説明

電気回路基板ユニットの梱包装置

【課題】電気回路基板ユニットは、梱包装置から取り出した状態で保護ケースに形成された取り付けフランジを所定の箇所へネジ等によって取り付ける構成であり、この取り付けフランジが損傷しないような収容姿勢で梱包箱の区画された収容室へ収容保持できるようにし、及び収容室の側壁がこの取り付けフランジにより損傷を受けない収容状態となるようにして、収容室内における電気回路基板ユニットを安定した状態に収容でき梱包箱の破損等が生じない収容状態とする。
【解決手段】電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケースに収容された電気回路基板ユニット1と、複数の区画された収容室6が形成された段ボール製の梱包箱を備え、電気回路基板ユニットは外部に突出した取り付けフランジ4を形成しており、収容室内には電気回路基板ユニットが収容室に挿入される方向に、取り付けフランジが挿入される挿入溝12が形成されたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が保護ケースに収容された
電気回路基板ユニットの梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技制御に必要な電気部品の実装された回路基板が、内部を透視可能な制御筐体に格納
された構成の遊技制御装置121と、制御取り付け構造体122とからなる遊技制御ユニ
ット114が、構造基盤135と一体に、遊技制御梱包装置に複数に区画形成された収容
室12へ入れられた状態の梱包装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、遊技制御梱包装置は外箱1と仕切構造体11とからなり、遊技制
御ユニット114と構造基盤135とが収容室12に収容され、仕切構造体11の一対の
支持片47、50の折り曲げによって、遊技制御装置121を押すことにより、遊技制御
ユニット114が収容室12に移動しないように固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−001592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のものは、上記のように、遊技制御梱包装置の区画された収容室12に収容
されるものは、遊技制御ユニット114と構造基盤135のセットであり、これらを収容
室12に収容した状態で、遊技制御梱包装置の仕切構造体11の一対の支持片47、50
を折り曲げにより、遊技制御ユニット114が収容室12に移動しないように固定される
ため、遊技制御ユニット114を収容室12に収容するだけでは、安定収容状態とはなら
ず、仕切構造体11の一対の支持片47、50の折り曲げ作業を行なわなければならない
、面倒な作業を伴う。
【0006】
本発明は、このような点に鑑み、電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が保
護ケースに収容された電気回路基板ユニットの梱包装置において、特許文献1のような煩
雑な構成及び作業を伴うことなく、電気回路基板ユニットを段ボールで構成した梱包箱の
区画された収容室へ収容できる梱包装置を提供するものである。
【0007】
特に、本発明に係る電気回路基板ユニットは、梱包装置から取り出した状態で、保護ケ
ースに形成された取り付けフランジを所定の箇所へネジ等によって取り付ける構成である
ため、本発明は、この取り付けフランジが損傷しないような収容姿勢でもって、梱包箱の
区画された収容室へ電気回路基板ユニットを収容保持できるようにすること、及び収容室
の側壁がこの取り付けフランジにより損傷を受けない収容状態となるようにすることによ
り、収容室内における電気回路基板ユニットを安定した状態に収容でき、梱包箱の破損等
が生じない収容状態とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明は、電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケース
に収容された電気回路基板ユニットと、複数の区画された収容室が形成された段ボール製
の梱包箱を備え、前記電気回路基板ユニットは外部に突出した取り付けフランジを形成し
