説明

電気回路機器およびその製造方法

【課題】振動、衝撃等により回路基板110上の素子が変位することを防止する。
【解決手段】接続端子112を有する回路基板110と、接続端子112に接続線220を接続されて回路基板110に実装される素子と、素子本体210を実装された面に対向する側から装着されて、素子本体210および回路基板110の表面を包囲する上ケース310とを備えた電源アダプタ100であって、上ケース310が、回路基板110に対向する面から回路基板110に向かって延在して素子本体210に当接し、回路基板110に向かって素子本体210を付勢すると共に、回路基板110に平行な方向について互いに対向する方向にも素子本体210を付勢する複数の弾性当接部314を有し、弾性当接部314および回路基板110の間に素子本体210を挟むことにより素子本体210が位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気回路機器およびその製造方法に関する。より詳細には、基板上に実装された素子を含む電気回路機器と、その電気回路機器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の素子を実装された回路基板を含む多くの製品は、工場からユーザの手にわたるまでの運搬の過程において種々の振動、衝撃等を受ける。そこで、運搬中の製品は、緩衝材を含む包装材により保護された状態で取り扱われる。従って、輸送中に表面的な損傷を受けることはない。しかしながら、梱包材は、振動、衝撃等により生じた加速度が電気回路機器内部の素子にまで及ぶことを防止できるわけではない。
【0003】
一方、多くの電気回路機器の内部では、各素子が有する接続線を回路基板上の接続端子にハンダ付けして、あるいは、基板上のソケットに挿入することにより、固定され且つ電気的に接続される。しかしながら、各素子が有する接続線は、主に電気的特性を配慮して仕様が決定されており、素子全体の物理的な支持についてまでは配慮されていない。このため、継続的な振動、衝撃等を受けた電気回路機器においては、接続線が折損する、ハンダ剥がれが生じる、接続線がハンダ付けされた基板上のプリントパターンが基板から剥がれる等の損傷が生じる場合があった。
【0004】
殊に、素子本体の寸法が比較的大きい上に、一対の接続線が両方とも素子本体の片側から取り出される電解コンデンサではこのような問題が生じやすい。電解コンデンサは素子本体の長さが大きいので、他の素子と高さを揃えるために接続線を折り曲げて実装されることもあり、このために素子本体が片持ちとなる場合がある。従って、振動等により変位しやすくなるので、前記した損傷が生じやすいという問題が助長される。
【0005】
そこで、例えば、下記の特許文献1および特許文献2に記載されるように、電気回路を収容したケース等の一部を基板上の素子に当接させて、衝撃、振動等に起因する素子の変位を緩和することが提案される。即ち、特許文献1には、端子台から水平に突出した一対の突起と、上側のケースから垂下された当接片とによってコンデンサを位置決めする取り付け構造が記載される。また、特許文献2には、上ケースに形成されたリブにより、基板上の素子の変位を規制する構造が開示される。
【特許文献1】特開平09−186421号公報
【特許文献2】特開平11−204958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された取り付け構造では、素子を支持する突起を設けた端子台を用意しなければならない。そのような端子台は、新規な成形金型を製作するか、あるいは、既存の端子台を加工して突起を装着しなければならない。このため、比較的単純な構造に見えるにもかかわらず、製造コストを上昇させることなく実施することは難しい。
【0007】
また、特許文献2に記載された電源装置では、素子自体の変位が完全に規制されるわけではない。従って、継続する振動が加わった場合には、振動に起因する障害を効果的に防止することができなかった。
【0008】
更に、いずれの構造においても、実装部品、基板、ケースそれぞれの寸法の不可避なばらつきを考えると、素子を支持する部材が素子に密着するように製造することは非常に難しい。このため、部材の寸法に何らかの余裕をもたせなければならず、結局、素子の変位を完全に規制することはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、上記課題を解決する目的で、本発明の第1の形態として、接続端子を有する基板と、接続端子に接続されて基板に実装される素子と、基板の素子を実装された面に対向する側から装着されて、素子および基板の表面を包囲するカバー部材とを備えた電気回路機器であって、カバー部材が、基板に対向する面から基板に向かって延在して素子に当接し、基板に向かって素子を付勢すると共に、基板に平行な方向について互いに対向する方向にも素子を付勢する複数の弾性当接部を有し、弾性当接部および基板の間に素子を挟むことにより、素子が位置決めされる電気回路機器が提供される。これにより、素子を基板および弾性当接部の間に把持して、外部から受けた振動または衝撃による素子の変位を抑制できる。従って、素子の変位により接続部に生じる応力も抑制され、素子またはその接続部の損傷が防止される。
