説明

電気光学装置の製造方法、実装方法、電気光学装置の製造装置及び実装装置

【課題】
第1の基板に対する第2の基板の浮きを抑制した状態で第1の基板と第2の基板との正
確な位置合わせが可能な電気光学装置の製造方法、実装方法、電気光学装置の製造装置及
び実装装置を提供する。
【解決手段】
液晶パネル2に液晶パネル2より剛性の低い回路基板4の一部Sを重ねる配置工程(S
3)と、液晶パネル2の張り出し部21aに重なる回路基板4の一部Sを、非接着性テー
プ6により液晶パネル2側に押圧する押圧工程(S4)と、液晶パネル2と、押圧された
回路基板4の一部Sとを位置合わせする位置合わせ工程(S5)とを備えているので、例
えば非接着性テープ6により撓んだ一部Sを押圧し浮きをなくして平坦状にし、パネル側
アライメントマーク38と回路基板側アライメントマーク41とを正確に位置合わせをす
ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータや携帯電話機等の電子機器に用いられる電気光学装
置の製造方法、実装方法、電気光学装置の製造装置及び実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータや携帯電話機等といった電子機器の表示装置として電気
光学装置例えば液晶装置等が用いられている。液晶装置は、例えば液晶を保持する液晶パ
ネルと、液晶パネルに接続され半導体装置が実装された回路基板等を備えている。例えば
、半導体装置のアウターリードが薄く剛性がないため、アウターリードの製造時や回路基
板上への移載時(位置合わせ時)等にアウターリードに曲がりや浮きが発生し、接合不良
が生じやすい、という問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、半導体装置のアウターリード群の先端部に半田箔を固着さ
せ、それぞれのアウターリードを保持させて回路基板への移載時(位置合わせ時)等の曲
がりや浮きを防止しようとする技術が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平4−235290号公報(段落[0013]、図1)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、例えば、半田を用いた接合には適用可能であるが、
半導体装置等の端子のピッチ化の要求に伴い近年増えつつある異方性導電膜等の接着剤を
用いた接続には適用することができない、という問題がある。
【0005】
また、例えば、液晶装置の液晶パネルと、液晶パネルより柔らかい例えば回路基板とを
異方性導電膜等の接着剤を用いて接続するために、液晶パネルに回路基板の一端部を重ね
て配置したとき等に、回路基板が撓んで液晶パネルから浮き上がる等することがあるが、
この撓んだ部分に例えばアライメントマークがある場合には、アライメントマークを認識
しづらくなる等して、正確な位置合わせをすることが困難になる、という問題がある。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされるもので、第1の基板に対する第2の基板の浮き
を抑制した状態で第1の基板と第2の基板との正確な位置合わせが可能な電気光学装置の
製造方法、実装方法、電気光学装置の製造装置及び実装装置を提供することを目的とする

【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の主たる観点に係る電気光学装置の製造方法は、第
1の基板に前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部を重ねる配置工程と、前記第
1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、非接着性部材により前記第1の基板側に押
圧する押圧工程と、前記第1の基板と、押圧された前記第2の基板とを位置合わせする位
置合わせ工程とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明では、第1の基板に第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部を重ねる配置工
程と、第1の基板に重なる第2基板の一部を、非接着性部材により第1の基板側に押圧す
る押圧工程とを備えている。このため、例えば配置工程後に第2の基板の一部が撓んで第
1の基板上に浮く等して配置されている場合等に、この撓んだ第2の基板の一部を押圧工
程で非接着性部材により押圧し浮きをなくして平坦状にし、例えば第1の基板側に備えら
れたアライメントマークと第2の基板側に備えられたアライメントマークとを近づけカメ
ラからのこれらのアライメントマークの距離を略同じにすることができる
【0009】
また、第1の基板と、押圧された第2の基板とを位置合わせする位置合わせ工程を備え
ているので、例えば第2の基板が撓んでアライメントマーク同士が離れている場合にこれ
らのアライメントマークとカメラとの距離が異なってしまいアライメントマークを認識し
にくく正確な位置合わせがし難いのに比べて、これらのアライメントマーク同士が近づい
たことでカメラからの距離を略同じになり認識し易くなった第1の基板のアライメントマ
ークと第2の基板のアライメントマークとの位置を正確に認識しながら第1の基板のアラ
イメントマークと第2の基板のアライメントマークとを正確に位置合わせをすることがで
きる。
【0010】
本発明の一の形態によれば、前記位置合わせ工程後に、圧着部材により、前記非接着性
部材を介して前記第2の基板の前記一部を押圧することで、前記第1の基板に前記第2の
基板の前記一部を圧着する圧着工程を更に具備することを特徴とする。これにより、位置
合わせ工程後に、圧着部材により、非接着性部材を介して第2の基板の一部を押圧するこ
とで、第1の基板に第2の基板の一部を圧着する圧着工程を更に備えるので、例えば、第
2の基板の一部を押圧するために用いた非接着性部材を用いて、圧着工程時における接着
材等による圧着部材の汚れを防止することができる。例えば、第1の基板と第2の基板の
一部との間に接着材を介して圧着する場合に、第1の基板と第2の基板の一部との間から
接着剤が押し出されても、圧着部材と、第2の基板の一部との間に非接着性部材が介され
