構を中心とする円環状に配設されている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、給電姿勢において、電源プレートの上面の中央部に配設された給電機構及びケトル本体の底面の中央部に配設された受電機構を中心として、ケトル本体と電源プレートとが相対回転自在に構成されているので、両者が相対回転した何れの状態でも、給電機構から受電機構への電力供給を維持することができる。
加えて、本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面において受電機構を中心とする円環状に配設されているので、給電姿勢において、ケトル本体と電源プレートとが相対回転した何れの状態でも、発光素子から出力された光信号を円環状の本体側光伝搬部の全体で反射或いは拡散させながら伝搬させ、電源プレート上における円環状の広い範囲に放射させることができる。結果、光信号を受光部に確実に受光させることが可能となる。なお、この場合には、発光部の一部である本体側光伝搬部と受光部とは、本体側光伝搬部から反射或いは拡散された光信号を受光部にて受光可能な位置に対向配置されている。なお、円環状とは、受電機構の中心から径方向に所定の位置にまで連続して形成される円状、及び受電機構の中心から径方向に、所定の距離にある位置と、さらにこの位置から所定の距離にある位置との間に形成される環状の部分をいう。
よって、ケトル本体を電源プレートに載置して給電姿勢にする際に、発光素子からの光信号を受光部が受信できるか否かについて特に意識する必要がなくなり、利用者の利便性が格段に向上することとなる。
【0017】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、本体側光伝搬部が、ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されているので、発光素子から出力された光信号が本体側光伝搬部にて反射或いは拡散されながら伝搬されて、円環状の溝部内が当該光信号により全体的に光ることとなる。これにより、円環状の溝部内全体から光信号を放射させることができるので、発光素子からの光信号をより広い範囲に伝搬させて、より確実に当該光信号を受光部に受光させることができる。
また、本体側光伝搬部が、ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されているので、本体側光伝搬部をケトル本体の底面よりも電源プレート側に突出させることなく配置することができる。これにより、ケトル本体がテーブルの上面等に載置された場合等でも、ケトル本体の姿勢を安定させることができるとともに、ケトル本体の底面に配設された本体側光伝搬部への汚れ等の付着を抑制でき、給電姿勢において発光素子から受光部への光信号の伝送をより確実に行うことが可能となる。
【0019】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記受光部は、前記発光部から出力された前記光信号が入射され、当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させるプレート側光伝搬部と、前記プレート側光伝搬部から伝搬された当該光信号を受光する受光素子とを備えている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、発光部から出力された光信号を、電源プレート上の広い範囲に設けられたプレート側光伝搬部へより確実に入射させて、プレート側光伝搬部へ入射した光信号を、プレート側光伝搬部を伝搬させて受光素子へと到達させることができる。
また、発光部から出力されプレート側光伝搬部に入射された光信号は、当該プレート側光伝搬部の全体を伝搬しながら放射(反射又は拡散(散乱))される。つまり、発光部からの光信号は、プレート側光伝搬部の全体から広い範囲に向けて放射されるので、当該光信号をより確実に受光素子に受光させることができる。
さらに、発光部からプレート側光伝搬部を介さずに、光信号を直接受光素子に出力する際には、受光素子に対して発光部を略対向する位置に配置しなければ光信号を受光させることが困難となるが、上記特徴構成によれば、発光部とプレート側光伝搬部とが対向して配置されていれば光信号を受光できるので、受光素子の設置位置の自由度を高めることができる。
【0021】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記プレート側光伝搬部が、前記電源プレートの上面において前記給電機構を中心とする円環状に配設されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、給電姿勢において、電源プレートの上面の中央部に配設された給電機構及びケトル本体の底面の中央部に配設された受電機構を中心として、ケトル本体と電源プレートとが相対回転自在に構成されているので、両者が相対回転した何れの状態でも、給電機構から受電機構への電力供給を維持することができる。
加えて、プレート側光伝搬部が、前記電源プレートの上面において給電機構を中心とする円環状に配設されているので、給電姿勢において、ケトル本体と電源プレートとが相対回転した何れの状態でも、発光部から出力された光信号を円環状のプレート側光伝搬部の全体で反射或いは拡散させながら伝搬させ、円環状の広い範囲に放射させることができる。結果、光信号を受光素子に確実に受光させることが可能となる。なお、この場合には、発光部と受光部の一部であるプレート側光伝搬部とは、発光部から出力された光信号をプレート側光伝搬部にて受光可能な位置に対向配置されている。
よって、ケトル本体を電源プレートに載置して給電姿勢にする際に、発光部からの光信号を受光素子が受信できるか否かについて特に意識する必要がなくなり、利用者の利便性が格段に向上することとなる。
特に、発光部が発光素子と円環状の本体側光伝搬部とを備えるとともに、受光部が受光素子と円環状のプレート側光伝搬部とを備えた構成であれば、本体側光伝搬部とプレート側光伝搬部とを、本体側光伝搬部の全体を伝搬しながら外部に放射(反射又は拡散)された光信号をプレート側光伝搬部にて受光可能な位置に対向配置するだけ(受電機構及び給電機構の中心から同径の距離に配置するだけ)でよく、発光素子及び受光素子の配置の自由度を高めることができると共に、発光素子から出力された光信号をより確実に受光素子にて受光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】電気ケトルの外観を示す斜視図
【図2】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの斜視図
【図3】第1実施形態に係るケトル本体の縦断側面図
【図4】第1実施形態に係るケトル本体の底面視図
【図5】第1実施形態に係る電源プレートの上面視図
【図6】第1実施形態に係る電気ケトル下部の縦断面図
【図7】第1実施形態に係る給電姿勢での電気ケトル下部の縦断面図
【図8】第1実施形態に係る電気ケトルの概略回路構成図
【図9】第2実施形態に係る電気ケトル下部の概略構成を示す斜視図
【図10】第3実施形態に係る電気ケトル下部の概略構成を示す斜視図
【図11】第4実施形態に係る電気ケトル下部の概略構成を示す斜視図
【図12】別実施形態に係る電気ケトルの概略回路構成図
【図13】別実施形態に係る電気ケトルの概略回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、電気ケトル1は、電源プレート2と、その電源プレート2に載置自在なケトル本体3とを備えて構成されている。
図2、図5〜図8に示すように、電源プレート2には、電源コードS1を通して電源S(商用電源のコンセント等)から供給される電力を出力する給電機構4が備えられている。
図3、図6、図7に示すように、ケトル本体3には、加熱対象の湯水を貯留する貯留部5と、貯留部5内の湯水を加熱する電気ヒータ6(加熱部の一例)と、貯留部5内の湯水の温度を検出する温度センサ7(温度検出部の一例)と、給電機構4から供給される電力を受電する受電機構8とが備えられている。
【0025】
図1、図4、図5、図7、図8に示すように、電気ケトル1においては、給電機構4が電源プレート2の上面2aに配設されるとともに、給電機構4から供給される電力を受電する受電機構8がケトル本体3の底面3aに配設され、ケトル本体3の底面3aを電源プレート2の上面2aに載置した給電姿勢において、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続されて、給電機構4から受電機構8に電力供給するように構成されている(図1、図7参照)。
【0026】
次に、電気ケトル1の各部について説明を加える。
図1〜図3に示すように、ケトル本体3は、貯留部5を内部に備えて上側開放の概略有底円筒状に構成された本体ボディ9と、その開放された開口を覆う蓋体10とを主な部材として備えて構成されている。
蓋体10は、本体ボディ9の開口の外周部に設けられた横方向(図4の左右方向)の揺動軸10a周りに揺動自在に構成されており、蓋体10を上側に揺動させて蓋を開放した状態で、本体ボディ9の貯留部5内に水を注水することが可能となる。一方、蓋体10が本体ボディ9の開口を閉止した状態で、湯水の加熱が可能となっている。ここで、貯留部5内の湯水とは、貯留部5内に注水された水、及び、その注水された水が電気ヒータ6により加熱された湯を総称するものである。
【0027】
ケトル本体3の蓋体10には、貯留部5に貯留されている湯水を注ぐ注口11、蓋体10を開閉するための蓋体開閉操作部12、及び、蒸気を排出する蒸気口13が設けられている。
ケトル本体3の本体ボディ9の上側部における注口11に対してケトル本体前後方向(図3の左右方向)反対側に対応する箇所には、上下方向に延びる状態で棒状のハンドル14が設けられている。このハンドル14は、その上端がケトル本体3の上側部に支持される片持ち状態で設けられている。
【0028】
図3に示すように、注口11の内部側には、その注口11を開閉する給湯操作用の弁15が設けられており、更に、ハンドル14の上端部には、弁15を開閉操作するための給湯操作ボタン16が設けられ、給湯操作ボタン16が押し込み姿勢に無い限り、ケトル本体3を傾けても注口11から湯水がでることがなく、給湯操作ボタン16を押し込み操作すると、注口11からの出湯が可能に構成されている。
【0029】
図3、図6、図7に示すように、電気ヒータ6は、貯留部5の底面に、環状に設けられ、受電機構8を介して供給される電力により作動が制御される形態で、作動時の熱を用いて貯留部5内の湯水を加熱可能に構成されている。なお、貯留部5内の湯水を加熱するための電気ヒータ6に加えて、当該湯水の温度を保温する保温ヒータを別途設ける構成としてもよい。
図3に示すように、温度センサ7は、貯留部5の底面に設けられ、検出した貯留部5内の湯水の温度情報を出力可能に構成されている。
図2〜図4、図6、図7に示すように、受電機構8は、ケトル本体3の底部3aの中心側の箇所(中央部)に、その底面3aから引っ込んだ状態で、給電機構4を嵌め込むことが可能な円状の給電機構嵌め込み用凹部3b内に設けられている。
受電機構8は、ピン状の中心電極8a(接点に相当する)と、その中心電極8aの外周部にその中心電極8aと同心状に設けられた環状電極8b(接点に相当する)とを備えて構成されている。
【0030】
図2、図5〜図7に示すように、電源プレート2は、ケトル本体3の円状底部の外形と略同径の外形円形のプレートとして構成されており、その上面2aはケトル本体3が載置可能となるように、当該ケトル本体3の底面3aの形状と略対応する形状に形成されている。電源プレート2の下部は電源コードS1を収納可能な収納部(図示せず)とされている。
【0031】
給電機構4は、外観形状が概略円柱状に構成されて、電源プレート2の中心側の箇所(中央部)にその上面2aから突出するように設けられている。
給電機構4は、中心穴4Aと、その中心穴4Aと同心に設けられた環状穴4Bとを備え、これら穴4A、4Bに夫々設けられる中心電極4a、外側電極4b(接点に相当する)を備えて構成されている。
そして、図6、図7に示すように、ケトル本体3が電源プレート2上に給電姿勢で載置されると、給電機構4がケトル本体3の底部3aの給電機構嵌め込み用凹部3b内に嵌り込んで、給電機構4及び受電機構8に設けられた中心電極4aと中心電極8a、及び外側電極4bと環状電極8bがそれぞれ電気的に接続されて、給電機構4から受電機構8への給電が可能となる。この給電姿勢では、ケトル本体3と電源プレート2とが給電機構4及び受電機構8を中心として相対回転自在となっている。
【0032】
電源プレート2には、図6、図7に示すように、弾性部材で構成された複数(この実施形態では4個)の滑り止め部材17が、電源プレート2の底面においてその周方向に分散して設けられ、電源プレート2が不意に移動することが防止されている。従って、給電姿勢では、ケトル本体3が電源プレート2(固定)に対して相対回転自在となっている。
【0033】
以上が本願に係る電気ケトル1の構成であるが、以下、この電気ケトル1に採用している特徴構成について説明する。
【0034】
図6〜図8に示すように、電気ケトル1の電源プレート2内には、マイクロコンピュータ18(以下、マイコン18という)を備えたプレート側制御回路P(制御部の一例)が配設されている。プレート側制御回路Pについての詳細は後述するが、マイコン18は、ケトル本体3に配設された電気ヒータ6に供給される電力を制御する機能を備えることに加え、その他種々の機能を実現することが可能な公知の演算処理手段により構成されている。
【0035】
図3、図6、図7に示すように、ケトル本体3には、赤外光(光信号の一例)を出力可能な発光部19(送信部の一例)が当該ケトル本体3の底面3a(本体ボディ9の底部)に配設されている。発光部19は、赤外光を出力する発光素子19aと、発光素子19aから出力された赤外光をケトル本体3の外部に反射させながら受光部20へ伝搬する本体側光伝搬部としての本体側反射部材19bとを備えている。発光素子19aは、公知の赤外線通信モジュールの発光素子であり、ケトル本体3が電源プレート2に載置された給電姿勢で、本体側反射部材19bを介して後述する受信部としての受光部20に赤外光を送信可能に配置されている。
具体的には、図3、図4、図6、図7に示すように、発光素子19aは、ケトル本体3の底面3aに形成された本体側溝部21(溝部の一例)内に配設される。本体側溝部21は、ケトル本体3の底面3aにおける受電機構8よりも外周側に、当該底面3aよりも貯留部5側(図6の上方向)に窪む環状溝として形成され、当該環状溝の外側部に発光素子19aが配設(本実施形態では、発光素子19aは周方向に一つ配設)されている。本体側溝部21の内面は、発光素子19aから出力された赤外光を反射させながら伝搬可能な本体側反射部材19bで構成されている。本体側反射部材19bは、赤外光を反射させながら伝搬できる部材であればよく、例えば、本体側溝部21自体を樹脂で構成し、その内面が滑らかな表面となるように形成したり、その内面をメッキ等で滑らかな表面となるようにコーティングして形成する等により、赤外光を反射させながら伝搬可能とすることができる。これにより、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側溝部21内の本体側反射部材19bにより反射(例えば、複数回の反射、乱反射等)させられながら伝播されて本体側溝部21内全体が光り、ケトル本体3の外部である電源プレート2の受光部20に伝搬できる。なお、発光素子19aの配設箇所は、本体側溝部21内の外側部に限らず、内側部や上部等、発光素子19aからの赤外光を本体側溝部21内の本体側反射部材19bで反射させながら伝搬させ、伝搬した赤外光を受光部20に伝搬可能な箇所に配置でき、また、同様の観点から、発光素子19aから出力される赤外光の発光方向も適宜の方向に設定することができる。なお、発光素子19aは周方向に複数個(例えば、2つ)設けてもよい。
また、本体側溝部21の環状溝の下部には開口が形成されているが、この開口には、赤外光を透過可能な環状の本体側赤外光透過性材料22(光透過性材料の一例)が配設され、当該開口が閉鎖されて、当該本体側赤外光透過性材料22の下面はケトル本体3の底面3aと面一に構成されている。なお、本体側赤外光透過性材料22は、破損防止及び軽量化を図るため、赤外光を透過可能な樹脂により構成することが好ましい。
【0036】
図5〜図7に示すように、電源プレート2には、ケトル本体3の発光部19から出力された赤外光を受光可能な受光部20(受信部の一例)が当該電源プレート2の上面2aに配設されている。受光部20は、発光部19の本体側光伝搬部19bから伝搬された光信号が入射され、当該光信号を反射させながら伝搬させるプレート側光伝搬部としてのプレート側反射部材20aと、プレート側反射部材20aから伝搬された光信号を受光する受光素子20bとを備えている。受光素子20bは、公知の赤外線通信モジュールの受光素子であり、ケトル本体3が電源プレート2に載置された給電姿勢で、プレート側反射部材20aを介して発光素子19aから出力された赤外光を受信可能に配置されている。
具体的には、受光素子20bは、電源プレート2の上面2aに形成されたプレート側溝部23内に配設される。プレート側溝部23は、電源プレート2の上面2aにおける給電機構4よりも外周側に、当該上面2aよりも下部側(図6の下方向)に窪む環状溝として形成され、当該環状溝の外側部に受光素子20bが配設(本実施形態では、受光素子20bは周方向に一つ配設)されている。プレート側溝部23の内面は、発光部19の本体側光伝搬部19bから伝搬された赤外光を反射させながら伝搬可能なプレート側反射部材20aで構成されている。なお、プレート側反射部材20aは、赤外光を反射させながら伝搬できる部材であればよく、例えば、プレート側溝部23自体を樹脂で構成し、その内面が滑らかな表面となるように形成したり、その内面をメッキ等で滑らかな表面となるようにコーティングして形成する等により、赤外光を反射させながら伝搬可能とすることができる。これにより、本体側反射部材19bからプレート側反射部材20aに入射された赤外光は、プレート側反射部材20aにより反射(例えば、複数回の反射、乱反射等)させられながら伝播されてプレート側溝部23内全体が光り、当該プレート側溝部23内に配設された受光素子20bに伝搬できる。なお、受光素子20bの配設箇所は、プレート側溝部23内の外側部に限らず、内側部や下部等、本体側反射部材19bからの赤外光をプレート側溝部23内のプレート側反射部材20aで反射させながら伝搬させ、伝搬した赤外光を受光可能な箇所に配置できる。なお、受光素子20bを周方向に複数個(例えば、2つ)設けてもよい。
また、プレート側溝部23の環状溝の上部には開口が形成されているが、この開口には、赤外光を透過可能な環状のプレート側赤外光透過性材料24(光透過性材料の一例)が配設され、当該開口が閉鎖されて、当該プレート側赤外光透過性材料24の上面は電源プレート2の上面2aと面一に構成されている。なお、プレート側赤外光透過性材料24は、破損防止及び軽量化を図るため、赤外光を透過可能な樹脂により構成することが好ましい。
【0037】
これらより、ケトル本体3が電源プレート2に載置された給電姿勢において、ケトル本体3の底面3aと電源プレート2の上面2aとが対向する状態で、発光部19の本体側光伝搬部19bと受光部20のプレート側光伝搬部20aとが対向配置される。なお、本体側光伝搬部19bとプレート側光伝搬部20aとは、給電機構4及び受電機構8の中心から略同径位置に配設される。