ており、前記収容室内には前記電気回路基板ユニットが前記収容室に挿入される方向に、
前記取り付けフランジが挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする電気回路基板ユ
ニットの梱包装置。
【0009】
第2発明は、電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケース
に収容された電気回路基板ユニットと、複数の区画された収容室が形成された段ボール製
の梱包箱を備え、前記電気回路基板ユニットは取り付け壁面の外部側方に突出した取り付
けフランジを備え、前記電気回路基板ユニットの取り付け壁面と対面する前記収容室内面
のコーナ部には、前記電気回路基板ユニットが前記収容室に挿入される方向に、前記取り
付けフランジが挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする電気回路基板ユニットの
梱包装置。
【0010】
第3発明は、電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケース
に収容された電気回路基板ユニットと、複数の区画された収容室が形成された段ボール製
の梱包箱を備え、前記電気回路基板ユニットは取り付け壁面の外部側方に突出した取り付
けフランジを備え、前記梱包箱は、上面開口を塞ぐ開閉蓋付きの立方形状の外箱と、前記
外箱内を複数の収容室に区画するよう前記外箱内に収容される主仕切り体を備え、前記主
仕切り体は、前記外箱の左右内側面に沿う左右立壁と前記外箱の内底面とに沿う底壁が一
体に段ボールで形成されたベース体と、前記ベース体内を前後に複数の小室に区画するよ
うに左右両端部が前記左右立壁に所定間隔で支持される横仕切り体と、それぞれの前記小
室を左右配置の前記収容室に仕切るように前記横仕切り体の中央部に前後方向に交差する
中仕切り体とを備え、前記横仕切り体と交差する前記中仕切り体部分には、前記取り付け
フランジが挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする電気回路基板ユニットの梱包
装置。
【0011】
第4発明は、第3発明において、前記取り付けフランジが挿入される挿入溝は、前記横
仕切り体を境として前記横仕切り体の前後に、前記中仕切り体に形成されたことを特徴と
する電気回路基板ユニットの梱包装置。
【発明の効果】
【0012】
第1発明では、保護ケースに形成された取り付けフランジを形成した構成である電気回
路基板ユニットは、電気回路基板ユニットを収容室に挿入する際、この取り付けフランジ
が挿入溝に挿入され支持されることにより、この取り付けフランジが損傷しないような収
容姿勢でもって、梱包箱の区画された収容室へ電気回路基板ユニットを収容保持できるよ
うになり、更に、収容室の側壁がこの取り付けフランジにより損傷を受けない収容状態と
なる。このため、電気回路基板ユニットを正規の姿勢でもって収容室に収容できるものと
なり、運搬輸送時に電気回路基板ユニット及び梱包箱の破損等が生じない収容状態となる

【0013】
第2発明は、電気回路基板ユニットの取り付け壁面の外部側方に取り付けフランジが突
出した構成であるため、収容室内面のコーナ部に形成した挿入溝に、この取り付けフラン
ジを挿入することにより、取り付けフランジの保護が挿入溝によってなされると共に、電
気回路基板ユニットの取り付け壁面が収容室内面に沿った収容状態となり、第1発明の効
果に加えて、電気回路基板ユニットを安定した姿勢でもって収容室に収容できるものとな
り、運搬輸送時に電気回路基板ユニット及び梱包箱の破損等が生じない収容状態となる。
【0014】
第3発明は、外箱内を複数の収容室に区画する主仕切り体において、横仕切り体と交差
する中仕切り体部分に、取り付けフランジが挿入される挿入溝を形成したことにより、第
2発明の効果に加えて、取り付けフランジが外箱の側面から遠い位置での収容となるため
、外箱の側面が受ける衝撃から取り付けフランジを保護できるものとなる。また、カッタ
ーナイフで外箱の側面全周を切って梱包を開くことが行なわれても、カッターナイフによ
って取り付けフランジが損傷されることがない。
【0015】
第4発明では、取り付けフランジが挿入される挿入溝は、横仕切り体を境として横仕切
