説明

電気化学インピーダンス分光法によるその場での電池の診断方法

電池などの電気エネルギーの電気化学的貯蔵用の装置の内部状態を予測する方法。
同じ種類の複数の電池が分析されるときの電池の様々な内部状態について、複数の電池を通過する電気信号を電流に加えることによってインピーダンス計測が実施され、それからこれらのインピーダンスをモデル化するようにRC回路が定義される。次に、多変量統計解析を使用して、SoC(とSoHの少なくともいずれか)とRC回路の複数のパラメータとの間の関係が較正される。分析される電池のインピーダンスの計測が実施され、これはRC回路を使用してモデル化される。最後に、この関係を分析される電池について定義された等価電気回路の複数のパラメータに適用することによって、電池の内部状態が予測される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池(鉛、Ni−MH、リチウムイオン等)などの電気エネルギーの貯蔵のための電気化学装置の内部状態を予測する方法に関する。本方法は、静止または搭載の用途において、特に動作中に電池を管理するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
電池は、ハイブリッド乗り物または電気乗り物の用途の場合に、または光起電力太陽エネルギーの貯蔵にとって、最も重要な構成要素の1つである。これらの用途の適切な動作は、様々な動的な負荷レベルの間の最良の妥協点で電池を動作させることに関する電池管理装置(BMS)に依存している。そのBMSには、充電状態(SoC)と劣化状態(SoH)の正確で信頼性のある知識が必要である。
【0003】
電池の充電状態(SoC)は、その利用可能な容量に該当し、製造者によって示されているその呼び容量のパーセントとして、または計測が可能なときに所与の条件下で計測されたその総容量のパーセントとして表される。SoCを知ることは、電池の次の再充電前に電池が所与の電流で継続してエネルギーを供給できる時間や、電池の次の放電前に電池がエネルギーを吸収できるまでの時間を予測することができることを意味する。この情報は、電池を使用する装置の動作の条件を決定する。
【0004】
電池の寿命の間、電池の性能は、電池が使用できなくなるまで、使用中に発生する物理的および化学的変動のせいで徐々に低下する傾向がある。劣化状態(SoH)は電池の消耗の状態を表している。このパラメータは、電池の寿命の間の時間tでの電池の総容量に該当しており、製造者によって示されている呼び容量または所与の複数の条件下で寿命の開始時に計測された容量に等しい、寿命の開始時に定められる全容量のパーセントで表されている。
【0005】
乗り物についてのSoCとSoHの正確で信頼性のある予測値は、たとえば、乗り物の運転者が電池のエネルギーの潜在力を使用することに過度に慎重になったりその反対になったりしなくてもよいことを意味している。充電状態の不十分な診断によって、駆動できるキロメートル数が過度に評価されて、運転者にとって問題を引き起こすかもしれない。これらの指標の良好な予測は、電池を安全上の理由で過度に大きくする必要がなく、搭載される重量を削減し、その結果、燃料消費を削減することも意味する。SoCとSoHの予測は、乗り物の総コストを削減することもできる。したがって、正確な予測器は、乗り物の動作の全範囲にわたる効率が高く安全な電池の容量の使用を保証する。
【0006】
電池の充電状態(SoC)と劣化状態(SoH)とを予測するために多数の方法が公知である。
【0007】
公知の方法の例には「クーロン計数」または「記帳」の方法がある。しかし、そのような方法は、自己放電などの現象を無視するため、予測に誤差が生じる。開放電圧がSoCの指標として計測される方法が公知である。他の指標、例えば内部抵抗(米国特許第6191590号明細書、欧州特許出願公開第1835297号明細書)の使用も知られている。
【0008】
これら2つの方法は、SoCは、スタティックチャートまたは解析的な機能依存性によって1つまたは2つ以上の計測可能なまたは容易に予測される量(電位、内部抵抗)に関連付けられていることを特徴としている。しかし、実際には、そのような依存性は、BMSにおいて通常考慮されるものよりもはるかに複雑であって、SoCの推定誤差につながることが多い。
【0009】
潜在的により有望な方法は、インピーダンス分光法(EIS)を使用して、SoCによって左右される量を計測することに基づいている。例として、米国特許出願公開第2007/0090843号明細書は、EISによって容量性/誘導性転移に関連付けられている周波数f±を求めることを提案している。周波数f±とSoCとの間の相関は、鉛電池だけでなくニッカド電池、およびニッケル水素電池についても示されている。同様なアプローチは、米国特許第6778913号明細書に記載されているように、構成要素がSoCによって左右される等価電気回路によるEIS分光のモデル化に基づいており、それは、酸−鉛の対についての複数の周波数の電気化学インピーダンス分光法に基づいている自動車用バッテリーテスター、Spectro CA−12(Cadex Electronics Inc、カナダ)の開発につながった。EISスペクトルは、等価電気回路によって検討され、構成要素の変化は、SoCによって左右される。同様に、米国特許第6037777号明細書において、電池の充電状態と他の特性は、鉛電池または他の装置について、複素インピーダンス/アドミタンスの実部と虚部とを計測することによって求められる。RCモデルの使用は、欧州特許出願公開第0880710号明細書にも記載されており、電極の位置と電解質内での電気化学的および物理的な現象の記述がRCモデルの開発を支援する役割を果たし、外部の計測値に対しての精度を上げるために、電池の温度がモデルによってシミュレーションされている。
