電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイス
【課題】充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制することのできる電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスを提供する。
【解決手段】この電気化学デバイスは、正極10及び負極20の分極性電極層12,22を構成する活物質がエステル化処理され、エステル化処理により活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基がアルキル鎖を有するアミノ基によって置換されている。このため、充放電により活物質の表面の水酸基やカルボキシル基から発生するプロトンの量を抑制することができ、非水電解液中に含まれている水分が電気分解することにより発生するプロトンもアミノ基によって捕捉することができるので、充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制できる。
【解決手段】この電気化学デバイスは、正極10及び負極20の分極性電極層12,22を構成する活物質がエステル化処理され、エステル化処理により活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基がアルキル鎖を有するアミノ基によって置換されている。このため、充放電により活物質の表面の水酸基やカルボキシル基から発生するプロトンの量を抑制することができ、非水電解液中に含まれている水分が電気分解することにより発生するプロトンもアミノ基によって捕捉することができるので、充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解液と、活物質を含有している電極とを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウムイオン二次電池などの各種電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気二重層キャパシタの電極の分極性電極層としては、例えばポリアセン、ポリアニリン、活性炭等の活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、スチレンブタジエンゴム等のバインダーを含有しているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような電気二重層キャパシタは、非水電解液中の水分含有量が極力少なくなるように製造されるが、電極の活物質の細孔に水分が吸着している等の理由により、非水電解液中に混入する水分を完全に除去することは難しい。
【0004】
また、非水電解液中に水分が含有されていると、充放電を繰返すことにより当該水分が電気分解してプロトンが発生し、そのプロトンと非水電解液中のBF4-等の電解質アニオン成分とが反応し、これにより非水電解液中のプロピレンカーボネート等の非水溶媒の分解を引き起こす場合がある。また、非水溶媒が分解することにより、電気二重層キャパシタの静電容量が低下するとともに内部抵抗が上昇する。
【0005】
また、電極の表面には水酸基やカルボキシル基等の官能基が存在するので、充放電を繰返すことにより当該官能基からプロトンが発生し、そのプロトンと非水電解液中のBF4-等の電解質アニオン成分とが反応し、水分が電気分解する場合と同様の結果をもたらす。また、充放電を繰返すことによって前記官能基が電極から脱離する場合もあり、この場合は脱離した官能基によってガスが発生することになり、電気二重層キャパシタの容器内圧力の上昇や容器の膨張を招来する。
【0006】
前述のような非水電解液の劣化を防止するために、電極の表面にポリアリルアミン等の有機高分子を付着させることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、このように電極の表面を有機高分子で覆うと、活物質の細孔が覆われることになり、静電容量の著しい低下を招来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−040765号公報
【特許文献2】特開2002−117851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制することのできる電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために、活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、前記活物質がその表面に下記式(1)であらわされる基を有し、式中R1及びR2は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。
【0010】
【化1】
【0011】
また、本発明は、活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、前記活物質がその表面に下記式(2)であらわされる基を有し、式中R3及びR4は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。
【0012】
【化2】
【0013】
また、本発明は、前記の電極と非水電解液とを備えた電気化学デバイスである。
【発明の効果】
【0014】
以下詳述するように、本発明に係る電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスによれば、充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制することができる。
【0015】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の電気二重層キャパシタの側面断面図
【図2】電気二重層キャパシタの平面図
【図3】フィルムパッケージが膨張した状態の電気二重層キャパシタの側面断面図
【図4】式(3)のアミノアルコールの例
【図5】式(3)のアミノアルコールの例
【図6】式(3)のアミノアルコールの例
【図7】式(4)のアミノ酸の例
【図8】式(4)のアミノ酸の例
【図9】式(4)のアミノ酸の例
【図10】カルボキシル基がアミノアルコールによって置換される際の模式図
【図11】水酸基がアミノ酸によって置換される際の模式図
【図12】実験結果を示す表
【図13】実験結果を示す表
【図14】実験結果を示す表
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した一実施形態としての電気二重層キャパシタを具体的に説明する。
【0018】
本実施形態の電気二重層キャパシタは、電極としての正極10、電極としての負極20、及び正極10と負極20との間に介在するセパレータ30を有する蓄電素子Bと、非水溶媒に電解質が溶解している非水電解液と、ラミネートフィルムから成るとともに蓄電素子B及び非水電解液が封入されているフィルムパッケージ40と、一端が蓄電素子Bに接続され他端がフィルムパッケージ40から導出している一対の端子50とを有する。また、正極10及び負極20は例えばそれぞれ金属箔から成る集電体11,21の表面に分極性電極層12,22を形成して成り、正極10の分極性電極層12と負極20の分極性電極層22とが向き合うように配置されている。セパレータはセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂等から成り、非水電解液を含浸可能であれば他の材質のものを用いることも可能である。また、前述のように向きあっている正極10及び負極20の各分極性電極層12,22の間にセパレータ30が配置され、蓄電素子Bは正極10、セパレータ30、負極20の順で積層された積層構造を有する。また、正極10と負極20との間のセパレータ30が非水電解液を含浸しているので、正極10及び負極20の分極性電極層12,22と非水電解液との接触界面に電気二重層が形成される。蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタに用いられる公知の構造を適用可能である。
【0019】
[正極及び負極の分極性電極層]