り体の前後に中仕切り体に形成されるため、中仕切り体で仕切られた左右の収容室に収容
される電気回路基板ユニットの取り付け壁面及びフランジによって、横仕切り体が左右方
向に直線状に保持され、第3発明同様の効果によって、電気回路基板ユニットの安定収容
ができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る梱包装置の電気回路基板ユニット収容状態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る電気回路基板ユニットの斜視図である。
【図3】本発明に係る電気回路基板ユニットの側面図である。
【図4】本発明に係る梱包装置のベース体の組み立て状態の説明図である。
【図5】本発明に係る梱包装置の横仕切り体の斜視図である。
【図6】本発明に係る梱包装置を構成する主仕切り体の基本体の斜視図である。
【図7】本発明に係る梱包装置の中仕切り体の組み立て状態の説明図である。
【図8】本発明に係る梱包装置の中仕切り体と横仕切り体の組み合わせ状態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る仕切り体を外箱に収容して梱包箱を形成する組み立て状態の説明図である。
【図10】本発明に係る梱包装置の外箱の斜視図である。
【図11】本発明に係る梱包装置の梱包箱の斜視図である。
【図12】本発明に係る梱包装置の斜視図である。
【図13】本発明に係る梱包装置の梱包箱に電気回路基板ユニットを収容する状態の説明図である。
【図14】本発明に係る梱包装置の他の実施形態を示す中仕切り体と横仕切り体の組み合わせ状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る電気回路基板ユニットの梱包装置は、電気回路部品が取り付けられたプリ
ント配線基板が合成樹脂の保護ケースに収容された電気回路基板ユニットと、複数の区画
された収容室が形成された段ボール製の梱包箱を備え、前記電気回路基板ユニットは外部
に突出した取り付けフランジを形成しており、前記収容室内には前記電気回路基板ユニッ
トが前記収容室に挿入される方向に、前記取り付けフランジが挿入される挿入溝が形成さ
れたものであり、以下に本発明の実施例を記載する。
【実施例1】
【0018】
本発明に係る電気回路基板ユニット1は、図2及び図3に示すように、半導体素子、コ
イル、コンデンサ、電気抵抗、放熱フィンH等の電気回路部品EPが取り付けられたプリ
ント配線基板2が合成樹脂の透明な保護ケース3に収容された形態である。保護ケース3
は、電気回路部品EP及びプリント配線基板2を覆う裏面開口のケース本体部3Aと、ケ
ース本体部3Aの裏面開口を塞ぐようにケース本体部3Aに取り付けた平板状の蓋3Bと
で構成している。ケース本体部3Aと蓋3Bとは、ヒンジ部3Dにて開閉可能に結合され
たもの、または別体構成のケース本体部3Aと蓋3Bとが結合されたもののいずれでもよ
い。電気回路基板ユニット1は、プリント配線基板2の裏側面に対応する面が平坦な取り
付け壁面1Aを形成するように、平板状の裏板3Bがその取り付け壁面1Aを形成してい
る。保護ケース3の外周側面の一部には、取り付け壁面1Aの外部側方に突出するように
、蓋3Bに取り付けフランジ4が一体成形にて突出形成されている。
【0019】
電気回路基板ユニット1は、取り付けフランジ4によって所定の箇所へ取り付けられる
ものであり、その取り付けは、取り付けフランジ4を貫通するネジによる固定、或いは取
り付けフランジ4を他の部材によって支持する固定等、種々選定される。アルミニウムで
もって複数の板状フィンを形成した放熱フィンHを含む電気回路部品EPから出る熱を放
散させるために、ケース本体部3Aには複数の放熱孔3Cがスリット状に形成されている

【0020】
電気回路基板ユニット1は、ダンボール製の梱包箱5の複数の区画された収容室6に収
納された状態に梱包される。梱包箱5は、上面開口8Pを塞ぐ開閉蓋8A〜8Dを一体に
形成した立方形状(図10に示すものは直方体)の外箱8と、外箱8内に複数の収容室6
を形成するよう外箱8内に収容される主仕切り体10を備える。主仕切り体10は、図9
に示すように、外箱8の左右側壁8G、8Hの内側面に沿う左右立壁7A、7Bと外箱8
の内底面とに沿う底壁7Cが一体に段ボールで形成されたベース体7と、ベース体7内を
