説明

電気光学装置および電子機器

【課題】表示領域Aの温度を精度良く検出する。
【解決手段】画素110がマトリクス状に配列する表示領域Aをくまなく覆うように、 抵抗膜50を設ける。抵抗膜50は、ITOのような透明導電膜である。画素110における液晶素子は、画素電極とコモン電極108とで液晶を挟持する。このコモン電極108と抵抗膜50とを絶縁膜を介して対向基板に設ける。抵抗膜50は、対角の地点において、第1導通材91aを介し素子基板側の配線72aに接続される。温度情報変換回路4は、抵抗膜50における2点間の抵抗値を、電圧降下分Vf等から求めて温度情報Taを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域の温度を検出する電気光学装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置、例えば液晶装置は、2つの電極同士で液晶のような電気光学物質を挟持した液晶素子を有し、この液晶素子の透過率(または反射率、以下「透過率等」という)を画素毎に変化させることで、所定の画像を表示するものである。液晶素子は、2つの電極で保持される電圧が同じであっても温度によって透過率等が変化するので、温度に応じて映像信号を補正し、透過率等が変化しないような制御が実行される。また、温度を動作可能な範囲内に収めるために、温度に応じて冷却用ファンの回転数の制御も実行される。
このように温度に応じて各種の制御を実行するために、液晶の温度を検出する技術が各種提案されている。例えば、素子基板の表示領域に温度センサーを設ける技術(例えば特許文献1参照)や、走査電極の周囲を覆うように形成された、すなわち表示領域外に形成された透明導電パターンの両端部の抵抗値から温度を検出する技術(例えば特許文献2参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−256821号公報
【特許文献2】特開平9−5713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、素子基板の表示領域に温度センサーを設ける技術では、表示領域から表示領域外部へと引き出す配線が別途必要となるだけでなく、素子基板に設けられるトランジスターや配線等の製造プロセスに制約を加えてしまう。また、表示領域外に透明導電パターンを設ける技術では、表示領域の入射光に応じて変化する温度を精度良く検出することができない。
本発明は、上述した背景に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、表示領域の温度を精度良く検出することが可能な電気光学装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係る電気光学装置にあっては、複数の画素と、透明性を有し、前記複数の画素が配列する領域に設けられた抵抗膜と、透明性を有し、前記抵抗膜に対し絶縁膜を介して設けられ、前記複数の画素にわたって共通のコモン電極と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、画素が配列する領域の温度が抵抗膜の抵抗値に反映されるので、当該領域の温度を精度良く検出することが可能になる。
【0006】
本発明において、前記複数の画素の各々に対応する画素電極が設けられた第1基板と、前記抵抗膜、前記絶縁膜および前記コモン電極が設けられた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板とで挟持された電気光学物質と、前記第2基板に設けられた抵抗膜の異なる2地点を、前記第1基板に設けられた配線に、それぞれ個別に導通させる第1導通材を有する構成が好ましい。この構成によれば、第2基板に設けられた抵抗膜の抵抗値を検出するための2地点を、それぞれ第1導通材を介して第1基板側に引き出すことが可能になる。このような構成において、前記第2基板に設けられたコモン電極を前記第1基板に設けられた配線に導通させる第2導通材を有し、前記第1導通材が設けられる領域では、前記コモン電極および前記絶縁膜が除去されている態様も好ましい。第1導通材が設けられる領域では、前記コモン電極および前記絶縁膜が除去されているので、抵抗膜と配線との間隙は、コモン電極と配線との距離にほぼ等しくすることができる。このため、第1導通材と第2導通材とを共用することが可能になる。
さらに、本発明において、前記2地点における電位差を検出して、温度情報に変換する温度情報変換回路を有する構成が好ましい。また、前記2地点における抵抗値を検出してもよい。この構成によれば、精度良く検出した温度情報を用いて、各種の制御が可能になる。
【0007】
また、本発明において、前記第1基板と前記第2基板とは、平面視したときに注入口で開いた枠状のシール材によって貼り合わせられ、前記抵抗膜は、平面視で、前記シール材に重なる領域に設けられる2つのシール対応部分と、前記画素電極の各々に対応する画素対応部分と、前記画素対応部分同士を接続する第1接続部分と、前記画素対応部分および前記2つのシール対応部分のいずれかとを接続する第2接続部分と、を含む構成が好ましい。透明性を有する抵抗膜は、比較的低抵抗である場合が多いが、この構成によれば、画素対応部分を第1接続部分によって適宜接続することによって、高抵抗化を図りやすくなる。また、シール材に重なる領域にも、シール対応部分として抵抗膜が設けられるので、第1基板と第2基板との間隙が均一化される。高抵抗化を図るためには、前記第1接続部分を、平面視で、縦または横側で隣り合う前記画素対応部分同士を接続させた態様が考えられる。また、表示に与える影響を少しでも抑えるには、前記第1接続部分を、平面視で、縦および横側で隣り合う前記画素対応部分同士を接続させた態様が考えられる。