ているため、押し出された接着剤が圧着部材に接着することを非接着性部材により防止し
つつ第1の基板に第2の基板の一部を接着剤により接着することができる。従って、例え
ば大量生産する場合等に接着剤が付着した圧着部材により第2の基板の一部を押圧するこ
とを防止し、接着剤が付着していない圧着部材により例えば均一的に第2の基板の一部を
押圧し、第2の基板の一部を第1の基板に圧着することができる。
【0011】
また、押圧工程により非接着性部材で第2の基板の一部を押圧したままの状態で、位置
合わせ工程及び圧着工程を行うことで、例えば圧着工程の直前に非接着性部材を第2の基
板の一部から離す場合に比べて、位置合わせ工程後圧着工程前に位置ずれが生じることを
防止することができる。
【0012】
本発明の一の形態によれば、前記第1の基板は前記位置合わせ工程で用いられる第1の
アライメントマークを有し、前記第2の基板の前記一部は前記位置合わせ工程で用いられ
る第2のアライメントマークを有し、前記位置合わせ工程では、前記第1のアライメント
マークと、前記第2のアライメントマークとを位置合わせすることを特徴とする。これに
より、第1の基板は位置合わせ工程で用いられる第1のアライメントマークを有し、第2
の基板の一部は位置合わせ工程で用いられる第2のアライメントマークを有し、位置合わ
せ工程では、第1のアライメントマークと、第2のアライメントマークとを位置合わせす
るので、例えば、押圧工程により第2の基板の一部を平坦化することで、第1のアライメ
ントマークと第2のアライメントマークとを近づけ例えばカメラからのこれらのマークの
距離を略同じにすることができ、第1のアライメントマークと第2のアライメントマーク
とを正確に認識して位置合わせ工程で正確に位置合わせすることができる。また、例えば
、第1の基板の第2の基板側の面に第1のアライメントマークを配置し、第2の基板の一
部の第1の基板側の面に第2のアライメントマークを配置することで、押圧工程で第2の
基板を平坦状にしたときに、第1のアライメントマークと第2のアライメントマークとが
対向するようにすることができ、より正確に第1のアライメントマークと第2のアライメ
ントマークとの位置ずれを認識し正確な位置合わせをすることができる。
【0013】
本発明の一の形態によれば、前記押圧工程により、前記第2の基板の前記一部を、前記
第1の基板に重なるように平坦状にすることを特徴とする。これにより、押圧工程により
、第2の基板の一部を、第1の基板に重なるように平坦状にするので、例えば確実に第1
の基板のアライメントマークと第2の基板のアライメントマークとを近づけ、例えばカメ
ラからのこれらのマークの距離を略同じにし、略完全にこれらのアライメントマークが一
致するように位置合わせを行うことができる。
【0014】
本発明の一の形態によれば、前記第1の基板は電気光学装置用基板であり、前記第2の
基板は可撓性基板であることを特徴とする。これにより、第1の基板は電気光学装置用基
板であり、第2の基板は可撓性基板であるので、液晶パネルに可撓性基板を例えば接着剤
等を介して接続して電気光学装置を製造するときに、液晶パネルと、可撓性基板との正確
な位置合わせをすることができ、例えば液晶パネル側の端子等の狭ピッチ化の要求に応え
ることができる。
【0015】
本発明の一の形態によれば、前記非接着性部材は、テープ状であり、回転可能なリール
に巻回されており、前記圧着工程後に、前記非接着性部材を前記リールから引き出す工程
を更に具備することを特徴とする。これにより、非接着性部材は、テープ状であり、回転
可能なリールに巻回されており、圧着工程後に、非接着性部材をリールから引き出す工程
を更に備えるので、例えば、圧着工程時に圧着部材によりテープ状の非接着性部材が押圧
されても、圧着工程後にテープ状の非接着性部材が第2の基板の一部に接着することがな
く、テープ状の非接着性部材を第2の基板の一部から剥離する工程を必要とすることなく
、後工程に進むことができる。また、第1の基板と第2の基板の一部との接着剤を介した
接続を大量に行う場合には、例えば配置工程、押圧工程及び圧着工程を行った後等に、リ
ールを回すことで、使用済みのテープ状の非接着性部材を回収し未使用のテープ状の非接
着部材を引き出すことができ、生産性を向上させることができる。使用済みのテープ状の
非接着性部材は圧着部材による圧着により変形しているのに対して、未使用のテープ状の
非接着性部材は平坦状であり、押圧工程時や圧着工程時に未使用のテープ状の非接着性部
材を用いることで適切に圧着を行うことができる。
【0016】
本発明の他の観点に係る実装方法は、第1の基板に前記第1の基板より剛性の低い第2
の基板の一部を重ねる配置工程と、前記第1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、
非接着性部材により前記第1の基板側に押圧する押圧工程と、前記第1の基板と、押圧さ
れた前記第2の基板とを位置合わせする位置合わせ工程と、前記位置合わせ工程後に、圧
着部材により、前記非接着性部材を介して前記第2の基板の前記一部を押圧することで、
前記第1の基板に前記第2の基板の前記一部を圧着する圧着工程とを具備することを特徴
とする。
【0017】
本発明では、第1の基板に第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部を重ねる配置工
程と、第1の基板に重なる第2基板の一部を、非接着性部材により第1の基板側に押圧す
る押圧工程とを備えている。このため、例えば配置工程後に第2の基板の一部が撓んで第
1の基板上に浮く等して配置されている場合等に、この撓んだ第2の基板の一部を押圧工
程で非接着性部材により押圧し浮きをなくて平坦状にし、例えば第1の基板側に備えられ
たアライメントマークと第2の基板側に備えられたアライメントマークとを近づけカメラ
からのこれらのアライメントマークの距離を略同じにすることができる。
【0018】
また、第1の基板と、押圧された第2の基板とを位置合わせする位置合わせ工程を備え
ているので、例えば第2の基板が撓んでアライメントマーク同士が離れている場合にカメ
ラからのこれらのアライメントマークの距離が異なってしまいアライメントマークを認識
