説明

電気光学装置、画像処理装置および電子機器

【課題】 各画素の輝度を補正する単位となる各ブロックの境界を目立たなくする。
【解決手段】 複数の画素PはX方向およびY方向にわたってマトリクス状に配列する。各画素Pの輝度は補正値Rに応じて補正される。画像処理装置30のメモリ35は、複数の画素Pを区分した複数のブロックBの各々について補正係数Dcを記憶する。補正値特定回路33は、複数の画素Pの各々について、メモリ35に記憶された複数の補正係数Dcのうち当該画素Pが属するブロックBの補正係数Dcに基づいて補正値Rを特定する。複数のブロックBのうち少なくともひとつのブロックBは、当該ブロックBに隣接する他のブロックBのひとつの画素Pに対してX方向に隣接する画素PとY方向に隣接する画素Pとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード(以下「OLED(Organic Light Emitting Diode)」という)素子などの電気光学素子を所期の輝度(階調)に制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学素子を含む複数の画素をマトリクス状に配列した電気光学装置が各種の電子機器の表示装置や露光装置として従来から利用されている。この種の電気光学装置においては、各電気光学素子の特性の誤差を主要な原因とした各画素の輝度のムラが特に問題となる。そこで、実際の輝度の誤差に応じて画素ごとに設定された補正値をメモリに記憶しておき、各画素の階調を指定する階調データをその画素の補正値に応じて補正する技術が提案されている。
【0003】
しかしながら、この構成においては、総ての画素について補正値を保持する必要があるから大容量のメモリが必要となり、電気光学装置の回路の規模が肥大化するとともに製造コストが嵩むという問題がある。この問題を解決するために、例えば特許文献1には、複数の画素を所定数ごとにブロックに区分し、これらのブロックごとに補正値を選定してメモリに格納した構成が開示されている。ひとつのブロックに属する各画素の階調データは、そのブロックについて選定された共通の補正値によって補正される。この構成によれば、全画素について補正値が保持される構成と比較して、補正値を保持するためのメモリの容量を削減できるという利点がある。
【特許文献1】特開平11−202827号公報(図4および図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、補正値がブロックごとに決定される構成においては、各画素の実際の輝度がブロックごとに相違する場合がある。特許文献1の構成においては、ひとつのブロックに属する複数の画素とそのブロックに隣接する他のブロックに属する複数の画素とが画素の配列の方向(例えば縦方向や横方向)に沿って直線状に連続するから、相互に隣接する各ブロックの境界が縦方向または横方向に沿って観察者に明確に知覚されるという問題がある。このような事情に鑑みて、本発明は、ブロックを単位として各画素の輝度が補正される構成のもとで、各ブロックの境界を観察者に知覚され難くするという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、相互に交差する第1方向および第2方向にわたってマトリクス状に配列する複数の画素の各々の輝度が補正値に基づいて補正される電気光学装置の画像処理装置であって、複数の画素を区分した複数のブロックの各々について補正係数を記憶する記憶手段(例えば図2のメモリ35)と、複数の画素の各々について、記憶手段に記憶された複数の補正係数のうち当該画素が属するブロックの補正係数に基づいて補正値を特定する補正値特定手段(例えば図2の補正値特定回路33)とを具備し、複数のブロックのうち少なくともひとつのブロック(例えば図11のブロックB1)は、当該ブロックに隣接する他のブロック(例えば図11のブロックB2)のひとつの画素(Pa)に対して第1方向に隣接する画素(Pb)と第2方向に隣接する画素(Pc)とを含む。
【0006】
この構成によれば、少なくともひとつのブロックが、他のブロックのひとつの画素に対して第1方向に隣接する画素と第2方向に隣接する画素とを含むように、複数の画素が各ブロックに区分されるから、ひとつのブロックの各画素と他のブロックの各画素との境界線は複数の画素にわたって直線状には連続しない。したがって、各ブロックの境界を観察者に知覚され難くすることができる(すなわち各ブロックの境界を目立たなくすることができる)。なお、本発明に係る画像処理装置は、画像の処理に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアによって実現されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータとこれによって実行されるプログラムとの協働によって実現されてもよい。
【0007】
本発明における画素の典型例は、電気光学素子に対する電気エネルギの付与によって輝度(階調)が制御される要素である。電気光学素子は、電流の供給や電圧(電界)の印加といった電気エネルギの付与によって輝度や透過率といった光学的な特性が変化する素子である。電気光学素子の典型例はOLED素子であるが、本発明における電気光学素子はこれに限定されない。また、本発明における「複数の画素」は、電気光学装置が備える総ての画素である必要はない。例えば、電気光学装置が備える総ての画素のうち特定の領域の画素に対して補正が必要であるような場合には、この領域に属する所定数の画素のみが本発明による補正値の設定の対象とされる。