また、上記構成において、前記シール対応部分同士の隙間のうち、一の隙間は、前記注入口に位置する態様も好ましい。隙間には抵抗膜が存在しないので、注入口の液道をその分だけ確保することができる。このため、液晶の注入を阻害されるのを防止することが可能になる。さらに、前記一の隙間は、他の隙間よりも平面視で広くすると、液道をその分だけ確保することができる。
なお、本発明は、電気光学装置や、当該電気光学装置を有する電子機器として概念することも可能である。このような電子機器としてはプロジェクターなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係る液晶パネルを含む電気光学装置の構成を示す図である。
【図2】液晶パネルにおける画素の等価回路を示す図である。
【図3】電気光学装置の動作を説明するための図である。
【図4】液晶パネルの外観構成を示す図である。
【図5】液晶パネルの構成を示す平面図である。
【図6】液晶パネルの要部構成を示す断面図である。
【図7】液晶パネルにおける対向基板を示す平面図である。
【図8】第2実施形態に係る液晶パネルの対向基板を示す平面図である。
【図9】第2実施形態に係る液晶パネルの要部構成を示す断面図である。
【図10】第3実施形態に係る液晶パネルの対向基板を示す平面図である。
【図11】第4実施形態に係る液晶パネルの対向基板を示す平面図である。
【図12】電気光学装置を適用したプロジェクターの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶パネル100を含む電気光学装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置1は、制御回路2、D/A変換回路3、温度情報変換回路4および液晶パネル100を含む構成となっている。
【0010】
この電気光学装置1には、図示省略した上位装置から垂直走査信号Vs、水平走査信号Hsおよびドットクロック信号Clkの同期信号に同期して映像信号Vidが供給される。映像信号Vidは、表示すべき画像における各画素の明るさ(階調レベル)を例えば8ビットで指定するデジタルデータである。
制御回路2は、上記同期信号に同期して各種のクロック信号や制御信号などを出力して各部を制御する。
D/A変換回路3は、映像信号Vidを、階調レベルに応じた電圧であって信号Polによって指定された極性の電圧のデータ信号Vaに変換するものである。詳細には、D/A変換回路3は、映像信号Vidを、信号PolがHレベルであって正極性が指定されていれば電圧Vcを基準として高位側電圧に変換する一方、信号PolがLレベルであって負極性が指定されていれば、負極性が指示されていれば電圧Vcを基準として低位側電圧に変換して、データ信号Vaとして出力する。
【0011】
なお、電圧Vcは、データ信号を交流駆動する際の振幅中心であり、後述する電源電圧VH、VLのほぼ中間電圧である(図3参照)。換言すれば、本実施形態では、データ信号の極性については、電圧Vcよりも高位側を正極性とし、低位側を負極性としている。一方、他の電圧については、後述する液晶素子の保持電圧を除き、電圧VL(=Gnd)を基準とする。また、データ信号の極性を反転する理由は、画素を交流駆動するためである。本実施形態にあっては、1フレームでみたときに、すべての画素の極性と同一にするとともに、1フレーム毎に極性反転させる面反転方式としている。
【0012】
液晶パネル100では、m行の走査線112が図1においてX(横)方向に延在する一方、n列のデータ線114が走査線112と電気的な絶縁を保ちつつ、図1においてY(縦)方向に延在している。そして、走査線112とデータ線114との交差に対応するように画素110がそれぞれ設けられている。このため、本実施形態において、画素110は、縦m行×横n列でマトリクス状に配列して表示領域Aを構成することになる。なお、m、nは、いずれも自然数である。
【0013】
液晶パネル100には、詳細については後述するが、表示領域Aを覆うように抵抗膜50が設けられている。抵抗膜50は、図1において左下隅および右上隅の対角位置において、それぞれ第1導通材91aを介して配線72aに接続されている。
また、液晶パネル100には、すべての画素110にわたって共通のコモン電極108が設けられている。コモン電極108には、左上隅および右下隅の対角位置において、それぞれ配線72bおよび第2導通材91bを介して電圧LCcomが共通に印加されている。
【0014】
温度情報変換回路4は、温度測定時には、配線72aを介して抵抗膜50に電流を流すとともに、抵抗膜50で生じた電圧降下分(電位差)Vfを測定し、測定した電圧降下分Vfを、流した電流値で除して抵抗膜50の抵抗値を求める。抵抗膜50は、表示領域Aの温度に応じて抵抗が変化する性質を有するので、表示領域Aの温度を反映した情報である。
ここで、抵抗膜50が後述するITO(Indium Tin Oxide)であれば、温度が高くになるにつれて抵抗値が減少する、という半導体に似た性質を有する。そこで、温度情報変換回路4は、例えば抵抗値と温度との関係を記憶したルックアップテーブルによって、抵抗値を温度情報Taに変換して出力する。