【0010】
代替のアプローチは、他の分野で公知の推定技法を使用するために、電池の数学的モデルに基づいている。米国特許出願公開第2007/0035307号明細書は、数学的な電池モデルを使用して動作データ(電圧U、電流I、T)から電池の複数のパラメータと複数の状態変数とを推定する方法を特に記述している。数学的モデルは、複数の数学的サブモデルを有し、より高速に応答することを特徴としている。サブモデルは、限定された周波数範囲に対応しているRCモデルとも呼ばれる等価電気回路型のモデルである。
【0011】
文献(Gu、Whilte他)において知られている他のSoC推定方法は、電気化学装置の反応の数学的記述に基づいている。SoCは、装置の複数の状態変数から計算される。その記述は、材料、変化、エネルギー等のバランスだけでなく半経験的な相関に基づいている。
【0012】
文献において知られているSoHを予測する方法に関して、国際公開第2009/036444号の著者等は、電極の劣化反応を観察するために基準電極を業務用の要素に導入している。しかし、この方法は、大量の計装、特に基準電極を要素に導入するための大量の計装と、電池のより複雑な電子管理を要求する。
【0013】
仏国特許出願公開第2874701号明細書は、得られた応答を基準応答と比較するために時間的な電気的外乱を使用する方法を記述している。しかし、その方法は、そのような種類の外乱に応答して非常に弱い変動を示し従ってSoHを正確に計測できないリチウムイオン型の複数の要素について実装がより困難である。
【0014】
インピーダンス分析も、文献に記載されている。U.Troltzschら(Electrochimica Acta 51、2006年、1664−1672頁)は、要素の劣化状態を求めるために、電気モデルに従ったインピーダンスの調整と組み合わされているインピーダンス分光法を使用する方法を記載している。しかし、その技法には、計測を行うために電気要素の使用を停止することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6191590号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1835297号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0090843号明細書
【特許文献4】米国特許第6778913号明細書
【特許文献5】米国特許第6037777号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0880710号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0035307号明細書
【特許文献8】国際公開第2009/036444号
【特許文献9】仏国特許出願公開第2874701号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Gu、Whilte他
【非特許文献2】U Troltzsch他、Electrochimica Acta(電気化学会報) 51、2006年、1664−1672頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は、電池などの電気エネルギーの貯蔵のための電気化学装置の内部状態を予測する代替の方法の提供に関する。本方法は、電池とその用途のモデルの機能として、所与の統計的なモデルによって装置の内部状態を再構築するための装置のインピーダンスの計測に基づいている。特に、本方法は、電気化学電池の充電状態(SoC)と劣化状態(SoH)の予測に使用することが可能で、これらは、静止しているか搭載されているかに関わらず電池を使用する大部分の用途において、複数の最も重要な内部特性である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、第1の電気化学装置の内部状態に関する少なくとも1つの特性がインピーダンス分光学によって得られた電気計測から予測される、電池のような電気エネルギーの貯蔵のための第1の電気化学装置の内部状態を予測する方法に関する。本方法は、以下のステップ、すなわち、
第1の電気化学装置と同じ種類の少なくとも1つの第2の電気化学装置のさまざまな内部状態について、第2の装置の内部状態に関連している特性を計測し、インピーダンス分光法を使用してさまざまな周波数で第2の電気化学装置の電気計測を実施するステップと、
第2の装置の複数の電気応答をモデル化する少なくとも1つのパラメータを有する等価電気回路を定めるステップと、
複数の内部状態について求められた特性およびパラメータの複数の値の統計解析を使用して特性と等価回路のパラメータとの間の関係を較正するステップと、
等価電気回路の電気応答が第1の電気化学装置の電気応答と等しくなるように、パラメータを求めることで等価電気回路を使ってモデル化されている様々な周波数について第1の電気化学装置の電気応答を求めるステップと、