また、本体側光伝搬部19bとプレート側光伝搬部20aとの間に存在するケトル本体3の底面3aの部位及び電源プレート2の上面2aの部位それぞれが、発光素子19aから出力される赤外光を透過可能な赤外光透過性材料22、24で構成されることとなる。なお、両赤外光透過性材料22、24は、給電機構4及び受電機構8の中心から略同径位置に配設される。
従って、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側溝部21の内面における本体側光伝搬部19bで反射して伝搬され、さらに、プレート側溝部23の内面におけるプレート側光伝搬部20aで反射して伝搬されて受光素子20bにて受光されることとなる。
【0038】
ここで、発光素子19aから出力される赤外光は、ケトル本体3に配設された温度センサ7の温度情報を搬送する搬送波として機能する。例えば、irDA規格に適合する赤外光通信モジュールや、家電リモコンで用いられる赤外線通信モジュールを用いることができる。
【0039】
また、図1、図2に示すように、電源プレート2の側面部には、押圧操作することにより電源Sから給電機構4及び受電機構8を介して電気ヒータ6への電力供給を可能な状態(オン状態)と不能な状態(オフ状態)とに切り換え可能な電源入切スイッチ25と、各種情報(例えば、温度センサ7にて検出された貯留部5内の湯水の温度)を表示可能なLCD表示部26(表示部の一例)と、後述する電源ランプ29と、タイマーランプ30と、温度設定スイッチ32と、タイマー設定スイッチ33とが設けられている。
【0040】
ここで、図8に基づいて、電気ケトル1に採用される電気回路について説明する。電気ケトル1は、本体側制御回路K及びプレート側制御回路Pを備える。図8において、上側はケトル本体3側の本体側制御回路Kの回路構成であり、下側は電源プレート2側のプレート側制御回路Pの回路構成である。
まず、プレート側制御回路Pについて説明し、その次に、本体側制御回路Kについて説明する。
【0041】
プレート側制御回路Pは、マイコン18と、第1スイッチSW1と、第2スイッチSW2と、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bと、受光素子20bとを備える。
【0042】
第1スイッチSW1は、機械式のスイッチであり、オフ状態となるように常時付勢され、人的な入力操作が行われるとその間だけオン状態に切り換わる。具体的には、第1スイッチSW1は、コモン端子coとノーマルクローズ端子ncとノーマルオープン端子noとを有する3端子スイッチである。よって、通常は、ノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとが接続される状態であるが、電源入切スイッチ25を押圧操作することにより、第1スイッチSW1は、ノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続されるオン状態に切り換わる。そして、電源入切スイッチ25の押圧操作を終了すると、ノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとが接続されるオフ状態に切り換わる。
【0043】
第1スイッチSW1は、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND側)との間に設けられる。具体的には、コモン端子coは、マイコン18の電源ポート40(GND側)に接続される。ノーマルオープン端子noは、電源Sに接続される。ノーマルクローズ端子ncは、第1トランジスタ43のベースに接続される。なお、マイコン18の入切検出ポート41は、第1トランジスタ43のコレクタに接続される。ここで、コモン端子coと電源ポート40(GND側)との間、ノーマルオープン端子noと電源Sとの間、ノーマルクローズ端子ncとマイコン18の電源ポート42(+側)との間は、直接又は何らかの電気部品を介して間接的に接続されていればよい。
従って、電源入切スイッチ25が押圧操作されると、第1スイッチSW1のノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続され、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND側)とが第1スイッチSW1を介して接続されて、電源Sからマイコン18への電力の供給が開始される。
【0044】
第2スイッチSW2は、第1スイッチSW1と並列に、電源Sと給電機構4の外側電極4bとの間、且つ、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND)との間に設けられ、後述するように、マイコン18の制御により、オン状態及びオフ状態が切り換えられる。
マイコン18は、自身のリレーポート45をLOレベル及びHIレベルに切り換え、当該リレーポート45と電源ポート42(+側)との間に設けられた第2トランジスタ46のオン状態及びオフ状態を切り換えることで、リレーコイル44の動作を制御する。このリレーコイル44の動作の制御により、第2スイッチSW2のオン状態及びオフ状態の切り換えが制御される。
【0045】
起動時の第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2の動作について説明する。上述したように、電源入切スイッチ25が押圧操作されて、第1スイッチSW1のノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続されるオン状態となると、電源Sからマイコン18への電力の供給が開始される。この電力の供給開始と同時に、マイコン18は、リレーポート45をLO(ロー)レベルに制御する。その結果、第2トランジスタ46がオン状態に切り換わり、リレーコイル44に電流が流れる。リレーコイル44に電流が流れると、第2スイッチSW2が作動してオン状態に切り換わる。これにより、後述する給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給される。なお、給電機構4の外側電極4bは、第2スイッチSW2に接続され、中心電極4aは、電源Sに接続される。
一方で、第2スイッチSW2がオン状態となり給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給されている状態(第1スイッチSW1は、ノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとの接続に復帰している状態)となった後においては、第1トランジスタ43のベース電流は流れているので、第1トランジスタ43はオン状態となっている。この状態で第1スイッチSW1が再度押圧操作されると、第1スイッチSW1のノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続され、第1トランジスタ43のベース電流がオフ状態となる。そして、第1トランジスタ43もオフ状態となり、入切検出ポート41がLOレベルを検出し、マイコン18は第1スイッチSW1が押圧操作されたことを検知する。マイコン18はこのLOレベルの入力を電源オフの指令と判定し、リレーポート45をHIレベルに制御する。その結果、第2トランジスタ46がオフ状態に切り換わり、リレーコイル44に電流が流れなくなって、第2スイッチSW2がオフ状態に切り換わる。この場合、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bへの電力供給が遮断される。
【0046】
なお、マイコン18の電源ポート40(GND側)と電源ポート42(+側)との間には、第1コンデンサ47が設けられている。この第1コンデンサ47は、電源Sからマイコン18に電力が供給されている間に電源Sにより充電され、電源Sからマイコン18に電力が供給されなくなったとしても所定時間、マイコン18に電力を供給可能に構成されている。この第1コンデンサ47は、上述のようなバックアップ電源としての用途だけでなく、マイコン18に供給される電力の安定化或いはノイズカットなどの機能も果たす。
【0047】
さらに、ケトル本体3側の発光素子19aから出力された赤外光を受光する受光素子20bが、マイコン18の温度情報入力ポート48に接続される状態で設けられる。受光素子20bとしては、例えば、フォトトランジスタ49やフォトダイオードから構成することができる。なお、公知のリモコンの受光部を用いることもできる。これにより、マイコン18は、フォトトランジスタ49が受光した赤外光のパルスデータが示す温度情報に基づいて、湯温が目標温度より高いと判定すると(即ち、湯温が充分に高いと判定すると)、リレーポート45をHIレベルに制御して、外側電極4b及び中心電極4aに電力を供給しない構成とすることもできる。或いは、マイコン18は、先ず、上述したような外側電極4b及び中心電極4aへの電力供給を行った後、温度センサ7の検出結果に基づいて、湯温が目標温度より高いと判定すると、その電力供給の停止を行う構成とすることもできる。
【0048】
また、電源Sからマイコン18に電力が供給されていることを発光表示する発光ダイオード等からなる電源ランプ29が、マイコン18の電源ランプポート50に接続されている。
貯留部5内の湯水の加熱完了時刻を任意の時刻に設定していることを発光表示する発光ダイオード等からなるタイマーランプ30が、マイコン18のタイマーランプポート51に接続されている。
貯留部5内の湯水の加熱完了等を報知する圧電ブザー31が、マイコン18のブザーポート52に接続されている。尚、この加熱完了は、上記電源ランプ29の表示方法を変更すること、例えば、点滅表示や、多色LEDを用いて発光する色を変更すること等により報知する構成としてもよい。
貯留部5内の湯水を加熱する目標温度を任意の温度に設定するタクトスイッチ等からなる温度設定スイッチ32が、マイコン18の温度設定ポート53に接続されている。なお、温度設定スイッチ32は、電源プレート2の側面に配設される。
貯留部5内の湯水の加熱完了時刻を任意の時刻に設定するタクトスイッチ等からなるタイマー設定スイッチ33が、マイコン18のタイマー設定ポート54に接続されている。なお、タイマー設定スイッチ33は、電源プレート2の側面に配設される。
マイコン18は、温度情報入力ポート48に入力された温度センサ7からの温度情報に対応する温度を、LCD表示部26に出力して、表示させるように構成されている。
その他、マイコン18は、温度センサ7からの温度情報が加熱完了の目標温度付近で上下してリレーコイル44が頻繁にオンオフを繰り返すような事象(いわゆる、リレーチャタリング)が生じないように、目標温度に所定の許容誤差を設けて、リレーコイル44の不必要なオンオフの繰り返しを防止するヒステリシス機能等、公知の電気ポット等に用いられている多機能化を電気ケトル1において実現可能である。
【0049】
更に、マイコン18のゼロクロスポート55には電圧検出回路部34が接続されている。この電圧検出回路部34は、電圧波形のゼロクロス点を検出するためのものである。具体的には、マイコン18は、ゼロクロスポート55に入力されるパルスを検出することで、電源Sからの電力供給が正常に行われているのか否かを判定できる。例えば、電源Sの瞬時停電の検出や、パルス数の検出による正確な時間検出を実行することができる。
【0050】
次に、本体側制御回路Kは、電気ヒータ6と、温度センサ7と、簡便な構成の本体側マイクロコンピュータ60(以下、本体側マイコン60という)と、簡便な構成の簡易電源部61と、受電機構8の中心電極8a及び環状電極8bと、発光素子19aとを備える。
【0051】
電気ヒータ6は、受電機構8の中心電極8aと環状電極8bとに接続され、電源Sから給電機構4を介して供給される電力により貯留部5内の湯水を加熱可能に構成されている。なお、電源プレート2側のマイコン18による第2スイッチSW2のオン状態及びオフ状態の切り換え制御により、電気ヒータ6のオン状態及びオフ状態は切り換え制御される。
【0052】
電気ヒータ6と並列に、本体側マイコン60と、簡易電源部61とが設けられる。
【0053】
本体側マイコン60は、後述する温度センサ7から温度情報の入力を受けて発光素子19aとしての発光ダイオード63に、当該温度情報に応じた赤外光(光信号)のパルスデータを出力させることができる。従って、本体側マイコン60は、少なくとも発光ダイオード63に当該温度情報に応じた赤外光のパルスデータを出力させることが可能な機能を備えていればよいのに対し、電源プレート2側に設けられるマイコン18では、電気ヒータ6を制御するための機能を備える必要があるため、本体側マイコン60はマイコン18と比較して、非常に簡便な構成であり、軽量且つ設置スペースも非常に少ない構成である。
【0054】
簡易電源部61は、並列に第2コンデンサ61aと第3コンデンサ61bとを備えて構成されている。第3コンデンサ61bは平滑用で電解コンデンサ、第2コンデンサ61aは蓄電用で容量の大きい電気二重層コンデンサがよく用いられる。これら第2コンデンサ61a及び第3コンデンサ61bは、給電機構4及び受電機構8を介して電源Sから本体側マイコン60に電力が供給されている間に電源Sにより充電され、電源Sから本体側マイコン60に電力が供給されなくなったとしても所定時間、本体側マイコン60に電力を供給可能に構成されている。例えば、電気ヒータ6による貯留部5内の湯水の加熱完了時に、リレーコイル44がオフ状態となり、電源Sからのケトル本体3への電力供給が停止した場合でも、第2コンデンサ61aにより本体側マイコン60に電力を供給し続け、温度センサ7による温度検出を継続する。そして、本体側マイコン60は、発光素子19a及び受光素子20bを介して温度情報をマイコン18に送出し続ける。従って、次に電源入切スイッチ25が押圧操作された場合でも、マイコン18は、湯水の温度が目標温度より高ければ適温であることを知らせることができるとともに、さらに、電気ヒータ6に電力を供給するためのリレーコイル44が不必要にオン状態に作動することを防止できる。なお、第3コンデンサ61bは、上述のようなバックアップ電源としての用途だけでなく、本体側マイコン60に供給される電力の安定化或いはノイズカットなどの機能も果たす。
なお、ツェナーダイオード62は、本体側マイコン60に供給される電圧を一定に調整するために設けられている。
【0055】
温度センサ7は、本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に接続される。温度センサ7は、貯留部5内の湯水の温度を検出して、温度情報を当該本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に出力するように構成されている。例えば、温度センサ7は温度の変化により抵抗値が変化するように構成され、本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に入力される電圧値を温度情報とすることができる。なお、本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に入力される温度情報の処理は、所定の周期で行うことができ、例えば、1秒毎に行うこともできる。
【0056】
発光素子19aは、発光ダイオード63等から構成され、本体側マイコン60の出力ポート65に接続される。発光ダイオード63は、本体側マイコン60の出力ポート65からの出力に応じて、温度センサ7で検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータを出力可能に構成されている。
受電機構8の中心電極8aは給電機構4の中心電極4aに、受電機構8の環状電極8bは給電機構4の外側電極4bにそれぞれ接続可能に構成される。なお、通常、ケトル本体3側に温度センサ7を設け、電源プレート2側にマイコン18を別々に配置した場合には、それぞれに電力を供給する必要があるため、給電機構4及び受電機構8の電極は少なくとも4極(アース用電極を考慮すると5極)必要であるが、本実施形態では、電源Sの片側と温度センサ7の片側を同電位とする回路構成としており、電極を2極(アース用電極を考慮すると3極)で構成できるので、給電機構4及び受電機構8は単純な構成となり、軽量化、省スペース化、コストの低減に寄与している。
【0057】
次に、上記構成の電気ケトル1を用いて貯留部5内の湯水の加熱等を行う場合について、説明する。
まず、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2の上面2aに載置し、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続された給電姿勢とする(図1、図7参照)。この状態では、図7に示すように、発光素子19aは本体側反射部材19bが配設される本体側溝部21内の外側部に配置され、受光素子20bはプレート側反射部材20aが配設されるプレート側溝部23内の外側部に配置される。また、環状の本体側反射部材19bと環状のプレート側反射部材20aとは、給電姿勢において、環状の本体側赤外光透過性材料22及び環状のプレート側赤外光透過性材料24を介して対向する位置に配置される。従って、給電姿勢において、ケトル本体3は電源プレート2に対して相対回転自在であるが、図7に示すように、発光素子19aと受光素子20bとが周方向で完全に一致した位置に対向配置されていなくても、発光素子19aから出力された赤外光が本体側溝部21内及びプレート側溝部23内全体を光らせて、当該赤外光を受光素子20b確実に受光させることが可能である。従って、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2に載置して給電姿勢にする際に、発光素子19aからの光信号を受光素子20bが受光できるか否かについて特に意識する必要がない。
【0058】
そして、利用者が電気ケトル1の貯留部5内の湯水の加熱を行いたいと考えた場合には、電源プレート2の側面に配設された電源入切スイッチ25を押圧操作する。これにより、以下のように湯水の加熱が行われる。
まず、電源入切スイッチ25の押圧操作により、プレート側制御回路Pの第1スイッチSW1がオン状態となり、ノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続され、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND側)とが第1スイッチSW1を介して接続されて、電源Sからマイコン18への電力の供給が開始される。この電力の供給開始と同時に、マイコン18は、リレーポート45をLOレベルに制御し、第2トランジスタ46がオン状態に切り換わり、リレーコイル44に電流が流れる。このリレーコイル44に電流が流れると、第2スイッチSW2が作動してオン状態に切り換わり、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給され、ケトル本体3における受電機構8の中心電極8a及び環状電極8bを介して電気ヒータ6に電力が供給され、貯留部5内の湯水の加熱が開始される。一方、電源入切スイッチ25の押圧操作が終了すると、第1スイッチSW1のノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとが接続される。なお、この際には、マイコン18は、発光ダイオード等からなる電源ランプ29を、例えば、緑から赤に表示を変更し、電力が供給されていること(湯水を加熱していること)を表示させることもできる。
【0059】