前後に複数の小室SCに区画するように左右両端部が左右立壁7A、7Bに所定間隔で支
持される横仕切り体9と、それぞれの小室SCを左右配置の収容室6に仕切るように横仕
切り体9の中央部に前後方向に交差する中仕切り体11とを備え、横仕切り体9と交差す
る中仕切り体11の部分には、取り付けフランジ4が挿入される挿入溝12が形成された
構成である。
【0021】
主仕切り体10の構成を具体的に説明する。先ずベース体7の形成について説明する。
図4(イ)に示すように、一枚の平板状の段ボール板7Pの左右両側に、一対の並行な折
り線L1、L2が形成され、左右両端部から所定寸法だけ内側に寄った位置には、内側の
折り線L1に達するように、所定ピッチH1でもってスリット7Qが形成されている。ま
た、左右の折り線L1の内側には底壁7Cの幅を保つための所定間隔H2を存して折り線
L3が形成されている。この構成において、左右両端を折り線L2で略直角に折り曲げ、
この折り曲げ状態から更に折り線L1で略直角に折り曲げる。この状態から更に折り線L
3で略直角に折り曲げることにより、図4(ロ)に示すように、所定間隔H2の幅を持つ
底壁7Cの両側に直立した左右立壁7A、7Bを備えたベース体7が形成され、左右立壁
7A、7B内には、幅T1の空間が形成される。
【0022】
横仕切り体9は、図5に示すように、一枚の平板状の段ボール板で構成され、左右立壁
7A、7Bに渡る長さでもって中央部にスリット9Aが上端から所定の深さまで略垂直状
に形成されている。このスリット9Aによって分割された左右の部分には、後述のように
収容室6に収容される電気回路基板ユニット1を指で掴むときの指逃げ部となる切り欠き
9Bが形成されている。また、左右両端部から左右立壁7A、7B内の幅T1と同等また
は若干小さい所定寸法T2だけ内側に寄った位置には、下端から所定高さまでスリット9
Cが形成されている。更に、横仕切り体9の高さH4は、左右立壁7A、7Bの高さH3
と同等である。
【0023】
このように形成された横仕切り体9の左右端部のスリット9Cがベース体7の左右立壁
7A、7Bのスリット7Qへ上方から嵌る関係でもって、横仕切り体9を左右立壁7A、
7Bの上方から挿入する。これによって、左右立壁7A、7B内の幅T1の空間内に横仕
切り体9の所定寸法T2の両端部分が侵入した状態となり、図6に示すように、横仕切り
体9の下端が底壁7Cに当接した状態で、横仕切り体9が左右立壁7A、7Bと同等の高
さとなる。このため、スリット7Qの幅は横仕切り体9の板厚と略同じである。この横仕
切り体9の挿入によって、図6に示すように、ベース体7の左右立壁7A、7B間には、
ベース体7内が横仕切り体9によって前後の複数の小室SCに区画され、主仕切り体10
の基本体10Fが形成される。
【0024】
中仕切り体11は、図7(イ)に示すように、一枚の平板状の段ボール体11Pの中央
部に、一対の並行な中央折り線L11、L22が形成され、その左右両側には並行な左右
折り線L33が形成されている。そして、左右両端部から左右折り線L33に向けて、所
定ピッチH11でもってスリット11Qが形成されている。また、左右折り線L33に渡
る長さでもって幅の広いスリット11Rが、所定ピッチH11と同じピッチでもって形成
されている。この場合、スリット11Rの中央部にスリット11Qが対応する位置である

【0025】
この構成において、図7(ロ)に示すように、中央折り線L22及びこれに近い方の左
方の折り線L33で左側端部を若干折り曲げ、この折り曲げを更に進めて、この左方の折
り線L33で180度折り曲げると共に中央折り線L22で略直角に折り曲げる。これに
よって図7(ハ)に示すように、左方の支持壁11Yが形成される。次に図7(ニ)に示
すように、右方の折り線L33で右側端部を略直角に折り曲げた後、この折り曲げを更に
進めて180度折り曲げとなし、図7(ホ)に示すように、右方の支持壁11Zが形成さ
れる。この状態から中央折り線L11で略直角に折り曲げることによって、図7(ヘ)に
示すように、左方の支持壁11Yに右方の支持壁11Zが重なり合って、中仕切り体11
が形成される。
【0026】
このように形成された中仕切り体11は、主仕切り体10の基本体10Fへ組み込まれ
る。この組み込みは、横仕切り体9のスリット9Aと中仕切り体11のスリット11Qが
