説明

電気光学装置、その駆動方法および電子機器

【課題】 複数の表示パネル間の輝度を均一にする。
【解決手段】 電気光学装置10の表示領域Zは、複数の表示パネルZ1,Z2で構成される。画素回路400の発光輝度は、第1電流i1a,i1bと第2電流i2とで定まる。第1電流i1aは基準電圧Vref1に基づいて生成され、第1電流i1bは基準電圧Vref2に基づいて生成される。電源回路18は、各表示パネルZ1およびZ2の輝度が均一になるように基準電圧Vref1およびVref2を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電流に応じて発光強度が調整される素子を備えた電気光学装置、その駆動方法および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶素子に代わる次世代の発光デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下適宜「OLED素子」と略称する)素子が注目されている。このOLED素子は、自発光型であるために視野角依存性が少なく、また、バックライトや反射光が不要であるために低消費電力化や薄型化に向いているなど、表示パネルとして優れた特性を有している。
ここで、OLED素子は、液晶素子のように電圧保持性を有さず、電流が途絶えると、発光状態が維持できなくなる電流型の被駆動素子である。このため、OLED素子をアクティブ・マトリクス方式で駆動する場合、書込期間(選択期間)において、画素の階調に応じた電圧を駆動トランジスタのゲートに書き込んで、当該電圧をゲート容量などにより保持し、当該ゲート電圧に応じた電流を駆動トランジスタがOLED素子に流し続ける事が一般的となっている。
【0003】
この構成では、駆動トランジスタのしきい値電圧特性がばらつくことによって、画素ごとに、OLED素子の明るさが相違して表示品位が低下する、という問題が指摘されている。このため、近年では、書込期間において、当該駆動トランジスタをダイオード接続させるとともに、駆動トランジスタからデータ線に定電流を流し、これによって、当該駆動トランジスタのゲートに、OLED素子に流すべき電流に応じた電圧を書き込むようにプログラミングして、駆動トランジスタのしきい値電圧特性のばらつきを補償する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【特許文献1】米国特許第6229506号公報(FIG.2参照)
【特許文献2】特開2003−177709号公報(図3参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気光学装置の表示領域が複数のサブ領域に分割されており、サブ領域ごとにOLED素子やトランジスタの特性にばらつきがある場合、各サブ領域を個別の駆動モジュールで駆動する場合、さらには、各領域のOLED素子として異なる種類の素子を用いる場合がある。このような電気光学装置において、従来の技術では、複数のサブ領域間で表示輝度を均一にすることができず、画面内の明るさが相違するといった問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、複数の領域の輝度を均一にすることが可能な電気光学装置、その駆動方法および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、複数のサブ領域を有する表示領域に、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して各々設けられた画素回路とを備え、前記画素回路は、供給される電流に応じて輝度が調整される電気光学素子と、前記データ線と当該画素回路との間で流れる設定電流を前記電気光学素子に供給する電流として記憶する記憶手段とを有するものであって、前記データ線の一方の端子から、当該データ線が属する前記サブ領域ごとに定められた大きさの第1電流を供給する第1電流供給手段と、前記データ線の他方の端子から、表示すべき階調に応じた第2電流を供給する第2電流供給手段と、前記画素回路を選択する選択手段と、前記データ線において前記第1電流と前記第2電流とが合成され、前記設定電流として選択された前記画素回路に供給されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、電気光学素子の発光輝度は設定電流に応じて定まり、設定電流は第1電流と第2電流によって特定される。第1電流の大きさは、駆動対象とする画素回路が属するサブ領域に応じて定まる。従って、複数のサブ領域間の輝度を調整することが可能となる。また、「合成」は、第1電流と第2電流とを合わせるという意味であって、第1電流と第2電流の加算、第1電流から第2電流の減算、および第2電流から第1電流の減算が含まれる。データ線には第1電流および第2電流が流れるので、設定電流が小さな値であってもデータ線に大電流を流すことができる。データ線は、等価的に大きな浮遊容量を有するが、そこに大電流を供給することによって、データ線の電位を短時間で充電することができる。これにより、選択期間中に所望の階調が正確に得られるように設定電流を画素とデータ線との間で流すことが可能となる。この結果、階調の再現性が大幅に向上し、表示品質を改善することができる。なお、電気光学素子とは、電気的な作用によって光学特性を制御可能な素子の意味であって、例えば、有機発光ダイオードが含まれる。また、ここでいう電気光学装置には、その有機発光ダイオードを用いた有機EL表示装置が含まれる。
【0008】