前記正極10及び負極20の分極性電極層12,22は電気二重層キャパシタの分極性電極層に用いられる公知の材質及び構造を有していればよく、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭等の活物質を含有し、カーボンブラックやグラファイトや金属粉末等の導電助剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)やカルボキシメチルセルロース(CMC)等のバインダーも必要に応じて含有している。活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチ等が挙げられ、耐熱性樹脂の例としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂が好適に挙げられる。これらは1種でも使用可能であり、2種以上を併用することも可能である。
【0020】
分極性電極層12,22は以下のようにして集電体11,21の表面に形成することができる。尚、以下は一例であって、分極性電極層を形成するための公知の他の方法によって形成することも可能である。
【0021】
先ず、ポリアセン、ポリアニリン、賦活処理された活性炭等の活物質と、導電助剤と、バインダーとを溶媒に分散させて電極スラリーを形成し、その電極スラリーを正極10及び負極20の集電体11,12の表面に塗布して乾燥させることにより、集電体11,12上に分極性電極層12,22が形成される。前記活物質は粉末状、粒状、短繊維状である。また、前記活物質は、前記溶媒に分散させて電極スラリーにする前に、表面の官能基をエステル化するための処理が行われている。尚、前記官能基は水酸基やカルボキシル基である。
【0022】
前記エステル化するための処理方法の一例としては、粉末状の活物質10gをカルボジイミド存在下、3gの下記式(3)のアミノアルコール中に分散させた後、80℃に加熱しながら24時間撹拌する方法が挙げられる。式(3)のアミノアルコールにおいて、R1及びR2は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。式(3)のアミノアルコールの例を図4〜6の例1〜27に示す。
【0023】
【化3】
【0024】
また、エステル化するための処理方法の他の例としては、粉末状の活物質10gをカルボジイミド存在下、3gの下記式(4)のアミノ酸中に分散させた後、80℃に加熱しながら24時間攪拌する方法が挙げられる。式(4)のアミノ酸において、R3及びR4は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。式(4)のアミノ酸の例を図7〜9の例28〜54に示す。
【0025】
【化4】
【0026】
図10の模式図に示すように、活物質の表面SRのカルボキシル基は式(3)のアミノアルコールによってエステル化され、前記式(1)の基が活物質の表面SRに結合される。また、図11の模式図に示すように、活物質の表面SRの水酸基は式(4)のアミノ酸によってエステル化され、前記式(2)の基が活物質の表面SRに結合される。
【0027】
[非水電解液]
下記非水溶媒に下記支持電解質が溶解して成る。
【0028】
[非水溶媒]
非水溶媒は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ニトリル類、及び含イオウ化合物の何れかに含まれる溶媒の1種または複数種の混合溶媒を用いる。
【0029】
環状炭酸エステルの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられ、鎖状炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が挙げられ、環状エステルの例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられ、鎖状エステルの例としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチル等が挙げられ、環状エーテルの例としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル-1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソラン等が挙げられ、鎖状エーテルの例としては、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピルエーテル等が挙げられ、ニトリル類の例としては、アセトニトリル、プロパンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等が挙げられ、含イオウ化合物の例としてはスルホラン、エチルメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0030】
[支持電解質]
支持電解質は電気二重層キャパシタに用いられる支持電解質であれば良く、例えばアンモニウム塩やホスホニウム塩を使用できる。アンモニウム塩の例としては、4フッ化ほう酸4ブチルアンモニウム((C4H9)4NBF4)、4フッ化ほう酸4エチルアンモニウム((C2H5)4NBF4)、4フッ化ほう酸3エチルメチルアンモニウム((C2H5)3CH3NBF4)、4フッ化ほう酸-1,1'-スピロビピロリジニウム((C4H8)2NBF4)、6フッ化リン酸4ブチルアンモニウム((C4H9)4NPF6)、6フッ化リン酸4エチルアンモニウム((C2H5)4NPF6)等が挙げられる。ホスホニウム塩の例としては、4フッ化ほう酸4ブチルホスホニウム((C4H9)4PBF4)、4フッ化ほう酸4エチルホスホニウム((C2H5)4PBF4)、6フッ化リン酸4ブチルホスホニウム((C4H9)4PPF6)、6フッ化リン酸4エチルホスホニウム((C2H5)4PPF6)等が挙げられる。支持電解質を含有させる量は非水電解液1リットルに対し、例えば1.0モル以上2.5モル以下である。
【0031】
前記電気二重層キャパシタにおいて、以下の実験例及び比較例を製作し、図12〜14に示すような実験結果を得た。
[実験例1]
前記電気二重層キャパシタにおいて、正極10及び負極20の分極性電極層の活物質として、例1のアミノアルコールを用いてエステル化処理を施したフェノール樹脂炭化物から成る活性炭を用い、非水溶媒としてプロピレンカーボネートを用い、支持電解質として4フッ化ほう酸3エチルメチルアンモニウム(TEMABF4)を非水電解液1リットルに対して1.5モル溶解させた。
[実験例2]
活性炭のエステル化処理に例2のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例3]
活性炭のエステル化処理に例3のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例4]
活性炭のエステル化処理に例4のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例5]
活性炭のエステル化処理に例5のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例6]
活性炭のエステル化処理に例6のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例7]
活性炭のエステル化処理に例7のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例8]
活性炭のエステル化処理に例8のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例9]
活性炭のエステル化処理に例9のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例10]
活性炭のエステル化処理に例10のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例11]
活性炭のエステル化処理に例11のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例12]
活性炭のエステル化処理に例12のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例13]
活性炭のエステル化処理に例13のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例14]