しにくく正確な位置合わせがし難いのに比べて、これらのアライメントマークが近づいた
ことでカメラからの距離が略同じになり認識し易くなった第1の基板のアライメントマー
クと第2の基板のアライメントマークとの位置を正確に認識しながら第1の基板のアライ
メントマークと第2の基板のアライメントマークとを正確に位置合わせをすることができ
る。
【0019】
また、位置合わせ工程後に、圧着部材により、非接着性部材を介して第2の基板の一部
を押圧することで、第1の基板に第2の基板の一部を圧着する圧着工程を更に備えるので
、例えば、第2の基板の一部を押圧するために用いた非接着性部材を用いて、圧着工程時
における接着材等による圧着部材の汚れを防止することができる。例えば、第1の基板と
第2の基板の一部との間に接着材を介して圧着する場合に、第1の基板と第2の基板の一
部との間から接着剤が押し出されても、圧着部材と、第2の基板の一部との間に非接着性
部材が介されているため、押し出された接着剤が圧着部材に接着することを非接着性部材
により防止しつつ第1の基板に第2の基板の一部を接着剤により接着することができる。
従って、例えば大量生産する場合等に接着剤が付着した圧着部材により第2の基板の一部
を押圧することを防止し、接着剤が付着していない圧着部材により例えば均一的に第2の
基板の一部を押圧し、第2の基板の一部を第1の基板に圧着することができる。
【0020】
本発明の他の観点に係る電気光学装置の製造装置は、第1の基板が載置されると共に移
動可能な第1のステージと、前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部が前記第1
の基板に重なるように、前記第2の基板が載置されると共に移動可能な第2のステージと
、前記第1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、前記第1の基板側に押圧する非接
着性部材と、前記第1の基板と前記第2の基板との位置を認識するための認識部とを具備
することを特徴とする。
【0021】
本発明では、第1の基板が載置されると共に移動可能な第1のステージと、第1の基板
より剛性の低い第2の基板の一部が第1の基板に重なるように、第2の基板が載置される
と共に移動可能な第2のステージと、第1の基板に重なる第2基板の一部を、第1の基板
側に押圧する非接着性部材と、第1の基板と第2の基板との位置を認識するための認識部
とを備えるので、例えば第2のステージ上の第2の基板の一部が撓んで第1のステージ上
の第1の基板上に浮く等して配置されている場合等に、この撓んだ第2の基板の一部を非
接着性部材により押圧し浮きをなくして平坦状にし、例えば第1の基板側に備えられたア
ライメントマークと第2の基板側に備えられたアライメントマークとを近づけ認識部から
のこれらのアライメントマークの距離を略同じにすることができると共に、例えば第2の
基板が撓んでアライメントマーク同士が離れている場合に認識部からのこれらのアライメ
ントマークの距離が異なってしまいアライメントマークを認識しにくく正確な位置合わせ
がし難いのに比べて、これらのアライメントマークが近づいたことで認識部からの距離を
略同じになり認識し易くなった第1の基板のアライメントマークと第2の基板のアライメ
ントマークとの位置を正確に認識しながら第1の基板のアライメントマークと第2の基板
のアライメントマークとを正確に位置合わせをすることができる。
【0022】
本発明の他の観点に係る実装装置は、第1の基板が載置されると共に移動可能な第1の
ステージと、前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部が前記第1の基板に重なる
ように、前記第2の基板が載置されると共に移動可能な第2のステージと、前記第1の基
板に重なる前記第2基板の前記一部を、前記第1の基板側に押圧する非接着性部材と、前
記第1の基板と前記第2の基板との位置を認識するための認識部と、前記非接着性部材を
介して前記第2の基板の前記一部を前記第1の基板に対して圧着する圧着部材とを具備す
ることを特徴とする。
【0023】
本発明では、第1の基板が載置されると共に移動可能な第1のステージと、第1の基板
より剛性の低い第2の基板の一部が第1の基板に重なるように、第2の基板が載置される
と共に移動可能な第2のステージと、第1の基板に重なる第2基板の一部を、第1の基板
側に押圧する非接着性部材とを備えるので、例えば第2のステージ上の第2の基板が撓ん
で第1のステージ上の第1の基板上に浮く等して配置されている場合等に、この撓んだ第
2の基板を非接着性部材により押圧し浮きをなくして平坦状にし、例えば第1の基板側に
備えられたアライメントマークと第2の基板側に備えられたアライメントマークとを近づ
け認識部からのこれらのアライメントマークの距離を略同じにすることができると共に、
例えば第2の基板が撓んでアライメントマーク同士が離れている場合にカメラからのこれ
らのアライメントマークの距離が異なってしまいアライメントマークを認識しにくく正確
な位置合わせがし難いのに比べて、これらのアライメントマークが近づいたことでカメラ
からの距離を略同じになり認識し易くなった第1の基板のアライメントマークと第2の基
板のアライメントマークとの位置を正確に認識しながら第1の基板のアライメントマーク
と第2の基板のアライメントマークとを正確に位置合わせをすることができる。
【0024】
また、非接着性部材を介して第2の基板の一部を第1の基板に対して圧着する圧着部材
例えば圧着ヘッドを備えているので、例えば、第2の基板の一部を押圧するために用いた
非接着性部材を用いて、圧着部材による圧着時における接着材等による圧着部材の汚れを
防止することができる。例えば、第1の基板と第2の基板の一部との間に接着材を介して
圧着する場合に、第1の基板と第2の基板の一部との間から接着剤が押し出されても、圧
着部材と、第2の基板の一部との間に非接着性部材が介されているため、押し出された接
着剤が圧着部材に接着することを非接着性部材により防止しつつ第1の基板に第2の基板
の一部を接着剤により接着することができる。従って、例えば大量生産する場合等に接着
剤が付着した圧着部材により第2の基板の一部を押圧することを防止し、接着剤が付着し
ていない圧着部材により例えば均一的に第2の基板の一部を押圧し、第2の基板の一部を