関係を使用して電気化学装置の内部状態に関連している特性を計算することによって第1の電気化学装置の内部状態を予測するステップと、
を有している。
【0019】
本発明によれば、様々な内部状態は第1の電気化学装置と同じ種類の電気エネルギーの貯蔵のための第2の電気化学装置の加速されたエージングを実施することによって得られる。様々な内部状態は、第1の電気化学装置と同じ種類であって、異なる内部状態を有している一式の第2の電気化学装置を選択することによって得られてもよい。
【0020】
電気化学装置の内部状態に関連している以下の特性、すなわち装置の充電状態(SoC)および装置の劣化状態(SoH)の少なくとも1つを計算することができる。
【0021】
等価電気回路は、以下のパラメータ、すなわち、抵抗、容量、温度、または前記パラメータの任意の組み合わせから選択された複数のパラメータによって定義されてもよい。
【0022】
本発明によれば、電気化学装置を通過する電流に電気信号を加えることによって得られる複数の電気インピーダンス線図を計測することによってさまざまな周波数に対する電気応答を求めることができる。複数の電気インピーダンス線図は、正弦波電流の外乱を電気化学装置に加えて、電気化学装置の複数の端子の位置に誘起される正弦波電圧を計測することによって計測してもよい。これらの電気インピーダンス線図は、複数の正弦曲線の重ね合わせの形態またはホワイトノイズの形態の外乱を電気化学装置に加えて、電気化学装置の複数の端子の位置に誘起される正弦波電圧を計測することによって計測してもよい。
【0023】
本発明によれば、電気化学装置は休止(乗り物が停止または静止)していてもよいし、動作していてもよい。
【0024】
本発明は電気エネルギーの貯蔵のための電気化学装置の内部状態を推定する装置であって、
インピーダンス分光法によって電気化学装置の電気インピーダンスを計測する手段を有するセンサ(G)と、
等価電気回路と、電気化学装置の内部状態に関する特性と等価電気回路の複数のパラメータとの間の関係であって電気化学装置と同じ種類の少なくとも1つの第2の電気化学装置のさまざまな内部状態の複数の計測によって較正されている関係と、を保存するのに使用可能なメモリと、
電気化学装置の電気応答をモデル化する等価電気回路の複数のパラメータを定義する手段と、
前記関係を使用して電気化学装置の内部状態に関する特性を計算する手段と、
を有する装置にも関する。
【0025】
本発明によれば、電気インピーダンスを計測する手段は、
正弦波電流の外乱、複数の正弦曲線の重ね合わせの形態の外乱、またはホワイトノイズの形態の外乱を電気化学装置に加えるガルバノスタットと、
電気化学装置の複数の端子の位置に誘起された正弦波電圧を計測する手段と、
を有している。
【0026】
本発明は、本発明の電池の内部状態を推定する装置を有する電池管理装置にも関する。
【0027】
本発明は、電池と、本発明の電池管理装置とを有する乗り物にも関する。
【0028】
本発明は、本発明の内部状態を予測する装置を有する、電気エネルギーを貯蔵する光起電力装置にも関する。
【0029】
本発明の方法のさらなる特徴と利点とは、以下に説明する添付の図面を参照して行う実施形態の非限定的な例の以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の方法の論理図である。
【図2】インピーダンス計測値を使用した検査手続きの図である。
【図3】LiTi12/LiFePO型の電池についての20%の充電状態でのVEH用途を表している5〜6個のエージングの状態について得られたインピーダンスの比較の図である。
【図4】電気化学蓄電池を表している等価電気回路の例の図である。
【図5】ナイキスト表現a)とボード表現b)における、そして図4の等価回路モデルを使用した20%SoCでのLiTi12/LiFePO電池についての65kHzと0.1Hzとの間のインピーダンスのモデルついての調整の例の図である。
【図6】正弦波信号(SS)を印加することによって得られたインピーダンスとホワイトノイズ(BB)を使用して得られたインピーダンスとの比較の図である。
【図7】電池の計測された容量に対してSoHを予測するための関係に基づいて電池の容量について計算されている直線a)と、複数のインピーダンス線図から計算された容量と電池の計測された容量との差を表している残差b)の図である。
【図8】20℃での検査(CK)中の完全なサイクルとエージング(VI)中の50℃でのインピーダンスとによる電池の容量の測定値を示している図である。
【図9】SoCの計測値に対してSoCを予測するための関係に基づいて電池のSoCについて計算されている直線a)と、複数のインピーダンスの図から計算されたSoCと計測されたSoCとの間の差を表している残差b)との図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の方法は、予め特定されているモデルを使用して電池の充電状態または劣化状態の計測器を作るために使用可能で、また運輸用途(牽引電池)においてまたは再生可能なエネルギーを蓄えるために、その計測器の使用のための技術とすることができる。提案されている原理は、BMSによるSoCとSoHとの予測値を統合するが、これらのデータは直接計測可能ではない。
【0032】