活性炭のエステル化処理に例14のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例15]
活性炭のエステル化処理に例15のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例16]
活性炭のエステル化処理に例16のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例17]
活性炭のエステル化処理に例17のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例18]
活性炭のエステル化処理に例18のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例19]
活性炭のエステル化処理に例19のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例20]
活性炭のエステル化処理に例20のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例21]
活性炭のエステル化処理に例21のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例22]
活性炭のエステル化処理に例22のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例23]
活性炭のエステル化処理に例23のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例24]
活性炭のエステル化処理に例24のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例25]
活性炭のエステル化処理に例25のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例26]
活性炭のエステル化処理に例26のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例27]
活性炭のエステル化処理に例27のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例28]
活性炭のエステル化処理に例28のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例29]
活性炭のエステル化処理に例29のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例30]
活性炭のエステル化処理に例30のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例31]
活性炭のエステル化処理に例31のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例32]
活性炭のエステル化処理に例32のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例33]
活性炭のエステル化処理に例33のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例34]
活性炭のエステル化処理に例34のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例35]
活性炭のエステル化処理に例35のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例36]
活性炭のエステル化処理に例36のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例37]
活性炭のエステル化処理に例37のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例38]
活性炭のエステル化処理に例38のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例39]
活性炭のエステル化処理に例39のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例40]
活性炭のエステル化処理に例40のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例41]
活性炭のエステル化処理に例41のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例42]
活性炭のエステル化処理に例42のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例43]
活性炭のエステル化処理に例43のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例44]
活性炭のエステル化処理に例44のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例45]
活性炭のエステル化処理に例45のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例46]
活性炭のエステル化処理に例46のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例47]
活性炭のエステル化処理に例47のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例48]
活性炭のエステル化処理に例48のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例49]
活性炭のエステル化処理に例49のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例50]
活性炭のエステル化処理に例50のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例51]
活性炭のエステル化処理に例51のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例52]
活性炭のエステル化処理に例52のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例53]
活性炭のエステル化処理に例53のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例54]
活性炭のエステル化処理に例54のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例55]
活性炭に例1のアミノアルコールを用いてエステル化処理を施した後、その活性炭に例28のアミノ酸を用いてエステル化処理を施すようにする以外は、実験例1と同じである。
[実験例56]
活性炭に例25のアミノアルコールを用いてエステル化処理を施した後、その活性炭に例52のアミノ酸を用いてエステル化処理を施すようにする以外は、実験例1と同じである。
[比較例1]
活性炭のエステル化処理を行わなかったこと以外は、実験例1と同じである。
【0032】
尚、前記実験例1〜18及び比較例1の電気二重層キャパシタは、全て同等のサイズに形成されている。
【0033】
[評価方法]
図12〜14中の官能基量は、実験例1〜56については、エステル化処理を施した後、且つ、前記溶媒に分散させて電極スラリーにする前の活性炭についてフーリエ変換赤外線分光光度計を用いて求めたものであり、比較例1については、前記溶媒に分散させて電極スラリーにする前の活性炭についてフーリエ変換赤外線分光光度計を用いて求めたものである。また、図12〜14中の初期の静電容量及び抵抗値は、前述のように製作された各電気二重層キャパシタを25℃雰囲気中で12時間放置後、同雰囲気内で静電容量と抵抗値(ここでは1kHzの交流抵抗値を示す)を測定したものである。また、図12〜14中の信頼性試験後の静電容量及び抵抗値は、60℃の雰囲気中で2.5Vの充電電圧を500時間印加し続ける信頼性試験を実施し、その後に25℃雰囲気中で静電容量と抵抗値(ここでは1kHzの交流抵抗値を示す)を測定したものであり、これらの測定結果を初期の静電容量及び抵抗値の測定結果で割って得られる値を百分率で表したものが図12〜14中の容量維持率及び抵抗上昇率である。図12〜14中に示したパッケージ40の信頼性試験後の試験前に対する厚さは、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚みT2を初期のフィルムパッケージ40の厚みT1で割った値を百分率で表したものである(図1及び図3参照)。