交差状態で嵌合することによって、図9に示すように、それぞれの小室SCが中仕切り体
11によって左右配置の収容室6に仕切られた主仕切り体10が形成される。図8にはこ
の組み合わせによる中仕切り体11のスリット11Rと、横仕切り体9との組み合わせ状
態を拡大で示している。これにおいて、横仕切り体9と交差する中仕切り体11の部分に
は、スリット11Rが横仕切り体9によって前後に分割され、取り付けフランジ4が挿入
される挿入溝12が、横仕切り体9の前後に形成される。
【0027】
このように形成された主仕切り体10は、図9及び図11に示すように、外箱8内に収
容され、梱包箱5が形成される。外箱8は段ボールで構成され、図10に示すように、上
面開口8Pを塞ぐ開閉蓋8A〜8Dを一体に形成した立方形状(図10に示すものは直方
形状)である。主仕切り体10を外箱8内に収容することによって、外箱8内に複数の収
容室6が形成された形態となる。主仕切り体10を外箱8内に収容する関係上、主仕切り
体10の外形寸法は、外箱8の内寸法と略同じか、若干主仕切り体10の外形寸法が小さ
い。
【0028】
このように形成された梱包箱5に対し、図1、図12及び図13に示すように、電気回
路基板ユニット1の取り付けフランジ4が、それぞれの収容室6に対応する挿入溝12へ
挿入される関係でもって、電気回路基板ユニット1を収容室6に収容する。この場合、収
容室6内での電気回路基板ユニット1の遊び(ガタツキ)を少なくするために、主仕切り
体10の左側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の向きと、主仕切り体10
の右側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の向きが反対向きとなるように配
置している。
【0029】
これによって、主仕切り体10の左側の収容室6に収納された電気回路基板ユニット1
のフランジ4と、主仕切り体10の右側の収容室6に収納された電気回路基板ユニット1
のフランジ4によって、横仕切り体9が中仕切り体11のスリット11Rの前後中央部に
保持され、且つ各電気回路基板ユニット1のフランジ4が、挿入溝12内に保持されるた
め、収容室6内での電気回路基板ユニット1の遊び(ガタツキ)が少なく、電気回路基板
ユニット1のフランジ4の破損が抑制された安定収容が達成される。電気回路基板ユニッ
ト1を収容室6内に収容した状態で、外箱8の開閉蓋8A〜8Dを重なり合わせ状態に閉
じ、開閉蓋8A〜8Dをテープ止めすることにより、本発明の梱包装置が完成する。
【0030】
このように、主仕切り体10の左側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の
向きと、主仕切り体10の右側の収容室6に収納される電気回路基板ユニット1の向きが
反対向きとなる収容形態は、収容室6に収納したときの上面となる面に、例えば、図2に
示すような取り付け用等の突起3Fがある場合に有効である。この場合、収容室6の深さ
は、突起3Fの長さを含んだ電気回路基板ユニット1の高さ方向寸法と略同じまたは若干
大きい寸法である。
【0031】
なお、このような突起3Fが無い形態では、主仕切り体10の左側の収容室6に収納さ
れる電気回路基板ユニット1の向きと、主仕切り体10の右側の収容室6に収納される電
気回路基板ユニット1の向きが、同じ向きになる収容形態とすることもできる。この場合
は、図14に示すように、横仕切り体9が中仕切り体11のスリット11Rの前方側(ま
たは後方側)に偏った状態で配置され、スリット11Rの後方側(または前方側)に挿入
溝12が形成されるようにすればよい。これによって、主仕切り体10の左側と右側の各
収容室6に収納される電気回路基板ユニット1のフランジ4が、この挿入溝12に嵌り込
み、同じ向きの収容状態となる。
【0032】
図11に示すように、収容室6の左右両側では、梱包箱5の左右には左右立壁7A、7
Bが存在することによって、収容室6と外箱8との間に左右立壁7A、7Bの幅相当の間
隔F3が形成され、また、収容室6の前後側では、梱包箱5の前後側の横仕切り体9と外
箱8の前後壁8E、8Fとの間に間隔F1、F2が形成される。これら間隔F1、F2、
F3は略同じ寸法になるように構成されている。このように、収容室6の左右両側及び前