本発明は、潜在的に乗り物において搭載状態であるか、送電網に接続されている光起電力太陽装置の場合のエネルギーの蓄え時に使用され、装置の複数の電極の複数の端子の位置での電気インピーダンスの計測に基づいて電池、特にリチウムイオン電池の充電状態(SoC)と劣化状態(SoH)を定量的に求めるために使用することが可能で、計測は非侵入的で制御された温度で行われる。
【0033】
本発明の論理線図を図1に示す。本発明の方法は以下のステップを有している。
【0034】
ステップE1:SoC、SoH、およびTの関数として複数のインピーダンス(Z)の線図を計測するために、一群の電池(Bat.)について複数の実験室用試験のプログラムを実行する。
【0035】
ステップE2:SoC、SoHおよびTの関数である一式のパラメータ(para.)を求めるために、計測されたインピーダンス線図(Z)を使用して、選択されたモデル(RC回路)(mod.)を調整する。
【0036】
ステップE3:複数のパラメータの多変量の組み合わせから量SoCとSoHとを計算する。SoCの計算のための関係とSoHの計算のための関係の少なくとも一方が得られる(Rel.1およびRel.2)。
【0037】
ステップE4:選択されたモデルと計算された複数の関係は、電気信号を調査中の電池(BatE.)に印加してインピーダンスZを計測する計器(IMI)と、計測されたインピーダンスZへの選択されたモデル(mod.)の調整のためと、それから、得られたパラメータ(para.)と以前に計算された関係からSoCとSoHの少なくとも一方の計算(CALC)のためのソフトウェア部分(LOG)とから構成されている計測器(G)において使用される。
【0038】
(1 SoC、SoHの関数としての電気化学インピーダンス線図の計測)
SoC、SoH、および場合によっては温度の関数として複数の電気化学インピーダンス線図を記録するために実験室用試験のプログラムが実施される。一般に、第1の電気化学装置と同じ種類の少なくとも1つの第2の電気化学装置のさまざまな内部状態について、第2の装置の内部状態に関連している特性が計測され(SoC、SoH)、第2の電気化学装置の電気応答が様々な周波数で計測される。
【0039】
一実施形態において、所与の種類の電池(BatE)とその電池の所与の用途について、同じ種類の電池が使用される(Bat.)。次に、複数の電気応答の計測がその電池の様々な充電状態と劣化状態について行われる。その電池の様々な劣化状態を得るために、考えられる用途を表している加速されたエージングを実施してもよい。例として、実験室において、電池はハイブリッド乗り物の種類の搭載用途をシミュレーションする加速されたエージングのプロトコル、または送電網に接続されている光起電力由来のエネルギーを蓄える用途をシミュレーションする加速されたエージングのプロトコルの対象とされる。
【0040】
ガルバノスタットを用いて正弦の外乱、好ましくは電流の外乱を電池に加え、複数の端子の位置に誘起された正弦波電圧を計測することよって複数のインピーダンス線図を計測してもよい。他の実施形態において、外乱は、単純な正弦波外乱の形態ではなく、複数の正弦曲線の重ね合わせの形態、またはホワイトノイズ(全ての周波数が同じ信号内で重ね合わされている)の形態で加えられてさえもよく、これは5〜6個のまたは全ての周波数応答をそれから同時に分析できることを意味している。
【0041】
SoCの関数としての複数のインピーダンス線図の計測は、SoCの全範囲または用途で使用される範囲に対応しているSoCの範囲にわたって行われてもよい。
【0042】
用途の動作の温度範囲にわたる温度を備えた複数のインピーダンス線図の変形例も計測する。
【0043】
変化の各状態とエージングの状態との少なくとも一方で、ガルバノスタットを使用して電流外乱を加えることによって電気化学装置の電気インピーダンスZが計測される。
【0044】
複素量Z(実部ReZと虚部ImZを備えている)は、ナイキスト線図の形態で表してもよく、Im(Z)はReZの関数であって、各点は1つの周波数に対応している。そのような線図を図3に示している。それから、高速の現象(高周波数での内部抵抗)に対する応答を、複数の電極での反応などの中速の現象や、低速の現象(ワールブルクインピーダンスによって示される低周波数での媒体中のイオンの拡散)から区別することができる。これらのさまざまな現象は、SoCとSoHに対して様々な程度で影響を受けやすい。したがって、インピーダンス応答は、充電とエージングの状態の関数として変化し、これらの効果を分離するのが困難である。
【0045】
対象の電池と同じ種類の第2の電池の使用を説明しており、同じ種類の一式の電池の使用も可能であって、これらの電池の各々は充電状態と劣化状態の少なくとも一方が異なっている。
【0046】
(2 等価電気回路によるインピーダンス線図のモデリング)
全ての状態(SoC、SoH、および温度)について得られたナイキスト線図が、好ましくは、複数の抵抗器と複数のコンデンサがSoCとSoHに依存しているが、単純な比例関係で依存しているということを知って、等価電気回路(直列と並列の少なくとも一方の複数の抵抗器と複数のコンデンサの構成)に基づいてモデル化される。
【0047】
図4は、電気化学蓄電池を表している等価電気回路の例を示している。R0は、高周波抵抗または素子の直列抵抗を表しており、R1は電荷移動抵抗を表しており、Q1は電気化学2重層現象を表している一定位相素子を表しており、Wは分散現象を表しているワールブルクインピーダンスを表している。