この電気ヒータ6への電力供給と同時に、ケトル本体3における本体側マイコン60に電力が供給され、温度センサ7にも電圧が加わる。そして、温度センサ7により貯留部5内の湯水の温度の検出が行われ、温度情報が本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に入力される。本体側マイコン60は、入力された温度情報に応じた赤外光のパルスデータを、出力ポート65からの出力に基づいて発光ダイオード63(発光素子19a)に発光させる。発光ダイオード63は、温度情報に応じた赤外光(光信号)のパルスデータを電源プレート2のフォトトランジスタ49(受光素子20b)に向けて送信する。従って、発光ダイオード63から出力された赤外光は、本体側溝部21内の本体側反射部材19bで反射して伝搬され、ケトル本体3の本体側赤外光透過性材料22及び電源プレート2のプレート側赤外光透過性材料24を透過し、さらに、プレート側溝部23内のプレート側反射部材20aで反射して伝搬されて、フォトトランジスタ49(受光素子20b)にて受光されることとなる。
【0060】
フォトトランジスタ49で受光されたパルスデータとしての赤外光(光信号)はパルスデータとしての電気信号に変換されて、マイコン18の温度情報入力ポート48に入力される。マイコン18はこの温度情報入力ポート48に入力されたパルスデータから貯留部5内の湯水の温度情報を得ることができ、この温度情報に基づいて、電気ヒータ6への電力供給を継続するか否かを判断することができる。具体的には、加熱完了の目標温度以下の温度情報が入力された場合には、リレーポート45をLOレベルのまま維持し、温度センサ7からの温度情報が目標温度より高くなるまで電気ヒータ6による湯水の加熱を継続する。この際には、例えば、マイコン18は、温度センサ7からの温度情報や目標温度をLCD表示部26に表示させることができる。また、マイコン18は、温度センサ7を介して検出した湯水の温度が所定の温度になるまでの時間を計測して、その時間によって貯留部5内に貯留された湯水の容量を判別し、予測される加熱完了までの残り時間をLCD表示部26に表示させることもできる。
【0061】
一方、加熱完了の目標温度より高い温度情報が入力された場合には、マイコン18は、リレーポート45をHIレベルに制御して、第2スイッチSW2をオフ状態とし、電気ヒータ6への電力供給を停止する。この際、マイコン18は、温度センサ7により検出された温度情報や目標温度をLCD表示部26に表示させると共に、電源ランプ29を、例えば、赤から緑に表示を変更し電力の供給が停止されていること(加熱が完了したこと)を表示させ、さらに、加熱完了したことを圧電ブザー31で報知することもできる。なお、利用者は、電源プレート2の側面に配置された温度設定スイッチ32を押圧操作することで加熱完了の目標温度を任意に設定でき、また、タイマー設定スイッチ33を押圧操作することで加熱完了時刻を任意に設定することもできる。
他方で、加熱完了の目標温度以下の温度情報が入力され、温度センサ7からの温度情報が目標温度より高くなるまで電気ヒータ6による湯水の加熱を継続している最中に、電源入切スイッチ25が再度押圧操作された場合には、マイコン18は、以下のように動作する。即ち、マイコン18は、リレーポート45をHIレベルに制御して、第2スイッチSW2をオフ状態とし、電気ヒータ6への電力供給を停止する。
【0062】
これにより、利用者は、電気ケトル1の貯留部5内の湯水を目標温度に加熱することができる。しかも、ケトル本体3側には電気ヒータ6の作動を制御するマイコン18(及びプレート側制御回路P)が存在しないことから、ケトル本体3は比較的軽量となっており、利用者がケトル本体3を持ち上げる労力は比較的少ないものとなる。さらに、電源プレート2側のマイコン18が、ケトル本体3側の電気ヒータ6の制御を温度センサ7にて検出された温度情報に基づいて確実に行うことが可能となっている。
【0063】
なお、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がオン状態(即ち、電気ヒータ6に通電されて湯水の加熱が実行中の状態)にあるときに、ケトル本体3が持ち上げられて電源プレート2(即ち、電源S)から取り外される場合がある。この場合、電源プレート2内のマイコン18は、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢にないこと、即ち、ケトル本体3が電源プレート2から取り外されることで、ケトル本体3の発光素子19aから電源プレート2の受光素子20bへの赤外光の送信が途絶えたことを検知できる。これにより、マイコン18は、ケトル本体3が電源プレート2から取り外されたと判定して、第2スイッチSW2をオフ状態に切り換えておく。そうすると、ケトル本体3が電源プレート2に再び載置されたときであっても、第2スイッチSW2はオフ状態になっているので、湯沸しが突然開始されることは無いので安全である。また、ケトル本体3が電源プレート2から取り外された場合、電源Sから本体側マイコン60及び温度センサ7への電力の供給は停止されるが、一定期間は第2コンデンサ61aや第3コンデンサ61bに充電されていた分の電力が本体側マイコン60及び温度センサ7へ供給されるため、本体側マイコン60及び温度センサ7は一定期間動作可能である。そのため、ケトル本体3が電源プレート2に再び載置され、電源入切スイッチ25が押圧操作された(第1スイッチSWがオン状態となった)ときであっても、温度センサ7にて検出された温度情報をケトル本体3側から即座に、本体側マイコン60が発光素子19aを介して電源プレート2側に送信することができ、電源プレート2側のマイコン18にて当該温度情報に基づいて電気ヒータ6の制御を行うことが可能である。
【0064】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、ケトル本体3の送信部(発光部19)としての発光素子19aを、ケトル本体3の底面3aに形成された本体側溝部21内に配設し、電源プレート2の受信部(受光部20)としての受光素子20bを電源プレート2の上面2aに形成されたプレート側溝部23内に配設したが、発光素子19aから受光素子20bに温度センサ7にて検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータが送受信できる構成であれば、特にこの構成に限定されるものではない。
【0065】
例えば、図9に示すように、発光素子19aをケトル本体3における受電機構8の中心部に形成された本体側凹部70内の上部に配設し、この本体側凹部70の下部開口を覆う円形の本体側赤外光透過性材料71を受電機構8の中心部(中央部)に配設して、受光素子20bを電源プレート2における給電機構4の中心部(中央部)に形成されたプレート側凹部72内の下部に配設し、このプレート側凹部72の上部開口を覆う円形のプレート側赤外光透過性材料73で構成することもできる。
この場合、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、給電機構4が受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3b内に挿入された状態となり、発光素子19aから出力された赤外光が両赤外光透過性材料71、73を介して対向する位置に配置された受光素子20bにて確実に受光されることとなる。例えば、給電姿勢においてケトル本体3が電源プレート2に対して受電機構8を中心として相対回転した場合でも、発光素子19aと受光素子20bとは常に対向した位置に配設されるので、発光素子19と受光素子20との赤外光の送受信を確実に行うことが可能となる。なお、この場合、例えば、円形の本体側赤外光透過性材料71に替えて、赤外光を反射して拡散(散乱)可能な円形の本体側拡散部材(本体側光伝搬部の一例)で構成し、円形のプレート側赤外光透過性材料73に替えて、赤外光を反射して拡散(散乱)可能なプレート側拡散部材(プレート側光伝搬部の一例)で構成することもできる。この場合、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、給電機構4が受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3b内に挿入された状態で、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側拡散部材で拡散されながら伝搬されてプレート側拡散部材に入射し、当該プレート側拡散部材にて拡散されながら伝播されて受光素子20bにて受光される。これら本体側拡散部材及びプレート側拡散部材としては、赤外光の全部を透過せずに一部を当該部材内で反射して拡散(散乱)させる半透過性の材料で構成することができる。
一方、図9に示す発光素子19aを本体側凹部70内の内側部や外側部に配設した場合には、本体側凹部70の内面に、発光素子19aから出力された赤外光を反射しながら伝搬可能な本体側反射部材(本体側光伝搬部の一例)76を配設する構成とすることもできる。また、受光素子20bをプレート側凹部72内の内側部や外側部に配設した場合には、プレート側凹部72の内面に、発光素子19aから直接、或いは本体側反射部材76を介して出力された赤外光を反射しながら伝搬可能なプレート側反射部材(プレート側光伝搬部の一例)77を配設する構成とすることもできる。
【0066】
なお、このように構成した場合には、第1実施形態の図8に示す受電機構8の中心電極8a及び給電機構4の中心電極4aを配設するスペースがなくなってしまう。そのため、図9に示すように、第1実施形態の受電機構8における中心電極8aの替わりに環状電極74aを用い、環状電極8bの替わりに環状電極74aより外周側に形成された外周電極74bを用いるとともに、給電機構4における中心電極4aの替わりに内側電極75aを用い、外側電極4bの替わりに内側電極75aより外周側に形成された外側電極75bを用いる構成とすることができる。
【0067】
〔第3実施形態〕
上記第2実施形態と同様に、発光素子19aから受光素子20bに温度センサ7にて検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータが送受信できる構成であれば、特に上記第1実施形態の構成に限定されるものではない。
【0068】
例えば、図10に示すように、円筒状に形成された受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3bの底部80(図10における給電機構嵌め込み用凹部3bの上面部)を、赤外光を反射して拡散可能な本体側拡散部材(本体側光伝搬部の一例)81で構成し、当該本体側拡散部材81の上部に発光素子19aを配設し、給電姿勢において、給電機構嵌め込み用凹部3bの底部80に対向する位置である給電機構4の上面82を、赤外光を反射して拡散可能なプレート側拡散部材(プレート側光伝搬部の一例)83で構成し、当該プレート側拡散部材83の下部に受光素子20bを配設する構成とすることもできる。
この場合、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、給電機構4が受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3b内に挿入された状態で、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側拡散部材81で拡散されながら伝播されてプレート側拡散部材83に入射し、当該プレート側拡散部材83にて拡散されながら伝搬されて受光素子20bに受光される。これら本体側拡散部材81及びプレート側拡散部材83としては、赤外光の全部を透過せずに一部を当該部材内で反射して拡散(散乱)させる半透過性の材料で構成することができる。これにより、赤外光が入射すると、本体側拡散部材81及びプレート側拡散部材83の全体が光ることとなる。
なお、本体側拡散部材81及びプレート側拡散部材83の何れか一方、或いは両方を省略してもよい。また、本体側拡散部材81の替わりに赤外光を透過可能な本体側赤外光透過性材料で構成し、プレート側拡散部材83の替わりにプレート側赤外光透過性材料で構成することもできる。
【0069】
〔第4実施形態〕
上記第2及び第3実施形態と同様に、発光素子19aから受光素子20bに温度センサ7にて検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータが送受信できる構成であれば、特に上記第1実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、図11に示すように、ケトル本体3の底面3aには、受電機構8よりも外周側の箇所に、当該底面3aよりも貯留部5側(図11の上側)に窪んだ位置決め凹部90を形成し、電源プレート2の上面2aには、給電機構4よりも外周側の箇所に、当該上面2aよりも上方に突出する位置決め凸部91を形成する。ケトル本体3が電源プレート2に載置される給電姿勢において、位置決め凸部91が位置決め凹部90に嵌合することにより、ケトル本体3の電源プレート2に対する周方向の位置を設定載置位置に維持可能に構成することができる。そして、設定載置位置に維持されたケトル本体3の底面3aと電源プレート2の上面2aが対向する箇所には、ケトル本体3側に発光素子19aが配設され、電源プレート2側には受光素子20bが配設され、発光素子19aと受光素子20bとは対向する位置に配設される。なお、発光素子19aと受光素子20bとの間は、必要に応じて赤外光透過性材料を配設することができる。また、発光素子19aと受光素子20bとが一直線状に対向配置されていない場合には、必要に応じて発光素子19aから出力された赤外光を本体側光伝搬部やプレート側光伝搬部を介して、受光素子20bに受光させる構成を採用してもよい。
これにより、給電姿勢においてケトル本体3と電源プレート2との周方向の相対回転位置を設定載置位置に維持できるので、所定位置に配設された発光素子19aから出力された赤外光を受光素子20bにて確実に送受信できるとともに、不必要にケトル本体3と電源プレート2とが相対回転することがなく、給電機構4と受電機構8の接点が劣化することを防止することができる。
【0070】
(別実施形態)
(1)上記実施形態では、送信部及び受信部として赤外線通信モジュールを用いたが、温度センサ7(温度検出部の一例)からの温度情報を送受信できる構成であれば、その他の構成を採用することができる。例えば、以下の(A)から(H)の構成を採用することができる。
【0071】
(A)例えば、赤外光ではなく、送信部及び受信部として、その他の光である可視光、紫外光等を用いて送受信する構成とすることもできる。この際には、上記本体側光伝搬部やプレート側光伝搬部として、送受信する対象の光を反射或いは拡散させながら伝搬する部材を採用でき、上記赤外光透過性材料として、送受信する対象の光を透過可能な光透過性材料を採用することができる。
【0072】
(B)例えば、図12に示すように、ケトル本体3に配設された温度検出部としての温度センサからの温度信号が、受電機構8及び給電機構4を介する電気回路を介して電源プレート2側のマイコン18に入力される構成を採用することができる。なお、基本的な構成は、図8に示す回路構成図と同様であるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
具体的には、図12に示すように、ケトル本体3の受電機構8には、中心電極8a及び環状電極8bに加え、当該環状電極8bよりも外周側に外周側環状電極8cが設けられている。この外周側環状電極8cは、ケトル本体3に配設された貯留部5内の湯水の温度を検出する温度検出部としてのサーミスタ100の一端に接続されている。なお、サーミスタ100の他端は、中心電極8aに接続される。なお、サーミスタ100としては、NTCサーミスタやPCTサーミスタ等を用いることができる。
また、電源プレート2の給電機構4には、中心電極4a及び外側電極4bに加え、当該外側電極4bよりも外周側に最外周側電極4cが設けられている。この最外周側電極4cは、電源プレート2のマイコン18の温度情報入力ポート48に接続されている。なお、サーミスタ100の抵抗値が変化すれば、マイコン18の温度情報入力ポート48に入力される電圧値が変化するように構成されている。
従って、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢においては、受電機構8の外周側環状電極8cと給電機構4の最外周側電極4cとが接触して導通可能となる。一方、給電機構4及び受電機構8に設けられた中心電極4aと中心電極8a、及び外側電極4bと環状電極8bがそれぞれ電気的に接続され、給電機構4から受電機構8への給電が可能である。なお、通常、ケトル本体3側にサーミスタ100を設け、電源プレート2側にマイコン18を別々に配置した場合には、それぞれに電力を供給する必要があるため、給電機構4及び受電機構8の電極は少なくとも4極(アース用電極を考慮すると5極)必要であるが、本実施形態では、電源Sの片側と温度センサ7の片側を同電位とする回路構成としており、電極を3極(アース用電極を含む)で構成できるので、給電機構4及び受電機構8は単純な構成となり、軽量化、省スペース化、コストの低減に寄与している。
【0074】
具体的に、図12に示す電気回路を備えた電気ケトル1を用いて貯留部5内の湯水の加熱等を行う場合について、適宜省略しながら説明する。
まず、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2の上面2aに載置し、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続された給電姿勢とする(図1、図7参照)。
利用者が電気ケトル1の貯留部5内の湯水の加熱を行いたいと考えた場合には、電源プレート2の側面に配設された電源入切スイッチ25を押圧操作する。これにより、プレート側制御回路Pの第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2が作動してオン状態に切り換わり、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給され、ケトル本体3における受電機構8の中心電極8a及び環状電極8bを介して電気ヒータ6に電力が供給され、貯留部5内の湯水の加熱が開始される。
そして、電気ヒータ6への電力供給と同時に、サーミスタ100にも電圧が加わり、当該サーミスタ100の電気抵抗値が、外周側環状電極8c及び最外周側電極4cを介して電源プレート2側のマイコン18の温度情報入力ポート48に生じる電圧値として入力される。なお、この場合、送信部は少なくとも外周側環状電極8cであり、受信部は少なくとも最外周側電極4c及び温度情報入力ポート48となる。
マイコン18はこの温度情報入力ポート48に生じた電圧値から貯留部5内の湯水の温度情報を得ることができ、この温度情報に基づいて、電気ヒータ6への電力供給を継続するか否かを判断することができる。
なお、本別実施形態では、第1実施形態で説明した発光部19や受光部20、これらに関連する本体側光伝搬部、プレート側光伝搬部、赤外光透過性材料、本体側マイコン等の構成は必要なく、非常に簡便な構成となる。
【0075】
(C)例えば、図13に示すように、ケトル本体3に配設された温度検出部としての温度センサからの温度信号が、受電機構8及び給電機構4を介する電気回路を介して電源プレート2側のコンパレータ101に入力される構成を採用することができる。なお、基本的な構成は、図12に示す回路構成図と同様であるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