第1の基板に圧着することができる。
【0025】
また、非接着性部材で第2の基板の一部を押圧したままの状態で、位置合わせ及び圧着
を行うことで、例えば圧着の直前に非接着性部材を第2の基板の一部から離間させる場合
に比べて、位置合わせ後圧着前に位置ずれが生じることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下実施形態を説明するにあ
たっては、電気光学装置としての液晶装置、具体的には反射半透過型のTFT(Thin
Film Transistor)アクティブマトリックス方式の液晶装置、液晶装置
の製造装置、液晶装置の製造方法について説明するが、これに限られるものではない。ま
た、以下の図面においては各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造におけ
る縮尺や数等が異なっている。なお、実装方法は、例えば液晶装置の製造方法として、実
装装置は液晶装置の製造装置として説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
【0028】
図1は第1の実施形態の液晶装置の製造装置のOLB(Outer Lead Bon
ding)接続装置の概略正面図、図2は図1のOLB接続装置のA−A断面図、図3は
図1のOLB接続装置の部分拡大平面図である。
【0029】
(液晶装置の製造装置の構成)
【0030】
液晶装置の製造装置は、後述する液晶パネルを製造するための図示を省略した液晶パネ
ル製造装置、液晶パネルに接続される後述する回路基板を製造する回路基板製造装置、液
晶パネルと回路基板とを接続するためのOLB接続装置1等を備えている。
【0031】
OLB接続装置1は、図1、図2に示すように、第1の基板としての液晶パネル2が載
置されると共に移動可能な第1のステージ3と、液晶パネル2より剛性の低い第2の基板
としての回路基板4の一部が液晶パネル2に重なるように、回路基板4が載置されると共
に移動可能な第2のステージ5と、液晶パネル2に重なる回路基板4の一部を、液晶パネ
ル2側に押圧する非接着性部材としての非接着性テープ6と、非接着性テープ6を回路基
板4側に例えば近づけるための押圧機構部7と、回路基板4の一部を液晶パネル2に圧着
する圧着部材としての圧着ヘッド8と、液晶パネル2と回路基板4との位置を認識するた
めのカメラ10とを備えている。なお、この他にも例えば、第1のステージ3と第2のス
テージ5との間に設けられ液晶パネル2を支持可能な支持部材9、未使用(後述する圧着
ヘッドによる押圧前)の非接着性テープ6が巻回された供給リール11、使用済み(後述
する圧着ヘッドによる押圧後)の非接着性テープ6を回収するために非接着性テープ6を
巻き取る巻き取りリール12を備えている。
【0032】
第1のステージ3は、図2に示すように、例えば液晶パネル2が載置された状態で第1
のステージ3の上面と平行な面内の2つの交差する軸方向(図2のX方向及びY方向)に
移動可能に設けられていると共に、この面内で回転可能に設けられている。
【0033】
第2のステージ5は、図2に示すように、例えば回路基板4が載置された状態で第2の
ステージ5の上面と平行な面内の2つの交差する軸方向(図2のX方向及びY方向)に移
動可能に設けられていると共に、この面内で回転可能に設けられている。例えば、後述す
る押圧工程や位置合わせ工程時等には、第2のステージ5の上面は、図2に示すように、
第1のステージ3の上面より、例えば液晶パネル2の後述する基板21の厚さ分だけZ方
向上方に配置されている。
【0034】
非接着性テープ6は、図1に示すように、供給リール11、巻き取りリール12に巻回
され、供給リール11と巻き取りリール12との間に張架されている。
【0035】
非接着性テープ6は、図3に示すように、例えば液晶パネル2の張り出し部21aに平
面的に重なる回路基板4の一部S(図3で斜線で示す)を覆うように設けられている。非
接着性テープ6は、回路基板4の一部Sの長手方向に平行に架け渡されている。非接着性
テープ6の幅wは、例えば張り出し部21aに貼り付けられた図3では図示しないACF
(anisotropic conductive film)が後述する加熱圧着工程
時に非接着性テープ6からはみ出すことがないように設定されている。
【0036】
非接着性テープ6は、例えば、非接着性及び耐熱性のテープである。非接着性テープ6
には、例えばふっ素樹脂製テープであるニトフロン(登録商標)テープが用いられている
。なお、非接着性テープ6は、これに限定されず、例えば、非接着性のポリイミドテープ
を用いるようにしてもよい。
【0037】
押圧機構部7は、非接着性テープ6を押下することができるように非接着性テープ6の
上方に上下動可能に設けられた2つのローラ7aと、ローラ7aを上下動させる図示しな
い駆動部とを備えている。
【0038】
ローラ7aは、図1に示すように、例えば第1のステージ3等の上流側と下流側とにそ
れぞれ回転可能に設けられている。2つのローラ7aは、例えば、一体的に上下動するよ
うに構成されている。
【0039】
ローラ7aは、図2に示すように、供給リール11と巻き取りリール12とを結ぶ方向
(図1のX方向)に交差する方向(図2のY方向)にずれずに非接着性テープ6を案内す
るためのガイド7bを備えている。ガイド7bは、例えば、非接着性テープ6の幅w方向
(図2のY方向)の両外側でローラ7aから鍔状に突出して設けられている。
【0040】
圧着ヘッド8は、液晶パネル2の後述する張り出し部21a及び回路基板4の一部Sを
、支持部材9とで挟み回路基板4を液晶パネル2に圧着することができるように、支持部
材9の上方で上下動可能に設けられている。なお、圧着ヘッド8は、図示しないヒーター
等の加熱装置により加熱されるように構成されている。
【0041】
支持部材9は、図2に示すように、第1のステージ3と、第2のステージ5との間に、
後述するOLB圧着工程時に液晶パネル2の後述する張り出し部21aを支持することが
できるように設けられている。後述するカメラ10が、図2に示すように、液晶パネル2
の後述するパネル側アライメントマーク38や回路基板4の後述する回路基板側アライメ