【0048】
等価回路は、構成要素の数を限定し、物理的な意味をできるだけ維持しながら、電池の全ての状態について装置のインピーダンスの最良のモデルを実現するように選択される。
【0049】
選択されたモデル(mod.)は、モデルの複数のパラメータを変化させることによって、電池のSoC、SoH、および温度(T)の各々に対応している試験プログラムの各インピーダンス線図に対して調整される。幾何学的なアプローチによるモデリングは粗いが、より高速である(たとえば、半円の直径と、線形な低周波拡散部分の勾配を求める場合)。
【0050】
両方共、複数のモデルを記述する複数の量は、SoC、SoH、および温度に左右される。
【0051】
(3 SoCまたはSoHとモデルパラメータとの間の関係の決定)
このステップの間、特性(SoC、SoH)と等価電気回路(モデル)のパラメータとの間の関係が、各内部状態について得られた特性およびパラメータの複数の値の統計解析を使用して較正される。
【0052】
多変量の組み合わせの形式の方程式が、SoCまたはSoHと、考慮しているモデルの記述との間で求められる。
【0053】
その結果、一方のSoCまたはSoHと他方のモデルの複数のパラメータ(および場合によっては電池の温度と電圧)との間で多変量解析が実行される。したがって、SoCおよびSoHの少なくとも一方は、互いに独立している複数の等価電気回路の様々なパラメータの値の変化のみから予測されない。それに対して、本発明によれば、これらのパラメータ全ての組み合わせに依存している法則が、この多変量解析を使用して定められる。これは、SoCまたはSoHの最適な予測を保証する最適な多変量の法則を求められることを意味している。
【0054】
例として、複数の電気パラメータの主成分分析の形式の処理を使用してもよい。
【0055】
電気モデルの例として、SoCと抵抗、ワールブルク係数との間に以下の関係が得られる。
【0056】
SoH=a×C+b×al+c×W+d×W+e×R+f×L.R+g×C
有用であることが証明された場合、温度をパラメータとしてモデルパラメータに追加してもよい。同様に、電池の電圧をパラメータとして複数のモデルパラメータに追加してもよい。したがって、この関係は、パラメータT、SoC、およびSoHを制御することによって、またモデルの複数のパラメータの主成分分析などの数学的な処理によって、選択された電池の種類および考えられる用途についての実験室用試験のプログラムの結果として確立される。
【0057】
(4 前記関係を使用した電気化学装置の内部状態の予測)
検討中の電気化学装置の電気応答が様々な周波数について求められる。この応答は、等価電気回路の電気応答が所定の電気応答と等しくなるパラメータを求めることで等価電気回路を使ってモデル化される。次に、電気化学装置の内部状態が、前記関係を使用して電気化学装置の内部状態に関する特性を計算することによって予測される。
【0058】
実際には、前のステップで得られた関係が、ステップ1で説明した任意の方法を使用するインピーダンス計測装置(IMI)によって構成されているセンサ(G)において一方で使用され、ソフトウェア部分として他方で使用される。ソフトウェア部分は、
計測装置a)がインピーダンスを有していない場合、インピーダンスを計算し、
計測されたインピーダンスにステップ2で選択されたモデルを自動的に当てはめ(LOG)、
ステップ3で求められ、かつ以前に調整されている複数のモデルの複数のパラメータに基づいた、場合によっては電池の温度と電圧とに関連付けられた複数の関係を用いてSoCまたはSoHを計算する(CALC)。
【0059】
[例]
例として、本発明の方法のステップは、材料の対が異なる2つの電池(リチウムイオン蓄電池)、例えば、
リン酸鉄リチウム(LiFePO)の正電極への使用とチタン酸リチウム(LiTi12)の負電極への使用に基づいており、使用が開始されつつある対を使用したプロトタイプの蓄電池、
リン酸鉄リチウム(LiFePO)の正電極への使用と黒鉛、Cの負電極への使用に基づいている、より従来型の対を使用している商用蓄電池、
に適用される。
【0060】
(実験室で実施された加速されたエージング)
場合によって、電池はハイブリッド乗り物の種類の搭載用途をシミュレーションする加速されたエージングのプロトコル、または送電網に接続されている光起電力由来のエネルギーを蓄える用途をシミュレーションする加速されたエージングのプロトコルの対象とされた。
【0061】
(インピーダンス計測手続き)
SoCとSoHの両方の電池診断のための方法の有効性を確認するために、「検査」試験手続きが定義された。この手続きは、エージングの前後で、通常4週間ごとに、雰囲気温度で電池を特徴付けるために使用された。
【0062】
この試験は、図2に示しているように、4つの連続しているサイクルで構成された。この図において、サイクル番号は、NCyが前に付いている数字によって示されており、複数の曲線が充電の状態を表している。
【0063】