具体的には、図13に示すように、ケトル本体3の受電機構8には、中心電極8a及び環状電極8bに加え、当該環状電極8bよりも外周側に外周側環状電極8cが設けられている。この外周側環状電極8cは、ケトル本体3に配設された貯留部5内の湯水の温度を検出する温度検出部としてのPTCサーミスタ102の一端に接続されている。なお、PTCサーミスタ102の他端は、中心電極8aに接続される。
電源プレート2の給電機構4には、中心電極4a及び外側電極4bに加え、当該外側電極4bよりも外周側に最外周側電極4cが設けられている。
電源プレート2の側面には、電源入スイッチ103と、電源切スイッチ104と、コンパレータ101の基準電圧(目標温度)を切換可能な目標温度切換スイッチ105とが配設されている。電源入スイッチ103は第3スイッチSW3に対応し、電源切スイッチ104は第4スイッチSW4に対応する。なお、PTCサーミスタ102の抵抗値が変化すれば、コンパレータ101の−側ポート101aに入力される電圧値が変化するように構成され、コンパレータ101では、−側ポート101aに入力された電圧値が、+側ポート101bの固定電圧値(基準電圧)と比較される。
【0077】
具体的に、図13に示す電気ケトル1を用いて貯留部5内の湯水の加熱等を行う場合について、適宜省略しながら説明する。
まず、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2の上面2aに載置し、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続された給電姿勢とする(図1、図7参照)。
利用者が電気ケトル1の貯留部5内の湯水の加熱を行いたいと考えた場合には、電源プレート2の側面に配設された電源入スイッチ103を押圧操作する。これにより、プレート側制御回路Pの第3スイッチSW3がオン状態となり、PTCサーミスタ102の抵抗値によりコンパレータ101の−側ポート101aに入力電圧が発生する。この入力電圧が目標温度に対応する+側ポート101bの基準電圧以下であれば、出力ポート101cからの出力がオン状態となって第2トランジスタ46がオン状態となり、リレーコイル44に電流が流れる。このリレーコイル44に電流が流れると、第2スイッチSW2がオン状態となって電気ヒータ6に通電が開始される。一方で、基準電圧より上記入力電圧が大きくなれば出力ポート101cからの出力がオフ状態となって第2トランジスタ46がオフ状態となり、リレーコイル44に電流が流れなくなる。結果、第2スイッチSW2がオフ状態となって電気ヒータ6への通電が停止する。
なお、温度検出部としてPTCサーミスタ102を用いているので、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がオン状態(即ち、電気ヒータ6に通電されて湯水の加熱が実行中の状態)にあるときに、ケトル本体3が持ち上げられて電源プレート2(即ち、電源S)から取り外された場合には、見かけ上、PTCサーミスタ102の回路部分の電気抵抗値は無限大となる。この状態は、PTCサーミスタ102の温度が非常に高くなった場合と同様の状態である。これにより、基準電圧より上記入力電圧が大きくなり出力ポート101cからの出力がオフ状態となって、第2トランジスタ46がオフ状態となり、リレーコイル44に電流が流れなくなる。そして、第2スイッチSW2がオフ状態となって電気ヒータ6への通電が停止するので、非常に安全である。また、利用者が、加熱を中止したいと考えた場合には、電源切スイッチ104を押圧操作することにより、第4スイッチSW4がオン状態となり第2トランジスタ46がオフ状態となって、リレーコイル44に電流が流れなくなる。そして、第2スイッチSW2がオフ状態となるので、電気ヒータ6への通電を簡単に停止できる。なお、同様の考え方で、コンパレータ101の+側ポート101b及び−側ポート101aの接続を反対にして、一般にPCTサーミスタよりも安価であるNTCサーミスタを用いてもよい。
【0078】
(D)例えば、図12に示す構成において、図示しないが、ケトル本体3の本体側制御回路Kに、コンデンサからなる簡易な電源と、サーミスタからの温度信号を温度・周波数変換するv−fコンバータとを設け、このv−fコンバータからの出力パルスを受電機構8の外周側環状電極8c及び給電機構4の最外周側電極4cを介して電源プレート2のマイコン18に出力する構成とすることができる。この場合、入力された出力パルスの周波数をマイコン18のカウンタ機能により読み取ることで、受電機構8及び給電機構4の各電極の接点が劣化しても良好に温度情報を伝達することができる。なお、v−fコンバータの替わりに、ウィーンブリッジ回路や他の発振回路を採用することもできる。
【0079】
(E)例えば、図12に示す構成において、図示しないが、ケトル本体3の本体側制御回路Kに、コンデンサからなる簡易な電源と、サーミスタからの温度信号をシリアルデータに変換する本体側マイコンとを設け、この本体側マイコンからのシリアルデータを受電機構8の外周側環状電極8c及び給電機構4の最外周側電極4cを介して電源プレート2のマイコン18に出力する構成とすることができる。この場合、入力されたシリアルデータをマイコン18のシリアルデータ受信機能により読み取るように構成することもでき、データ電文を構築することで、誤り訂正が可能でデータの信頼性を向上させることができる。
【0080】
(F)例えば、電力線に高周波信号を重畳するための公知の電力線通信用モジュールをケトル本体3及び電源プレート2のそれぞれに設け、ケトル本体3側のモジュールから給電機構4及び受電機構8を介して電源プレート2側のモジュールに接続される電力線を用いて、温度検出部にて検出された温度情報を高周波信号として重畳し、ケトル本体3側から電源プレート2側に通信する構成を採用することもできる。なお、この際には、電源プレート2内にブロッキングフィルターを搭載して、高周波エミッションのレベルを押えることも可能である。
【0081】
(G)例えば、対向して配置された両コイル間で電磁誘導されて発生する磁束を利用してデータの通信を行う公知のRFID通信用モジュールをケトル本体3及び電源プレート2のそれぞれに設け、ケトル本体3側のコイルにより電源プレート2側のコイルで発生する磁束に、温度検出部にて検出された温度情報を重畳し、ケトル本体3側から電源プレート2側に通信する構成を採用することもできる。
【0082】
(H)例えば、無線で信号を送信するための公知の無線通信モジュールをケトル本体3及び電源プレート2のそれぞれに設け、ケトル本体3側の無線通信モジュールから電源プレート2側の無線通信モジュール送信される電磁波に、温度検出部にて検出された温度情報を重畳し、ケトル本体3側から電源プレート2側に通信する構成を採用することもできる。なお、この際には、微弱無線で十分に通信可能であるが、例えば、Zigbee、Bluetooth、wifi、特定小電力等の無線通信モジュールを用いてもよい。
【0083】
(2)上記第1実施形態では、発光部19を発光素子19aと本体側光伝搬部19bとで、受光部20をプレート側光伝搬部20aと受光素子20bとで構成し、発光素子19aから出力された赤外光を、本体側光伝搬部19b及びプレート側光伝搬部20aを介して受光素子20bに受光させたが、発光素子19aから出力された赤外光を、受光素子20bにて確実に受光できる構成であれば、本体側光伝搬部19b及びプレート側光伝搬部20aの何れか一方或いは両方を省略する構成を採用することもできる。
例えば、プレート側光伝搬部20aを省略する場合には、受光素子20bを本体側光伝搬部19bと対向する箇所に配置することで、発光素子19aから出力された赤外光を、本体側光伝搬部19bを介して受光素子20bに受光させることができる。この場合、受光素子20bはプレート側溝部23内の下部に配設することができる。また、プレート側溝部23を設けずに、電源プレート2の上面2aに環状のプレート側赤外光透過性材料24を、当該上面2aとプレート側赤外光透過性材料24の上面とが面一となる状態で設けて、当該プレート側赤外光透過性材料24の下部に受光素子20bを配設することもでき、この場合には、本体側光伝搬部19bに対向する箇所にプレート側赤外光透過性材料24が配設される。
また、例えば、本体側光伝搬部19bを省略する場合には、発光素子19aをプレート側光伝搬部20aと対向する箇所に配置することで、発光素子19aから出力された赤外光を、プレート側光伝搬部20aを介して受光素子20bに受光させることができる。この場合、発光素子19aは本体側溝部21内の上部に配設される。
さらに、例えば、本体側光伝搬部19b及びプレート側光伝搬部20aの両方を省略する場合には、発光素子19aと受光素子20bとを上下方向で一直線状に対向して配置し、発光素子19から出力された赤外光を、直接受光素子20bにて受光する構成としてもよい。この場合、発光素子19aは本体側溝部21内の上部に配設され、受光素子20bはプレート側溝部23内の下部に配設される。
なお、上記第1実施形態では、本体側赤外光透過性材料22及びプレート側赤外光透過性材料24を両方とも設けたが、何れか一方或いは両方を省略する構成としてもよい。
【0084】
(3)上記の実施形態では発光素子19a及び受光素子20bをそれぞれ、ケトル本体3の底面3aにおける受電機構8の外周部の本体側溝部21に配設し、電源プレート2の上面2aにおける給電機構4の外周部のプレート側溝部23に配設した例、或いは、ケトル本体3の底面3aにおいて受電機構8の中央部に配設し、電源プレート2の上面2aにおいて給電機構4の中央部に配設した例を示した。
これに対し、ケトル本体3の底面3aにおける発光素子19aの配設位置及び電源プレート2の上面2aにおける受光素子20bの配設位置は、給電姿勢において発光素子19aから受光素子20bに、直接或いは本体側光伝搬部、プレート側光伝搬部を介して赤外光が到達できる箇所であれば、特に制限なく採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したように、ケトル本体の軽量化、ケトル本体内の構成のコンパクト化及びケトル本体のシンプル化を図りながら、制御部による加熱部の制御を確実に実行し得る安全性の高い電気ケトルを提供できた。
【符号の説明】
【0086】
1 電気ケトル
2 電源プレート
2a 上面
3 ケトル本体
3a 底面
4 給電機構
5 貯留部
6 電気ヒータ(加熱部)
7 温度センサ(温度検出部)
8 受電機構
18 マイクロコンピュータ(制御部)
19 発光部(送信部)
19a 発光素子
19b、76 本体側反射部材(本体側光伝搬部)
20 受光部(受信部)
20a、77 プレート側反射部材(プレート側光伝搬部)
20b 受光素子
21 本体側溝部(溝部)
22、71 本体側赤外光透過性材料(光透過性材料)
24、73 プレート側赤外光透過性材料(光透過性材料)
49 フォトトランジスタ(受光素子)
63 発光ダイオード(発光素子)
81 本体側拡散部材(本体側光伝搬部)
83 プレート側拡散部材(プレート側光伝搬部)
P プレート側制御回路(制御部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源プレートと、電源プレートに載置されるケトル本体とを備え、電源から供給される電力を出力する給電機構が電源プレートの上面に配設されるとともに、給電機構から供給される電力を受電する受電機構がケトル本体の底面に配設され、ケトル本体の底面を電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、給電機構から受電機構に電力供給する構成の電気ケトルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネ指向の高まりにより、常に保温している電気ポットではなく、必要な時に必要なだけ迅速にお湯を沸かすことができる電気ケトルの需要が高まっている。
上記電気ケトルは、基本的に、電源プレートと、この電源プレートに載置されるケトル本体とを備えて構成されている。そして、電源から供給される電力を出力する給電機構が電源プレートの上面に配設されるとともに、給電機構から供給される電力を受電する受電機構がケトル本体の底面に配設され、ケトル本体の底面を電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、給電機構から受電機構に電力供給する構成とされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の電気ケトルでは、電源プレートには給電機構が配設され、一方で、ケトル本体には、給電機構から電力を受電する受電機構と、湯水を貯留する貯留部と、貯留部内の湯水の温度を検出する温度検出部と、受電機構が受電した電力を用いて貯留部内の湯水を加熱する加熱部と、温度検出部にて検出された温度情報に基づいて加熱部への電力供給を制御する制御部とが配設された構成とされている。なお、この制御部としては、例えば、いわゆるマイコンが採用され、加熱部への電力供給の制御に加え、表示手段による湯温の表示、報知手段による加熱完了の音声報知、貯留部内の湯量の検出、湯量に応じた加熱時間の設定等の多機能化を電気ケトルにおいて実現することが可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−125356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の電気ケトルでは、加熱部への電力供給を制御する制御部及び温度検出部がケトル本体内に配置されているため、制御部と温度検出部、制御部と制御対象の加熱部をそれぞれ単純に電気的に接続することで、制御部が温度検出部からの温度信号に基づいて加熱部の作動を確実に制御することが可能となり、また、制御部としてマイコンを採用している場合には、上記多機能化を実現することも可能となる。
【0006】
ここで、電気ケトルにおいては、使用者がケトル本体を手に持って湯水を注ぐため、ケトル本体はできるだけ軽量に形成されていることが望ましい。また、ケトル本体内は、貯留部に充分な量の湯水を貯留可能で、かつ、その他の部材を設置するスペースをできるだけ多く確保可能に構成すると、湯水の貯留量を充分に確保できながら、ケトル本体内のデザインの設計可能幅を広げることができるため、ケトル本体内は可能な限りコンパクトに形成され、ケトル本体がシンプルに構成されていることが望ましい。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の電気ケトルでは、湯水を貯留する貯留部及び加熱部への電力供給を制御する制御部がケトル本体内に配置されているため、制御部内への湯水の侵入可能性を考慮すると、安全性の観点から改善の余地がある。また、制御部がケトル本体内に配置されているため、制御部及び制御部を配設するための部材や防水用の部材等の重量分だけケトル本体の重量が増加し、ケトル本体の軽量化という観点からは改善の余地がある。同様に、制御部及び制御部を配設するための部材や防水用の部材等のスペースをケトル本体内に確保することが必要となるため、このスペース分だけ貯留部の貯留可能量が減少するか、或いはケトル本体内におけるその他の部材を設置するスペースが減少することとなり、ケトル本体内の構成をコンパクトに形成し、ケトル本体をシンプルに構成するという観点からも改善の余地がある。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケトル本体の軽量化、ケトル本体内の構成のコンパクト化及びケトル本体のシンプル化を図りながら、制御部による加熱部の制御を確実に実行し得る安全性の高い電気ケトルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る電気ケトルは、電源プレートと、前記電源プレートに載置されるケトル本体とを備え、
電源から供給される電力を出力する給電機構が前記電源プレートの上面に配設されるとともに、前記給電機構から供給される電力を受電する受電機構が前記ケトル本体の底面に配設され、前記ケトル本体の底面を前記電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、前記給電機構から前記受電機構に電力供給する構成の電気ケトルであって、
その特徴構成は、前記ケトル本体には、少なくとも前記ケトル本体に配設された貯留部内の湯水を加熱する加熱部と、前記貯留部内の湯水の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部で検出される温度情報を前記電源プレート側に送信する送信部とが配設されるとともに、
前記電源プレートには、少なくとも前記送信部により送信された前記温度情報を受信する受信部と、前記給電機構から前記受電機構を介して前記加熱部に供給される電力を前記受信部が受信した前記温度情報に基づいて制御する制御部とが配設された点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、電源プレートとケトル本体とを備えた電気ケトルにおいて、温度検出部で検出される温度情報に基づいて加熱部に供給される電力を制御する制御部が電源プレートに配設されているので、ケトル本体の重量を当該制御部及び制御部を配設するための部材、さらには制御部を防水するための部材の重量分だけ軽量化でき、加えて、ケトル本体内のスペースを当該制御部及び制御部を配設或いは防水するための部材のスペース分だけ省スペース化することができる。この場合、ケトル本体内(特に、貯留部近傍)には上記制御部が存在しないので、当該制御部への湯水の浸入可能性を考慮しなくてよく、安全性を高めることができる。
また、ケトル本体には温度検出部にて検出された貯留部内の湯水に関する温度情報を電源プレートの受信部に送信する送信部が配設されているので、上記のように温度検出部及び加熱部をケトル本体に、制御部を電源プレートにそれぞれ分離して別々の部材に配設した場合でも、温度検出部からの温度情報を送信部及び受信部を介して制御部に確実に送信することができる。これにより、電源プレートに配設された制御部は、加熱部への電力供給の制御を、ケトル本体に配設された温度検出部で検出された温度情報に対応して正確に行うことができる。
なお、電源から供給される電力を出力する給電機構が電源プレートの上面に配設されるとともに、給電機構から供給される電力を受電する受電機構がケトル本体の底面に配設されるので、ケトル本体に配設された加熱部にて用いられる電力は、ケトル本体の底面を電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、電源から給電機構及び受電機構を介して加熱部に供給される。
よって、ケトル本体の軽量化、ケトル本体内の構成のコンパクト化及びケトル本体のシンプル化を図りながら、制御部による加熱部の制御を確実に、しかも、安全性の高い状態で実行することができる。
【0011】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記送信部は、前記温度検出部で検出される前記温度情報を光信号として出力する発光部を前記ケトル本体の底面に備え、前記受信部は、前記発光部から出力された前記光信号を受光する受光部を前記電源プレートの上面に備えて構成され、