【0010】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、弾性当接部の相互間隔が、カバー部材から実装面に向かって近づくほど拡がる。これにより、カバー部材を装着する場合に、素子を弾性当接部の間に容易且つ確実に誘導できる。
【0011】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、カバー部材が、素子および基板を収容する電気的絶縁性を有するケースの一部であってもよい。これにより、電気回路機器の組み立てに係る工数を増加させることなく、上記の構造を実現できる。
【0012】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、カバー部材が、素子を含む基板上の回路を電磁遮蔽する遮蔽部材の一部であってもよい。これにより、遮蔽部材を利用して上記の構造を実現できる。従って、電源回路基板を内蔵した機器においても、電源回路基板上の素子を位置決めできる。
【0013】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、弾性当接部が、基板に平行な方向について、素子の略全長にわたって当接する。これにより、素子の全長にわたって均一に弾性支持できるので、素子にかかる応力が一部に集中することがない。
【0014】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、素子が、円筒状の側面および側面の両端に形成された一対の端面を有する素子本体と、端面の一方から突出した接続線とを有して、接続線が基板に対して接続されると共に、基板に対して素子本体の側面が接するように基板に実装される。これにより、素子の一端において基板に固定される、いわば片持ち構造の素子をも確実に位置決めして、振動等を抑制できる。
【0015】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、素子が電解コンデンサであってもよい。これにより、比較的寸法が大きく、基板上での位置決めが不安定になりがちな電解コンデンサを確実に位置決めし、その劣化を防止できる。
【0016】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、弾性当接部が、接続線が設けられた端面と反対側の端面に近い位置において素子本体の側面に当接する。これにより、小さな弾性当接部により、素子を効率良く位置決めして弾性支持できる。
【0017】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、基板が、素子本体の端面の直径よりも幅が狭く、端面に直交する素子本体の長さよりも長い方形の穴を有し、素子本体が弾性支持部材により基板に向かって押し付けられた場合に、素子本体の側面が穴の対向する一対の縁部に当接し、素子本体の一部が穴の内部に入り込む。これにより、基板側においても、基板表面と平行な方向への素子の変位を規制できるので、より一層確実に素子を位置決めできる。
【0018】
また他の実施形態によると、上記電気回路機器において、弾性当接部が、一対の端面の中央付近において側面に当接する。これにより、少ない当接面積で、素子を安定に支持して位置決めできる。
【0019】
本発明の第2の形態として、接続端子を有する基板と、接続端子に接続されて基板に実装された素子と、基板の素子が実装された面に対向する側から基板に向かって延在して素子に当接し、基板に向かって素子を付勢すると共に、基板に平行な方向について互いに対向する方向にも素子を付勢する複数の弾性当接部を有し、素子を実装された側から装着されて基板および素子を包囲するカバー部材とを備える電気回路機器を製造する方法であって、カバー部材を装着するときに、弾性当接部および基板の間に素子本体を挟むことにより、素子本体を位置決めする電気回路機器の製造方法が提供される。これにより、振動または衝撃に対する耐久性の高い電気回路機器を、容易且つ確実に製造できる。また、当接部を備えたカバー部材は、当接部のないカバー部材と略同じ手順で組み立てることができるので、電気回路機器の製造工数が増すこともなく、廉価に製造できる。
【0020】
また、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、実施形態のひとつである樹脂ケース300に収容された電源アダプタ100の全体的な構造を概観する断面図である。同図に示すように、樹脂ケース300は、上ケース310および下ケース320に分割されており、それぞれの内部に形成された柱状部311、321を突き合わせると共に、柱状部311、321に挿通されたネジ330により一体化されて、筐体を形成する。また、下ケース320の柱状部321の上端には段差が形成されており、ネジ330を締結されたときに、この段差部分において回路基板110を保持するように形成される。一方、上ケース310は、下ケース320と締結された状態で、回路基板110の表面と、そこに実装された素子類とを包囲してカバーする。
【0023】
樹脂ケース300の内部に収容された回路基板110は、電解コンデンサ200を含む複数の素子を実装されて電気回路を形成する。電解コンデンサ200は、円筒状の側面212および側面212の両端に形成された一対の端面214を有する素子本体210と、素子本体210の端面214の一方から取り出された接続線220とを備える。ここで、素子本体210は、特にその長手方向で比較すると、回路基板110上の他の素子よりも相当に大きな寸法を有する。そこで、樹脂ケース300の寸法が徒に大型化することを避ける目的で、素子本体210の長手方向が回路基板110と平行になるように実装される。ただし、電解コンデンサ200の接続線220は、折り曲げられて、回路基板110に対して略直角に接続される。