なお、温度情報Taは、例えば液晶パネル100の冷却するファンの回転数制御や、映像信号Vidの補正などに用いられるが、このような構成については図示を省略している。
【0015】
走査線駆動回路130は、制御回路2にしたがって1、2、3、…、(m−1)、m行目の走査線112に、走査信号G(1)、G(2)、G(3)、…、G(m-1)、G(m)を供給する。
データ線駆動回路140は、D/A変換回路3によって変換されたデータ信号Vaを、制御回路2にしたがって1、2、3、…、(n−1)、n列目のデータ線114に、順次サンプリングしてデータ信号d(1)、d(2)、d(3)、…、d(n-1)、d(n)として供給する。
【0016】
図2は、画素110の等価回路を示す図である。なお、図2には、i行目及び当該i行目に対し下側で隣り合う(i+1)行目の走査線112と、j列目及び当該j列目に対し右側で隣り合う(j+1)列目のデータ線114との交差に対応する2×2の計4画素分の画素110が示されている。ここで、i、(i+1)は、走査線112の行または画素110の行を一般的に示す場合の記号であって、1以上m以下の整数である。同様に、j、(j+1)は、データ線114の列または画素110の列を一般的に示す場合の記号であって、1以上n以下の整数である。
【0017】
図2に示されるように、各画素110は、Nチャネル型のTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)116と液晶素子120と補助容量125とを含む。
ここで、各画素110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素110におけるTFT116のゲート電極はi行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は液晶素子120の一端である画素電極118と補助容量125の一端とにそれぞれ接続されている。また、液晶素子120の他端は、コモン電極108である。このコモン電極108は、全ての画素110にわたって共通であって、本実施形態では電圧LCcomに保たれている。また、補助容量125の他端は、容量線115であり、全ての画素110にわたって共通であって、コモン電極108と同じ電圧LCcomに保たれている。このため、補助容量125は、画素110毎に液晶素子120に対して並列に接続された構成になっている。
なお、本実施形態において、液晶素子120は、例えば透過型であって、電圧無印加状態で透過率等が最小になるノーマリーブラックモードとする。
【0018】
液晶パネル100は、走査線112や、データ線114、TFT116、画素電極118、補助容量125などが形成された素子基板と、抵抗膜50や、コモン電極108などが形成された対向基板とが一定の間隙を保って、電極形成面が互いに対向するように貼り合わせられるとともに、この間隙に液晶105を挟持した構造になっている。このため、液晶素子120は、画素電極118とコモン電極108とが液晶105を誘電体として挟持した一種の容量になる。
本実施形態では、素子基板および対向基板にガラス等の透明基板を用いるとともに、素子基板の対向面には、例えば高温ポリシリコンプロセスによって、TFT116などとともに走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140が形成される。
なお、素子基板においては、高温ポリシリコンプロセスに限られず、低温シリコンプロセスを用いても良いし、素子基板にシリコン基板を用いて、いわゆるLCOS(Liquid Crystal on Silicon)型としても良い。LCOS型とした場合、制御回路2や、D/A変換回路3をも含むように構成しても良い。シリコン基板は不透過なので、LCOS型とする場合には、液晶素子120は反射型で用いられる。
【0019】
次に、電気光学装置1の表示動作について図3を参照して説明する。
図において、フレームとは、1カット(コマ)分の映像信号Vidが上位装置から供給される期間をいい、垂直同期信号Vsの周波数が60Hzである場合、その1周期分の16.67ミリ秒の期間をいう。
また、nフレームとは、正極性書込が指定されるフレームであり、(n+1)フレームとは、nフレームに続くフレームであって負極性書込が指定されるフレームである。このため、信号Polの論理レベルは、nフレームでHレベルとなり、(n+1)フレームでLレベルとなって、フレーム毎に切り替えられる。
各フレームでは、上位装置から映像信号Vidが1行1列〜1行n列、2行1列〜2行n列、3行1列〜3行n列、…、(m−1)行1列〜(m−1)行n列、m行1列〜m行n列という画素の順番で供給される。
【0020】
さて、走査線駆動回路130は、1行1列〜1行n列、すなわち1行目の画素に対応する映像信号Vidが供給される水平走査期間(H)において、制御回路2による制御にしたがって走査信号G(1)をHレベルにする。
また、D/A変換回路3は、nフレームにおいて、映像信号Vidを正極性のデータ信号Vaに変換する一方、データ線駆動回路140は、該データ信号Vaを、制御回路2による制御にしたがって1、2、3、…、(n−1)、n列目のデータ線114に順番にサンプリングする。走査信号G(1)がHレベルであると、1行目のTFT116がオン状態となるので、データ線114にサンプリングされたデータ信号は、オン状態にあるTFT116を介して画素電極118に印加される。このため、1行1列〜1行n列の液晶素子120には、それぞれ階調レベルに応じた正極性電圧が書き込まれる。