後に、外箱8との間に所定の間隔が形成されることによって、電気回路基板ユニット1を
梱包した梱包箱5の開梱作業において、万一カッターナイフで外箱8の周囲を切断して開
梱する場合でも、これらの間隔によって、収容室6に収容した電気回路基板ユニット1へ
カッターナイフが届き難くなり、電気回路基板ユニット1が傷つけられる虞が少なくなり
、開梱作業時の電気回路基板ユニット1の保護効果が得られるものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が保護ケースに収容された
電気回路基板ユニットの梱包装置として、上記実施例に示した図示の形態に限らず、本発
明の技術範囲において、種々の構成を包含するものである。
【符号の説明】
【0034】
1・・・・・電気回路基板ユニット
2・・・・・プリント配線基板
3・・・・・保護ケース
3A・・・・ケース本体部
3B・・・・蓋
4・・・・・取り付けフランジ
5・・・・・梱包箱
6・・・・・収容室
7・・・・・ベース体
7A、7B・・・ベース体の左右立壁
8・・・・・外箱
8A〜8D・・・外箱の開閉蓋
8E、8F・・・外箱の前後壁
8G、8H・・・外箱の左右側壁
9・・・・・横仕切り体
10・・・・主仕切り体
10F・・・基本体
11・・・・中仕切り体
11Q・・・中仕切り体のスリット
11R・・・中仕切り体のスリット
12・・・・挿入溝
EP・・・・電気回路部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケースに収容された
電気回路基板ユニットと、複数の区画された収容室が形成された段ボール製の梱包箱を備
え、前記電気回路基板ユニットは外部に突出した取り付けフランジを形成しており、前記
収容室内には前記電気回路基板ユニットが前記収容室に挿入される方向に、前記取り付け
フランジが挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする電気回路基板ユニットの梱包
装置。
【請求項2】
電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケースに収容された
電気回路基板ユニットと、複数の区画された収容室が形成された段ボール製の梱包箱を備
え、前記電気回路基板ユニットは取り付け壁面の外部側方に突出した取り付けフランジを
備え、前記電気回路基板ユニットの取り付け壁面と対面する前記収容室内面のコーナ部に
は、前記電気回路基板ユニットが前記収容室に挿入される方向に、前記取り付けフランジ
が挿入される挿入溝が形成されたことを特徴とする電気回路基板ユニットの梱包装置。
【請求項3】
電気回路部品が取り付けられたプリント配線基板が合成樹脂の保護ケースに収容された
電気回路基板ユニットと、複数の区画された収容室が形成された段ボール製の梱包箱を備
え、前記電気回路基板ユニットは取り付け壁面の外部側方に突出した取り付けフランジを
備え、前記梱包箱は、上面開口を塞ぐ開閉蓋付きの立方形状の外箱と、前記外箱内を複数
の収容室に区画するよう前記外箱内に収容される主仕切り体を備え、前記主仕切り体は、
前記外箱の左右内側面に沿う左右立壁と前記外箱の内底面とに沿う底壁が一体に段ボール
で形成されたベース体と、前記ベース体内を前後に複数の小室に区画するように左右両端
部が前記左右立壁に所定間隔で支持される横仕切り体と、それぞれの前記小室を左右配置
の前記収容室に仕切るように前記横仕切り体の中央部に前後方向に交差する中仕切り体と
を備え、前記横仕切り体と交差する前記中仕切り体部分には、前記取り付けフランジが挿
入される挿入溝が形成されたことを特徴とする電気回路基板ユニットの梱包装置。
【請求項4】
前記取り付けフランジが挿入される挿入溝は、前記横仕切り体を境として前記横仕切り
体の前後に、前記中仕切り体に形成されたことを特徴とする請求項3に記載の電気回路基
板ユニットの梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−71877(P2012−71877A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219445(P2010−219445)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【Fターム(参考)】