説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】時分割タイプであって輝度を向上させても、小型化された照明手段を備える電気光学装置及びこれを備える電子機器を提供すること。
【解決手段】画像表示領域に画像を表示する液晶パネルと、液晶パネルに向けて複数色の照明光を照射可能なバックライトユニット3と、制御手段とを備え、画像表示領域が、複数の画像分割領域に分割され、バックライトユニット3が、複数の画像分割領域それぞれに対応する導光分割領域21A、21Bに分割されると共に導光分割領域21A、21Bの境界部に反射膜25が設けられた導光板21と、導光分割領域21A、21Bそれぞれに向けて照明光を射出する光源22、23とを有し、制御手段が、複数の画像分割領域それぞれに順次画像信号を供給し、画像信号が供給中である画像分割領域に対応する導光分割領域に設けられた光源22、23を非駆動とすると共に、他の光源22、23を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置などの電気光学装置及びこれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶装置においてカラー表示を行う場合、以下の2つのタイプがある。一つは、カラーフィルタを備える液晶パネルを用い、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つのサブ画素で1つの画素を構成する空間分割タイプのものである。他の一つは、光源からR、G、B各色光を時間的に分離し、液晶パネルで光の色に応じた駆動(色順次表示)を行う時間分割タイプのものである。
ここで、空間分割タイプの液晶装置では、モノクロ表示を行う場合と比較して同一の解像度を有する画像を表示するために3倍の空間解像度を必要とする。これに対して、時間分割タイプの液晶装置では、モノクロ表示を行う場合と同一の解像度でよいため、画像の高精細化が容易である。
【0003】
しかし、時間分割タイプの液晶装置においても、画素数が大きくなるほど全画素への画像信号の書き込み時間が長くなるため、輝度が低下するという問題がある。すなわち、時間分割タイプの液晶装置では、全画素に赤の画像信号を書き込んだ後に赤色の照明光を照射し、全画素に緑の画像信号を書き込んだ後に緑色の照明光を照射し、全画素に青の画像信号を書き込んだ後に青色の照明光を照射する。そのため、例えば60Hzで駆動させた場合において、信号書き込みから照明光の照射を各色あたり5.5msec程度で行う必要がある。したがって、SVGA(Super VGA:800×600画素)の場合、全画素に画像信号を書き込むために必要な時間が5.25msec程度であることから、照明光の照射時間が0.25msec程度となり、画像の輝度が低下する。
【0004】
ここで、光源から直接照明光を照射する液晶装置において、画像表示領域を複数の分割領域に分割し、複数の分割領域それぞれに対応してRGB3色の照明光を照射可能な複数の光源を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この液晶装置では、1の分割領域に画像信号を供給した後、対応する光源から照明光を照射することで、光源点灯のデューティ比を高めて画像の輝度の向上を図っている。
【特許文献1】特開平5−80716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の液晶装置においても、以下の課題が残されている。すなわち、例えば携帯電話機におけるディスプレイのように液晶パネルを小型化した場合、各画素それぞれに対応して例えばLED素子などの光源を配置すると、照明手段が大型化してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、時分割タイプであって輝度を向上させても、小型化された照明手段を備える電気光学装置及びこれを備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる電気光学装置は、供給される画像信号に応じて画像表示領域に画像を表示する電気光学パネルと、前記電気光学パネルに向けて複数色の照明光を照射可能な照明手段と、前記電気光学パネルへの前記画像信号の供給及び前記光源の駆動それぞれを制御する制御手段とを備え、前記画像表示領域が、複数の画像分割領域に分割され、前記照明手段が、前記複数の画像分割領域それぞれに対応する複数の導光分割領域に分割されると共に隣接する2つ該導光分割領域の境界部に遮光膜が設けられた導光板と、前記複数の導光分割領域それぞれに向けて前記照明光を射出する複数の光源とを有し、前記制御手段が、前記複数の画像分割領域それぞれに順次前記画像信号を供給し、該画像信号が供給中である前記画像分割領域に対応する前記導光分割領域に設けられた前記光源を非駆動とすると共に、他の前記光源を駆動させることを特徴とする。