上述した電気光学装置において、前記第2電流供給手段は、表示すべき階調に応じて、前記データ線に対して前記第2電流を吐き出すか、または吸い込むかを選択して実行することが好ましい。この場合には、第2電流の方向が画素に表示すべき階調に応じて選択されることになる。これにより、消費電流を削減することができる。
【0009】
また、上述した電気光学装置において、前記複数のサブ領域の各々において、前記データ線は折り返して形成され、あるサブ領域に属する前記データ線に電流を供給する前記第1電流供給手段および前記第2電流供給手段は前記データ線の折り返し点とは反対側に配置されることが好ましい。この場合には、前記データ線の折り返し点とは反対側に第1電流供給手段および第2電流供給手段を配置することができるので、あるサブ領域と他のサブ領域を折り返し点が近接するように配置して、多数のサブ領域を連結して大画面を形成することが可能となる。
【0010】
また、上述した電気光学装置において、前記サブ領域は表示パネルで構成され、前記第1電流供給段は、前記サブ領域ごとの前記第1電流を個別に生成する生成手段と、前記複数のサブ領域の輝度が相互に近づくように前記第1電流を調整する調整手段とを備えることが好ましい。この発明によれば、表示領域を複数の表示パネルで構成する場合に、パネル間の輝度を均一にすることができる。この結果、パネルの境界を目立たなくすることができ、複数の表示パネルをあたかも大型の1枚の表示パネルとして利用することが可能となる。
【0011】
また、上述した電気光学装置において、前記第2電流供給手段は複数の駆動モジュールを備え、前記複数のサブ領域は、前記複数の駆動モジュールの各々が駆動する前記データ線に対応しており、前記第1電流供給段は、前記サブ領域ごとの前記第1電流を個別に生成する生成手段と、前記複数のサブ領域の輝度が相互に近づくように前記第1電流を調整する調整手段と、を備えることが好ましい。この発明によれば、複数の駆動モジュールを用いて駆動する場合、駆動モジュール間に特性のばらつきがあっても第1電流を調整することによって、複数のサブ領域の輝度を均一にすることができる。これにより、サブ領域の境界を目立たなくすることができる。なお、複数の表示パネルで1個の表示領域を構成し、各表示パネルを複数の駆動モジュールで駆動する場合には、各駆動モジュールに対応するデータ線の範囲が、各サブ領域に相当することは勿論である。
【0012】
また、上述した電気光学装置において、前記複数のサブ領域の各々には、発光色の異なる複数種類の電気光学素子が各々設けられており、前記第1電流供給段は、前記サブ領域ごとの前記第1電流を個別に生成する生成手段と、ホワイトバランスが取れるように前記第1電流を調整する調整手段と、を備えることが好ましい。発光色の異なる電気光学素子では、発光色に応じて異なる材料が選択されるため、発光効率が相違するのが通常である。この発明によれば、サブ領域ごとに発光色の異なる電気光学素子が配置され、サブ領域ごとに第1電流が個別に生成される。したがって、第1電流を個別に設定することによって、ホワイトバランスを調整することが可能となる。
【0013】
また、上述した電気光学装置において、前記調整手段は、前記複数のサブ領域の画素回路で消費される電流を前記サブ領域ごとに計測し、計測結果に基づいて前記第1電流を調整することが好ましい。この発明によれば、サブ領域ごとの消費電流に応じて第1電流が調整されるから、工場で第1電流を設定するだけでなく、常時、第1電流を調整して最適な状態を維持することも可能である。
次に、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を備え、例えば、複数のパネルを連結した大型ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、および携帯情報端末等が該当する。
【0014】
次に、本発明に係る電気光学装置の駆動方法は、複数のサブ領域を有する表示領域に、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して各々設けられた画素回路とを備え、前記画素回路は、供給される電流に応じて輝度が調整される電気光学素子と、前記データ線と当該画素回路との間で流れる設定電流を前記電気光学素子に供給する電流として記憶する記憶手段とを有する電気光学装置を駆動する方法であって、前記複数のサブ領域の輝度を各々計測する第1ステップと、計測された輝度がサブ領域ごとに定められた目標値に近づくように、前記複数のサブ領域の各々に対応する第1電流を個別に生成して、前記データ線の一方の端子から供給するする第2ステップと、前記データ線の他方の端子から、表示すべき階調に応じた第2電流を供給する第3ステップと、を備える。この発明によれば、各サブ領域の輝度の計測結果に基づいて、第1電流を調整するので、実際に計測された輝度を表示すべき輝度に反映させることができる。この結果、サブ領域の輝度を正確に調整することが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る電気光学装置の他の駆動方法は、複数のサブ領域を有する表示領域に、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して各々設けられた画素回路とを備え、前記画素回路は、供給される電流に応じて輝度が調整される電気光学素子と、前記データ線と当該画素回路との間で流れる設定電流を前記電気光学素子に供給する電流として記憶する記憶手段とを有する、電気光学装置の駆動する方法であって、前記複数のサブ領域に含まれる画素回路で消費される電流を各々計測する第1ステップと、計測された電流がサブ領域ごとに定められた目標値に近づくように、前記複数のサブ領域の各々に対応する第1電流を個別に生成して、前記データ線の一方の端子から供給するする第2ステップと、前記データ線の他方の端子から、表示すべき階調に応じた第2電流を供給する第3ステップと、を備える。この発明によれば、複数のサブ領域の各々について消費される電流が計測される。電気光学素子の発光量は消費電流に応じたものになるので、計測された電流はサブ領域ごとの輝度を示す。そして、駆動方法によれば、サブ領域ごとの消費電流の計測結果に基づいて、第1電流を調整するので、実際に計測された消費電流を表示すべき輝度に反映させることができる。この結果、サブ領域の輝度を正確に調整することが可能となる。