走査線駆動回路130は、2行目の画素に対応する映像信号Vidが供給される水平走査期間において走査信号G(2)をHレベルにする一方、データ線駆動回路140は、2行目の画素に対応する映像信号Vidの変換信号であるデータ信号Vaを、1、2、3、…、(n−1)、n列目のデータ線114にサンプリングする。2行目のTFT116がオン状態となるので、データ線114にサンプリングされたデータ信号は、該TFT116を介して画素電極118に印加され、これにより、2行1列〜2行n列の液晶素子120には、それぞれ階調レベルに応じた正極性電圧が書き込まれる。
【0021】
以下同様な動作が、3、4、…、(m−1)、m行目に対して実行され、これにより、各液晶素子に、階調レベルに応じた正極性電圧が書き込まれて、nフレームにおける透過像が作成されることになる。
次の(n+1)フレームにおいては、信号Polの論理レベルが反転してLレベルになるので、データ信号Vaは負極性に変換されるが、それ以外については、nフレームと同様な書込動作が実行される。これにより、各液晶素子には、それぞれ階調レベルに応じた負極性電圧が書き込まれて、(n+1)フレームにおける透過像が作成されることになる。
【0022】
なお、図3では、コモン電極108への印加電圧LCcomについては、ビデオ振幅中心の電圧Vcよりも若干低位側にオフセットされている。これは、TFT116では、オンからオフした瞬間にドレイン電極、すなわち画素電極118の電圧を低下させるフィールドスルー(プッシュダウン、突き抜け)が発生するが、仮に電圧LCcomを振幅中心の電圧Vcに一致させると、液晶素子120に印加される電圧の実効値は、フィールドスルーのために負極性の方が正極性よりも大きくなるので、これを相殺するためである。
また、走査信号G(1)〜G(m)におけるHレベルは、選択電圧VHであり、Lレベルは非選択電圧VLである。
【0023】
さらに、図3においては、i行目の走査信号G(i)がHレベルになったときのデータ信号Vaの電圧波形の一例についても示されている。本実施形態では、液晶素子120をノーマリーブラックモードとしているので、データ信号Vaは、正極性であれば、黒レベルの電圧Vb(+)から白レベルの電圧Vw(+)までの範囲であって、明るくなるように指定されるにつれて電圧Vcを基準に高位側の電圧となる(図において上向きの矢印で示される電圧)。一方、データ信号Vaは、負極性であれば、黒レベルの電圧Vb(-)から白レベルの電圧Vw(-)までの範囲であって、明るくなるように指定されるにつれて電圧Vcを基準に低位側の電圧となる(図において下向きの矢印で示される電圧)。
また、図3のデータ信号Vaにおいて、例えば(i,4)という表記は、i行4列の画素に対応する、という意味を示している。
【0024】
続いて、本発明の特徴部分である抵抗膜50およびその周辺について図4から図7までを参照して説明する。
このうち、図4は、液晶パネル100の外観構成を示す斜視図であり、図5は、液晶パネル100の構成を示す平面図であり、図6は、図5におけるK−k線で液晶パネル100を破断した断面図である。
液晶パネル100は、特に図6に示されるように、素子基板101と対向基板102とが、スペーサー(図示省略)を分散させたシール材80によって一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に例えばVA(Vertical Alignment)型の液晶105を挟持した構造になっている。
【0025】
図4および図5に示されるように、素子基板101と対向基板102とは、素子基板101の手前側(−Y方向)の一辺が対向基板102から張り出している。この張り出した領域においてX方向に沿って複数の端子107が設けられている。複数の端子107は、FPC(Flexible Printed Circuits)基板を介して、制御回路2や、D/A変換回路3、温度情報変換回路4、図示省略した電源回路などに接続されている。
【0026】
図5に示されるように、シール材80は、平面視で対向基板102の縁辺に沿って額縁状に形成されるが、液晶105の注入口において、その一部が開口している。このため、液晶105の注入後に、注入口が、例えば紫外線硬化樹脂などの封止材92によって封止されている。また、第1導通材91aおよび第2導通材91bが設けられる地点は、枠状に形成されるシール材80の四隅であって外側である。詳細には、第1導通材91aは、四隅のうち対角位置の2箇所にそれぞれ設けられ、第2導通材91bは、四隅のうち残りの2箇所にそれぞれ設けられている。なお、第1導通材91aおよび第2導通材91bには、例えば銀ペーストが用いられる。
【0027】
さて、図6に示されるように、素子基板101のうち、対向基板102と対向する面には、画素電極118が、例えばITOなどの透明導電膜から形成されている。なお、ITOは、レアメタルのインジウムを用いているので、ITOの代替え材料として、酸化亜鉛、酸化錫(いわゆるNESA)などを用いても良い。
画素電極118は、上記透明導電膜を平面視で矩形にパターニングしたものである。
配線72aは、1つの端子107から第1導通材91aが設けられる地点まで引き回されている。なお、本実施形態において配線72aは、2系統設けられており、これらは電気的に独立している。