【0034】
[評価結果]
図12〜14における実験例1〜54及び比較例1の結果より、例1〜27のアミノアルコールでエステル化処理を行うことにより、活物質表面のカルボキシル基が減少し、例28〜54のアミノ酸でエステル化処理を行うことにより、活物質表面の水酸基が減少することが確認された。実験例55及び56より、アミノアルコールでエステル化処理を行った後にアミノ酸でエステル化処理を行うことにより、活物質表面のカルボキシル基及び水酸基が減少することが確認された。
【0035】
また、初期の静電容量は、活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56よりも活物質のエステル化処理を行っていない比較例1の方が少し大きかった。また、初期の抵抗値は、活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56よりも活物質のエステル化処理を行っていない比較例1の方が少し小さかった。これらの結果は、エステル化処理によって活物質の表面に結合している式(1)や式(2)であらわされるアミノ基の立体障害が水酸基やカルボキシル基のそれに比べて大きく、非水電解液中の電解質が正極10及び負極20の分極性電極層12,22の活物質に近づき難くなることに起因して生じていると推測される。アミノ基のアルキル鎖が長くなる実験例19〜27に比べて実験例1〜14の初期の静電容量が大きく、且つ、初期の抵抗値が小さいことも、前記推測に沿ったものとなっている。また、実験例55及び56の方が実験例1〜54よりも初期の静電容量が小さく、初期の抵抗値が大きかった。この結果より、活物質の表面に式(1)であらわされる基と式(2)であらわされる基の両方が結合している方が、何れか一方のみが結合している時よりも、非水電解液中の電解質が活物質に近づき難くなっていると推測される。
【0036】
一方、活物質のエステル化処理を行っていない比較例1よりも活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56の方が、信頼性試験後の静電容量の低下及び抵抗値の上昇が小さく、また、信頼性試験によるフィルムパッケージ40の厚さの変化が小さかった。これらの結果が生ずる原因は以下のように推測される。
【0037】
先ず、信頼性試験において充電を継続して行うことにより、活物質の細孔内や非水電解液中に存する微量な水分が電気分解し、プロトンが非水電解液中に放出されることになる。また、非水電解液中にプロトンが放出されると、プロトンと非水電解液中の電解質アニオン成分BF4-とが反応し、これにより非水電解液中のプロピレンカーボネートの分解を引き起こし、電気二重層キャパシタの静電容量の低下及び抵抗値の上昇を招来することになる。また、信頼性試験において充電を継続して行うことにより、各電極10,20の分極性電極層12,22の活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基からプロトンが発生し、そのプロトンと非水電解液中の電解質アニオン成分BF4-とが反応し、水分が電気分解する場合と同様の結果をもたらす。さらに、信頼性試験において充電を継続して行うことにより、各電極10,20の分極性電極層12,22の活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基が活物質から脱離し、当該脱離によって非水溶媒中にガスが発生し、フィルムパッケージ40の膨張を招来することになる。
【0038】
これに対し、実験例1〜56では、活物質の表面の水酸基やカルボキシル基が式(1)又は式(2)のアミノ基に置換されている。アミノ基はプロトンが配位する性質があるので、非水電解液中の水分が電気分解して生ずるプロトンや、活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基から発生するプロトンが、活物質の表面に存在する式(1)又は式(2)のアミノ基によって捕捉される。したがって、プロトンとの反応によるプロピレンカーボネートの分解を抑制することができ、このため、活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56の方が信頼性試験後の静電容量の低下及び抵抗値の上昇が小さくなっていると推測される。
【0039】
また、実験例1〜56では、活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基を減少させているので、水酸基やカルボキシル基が脱離することによるガス発生を抑制することができ、このためフィルムパッケージ40の厚さの変化が小さくなっていると推測される。
【0040】
尚、本実施形態では、フィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタについて説明したが、金属缶や他の容器に蓄電素子及び非水電解液を封入するタイプの電気二重層キャパシタであっても、前記各電極10,20と同様に活物質のエステル化処理を行うことが可能である。
【0041】
また、本実施形態では、電気二重層キャパシタの正極10及び負極20の分極性電極層12,22の活物質をエステル化処理するものを示したが、リチウムイオンキャパシタの正極の分極性電極層を構成する活物質又は負極の活物質層を構成する活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。リチウムイオンキャパシタの正極の分極性電極層を構成する活物質は前記実施形態の各電極10,20の分極性電極層12,22の活物質と同様であり、また、リチウムイオンキャパシタの負極の活物質層を構成する活物質はポリアセン(PAS)、種々の炭素材料、グラファイト、錫酸化物、珪素酸化物等であり、種々の炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。このため、活物質の表面に水酸基やカルボキシル基が存在する点で前記実施形態と同様であることから、リチウムイオンキャパシタの正極及び負極の活物質にエステル化処理を行うことにより、前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0042】
また、リチウムイオン二次電池の負極の活物質層を構成する活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。リチウムイオン二次電池の負極の活物質層を構成する活物質は前記リチウムイオンキャパシタの負極の活物質層を構成する活物質と同様であることから、リチウムイオン二次電池の負極の活物質にエステル化処理を行うことにより、前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0043】
また、正極又は/及び負極に活物質層を有するレドックスキャパシタにおいて、該活物質層を構成する活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。
【0044】
また、正極又は/及び負極に活物質を有する他の電気化学デバイスにおいて、該活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、非水電解液と、活物質を含有している電極とを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウムイオン二次電池等の各種電気化学デバイスに広く適用でき、該適用によって前述の作用、効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0046】