【0008】
この発明では、導光板を複数の導光分割領域に分割し、それぞれに対応して光源を設けることで、光源から直接複数の画像分割領域それぞれに照明光を照射することと比較し、照明手段の薄型化が可能となる。
すなわち、光源の照射可能範囲が狭くても、導光板を介して広い範囲に光源からの射出光を照射することができる。これにより、1つの画像分割領域に対して全域を照射するために光源を多数配置する必要がなくなるため、1つの画像分割領域に対する光源の設置数を少なくすることができる。したがって、照明手段を薄型化できる。
ここで、導光分割領域の境界部に遮光膜が設けられているため、一の導光分割領域中を導光する光がこれと隣接する他の導光分割領域中に入射することを防止できる。
【0009】
また、本発明における電気光学装置は、前記遮光膜が、前記照明光を反射する反射膜であることが好ましい。
この発明では、導光分割領域の境界部に反射膜を設けることで、境界部に向かう光を反射させて照明光として有効に利用することができる。
【0010】
また、本発明における電気光学装置は、前記制御手段が、前記画像表示領域の一方向に沿って列ごとに順次前記画像信号の供給を行い、前記複数の画像分割領域が、前記一方向に沿って配列されていることが好ましい。
この発明では、列ごとに画像信号が書き込まれる一方向に沿って画像分割領域を配置することで、複数の画像分割領域それぞれに対して順次画像信号を書き込む際において各画素領域への画像信号の書き込みの制御が容易になる。
【0011】
また、本発明における電気光学装置は、前記複数の光源それぞれが、前記複数色の光それぞれを発光する複数の発光部材を備えることとしてもよい。
この発明では、各発光部材から照射した各色の光を導光分割領域から画像分割領域に向けて照射する。
【0012】
また、本発明における電子機器は、上記記載の電気光学装置を備えることを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、照明手段が薄型化されるため、機器全体の小型化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明における光学素子の一実施形態を、図面を用いて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。ここで、図1は液晶装置を示す概略断面図、図2は画像表示領域を示す平面図、図3は照明手段を示す平面図である。
【0014】
〔液晶装置〕
本実施形態における液晶装置(電気光学装置)1は、透過型のカラー液晶装置である。ここで、表示を構成する最小単位となる表示領域を「サブ画素領域」と称する。
液晶装置1は、図1に示すように、液晶パネル2と、液晶パネル2に照明光を照射するバックライトユニット(照明手段)3と、制御手段4とを備えている。
液晶パネル2は、素子基板11と、素子基板11と対向配置された対向基板12と、素子基板11及び対向基板12の間に配置された液晶層13とを備えている。
そして、液晶パネル2は、素子基板11と対向基板12とをシール材14で貼り合わせており、このシール材14によって液晶層13が素子基板11と対向基板12との間で封止されている。ここで、液晶パネル2においてシール材14で囲まれた領域が、図2に示す画像表示領域15となっている。
【0015】
また、液晶パネル2の画像表示領域15には、複数の画素領域16が配置されている。複数の画素領域16は、水平走査方向H及び垂直走査方向(一方向)Vそれぞれに沿って配列しており、全体としてマトリックス状に配置されている。
そして、画像表示領域15は、2つの画像分割領域15A、15Bに分割されている。2つの画像分割領域15A、15Bは、画像表示領域15における垂直走査方向Vに沿って配列されている。すなわち、画像表示領域15は、垂直走査方向Vに沿う上側の画像分割領域15Aと、下側の画像分割領域15Bとを有している。