配線72bは、別の端子107から第2導通材91bが設けられる地点まで引き回されている。なお、配線72bについても、2系統設けられているが、同じ電圧LCcomを給電するものであるから、互いに接続して電気的に共通としても良い。
画素電極118や配線72a、72bの表面を覆うように保護膜(パッシベーション膜)11が形成されているが、第1導通材91aおよび第2導通材91bが設けられる部分では、プラズマエッチングなどによって除去されている。これによって、第1導通材91aが設けられる部分では、配線72aが露出し、第2導通材91bが設けられる部分では、配線72bが露出することになる。
なお、素子基板101には、走査線112、データ線114、TFT116などが設けられるが、これらの配線についての断面構造については、図6において省略している。配向膜についても同様に省略している。
【0028】
一方、対向基板102のうち、素子基板101と対向する面には、表示領域Aの外側領域を見切るために遮光膜95が設けられ、さらに、遮光膜95や基板の表面を覆うように、シリコン酸化膜などからなる第1絶縁膜21が形成されている。第1絶縁膜21の表面には、上述したような透明導電膜が形成されるとともに、当該透明導電膜のパターニングによって抵抗膜50が設けられている。
さらに、抵抗膜50や第1絶縁膜21の表面には、第2絶縁膜22が形成されている。
第2絶縁膜22の表面には、透明導電膜が形成されるとともに、当該透明導電膜のパターニングによってコモン電極108が設けられている。
抵抗膜50は、その抵抗値によって温度を検出するために設けられるので、高い抵抗値が好ましいが、コモン電極108は、すべての液晶素子120の他端に共通の電圧LCcomを印加するために設けられるので、低い抵抗値が要求される。抵抗膜50を構成する透明導電膜とコモン電極108を構成する透明導電膜とは必ずしも同一材料を用いる必要がないが、同一材料を用いる場合には、抵抗膜50を構成する透明導電膜を、コモン電極108を構成する透明導電膜よりも薄くなるように形成すれば良い。
次に、抵抗膜50およびコモン電極108を平面視したときのパターニング形状について説明する。
【0029】
図7は、素子基板101との貼り合わせ前の状態において、対向基板102の抵抗膜50およびコモン電極108のパターニング形状をそれぞれ示す平面図である。なお、図7は、液晶パネル100の平面図を示す図5とは異なり、対向基板102を、素子基板101側から観察した状態で示している。このため、対向基板102において抵抗膜50およびコモン電極108は、図5では紙面奥側に位置しているのに対して、図7では紙面手前側に位置することになる。また、図7において、遮光膜95、第1絶縁膜21、第2絶縁膜22および保護膜31については、説明理解のために省略している。
本実施形態において抵抗膜50は、図7に示されるように、平面視で第1導通材91aおよび第2導通材91bが設けられる四隅を含み、かつ、対向基板102の縁辺を除いた長方形にパターニングされている。一方、コモン電極108は、抵抗膜50とほぼ同形状であるが、第1導通材91aが設けられる2箇所の地点で切り欠かれるようにパターニングされている。
【0030】
説明を再び図6に戻すと、保護膜31が、コモン電極108や第2絶縁膜22の表面を覆うように形成されている。ただし、第1導通材91aが設けられる部分では、保護膜31および第2絶縁膜22がプラズマエッチングなどによって除去されている。これによって、第1導通材91aが設けられる部分では、抵抗膜50が露出することになる。
また、第2導通材91bが設けられる部分では、保護膜31だけが同様に除去されている。これによって、第2導通材91bが設けられる部分では、コモン電極108が露出することになる。
なお、対向基板102には、ほかに配向膜も設けられるが、素子基板101と同様に省略している。
【0031】
素子基板101に例えば第1導通材91aおよび第2導通材91bがディスペンサーや印刷により塗布され、対向基板102にシール材80が塗布されて、両基板が位置合わせされた上で貼り合わせられる。この後、注入口を介して液晶105が注入されて、当該注入口が封止材92で封止される。
【0032】
本実施形態では、抵抗膜50に電流を流したときに生じる電圧降下分Vfによって、液晶パネル100の温度を検出することができる。このとき、抵抗膜50は、第2絶縁膜22によってコモン電極108と電気的に絶縁されているので、抵抗膜50に電流を流しても、表示になんら影響を与えることはない。換言すれば、電流を流すことによって抵抗膜50の両端に大きな電位勾配が発生しても、表示に影響を与えなることはない。このため、温度測定時に大きな電位勾配をかけて、検出精度を高めることも可能である。また、抵抗膜50は、表示領域Aをくまなく覆っているので、表示領域Aの温度を精度良く検出することが可能である。
【0033】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶パネルについて説明する。この第2実施形態では、対向基板102の一部について構造を変更したものであり、それ以外については第1実施形態と共通である。
このため、第2実施形態に係る液晶パネルの外観構成については、図4に示した第1実施形態と共通であり、また、平面構成についても、図5に示した第1実施形態と共通である。そこで、第2実施形態については、対向基板102の相違部分を中心に説明することにする。
【0034】
図8および図9を参照して説明する。図8は、第2実施形態に係る液晶パネル100において、素子基板101との貼り合わせ前状態で対向基板102の抵抗膜50およびコモン電極108のパターニング形状を示す平面図である。なお、図8は、図7と同様に、対向基板102を素子基板101側から観察した状態で示している。