10…正極、11…集電体、12…分極性電極層、20…負極、21…集電体、22…分極性電極層、30…セパレータ、40…フィルムパッケージ、50…端子、B…蓄電素子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水電解液と、活物質を含有している電極とを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウムイオン二次電池などの各種電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気二重層キャパシタの電極の分極性電極層としては、例えばポリアセン、ポリアニリン、活性炭等の活物質と、カーボンブラック等の導電剤と、スチレンブタジエンゴム等のバインダーを含有しているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような電気二重層キャパシタは、非水電解液中の水分含有量が極力少なくなるように製造されるが、電極の活物質の細孔に水分が吸着している等の理由により、非水電解液中に混入する水分を完全に除去することは難しい。
【0004】
また、非水電解液中に水分が含有されていると、充放電を繰返すことにより当該水分が電気分解してプロトンが発生し、そのプロトンと非水電解液中のBF4-等の電解質アニオン成分とが反応し、これにより非水電解液中のプロピレンカーボネート等の非水溶媒の分解を引き起こす場合がある。また、非水溶媒が分解することにより、電気二重層キャパシタの静電容量が低下するとともに内部抵抗が上昇する。
【0005】
また、電極の表面には水酸基やカルボキシル基等の官能基が存在するので、充放電を繰返すことにより当該官能基からプロトンが発生し、そのプロトンと非水電解液中のBF4-等の電解質アニオン成分とが反応し、水分が電気分解する場合と同様の結果をもたらす。また、充放電を繰返すことによって前記官能基が電極から脱離する場合もあり、この場合は脱離した官能基によってガスが発生することになり、電気二重層キャパシタの容器内圧力の上昇や容器の膨張を招来する。
【0006】
前述のような非水電解液の劣化を防止するために、電極の表面にポリアリルアミン等の有機高分子を付着させることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、このように電極の表面を有機高分子で覆うと、活物質の細孔が覆われることになり、静電容量の著しい低下を招来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−040765号公報
【特許文献2】特開2002−117851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制することのできる電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前記目的を達成するために、活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、前記活物質がその表面に下記式(1)であらわされる基を有し、式中R1及びR2は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。
【0010】
【化1】
【0011】
また、本発明は、活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、前記活物質がその表面に下記式(2)であらわされる基を有し、式中R3及びR4は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。
【0012】
【化2】
【0013】
また、本発明は、前記の電極と非水電解液とを備えた電気化学デバイスである。
【発明の効果】
【0014】
以下詳述するように、本発明に係る電気化学デバイス用電極及び電気化学デバイスによれば、充放電を繰返した後の静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制することができる。
【0015】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の電気二重層キャパシタの側面断面図
【図2】電気二重層キャパシタの平面図
【図3】フィルムパッケージが膨張した状態の電気二重層キャパシタの側面断面図
【図4】式(3)のアミノアルコールの例
【図5】式(3)のアミノアルコールの例
【図6】式(3)のアミノアルコールの例
【図7】式(4)のアミノ酸の例
【図8】式(4)のアミノ酸の例
【図9】式(4)のアミノ酸の例
【図10】カルボキシル基がアミノアルコールによって置換される際の模式図
【図11】水酸基がアミノ酸によって置換される際の模式図
【図12】実験結果を示す表
【図13】実験結果を示す表
【図14】実験結果を示す表
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した一実施形態としての電気二重層キャパシタを具体的に説明する。
【0018】
本実施形態の電気二重層キャパシタは、電極としての正極10、電極としての負極20、及び正極10と負極20との間に介在するセパレータ30を有する蓄電素子Bと、非水溶媒に電解質が溶解している非水電解液と、ラミネートフィルムから成るとともに蓄電素子B及び非水電解液が封入されているフィルムパッケージ40と、一端が蓄電素子Bに接続され他端がフィルムパッケージ40から導出している一対の端子50とを有する。また、正極10及び負極20は例えばそれぞれ金属箔から成る集電体11,21の表面に分極性電極層12,22を形成して成り、正極10の分極性電極層12と負極20の分極性電極層22とが向き合うように配置されている。セパレータはセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂等から成り、非水電解液を含浸可能であれば他の材質のものを用いることも可能である。また、前述のように向きあっている正極10及び負極20の各分極性電極層12,22の間にセパレータ30が配置され、蓄電素子Bは正極10、セパレータ30、負極20の順で積層された積層構造を有する。また、正極10と負極20との間のセパレータ30が非水電解液を含浸しているので、正極10及び負極20の分極性電極層12,22と非水電解液との接触界面に電気二重層が形成される。蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタに用いられる公知の構造を適用可能である。
【0019】
[正極及び負極の分極性電極層]
前記正極10及び負極20の分極性電極層12,22は電気二重層キャパシタの分極性電極層に用いられる公知の材質及び構造を有していればよく、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭等の活物質を含有し、カーボンブラックやグラファイトや金属粉末等の導電助剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)やカルボキシメチルセルロース(CMC)等のバインダーも必要に応じて含有している。活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチ等が挙げられ、耐熱性樹脂の例としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂が好適に挙げられる。これらは1種でも使用可能であり、2種以上を併用することも可能である。
【0020】
分極性電極層12,22は以下のようにして集電体11,21の表面に形成することができる。尚、以下は一例であって、分極性電極層を形成するための公知の他の方法によって形成することも可能である。
【0021】
先ず、ポリアセン、ポリアニリン、賦活処理された活性炭等の活物質と、導電助剤と、バインダーとを溶媒に分散させて電極スラリーを形成し、その電極スラリーを正極10及び負極20の集電体11,12の表面に塗布して乾燥させることにより、集電体11,12上に分極性電極層12,22が形成される。前記活物質は粉末状、粒状、短繊維状である。また、前記活物質は、前記溶媒に分散させて電極スラリーにする前に、表面の官能基をエステル化するための処理が行われている。尚、前記官能基は水酸基やカルボキシル基である。
【0022】
前記エステル化するための処理方法の一例としては、粉末状の活物質10gをカルボジイミド存在下、3gの下記式(3)のアミノアルコール中に分散させた後、80℃に加熱しながら24時間撹拌する方法が挙げられる。式(3)のアミノアルコールにおいて、R1及びR2は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。式(3)のアミノアルコールの例を図4〜6の例1〜27に示す。