ントマーク41を、支持部材9を介して認識することができるように、支持部材9の構成
材料には、例えば、透光性の材料である石英(水晶)等が用いられている。
【0042】
カメラ10は、図1、図2に示すように、例えば支持部材9の下方に配置されている。
カメラ10は、液晶パネル2に設けられたパネル側アライメントマーク38と、回路基板
4に設けられた回路基板側アライメントマーク41との位置を認識するために用いられて
いる。
【0043】
供給リール11は、押圧機構部7の上流側に回転可能に設けられており、押圧機構部7
に供給される未使用(圧着ヘッド8による押圧前)の非接着性テープ6が巻回されている

【0044】
巻き取りリール12は、押圧機構部7の下流側に回転可能に設けられており、後述する
ように圧着ヘッド8により押圧された使用済みの非接着性テープ6が巻回されている。
【0045】
(液晶装置の構成)
【0046】
図4は液晶装置の製造装置を用いて製造された液晶装置の外観斜視図、図5は図4の液
晶装置のB−B断面図である。
【0047】
液晶装置20は、液晶パネル2と、液晶パネル2に接続された回路基板4とを備えてい
る。なお、液晶装置20は、液晶パネル2を支持する図示を省略したフレーム等のその他
の付帯機構が必要に応じて付設される。
【0048】
液晶パネル2は、基板21と、基板21に対向するように設けられた基板22と、基板
21、22の間に設けられたシール材26及び基板21、22により封止された図示しな
い液晶とを備えている。液晶には、例えばTN(Twisted Nematic)が用
いられている。
【0049】
基板21及び基板22は、例えばガラスや合成樹脂といった透光性を有する材料からな
る板状部材である。基板21の液晶側には、ゲート電極23、ソース電極24、薄膜トラ
ンジスタ素子T及び画素電極25が形成されており、基板22の液晶側には、共通電極2
2aが形成されている。
【0050】
ゲート電極23はX方向に、ソース電極24はY方向に、それぞれ例えばアルミニウム
等の金属材料等によって形成されている。ソース電極24は、例えば図4に示すように上
半分が左側に、下半分が右側に引き回されて形成されている。なお、ゲート電極23及び
ソース電極24の本数は、液晶装置20の解像度や表示領域の大きさに応じて適宜変更可
能である。
【0051】
薄膜トランジスタ素子Tは、ゲート電極23、ソース電極24及び画素電極25にそれ
ぞれ接続される3つの端子を備えている。薄膜トランジスタ素子Tは画素電極25、ゲー
ト電極23、ソース電極24に接続されている。これにより、ゲート電極23に電圧を印
加したときにソース電極24から画素電極25に又はその逆に電流が流れるように構成さ
れている。
【0052】
また、基板21は、基板22の外周縁から張り出した領域(以下、「張り出し部」と表
記する)21aを備えている。張り出し部21aの面上には、液晶を駆動するためのドラ
イバIC27、28及び29が実装されている。配線30はゲート電極23、配線31、
32はソース電極24にそれぞれ繋がっている。配線33は、図5に示すようにドライバ
IC27の入力用の端子34と、後述する回路基板4の配線45とにACF(Aniso
tropic Conductive Film)を介して接続することができるように
基板21に設けられている。例えば図5に示すように配線33の端部の端子33a、配線
30の端部の端子30aは、ドライバIC26の入出力用の端子34、35にACF47
を介して接続されている。例えば配線36、37の端部の図示を省略した端子、配線31
、32の端部の図示を省略した端子は、ドライバIC27、28の入出力用の図示を省略
した端子にACFを介して接続されている。
【0053】
張り出し部21aには、図4に示すように、液晶パネル2と回路基板4との後述する位
置合わせ工程時にカメラ10で認識されるパネル側アライメントマーク38が配置されて
いる。パネル側アライメントマーク38は、図2、図4に示すように、例えば基板21の
張り出し部21aの上面21b側に配置されている。パネル側アライメントマーク38の
形状は、例えば十字状や田の字状等を例示することができる。
【0054】
回路基板4は、液晶パネル2(の基板21等)より剛性が低い。回路基板4は、図4、
図5に示すように、可撓性を有する可撓性基材40を備えており、可撓性基材40には、
回路基板側アライメントマーク41、配線45が設けられている。回路基板側アライメン
トマーク41の形状は、例えば十字状や田の字状等を例示することができる。
【0055】
回路基板側アライメントマーク41は、液晶パネル2と回路基板4との後述する位置合
わせ工程時にカメラ10で認識されるように、図2に示すように、可撓性基材40の張り
出し部21aに対向する側の面40aに配置されている。
【0056】
回路基板4の配線45は、例えば一方が配線33の端子33a側の端部とは反対側の端
部に例えばACF等を介して接続されており、他方が回路基板4に実装された図示を省略
した半導体素子に接続されている。
【0057】
(液晶装置の製造方法)
【0058】
次に、液晶装置20の製造装置を用いた液晶装置20の製造方法について図面を参照し
ながら説明する。
【0059】
図6は液晶装置の製造装置を用いた液晶装置の製造工程を示すフローチャート、図7は
非接着性テープによる押圧工程(S4)を説明するための説明図、図8は図7のOLB接
続装置のC−C断面図、図9は圧着ヘッドによる圧着工程(S6)を説明するための断面
図である。なお、本実施形態では、液晶パネル2の製造工程(S1)及び回路基板4の製
造工程については公知技術と同様なのでその説明を省略し、非接着性テープ6で回路基板
4を押圧する押圧工程(S4)等について中心的に説明する。
【0060】
まず、公知技術と同様に液晶パネル2を製造し(S1)、公知技術と同様に回路基板4
を製造する(S2)。なお、液晶パネル2の張り出し部21aに、OLB接続のための図
2では図示しないACFを貼り付けておく。
【0061】
次に、図2に示すように、第1のステージ3上に液晶パネル2を載置すると共に、第2
のステージ5に回路基板4を載置する(S3)。
【0062】
次いで、押圧機構部7の図示しないモータを駆動させることで、図7、図8に示すよう
に、例えば2つのローラ7aを下降させ、2つのローラ7aにより非接着性テープ6を押