【0016】
素子基板11は、図1に示すように、平面視でほぼ矩形状であってガラス基板を基体としており、このガラス基板上に種々の金属膜や絶縁膜、半導体層、不純物層などが形成されている。そして、素子基板11には、フォトリソグラフィ技術やインクジェット法などの所定の手法を用いてガラス基板上に形成された画素電極、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)及び蓄積コンデンサなどを含む画素部分と、画素に電気信号などを供給する配線部分とを備えている。さらに、素子基板11の内側の面(液晶層13側の面)には、液晶層13を構成する液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。
また、素子基板11の外面(液晶層13から離間する側の)側には、偏光板17が配置されている。
【0017】
対向基板12は、素子基板11と同様に、平面視でほぼ矩形状であってガラス基板を基体としており、このガラス基板上にブラックマトリックスやカラーフィルタ層、保護膜及び電極などが形成されている。また、対向基板12の内側の面には、配向膜が形成されている。この配向膜は、液晶分子の配向方向が素子基板11に形成された配向膜による配向方向と直交するように形成されている。
また、対向基板12の外面側にも、素子基板11と同様に偏光板18が配置されている。
【0018】
バックライトユニット3は、素子基板11の外面側に配置されている。そして、バックライトユニット3は、図1及び図3に示すように、導光板21と、導光板21に向けて照明光を射出する光源22、23と、照明光を導光板21に向けて反射する反射板24とを備えている。
導光板21は、図3に示すように、画像分割領域15A、15Bと同数の2つの導光分割領域21A、21Bに分割されている。2つの導光分割領域21A、21Bは、画像分割領域15A、15Bと同様に、画像表示領域15の垂直走査方向Vに沿って配列されている。
すなわち、導光板21は、垂直走査方向Vに沿う上側の導光分割領域21Aと、下側の導光分割領域21Bとを有している。導光分割領域21A、21Bそれぞれは、平面視でほぼ矩形状となっている。また、導光板21は、導光分割領域21A、21Bの境界部分に設けられた反射膜(遮光膜)25を有している。なお、導光板21は、分割された2つの導光分割領域21A、21Bそれぞれを反射膜25を介して接着させることにより形成されている。
【0019】
光源22は、導光分割領域21Aに対応して設けられている。そして、光源22は、導光分割領域21Aの長軸方向に沿う端辺の中央部に設けられている。このように導光分割領域21Aの長軸方向に沿う端辺の中央部に光源22を配置することで、光源22から射出した光を短時間で導光分割領域21Aの全域に導光することができる。
また、光源23は、導光分割領域21Bに対応して設けられている。そして、光源23は、上述と同様に、導光分割領域21Bの長軸方向に沿う端面の中央部に設けられている。このように導光分割領域21Bの長軸方向に沿う端辺の中央部に光源23を配置することで、上述と同様に、光源23から射出した光を短時間で導光分割領域21Bの全域に導光することができる。
光源22、23それぞれは、赤色光、緑色光及び青色光それぞれの光を発光するLED素子(発光部材)26A〜26C、LED素子(発光部材)27A〜27Cを備えている。
【0020】
制御手段4は、液晶パネル2における画像表示領域15への画像信号及び走査信号の供給、光源22、23の駆動の制御を行う構成となっている。制御手段4は、水平走査方向Hに沿って配置された複数列の画素領域16のうち垂直走査方向Vにおける上端の一列の画素領域16に対して、一列の画素領域16のうち左端に配置された画素領域16から右端に配置された画素領域16に向けて順次画像信号を供給する構成となっている。
そして、制御手段4は、当該一列の画素領域16すべてに画像信号を供給した後、垂直走査方向Vにおいて隣接する他の一列の画素領域16から順に垂直走査方向Vに沿って列ごとに上述と同様に画像信号を供給する構成となっている。