第1のサイクル(NCy1)は、電池が完全に充電されていることを保証するため、残りの放電とのそれに続く完全な充電とから構成された。第2のサイクル(NCy2)は、容量の喪失、したがって電池の劣化状態を評価する試験であった。この試験は、次の2つのサイクル中の充電−放電電流を適合させるためにも使用することができる。インピーダンス計測に対する充電状態の影響は、最後の2つのサイクル中に一連の計測によって検討された。第3のサイクル(NCy3)の目的は、休止期間の後で定電位型のインピーダンス分光法(図でSIPと表されている)を使用することであって、第4のサイクル(NCy4)の目的は、電流を中断することなくインピーダンスを計測することであったが、これは、充電及び放電段階の間の定電流モード(図でSIGと表されている)でのインピーダンスの計測を意味する。しかし、定電位モードは、電圧調整充電の最後に必然的に使用される。
【0064】
(インピーダンスと調整)
エージングの様々な程度について得られた複数のインピーダンスは、電池の総インピーダンスに対するエージングの様々な影響を観察するために、同じナイキスト線図(図3の例)上で表される。図3は、LiTi12/LiFePO型の電池についての20%の充電状態でのVEH用途を表している5〜6個のエージングの状態について得られたインピーダンスの比較を表している。V1:初期状態、V2:2週間のエージング後、V3:4週間後、V4:6週間後、V5:8週間後。
【0065】
注目すべきことは、インピーダンスは重ならず、エージングされた電池のインピーダンスは、より大きな半径の半円となることがわかるであろう。これらの差は、本発明によって、R0+R1/Q1+W(図4)の電気モデルに対してインピーダンスを調整することによって定量化され、調整の品質をナイキスト線図またはボード線図(図5)において試験することができる。図5は、ナイキスト表現a)とボード表現b)における、そして図4の等価回路モデルを使用した20%SoCでのLiTi12/LiFePO型の電池についての65kHzと0.1Hzとの間でのインピーダンスのモデルついての調整の例の図である。(EX):実験計測と(MA):調整済みのモデル。
【0066】
調整によって得られた複数の抵抗を比較すると、それらはエージングの関数として増加することが観察されることが注目される。この例では、この特性は、インピーダンスが計測された温度に関わらず同一である。したがって、電池のエージングの電気回路の複数の構成要素の値に対する影響は示され、電池の劣化状態(SoH)を計測するために使用される。
【0067】
前述のインピーダンスは、周波数の異なる連続している複数の正弦信号を使用することによって得られた。インピーダンスは、ホワイトノイズを電池の充電/放電信号に重ね合わせるなど、異なる態様で得ることもできる。図6は、従来の経路(正弦波信号(SS))によって計測されたインピーダンスだけでなく、ホワイトノイズ(BB)によって計測されたインピーダンスを示している。ホワイトノイズを使用してはるかに多くの点が得られていることに注目すべきであり、これは調整がより正確にできることを意味している。
【0068】
(電池の劣化状態(SoH)の決定)
これらの試験は、LiTi12/LiFePO型のプロトタイプにおいて実施された。実験のプロトコルは、容量試験と5〜6個のインピーダンス試験(図2)とが実施された、25℃での複数の検査期間を含む、50℃でのハイブリッド乗り物型のエージングに基づいていた。
【0069】
プロトタイプの総容量は、検査手続きの各ステップについて既知であった。
【0070】
本発明によれば、インピーダンスは、抵抗、コンデンサ(つまり一定位相素子、CPE)およびワールブルク素子(例えば図4)などの単純な電気要素によって構成されている非線形モデルを使用して調整された。これらの実験中に、複数のエージング期間の間、複数のインピーダンス計測も実施された。
【0071】
我々は、電池の異なる充電状態と5つの異なる劣化状態とで実施された29個のインピーダンス計測を得ている。また、これらの計測値の各々について、単純な等価電気回路モデルに対して、R0(直列抵抗)、R1(電荷移動抵抗)、C1(C1、CPEの量Q1)、al(al、CPEの指数部)、およびW(ワールブルクインピーダンス)の5つの因子を調整することができる。
【0072】
これらの因子の統計的な処理(重回帰分析)後、以下の関係が保持された。
【0073】
SoH=a+b×R+c×R+d×R+e×al+f×W+g×R+h×W
ここで、R、alおよびWは、調整された電気インピーダンスパラメータを表している。
【0074】
この関係を使用したエージング中の複数の予測された容量の変化が図7のプロトタイプの既知の複数の容量と比較された。
【0075】
図7は、上のグラフa)において、SoHの予測関係から予測された容量(Qcalc)が縦軸上にあって、電池の計測された容量(Q)が横軸上にあることを表している。直線は線形回帰に該当しており、下のグラフb)上では、複数のインピーダンス線図から計算された容量の間の差を表している残差(ΔQcalc)は縦軸上にあって、計測された電池の容量(Q)は横軸に沿っている。
【0076】
統計的には、グラフa)上の複数の点は、モデルの信頼性を確認するためには、y=xの種類の直線に近くなければならない。残差については、(本明細書の場合のように)無作為の分散とならなければならない。非無作為の分散は、関係に妥当性がないことを示している。
【0077】