【0023】
【化3】
【0024】
また、エステル化するための処理方法の他の例としては、粉末状の活物質10gをカルボジイミド存在下、3gの下記式(4)のアミノ酸中に分散させた後、80℃に加熱しながら24時間攪拌する方法が挙げられる。式(4)のアミノ酸において、R3及びR4は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である。式(4)のアミノ酸の例を図7〜9の例28〜54に示す。
【0025】
【化4】
【0026】
図10の模式図に示すように、活物質の表面SRのカルボキシル基は式(3)のアミノアルコールによってエステル化され、前記式(1)の基が活物質の表面SRに結合される。また、図11の模式図に示すように、活物質の表面SRの水酸基は式(4)のアミノ酸によってエステル化され、前記式(2)の基が活物質の表面SRに結合される。
【0027】
[非水電解液]
下記非水溶媒に下記支持電解質が溶解して成る。
【0028】
[非水溶媒]
非水溶媒は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ニトリル類、及び含イオウ化合物の何れかに含まれる溶媒の1種または複数種の混合溶媒を用いる。
【0029】
環状炭酸エステルの例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられ、鎖状炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が挙げられ、環状エステルの例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられ、鎖状エステルの例としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチル等が挙げられ、環状エーテルの例としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル-1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソラン等が挙げられ、鎖状エーテルの例としては、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピルエーテル等が挙げられ、ニトリル類の例としては、アセトニトリル、プロパンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等が挙げられ、含イオウ化合物の例としてはスルホラン、エチルメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0030】
[支持電解質]
支持電解質は電気二重層キャパシタに用いられる支持電解質であれば良く、例えばアンモニウム塩やホスホニウム塩を使用できる。アンモニウム塩の例としては、4フッ化ほう酸4ブチルアンモニウム((C4H9)4NBF4)、4フッ化ほう酸4エチルアンモニウム((C2H5)4NBF4)、4フッ化ほう酸3エチルメチルアンモニウム((C2H5)3CH3NBF4)、4フッ化ほう酸-1,1'-スピロビピロリジニウム((C4H8)2NBF4)、6フッ化リン酸4ブチルアンモニウム((C4H9)4NPF6)、6フッ化リン酸4エチルアンモニウム((C2H5)4NPF6)等が挙げられる。ホスホニウム塩の例としては、4フッ化ほう酸4ブチルホスホニウム((C4H9)4PBF4)、4フッ化ほう酸4エチルホスホニウム((C2H5)4PBF4)、6フッ化リン酸4ブチルホスホニウム((C4H9)4PPF6)、6フッ化リン酸4エチルホスホニウム((C2H5)4PPF6)等が挙げられる。支持電解質を含有させる量は非水電解液1リットルに対し、例えば1.0モル以上2.5モル以下である。
【0031】
前記電気二重層キャパシタにおいて、以下の実験例及び比較例を製作し、図12〜14に示すような実験結果を得た。
[実験例1]
前記電気二重層キャパシタにおいて、正極10及び負極20の分極性電極層の活物質として、例1のアミノアルコールを用いてエステル化処理を施したフェノール樹脂炭化物から成る活性炭を用い、非水溶媒としてプロピレンカーボネートを用い、支持電解質として4フッ化ほう酸3エチルメチルアンモニウム(TEMABF4)を非水電解液1リットルに対して1.5モル溶解させた。
[実験例2]
活性炭のエステル化処理に例2のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例3]
活性炭のエステル化処理に例3のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例4]
活性炭のエステル化処理に例4のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例5]
活性炭のエステル化処理に例5のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例6]
活性炭のエステル化処理に例6のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例7]
活性炭のエステル化処理に例7のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例8]
活性炭のエステル化処理に例8のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例9]
活性炭のエステル化処理に例9のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例10]
活性炭のエステル化処理に例10のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例11]
活性炭のエステル化処理に例11のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例12]
活性炭のエステル化処理に例12のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例13]
活性炭のエステル化処理に例13のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例14]
活性炭のエステル化処理に例14のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例15]
活性炭のエステル化処理に例15のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例16]
活性炭のエステル化処理に例16のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例17]
活性炭のエステル化処理に例17のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例18]
活性炭のエステル化処理に例18のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例19]
活性炭のエステル化処理に例19のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例20]
活性炭のエステル化処理に例20のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例21]
活性炭のエステル化処理に例21のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例22]
活性炭のエステル化処理に例22のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例23]
活性炭のエステル化処理に例23のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例24]
活性炭のエステル化処理に例24のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例25]
活性炭のエステル化処理に例25のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例26]