前記給電姿勢において前記ケトル本体の底面と前記電源プレートの上面とが対向する状態で、前記発光部と前記受光部とが、前記発光部から出力された前記光信号を前記受光部にて受光可能な位置に配置されている点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、ケトル本体に配設された温度検出部で検出される温度情報は、ケトル本体の底面に配設された送信部である発光部にて光信号となり、当該光信号は電源プレートの上面に配設された受信部である受光部に対して出力され受光されるので、ケトル本体から電源プレートに温度情報を非接触、かつ、簡便な構成で送信して、電源プレートの制御部において加熱部の制御に用いることが可能となる。なお、非接触で温度情報を送信できるので、温度情報の送信に関し、接触して送信する構成とした場合の接点劣化も防止できる。
この際には、給電姿勢においてケトル本体の底面と電源プレートの上面とが対向する状態で、発光部と受光部とが、発光部から出力された光信号を受光部にて受光可能な位置に配置されているので、発光部から出力される光信号は確実に受光部に到達することができる。
よって、ケトル本体から電源プレートの制御部に温度情報を、非接触、かつ簡便な構成で確実に伝達させることが可能となる。
【0013】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記発光部は、前記光信号を出力する発光素子と、当該発光素子から出力された当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させる本体側光伝搬部とを備えている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、発光素子から出力された光信号は、本体側光伝搬部の全体を伝搬しながら外部に向けて放射(反射又は拡散(散乱))される。つまり、発光素子からの光信号は、本体側光伝搬部の全体から、電源プレート上の広い範囲に向けて放射される。その結果、発光素子からの光信号を、より確実に受光部で受光させることができる。
また、発光素子から本体側光伝搬部を介さずに、光信号を直接受光部に出力する際には、受光部に対して発光素子を略対向する位置に配置しなければ光信号を受光させることが困難となるが、上記特徴構成によれば、少なくとも本体側光伝搬部と受光部とが対向して配置されていれば光信号を受光できるので、発光素子の設置位置の自由度を高めることができる。
【0015】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面において前記受電機構を中心とする円環状に配設されている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、給電姿勢において、電源プレートの上面の中央部に配設された給電機構及びケトル本体の底面の中央部に配設された受電機構を中心として、ケトル本体と電源プレートとが相対回転自在に構成されているので、両者が相対回転した何れの状態でも、給電機構から受電機構への電力供給を維持することができる。
加えて、本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面において受電機構を中心とする円環状に配設されているので、給電姿勢において、ケトル本体と電源プレートとが相対回転した何れの状態でも、発光素子から出力された光信号を円環状の本体側光伝搬部の全体で反射或いは拡散させながら伝搬させ、電源プレート上における円環状の広い範囲に放射させることができる。結果、光信号を受光部に確実に受光させることが可能となる。なお、この場合には、発光部の一部である本体側光伝搬部と受光部とは、本体側光伝搬部から反射或いは拡散された光信号を受光部にて受光可能な位置に対向配置されている。なお、円環状とは、受電機構の中心から径方向に所定の位置にまで連続して形成される円状、及び受電機構の中心から径方向に、所定の距離にある位置と、さらにこの位置から所定の距離にある位置との間に形成される環状の部分をいう。
よって、ケトル本体を電源プレートに載置して給電姿勢にする際に、発光素子からの光信号を受光部が受信できるか否かについて特に意識する必要がなくなり、利用者の利便性が格段に向上することとなる。
【0017】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されている点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、本体側光伝搬部が、ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されているので、発光素子から出力された光信号が本体側光伝搬部にて反射或いは拡散されながら伝搬されて、円環状の溝部内が当該光信号により全体的に光ることとなる。これにより、円環状の溝部内全体から光信号を放射させることができるので、発光素子からの光信号をより広い範囲に伝搬させて、より確実に当該光信号を受光部に受光させることができる。
また、本体側光伝搬部が、ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されているので、本体側光伝搬部をケトル本体の底面よりも電源プレート側に突出させることなく配置することができる。これにより、ケトル本体がテーブルの上面等に載置された場合等でも、ケトル本体の姿勢を安定させることができるとともに、ケトル本体の底面に配設された本体側光伝搬部への汚れ等の付着を抑制でき、給電姿勢において発光素子から受光部への光信号の伝送をより確実に行うことが可能となる。
【0019】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記受光部は、前記発光部から出力された前記光信号が入射され、当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させるプレート側光伝搬部と、前記プレート側光伝搬部から伝搬された当該光信号を受光する受光素子とを備えている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、発光部から出力された光信号を、電源プレート上の広い範囲に設けられたプレート側光伝搬部へより確実に入射させて、プレート側光伝搬部へ入射した光信号を、プレート側光伝搬部を伝搬させて受光素子へと到達させることができる。
また、発光部から出力されプレート側光伝搬部に入射された光信号は、当該プレート側光伝搬部の全体を伝搬しながら放射(反射又は拡散(散乱))される。つまり、発光部からの光信号は、プレート側光伝搬部の全体から広い範囲に向けて放射されるので、当該光信号をより確実に受光素子に受光させることができる。
さらに、発光部からプレート側光伝搬部を介さずに、光信号を直接受光素子に出力する際には、受光素子に対して発光部を略対向する位置に配置しなければ光信号を受光させることが困難となるが、上記特徴構成によれば、発光部とプレート側光伝搬部とが対向して配置されていれば光信号を受光できるので、受光素子の設置位置の自由度を高めることができる。
【0021】
本発明に係る電気ケトルの更なる特徴構成は、前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記プレート側光伝搬部が、前記電源プレートの上面において前記給電機構を中心とする円環状に配設されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、給電姿勢において、電源プレートの上面の中央部に配設された給電機構及びケトル本体の底面の中央部に配設された受電機構を中心として、ケトル本体と電源プレートとが相対回転自在に構成されているので、両者が相対回転した何れの状態でも、給電機構から受電機構への電力供給を維持することができる。
加えて、プレート側光伝搬部が、前記電源プレートの上面において給電機構を中心とする円環状に配設されているので、給電姿勢において、ケトル本体と電源プレートとが相対回転した何れの状態でも、発光部から出力された光信号を円環状のプレート側光伝搬部の全体で反射或いは拡散させながら伝搬させ、円環状の広い範囲に放射させることができる。結果、光信号を受光素子に確実に受光させることが可能となる。なお、この場合には、発光部と受光部の一部であるプレート側光伝搬部とは、発光部から出力された光信号をプレート側光伝搬部にて受光可能な位置に対向配置されている。
よって、ケトル本体を電源プレートに載置して給電姿勢にする際に、発光部からの光信号を受光素子が受信できるか否かについて特に意識する必要がなくなり、利用者の利便性が格段に向上することとなる。
特に、発光部が発光素子と円環状の本体側光伝搬部とを備えるとともに、受光部が受光素子と円環状のプレート側光伝搬部とを備えた構成であれば、本体側光伝搬部とプレート側光伝搬部とを、本体側光伝搬部の全体を伝搬しながら外部に放射(反射又は拡散)された光信号をプレート側光伝搬部にて受光可能な位置に対向配置するだけ(受電機構及び給電機構の中心から同径の距離に配置するだけ)でよく、発光素子及び受光素子の配置の自由度を高めることができると共に、発光素子から出力された光信号をより確実に受光素子にて受光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】電気ケトルの外観を示す斜視図
【図2】ケトル本体が電源プレートから持ち上げられた状態での電気ケトルの斜視図
【図3】第1実施形態に係るケトル本体の縦断側面図
【図4】第1実施形態に係るケトル本体の底面視図
【図5】第1実施形態に係る電源プレートの上面視図
【図6】第1実施形態に係る電気ケトル下部の縦断面図
【図7】第1実施形態に係る給電姿勢での電気ケトル下部の縦断面図
【図8】第1実施形態に係る電気ケトルの概略回路構成図
【図9】第2実施形態に係る電気ケトル下部の概略構成を示す斜視図
【図10】第3実施形態に係る電気ケトル下部の概略構成を示す斜視図
【図11】第4実施形態に係る電気ケトル下部の概略構成を示す斜視図
【図12】別実施形態に係る電気ケトルの概略回路構成図
【図13】別実施形態に係る電気ケトルの概略回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、電気ケトル1は、電源プレート2と、その電源プレート2に載置自在なケトル本体3とを備えて構成されている。
図2、図5〜図8に示すように、電源プレート2には、電源コードS1を通して電源S(商用電源のコンセント等)から供給される電力を出力する給電機構4が備えられている。
図3、図6、図7に示すように、ケトル本体3には、加熱対象の湯水を貯留する貯留部5と、貯留部5内の湯水を加熱する電気ヒータ6(加熱部の一例)と、貯留部5内の湯水の温度を検出する温度センサ7(温度検出部の一例)と、給電機構4から供給される電力を受電する受電機構8とが備えられている。
【0025】
図1、図4、図5、図7、図8に示すように、電気ケトル1においては、給電機構4が電源プレート2の上面2aに配設されるとともに、給電機構4から供給される電力を受電する受電機構8がケトル本体3の底面3aに配設され、ケトル本体3の底面3aを電源プレート2の上面2aに載置した給電姿勢において、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続されて、給電機構4から受電機構8に電力供給するように構成されている(図1、図7参照)。
【0026】
次に、電気ケトル1の各部について説明を加える。
図1〜図3に示すように、ケトル本体3は、貯留部5を内部に備えて上側開放の概略有底円筒状に構成された本体ボディ9と、その開放された開口を覆う蓋体10とを主な部材として備えて構成されている。
蓋体10は、本体ボディ9の開口の外周部に設けられた横方向(図4の左右方向)の揺動軸10a周りに揺動自在に構成されており、蓋体10を上側に揺動させて蓋を開放した状態で、本体ボディ9の貯留部5内に水を注水することが可能となる。一方、蓋体10が本体ボディ9の開口を閉止した状態で、湯水の加熱が可能となっている。ここで、貯留部5内の湯水とは、貯留部5内に注水された水、及び、その注水された水が電気ヒータ6により加熱された湯を総称するものである。
【0027】
ケトル本体3の蓋体10には、貯留部5に貯留されている湯水を注ぐ注口11、蓋体10を開閉するための蓋体開閉操作部12、及び、蒸気を排出する蒸気口13が設けられている。
ケトル本体3の本体ボディ9の上側部における注口11に対してケトル本体前後方向(図3の左右方向)反対側に対応する箇所には、上下方向に延びる状態で棒状のハンドル14が設けられている。このハンドル14は、その上端がケトル本体3の上側部に支持される片持ち状態で設けられている。
【0028】
図3に示すように、注口11の内部側には、その注口11を開閉する給湯操作用の弁15が設けられており、更に、ハンドル14の上端部には、弁15を開閉操作するための給湯操作ボタン16が設けられ、給湯操作ボタン16が押し込み姿勢に無い限り、ケトル本体3を傾けても注口11から湯水がでることがなく、給湯操作ボタン16を押し込み操作すると、注口11からの出湯が可能に構成されている。
【0029】
図3、図6、図7に示すように、電気ヒータ6は、貯留部5の底面に、環状に設けられ、受電機構8を介して供給される電力により作動が制御される形態で、作動時の熱を用いて貯留部5内の湯水を加熱可能に構成されている。なお、貯留部5内の湯水を加熱するための電気ヒータ6に加えて、当該湯水の温度を保温する保温ヒータを別途設ける構成としてもよい。
図3に示すように、温度センサ7は、貯留部5の底面に設けられ、検出した貯留部5内の湯水の温度情報を出力可能に構成されている。
図2〜図4、図6、図7に示すように、受電機構8は、ケトル本体3の底部3aの中心側の箇所(中央部)に、その底面3aから引っ込んだ状態で、給電機構4を嵌め込むことが可能な円状の給電機構嵌め込み用凹部3b内に設けられている。
受電機構8は、ピン状の中心電極8a(接点に相当する)と、その中心電極8aの外周部にその中心電極8aと同心状に設けられた環状電極8b(接点に相当する)とを備えて構成されている。
【0030】
図2、図5〜図7に示すように、電源プレート2は、ケトル本体3の円状底部の外形と略同径の外形円形のプレートとして構成されており、その上面2aはケトル本体3が載置可能となるように、当該ケトル本体3の底面3aの形状と略対応する形状に形成されている。電源プレート2の下部は電源コードS1を収納可能な収納部(図示せず)とされている。
【0031】
給電機構4は、外観形状が概略円柱状に構成されて、電源プレート2の中心側の箇所(中央部)にその上面2aから突出するように設けられている。
給電機構4は、中心穴4Aと、その中心穴4Aと同心に設けられた環状穴4Bとを備え、これら穴4A、4Bに夫々設けられる中心電極4a、外側電極4b(接点に相当する)を備えて構成されている。
そして、図6、図7に示すように、ケトル本体3が電源プレート2上に給電姿勢で載置されると、給電機構4がケトル本体3の底部3aの給電機構嵌め込み用凹部3b内に嵌り込んで、給電機構4及び受電機構8に設けられた中心電極4aと中心電極8a、及び外側電極4bと環状電極8bがそれぞれ電気的に接続されて、給電機構4から受電機構8への給電が可能となる。この給電姿勢では、ケトル本体3と電源プレート2とが給電機構4及び受電機構8を中心として相対回転自在となっている。
【0032】
電源プレート2には、図6、図7に示すように、弾性部材で構成された複数(この実施形態では4個)の滑り止め部材17が、電源プレート2の底面においてその周方向に分散して設けられ、電源プレート2が不意に移動することが防止されている。従って、給電姿勢では、ケトル本体3が電源プレート2(固定)に対して相対回転自在となっている。
【0033】
以上が本願に係る電気ケトル1の構成であるが、以下、この電気ケトル1に採用している特徴構成について説明する。
【0034】
図6〜図8に示すように、電気ケトル1の電源プレート2内には、マイクロコンピュータ18(以下、マイコン18という)を備えたプレート側制御回路P(制御部の一例)が配設されている。プレート側制御回路Pについての詳細は後述するが、マイコン18は、ケトル本体3に配設された電気ヒータ6に供給される電力を制御する機能を備えることに加え、その他種々の機能を実現することが可能な公知の演算処理手段により構成されている。
【0035】
図3、図6、図7に示すように、ケトル本体3には、赤外光(光信号の一例)を出力可能な発光部19(送信部の一例)が当該ケトル本体3の底面3a(本体ボディ9の底部)に配設されている。発光部19は、赤外光を出力する発光素子19aと、発光素子19aから出力された赤外光をケトル本体3の外部に反射させながら受光部20へ伝搬する本体側光伝搬部としての本体側反射部材19bとを備えている。発光素子19aは、公知の赤外線通信モジュールの発光素子であり、ケトル本体3が電源プレート2に載置された給電姿勢で、本体側反射部材19bを介して後述する受信部としての受光部20に赤外光を送信可能に配置されている。
具体的には、図3、図4、図6、図7に示すように、発光素子19aは、ケトル本体3の底面3aに形成された本体側溝部21(溝部の一例)内に配設される。本体側溝部21は、ケトル本体3の底面3aにおける受電機構8よりも外周側に、当該底面3aよりも貯留部5側(図6の上方向)に窪む環状溝として形成され、当該環状溝の外側部に発光素子19aが配設(本実施形態では、発光素子19aは周方向に一つ配設)されている。本体側溝部21の内面は、発光素子19aから出力された赤外光を反射させながら伝搬可能な本体側反射部材19bで構成されている。本体側反射部材19bは、赤外光を反射させながら伝搬できる部材であればよく、例えば、本体側溝部21自体を樹脂で構成し、その内面が滑らかな表面となるように形成したり、その内面をメッキ等で滑らかな表面となるようにコーティングして形成する等により、赤外光を反射させながら伝搬可能とすることができる。これにより、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側溝部21内の本体側反射部材19bにより反射(例えば、複数回の反射、乱反射等)させられながら伝播されて本体側溝部21内全体が光り、ケトル本体3の外部である電源プレート2の受光部20に伝搬できる。なお、発光素子19aの配設箇所は、本体側溝部21内の外側部に限らず、内側部や上部等、発光素子19aからの赤外光を本体側溝部21内の本体側反射部材19bで反射させながら伝搬させ、伝搬した赤外光を受光部20に伝搬可能な箇所に配置でき、また、同様の観点から、発光素子19aから出力される赤外光の発光方向も適宜の方向に設定することができる。なお、発光素子19aは周方向に複数個(例えば、2つ)設けてもよい。
また、本体側溝部21の環状溝の下部には開口が形成されているが、この開口には、赤外光を透過可能な環状の本体側赤外光透過性材料22(光透過性材料の一例)が配設され、当該開口が閉鎖されて、当該本体側赤外光透過性材料22の下面はケトル本体3の底面3aと面一に構成されている。なお、本体側赤外光透過性材料22は、破損防止及び軽量化を図るため、赤外光を透過可能な樹脂により構成することが好ましい。
【0036】
図5〜図7に示すように、電源プレート2には、ケトル本体3の発光部19から出力された赤外光を受光可能な受光部20(受信部の一例)が当該電源プレート2の上面2aに配設されている。受光部20は、発光部19の本体側光伝搬部19bから伝搬された光信号が入射され、当該光信号を反射させながら伝搬させるプレート側光伝搬部としてのプレート側反射部材20aと、プレート側反射部材20aから伝搬された光信号を受光する受光素子20bとを備えている。受光素子20bは、公知の赤外線通信モジュールの受光素子であり、ケトル本体3が電源プレート2に載置された給電姿勢で、プレート側反射部材20aを介して発光素子19aから出力された赤外光を受信可能に配置されている。