【0008】
本発明の好適な態様において、補正値特定手段は、複数の画素の各々について、記憶手段に記憶された複数の補正係数のうち当該画素が属するブロックの補正係数を補正値として特定する。すなわち、補正値特定手段は、ひとつのブロックに属する総ての画素について共通の補正値(補正係数)を特定する。この態様によれば、記憶手段に記憶された補正係数自体が補正値として特定されるから、例えば補正係数を引数とした演算によって補正値が算定される構成と比較して、補正値特定手段による処理の負荷を低減することができる。
【0009】
もっとも、補正係数が補正値として特定される構成(補正係数=補正値)は必ずしも必要ではない。すなわち、例えば補正係数を引数とした演算によって補正値が算定される構成としてもよい。さらに、ひとつのブロックに属する総ての画素の補正値が同値である必要は必ずしもない。例えば、ひとつのブロックの補正係数を用いた演算によって当該ブロックの各画素の補正値が個別に算定される構成としてもよい。すなわち、この態様において、補正値特定手段は、各ブロックに属する画素の少なくともひとつについて、当該ブロックの補正係数とは相違する補正値を当該補正係数に基づいて特定する。この態様によれば、ひとつのブロックの画素ごとに適切な補正値を特定することができるから、ひとつのブロック内の総ての画素について共通の補正値が特定される構成と比較して、各画素の輝度のムラを高精度に抑制することができる。
【0010】
以上のように、本発明においては、ひとつのブロックに属する各画素についてひとつの補正係数に基づいて補正値が特定される構成であれば足りる。換言すると、各々の補正値を特定するために基礎として使用される補正係数が共通である複数の画素の集合がブロックである。
【0011】
本発明の好適な態様において、少なくともひとつのブロックは、ひとつの画素と、相互に直交する2方向の各々に沿ってひとつの画素に隣接する4個の画素とを含む。この態様によれば、各ブロックの形態が簡素化されるから、各画素の補正値を特定する処理(より詳細には、当該画素に対応する補正係数を記憶手段から探索する処理)が簡素化されるという利点がある。以上のようなブロックの具体的な形態は図3や図8または図10に例示される。なお、相互に直交する2方向とは、画素が配列する第1方向および第2方向であってもよいし(例えば図3や図10)、第1方向や第2方向とは角度をなす各方向(例えば図8)であってもよい。
【0012】
さらに好適な態様においては、複数のブロックの全部が、各々に隣接する他のブロックのひとつの画素に対して第1方向に隣接する画素と第2方向に隣接する画素とを含む。換言すると、総てのブロックの各々とこれに隣接する他のブロックとの境界線が複数の画素にわたって同方向に連続しないように、複数の画素がブロックに区分される。この態様によれば、複数のブロックのうち一部のブロックのみがこの条件を充足する構成(例えば図10の構成)と比較して、各ブロックの境界を広い範囲にわたって確実に観察者に知覚され難くすることができる。なお、この態様における「複数のブロックの全部」とは、所期の形態を有するブロックの総てを意味する。例えば「複数の画素が配列された領域(例えば図1の表示領域11)の周縁に位置するために所期の形態のブロックに含まれないこととなった1以上の画素の配列」を除外した総てのブロックが本態様の「複数のブロックの全部」に相当する。
【0013】
本発明の具体的な態様において、記憶手段は、各ブロックに属するひとつの画素である代表画素について補正係数を記憶し、補正値特定手段は、第1方向に沿って配列する画素の集合(例えば第1実施形態における各行)を順次に選択し、この選択した集合に属する各画素の補正係数を、その集合に属する代表画素について記憶手段が記憶する補正係数と、当該集合に対して第2方向の両側に隣接する各集合の代表画素について記憶手段が記憶する補正係数とに基づいて特定する。この態様によれば、ひとつのブロックのうち代表画素のみについて補正係数を記憶すれば足りるから、記憶手段に必要となる容量を大幅に削減することができる。なお、この態様の具体例は第1実施形態(特に図5)として後述される。
【0014】
また、本発明の他の態様においては、複数の画素をブロックに区分するときの態様(各ブロックに属する画素の総数や各々の配列の態様)が時分割にて変更される。すなわち、本態様において、記憶手段は、複数の画素を第1の態様(例えば図3のパターン)にて区分した各ブロックの補正係数と、複数の画素を第1の態様とは相違する第2の態様(例えば図8のパターン)にて区分した各ブロックの補正係数とを記憶し、補正値特定手段は、第1の期間において、第1の態様について記憶手段に記憶された補正係数に基づいて複数の画素の各々の補正値を特定し、第1の期間とは相違する第2の期間において、第2の態様について記憶手段に記憶された補正係数に基づいて複数の画素の各々の補正値を特定する。この態様によれば、複数の画素の区分の仕方が経時的に変化するから、ブロックの態様が恒常的に固定された構成と比較して、各ブロックの境界をいっそう観察者に知覚され難くすることができる。
【0015】
本発明に係る電気光学装置(例えば発光素子を電気光学素子として採用した発光装置)は、相互に交差する第1方向および第2方向にわたってマトリクス状に配列する複数の画素と、以上に例示した何れかの態様に係る画像処理装置と、複数の画素の各々を、画像処理装置の補正値特定手段が当該画素について特定した補正値と当該画素の階調を指定する階調データとに応じた輝度に制御する駆動手段(例えば図1のデータ線駆動回路24)とを具備する。この態様によれば、補正値の記憶に必要となる容量をブロックごとの補正係数の保持によって削減し、かつ、各ブロックの境界を観察者に知覚され難くしながら各画素の輝度のムラを有効に抑制することができる。