【0016】
これらの駆動方法において、前記目標値は、前記複数のサブ領域の輝度が等しくなるように設定されていることが好ましい。この場合には、サブ領域間の輝度を均一にすることができる。また、複数のサブ領域の各々には、発光色の異なる複数種類の電気光学素子が各々設けられている場合には、前記目標値は、ホワイトバランスが取れるように設定することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<1.第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係わる電気光学装置の電気的構成を示すブロック図である。図1に示されるように電気光学装置10は、2つの表示パネルZ1およびZ2を連結して構成されている。複数の表示パネルZ1およびZ2の各々には、複数の走査線101と複数の発光制御線102が横方向(X方向)に延設される一方、複数本のデータ線103が図において縦方向(Y方向)に延設されている。そして、これらの走査線101とデータ線103との交差の各々に対応するように画素回路400がそれぞれ設けられている。
ここで説明の便宜上、本実施形態では、各表示パネルZ1およびZ2の走査線101の本数(行数)をmとし、データ線の本数(列数)をnとして、画素回路400が、縦m行×横n列のマトリクス状に配列する構成を想定する。そして、2枚の表示パネルZ1およびZ2によって、縦m行×横2n列の表示領域Zが形成される。換言すれば、表示領域Zは複数のサブ領域(表示パネルZ1およびZ2が相当)に分割されている。ただし、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
【0018】
各表示パネルZ1、Z2には、電源回路18から電源電圧Vddおよび低位側電圧GNDが共通して供給される。また、電源回路18は、表示パネルZ1に対応する基準電圧Vref1、表示パネルZ2に対応する基準電圧Vref2を各々生成する。
Yドライバ14は、1行ずつ走査線101を選択するとともに、選択した走査線101に対して、Hレベルの走査信号を供給する。さらにこの選択に同期した発光制御信号を発光制御線102に供給する。すなわち、Yドライバ14は、走査線101および発光制御線102に対し、行ごとに、走査信号や発光制御信号をそれぞれ供給するものである。
【0019】
一方、Xドライバ16は、Yドライバ14によって選択された走査線101に対応する1行分の画素回路、すなわち、選択された行に位置する1〜2n列の画素回路400の各々に、1〜2n列目のデータ線103を介して、階調信号をそれぞれ供給するものである。
制御回路12は、各種のタイミング信号および画像データDを生成する。X走査開始パルスSPXは、水平走査の開始を指示するパルスである。ラッチパルスLPは水平走査周期でアクティブとなるパルスである。Xクロック信号CKXは、画像データDと同期した信号である。Y走査開始パルスSPYは、垂直走査の開始を指示するパルスである。Yクロック信号CKYは水平走査周期に同期した信号である。
Yドライバ14は、シフトレジスタ(図示略)を備え、Yクロック信号CKYに基づいてY走査開始パルスSPYを順次シフトして走査信号GWRT1〜GWRTmおよび発光制御信号GEL1〜GELmを生成する。発光制御信号GEL1〜GELmは、例えば、走査信号GWRT1〜GWRTmを反転した信号である。
【0020】
Xドライバ16は、シフトレジスタ等によって構成されるアドレス回路161、第1データラッチ回路群162、第2データラッチ回路群163および電流D/A変換回路164を備える。アドレス回路161のシフトレジスタはX走査開始パルスSPXをXクロック信号CKXに同期して順次シフトして、画像データDをサンプリングするサンプリングパルスを生成し、これを第1データラッチ回路群162に供給する。第1データラッチ回路群162は、画像データDをサンプリングパルスに基づいてラッチして点順次の画像データを生成する。第2データラッチ回路群163は点順次データをラッチパルスLPに従ってラッチして線順次の画像データDsを生成する。画像データDが8ビットである場合、線順次の画像データDsも同様に8ビットのデータとなる。電流D/A変換回路164は、データ線103の本数(この例では、2n)に応じた数の電流D/A変換器U1、U2、U3、…U2nを備え、画像データDsが指示する階調に応じた第2電流i2をデータ線103に供給する。
【0021】
電流D/A変換器U1、U2、U3、…U2nの一例を図15に示す。同図に示すように
電流D/A変換器は、電源電圧Vdacが供給される8個のPチャネルトランジスタを備える。これらのトランジスタのゲートには基準電圧Vrefが供給され、電流源として機能する。各トランジスタのサイズは1:2:16:32:64:128となるように設定されている。また、各PチャネルトランジスタはNチャネルトランジスタに各々接続されている。各Nチャネルトランジスタのゲートには、画像データDsの各ビット信号が供給される。各Nチャネルトランジスタのドレインは共通して接続されており、接続点から第2電流i2が出力される。