具体的には、受光素子20bは、電源プレート2の上面2aに形成されたプレート側溝部23内に配設される。プレート側溝部23は、電源プレート2の上面2aにおける給電機構4よりも外周側に、当該上面2aよりも下部側(図6の下方向)に窪む環状溝として形成され、当該環状溝の外側部に受光素子20bが配設(本実施形態では、受光素子20bは周方向に一つ配設)されている。プレート側溝部23の内面は、発光部19の本体側光伝搬部19bから伝搬された赤外光を反射させながら伝搬可能なプレート側反射部材20aで構成されている。なお、プレート側反射部材20aは、赤外光を反射させながら伝搬できる部材であればよく、例えば、プレート側溝部23自体を樹脂で構成し、その内面が滑らかな表面となるように形成したり、その内面をメッキ等で滑らかな表面となるようにコーティングして形成する等により、赤外光を反射させながら伝搬可能とすることができる。これにより、本体側反射部材19bからプレート側反射部材20aに入射された赤外光は、プレート側反射部材20aにより反射(例えば、複数回の反射、乱反射等)させられながら伝播されてプレート側溝部23内全体が光り、当該プレート側溝部23内に配設された受光素子20bに伝搬できる。なお、受光素子20bの配設箇所は、プレート側溝部23内の外側部に限らず、内側部や下部等、本体側反射部材19bからの赤外光をプレート側溝部23内のプレート側反射部材20aで反射させながら伝搬させ、伝搬した赤外光を受光可能な箇所に配置できる。なお、受光素子20bを周方向に複数個(例えば、2つ)設けてもよい。
また、プレート側溝部23の環状溝の上部には開口が形成されているが、この開口には、赤外光を透過可能な環状のプレート側赤外光透過性材料24(光透過性材料の一例)が配設され、当該開口が閉鎖されて、当該プレート側赤外光透過性材料24の上面は電源プレート2の上面2aと面一に構成されている。なお、プレート側赤外光透過性材料24は、破損防止及び軽量化を図るため、赤外光を透過可能な樹脂により構成することが好ましい。
【0037】
これらより、ケトル本体3が電源プレート2に載置された給電姿勢において、ケトル本体3の底面3aと電源プレート2の上面2aとが対向する状態で、発光部19の本体側光伝搬部19bと受光部20のプレート側光伝搬部20aとが対向配置される。なお、本体側光伝搬部19bとプレート側光伝搬部20aとは、給電機構4及び受電機構8の中心から略同径位置に配設される。
また、本体側光伝搬部19bとプレート側光伝搬部20aとの間に存在するケトル本体3の底面3aの部位及び電源プレート2の上面2aの部位それぞれが、発光素子19aから出力される赤外光を透過可能な赤外光透過性材料22、24で構成されることとなる。なお、両赤外光透過性材料22、24は、給電機構4及び受電機構8の中心から略同径位置に配設される。
従って、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側溝部21の内面における本体側光伝搬部19bで反射して伝搬され、さらに、プレート側溝部23の内面におけるプレート側光伝搬部20aで反射して伝搬されて受光素子20bにて受光されることとなる。
【0038】
ここで、発光素子19aから出力される赤外光は、ケトル本体3に配設された温度センサ7の温度情報を搬送する搬送波として機能する。例えば、irDA規格に適合する赤外光通信モジュールや、家電リモコンで用いられる赤外線通信モジュールを用いることができる。
【0039】
また、図1、図2に示すように、電源プレート2の側面部には、押圧操作することにより電源Sから給電機構4及び受電機構8を介して電気ヒータ6への電力供給を可能な状態(オン状態)と不能な状態(オフ状態)とに切り換え可能な電源入切スイッチ25と、各種情報(例えば、温度センサ7にて検出された貯留部5内の湯水の温度)を表示可能なLCD表示部26(表示部の一例)と、後述する電源ランプ29と、タイマーランプ30と、温度設定スイッチ32と、タイマー設定スイッチ33とが設けられている。
【0040】
ここで、図8に基づいて、電気ケトル1に採用される電気回路について説明する。電気ケトル1は、本体側制御回路K及びプレート側制御回路Pを備える。図8において、上側はケトル本体3側の本体側制御回路Kの回路構成であり、下側は電源プレート2側のプレート側制御回路Pの回路構成である。
まず、プレート側制御回路Pについて説明し、その次に、本体側制御回路Kについて説明する。
【0041】
プレート側制御回路Pは、マイコン18と、第1スイッチSW1と、第2スイッチSW2と、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bと、受光素子20bとを備える。
【0042】
第1スイッチSW1は、機械式のスイッチであり、オフ状態となるように常時付勢され、人的な入力操作が行われるとその間だけオン状態に切り換わる。具体的には、第1スイッチSW1は、コモン端子coとノーマルクローズ端子ncとノーマルオープン端子noとを有する3端子スイッチである。よって、通常は、ノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとが接続される状態であるが、電源入切スイッチ25を押圧操作することにより、第1スイッチSW1は、ノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続されるオン状態に切り換わる。そして、電源入切スイッチ25の押圧操作を終了すると、ノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとが接続されるオフ状態に切り換わる。
【0043】
第1スイッチSW1は、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND側)との間に設けられる。具体的には、コモン端子coは、マイコン18の電源ポート40(GND側)に接続される。ノーマルオープン端子noは、電源Sに接続される。ノーマルクローズ端子ncは、第1トランジスタ43のベースに接続される。なお、マイコン18の入切検出ポート41は、第1トランジスタ43のコレクタに接続される。ここで、コモン端子coと電源ポート40(GND側)との間、ノーマルオープン端子noと電源Sとの間、ノーマルクローズ端子ncとマイコン18の電源ポート42(+側)との間は、直接又は何らかの電気部品を介して間接的に接続されていればよい。
従って、電源入切スイッチ25が押圧操作されると、第1スイッチSW1のノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続され、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND側)とが第1スイッチSW1を介して接続されて、電源Sからマイコン18への電力の供給が開始される。
【0044】
第2スイッチSW2は、第1スイッチSW1と並列に、電源Sと給電機構4の外側電極4bとの間、且つ、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND)との間に設けられ、後述するように、マイコン18の制御により、オン状態及びオフ状態が切り換えられる。
マイコン18は、自身のリレーポート45をLOレベル及びHIレベルに切り換え、当該リレーポート45と電源ポート42(+側)との間に設けられた第2トランジスタ46のオン状態及びオフ状態を切り換えることで、リレーコイル44の動作を制御する。このリレーコイル44の動作の制御により、第2スイッチSW2のオン状態及びオフ状態の切り換えが制御される。
【0045】
起動時の第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2の動作について説明する。上述したように、電源入切スイッチ25が押圧操作されて、第1スイッチSW1のノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続されるオン状態となると、電源Sからマイコン18への電力の供給が開始される。この電力の供給開始と同時に、マイコン18は、リレーポート45をLO(ロー)レベルに制御する。その結果、第2トランジスタ46がオン状態に切り換わり、リレーコイル44に電流が流れる。リレーコイル44に電流が流れると、第2スイッチSW2が作動してオン状態に切り換わる。これにより、後述する給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給される。なお、給電機構4の外側電極4bは、第2スイッチSW2に接続され、中心電極4aは、電源Sに接続される。
一方で、第2スイッチSW2がオン状態となり給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給されている状態(第1スイッチSW1は、ノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとの接続に復帰している状態)となった後においては、第1トランジスタ43のベース電流は流れているので、第1トランジスタ43はオン状態となっている。この状態で第1スイッチSW1が再度押圧操作されると、第1スイッチSW1のノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続され、第1トランジスタ43のベース電流がオフ状態となる。そして、第1トランジスタ43もオフ状態となり、入切検出ポート41がLOレベルを検出し、マイコン18は第1スイッチSW1が押圧操作されたことを検知する。マイコン18はこのLOレベルの入力を電源オフの指令と判定し、リレーポート45をHIレベルに制御する。その結果、第2トランジスタ46がオフ状態に切り換わり、リレーコイル44に電流が流れなくなって、第2スイッチSW2がオフ状態に切り換わる。この場合、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bへの電力供給が遮断される。
【0046】
なお、マイコン18の電源ポート40(GND側)と電源ポート42(+側)との間には、第1コンデンサ47が設けられている。この第1コンデンサ47は、電源Sからマイコン18に電力が供給されている間に電源Sにより充電され、電源Sからマイコン18に電力が供給されなくなったとしても所定時間、マイコン18に電力を供給可能に構成されている。この第1コンデンサ47は、上述のようなバックアップ電源としての用途だけでなく、マイコン18に供給される電力の安定化或いはノイズカットなどの機能も果たす。
【0047】
さらに、ケトル本体3側の発光素子19aから出力された赤外光を受光する受光素子20bが、マイコン18の温度情報入力ポート48に接続される状態で設けられる。受光素子20bとしては、例えば、フォトトランジスタ49やフォトダイオードから構成することができる。なお、公知のリモコンの受光部を用いることもできる。これにより、マイコン18は、フォトトランジスタ49が受光した赤外光のパルスデータが示す温度情報に基づいて、湯温が目標温度より高いと判定すると(即ち、湯温が充分に高いと判定すると)、リレーポート45をHIレベルに制御して、外側電極4b及び中心電極4aに電力を供給しない構成とすることもできる。或いは、マイコン18は、先ず、上述したような外側電極4b及び中心電極4aへの電力供給を行った後、温度センサ7の検出結果に基づいて、湯温が目標温度より高いと判定すると、その電力供給の停止を行う構成とすることもできる。
【0048】
また、電源Sからマイコン18に電力が供給されていることを発光表示する発光ダイオード等からなる電源ランプ29が、マイコン18の電源ランプポート50に接続されている。
貯留部5内の湯水の加熱完了時刻を任意の時刻に設定していることを発光表示する発光ダイオード等からなるタイマーランプ30が、マイコン18のタイマーランプポート51に接続されている。
貯留部5内の湯水の加熱完了等を報知する圧電ブザー31が、マイコン18のブザーポート52に接続されている。尚、この加熱完了は、上記電源ランプ29の表示方法を変更すること、例えば、点滅表示や、多色LEDを用いて発光する色を変更すること等により報知する構成としてもよい。
貯留部5内の湯水を加熱する目標温度を任意の温度に設定するタクトスイッチ等からなる温度設定スイッチ32が、マイコン18の温度設定ポート53に接続されている。なお、温度設定スイッチ32は、電源プレート2の側面に配設される。
貯留部5内の湯水の加熱完了時刻を任意の時刻に設定するタクトスイッチ等からなるタイマー設定スイッチ33が、マイコン18のタイマー設定ポート54に接続されている。なお、タイマー設定スイッチ33は、電源プレート2の側面に配設される。
マイコン18は、温度情報入力ポート48に入力された温度センサ7からの温度情報に対応する温度を、LCD表示部26に出力して、表示させるように構成されている。
その他、マイコン18は、温度センサ7からの温度情報が加熱完了の目標温度付近で上下してリレーコイル44が頻繁にオンオフを繰り返すような事象(いわゆる、リレーチャタリング)が生じないように、目標温度に所定の許容誤差を設けて、リレーコイル44の不必要なオンオフの繰り返しを防止するヒステリシス機能等、公知の電気ポット等に用いられている多機能化を電気ケトル1において実現可能である。
【0049】
更に、マイコン18のゼロクロスポート55には電圧検出回路部34が接続されている。この電圧検出回路部34は、電圧波形のゼロクロス点を検出するためのものである。具体的には、マイコン18は、ゼロクロスポート55に入力されるパルスを検出することで、電源Sからの電力供給が正常に行われているのか否かを判定できる。例えば、電源Sの瞬時停電の検出や、パルス数の検出による正確な時間検出を実行することができる。
【0050】
次に、本体側制御回路Kは、電気ヒータ6と、温度センサ7と、簡便な構成の本体側マイクロコンピュータ60(以下、本体側マイコン60という)と、簡便な構成の簡易電源部61と、受電機構8の中心電極8a及び環状電極8bと、発光素子19aとを備える。
【0051】
電気ヒータ6は、受電機構8の中心電極8aと環状電極8bとに接続され、電源Sから給電機構4を介して供給される電力により貯留部5内の湯水を加熱可能に構成されている。なお、電源プレート2側のマイコン18による第2スイッチSW2のオン状態及びオフ状態の切り換え制御により、電気ヒータ6のオン状態及びオフ状態は切り換え制御される。
【0052】
電気ヒータ6と並列に、本体側マイコン60と、簡易電源部61とが設けられる。
【0053】
本体側マイコン60は、後述する温度センサ7から温度情報の入力を受けて発光素子19aとしての発光ダイオード63に、当該温度情報に応じた赤外光(光信号)のパルスデータを出力させることができる。従って、本体側マイコン60は、少なくとも発光ダイオード63に当該温度情報に応じた赤外光のパルスデータを出力させることが可能な機能を備えていればよいのに対し、電源プレート2側に設けられるマイコン18では、電気ヒータ6を制御するための機能を備える必要があるため、本体側マイコン60はマイコン18と比較して、非常に簡便な構成であり、軽量且つ設置スペースも非常に少ない構成である。
【0054】
簡易電源部61は、並列に第2コンデンサ61aと第3コンデンサ61bとを備えて構成されている。第3コンデンサ61bは平滑用で電解コンデンサ、第2コンデンサ61aは蓄電用で容量の大きい電気二重層コンデンサがよく用いられる。これら第2コンデンサ61a及び第3コンデンサ61bは、給電機構4及び受電機構8を介して電源Sから本体側マイコン60に電力が供給されている間に電源Sにより充電され、電源Sから本体側マイコン60に電力が供給されなくなったとしても所定時間、本体側マイコン60に電力を供給可能に構成されている。例えば、電気ヒータ6による貯留部5内の湯水の加熱完了時に、リレーコイル44がオフ状態となり、電源Sからのケトル本体3への電力供給が停止した場合でも、第2コンデンサ61aにより本体側マイコン60に電力を供給し続け、温度センサ7による温度検出を継続する。そして、本体側マイコン60は、発光素子19a及び受光素子20bを介して温度情報をマイコン18に送出し続ける。従って、次に電源入切スイッチ25が押圧操作された場合でも、マイコン18は、湯水の温度が目標温度より高ければ適温であることを知らせることができるとともに、さらに、電気ヒータ6に電力を供給するためのリレーコイル44が不必要にオン状態に作動することを防止できる。なお、第3コンデンサ61bは、上述のようなバックアップ電源としての用途だけでなく、本体側マイコン60に供給される電力の安定化或いはノイズカットなどの機能も果たす。
なお、ツェナーダイオード62は、本体側マイコン60に供給される電圧を一定に調整するために設けられている。
【0055】
温度センサ7は、本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に接続される。温度センサ7は、貯留部5内の湯水の温度を検出して、温度情報を当該本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に出力するように構成されている。例えば、温度センサ7は温度の変化により抵抗値が変化するように構成され、本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に入力される電圧値を温度情報とすることができる。なお、本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に入力される温度情報の処理は、所定の周期で行うことができ、例えば、1秒毎に行うこともできる。
【0056】
発光素子19aは、発光ダイオード63等から構成され、本体側マイコン60の出力ポート65に接続される。発光ダイオード63は、本体側マイコン60の出力ポート65からの出力に応じて、温度センサ7で検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータを出力可能に構成されている。
受電機構8の中心電極8aは給電機構4の中心電極4aに、受電機構8の環状電極8bは給電機構4の外側電極4bにそれぞれ接続可能に構成される。なお、通常、ケトル本体3側に温度センサ7を設け、電源プレート2側にマイコン18を別々に配置した場合には、それぞれに電力を供給する必要があるため、給電機構4及び受電機構8の電極は少なくとも4極(アース用電極を考慮すると5極)必要であるが、本実施形態では、電源Sの片側と温度センサ7の片側を同電位とする回路構成としており、電極を2極(アース用電極を考慮すると3極)で構成できるので、給電機構4及び受電機構8は単純な構成となり、軽量化、省スペース化、コストの低減に寄与している。
【0057】
次に、上記構成の電気ケトル1を用いて貯留部5内の湯水の加熱等を行う場合について、説明する。
まず、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2の上面2aに載置し、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続された給電姿勢とする(図1、図7参照)。この状態では、図7に示すように、発光素子19aは本体側反射部材19bが配設される本体側溝部21内の外側部に配置され、受光素子20bはプレート側反射部材20aが配設されるプレート側溝部23内の外側部に配置される。また、環状の本体側反射部材19bと環状のプレート側反射部材20aとは、給電姿勢において、環状の本体側赤外光透過性材料22及び環状のプレート側赤外光透過性材料24を介して対向する位置に配置される。従って、給電姿勢において、ケトル本体3は電源プレート2に対して相対回転自在であるが、図7に示すように、発光素子19aと受光素子20bとが周方向で完全に一致した位置に対向配置されていなくても、発光素子19aから出力された赤外光が本体側溝部21内及びプレート側溝部23内全体を光らせて、当該赤外光を受光素子20b確実に受光させることが可能である。従って、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2に載置して給電姿勢にする際に、発光素子19aからの光信号を受光素子20bが受光できるか否かについて特に意識する必要がない。