【0016】
なお、画像処理装置と駆動手段との外観上の切り分けは任意である。例えば、駆動手段として機能するICチップに画像処理装置が内蔵された構成としてもよいし、駆動手段に相当するICチップと画像処理装置とが別個の部品とされた構成としてもよい。
【0017】
本発明に係る電気光学装置は各種の電子機器に利用される。この電子機器の典型例は、電気光学装置を表示装置として利用した機器である。この種の電子機器としては、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。もっとも、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光線の照射によって感光体ドラムなどの像担持体に潜像を形成するための露光装置(露光ヘッド)としても本発明の電気光学装置を適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。この電気光学装置Dは、各種の電子機器に搭載されて画像を表示する表示装置であり、図1に示されるように、複数の画素Pが配列された電気光学パネル10と、電気光学パネル10が表示する画像について所定の処理を実行する画像処理装置30とを含む。
【0019】
電気光学パネル10は、X方向(行方向)に延在するM本の走査線12と、X方向と直交するY方向(列方向)に延在するN本のデータ線14とを含む(MおよびNは自然数)。各画素Pは、電気光学パネル10に画定された所定の領域(以下「表示領域」という)11のうち走査線12とデータ線14との各交差に対応する位置に配置される。したがって、これらの画素Pは、X方向およびY方向にわたって縦M行×横N列のマトリクス状に配列する。ひとつの画素Pは、電気光学パネル10が出力する画像の最小の単位となる要素であり、電気エネルギの付与によって駆動される電気光学素子を含む。本実施形態の電気光学素子は、相互に対向する陽極と陰極との間隙に有機EL(ElectroLuminescent)材料からなる発光層を介在させた構造のOLED素子(発光素子)である。
【0020】
電気光学パネル10は、各画素Pを駆動する走査線駆動回路22およびデータ線駆動回路24を含む。走査線駆動回路22は、複数の走査線12の各々を順番に選択する回路である。データ線駆動回路24は、各画素Pに指定される階調に応じたレベル(電圧値または電流値)のデータ信号を各データ線14に出力する。各画素Pの輝度は、画像処理装置30から出力される階調データG1によって指定される。走査線駆動回路22が選択した走査線12に対応する各画素Pは、その選択時のデータ信号に応じた電気エネルギが電気光学素子に付与されることで、階調データG1に応じた輝度に制御される。
【0021】
画像処理装置30には画像信号VIDが供給される。この画像信号VIDは、電気光学装置Dが搭載される電子機器のCPU(Central Processing Unit)など各種の上位装置から供給されるデジタル信号である。画像信号VIDは、画素Pの輝度を指定する階調データG0を含む。画像処理装置30は、画素Pごとに補正値を特定し、各画素Pの階調データG0をその画素Pの補正値に基づいて補正する。この補正された階調データG0が階調データG1としてデータ線駆動回路24に出力される。なお、図1においては画像処理装置30が電気光学パネル10とは別個の要素として図示されているが、画像処理装置30の一部または全部は、電気光学パネル10に実装されていてもよいし、走査線駆動回路22やデータ線駆動回路24のICチップに搭載されていてもよい。
【0022】
図2は、画像処理装置30の具体的な構成を示すブロック図である。同図に示される入出力回路31は、画像信号VIDから階調データG0と水平同期信号HSYNCとドットクロック信号DCKとを抽出する手段である。ドットクロック信号DCKは、水平同期信号HSYNCによって規定される水平走査期間を1行分の画素数Nで除算した時間長を周期とするクロック信号である。階調データG0は補正回路37に出力され、水平同期信号HSYNCおよびドットクロック信号DCKは補正値特定回路33と補正回路37とに出力される。
【0023】
補正値特定回路33は、水平同期信号HSYNCおよびドットクロック信号DCKに同期したタイミングで各画素Pの補正値Rを順次に特定して補正回路37に出力する。各補正値Rは画素Pの配列の順番で出力される。さらに詳述すると、補正値特定回路33は、第1行に属する第1列目から第N列目までの各画素Pの補正値Rをこの順番に出力し、次いで第2行に属する各画素Pの補正値Rを同様の順番で出力し、この動作を第M行まで完了すると今度は第1行に戻って同様の動作を繰り返す。
【0024】
本実施形態においては、表示領域11に配列する複数の画素Pが所定数ごとにブロックBに区分される。図3は、表示領域11の複数の画素PがブロックBに区分された様子を示す概念図である。同図においてマトリクス状に配列する矩形状の部分が画素Pに相当し、各画素Pを包囲するようにハッチングが施された領域がひとつのブロックBに相当する。
【0025】