【0022】
電流源回路15は、データ線103の本数(この例では、2n)に応じた数の定電流源15−1〜15−2nを備える。各電流源15−1〜15−2nは、トランジスタサイズ(W/L)の等しいNチャネルトランジスタによって構成される。そして、電流源15−1〜15−nのゲートには基準電圧Vref1が供給される一方、電流源15−n+1〜15−2nのゲートには基準電圧Vref2が供給される。この結果、第1列目から第n列目のデータ線103には第1電流i1aが供給され、第n+1列目から第2n列目のデータ線103には第1電流i1bが供給される。すなわち、あるデータ線103に着目すると、当該データ線103が属する表示パネルZ1およびZ2の種類に応じた大きさの電流が供給される。
この例の第1電流i1aおよびi1bは、データ線103から電流源回路15へ向かって流れる(吸い込み)。このため、電流源15−1〜15−2nは、Nチャネルのトランジスタによって構成される。その替わりにPチャネルのトランジスタを用いることによって、電流源回路15からデータ線103へ向けて第1電流i1aおよびi1bを流してもよい(吐き出し)。
【0023】
図2に、Yドライバ14およびXドライバ16の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。Y走査開始パルスSPYがYドライバ14に供給されると、Yドライバ14はYクロック信号CKYに従って、Y走査開始パルスSPYを転送し、走査信号GWRT1、GWRT2、GWRT3、…、GWRTmを順次排他的に出力する。発光制御信号GEL1、GEL2、GEL3、…、GELmは、例えば、走査信号GWRT1、GWRT2、GWRT3、…、GWRTmを反転した信号である。上から第1行目の各画素回路400に着目すると、1フレーム期間1Fにおいて、これらの画素回路400の選択期間はT1となり、発光期間はT2となる。
【0024】
そして、書込期間T1において、第1行目の各画素回路400に供給すべき画像データDsが電流D/A変換回路164に出力される。なお、同図においてDs(1)、Ds(2)、…Ds(m)は、第1行目から第m行目の各画素回路400に対応するデータを各々示す符号である。後述するように書込期間T1においては、第1行目の各画素回路400に設定電流ipxlの書き込みが実行される一方、発光期間T2においては書込期間T1に書き込まれた設定電流ipxlに応じた階調が表示される。
【0025】
図3は、画素回路400の構成を示す回路図である。この例の画素回路400は、図1に示す第1行第1列目に配置され、走査信号GWRT1および発光制御信号GEL1が供給されるものとするが、他の画素回路400についても同様である。画素回路400は、スイッチングトランジスタSwTr、プログラムトランジスタPrgTr、ドライビングトランジスタDrvTr、ELトランジスタElTr、蓄積容量CおよびOLED素子420を備える。OLED素子420のカソードは接地(GND)されている。また、ドライビングトランジスタDrvTrはPチャネルTFT(薄膜トランジスタ)によって構成され、他のトランジスタはNチャネルTFTによって構成される。電流供給線104を介して電源電圧Vddが供給される。なお、ドライビングトランジスタDrvTrをNチャネルTFTによって構成し、他のトランジスタをPチャネルTFTで構成し、さらに、OLED素子420の極性を反転させてもよい。
【0026】
スイッチングトランジスタSwTrは、データ線103と画素回路400との接続状態を切り換えるスイッチング手段として機能する。スイッチングトランジスタSwTrは、走査線101を介して供給される走査信号GWRT1がアクティブ(ハイレベル)のときオン状態となりデータ線103と画素回路400とを接続する一方、走査信号GWRT1が非アクティブ(ローレベル)のときオフ状態となりデータ線103と画素回路400とを分離する。
【0027】
プログラムトランジスタPrgTrは、走査信号GWRT1がアクティブとなる当該画素回路400の選択期間T1において、オン状態となる一方、走査信号GWRT1が非アクティブとなる当該画素回路400の発光期間T2においてオフ状態となる。プログラムトランジスタPrgTrおよびスイッチングトランジスタSwTrがオン状態になると、図4に示すように、ドライビングトランジスタDrvTrには、設定電流ipxlが流れる。このとき、ドライビングトランジスタDrvTrのゲート−ソース間には、設定電流ipxlに対応した電圧が印加され、その印加電圧に応じた電荷が蓄積容量Cに充電される。そして、走査信号GWRT1が非アクティブになると、プログラムトランジスタPrgTrはオフ状態となる。
【0028】
この状態では、ドライビングトランジスタDrvTrのゲートはハイインピーダンスであるから、蓄積容量Cに充電された電荷は保持され、ゲート電位は一定に保たれる。即ち、選択期間T1において、蓄積容量Cには設定電流ipxlに応じた電位がプログラムされる。従って、プログラムトランジスタPrgTr、ドライビングトランジスタDrvTrおよび蓄積容量Cは、設定電流ipxlの電流量を記憶する記憶手段として機能する。
【0029】
一方、発光期間T2においては、プログラムトランジスタPrgTrおよびスイッチングトランジスタSwTrがオフ状態になるとともに、発光制御信号GELがアクティブ(ハイレベル)になる。すると、ELトランジスタElTrがオン状態となり、図5に示すように、OLED素子420には、選択期間T1においてプログラムされた設定電流ipxlが流れる。これにより、所定の階調を表示することが可能となる。
【0030】