【0024】
更に、この電源アダプタ100では、上ケース310の天面312の内側(下側)に、弾性当接部314を備える。弾性当接部314は、上ケース310と一体に形成されて、電解コンデンサ200の素子本体210側面212に当接する。なお、弾性当接部314の形状および機能の詳細については、他の図を参照して後述する。
【0025】
図2は、図1に示した電源アダプタ100の上ケース310を取り外した状態を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、回路基板110上には種々の素子が実装されているが、多くの素子は小型且つ軽量であるか、回路基板110に対して広い面積で当接する基部を備える。これに対して、電解コンデンサ200は、素子本体210が比較的大型である一方、一対の接続線220が両方とも片側から取り出されているので、いわゆる片持ち状態になる。従って、接続線220による位置決めでは、素子本体210に加わった振動あるいは衝撃を支え切れない場合がある。
【0026】
図3は、図1に示した電源アダプタ100における電解コンデンサ200の位置決め構造102を説明する図である。なお、図3は、回路基板110を収容した下ケース320に対して上ケース310を装着する直前の状態を、電解コンデンサ200をその接続線220が取り出された側から見た様子で示す。
【0027】
同図に示すように、電解コンデンサ200の素子本体210は、その側面212を回路基板110に接触させた状態で実装される。また、電解コンデンサ200の端面214の一方に形成された取り出し部224から導体線222が取り出されて、接続線220を形成する。導体線222の下端は、回路基板110に形成された貫通穴に挿通された後、裏面において回路基板110上の接続端子112にハンダ114で固定されると共に、電気的にも接続される。
【0028】
一方、回路基板110に対して上方から装着される上ケース310の天面312からは、一対の弾性当接部314が垂下される。弾性当接部314は、下端に近づくほど厚さが減じられる。このため、互いに対向する面は、弾性当接部314の下端に近づくほど間隔が広くなる。これに対して、弾性当接部314の外側の面は、上ケース310の天面312に対して略直角に形成される。従って、樹脂製の上ケース310を成形する場合には、弾性当接部314も同時に一体に成形できる。
【0029】
図4は、図3に示した状態から上ケース310を降下させて、樹脂ケース300を閉じた状態における電解コンデンサ200の位置決め構造102の様子を、図3と同じ視点から示す図である。同図に示すように、この状態では、弾性当接部314の互いに対向する面は、それぞれ、電解コンデンサ200の側面212に当接する。更に、下端から離れた位置では、弾性当接部314の間隔が狭いので、電解コンデンサ200の側面212に押し開かれた弾性当接部314が僅かに弾性変形する。これにより、素子本体210は、弾性当接部314の間の中央に位置決めされると共に、回路基板110に向かって押し付けられる。従って、素子本体210は、回路基板110に対して上下方向にも水平方向にも位置決めされ、振動、衝撃等が加わった場合でも変位することがない。
【0030】
図5は、図4に示した状態の位置決め構造102を、電解コンデンサ200の側面212側から見た様子を示す図である。同図に示すように、素子本体210の端面214の一方から接続線220として取り出された導体線222は、いったん折り曲げられて回路基板110に向かって略直角に垂下され、接続端子112に接続される。また、上ケース310の天面312から垂下して形成された弾性当接部314は、接続線220が取り出された端面214とは反対側の端面に近い位置で、素子本体210の側面212に当接する。これにより、細長い形状を有する素子本体210は、一方の端面214において接続線220により位置決めされた、他方の端面214に近い位置で弾性当接部314により位置決めされる。更に、素子本体210の側面212は、回路基板110に全長にわたって接する。従って、振動、衝撃等が外部から伝達されても、素子本体210は回路基板110に対して変位せず、電解コンデンサ200の接続線220および回路基板110上の接続端子112およびハンダ114が損傷することもない。
【0031】
図6は、電解コンデンサ200の他の位置決め構造104を、図3に対応させた状態で示す図である。なお、図3から図5までに示した部材と共通な部材には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。同図に示すように、この位置決め構造104において、上ケース310の天面312に形成された弾性当接部314の形状は、図3に示した実施形態に似る。それに対して、この位置決め構造104においては、回路基板110に穴116が形成される。
【0032】
図7は、図4に対応させて、上ケース310を閉じた状態における位置決め構造104を示す図である。同図に示すように、弾性当接部314により上方から押されることにより、電解コンデンサ200の素子本体210は、穴116の中に入り込み、その側面212の一部において、穴116の縁部に当接する。また、弾性当接部314も、素子本体210に押し拡げられて僅かに開く。