図2のメモリ35は、予めブロックBごとに選定された数値(以下「補正係数」という)Dcを複数のブロックBの各々について記憶する手段(例えばROM(Read Only Memory))である。各ブロックBに属する各画素Pの補正値Rは、そのブロックBについてメモリ35に記憶された補正係数Dcに基づいて特定される。本実施形態の補正値特定回路33は、各ブロックBについてメモリ35に記憶された補正係数Dcを当該ブロックBに属する各画素Pの補正値Rとして補正回路37に出力する。したがって、本実施形態においてひとつのブロックBに属する各画素Pについては同じ補正値Rが特定される。
【0026】
補正回路37は、ドットクロック信号DCKに同期して入出力回路31から順次に供給される各画素Pの階調データG0を、その画素Pについて補正値特定回路33が特定した補正値Rに基づいて補正する手段である。本実施形態の補正回路37は、階調データG0と補正値Rとの加算値を階調データG1として出力する。以上の構成によって各画素Pの実際の輝度は補正係数Dcに応じてブロックBごとに補正される。メモリ35に格納される補正係数Dcは、総ての画素Pについて同階調が指定されたときの各画素Pの実際の輝度が略均一化されるように、例えば各画素Pの輝度の測定値に基づいて予め決定される。
【0027】
次に、ブロックBの具体的な態様について説明する。図4は、ひとつのブロックB1とこれに隣接する他のブロックB2とを抽出した平面図である。図3および図4に例示されるように、表示領域11の複数の画素Pを区分したブロックBはX方向およびY方向にわたって隙間なく規則的に配列する。本実施形態におけるひとつのブロックBは略十字状に配列する5個の画素Pを含む。すなわち、各ブロックBは、図4に示されるように、ひとつの画素P1と、X方向に沿って画素P1を挟むように画素P1に隣接する2個の画素P(P2,P3)と、Y方向に沿って画素P1を挟むように画素P1に隣接する2個の画素P(P4,P5)とを含む。ただし、表示領域11の周縁に位置するブロックBは、図3に示されるように、画素P1ないし画素P5のなかの少なくともひとつが欠けた形状となっている。
【0028】
図4に示されるように、ブロックB2の画素P2には、ブロックB1の画素P3がY方向の正側に隣接するとともにブロックB1の画素P4がX方向の負側に隣接する。また、ブロックB1の画素P3には、ブロックB2の画素P2がY方向の負側に隣接するとともにブロックB2の画素P5がX方向の正側に隣接する。したがって、ブロックB1とブロックB2との境界線Lは、ブロックB1の画素P4とブロックB2の画素P2との間隙ではY方向に延在し、ブロックB1の画素P3とブロックB2の画素P2との間隙ではX方向に延在し、ブロックB1の画素P3とブロックB2の画素P5との間隙ではY方向に延在する。このように本実施形態においては、各ブロックBの境界線Lが複数の画素Pにわたって直線的に連続しない。したがって、補正値Rの相違に起因してブロックB1の各画素PとブロックB2の各画素Pとで輝度が相違する場合であっても、各ブロックBの境界線が複数の画素Pにわたって直線的に連続する特許文献1の構成と比較すると、各ブロックBの境界線Lは観察者によって明確には知覚されない。
【0029】
次に、メモリ35による記憶の内容と補正値Rの特定の方法とについて具体例を説明する。図5の部分(b)は、各ブロックBに対応する補正係数Dcがメモリ35に格納された様子を示す概念図である。同図の部分(a)においては、各ブロックBのうち中央に位置するひとつの画素P1(以下では特に「代表画素P1」という場合がある)にハッチングが施されている。
【0030】
各ブロックBに対応する補正係数Dcは、表示領域11における各ブロックBの代表画素P1の配列の順番でメモリ35に格納される。すなわち、第m行(mは1≦m≦Mを満たす整数)に属する複数の代表画素P1のうちX方向の負側から数えて第n番目の代表画素P1が属するブロックBの補正係数Dcは、メモリ35のアドレスA[m,n]に格納される。例えば、図5に矢印Z1で示されるように、第1行に属する第1列目の代表画素P1を含むブロックBの補正係数DcはアドレスA[1,1]に格納される。また、矢印Z2で示されるように、第1行に属する第6列目の代表画素P1(X方向の負側から数えて2番目の代表画素P1)を含むブロックBの補正係数DcはアドレスA[1,2]に格納される。さらに、矢印Z3で示されるように、第1行に属する第11列目の代表画素P1(X方向の負側から数えて3番目の代表画素P1)を含むブロックBの補正係数DcはアドレスA[1,3]に格納される。
【0031】
一方、補正値特定回路33は、各行においてX方向の最も負側に位置する代表画素P1のX方向の位置(ここでは列数)を変数Q[1]ないしQ[M]として内部の記憶装置(図示略)に記憶する。例えば、第1行のうちX方向の最も負側に位置する代表画素P1は第1列目の画素Pであるから変数Q[1]は「1」に設定され、第2行のうちX方向の最も負側に位置する代表画素P1は第4列目の画素Pであるから変数Q[2]は「4」に設定されるといった具合である。補正値特定回路33は、第1行から第M行までの各行を水平同期信号HSYNCに同期して順番に選択し、この選択行に対応する変数Q[m]とその上下に隣接する各行に対応する変数Q[m-1]および変数Q[m+1]とを特定する。
【0032】