さらに、制御手段4は、画像信号の供給に併せてLED素子26A〜26C、27A〜27Cそれぞれに対して駆動及び非駆動を制御する構成となっている。なお、制御手段4による画像信号の供給及び光源22、23の駆動それぞれの制御の詳細については、後述する。
【0021】
〔液晶装置の駆動方法〕
次に、上述した構成の液晶装置1の駆動方法について、図4及び図5を参照しながら説明する。ここで、図4は画像信号の供給及び各光源22、23の駆動を示すタイミングチャート、図5は図4の各期間における各画像分割領域の表示状態を示す説明図である。
まず、制御手段4は、画像表示領域15のうち上側の画像分割領域15Aにおける各画素領域16に対して赤の画像情報を書き込む(図4に示す期間A及び図5(a))。
すなわち、制御手段4は、まず画像表示領域15の垂直走査方向Vの上端で水平走査方向Hに沿って配列された一列の画素領域16に対して、水平走査方向Hの左端に配置された画素領域16から右端に配置された画素領域16に向けて水平走査方向Hに沿って順に赤の画像信号を供給する。画像信号が供給された画素領域16は、一対の電極間で供給された画像信号に応じた強度の電界を発生させ、当該画素領域16における液晶層13の配向方向を変化させる。
そして、制御手段4は、垂直走査方向Vの上端における一列の画素領域16すべてに赤の画像信号を供給した後、この一列の画素領域16と垂直走査方向Vに沿って隣接する他の一列の画素領域16それぞれに赤の画像信号を供給する。
このようにして、制御手段4は、垂直走査方向Vに沿って配列された複数列の画素領域16それぞれに対して赤の画像信号を供給していく。これにより、画像表示領域15のうち上側の画像分割領域15Aにおけるすべての画素領域16に赤の画像信号を供給する。
【0022】
次に、制御手段4は、光源22におけるLED素子26Aを駆動し、上側の画像分割領域15Aに対して赤色光の照明光を照射する。また、制御手段4は、上述と同様に、画像表示領域15のうち下側の画像分割領域15Bにおける各画素領域16に対して赤の画像信号を供給する(図4に示す期間B及び図5(b))。
すなわち、制御手段4は、すでに赤の画像信号が供給された上側の画像分割領域15Aと対応して設けられている光源22におけるLED素子26Aを駆動する。そして、LED素子26Aは、導光板21における上側の導光分割領域21Aに対して赤色光を射出する。赤色光は、導光分割領域21A内を導光し、上側の画像分割領域15Aに向けて射出する。
これにより、画像分割領域15Aに書き込まれた赤の画像が表示される。このとき、導光板21において上側の導光分割領域21Aと下側の導光分割領域21Bとの間に反射膜25が設けられているため、上側の導光分割領域21A中を導光する赤色光が導光分割領域21Bに入射することが防止される。
また、制御手段4は、画像分割領域15Aにおける各画素領域16への画像信号の供給に続けて、上述と同様にして下側の画像分割領域15Bにおける各画素領域16へ赤の画像信号を供給する。
【0023】
続いて、制御手段4は、上述と同様に、光源23におけるLED素子27Aを駆動し、下側の画像分割領域15Bに対して赤色光の照明光を照射する(図4に示す期間C及び図5(c))。これにより、画像分割領域15Bに書き込まれた赤の画像が表示される。このとき、導光板21に設けられた反射膜25により、下側の導光分割領域21B中を導光する赤色光が導光分割領域21Aに入射することが防止される。
そして、制御手段4は、各画素領域16に対する緑の画像信号の供給まで、光源22におけるLED素子26A及び光源23におけるLED素子27Aそれぞれを駆動し、画像分割領域15A、15Bそれぞれに書き込まれた赤の画像を表示させる。
【0024】
次に、制御手段4は、光源22におけるLED素子26Aの駆動を停止し、上側の画像分割領域15Aにおける各画素領域16に対して緑の画像信号を供給する。また、制御手段4は、光源23におけるLED素子27Aの駆動状態を維持する(図4に示す期間D及び図5(d))。
すなわち、制御手段4は、上側の画像分割領域15Aにおける各画素領域16に対して赤の画像信号を供給するため、光源22におけるLED素子26Aを非駆動とする。そして、制御手段4は、上述と同様にして、上側の画像分割領域15Aにおける各画素領域16に対して緑の画像信号を供給する。
また、制御手段4は、光源23におけるLED素子27Aを駆動状態とし、下側の画像分割領域15Bにおける赤の画像表示を継続する。
【0025】