また、図9は、液晶パネル100の要部構成を断面図である。なお、図9は、図6と同様に、図5におけるK−k線で液晶パネル100を破断した場合の構造を示している。
【0035】
第2実施形態に係る液晶パネル100のうち、対向基板102における抵抗膜50は、図8に示されるように、第1実施形態(図7参照)と比較して、第2導通材91bが設けられる2箇所の地点で切り欠かれるようにパターニングされている。一方、コモン電極108については、第1実施形態(図7参照)と同じ形状にパターニングされている。このため、第2導通材91bが設けられる地点において、コモン電極108の下地には、抵抗膜50が設けられていない。
【0036】
図9に示されるように、対向基板102のうち、素子基板101と対向する面には、遮光膜95および第1絶縁膜21が第1実施形態(図6参照)と同様に形成されている。第1絶縁膜21の表面には、透明導電膜が形成されるとともに、平面視で図8に示されるようにパターニングされた抵抗膜50が設けられている。
さらに、抵抗膜50や第1絶縁膜21の表面には、第2絶縁膜22が形成されている。ただし、第2導通材91bが設けられる部分では、第2絶縁膜22がプラズマエッチングなどによって除去されている。これによって、第2導通材91bが設けられる部分では、第1絶縁膜21が露出することになる。
【0037】
次に、第1絶縁膜21および第2絶縁膜22の表面には、透明導電膜が形成されるとともに、当該透明導電膜のパターニングによってコモン電極108が設けられている。
ここで、第2導通材91bが設けられる部分には、抵抗膜50および第2絶縁膜22が除去されているので、この部分では、コモン電極108は、第1絶縁膜21の表面に形成されることになる。
そして、保護膜31が、コモン電極108や第2絶縁膜22の表面を覆うように形成されている。ただし、第1導通材91aが設けられる部分では、保護膜31および第2絶縁膜22がプラズマエッチングなどによって除去されている。これによって、第1導通材91aが設けられる部分では、抵抗膜50が露出することになる。
また、第2導通材91bが設けられる部分では、保護膜31が同様に除去されている。これによって、第2導通材91bが設けられる部分では、第1絶縁膜21の表面に形成されたコモン電極108が露出することになる。
以降、第1導通材91a、第2導通材91bおよびシール材80の形成、貼り合わせ、液晶105の注入については、第1実施形態と共通である。
【0038】
第2実施形態において、第1導通材91aが設けられる部分において接続対象である抵抗膜50は、第1絶縁膜21の表面に形成されている。第2導通材91bが設けられる部分においても接続対象であるコモン電極108は、同様に第1絶縁膜21の表面に形成されている。
このため、シール材80のほかに、第1導通材91aおよび第2導通材91bにスペーサーを混入させて、素子基板101と対向基板102との間隙を所定値に保たせる場合に、第1導通材91aおよび第2導通材91bを共通化できる。したがって、第2実施形態によれば、第1導通材91aおよび第2導通材91bをディスペンサーで塗布する場合には、用いるディスペンサーを共用化できるし、また、印刷であれば、1回の印刷で同時に形成できるので、製造プロセスの複雑化を避けることが可能になる。
【0039】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る液晶パネルについて説明する。この第3実施形態および以降の第4実施形態については、第2実施形態に係る対向基板102の抵抗膜50のパターニング形状を変更したものであり、それ以外については第2実施形態と共通である。このため、第3実施形態および第4実施形態に係る液晶パネルの外観構成については、図4に示した第1実施形態と共通であり、また、平面構成についても、図5に示した第1実施形態と共通である。そこで、第3実施形態および第4実施形態については、対向基板102における抵抗膜50のパターニング形状を中心に説明することにする。
【0040】
図10は、第3実施形態に係る液晶パネル100のうち、対向基板102における抵抗膜のパターニング形状を示す平面図である。なお、この図において、コモン電極108のパターニング形状については、図8に示した第2実施形態と同じであるので、一部の表示を省略している。
図10に示されるように、第3実施形態においては、抵抗膜50は、次のような部分を有するようにパターニングされている。
すなわち、抵抗膜50は、シール対応部分51、52と、素子基板101に設けられた画素電極118と対向する画素対応部分53と、画素対応部分53同士を接続する第1接続部分54と、シール対応部分51、52のいずれかと画素対応部分53とを接続する第2接続部分55と、を含むようにパターニングされている。
シール対応部分51、52は、枠状のシール材80に重なる領域に設けられるが、図においてパネルの左右中心付近の上および下側の2箇所で切り目が入れられて互いに分割されている。2箇所の切れ目のうち、図において下側の切れ目は、注入口93の開口部分に設けられている。下側の切れ目の幅をW1とし、上側の切れ目の幅をW2としたときに、W1>W2となっている。
なお、注入口93については、切れ目によって抵抗膜50が設けられないので、第2絶縁膜22および保護膜31についても除去しても良い。
【0041】