さて、選択期間T1において、設定電流ipxlは、電流源回路15からの第1電流i1aと電流D/A変換回路164からの第2電流i2との差分として与えられ、ipxl=i1a−i2となる。図6は、画素回路400に表示すべき階調と、画素回路400への書き込み電流として与えられる設定電流ipxlとの関係を示すグラフである。なお、この例では、75%階調に相当する第2電流i2の電流量をi2、50%階調に相当する第2電流i2の電流量をi2、25%階調に相当する第2電流i2の電流量をi2、0%階調に相当する設定電流ipxlをimaxで表すものとする。
【0031】
このグラフから分かるように画素回路400に表示すべき階調が「黒」の近傍にあるとき、データ線103に流れる第1電流はi1a=imaxとなる。即ち、設定電流ipxlを第1電流i1aと第2電流i2との差分として与えたので、設定電流ipxlが小さな値であってもデータ線103に大電流を流すことができる。データ線103は、等価的に大きな浮遊容量を有するが、そこに大電流を給電することによって、データ線103の電位を短時間で充電することができる。これにより、選択期間T1中に所望の階調が正確に得られるように設定電流ipxlを画素回路400とデータ線103との間で流すことが可能となる。特に、画素数の多い高精細な電気光学装置にあっては、選択期間T1の時間が短くなるので、短時間で設定電流ipxlを画素回路400に書き込む必要がある。そのような場合には、本実施形態の駆動方法が極めて有効である。
また、本実施形態において、第1電流i1aは固定であるので、画像データDに応じて変化させるのは第2電流i2だけでよい。このため、Xドライバ16をデータ線103の一方に設ければよいので、構成を簡易にすることができると共に、画像データDの転送量が増加することもない。
【0032】
このように設定電流ipxlは、表示パネルZ1およびZ2の種類に応じて設定された第1電流i1aおよびi1bと、表示すべき階調に応じた第2電流i2によって定まる。本実施形態のように複数の表示パネルZ1およびZ2によって電気光学装置10を構成する場合、表示パネルZ1およびZ2は個別に製造されるため、OLED素子420の特性は複数の表示パネルZ1およびZ2の間で同一とはいえず、ばらつくのが通常である。
【0033】
本実施形態の電源回路18は、電圧源18Aと調整部18Bを備える。電圧源18Aは基準電圧Vref1およびVref2を発生し、調整部18Bは電圧源18Aを制御して表示パネルZ1およびZ2の輝度が均一になるように基準電圧Vre1およびVref2を調整する。具体的には、調整部18Bの処理には以下の態様がある。
第1の態様は、各表示パネルZ1およびZ2を同一の階調を示す画像データで駆動し、電源回路18において、複数の表示パネルZ1およびZ2で消費される電流を各々計測し、消費電流が等しくなるように基準電圧Vref1およびVref2を調整する。この調整方法によれば、例えば、電気光学装置10に電源が投入された直後に上述した調整処理を実行することによって、OLED素子420等の特性に経時変化があったとしても各表示パネルZ1およびZ2の輝度を均一にすることができる。また、各表示パネルZ1およびZ2に表示に寄与しないダミーの画素回路を設け、ダミーの画素回路に流れる電流を計測し、消費電流が等しくなるように基準電圧Vref1およびVref2を調整してもよい。この場合は、常時、消費電流を計測して、輝度の補正を施すことが可能となる。
【0034】
第2の態様は、電気光学装置10の出荷時に基準電圧Vref1およびVref2を設定するものである。この態様においては、第1に、各表示パネルZ1およびZ2を同一の階調を示す画像データで駆動する。第2に、各表示パネルZ1およびZ2の輝度を測定装置(例えば、CCDカメラ)を用いて測定する。第3に、測定された輝度が相互に近づくように基準電圧Vref1およびVref2を設定する。なお、出荷時に設定した基準電圧Vref1およびVref2をユーザーがその後、変更できるようにボリュームを設けてもよい。
このように本実施形態においては、表示領域Zを構成する複数のサブ領域としての表示パネルZ1およびZ2について、基準電圧Vref1およびVref2を個別に設定することによって、第1電流i1aおよびi1bを調整したので、画面全体の輝度を一様にすることができる。そして、複数のパネルをあたかも1枚のパネルして用いることが可能となる。
【0035】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態に係る電気光学装置10は、複数の表示パネルZ1およびZ2を組み合わせて1個の表示領域Zを構成した。これに対して、第2実施形態に係る電気光学装置10は、表示領域Zが1枚の表示パネルで構成されている。
図7は、第2実施形態に係る電気光学装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すようにXドライバ16は複数の駆動モジュールM1、M2、およびM3を備える。そして、各駆動モジュールM1〜M3は表示領域を分割したサブ領域S1、S2、S3を各々駆動する。ここで、第2電流i1a、i1b、およびi1cは、サブ領域S1、S2、およびS3の各々で独立している。
【0036】
駆動モジュールM1〜M3を構成するトランジスタの特性は、必ずしも同一ではなく一定のばらつきがある。このトランジスタの特性のばらつきに起因して、同一の画像データDを駆動モジュールM1〜M3に供給しても、駆動モジュールM1〜M3の間でデータ信号の電圧値がばらつく。この結果、サブ領域S1、S2、およびS3の間で、輝度が不均一になることがある。
【0037】
第2実施形態の電気光学装置10は、第1実施形態の電気光学装置10と同様に、電源回路18においてサブ領域S1〜S3の輝度が均一になるように基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3が生成される。具体的には、以下の態様がある。