【0058】
そして、利用者が電気ケトル1の貯留部5内の湯水の加熱を行いたいと考えた場合には、電源プレート2の側面に配設された電源入切スイッチ25を押圧操作する。これにより、以下のように湯水の加熱が行われる。
まず、電源入切スイッチ25の押圧操作により、プレート側制御回路Pの第1スイッチSW1がオン状態となり、ノーマルオープン端子noとコモン端子coとが接続され、電源Sとマイコン18の電源ポート40(GND側)とが第1スイッチSW1を介して接続されて、電源Sからマイコン18への電力の供給が開始される。この電力の供給開始と同時に、マイコン18は、リレーポート45をLOレベルに制御し、第2トランジスタ46がオン状態に切り換わり、リレーコイル44に電流が流れる。このリレーコイル44に電流が流れると、第2スイッチSW2が作動してオン状態に切り換わり、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給され、ケトル本体3における受電機構8の中心電極8a及び環状電極8bを介して電気ヒータ6に電力が供給され、貯留部5内の湯水の加熱が開始される。一方、電源入切スイッチ25の押圧操作が終了すると、第1スイッチSW1のノーマルクローズ端子ncとコモン端子coとが接続される。なお、この際には、マイコン18は、発光ダイオード等からなる電源ランプ29を、例えば、緑から赤に表示を変更し、電力が供給されていること(湯水を加熱していること)を表示させることもできる。
【0059】
この電気ヒータ6への電力供給と同時に、ケトル本体3における本体側マイコン60に電力が供給され、温度センサ7にも電圧が加わる。そして、温度センサ7により貯留部5内の湯水の温度の検出が行われ、温度情報が本体側マイコン60の温度情報入力ポート64に入力される。本体側マイコン60は、入力された温度情報に応じた赤外光のパルスデータを、出力ポート65からの出力に基づいて発光ダイオード63(発光素子19a)に発光させる。発光ダイオード63は、温度情報に応じた赤外光(光信号)のパルスデータを電源プレート2のフォトトランジスタ49(受光素子20b)に向けて送信する。従って、発光ダイオード63から出力された赤外光は、本体側溝部21内の本体側反射部材19bで反射して伝搬され、ケトル本体3の本体側赤外光透過性材料22及び電源プレート2のプレート側赤外光透過性材料24を透過し、さらに、プレート側溝部23内のプレート側反射部材20aで反射して伝搬されて、フォトトランジスタ49(受光素子20b)にて受光されることとなる。
【0060】
フォトトランジスタ49で受光されたパルスデータとしての赤外光(光信号)はパルスデータとしての電気信号に変換されて、マイコン18の温度情報入力ポート48に入力される。マイコン18はこの温度情報入力ポート48に入力されたパルスデータから貯留部5内の湯水の温度情報を得ることができ、この温度情報に基づいて、電気ヒータ6への電力供給を継続するか否かを判断することができる。具体的には、加熱完了の目標温度以下の温度情報が入力された場合には、リレーポート45をLOレベルのまま維持し、温度センサ7からの温度情報が目標温度より高くなるまで電気ヒータ6による湯水の加熱を継続する。この際には、例えば、マイコン18は、温度センサ7からの温度情報や目標温度をLCD表示部26に表示させることができる。また、マイコン18は、温度センサ7を介して検出した湯水の温度が所定の温度になるまでの時間を計測して、その時間によって貯留部5内に貯留された湯水の容量を判別し、予測される加熱完了までの残り時間をLCD表示部26に表示させることもできる。
【0061】
一方、加熱完了の目標温度より高い温度情報が入力された場合には、マイコン18は、リレーポート45をHIレベルに制御して、第2スイッチSW2をオフ状態とし、電気ヒータ6への電力供給を停止する。この際、マイコン18は、温度センサ7により検出された温度情報や目標温度をLCD表示部26に表示させると共に、電源ランプ29を、例えば、赤から緑に表示を変更し電力の供給が停止されていること(加熱が完了したこと)を表示させ、さらに、加熱完了したことを圧電ブザー31で報知することもできる。なお、利用者は、電源プレート2の側面に配置された温度設定スイッチ32を押圧操作することで加熱完了の目標温度を任意に設定でき、また、タイマー設定スイッチ33を押圧操作することで加熱完了時刻を任意に設定することもできる。
他方で、加熱完了の目標温度以下の温度情報が入力され、温度センサ7からの温度情報が目標温度より高くなるまで電気ヒータ6による湯水の加熱を継続している最中に、電源入切スイッチ25が再度押圧操作された場合には、マイコン18は、以下のように動作する。即ち、マイコン18は、リレーポート45をHIレベルに制御して、第2スイッチSW2をオフ状態とし、電気ヒータ6への電力供給を停止する。
【0062】
これにより、利用者は、電気ケトル1の貯留部5内の湯水を目標温度に加熱することができる。しかも、ケトル本体3側には電気ヒータ6の作動を制御するマイコン18(及びプレート側制御回路P)が存在しないことから、ケトル本体3は比較的軽量となっており、利用者がケトル本体3を持ち上げる労力は比較的少ないものとなる。さらに、電源プレート2側のマイコン18が、ケトル本体3側の電気ヒータ6の制御を温度センサ7にて検出された温度情報に基づいて確実に行うことが可能となっている。
【0063】
なお、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2がオン状態(即ち、電気ヒータ6に通電されて湯水の加熱が実行中の状態)にあるときに、ケトル本体3が持ち上げられて電源プレート2(即ち、電源S)から取り外される場合がある。この場合、電源プレート2内のマイコン18は、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢にないこと、即ち、ケトル本体3が電源プレート2から取り外されることで、ケトル本体3の発光素子19aから電源プレート2の受光素子20bへの赤外光の送信が途絶えたことを検知できる。これにより、マイコン18は、ケトル本体3が電源プレート2から取り外されたと判定して、第2スイッチSW2をオフ状態に切り換えておく。そうすると、ケトル本体3が電源プレート2に再び載置されたときであっても、第2スイッチSW2はオフ状態になっているので、湯沸しが突然開始されることは無いので安全である。また、ケトル本体3が電源プレート2から取り外された場合、電源Sから本体側マイコン60及び温度センサ7への電力の供給は停止されるが、一定期間は第2コンデンサ61aや第3コンデンサ61bに充電されていた分の電力が本体側マイコン60及び温度センサ7へ供給されるため、本体側マイコン60及び温度センサ7は一定期間動作可能である。そのため、ケトル本体3が電源プレート2に再び載置され、電源入切スイッチ25が押圧操作された(第1スイッチSWがオン状態となった)ときであっても、温度センサ7にて検出された温度情報をケトル本体3側から即座に、本体側マイコン60が発光素子19aを介して電源プレート2側に送信することができ、電源プレート2側のマイコン18にて当該温度情報に基づいて電気ヒータ6の制御を行うことが可能である。
【0064】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、ケトル本体3の送信部(発光部19)としての発光素子19aを、ケトル本体3の底面3aに形成された本体側溝部21内に配設し、電源プレート2の受信部(受光部20)としての受光素子20bを電源プレート2の上面2aに形成されたプレート側溝部23内に配設したが、発光素子19aから受光素子20bに温度センサ7にて検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータが送受信できる構成であれば、特にこの構成に限定されるものではない。
【0065】
例えば、図9に示すように、発光素子19aをケトル本体3における受電機構8の中心部に形成された本体側凹部70内の上部に配設し、この本体側凹部70の下部開口を覆う円形の本体側赤外光透過性材料71を受電機構8の中心部(中央部)に配設して、受光素子20bを電源プレート2における給電機構4の中心部(中央部)に形成されたプレート側凹部72内の下部に配設し、このプレート側凹部72の上部開口を覆う円形のプレート側赤外光透過性材料73で構成することもできる。
この場合、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、給電機構4が受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3b内に挿入された状態となり、発光素子19aから出力された赤外光が両赤外光透過性材料71、73を介して対向する位置に配置された受光素子20bにて確実に受光されることとなる。例えば、給電姿勢においてケトル本体3が電源プレート2に対して受電機構8を中心として相対回転した場合でも、発光素子19aと受光素子20bとは常に対向した位置に配設されるので、発光素子19と受光素子20との赤外光の送受信を確実に行うことが可能となる。なお、この場合、例えば、円形の本体側赤外光透過性材料71に替えて、赤外光を反射して拡散(散乱)可能な円形の本体側拡散部材(本体側光伝搬部の一例)で構成し、円形のプレート側赤外光透過性材料73に替えて、赤外光を反射して拡散(散乱)可能なプレート側拡散部材(プレート側光伝搬部の一例)で構成することもできる。この場合、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、給電機構4が受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3b内に挿入された状態で、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側拡散部材で拡散されながら伝搬されてプレート側拡散部材に入射し、当該プレート側拡散部材にて拡散されながら伝播されて受光素子20bにて受光される。これら本体側拡散部材及びプレート側拡散部材としては、赤外光の全部を透過せずに一部を当該部材内で反射して拡散(散乱)させる半透過性の材料で構成することができる。
一方、図9に示す発光素子19aを本体側凹部70内の内側部や外側部に配設した場合には、本体側凹部70の内面に、発光素子19aから出力された赤外光を反射しながら伝搬可能な本体側反射部材(本体側光伝搬部の一例)76を配設する構成とすることもできる。また、受光素子20bをプレート側凹部72内の内側部や外側部に配設した場合には、プレート側凹部72の内面に、発光素子19aから直接、或いは本体側反射部材76を介して出力された赤外光を反射しながら伝搬可能なプレート側反射部材(プレート側光伝搬部の一例)77を配設する構成とすることもできる。
【0066】
なお、このように構成した場合には、第1実施形態の図8に示す受電機構8の中心電極8a及び給電機構4の中心電極4aを配設するスペースがなくなってしまう。そのため、図9に示すように、第1実施形態の受電機構8における中心電極8aの替わりに環状電極74aを用い、環状電極8bの替わりに環状電極74aより外周側に形成された外周電極74bを用いるとともに、給電機構4における中心電極4aの替わりに内側電極75aを用い、外側電極4bの替わりに内側電極75aより外周側に形成された外側電極75bを用いる構成とすることができる。
【0067】
〔第3実施形態〕
上記第2実施形態と同様に、発光素子19aから受光素子20bに温度センサ7にて検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータが送受信できる構成であれば、特に上記第1実施形態の構成に限定されるものではない。
【0068】
例えば、図10に示すように、円筒状に形成された受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3bの底部80(図10における給電機構嵌め込み用凹部3bの上面部)を、赤外光を反射して拡散可能な本体側拡散部材(本体側光伝搬部の一例)81で構成し、当該本体側拡散部材81の上部に発光素子19aを配設し、給電姿勢において、給電機構嵌め込み用凹部3bの底部80に対向する位置である給電機構4の上面82を、赤外光を反射して拡散可能なプレート側拡散部材(プレート側光伝搬部の一例)83で構成し、当該プレート側拡散部材83の下部に受光素子20bを配設する構成とすることもできる。
この場合、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、給電機構4が受電機構8の給電機構嵌め込み用凹部3b内に挿入された状態で、発光素子19aから出力された赤外光は、本体側拡散部材81で拡散されながら伝播されてプレート側拡散部材83に入射し、当該プレート側拡散部材83にて拡散されながら伝搬されて受光素子20bに受光される。これら本体側拡散部材81及びプレート側拡散部材83としては、赤外光の全部を透過せずに一部を当該部材内で反射して拡散(散乱)させる半透過性の材料で構成することができる。これにより、赤外光が入射すると、本体側拡散部材81及びプレート側拡散部材83の全体が光ることとなる。
なお、本体側拡散部材81及びプレート側拡散部材83の何れか一方、或いは両方を省略してもよい。また、本体側拡散部材81の替わりに赤外光を透過可能な本体側赤外光透過性材料で構成し、プレート側拡散部材83の替わりにプレート側赤外光透過性材料で構成することもできる。
【0069】
〔第4実施形態〕
上記第2及び第3実施形態と同様に、発光素子19aから受光素子20bに温度センサ7にて検出された温度情報に応じた赤外光のパルスデータが送受信できる構成であれば、特に上記第1実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、図11に示すように、ケトル本体3の底面3aには、受電機構8よりも外周側の箇所に、当該底面3aよりも貯留部5側(図11の上側)に窪んだ位置決め凹部90を形成し、電源プレート2の上面2aには、給電機構4よりも外周側の箇所に、当該上面2aよりも上方に突出する位置決め凸部91を形成する。ケトル本体3が電源プレート2に載置される給電姿勢において、位置決め凸部91が位置決め凹部90に嵌合することにより、ケトル本体3の電源プレート2に対する周方向の位置を設定載置位置に維持可能に構成することができる。そして、設定載置位置に維持されたケトル本体3の底面3aと電源プレート2の上面2aが対向する箇所には、ケトル本体3側に発光素子19aが配設され、電源プレート2側には受光素子20bが配設され、発光素子19aと受光素子20bとは対向する位置に配設される。なお、発光素子19aと受光素子20bとの間は、必要に応じて赤外光透過性材料を配設することができる。また、発光素子19aと受光素子20bとが一直線状に対向配置されていない場合には、必要に応じて発光素子19aから出力された赤外光を本体側光伝搬部やプレート側光伝搬部を介して、受光素子20bに受光させる構成を採用してもよい。
これにより、給電姿勢においてケトル本体3と電源プレート2との周方向の相対回転位置を設定載置位置に維持できるので、所定位置に配設された発光素子19aから出力された赤外光を受光素子20bにて確実に送受信できるとともに、不必要にケトル本体3と電源プレート2とが相対回転することがなく、給電機構4と受電機構8の接点が劣化することを防止することができる。
【0070】
(別実施形態)
(1)上記実施形態では、送信部及び受信部として赤外線通信モジュールを用いたが、温度センサ7(温度検出部の一例)からの温度情報を送受信できる構成であれば、その他の構成を採用することができる。例えば、以下の(A)から(H)の構成を採用することができる。
【0071】
(A)例えば、赤外光ではなく、送信部及び受信部として、その他の光である可視光、紫外光等を用いて送受信する構成とすることもできる。この際には、上記本体側光伝搬部やプレート側光伝搬部として、送受信する対象の光を反射或いは拡散させながら伝搬する部材を採用でき、上記赤外光透過性材料として、送受信する対象の光を透過可能な光透過性材料を採用することができる。
【0072】
(B)例えば、図12に示すように、ケトル本体3に配設された温度検出部としての温度センサからの温度信号が、受電機構8及び給電機構4を介する電気回路を介して電源プレート2側のマイコン18に入力される構成を採用することができる。なお、基本的な構成は、図8に示す回路構成図と同様であるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
具体的には、図12に示すように、ケトル本体3の受電機構8には、中心電極8a及び環状電極8bに加え、当該環状電極8bよりも外周側に外周側環状電極8cが設けられている。この外周側環状電極8cは、ケトル本体3に配設された貯留部5内の湯水の温度を検出する温度検出部としてのサーミスタ100の一端に接続されている。なお、サーミスタ100の他端は、中心電極8aに接続される。なお、サーミスタ100としては、NTCサーミスタやPCTサーミスタ等を用いることができる。
また、電源プレート2の給電機構4には、中心電極4a及び外側電極4bに加え、当該外側電極4bよりも外周側に最外周側電極4cが設けられている。この最外周側電極4cは、電源プレート2のマイコン18の温度情報入力ポート48に接続されている。なお、サーミスタ100の抵抗値が変化すれば、マイコン18の温度情報入力ポート48に入力される電圧値が変化するように構成されている。
従って、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢においては、受電機構8の外周側環状電極8cと給電機構4の最外周側電極4cとが接触して導通可能となる。一方、給電機構4及び受電機構8に設けられた中心電極4aと中心電極8a、及び外側電極4bと環状電極8bがそれぞれ電気的に接続され、給電機構4から受電機構8への給電が可能である。なお、通常、ケトル本体3側にサーミスタ100を設け、電源プレート2側にマイコン18を別々に配置した場合には、それぞれに電力を供給する必要があるため、給電機構4及び受電機構8の電極は少なくとも4極(アース用電極を考慮すると5極)必要であるが、本実施形態では、電源Sの片側と温度センサ7の片側を同電位とする回路構成としており、電極を3極(アース用電極を含む)で構成できるので、給電機構4及び受電機構8は単純な構成となり、軽量化、省スペース化、コストの低減に寄与している。
【0074】
具体的に、図12に示す電気回路を備えた電気ケトル1を用いて貯留部5内の湯水の加熱等を行う場合について、適宜省略しながら説明する。
まず、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2の上面2aに載置し、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続された給電姿勢とする(図1、図7参照)。