計算された値と実際の値との間の差を表している残差の変化は、予測が正確に動作していることを示している。また、モデルによって説明される分散を示している相関係数Rは、0.9999に等しかった(R=0の場合、相関がなく、R=1の場合、完全な相関が存在する)。モデルによる標準誤差は0.25%であって、これは非常に低い値であって、モデルの正確さを表している。分散分析も、調整因子がすべてモデルを表していることを示した。コルモロゴフ−スミルノフ検定も実施された。この検定は、モデルによって計算された複数の値と計測された複数の値とが同じ法則に従うことを確認することができる。この検定は、0.95のP値(P=0ならば、法則が異なる、P=1ならば、法則は同じである)となり、これはモデルに対しては非常によい。したがって、実施された統計検定の観点から、得られたモデルは有効である。
【0078】
(エージング中に計測されたインピーダンスの検証)
検査段階(図2)の間と同じ複数のインピーダンス計測がエージング期間中に実施され、以前に求められたモデルをこれらのインピーダンスに対して調整されている複数のパラメータの複数の値に適用することが可能であった。ただし、エージングインピーダンスは、検査段階と同じように25℃ではなく50℃で計測され、したがって、電池のインピーダンスはその温度に依存するので計測には歪みが存在した。
【0079】
図8は、2つの方法、すなわち、20℃での検査(CK)中のサイクルと、エージング(VI)中に計測された50℃でのインピーダンスの計測と、によって求められた容量(Q)を時(hour)で表した時間の関数として示している。時間の関数として2つの種類の結果の間の非常に強い類似性を示している。温度の差からくる歪みは規則的であって、計測された容量の値よりも予測される容量の値は常に高かった。この結果は意味があり、それは電池の容量は常に温度と共に上昇するからである。エージング中のSoH(容量によって表されている)は、温度の違いにも関わらず、エージング中に計測された複数のインピーダンス線図に適用された方法によって予測することができる。実際に、使用する例において、温度パラメータは検討されていない。このパラメータの積分は、予測の精度を改善することができることを意味することになる。
【0080】
(電池の充電状態(SoC)の決定)
実験のプロトコルは、2.3Ahの容量を有し完全に充電された黒鉛/リン酸鉄リチウムの商用リチウムイオン電池の使用と、5%の充電状態のステップでのその電池の放電からなる。各充電状態において、電池は安定化させるために休止させ、それからインピーダンス計測が定電流モードで実施された。データ処理は、劣化状態を判断するために適用されたデータ処理に類似している。
【0081】
統計的な処理の後、保持された関係は次のようになる。
【0082】
SoC=a×C+b×al+c×W+d×W+e×R+f×L.R十g×C
ここで、R0、R1、C1、al1、L0およびWは前述のように調整された電気インピーダンスパラメータを表している(R0は電解質の抵抗、R1は伝達抵抗、C1はCPEの量Q1、al1はCPEの指数部、L0は高周波数インダクタンス、Wはワールブルクインピーダンス)。
【0083】
この関係を使用して予測されたSoCの変化は、電池の既知のSoCと比較された。
【0084】
図9は、上のグラフa)において、SoC予測関係から予測されたSoC(SoC calc)が縦軸上にあって、電池の計測されたSoC(SoC)が横軸上にあることを表している。直線は線形回帰に該当しており、下のグラフb)上では、複数のインピーダンス線図から計算された値の間の差を表している残差(ΔSoC calc)は縦軸上にあって、電池の計測された充電状態(SoC)は横軸に沿っている。
【0085】
複数の残差の変化は、統計的にモデルが機能していることを示している。また、モデルによって説明される分散を示している相関係数Rは、0.997に等しかった(R=0の場合、相関がなく、R=1の場合、完全な相関が存在する)。モデルによる標準誤差は4%であり、この値は非常に小さく(電池のSoCについて4%の不確かさ)、モデルの精度を表している。分散分析も、調整因子がすべてモデルを表していることを示した。コルモロゴフ−スミルノフ検定も実施された。この検定は、モデルによって計算された複数の値と計測された複数の値とが同じ法則に従うことを確認することができる。この検定は、1のP値(P=0ならば、法則が異なる、P=1ならば、法則は同じである)となり、これはモデルに対しては非常によい。したがって、実施された統計検定の観点から、得られたモデルは有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池のような電気エネルギーの貯蔵のための第1の電気化学装置の内部状態を予測する方法であって、前記第1の電気化学装置の前記内部状態に関する少なくとも1つの特性が、インピーダンス分光法によって得られた電気計測から予測される方法において、
前記第1の電気化学装置と同じ種類の少なくとも1つの第2の電気化学装置のさまざまな内部状態について、前記第2の電気化学装置の前記内部状態に関連している前記特性を計測し、インピーダンス分光法を使用してさまざまな周波数で前記第2の電気化学装置の電気計測を実施するステップと、
前記第2の電気化学装置の複数の電気応答をモデル化する少なくとも1つのパラメータを有する等価電気回路を定めるステップと、
前記複数の内部状態について求められた前記特性および前記パラメータの複数の値の統計解析を使用して前記特性と前記等価電気回路の前記パラメータとの間の関係を較正するステップと、