さて、図5の部分(a)に白抜の矢印で明示されるように、第m行においては、同じ補正係数Dcが適用される3個の画素Pと、第(m-1)行目における同列の補正係数Dcが適用される1個の画素Pと、第(m+1)行目における同列の補正係数Dcが適用される1個の画素Pとの配列がX方向に沿って繰り返される。例えば、図5の部分(a)のうち破線で囲まれた第8行においては、第1列目から第3列目までの3個の画素Pについて第2列目の代表画素P1に対応した補正係数Dcが適用される(すなわちこれらの3個の画素Pは同じブロックBに属する)。また、第8行の第4列目の画素Pについては第7行の第4列目の画素P(代表画素P1)と同じ補正係数Dcが適用される。さらに、第8行の第5列目の画素Pについては第9行の第5列目の画素P(代表画素P1)と同じ補正係数Dcが適用される。そして、第6列目以降についても第1列目から第5列目までと同様の配列が繰り返される。
【0033】
以上のように、第m行に属する各画素Pについては、第(m-1)行から第(m+1)行までの3行の補正係数Dcが適用される。そこで、本実施形態においては、補正値特定回路33による選択行(第m行)に属する各画素Pの補正係数Dcが、当該選択行に属する代表画素P1についてメモリ35に格納された補正係数Dcと、その選択行に対してY方向の両側に隣接する第(m-1)行および第(m+1)行の各々の代表画素P1についてメモリ35に格納された補正係数Dcとに基づいて特定される。この補正係数Dcの特定のために、補正値特定回路33は、図2に示されるように、第m行を選択する期間において、第m行の代表画素P1の補正係数Dcを指定するアドレスA[m,n]と、第(m-1)行の代表画素P1の補正係数Dcを指定するアドレスA[m-1,n]と、第(m+1)行の代表画素P1の補正係数Dcを指定するアドレスA[m+1,n]とをメモリ35に指定する。
【0034】
一方、メモリ35は、補正値特定回路33から指定された各アドレスに格納された補正係数Dcを出力する。メモリ35に指定される各アドレスとそのアドレスから読み出された補正係数Dcが適用される画素Pとの関係は、補正値特定回路33が特定した変数Q[m-1],Q[m]およびQ[m+1]に応じて以下のように決定される。
【0035】
まず第1に、アドレスA[m,n]から読み出される補正係数Dcは、第m行に属する第「5(n−1)+Q[m]+k」列目の画素P(例えば図5に例示された第8行のうち第1列目から第3列目までの各画素P)の補正係数Dcとされる。ただし、「k」は「−1」、「+1」および「1」である。第2に、アドレスA[m-1,n]から読み出される補正係数Dcは、第m行に属する第「5(n−1)+Q[m-1]」列目の画素P(例えば図5に例示された第8行のうち第4列目の画素P)の補正係数Dcとされる。第3に、アドレス[m+1,n]から読み出される補正係数Dcは、第m行に属する第「5(n−1)+Q[m+1]」列目の画素P(例えば図5に例示された第8行のうち第5列目の画素P)の補正係数Dcとされる。補正値特定回路33は、選択行に属する各画素Pの補正係数Dcを以上の手順によってメモリ35から取得すると、この補正係数Dcを当該画素Pの補正値Rとして補正回路37に出力する。
【0036】
ただし、図5の部分(a)に記号「O」が付記された画素P(すなわち、表示領域11の周縁に位置するために同じブロックBの代表画素P1が存在しない画素P)については、以上の処理によっては補正係数Dcを特定できない。そこで、これらの画素P(以下「周縁画素P」という)については代表画素P1の補正係数Dcとは別個に補正係数Dcがメモリ35に記憶される。そして、補正値特定回路33は、各周縁画素Pについては個別に(すなわち以上に例示した処理とは別個に)メモリ35から補正係数Dcを読み出す。
【0037】
以上に説明したように本実施形態によれば、図5の部分(b)に図示されるように、各ブロックBの代表画素P1の補正係数Dc(補正値R)がメモリ35に記憶されるから、総ての画素Pについて補正係数Dcが記憶される構成と比較してメモリ35に要求される容量を削減することができる。例えば、ひとつのブロックBに5個の画素Pが含まれる本実施形態においては、周縁画素Pの補正係数Dcを除外すると、総ての画素Pについて補正係数Dcが記憶される構成と比較してメモリ35の容量は「1/5」に削減される。
【0038】
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態においては、代表画素P1の配列に対応するように補正係数Dcをメモリ35に格納することで各画素Pの補正係数Dc(さらには補正値R)を特定する構成を例示した。本実施形態における画像処理装置30は、補正値特定回路33が補正値Rを特定するための構成が第1実施形態とは相違している。なお、本実施形態のうち第1実施形態と同様の要素については共通の符号を付してその説明を適宜に省略する。
【0039】
表示領域11の複数の画素Pは第1実施形態と同様に複数のブロックBに区分される。図6に例示されるように、本実施形態における各ブロックBにはこれに固有の番号n(n1,n2,n3,n4,……)が付与される。メモリ35は、表示領域11に属する各画素Pについて当該ブロックBの番号nを記憶する。また、メモリ35にはテーブルTが保持される。図7に例示されるように、このテーブルTにおいては、各ブロックBの番号nとそのブロックBの各画素Pに適用されるべき補正係数Dcとが対応付けられる。
【0040】
以上の構成において、補正値特定回路33は、補正値Rを特定する対象として各画素Pをその配列の順番に順次に選択する一方、ここで選択した画素Pが属するブロックBの番号nをメモリ35から読み出す。そして、補正値特定回路33は、テーブルTの補正係数Dcのうちメモリ35から読み出した番号nに対応付けられた補正係数Dcを読み出し、この補正係数Dcを補正値Rとして補正回路37に出力する。例えば、ある画素Pについてメモリ35から読み出したブロックBの番号nが「n1であるとすれば、補正値特定回路33は、テーブルTにてこの番号n1に対応付けられた補正係数Dc1をメモリ35から読み出して補正値Rとして出力する。