また、画素対応部分53は、図に示されるように左上隅に位置する部分から右上隅に位置する部分まで、上下の交互反転を繰り返しながら第1接続部分54によって電気的に連結されている。
詳細には、画素対応部分53のうち、図において上端に位置するもの(左上隅および右上隅に位置するものを除く)は、左側または右側のいずれかに位置するものと、下側に位置するものとに、それぞれ第1接続部分54によって接続され、下端に位置するものは、左側または右側のいずれかに位置するものと、上側に位置するものとに、それぞれ第1接続部分54によって接続される。また、画素対応部分53のうち、図において上端および下端以外に位置するものは、上側および下側に位置するものと、それぞれ第1接続部分54によってそれぞれ接続される。
なお、第2接続部分55は、本実施形態では2箇所あり、そのうち1箇所は、図において左側のシール対応部分51と左上隅に位置する画素対応部分53とを接続する部分であり、他の1箇所は、右側のシール対応部分52と右上隅に位置する画素対応部分53とを接続する部分である。
また、図10において、画素対応部分53については縦8行×横12列で配列しているが、これは、説明の簡略化のためであり、実際には、画素110(画素電極118)に対向するように縦m行×横n列で配列している。
【0042】
抵抗膜50は、第1または第2実施形態ではベタ状であったが、第3実施形態では、電気的にみて、左上隅に位置する部分から右上隅に位置する部分まで延在する細長い抵抗体になるので、比較的大きな抵抗値を持たせることができる。
シール材80は、抵抗膜50(シール対応部分51、52)が設けられる部分に位置する。このため、シール材80は、高さが揃えられた状態で形成されるので、セル厚の均一化が図られる。なお、シール対応部分51、52の2箇所ある切れ目のうち、1箇所は、シール材80の開口である注入口93に配置しているので、セル厚に与える影響は小さい。
また、注入口93においては抵抗膜50が存在しないので、その分、液晶の封入時において液道(液体の通り道)が確保される。さらに、注入口93における切れ目の幅W1は、切れ目の幅W2よりも広い。このため、液晶の注入性を高めて、生産性を向上させることも可能になる。
【0043】
<第4実施形態>
第3実施形態において、上端および下端以外に位置する画素対応部分53では、第1接続部分54が上側および下側の2箇所のみに位置する。抵抗膜50を構成する透明導電膜では、反射率がゼロではないので、透過光のごく一部が反射する。このため、表示領域Aを観察する角度によっては、第1接続部分54が視認される場合もあれば、されない場合もあり、観察者に一種の違和感を与える可能性がある。
【0044】
そこで、図11に示されるように、上端、下端、左端および右端以外に位置する画素対応部分53に、第1接続部分54を上側、下側、左側および右側の四方向にそれぞれ設ける。このようにすると、第1接続部分54は、観察角度によって変化が生じにくい等方性となるので、観察者に与える違和感を小さく抑えることが可能になる。
また、この第4実施形態でも、第1実施形態および第2実施形態と比較して、抵抗膜50の抵抗値を大きくすることが可能である。
【0045】
なお、第4実施形態では、抵抗値をかせぐために、2箇所ある第2接続部分55の各々を、第1導通材91aが設けられない方の画素対応部分53に配置させている。すなわち、シール対応部分51では、左下隅に第1導通材91aが設けられるので、左上隅に位置する画素対応部分53と第2接続部分55によって接続されている。同様に、シール対応部分52では、右上隅に第1導通材91aが設けられるので、左下隅に位置する画素対応部分53と第2接続部分55によって接続されている。
また、第3実施形態および第4実施形態については、対向基板102における抵抗膜50を、第2実施形態のパターニング形状から変更したもの、として説明したが、第1実施形態のパターニング形状から変更したものとしても良いのはもちろんである。
【0046】
<応用例・変形例>
本発明は、上述した実施形態に限られず、次のような応用・変形が可能である。
また、液晶素子120については、ノーマリーブラックモードではなくノーマリーホワイトモードとしても良いし、透過型ではなく、反射型としても良い。
本発明は、抵抗膜50に対し絶縁膜を介し、複数の画素110にわたって共通のコモン電極108を有する構成に適用可能である。このため、本発明は、例えば画素電極とコモン電極とで無機または有機EL(Electro Luminescence)層を挟持したEL装置や、画素電極とコモン電極とで電気泳動物質を挟持した電気泳動装置などにも適用可能である。
【0047】
<電子機器>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置1を適用した電子機器について、プロジェクターを例にとって説明する。
図12は、プロジェクターの構成を示す平面図である。
この図に示されるように、プロジェクター2100の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット2102が設けられている。このランプユニット2102から射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)色、G(緑)色、B(青)色の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して導かれる。
【0048】