前記等価電気回路の電気応答が前記第1の電気化学装置の前記電気応答と等しくなるように前記パラメータを求めることで前記等価電気回路を使ってモデル化されている様々な周波数について前記第1の電気化学装置の電気応答を求めるステップと、
前記関係を使用して前記電気化学装置の前記内部状態に関連している前記特性を計算することによって前記第1の電気化学装置の前記内部状態を予測するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記様々な内部状態は前記第1の電気化学装置と同じ種類の前記電気エネルギーの貯蔵のための前記第2の電気化学装置の加速されたエージングを実施することによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記様々な内部状態は、前記第1の電気化学装置と同じ種類の一式の第2の電気化学装置を選択することによって得られ、前記一式の第2の電気化学装置は異なる内部状態を有している、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電気化学装置の前記内部状態に関連している前記特性である前記電気化学装置の充電状態(SoC)と前記電気化学装置の劣化状態(SoH)のうち少なくとも1つが計算される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記等価電気回路は、以下のパラメータ、すなわち、抵抗、容量、温度、または前記パラメータの任意の組み合わせから選択された複数のパラメータによって定義されている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
さまざまな周波数に対する電気応答は、前記電気化学装置を通過する電流に電気信号を加えることによって得られる複数の電気インピーダンス線図を計測することによって求められる、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の電気インピーダンス線図は、正弦波電流の外乱を前記電気化学装置に加えて、前記電気化学装置の複数の端子の位置に誘起される正弦波電圧を計測することによって計測される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の電気インピーダンス線図は、複数の正弦曲線の重ね合わせの形態またはホワイトノイズの形態の外乱を前記電気化学装置に加えて、前記電気化学装置の複数の端子の位置に誘起される正弦波電圧を計測することによって計測される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記電気化学装置は休止しているか動作している、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
電気エネルギーの貯蔵のための電気化学装置の内部状態を推定する装置であって、
インピーダンス分光法によって前記電気化学装置の電気インピーダンスを計測する手段を有するセンサ(G)と、
等価電気回路と、前記電気化学装置の前記内部状態に関する特性と前記等価電気回路の複数のパラメータとの間の関係であって前記電気化学装置と同じ種類の少なくとも1つの第2の電気化学装置のさまざまな内部状態の複数の計測によって較正されている関係と、を保存するのに使用可能なメモリと、
前記電気化学装置の電気応答をモデル化する前記等価電気回路の前記複数のパラメータを定義する手段と、
前記関係を使用して前記電気化学装置の前記内部状態に関する特性を計算する手段と、
を有する装置。
【請求項11】
電気インピーダンスを計測する前記手段は、
正弦波電流の外乱、複数の正弦曲線の重ね合わせの形態の外乱、またはホワイトノイズの形態の外乱を前記電気化学装置に加えるガルバノスタットと、
前記電気化学装置の複数の端子の位置に誘起される正弦波電圧を計測する手段と、
を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の電池の内部状態を推定する装置を有する、電池管理装置。
【請求項13】
電池と、請求項12に記載の電池管理装置を有する乗り物。
【請求項14】
請求項10または11に記載の内部状態を推定する装置を有している電気エネルギーを蓄える光起電力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−519893(P2013−519893A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553364(P2012−553364)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/FR2011/000083
【国際公開番号】WO2011/101553
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
【出願人】(512214890)
【氏名又は名称原語表記】CEA
【出願人】(502155356)サントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ シィアンティフィク (セ.エヌ.エール.エス.) (10)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE (C.N.R.S.)
【Fターム(参考)】