【0041】
以上の構成によっても第1実施形態と同様の作用および効果が奏される。なお、本実施形態の構成においても、補正値R(または補正係数Dc)のビット幅が番号nのビット幅よりも大きい場合には、総ての画素Pについて補正値Rがメモリ35に格納される構成と比較してメモリ35の容量は削減される。また、本実施形態によれば、メモリ35に記憶される各画素Pの番号nを適宜に設定することによって、複数の画素Pを如何なる形態(ひとつのブロックBに属する画素Pの総数やひとつのブロックBに属する画素Pの配列の態様)のブロックBにも簡便に区分することができる。
【0042】
<C:変形例>
以上の各形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
【0043】
(1)変形例1
各ブロックBの形態(ひとつのブロックBに属する画素Pの総数やひとつのブロックBに属する画素Pの配列の態様)は任意である。例えば、図8に示されるように、ひとつの画素Pとその斜め方向に隣接する4個の画素PとをひとつのブロックBが含むように、表示領域11の複数の画素PがブロックBに区分された構成としてもよい。また、4個以下または6個以上を単位として複数の画素PがブロックBに区分された構成としてもよい。例えば、図9に例示されたひとつのブロックBは、縦3個×横3個に正方形状に配列する9個の画素Pと、このうち正方形の四隅に位置する各画素PのX方向およびY方向に隣接する8個の画素Pとを含む。
【0044】
さらに、以上の各形態においては総てのブロックBの形態が共通する構成を例示したが、図10に例示されるように、各々に属する画素Pの総数やその配列の態様が相違する複数の種類のブロックBに表示領域11が区分される構成としてもよい。同図におけるひとつのブロックB1は、以上の各形態と同様に、略十字状に配列する5個の画素Pを含む。一方、同図に例示されたひとつのブロックB2は、縦2個×横2個に正方形状に配列する4個の画素Pを含む。
【0045】
図8ないし図10に例示された各態様によっても第1実施形態や第2実施形態と同様の作用および効果が奏される。以上の例示から理解されるように、本発明の形態においては、図11に示されるように、複数の画素Pを区分した複数のブロックBのうち少なくともひとつのブロックB1が、これに隣接するブロックB2のひとつの画素Paに対してX方向に隣接する画素PbとY方向に隣接する画素Pcとを含んでいればよい。
【0046】
(2)変形例2
複数の画素Pの区分の仕方(例えばひとつのブロックBに属する画素Pの総数やひとつのブロックBに属する画素Pの配列の態様といった各ブロックの態様)が恒常的に固定されている必要はない。例えば、以下に例示するように、ブロックBの態様が所定の期間ごとに変化する構成としてもよい。
【0047】
この構成におけるメモリ35には第1の記憶領域と第2の記憶領域とが画定される。第1の記憶領域には、複数の画素Pを第1の態様(例えば図3の態様)に区分したときの各ブロックBの補正係数Dcが格納される。第2の記憶領域には、複数の画素Pを第2の態様(例えば図8の態様)に区分したときの各ブロックBの補正係数Dcが格納される。補正値特定回路33は、所定数のフレーム期間(垂直走査期間)を単位として、各画素Pの補正値Rの特定に適用される補正係数Dcを随時に変更する。例えば、補正値特定回路33は、奇数番目のフレーム期間においては、メモリ35のうち第1の記憶領域に格納された補正係数Dc(すなわち第1の態様に対応した補正係数Dc)を読み出し、偶数番目のフレーム期間においては、第2の記憶領域に格納された補正係数Dc(第2の態様に対応した補正係数Dc)を読み出し、何れのフレーム期間においても各ブロックBについて読み出した補正係数Dcに基づいて当該ブロックBの各画素Pの補正値Rを特定する。なお、各ブロックBに対応する補正係数Dcを読み出すための構成や方法としては第1実施形態や第2実施形態が同様に適用される。
【0048】
以上のように、本変形例によれば複数の画素Pの区分の仕方(パターン)が時間的に変化するから、ブロックBの態様が恒常的に固定された構成と比較して、各ブロックBの境界をいっそう観察者に知覚され難くすることができる。なお、ここではブロックBの態様が2種類である場合を例示したが、画素Pの区分の仕方は3種類以上であってもよい。また、ブロックBの態様の変化の単位となる期間はひとつのフレーム期間に限定されない。例えば、複数のフレーム期間を単位としてブロックBの態様を変化させてもよい。
【0049】
(3)変形例3
以上の各形態においてはメモリ35から読み出された補正係数Dcが補正値Rとして補正回路37に出力される構成(Dc=R)を例示したが、補正係数Dcと補正値Rとの関係は適宜に変更される。例えば、補正値特定回路33は、各ブロックBの補正係数Dcを変数とした所定の演算によって当該ブロックBの各画素Pの補正値R(R≠Dc)を算定してもよい。
【0050】
また、以上の形態においてはひとつのブロックBに属する総ての画素Pの補正値Rが同値である構成を例示したが、ひとつのブロックBに属する各画素Pの補正値Rは相違していてもよい。例えば、補正値特定回路33は、ひとつのブロックBの補正係数DcとそのブロックBに属する各画素Pの位置に応じた数値とを変数とした演算によって画素Pごとに個別に補正値Rを算定する。すなわち、本発明の具体的な形態においては、ひとつのブロックBに属する各画素Pの補正値Rがひとつの補正係数Dcから特定される構成であればよい。換言すると、各々の補正値Rを特定するための基礎となる数値(補正係数Dc)が共通する複数の画素Pの集合を「ブロック」と定義することができる。