圧し非接着性テープ6を下降させる。これにより、図2に示すように、例えば、回路基板
4の一部Sが撓んで基板21の上面21bから浮いている場合に、非接着性テープ6によ
り回路基板4の一部Sを押圧し浮きをなくし、図8に示すように回路基板4を平坦状にす
る(S4)。
【0063】
次いで、図8に示すように、カメラ10により、パネル側アライメントマーク38と、
回路基板側アライメントマーク41とを認識することで、液晶パネル5と、回路基板4と
の位置ずれが生じているか否かを判断し、位置ずれが生じている場合には、第1のステー
ジ3及び第2のステージ5のうち少なくとも一方をXY方向に移動させたり、XY平面内
で回動させたりして、図3、図8に示すように、パネル側アライメントマーク38と、回
路基板側アライメントマーク41とを正確に位置合わせする(S5)。
【0064】
このとき、パネル側アライメントマーク38は、基板21の上面21b側に配置される
と共に、回路基板側アライメントマーク41は、上面21bに対向する側の可撓性基板4
0の面40aに配置されているため、位置合わせ時に、カメラ10からのパネル側アライ
メントマーク38と回路基板側アライメントマーク41との距離が略等しくなるように設
けられることになる。
【0065】
次に、図9に示すように、圧着ヘッド8により、非接着性テープ6を介して回路基板4
の一部Sを押圧することで、液晶パネル2の基板21に回路基板4の一部を加熱圧着する
(S6)。
【0066】
このとき、非接着性テープ6の幅wが、例えばACF47が非接着性テープ6からはみ
出すことがないように設定されているため、圧着ヘッド8と、ACF47とが接触するこ
とが防止される。
【0067】
加熱圧着工程(S6)後に、圧着ヘッド8を上方に退避させると、非接着性テープ6は
接着力がないため、回路基板4の一部Sや張り出し部21aから離れる。
【0068】
その後、例えば巻き取りリール12を回転させ、使用済みの非接着性テープ6を巻き取
りリール12に巻き取ると共に、未使用の非接着性テープ6を供給リール11から引き出
す。これにより、例えば大量生産を行う場合等の生産性が向上する。
【0069】
そして、図示しないバックライトやフレーム等を配置することで、液晶装置20を製造
する。
【0070】
以上で、液晶装置20の製造方法の説明を終了する。
【0071】
このように本実施形態によれば、液晶パネル2に液晶パネル2より剛性の低い回路基板
4の一部Sを重ねる配置工程(S3)と、液晶パネル2の張り出し部21aに重なる回路
基板4の一部Sを、非接着性テープ6により液晶パネル2側に押圧する押圧工程(S4)
とを備えている。このため、例えば配置工程(S3)後に回路基板4の一部Sが撓んで張
り出し部21a上に浮く等して配置されている場合等に、この撓んだ回路基板4の一部S
を押圧工程(S4)で非接着性テープ6により押圧し浮きをなくして平坦状にし、例えば
パネル側アライメントマーク38と回路基板側アライメントマーク41とを近づけカメラ
10からのパネル側アライメントマーク38、回路基板側アライメントマーク41の距離
を略同じにすることができる。
【0072】
また、液晶パネル2と、押圧された回路基板4の一部Sとを位置合わせする位置合わせ
工程(S5)を備えているので、例えば回路基板4の一部Sが撓んでパネル側アライメン
トマーク38と回路基板側アライメントマーク41とが離れている場合に例えばカメラ1
0からのパネル側アライメントマーク38、回路基板側アライメントマーク41の距離が
異なってしまい認識しにくく正確な位置合わせがし難いのに比べて、パネル側アライメン
トマーク38、回路基板側アライメントマーク41が互いに近づいたことで認識し易くな
ったパネル側アライメントマーク38と回路基板側アライメントマーク41との位置を正
確に認識しながらパネル側アライメントマーク38と回路基板側アライメントマーク41
とを正確に位置合わせをすることができる。
【0073】
また、位置合わせ工程(S5)後に、圧着ヘッド8により、非接着性テープ6を介して
回路基板4の一部Sを押圧することで、ACF47を介して回路基板4の一部Sを液晶パ
ネル2の張り出し部21aに圧着するOLB圧着工程(S6)を備えるので、例えば、回
路基板4の一部Sを押圧するために用いた非接着性テープ6を用いて、OLB圧着工程(
S6)時におけるACF47等による圧着ヘッド8の汚れを防止することができる。例え
ば、液晶パネル2の張り出し部21aと回路基板4の一部Sとの間からACF47が押し
出されても、圧着ヘッド8と、回路基板4の一部Sとの間に非接着性テープ6が介されて
いるため、押し出されたACF47が圧着ヘッド8に接着することを非接着性テープ6に
より防止しつつ液晶パネル2に回路基板4の一部SをACF47により接着することがで
きる。従って、例えば大量生産する場合等にACF47が付着した圧着ヘッド8により回
路基板4の一部Sを押圧することを防止し、ACF47が付着していない圧着ヘッド8に
より例えば均一的に回路基板4の一部Sを押圧し、回路基板4の一部Sを液晶パネル2に
圧着することができる。
【0074】
更に、液晶パネル2は位置合わせ工程(S5)で用いられるパネル側アライメントマー
ク38を備え、回路基板4の一部Sは位置合わせ工程(S5)で用いられる回路基板側ア
ライメントマーク41を備え、位置合わせ工程(S5)では、パネル側アライメントマー
ク38と、回路基板側アライメントマーク41とを位置合わせするので、例えば、押圧工
程(S4)により回路基板4の一部Sを平坦化することで、パネル側アライメントマーク
38と回路基板側アライメントマーク41とを近づけ例えばカメラ10からのこれらのマ
ーク38、41の距離を略同じにすることができ、パネル側アライメントマーク38と回
路基板側アライメントマーク41とを正確に認識して位置合わせ工程(S5)で正確に位
置合わせすることができる。また、例えば、基板21の回路基板4側の面である上面21
bにパネル側アライメントマーク38が配置され、回路基板4の一部Sの基板21側の面
に回路基板側アライメントマーク41が配置されていることで、押圧工程(S4)で回路
基板4を平坦状にしたときに、パネル側アライメントマーク38と回路基板側アライメン
トマーク41とが対向(対面)するようにすることができ、より正確にパネル側アライメ