次に、制御手段4は、光源22におけるLED素子26Bを駆動し、上側の画像分割領域15Aに対して緑色光の照明光を照射する。また、制御手段4は、上述と同様に、光源23におけるLED素子27Aの駆動を停止する。そして、制御手段4は、画像分割領域15Aにおける各画素領域16への画像信号の供給に続けて、下側の画像分割領域15Bにおける各画素領域16に対して緑の画像信号を供給する(図4に示す期間E及び図5(e))。
続いて、制御手段4は、上述と同様に、光源23におけるLED素子27Bを駆動し、下側の画像分割領域15Bに対して緑色光の照明光を照射する(図4に示す期間F及び図5(f))。これにより、画像分割領域15Bに書き込まれた緑の画像が表示される。そして、制御手段4は、各画素領域16に対する青の画像信号の供給まで、画像分割領域15A、15Bそれぞれに書き込まれた緑の画像を表示させる。
【0026】
次に、制御手段4は、上述と同様に、光源22におけるLED素子26Bの駆動を停止し、上側の画像分割領域15Aにおける各画素領域16に対して青の画像信号を供給する。また、制御手段4は、光源23におけるLED素子27Bの駆動状態を維持する(図4に示す期間G及び図5(g))。
続いて、制御手段4は、光源22におけるLED素子26Cを駆動し、上側の画像分割領域15Aに対して青色光の照明光を照射する。また、制御手段4は、上述と同様に、光源23におけるLED素子27Bの駆動を停止する。そして、制御手段4は、画像分割領域15Aにおける各画素領域16への画像信号の供給に続けて、下側の画像分割領域15Bにおける各画素領域16に対して青の画像信号を供給する(図4に示す期間H及び図5(h))。
さらに、制御手段4は、上述と同様に、光源23におけるLED素子27Cを駆動し、下側の画像分割領域15Bに対して青色光の照明光を照射する。そして、制御手段4は、各画素領域16に対する赤の画像信号の供給まで、画像分割領域15A、15Bそれぞれに書き込まれた緑の画像を表示させる(図4に示す期間I及び図5(i))。
【0027】
次に、制御手段4は、上述と同様に、上述と同様に、光源22におけるLED素子26Cの駆動を停止し、上側の画像分割領域15Aにおける各画素領域16に対して赤の画像信号を供給する。また、制御手段4は、光源23におけるLED素子27Cの駆動状態を維持する(図4に示す期間J及び図5(j))。その後、制御手段4は、上述と同様にして、赤、緑、青の順で各色の画像を画像表示領域15で表示させる。
すなわち、制御手段4は、画像分割領域15Aに一の色の画像信号を供給してから他の色の画像信号が供給されるまで、対応する光源22を駆動させる。同様に、制御手段4は、画像分割領域15Bに一の色の画像信号を供給してから他の色の画像信号が供給されるまで、対応する光源23を駆動させる。したがって、光源22は、画像分割領域15Bへの画像信号の供給中も駆動しているため、画像表示領域15全体に画像信号を供給してから照明光を照射することと比較して、画像分割領域15Aに対する照明光の照射時間を長くすることができる。なお、画像分割量いい15Bに対しても同様である。
以上のようにして、液晶装置1は、図4に示す期間B〜Jを繰り返すと共に図5(b)〜(j)に示す状態を繰り返し、赤、緑、青の各色の画像を色順次方式で表示する。
【0028】
〔電子機器〕
上述した液晶装置1は、例えば図6に示すような携帯電話機(電子機器)100の表示部101として用いられる。ここで、図6は、携帯電話機を示す斜視図である。
この携帯電話機100は、表示部101、複数の操作ボタン102、受話口103、送話口104及び上記表示部101を有する本体部を備えている。
【0029】
以上のような構成の液晶装置1及び携帯電話機100によれば、導光板21を2つの導光分割領域21A、21Bに分割してそれぞれに光源22、23を設けることで、バックライトユニット3を薄型とすることができる。したがって、液晶装置1の小型化が可能となる。