【0051】
(4)変形例4
補正回路37による階調データG0の補正の内容は任意である。例えば、階調データG0に対する補正値Rの乗算によって階調データG1が生成される構成としてもよい。
【0052】
また、図2の補正回路37は適宜に省略される。例えばいま、データ線駆動回路24が、各列ごとに設定される所定の電圧(以下「基準電圧」という)を基準としたレベルのデータ信号を生成する構成を想定する。この構成においては、図2の補正回路37を省略したうえで、入出力回路31から出力される階調データG0と補正値特定回路33から出力される補正値Rとがデータ線駆動回路24に供給される構成としてもよい。データ線駆動回路24においては、階調データG0に応じたレベルのデータ信号が当該列の基準電圧に基づいて生成され、この基準電圧が補正値Rに応じて調整される。この構成によっても、各電気光学素子を補正値Rに応じた輝度で駆動することができる。このように、各電気光学素子の輝度を補正する機能が画像処理装置30に搭載されている必要は必ずしもない。
【0053】
また、以上の形態においては、各データ線14に出力されるデータ信号のレベル(電流値または電圧値)が補正値Rに応じて補正される構成を例示したが、この補正の対象は適宜に変更される。例えばいま、データ信号が所定のレベル(例えば電気光学素子Uを発光させるレベル)となる時間長を階調データに応じて制御することで多階調が表現されるパルス幅変調方式のデータ線駆動回路24を想定する。この場合には、各画素Pに供給されるデータ信号を所定のレベルとする時間長がその画素Pの補正値Rに応じて調整される構成としてもよい。このように電気光学装置Dにおいては、各画素Pの階調を指定する階調データG0と画像処理装置30にて生成された補正値Rとに応じた輝度となるように各画素Pが駆動される構成であれば足りる。
【0054】
(5)変形例5
以上の形態においては、OLED素子を含む画素Pを例示したが、画素Pに含まれる電気光学素子はこの例示に限定されない。例えば、無機EL材料からなる発光層を含む素子やLED(Light Emitting Diode)素子あるいはプラズマの放電によって発光するプラズマ発光素子など様々な発光素子を電気光学素子として採用することができる。さらに、電気光学素子はそれ自身が発光する素子でなくてもよい。例えば、照明装置(バックライト)からの照射光を変調して出射する液晶素子や黒色の微粒子の電気的な泳動によって輝度が制御される電気泳動素子なども電気光学素子に含まれる。以上のように、電気エネルギの付与によって輝度や透過率といった光学的な特性が変化する電気光学素子を各画素Pが含む電気光学装置であれば、各画素Pの具体的な構造や輝度を制御する方法の如何を問わず、以上の各形態と同様に本発明を適用することができる。
【0055】
<D:応用例>
次に、本発明に係る電気光学装置を利用した電子機器について説明する。図12は、以上に説明した何れかの形態に係る電気光学装置Dを表示装置として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、表示装置としての電気光学装置Dと本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この電気光学装置Dは画素PにOLED素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
【0056】
図13に、以上の何れかの形態に係る電気光学装置Dを適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置としての電気光学装置Dを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置Dに表示される画面がスクロールされる。
【0057】
図14に、以上の何れかの形態に係る電気光学装置Dを適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示装置としての電気光学装置Dを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置Dに表示される。
【0058】
なお、本発明に係る電気光学装置Dが適用される電子機器としては、図12から図14に示したもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などがある。また、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光書込み型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用紙などの記録材に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する書込みヘッドが使用されるが、この種の書込みヘッドとしても本発明の電気光学装置は利用される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図2】画像処理装置の具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】表示領域の複数の画素がブロックに区分された様子を示す平面図である。