第1の態様は、サブ領域S1〜S3を同一の階調を示す画像データで駆動し、電源回路18において、複数のサブ領域S1〜S3で消費される電流を各々計測し、消費電流が等しくなるように基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3を調整する。この調整方法によれば、例えば、電気光学装置10に電源が投入された直後に上述した調整処理を実行することによって、駆動モジュールM1〜Mのトランジスタ特性に経時変化があったとしても各サブ領域S1〜S3の輝度を均一にすることができる。また、各サブ領域S1〜S3に表示に寄与しないダミーの画素回路を設け、ダミーの画素回路に流れる電流を計測し、消費電流が等しくなるように基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3を調整してもよい。この場合は、常時、消費電流を計測して、輝度の補正を施すことが可能となる。
【0038】
第2の態様は、電気光学装置10の出荷時に基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3を設定するものである。この態様においては、第1に、各サブ領域S1〜S3を同一の階調を示す画像データで駆動する。第2に、各サブ領域S1〜S3の輝度を測定装置(例えば、CCDカメラ)を用いて測定する。第3に、測定された輝度が相互に近づくように基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3を設定する。なお、出荷時に設定した基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3をユーザーがその後、変更できるようにボリュームを設けてもよい。
このように本実施形態においては、表示領域Zを構成する複数のサブ領域S1〜S3について、基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3を個別に設定したので、第1電流i1a、i1b、およびi1cを調整することができ、駆動モジュールM1〜M3の特性が相違しても画面全体の輝度を均一にすることができる。この結果、サブ領域の境界を目立たなくできる。
【0039】
<第3実施形態>
第3実施形態に係る電気光学装置10は、カラー表示に対応するものである。
図8は第3実施形態に係る電気光学装置10の構成を示すブロック図である。この電気光学装置10の表示領域Zは1枚の表示パネルによって構成される。また、表示領域Zは、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応するサブ領域Zr、Zg、およびZbによって構成される。サブ領域ZrにはR用の画素回路400Rが配置され、サブ領域ZgにはG用の画素回路400G、サブ領域ZbにはB用の画素回路400Bが各々配置される。
【0040】
各画素回路400R、400G、および400Bに用いられるOLED素子420を、OLED素子420R、420G、および420Bとする。OLED素子420R、420G、420Bは、それぞれ赤、緑、青にて発光するように発光層が選択される。即ち、各色に対応して異なる種類の発光材料が用いられる。このため、OLED素子420R、420G、420Bの発光効率が相違することが多い。ホワイトバランスを取るためには、各色の発光量を調整する必要がある。
そこで、本実施形態においては、電源回路18は、サブ領域Zrに対応する基準電圧Vref1、サブ領域Zgに対応する基準電圧Vref2、およびサブ領域Zbに対応する基準電圧Vref3の組を各々供給する。電流源回路15は、サブ領域Zrに第1電流i1rを供給する電流源15r、サブ領域Zgに第1電流i1gを供給する電流源15g、サブ領域Zbに第1電流i1bを供給する電流源15bを備える。第1電流i1r、i1g、およびi1bは、RGB各色の階調を定める。基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3は、ホワイトバランスが取れるように、工場で調整される。なお、出荷時に設定した基準電圧Vref1、Vref2、およびVref3をユーザーがその後、変更できるようにボリュームを設けてもよい。
【0041】
<応用例>
(1)上述した各実施形態において、電流D/A変換回路164は第2電流i2を一方向に供給したが、双方向に第2電流i2を供給してもよい。この場合、電流DA変換器U1〜U2nは、画像データDsのMSBが「1」(ハイレベル)のとき、第2電流i2をデータ線103へ向けて吐き出し、画像データDsのMSBが「0」(ローレベル)のとき、第2電流i2を吸い込むようにしてもよい。即ち、電流D/A変換回路164は、画素回路400に表示すべき階調に応じて、データ線103に対して第2電流i2を吐き出すか、又は吸い込むかを選択して実行する。
【0042】
図9は、第2実施形態における画素回路400に表示すべき階調と、画素回路400への書き込み電流として与えられる設定電流ipxlとの関係を示すグラフである。この例では、50%階調に相当する設定電流ipxlをimidとしたとき、第1電流はi1a=imidとなるように設定する。そして、画素回路400に表示すべき階調が50%(中間階調)よりも大きいか小さいかによって、第2電流i2の向きが切り替わる。画像データDsの最上位ビットMSBの重み付けは、最大階調の1/2に相当するからである。画素回路400に表示すべき階調が50%よりも大きい場合には、第2電流i2はデータ線103に対して吸い込みとなる一方、画素回路400に表示すべき階調が50%よりも小さい場合には、第2電流i2はデータ線103に対して吐き出しとなる。このように表示すべき階調に応じて第2電流i2の方向を切り換えることにより、第1電流i1の電流量を削減することができる。