【0033】
図8は、図7に示した位置決め構造104を、電解コンデンサ200の側面212から見た様子を示す図である。同図に示すように、回路基板110に形成された穴116は、素子本体210の長さと略同じ長さを有する。従って、図7に示したように、素子本体210の一部が穴116の内部に入り込んだ状態では、穴116の縁部が素子本体210の端面214にも略当接して、素子本体210の長手方向への変位を殆ど許さない。従って、この状態では、電解コンデンサ200は、弾性当接部314および回路基板110の穴116により位置決めされる。これにより、電解コンデンサ200に外部からの振動、衝撃等が作用した場合でも接続線220にはほとんど負荷がかからない。
【0034】
なお、図8に示すように、この実施形態においては、弾性当接部314は、素子本体210の長手方向の略中央に当接する。これにより、素子本体210の全体を回路基板110の穴116の縁部に均等に押し付けることができるので、素子本体210に対して局部的に大きな圧力がかかることがない。
【0035】
図9は、電解コンデンサ200の更に他の位置決め構造106を、図3に対応させた状態で示す図である。なお、図3から図5までに示した部材と共通な部材には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。同図に示すように、この位置決め構造106においては、上ケース310の天面312に、2種類の弾性当接部314、316が形成される。2種類の弾性当接部314、316は略相似だが、内側に形成された弾性当接部316は、相対的に短く細い。これに対して、外側の弾性当接部314は、図3に示した実施形態のものと略同じ寸法を有する。
【0036】
図10は、図4に対応させて、上ケース310を閉じた状態における位置決め構造106を示す図である。同図に示すように、短い弾性当接部316は、側面212の上部に当接して、素子本体210を回路基板110に押し付ける機能に大きく寄与する。これに対して、長い弾性当接部314は、側面212に対して側部から当接して、回路基板110と平行な方向についての素子本体210の位置決めに大きく寄与する。
【0037】
図11は、図7に示した位置決め構造106を、電解コンデンサ200の側面212から見た様子を示す図である。同図に示すように、2種類の弾性当接部314、316は交互に形成され、全体としては素子本体210の略全長にわたって配置され、それぞれが側面212に当接する。なお、素子本体210の長さ方向についても、短い弾性当接部316の厚さは減じられる。これにより、弾性当接部316は短くても十分に高い柔軟性を有する。このように、それぞれの機能に適した2種類の弾性当接部314、316を設けることにより、電解コンデンサ200をより適切に位置決めできる。
【0038】
図13は、図4に対応させて、上ケース310を閉じた状態における位置決め構造108を示す図である。同図に示すように、弾性当接部318は、電解コンデンサ200の側面212の上側に広く当接する。
【0039】
図14は、図7に示した位置決め構造108を、電解コンデンサ200の側面212から見た様子を示す図である。同図に示すように、弾性当接部318は、素子本体210の長手方向についても多数配置される。従って、一部の弾性当接部318は、それ自体は変形することなく、素子本体210の端面214に接する。このような弾性当接部318により、素子本体210は、回路基板110に向かって押し付けられると共に、回路基板110の表面に平行なあらゆる方向について位置決めされる。また、この弾性当接部318は非常に柔軟なので、電解コンデンサ200の形状および寸法に多少の変化があっても機能を失うことがない。
【0040】
以上詳細に説明したように、弾性当接部314、316、318および回路基板110により挟むことにより、電解コンデンサ200のように接続線220による位置決めでは不安定な素子を確実に固定できる。また、弾性当接部314、316、318は、回路基板110を収容する樹脂ケース300と一体に形成でき、更に、樹脂ケース300を閉じることにより弾性当接部314、316、318が機能するので、位置決め構造102、104、106、108を形成するために電気回路機器の製造コスト、製造工数等が増加することもない。
【0041】
なお、前記した様々な実施形態は、更に、その特徴を組み合わせた他の形態もとり得る。また、上記実施形態では、弾性当接部314、316、318を上ケース310に形成したが、回路基板110に対して位置決めすべき素子が実装された側に配置される部材であれば、他の部材を利用することもできる。具体的には、電気回路からの電磁輻射あるいは電気回路へのノイズの飛び込みを防止するために装着される電磁遮蔽部材の一部を弾性当接部314、316、318とすることもできる。
【0042】
即ち、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることは当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】電源アダプタ100の全体的構造を示す断面図である。
【図2】図1に示した電源アダプタ100の上ケース310を取り除いた状態を示す斜視図である。
【図3】電源アダプタ100に形成された弾性当接部314を含む位置決め構造102を示す図である。