ントマーク38と回路基板側アライメントマーク41との位置ずれを認識し正確な位置合
わせをすることができる。
【0075】
また、非接着性テープ6は、回転可能な供給リール11に巻回されており、OLB圧着
工程(S6)後に、非接着性テープ6を供給リール11から引き出す工程を更に備えるの
で、例えば、OLB圧着工程(S6)時に圧着ヘッド8により非接着性テープ6が押圧さ
れても、OLB圧着工程(S6)後に非接着性テープ6が回路基板4の一部Sに接着する
ことがない。従って、非接着性テープ6を回路基板4の一部Sから剥離する工程を必要と
することなく、後工程に進むことができる。また、液晶パネル2と回路基板4の一部Sと
のACF47を介した接続を大量に行う場合には、例えばOLB圧着工程(S6)を行っ
た後等に、例えばローラ7a、圧着ヘッド8を退避させ、巻き取りリール12を回転させ
ることで、使用済みの非接着性テープ6を回収し未使用の非接着テープ6を引き出すこと
ができ、生産性を向上させることができる。使用済みの非接着性テープ6は圧着ヘッド8
による圧着により変形しているのに対して、未使用の非接着性テープ6は平坦状であり、
例えばOLB圧着工程(S6)時に未使用の非接着性テープ6を用いることで適切に圧着
を行うことができる。
【0076】
なお、本実施形態では、2つのローラ7aを上下動させることで、非接着性テープ6を
下降させ、回路基板4の一部Sの撓み(浮き)を防止する例を示した。しかし、これに限
定されず、例えば、一定の張力を保ちつつ供給リール11及び巻き取りリール12を、第
2のステージ5上の回路基板4に対して下降させることで、回路基板4の撓んだ一部Sを
非接着性テープ6により押圧し、回路基板4の一部Sの浮きをなくし平坦状にするように
してもよい。
【0077】
また、OLB接続装置が、非接着性テープ6を固定及び開放可能な図示しないクランプ
部を備えるようにしたり、非接着性テープ6の張力を調整するための図示しない張力調整
部等を備えるようにしたりするようにしてもよい。これにより、例えば押圧工程時に非接
着性テープ6が弛んだり、逆に切断したりすることを防止し、適切な押圧力を回路基板4
の一部Sに付与することができる。
【0078】
(第2の実施形態・電子機器)
【0079】
次に、上述した液晶装置20を備えた本発明の第2の実施形態に係る電子機器について
説明する。
【0080】
図10は本発明の第2の実施形態にかかる電子機器の表示制御系の全体構成の概略構成
図である。
【0081】
電子機器300は、表示制御系として例えば図10に示すように液晶パネル2及び表示
制御回路390などを備え、その表示制御回路390は表示情報出力源391、表示情報
処理回路392、電源回路393及びタイミングジェネレータ394などを有する。
【0082】
また、液晶パネル2には表示領域Iを駆動する半導体素子等を含む駆動回路361を有
する。
【0083】
表示情報出力源391は、ROM(Read Only Memory)やRAM(R
andom Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや
光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同
調回路とを備えている。更に表示情報出力源391は、タイミングジェネレータ394に
よって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形
で表示情報を表示情報処理回路392に供給するように構成されている。
【0084】
また、表示情報処理回路392はシリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ロー
テーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した
表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路361へ
供給する。また、電源回路393は、上述した各構成要素に夫々所定の電圧を供給する。
【0085】
このように本実施形態によれば、OLB接続装置1を備えた液晶装置の製造装置を用い
て製造された液晶装置20を備えているので、表示性能に優れた電子機器300を得るこ
とができる。
【0086】
具体的な電子機器としては、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの他に液晶装置
が搭載されたタッチパネル、プロジェクタ、液晶テレビやビューファインダ型、モニタ直
視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション、ページャ、電子手帳、電卓、ワード
プロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、こ
れらの各種電子機器の表示部として、上述した例えば液晶装置20等が適用可能なのは言
うまでもない。
【0087】
なお、本発明の電子機器は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0088】
例えば、上述の実施形態ではTFT型の液晶装置20等について説明したがこれに限ら
れるものではなく、例えばTFD(Thin Film Diode)型アクティブマト
リックス型、パッシブマトリクス型の液晶装置であってもよい。また、プラズマディスプ
レイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emi
ssion Display及びSurface‐Conduction Electr
on‐Emitter Display等)などの各種電気光学装置に本発明を適用して
もよい。
【0089】
なお、本実施形態等では、COG(Chip On Glass)の液晶装置の製造に
本発明に係る液晶装置の製造装置及び製造方法を適用する例を示したが、これに限定され
ず、例えばCOF(Chip On Film)の液晶装置の製造装置及び製造方法に本
発明を適用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】第1の実施形態の液晶装置の製造装置のOLB接続装置の概略正面図である。