活性炭のエステル化処理に例26のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例27]
活性炭のエステル化処理に例27のアミノアルコールを用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例28]
活性炭のエステル化処理に例28のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例29]
活性炭のエステル化処理に例29のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例30]
活性炭のエステル化処理に例30のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例31]
活性炭のエステル化処理に例31のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例32]
活性炭のエステル化処理に例32のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例33]
活性炭のエステル化処理に例33のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例34]
活性炭のエステル化処理に例34のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例35]
活性炭のエステル化処理に例35のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例36]
活性炭のエステル化処理に例36のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例37]
活性炭のエステル化処理に例37のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例38]
活性炭のエステル化処理に例38のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例39]
活性炭のエステル化処理に例39のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例40]
活性炭のエステル化処理に例40のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例41]
活性炭のエステル化処理に例41のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例42]
活性炭のエステル化処理に例42のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例43]
活性炭のエステル化処理に例43のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例44]
活性炭のエステル化処理に例44のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例45]
活性炭のエステル化処理に例45のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例46]
活性炭のエステル化処理に例46のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例47]
活性炭のエステル化処理に例47のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例48]
活性炭のエステル化処理に例48のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例49]
活性炭のエステル化処理に例49のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例50]
活性炭のエステル化処理に例50のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例51]
活性炭のエステル化処理に例51のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例52]
活性炭のエステル化処理に例52のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例53]
活性炭のエステル化処理に例53のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例54]
活性炭のエステル化処理に例54のアミノ酸を用いた以外は、実験例1と同じである。
[実験例55]
活性炭に例1のアミノアルコールを用いてエステル化処理を施した後、その活性炭に例28のアミノ酸を用いてエステル化処理を施すようにする以外は、実験例1と同じである。
[実験例56]
活性炭に例25のアミノアルコールを用いてエステル化処理を施した後、その活性炭に例52のアミノ酸を用いてエステル化処理を施すようにする以外は、実験例1と同じである。
[比較例1]
活性炭のエステル化処理を行わなかったこと以外は、実験例1と同じである。
【0032】
尚、前記実験例1〜18及び比較例1の電気二重層キャパシタは、全て同等のサイズに形成されている。
【0033】
[評価方法]
図12〜14中の官能基量は、実験例1〜56については、エステル化処理を施した後、且つ、前記溶媒に分散させて電極スラリーにする前の活性炭についてフーリエ変換赤外線分光光度計を用いて求めたものであり、比較例1については、前記溶媒に分散させて電極スラリーにする前の活性炭についてフーリエ変換赤外線分光光度計を用いて求めたものである。また、図12〜14中の初期の静電容量及び抵抗値は、前述のように製作された各電気二重層キャパシタを25℃雰囲気中で12時間放置後、同雰囲気内で静電容量と抵抗値(ここでは1kHzの交流抵抗値を示す)を測定したものである。また、図12〜14中の信頼性試験後の静電容量及び抵抗値は、60℃の雰囲気中で2.5Vの充電電圧を500時間印加し続ける信頼性試験を実施し、その後に25℃雰囲気中で静電容量と抵抗値(ここでは1kHzの交流抵抗値を示す)を測定したものであり、これらの測定結果を初期の静電容量及び抵抗値の測定結果で割って得られる値を百分率で表したものが図12〜14中の容量維持率及び抵抗上昇率である。図12〜14中に示したパッケージ40の信頼性試験後の試験前に対する厚さは、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚みT2を初期のフィルムパッケージ40の厚みT1で割った値を百分率で表したものである(図1及び図3参照)。
【0034】
[評価結果]
図12〜14における実験例1〜54及び比較例1の結果より、例1〜27のアミノアルコールでエステル化処理を行うことにより、活物質表面のカルボキシル基が減少し、例28〜54のアミノ酸でエステル化処理を行うことにより、活物質表面の水酸基が減少することが確認された。実験例55及び56より、アミノアルコールでエステル化処理を行った後にアミノ酸でエステル化処理を行うことにより、活物質表面のカルボキシル基及び水酸基が減少することが確認された。
【0035】
また、初期の静電容量は、活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56よりも活物質のエステル化処理を行っていない比較例1の方が少し大きかった。また、初期の抵抗値は、活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56よりも活物質のエステル化処理を行っていない比較例1の方が少し小さかった。これらの結果は、エステル化処理によって活物質の表面に結合している式(1)や式(2)であらわされるアミノ基の立体障害が水酸基やカルボキシル基のそれに比べて大きく、非水電解液中の電解質が正極10及び負極20の分極性電極層12,22の活物質に近づき難くなることに起因して生じていると推測される。アミノ基のアルキル鎖が長くなる実験例19〜27に比べて実験例1〜14の初期の静電容量が大きく、且つ、初期の抵抗値が小さいことも、前記推測に沿ったものとなっている。また、実験例55及び56の方が実験例1〜54よりも初期の静電容量が小さく、初期の抵抗値が大きかった。この結果より、活物質の表面に式(1)であらわされる基と式(2)であらわされる基の両方が結合している方が、何れか一方のみが結合している時よりも、非水電解液中の電解質が活物質に近づき難くなっていると推測される。