【0043】
(2)上述した各実施形態において、データ線103は直線的に引き回されていたが、データ線103を折り返してもよい。
図10に応用例に係るデータ線103の引き回しを示し、図11にこの引き回しを用いた電気光学装置10のブロック図を示す。データ線103は表示領域の内部で折り返して配線されており、その一端は電流源回路に接続される一方、その他端はXドライバに接続される。
このように、データ線103を折り返すことにより、4枚の表示パネルZ1〜Z4を連結することができる。図11に示す例においては、表示パネルZ1およびZ2を電流源回路15AおよびXドライバ16Aで駆動し、表示パネルZ3およびZ4を電流源回路15BおよびXドライバ16Bで駆動する。このように電流源回路15AおよびXドライバ16Aを近接して配置し、電流源回路15BおよびXドライバ16Bを近接して配置すると、これらの回路を構成する各トランジスタのI−V特性のばらつきを減らすことができる。I−V特性のばらつきは、設定電流ipxlの誤差となり、階調再現性が劣化する原因となる。応用例によれば、第1電流i1と第2電流i2を生成する構成部分を近接して配置するので、階調再現性を向上させることが可能となる。
【0044】
<電子機器>
次に、上述した第1乃至第3実施形態及び応用例に係る電気光学装置10を適用した電子機器について説明する。図12に、電気光学装置10を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての電気光学装置10と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001及びキーボード2002が設けられている。この電気光学装置10はOLED素子420を用いるので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図13に、電気光学装置10を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000、複数の操作ボタン3001及びスクロールボタン3002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置10を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置10に表示される画面がスクロールされる。
図14に、電気光学装置10を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001及び電源スイッチ4002、並びに表示ユニットとしての電気光学装置10を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置10に表示される。
なお、電気光学装置10が適用される電子機器としては、図12〜図14に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置10が適用可能である。また、直接画像や文字などを表示する電子機器の表示部に限られず、被感光体に光を照射することにより間接的に画像もしくは文字を形成するために用いられる印刷機器の光源として適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同装置に用いるYドライバ14およびXドライバ16の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。
【図3】同装置の画素回路400の回路図である。
【図4】選択期間における電流経路を示す説明図である。
【図5】発光期間における電流経路を示す説明図である。
【図6】第1実施形態における画素回路400に表示すべき階調と設定電流ipxlとの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図9】同実施形態における画素回路400に表示すべき階調と設定電流ipxlとの関係の一例を示すグラフである。
【図10】応用例に係るデータ線103の引き回しを示す回路図である。
【図11】応用例に係る電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
【図12】電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図13】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図14】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯情報端末の構成を示す斜視図である。
【図15】電流D/A変換器の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0046】
101…走査線、102…発光制御線、103…データ線、400…画素回路、420…OLED素子(電気光学素子)、12…制御回路、15…電流源回路、16…Xドライバ、18…電源回路、i1a、i1b…第1電流、i2…第2電流、ipxl…設定電流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブ領域を有する表示領域に、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して各々設けられた画素回路とを備え、前記画素回路は、供給される電流に応じて輝度が調整される電気光学素子と、前記データ線と当該画素回路との間で流れる設定電流を前記電気光学素子に供給する電流として記憶する記憶手段とを有する、電気光学装置であって、