【図2】図1のOLB接続装置のA−A断面図である。
【図3】図1のOLB接続装置の部分拡大平面図である。
【図4】液晶装置の製造装置を用いて製造された液晶装置の外観斜視図である。
【図5】図4の液晶装置のB−B断面図である。
【図6】液晶装置の製造装置を用いた液晶装置の製造工程を示すフローチャートである。
【図7】非接着性テープによる押圧工程(S4)を説明するための説明図である。
【図8】図7のOLB接続装置のC−C断面図である。
【図9】圧着ヘッドによる圧着工程(S5)を説明するための断面図である。
【図10】本発明に係る第2の実施の形態の電子機器の表示制御系の概略構成図である。
【符号の説明】
【0091】
1 OLB接続装置、 2 液晶パネル、 3 第1のステージ、 4 回路基板、
S 一部、 5 第2のステージ、 6 非接着性テープ、 7 押圧機構部、 7a
ローラ、 7b ガイド、 8 圧着ヘッド、 9 支持部材、10 カメラ、 11
供給リール、 12 巻き取りリール、 20 液晶装置、 21、22 基板、 21
a 張り出し部、 21b 上面、 38 パネル側アライメントマーク、 41 回路
基板側アライメントマーク、 26 シール材、 23 ゲート電極、 24 ソース電
極、 T 薄膜トランジスタ素子、 25 画素電極、 22a 共通電極、 27、2
8、29 ドライバIC、 30、31、32、33、36、37、45 配線、 33
a、34、35 端子、 40 可撓性基材、 40a 面、 47 ACF、 300
電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板に前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部を重ねる配置工程と、
前記第1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、非接着性部材により前記第1の基
板側に押圧する押圧工程と、
前記第1の基板と、押圧された前記第2の基板とを位置合わせする位置合わせ工程と
を具備することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記位置合わせ工程後に、圧着部材により、前記非接着性部材を介して前記第2の基板
の前記一部を押圧することで、前記第1の基板に前記第2の基板の前記一部を圧着する圧
着工程を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1の基板は前記位置合わせ工程で用いられる第1のアライメントマークを有し、
前記第2の基板の前記一部は前記位置合わせ工程で用いられる第2のアライメントマーク
を有し、
前記位置合わせ工程では、前記第1のアライメントマークと、前記第2のアライメント
マークとを位置合わせすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置
の製造方法。
【請求項4】
前記押圧工程により、前記第2の基板の前記一部を、前記第1の基板に重なるように平
坦状にすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の電気光
学装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1の基板は電気光学装置用基板であり、前記第2の基板は可撓性基板であること
を特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方
法。
【請求項6】
前記非接着性部材は、テープ状であり、回転可能なリールに巻回されており、
前記圧着工程後に、前記非接着性部材を前記リールから引き出す工程を更に具備するこ
とを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の電気光学装置の製造
方法。
【請求項7】
第1の基板に前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部を重ねる配置工程と、
前記第1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、非接着性部材により前記第1の基
板側に押圧する押圧工程と、
前記第1の基板と、押圧された前記第2の基板とを位置合わせする位置合わせ工程と、
前記位置合わせ工程後に、圧着部材により、前記非接着性部材を介して前記第2の基板
の前記一部を押圧することで、前記第1の基板に前記第2の基板の前記一部を圧着する圧
着工程と
を具備することを特徴とする実装方法。
【請求項8】
第1の基板が載置されると共に移動可能な第1のステージと、
前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部が前記第1の基板に重なるように、前
記第2の基板が載置されると共に移動可能な第2のステージと、
前記第1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、前記第1の基板側に押圧する非接
着性部材と、
前記第1の基板と前記第2の基板との位置を認識するための認識部と
を具備することを特徴とする電気光学装置の製造装置。
【請求項9】
第1の基板が載置されると共に移動可能な第1のステージと、
前記第1の基板より剛性の低い第2の基板の一部が前記第1の基板に重なるように、前
記第2の基板が載置されると共に移動可能な第2のステージと、
前記第1の基板に重なる前記第2基板の前記一部を、前記第1の基板側に押圧する非接
着性部材と、
前記第1の基板と前記第2の基板との位置を認識するための認識部と、
前記非接着性部材を介して前記第2の基板の前記一部を前記第1の基板に対して圧着す
る圧着部材と
を具備することを特徴とする実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−263995(P2007−263995A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84894(P2006−84894)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】