【0036】
一方、活物質のエステル化処理を行っていない比較例1よりも活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56の方が、信頼性試験後の静電容量の低下及び抵抗値の上昇が小さく、また、信頼性試験によるフィルムパッケージ40の厚さの変化が小さかった。これらの結果が生ずる原因は以下のように推測される。
【0037】
先ず、信頼性試験において充電を継続して行うことにより、活物質の細孔内や非水電解液中に存する微量な水分が電気分解し、プロトンが非水電解液中に放出されることになる。また、非水電解液中にプロトンが放出されると、プロトンと非水電解液中の電解質アニオン成分BF4-とが反応し、これにより非水電解液中のプロピレンカーボネートの分解を引き起こし、電気二重層キャパシタの静電容量の低下及び抵抗値の上昇を招来することになる。また、信頼性試験において充電を継続して行うことにより、各電極10,20の分極性電極層12,22の活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基からプロトンが発生し、そのプロトンと非水電解液中の電解質アニオン成分BF4-とが反応し、水分が電気分解する場合と同様の結果をもたらす。さらに、信頼性試験において充電を継続して行うことにより、各電極10,20の分極性電極層12,22の活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基が活物質から脱離し、当該脱離によって非水溶媒中にガスが発生し、フィルムパッケージ40の膨張を招来することになる。
【0038】
これに対し、実験例1〜56では、活物質の表面の水酸基やカルボキシル基が式(1)又は式(2)のアミノ基に置換されている。アミノ基はプロトンが配位する性質があるので、非水電解液中の水分が電気分解して生ずるプロトンや、活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基から発生するプロトンが、活物質の表面に存在する式(1)又は式(2)のアミノ基によって捕捉される。したがって、プロトンとの反応によるプロピレンカーボネートの分解を抑制することができ、このため、活物質のエステル化処理を行った実験例1〜56の方が信頼性試験後の静電容量の低下及び抵抗値の上昇が小さくなっていると推測される。
【0039】
また、実験例1〜56では、活物質の表面に存在する水酸基やカルボキシル基を減少させているので、水酸基やカルボキシル基が脱離することによるガス発生を抑制することができ、このためフィルムパッケージ40の厚さの変化が小さくなっていると推測される。
【0040】
尚、本実施形態では、フィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタについて説明したが、金属缶や他の容器に蓄電素子及び非水電解液を封入するタイプの電気二重層キャパシタであっても、前記各電極10,20と同様に活物質のエステル化処理を行うことが可能である。
【0041】
また、本実施形態では、電気二重層キャパシタの正極10及び負極20の分極性電極層12,22の活物質をエステル化処理するものを示したが、リチウムイオンキャパシタの正極の分極性電極層を構成する活物質又は負極の活物質層を構成する活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。リチウムイオンキャパシタの正極の分極性電極層を構成する活物質は前記実施形態の各電極10,20の分極性電極層12,22の活物質と同様であり、また、リチウムイオンキャパシタの負極の活物質層を構成する活物質はポリアセン(PAS)、種々の炭素材料、グラファイト、錫酸化物、珪素酸化物等であり、種々の炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。このため、活物質の表面に水酸基やカルボキシル基が存在する点で前記実施形態と同様であることから、リチウムイオンキャパシタの正極及び負極の活物質にエステル化処理を行うことにより、前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0042】
また、リチウムイオン二次電池の負極の活物質層を構成する活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。リチウムイオン二次電池の負極の活物質層を構成する活物質は前記リチウムイオンキャパシタの負極の活物質層を構成する活物質と同様であることから、リチウムイオン二次電池の負極の活物質にエステル化処理を行うことにより、前記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0043】
また、正極又は/及び負極に活物質層を有するレドックスキャパシタにおいて、該活物質層を構成する活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。
【0044】
また、正極又は/及び負極に活物質を有する他の電気化学デバイスにおいて、該活物質を前記実施形態と同様にエステル化処理することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、非水電解液と、活物質を含有している電極とを用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウムイオン二次電池等の各種電気化学デバイスに広く適用でき、該適用によって前述の作用、効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0046】
10…正極、11…集電体、12…分極性電極層、20…負極、21…集電体、22…分極性電極層、30…セパレータ、40…フィルムパッケージ、50…端子、B…蓄電素子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、
前記活物質がその表面に下記式(1)であらわされる基を有する、電気化学デバイス用電極。
【化1】
[式中、R1及びR2は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である]
【請求項2】
活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、
前記活物質がその表面に下記式(2)であらわされる基を有する、電気化学デバイス用電極。
【化2】
[式中、R3及びR4は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である]
【請求項3】
請求項1又は2の何れかに記載の電極と、非水電解液とを備えた電気化学デバイス。
【請求項1】
活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、
前記活物質がその表面に下記式(1)であらわされる基を有する、電気化学デバイス用電極。
【化1】
[式中、R1及びR2は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である]
【請求項2】
活物質を含有している電気化学デバイス用電極であって、
前記活物質がその表面に下記式(2)であらわされる基を有する、電気化学デバイス用電極。
【化2】
[式中、R3及びR4は炭素数が1〜3のアルキル基であり、nは1〜5の整数である]
【請求項3】
請求項1又は2の何れかに記載の電極と、非水電解液とを備えた電気化学デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−146775(P2012−146775A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3088(P2011−3088)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】
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