利用者が電気ケトル1の貯留部5内の湯水の加熱を行いたいと考えた場合には、電源プレート2の側面に配設された電源入切スイッチ25を押圧操作する。これにより、プレート側制御回路Pの第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2が作動してオン状態に切り換わり、給電機構4の中心電極4a及び外側電極4bに電力が供給され、ケトル本体3における受電機構8の中心電極8a及び環状電極8bを介して電気ヒータ6に電力が供給され、貯留部5内の湯水の加熱が開始される。
そして、電気ヒータ6への電力供給と同時に、サーミスタ100にも電圧が加わり、当該サーミスタ100の電気抵抗値が、外周側環状電極8c及び最外周側電極4cを介して電源プレート2側のマイコン18の温度情報入力ポート48に生じる電圧値として入力される。なお、この場合、送信部は少なくとも外周側環状電極8cであり、受信部は少なくとも最外周側電極4c及び温度情報入力ポート48となる。
マイコン18はこの温度情報入力ポート48に生じた電圧値から貯留部5内の湯水の温度情報を得ることができ、この温度情報に基づいて、電気ヒータ6への電力供給を継続するか否かを判断することができる。
なお、本別実施形態では、第1実施形態で説明した発光部19や受光部20、これらに関連する本体側光伝搬部、プレート側光伝搬部、赤外光透過性材料、本体側マイコン等の構成は必要なく、非常に簡便な構成となる。
【0075】
(C)例えば、図13に示すように、ケトル本体3に配設された温度検出部としての温度センサからの温度信号が、受電機構8及び給電機構4を介する電気回路を介して電源プレート2側のコンパレータ101に入力される構成を採用することができる。なお、基本的な構成は、図12に示す回路構成図と同様であるので、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
具体的には、図13に示すように、ケトル本体3の受電機構8には、中心電極8a及び環状電極8bに加え、当該環状電極8bよりも外周側に外周側環状電極8cが設けられている。この外周側環状電極8cは、ケトル本体3に配設された貯留部5内の湯水の温度を検出する温度検出部としてのPTCサーミスタ102の一端に接続されている。なお、PTCサーミスタ102の他端は、中心電極8aに接続される。
電源プレート2の給電機構4には、中心電極4a及び外側電極4bに加え、当該外側電極4bよりも外周側に最外周側電極4cが設けられている。
電源プレート2の側面には、電源入スイッチ103と、電源切スイッチ104と、コンパレータ101の基準電圧(目標温度)を切換可能な目標温度切換スイッチ105とが配設されている。電源入スイッチ103は第3スイッチSW3に対応し、電源切スイッチ104は第4スイッチSW4に対応する。なお、PTCサーミスタ102の抵抗値が変化すれば、コンパレータ101の−側ポート101aに入力される電圧値が変化するように構成され、コンパレータ101では、−側ポート101aに入力された電圧値が、+側ポート101bの固定電圧値(基準電圧)と比較される。
【0077】
具体的に、図13に示す電気ケトル1を用いて貯留部5内の湯水の加熱等を行う場合について、適宜省略しながら説明する。
まず、利用者は、ケトル本体3を電源プレート2の上面2aに載置し、給電機構4と受電機構8とが導通状態に接続された給電姿勢とする(図1、図7参照)。
利用者が電気ケトル1の貯留部5内の湯水の加熱を行いたいと考えた場合には、電源プレート2の側面に配設された電源入スイッチ103を押圧操作する。これにより、プレート側制御回路Pの第3スイッチSW3がオン状態となり、PTCサーミスタ102の抵抗値によりコンパレータ101の−側ポート101aに入力電圧が発生する。この入力電圧が目標温度に対応する+側ポート101bの基準電圧以下であれば、出力ポート101cからの出力がオン状態となって第2トランジスタ46がオン状態となり、リレーコイル44に電流が流れる。このリレーコイル44に電流が流れると、第2スイッチSW2がオン状態となって電気ヒータ6に通電が開始される。一方で、基準電圧より上記入力電圧が大きくなれば出力ポート101cからの出力がオフ状態となって第2トランジスタ46がオフ状態となり、リレーコイル44に電流が流れなくなる。結果、第2スイッチSW2がオフ状態となって電気ヒータ6への通電が停止する。
なお、温度検出部としてPTCサーミスタ102を用いているので、ケトル本体3が電源プレート2の上面2aに載置された給電姿勢において、第2スイッチSW2及び第3スイッチSW3がオン状態(即ち、電気ヒータ6に通電されて湯水の加熱が実行中の状態)にあるときに、ケトル本体3が持ち上げられて電源プレート2(即ち、電源S)から取り外された場合には、見かけ上、PTCサーミスタ102の回路部分の電気抵抗値は無限大となる。この状態は、PTCサーミスタ102の温度が非常に高くなった場合と同様の状態である。これにより、基準電圧より上記入力電圧が大きくなり出力ポート101cからの出力がオフ状態となって、第2トランジスタ46がオフ状態となり、リレーコイル44に電流が流れなくなる。そして、第2スイッチSW2がオフ状態となって電気ヒータ6への通電が停止するので、非常に安全である。また、利用者が、加熱を中止したいと考えた場合には、電源切スイッチ104を押圧操作することにより、第4スイッチSW4がオン状態となり第2トランジスタ46がオフ状態となって、リレーコイル44に電流が流れなくなる。そして、第2スイッチSW2がオフ状態となるので、電気ヒータ6への通電を簡単に停止できる。なお、同様の考え方で、コンパレータ101の+側ポート101b及び−側ポート101aの接続を反対にして、一般にPCTサーミスタよりも安価であるNTCサーミスタを用いてもよい。
【0078】
(D)例えば、図12に示す構成において、図示しないが、ケトル本体3の本体側制御回路Kに、コンデンサからなる簡易な電源と、サーミスタからの温度信号を温度・周波数変換するv−fコンバータとを設け、このv−fコンバータからの出力パルスを受電機構8の外周側環状電極8c及び給電機構4の最外周側電極4cを介して電源プレート2のマイコン18に出力する構成とすることができる。この場合、入力された出力パルスの周波数をマイコン18のカウンタ機能により読み取ることで、受電機構8及び給電機構4の各電極の接点が劣化しても良好に温度情報を伝達することができる。なお、v−fコンバータの替わりに、ウィーンブリッジ回路や他の発振回路を採用することもできる。
【0079】
(E)例えば、図12に示す構成において、図示しないが、ケトル本体3の本体側制御回路Kに、コンデンサからなる簡易な電源と、サーミスタからの温度信号をシリアルデータに変換する本体側マイコンとを設け、この本体側マイコンからのシリアルデータを受電機構8の外周側環状電極8c及び給電機構4の最外周側電極4cを介して電源プレート2のマイコン18に出力する構成とすることができる。この場合、入力されたシリアルデータをマイコン18のシリアルデータ受信機能により読み取るように構成することもでき、データ電文を構築することで、誤り訂正が可能でデータの信頼性を向上させることができる。
【0080】
(F)例えば、電力線に高周波信号を重畳するための公知の電力線通信用モジュールをケトル本体3及び電源プレート2のそれぞれに設け、ケトル本体3側のモジュールから給電機構4及び受電機構8を介して電源プレート2側のモジュールに接続される電力線を用いて、温度検出部にて検出された温度情報を高周波信号として重畳し、ケトル本体3側から電源プレート2側に通信する構成を採用することもできる。なお、この際には、電源プレート2内にブロッキングフィルターを搭載して、高周波エミッションのレベルを押えることも可能である。
【0081】
(G)例えば、対向して配置された両コイル間で電磁誘導されて発生する磁束を利用してデータの通信を行う公知のRFID通信用モジュールをケトル本体3及び電源プレート2のそれぞれに設け、ケトル本体3側のコイルにより電源プレート2側のコイルで発生する磁束に、温度検出部にて検出された温度情報を重畳し、ケトル本体3側から電源プレート2側に通信する構成を採用することもできる。
【0082】
(H)例えば、無線で信号を送信するための公知の無線通信モジュールをケトル本体3及び電源プレート2のそれぞれに設け、ケトル本体3側の無線通信モジュールから電源プレート2側の無線通信モジュール送信される電磁波に、温度検出部にて検出された温度情報を重畳し、ケトル本体3側から電源プレート2側に通信する構成を採用することもできる。なお、この際には、微弱無線で十分に通信可能であるが、例えば、Zigbee、Bluetooth、wifi、特定小電力等の無線通信モジュールを用いてもよい。
【0083】
(2)上記第1実施形態では、発光部19を発光素子19aと本体側光伝搬部19bとで、受光部20をプレート側光伝搬部20aと受光素子20bとで構成し、発光素子19aから出力された赤外光を、本体側光伝搬部19b及びプレート側光伝搬部20aを介して受光素子20bに受光させたが、発光素子19aから出力された赤外光を、受光素子20bにて確実に受光できる構成であれば、本体側光伝搬部19b及びプレート側光伝搬部20aの何れか一方或いは両方を省略する構成を採用することもできる。
例えば、プレート側光伝搬部20aを省略する場合には、受光素子20bを本体側光伝搬部19bと対向する箇所に配置することで、発光素子19aから出力された赤外光を、本体側光伝搬部19bを介して受光素子20bに受光させることができる。この場合、受光素子20bはプレート側溝部23内の下部に配設することができる。また、プレート側溝部23を設けずに、電源プレート2の上面2aに環状のプレート側赤外光透過性材料24を、当該上面2aとプレート側赤外光透過性材料24の上面とが面一となる状態で設けて、当該プレート側赤外光透過性材料24の下部に受光素子20bを配設することもでき、この場合には、本体側光伝搬部19bに対向する箇所にプレート側赤外光透過性材料24が配設される。
また、例えば、本体側光伝搬部19bを省略する場合には、発光素子19aをプレート側光伝搬部20aと対向する箇所に配置することで、発光素子19aから出力された赤外光を、プレート側光伝搬部20aを介して受光素子20bに受光させることができる。この場合、発光素子19aは本体側溝部21内の上部に配設される。
さらに、例えば、本体側光伝搬部19b及びプレート側光伝搬部20aの両方を省略する場合には、発光素子19aと受光素子20bとを上下方向で一直線状に対向して配置し、発光素子19から出力された赤外光を、直接受光素子20bにて受光する構成としてもよい。この場合、発光素子19aは本体側溝部21内の上部に配設され、受光素子20bはプレート側溝部23内の下部に配設される。
なお、上記第1実施形態では、本体側赤外光透過性材料22及びプレート側赤外光透過性材料24を両方とも設けたが、何れか一方或いは両方を省略する構成としてもよい。
【0084】
(3)上記の実施形態では発光素子19a及び受光素子20bをそれぞれ、ケトル本体3の底面3aにおける受電機構8の外周部の本体側溝部21に配設し、電源プレート2の上面2aにおける給電機構4の外周部のプレート側溝部23に配設した例、或いは、ケトル本体3の底面3aにおいて受電機構8の中央部に配設し、電源プレート2の上面2aにおいて給電機構4の中央部に配設した例を示した。
これに対し、ケトル本体3の底面3aにおける発光素子19aの配設位置及び電源プレート2の上面2aにおける受光素子20bの配設位置は、給電姿勢において発光素子19aから受光素子20bに、直接或いは本体側光伝搬部、プレート側光伝搬部を介して赤外光が到達できる箇所であれば、特に制限なく採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上説明したように、ケトル本体の軽量化、ケトル本体内の構成のコンパクト化及びケトル本体のシンプル化を図りながら、制御部による加熱部の制御を確実に実行し得る安全性の高い電気ケトルを提供できた。
【符号の説明】
【0086】
1 電気ケトル
2 電源プレート
2a 上面
3 ケトル本体
3a 底面
4 給電機構
5 貯留部
6 電気ヒータ(加熱部)
7 温度センサ(温度検出部)
8 受電機構
18 マイクロコンピュータ(制御部)
19 発光部(送信部)
19a 発光素子
19b、76 本体側反射部材(本体側光伝搬部)
20 受光部(受信部)
20a、77 プレート側反射部材(プレート側光伝搬部)
20b 受光素子
21 本体側溝部(溝部)
22、71 本体側赤外光透過性材料(光透過性材料)
24、73 プレート側赤外光透過性材料(光透過性材料)
49 フォトトランジスタ(受光素子)
63 発光ダイオード(発光素子)
81 本体側拡散部材(本体側光伝搬部)
83 プレート側拡散部材(プレート側光伝搬部)
P プレート側制御回路(制御部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源プレートと、前記電源プレートに載置されるケトル本体とを備え、
電源から供給される電力を出力する給電機構が前記電源プレートの上面に配設されるとともに、前記給電機構から供給される電力を受電する受電機構が前記ケトル本体の底面に配設され、前記ケトル本体の底面を前記電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、前記給電機構から前記受電機構に電力供給する構成の電気ケトルであって、
前記ケトル本体には、少なくとも前記ケトル本体に配設された貯留部内の湯水を加熱する加熱部と、前記貯留部内の湯水の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部で検出される温度情報を前記電源プレート側に送信する送信部とが配設されるとともに、
前記電源プレートには、少なくとも前記送信部により送信された前記温度情報を受信する受信部と、前記給電機構から前記受電機構を介して前記加熱部に供給される電力を前記受信部が受信した前記温度情報に基づいて制御する制御部とが配設された電気ケトル。
【請求項2】
前記送信部は、前記温度検出部で検出される前記温度情報を光信号として出力する発光部を前記ケトル本体の底面に備え、前記受信部は、前記発光部から出力された前記光信号を受光する受光部を前記電源プレートの上面に備えて構成され、
前記給電姿勢において前記ケトル本体の底面と前記電源プレートの上面とが対向する状態で、前記発光部と前記受光部とが、前記発光部から出力された前記光信号を前記受光部にて受光可能な位置に配置されている請求項1に記載の電気ケトル。
【請求項3】
前記発光部は、前記光信号を出力する発光素子と、当該発光素子から出力された当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させる本体側光伝搬部とを備えている請求項2に記載の電気ケトル。
【請求項4】
前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面において前記受電機構を中心とする円環状に配設されている請求項3に記載の電気ケトル。
【請求項5】
前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されている請求項3又は4に記載の電気ケトル。
【請求項6】
前記受光部は、前記発光部から出力された前記光信号が入射され、当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させるプレート側光伝搬部と、前記プレート側光伝搬部から伝搬された当該光信号を受光する受光素子とを備えている請求項2から5の何れか一項に記載の電気ケトル。
【請求項7】
前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記プレート側光伝搬部が、前記電源プレートの上面において前記給電機構を中心とする円環状に配設されている請求項6に記載の電気ケトル。
【請求項1】
電源プレートと、前記電源プレートに載置されるケトル本体とを備え、
電源から供給される電力を出力する給電機構が前記電源プレートの上面に配設されるとともに、前記給電機構から供給される電力を受電する受電機構が前記ケトル本体の底面に配設され、前記ケトル本体の底面を前記電源プレートの上面に載置した給電姿勢において、前記給電機構から前記受電機構に電力供給する構成の電気ケトルであって、
前記ケトル本体には、少なくとも前記ケトル本体に配設された貯留部内の湯水を加熱する加熱部と、前記貯留部内の湯水の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部で検出される温度情報を前記電源プレート側に送信する送信部とが配設されるとともに、
前記電源プレートには、少なくとも前記送信部により送信された前記温度情報を受信する受信部と、前記給電機構から前記受電機構を介して前記加熱部に供給される電力を前記受信部が受信した前記温度情報に基づいて制御する制御部とが配設された電気ケトル。
【請求項2】
前記送信部は、前記温度検出部で検出される前記温度情報を光信号として出力する発光部を前記ケトル本体の底面に備え、前記受信部は、前記発光部から出力された前記光信号を受光する受光部を前記電源プレートの上面に備えて構成され、
前記給電姿勢において前記ケトル本体の底面と前記電源プレートの上面とが対向する状態で、前記発光部と前記受光部とが、前記発光部から出力された前記光信号を前記受光部にて受光可能な位置に配置されている請求項1に記載の電気ケトル。
【請求項3】
前記発光部は、前記光信号を出力する発光素子と、当該発光素子から出力された当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させる本体側光伝搬部とを備えている請求項2に記載の電気ケトル。
【請求項4】
前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面において前記受電機構を中心とする円環状に配設されている請求項3に記載の電気ケトル。
【請求項5】
前記本体側光伝搬部が、前記ケトル本体の底面に形成された円環状の溝部内に配設されている請求項3又は4に記載の電気ケトル。
【請求項6】
前記受光部は、前記発光部から出力された前記光信号が入射され、当該光信号を反射或いは拡散させながら伝搬させるプレート側光伝搬部と、前記プレート側光伝搬部から伝搬された当該光信号を受光する受光素子とを備えている請求項2から5の何れか一項に記載の電気ケトル。
【請求項7】
前記給電機構が前記電源プレートの上面の中央部に配設されるとともに、前記受電機構が前記ケトル本体の底面の中央部に配設され、前記給電姿勢において前記ケトル本体と前記電源プレートとが前記給電機構及び前記受電機構を中心として相対回転自在に構成され、
前記プレート側光伝搬部が、前記電源プレートの上面において前記給電機構を中心とする円環状に配設されている請求項6に記載の電気ケトル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−212376(P2011−212376A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85372(P2010−85372)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.Bluetooth
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
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