このプロジェクター2100では、実施形態に係る電気光学装置が、R色、G色、B色のそれぞれに対応して3組設けられる。そして、R色、G色、B色のそれぞれに対応する映像信号がそれぞれ上位装置から供給される。ライトバルブ100R、100Gおよび100Bは、上述した液晶パネル100と同様であり、R色、G色、B色のそれぞれに対応する映像信号に応じて駆動される。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。したがって、各色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ2114によってカラー画像が投射されることとなる。
【0049】
ライトバルブ100R、100Gおよび100Bには、ダイクロイックミラー2108によって、R色、G色、B色のそれぞれに対応する光が入射するので、カラーフィルターを設ける必要はない。また、ライトバルブ100R、100Bの透過像は、ダイクロイックプリズム2112により反射した後に投射されるのに対し、ライトバルブ100Gの透過像はそのまま投射されるので、ライトバルブ100R、100Bによる水平走査方向は、ライトバルブ100Gによる水平走査方向と逆向きにして、左右を反転させた像を表示する構成となっている。
【0050】
なお、電子機器としては、図12を参照して説明したプロジェクターの他、電子ビューファインダーや、リヤ・プロジェクション型のテレビジョン、ヘッドマウントディスプレイなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0051】
1…電気光学装置、2…制御回路、3…D/A変換回路、4…温度情報変換回路、21…第1絶縁膜、22…第2絶縁膜、50…抵抗膜、51、52…シール対応部分、53…画素対応部分、54…第1接続部分、55…第2接続部分、72a、72b…配線、91a…第1導通材、91b…第2導通材、93…注入口、100…液晶パネル、105…液晶、108…コモン電極、110…画素、112…走査線、114…データ線、118…画素電極、120…液晶素子、130…走査線駆動回路、140…テータ線駆動回路、2100…プロジェクター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素と、
透明性を有し、前記複数の画素が配列する領域に設けられた抵抗膜と、
透明性を有し、前記抵抗膜に対し絶縁膜を介して設けられ、前記複数の画素にわたって共通のコモン電極と、
を具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記複数の画素の各々に対応する画素電極が設けられた第1基板と、
前記抵抗膜、前記絶縁膜および前記コモン電極が設けられた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とで挟持された電気光学物質と、
前記第2基板に設けられた抵抗膜の異なる2地点を、前記第1基板に設けられた配線に、それぞれ個別に導通させる第1導通材を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2基板に設けられたコモン電極を前記第1基板に設けられた配線に導通させる第2導通材を有し、
前記第1導通材が設けられる領域では、前記コモン電極および前記絶縁膜が除去されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記2地点における電位差を検出して、温度情報に変換する温度情報変換回路を有する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1基板と前記第2基板とは、平面視したときに注入口で開いた枠状のシール材によって貼り合わせられ、
前記抵抗膜は、平面視で、
前記シール材に重なる領域に設けられる2つのシール対応部分と、
前記画素電極の各々に対応する画素対応部分と、
前記画素対応部分同士を接続する第1接続部分と、
前記画素対応部分および前記2つのシール対応部分のいずれかとを接続する第2接続部分と、を含む
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記第1接続部分は、
平面視で、縦または横側で隣り合う前記画素対応部分同士を接続する
ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記第1接続部分は、
平面視で、縦および横側で隣り合う前記画素対応部分同士を接続する
ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記シール対応部分の隙間のうち、一の隙間は、前記注入口に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記一の隙間は、他の隙間よりも平面視で広い
ことを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の電気光学装置を有する
ことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−198378(P2012−198378A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62397(P2011−62397)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】