【図4】位置決め構造102おける弾性当接部314の機能を説明する図である。
【図5】図4に示す位置決め構造102を他の方向から見た様子を示す図である。
【図6】他の実施形態に係る位置決め構造104を示す図である。
【図7】位置決め構造104おける弾性当接部314の機能を説明する図である。
【図8】図7に示す位置決め構造104を他の方向から見た様子を示す図である。
【図9】更に他の実施形態に係る位置決め構造106を示す図である。
【図10】位置決め構造106おける弾性当接部314、316の機能を説明する図である。
【図11】図10に示す位置決め構造106を他の方向から見た様子を示す図である。
【図12】更にまた他の実施形態に係る位置決め構造108を示す図である。
【図13】位置決め構造108おける弾性当接部318の機能を説明する図である。
【図14】図13に示す位置決め構造108を他の方向から見た様子を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
100 電源アダプタ、102、104、106、108 位置決め構造、110 回路基板、112 接続端子、114 ハンダ、116 穴、200 電解コンデンサ、210 素子本体、212 側面、214 端面、220 接続線、222 導体線、224 取り出し部、300 樹脂ケース、310 上ケース、311、321 柱状部、312 天面、314、316、318 弾性当接部、320 下ケース、330 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子を有する基板と、
前記接続端子に接続されて前記基板に実装される素子と、
前記基板の前記素子を実装された面に対向する側から装着されて、前記素子および前記基板の表面を包囲するカバー部材と
を備えた電気回路機器であって、
前記カバー部材が、前記基板に対向する面から前記基板に向かって延在して前記素子に当接し、前記基板に向かって前記素子を付勢すると共に、前記基板に平行な方向について互いに対向する方向にも前記素子を付勢する複数の弾性当接部を有し、前記弾性当接部および前記基板の間に前記素子を挟むことにより、前記素子が位置決めされる電気回路機器。
【請求項2】
前記弾性当接部の相互の間隔が、前記カバー部材から前記基板に向かって近づくほど拡がっている請求項1に記載の電気回路機器。
【請求項3】
前記カバー部材が、前記素子および前記基板を収容する電気的絶縁性を有するケースの一部である請求項1または請求項2に記載の電気回路機器。
【請求項4】
前記カバー部材が、前記素子を含む前記基板に形成された回路を電磁遮蔽する遮蔽部材の一部である請求項1または請求項2に記載の電気回路機器。
【請求項5】
前記弾性当接部が、前記基板に平行な方向について、前記素子の略全長にわたって当接する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電気回路機器。
【請求項6】
前記素子が、円筒状の側面および前記側面の両端に形成された一対の端面を有する素子本体と、前記端面の一方から突出した接続線とを有して、
前記接続線が前記基板に対して接続されると共に、前記基板に対して前記素子本体の前記側面が接するように前記基板に実装される請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の電気回路機器。
【請求項7】
前記素子が電解コンデンサである請求項6に記載の電気回路機器。
【請求項8】
前記弾性当接部が、前記接続線が設けられた端面と反対側の端面に近い位置において前記素子本体の前記側面に当接する請求項6または請求項7に記載の電気回路機器。
【請求項9】
前記基板が、前記素子本体の前記端面の直径よりも幅が狭く、前記端面に直交する前記素子本体の長さよりも長い方形の穴を有し、前記素子本体が前記弾性当接部により前記基板に向かって押し付けられた場合に、前記素子本体の前記側面が前記穴の対向する一対の縁部に当接し、前記素子本体の一部が前記穴の内部に入り込む請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の電気回路機器。
【請求項10】
前記弾性当接部が、前記一対の端面の中央付近において前記側面に当接する請求項9に記載の電気回路機器。
【請求項11】
接続端子を有する基板と、前記接続端子に接続されて前記基板に実装された素子と、前記基板の前記素子が実装された面に対向する側から前記基板に向かって延在して前記素子に当接し、前記基板に向かって前記素子を付勢すると共に、前記基板に平行な方向について互いに対向する方向にも前記素子を付勢する複数の弾性当接部を有し、前記素子を実装された側から装着されて前記基板および前記素子を包囲するカバー部材とを備える電気回路機器を製造する方法であって、
前記カバー部材を装着するときに、前記弾性当接部および前記基板の間に前記素子を挟むことにより、前記素子本体を位置決めする電気回路機器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−311427(P2007−311427A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137067(P2006−137067)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】