【図4】相互に隣接する2個のブロックを拡大して示す平面図である。
【図5】メモリによる記憶の内容を説明するための概念図である。
【図6】本発明の第2実施形態にて各ブロックの画素に付与される番号を示す平面図である。
【図7】各画素の補正係数を特定するためのテーブルの内容を示す概念図である。
【図8】複数の画素をブロックに区分する他の形態を説明するための平面図である。
【図9】複数の画素をブロックに区分する他の形態を説明するための平面図である。
【図10】複数の画素をブロックに区分する他の形態を説明するための平面図である。
【図11】ブロックの条件を説明するための平面図である。
【図12】本発明に係る電子機器の形態(パーソナルコンピュータ)を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る電子機器の形態(携帯電話機)を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る電子機器の形態(携帯情報端末)を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0060】
D……電気光学装置、P……画素、B……ブロック、10……電気光学パネル、11……表示領域、12……走査線、14……データ線、22……走査線駆動回路、24……データ線駆動回路、30……画像処理装置、31……入出力回路、33……補正値特定回路、35……メモリ、37……補正回路、L……各ブロックの境界線、Dc……補正係数、R……補正値、G0,G1……階調データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に交差する第1方向および第2方向にわたってマトリクス状に配列する複数の画素の各々の輝度が補正値に基づいて補正される電気光学装置の画像処理装置であって、
前記複数の画素を区分した複数のブロックの各々について補正係数を記憶する記憶手段と、
前記複数の画素の各々について、前記記憶手段に記憶された複数の補正係数のうち当該画素が属するブロックの補正係数に基づいて補正値を特定する補正値特定手段とを具備し、
前記複数のブロックのうち少なくともひとつのブロックは、当該ブロックに隣接する他のブロックのひとつの画素に対して前記第1方向に隣接する画素と前記第2方向に隣接する画素とを含む
画像処理装置。
【請求項2】
前記少なくともひとつのブロックは、ひとつの画素と、相互に直交する2方向の各々に沿って前記ひとつの画素に隣接する4個の画素とを含む
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記複数のブロックの全部が、各々に隣接する他のブロックのひとつの画素に対して前記第1方向に隣接する画素と前記第2方向に隣接する画素とを含む
請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、各ブロックに属するひとつの画素である代表画素について補正係数を記憶し、
前記補正値特定手段は、前記第1方向に沿って配列する画素の集合を順次に選択し、この選択した集合に属する各画素の補正係数を、その集合に属する代表画素について前記記憶手段が記憶する補正係数と、当該集合に対して前記第2方向の両側に隣接する各集合の代表画素について前記記憶手段が記憶する補正係数とに基づいて特定する
請求項1から請求項3の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記複数の画素を第1の態様にて区分した各ブロックの補正係数と、前記複数の画素を前記第1の態様とは相違する第2の態様にて区分した各ブロックの補正係数とを記憶し、
前記補正値特定手段は、第1の期間において、前記第1の態様について前記記憶手段に記憶された補正係数に基づいて前記複数の画素の各々の補正値を特定し、前記第1の期間とは相違する第2の期間において、前記第2の態様について前記記憶手段に記憶された補正係数に基づいて前記複数の画素の各々の補正値を特定する
請求項1から請求項3の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記補正値特定手段は、各ブロックに属する画素の少なくともひとつについて、当該ブロックの補正係数とは相違する補正値を当該補正係数に基づいて特定する
請求項1から請求項5の何れかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
相互に交差する第1方向および第2方向にわたってマトリクス状に配列する複数の画素と、
請求項1から請求項6の何れかに記載の画像処理装置と、
前記複数の画素の各々を、前記画像処理装置の補正値特定手段が当該画素について特定した補正値と当該画素の階調を指定する階調データとに応じた輝度に制御する駆動手段と
を具備する電気光学装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電気光学装置を具備する電子機器。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−86580(P2007−86580A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−277282(P2005−277282)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】