ここで、導光分割領域21A、21Bの境界部に設けられた反射膜により、各導光分割領域21A、21B中を導光する光が他方の導光分割領域21A、21Bに入射することを防止できる。さらに、反射膜25により各導光分割領域21A、21B中を導光する光を有効に利用できる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、画像表示領域を2つの画像分割領域に分割すると共に導光板を2つの導光分割領域に分割しているが、2つに限らず、3以上に分割する構成としてもよい。このとき、制御手段は、上述と同様に、画像信号の書き込み中である一の画像分割領域に対応する一の導光分割領域に設けられた光源の駆動を停止すると共に、画像信号の書き込み中でない他の複数の画像分割領域それぞれに対応する他の複数の導光分割領域それぞれに設けられた複数の光源を駆動させる。このように、分割数を増大させることにより、全画素領域への画像信号の書き込み期間に対する照明光の照射時間を長くすることができる。したがって、画像の輝度をより高めることができる。
【0031】
また、画像分割領域を垂直走査方向に沿って配列させているが、制御手段が複数の画像分割領域それぞれに対して順次画像信号を供給する構成であれば、他の配列であってもよい。これは、導光分割領域においても同様である。
そして、導光分割領域の境界部に反射膜を設けているが、隣接する2つの導光分割領域において一方の導光分割領域中を導光する光が他方の導光分割領域に入射することを防止できれば、反射膜以外の他の遮光膜であってもよい。
さらに、電気光学パネルとして液晶パネルを用いているが、照明手段により背面から照射された照明光を透過させて画像を表示する電気光学パネルであれば、電気泳動素子を用いたパネルなど、他の電気光学パネルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の液晶装置を示す概略断面図である。
【図2】画像表示領域の構成を示す平面図である。
【図3】照明手段を示す平面図である。
【図4】画像信号の供給及び各光源の駆動を示すタイミングチャートである。
【図5】図4の各状態における各画像分割領域の表示状態を示す説明図である。
【図6】液晶装置を備える携帯電話機を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 液晶装置、2 液晶パネル、3 バックライトユニット(照明手段)、4 制御手段、15 画像表示領域、15A,15B 画像分割領域、21 導光板、21A,21B 導光分割領域、22,23 光源、25 反射膜(遮光膜)、26A〜26C,27A〜27C LED素子(発光部材)、100 携帯電話機(電子機器)、V 垂直走査方向(一方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給される画像信号に応じて画像表示領域に画像を表示する電気光学パネルと、
前記電気光学パネルに向けて複数色の照明光を照射可能な照明手段と、
前記電気光学パネルへの前記画像信号の供給及び前記光源の駆動それぞれを制御する制御手段とを備え、
前記画像表示領域が、複数の画像分割領域に分割され、
前記照明手段が、前記複数の画像分割領域それぞれに対応する複数の導光分割領域に分割されると共に隣接する2つ該導光分割領域の境界部に遮光膜が設けられた導光板と、前記複数の導光分割領域それぞれに向けて前記照明光を射出する複数の光源とを有し、
前記制御手段が、前記複数の画像分割領域それぞれに順次前記画像信号を供給し、該画像信号が供給中である前記画像分割領域に対応する前記導光分割領域に設けられた前記光源を非駆動とすると共に、他の前記光源を駆動させることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記遮光膜が、前記照明光を反射する反射膜であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記制御手段が、前記画像表示領域の一方向に沿って列ごとに順次前記画像信号の供給を行い、
前記複数の画像分割領域が、前記一方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記複数の光源それぞれが、前記複数色の光それぞれを発光する複数の発光部材を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−86026(P2009−86026A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−252233(P2007−252233)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】