前記データ線の一方の端子から、当該データ線が属する前記サブ領域ごとに定められた大きさの第1電流を供給する第1電流供給手段と、
前記データ線の他方の端子から、表示すべき階調に応じた第2電流を供給する第2電流供給手段と、
前記画素回路を選択する選択手段と、
前記データ線において前記第1電流と前記第2電流とが合成され、前記設定電流として選択された前記画素回路に供給されることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第2電流供給手段は、表示すべき階調に応じて、前記データ線に対して前記第2電流を吐き出すか、または吸い込むかを選択して実行することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記複数のサブ領域の各々において、前記データ線は折り返して形成され、
あるサブ領域に属する前記データ線に電流を供給する前記第1電流供給手段および前記第2電流供給手段は前記データ線の折り返し点とは反対側に配置される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載した電気光学装置。
【請求項4】
前記サブ領域は表示パネルで構成され、
前記第1電流供給段は、
前記サブ領域ごとの前記第1電流を個別に生成する生成手段と、
前記複数のサブ領域の輝度が相互に近づくように前記第1電流を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第2電流供給手段は複数の駆動モジュールを備え、
前記複数のサブ領域は、前記複数の駆動モジュールの各々が駆動する前記データ線に対応しており、
前記第1電流供給段は、
前記サブ領域ごとの前記第1電流を個別に生成する生成手段と、
前記複数のサブ領域の輝度が相互に近づくように前記第1電流を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記複数のサブ領域の各々には、発光色の異なる複数種類の電気光学素子が各々設けられており、
前記第1電流供給段は、
前記サブ領域ごとの前記第1電流を個別に生成する生成手段と、
ホワイトバランスが取れるように前記第1電流を調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記調整手段は、前記複数のサブ領域の画素回路で消費される電流を前記サブ領域ごとに計測し、計測結果に基づいて前記第1電流を調整することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
【請求項9】
複数のサブ領域を有する表示領域に、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して各々設けられた画素回路とを備え、前記画素回路は、供給される電流に応じて輝度が調整される電気光学素子と、前記データ線と当該画素回路との間で流れる設定電流を前記電気光学素子に供給する電流として記憶する記憶手段とを有する、電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数のサブ領域の輝度を各々計測する第1ステップと、
計測された輝度がサブ領域ごとに定められた目標値に近づくように、前記複数のサブ領域の各々に対応する第1電流を個別に生成して、前記データ線の一方の端子から供給するする第2ステップと、
前記データ線の他方の端子から、表示すべき階調に応じた第2電流を供給する第3ステップと、
を備える電気光学装置の駆動方法。
【請求項10】
複数のサブ領域を有する表示領域に、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して各々設けられた画素回路とを備え、前記画素回路は、供給される電流に応じて輝度が調整される電気光学素子と、前記データ線と当該画素回路との間で流れる設定電流を前記電気光学素子に供給する電流として記憶する記憶手段とを有する、電気光学装置の駆動方法であって、
前記複数のサブ領域に含まれる画素回路で消費される電流を各々計測する第1ステップと、
計測された電流がサブ領域ごとに定められた目標値に近づくように、前記複数のサブ領域の各々に対応する第1電流を個別に生成して、前記データ線の一方の端子から供給するする第2ステップと、
前記データ線の他方の端子から、表示すべき階調に応じた第2電流を供給する第3ステップと、
を備える電気光学装置の駆動方法。
【請求項11】
前記目標値は、前記複数のサブ領域の輝度が等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項9または10に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項12】
前記複数のサブ領域の各々には、発光色の異なる複数種類の電気光学素子が各々設けられており、
前記目標値は、ホワイトバランスが取れるように設定されていることを特徴とする請求項9または10に記載の電気光学装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−11251(P2006−11251A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191361(P2004−191361)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】