説明

電気柵用電源装置

【課題】切替スイッチを盗難防止モードに入れた後は、衝撃電圧発生回路は停止状態となり、ブザーBZが発音する盗難防止用の電気供給回路を備えた電源装置を提供する。
【解決手段】衝撃電圧発生回路に電気を供給する電気供給回路が、電源と衝撃電圧発生回路への電気供給を「入り」又は「切り」に切り替える開閉スイッチS2との間にあって、衝撃電圧発生回路へ電気の供給を制御する盗難防止モードT2又は衝撃電圧発生回路に電気を供給する通常モードT1に接続され、切替スイッチKSが盗難防止モードT2へ「入り」の状態において、開閉スイッチS2を切り替えた場合や、電気柵電源装置から電源を一旦取り外し、再び電源を電気柵電源装置に接続した場合でも、電気信号を発生させてブザーBZを発音させ、電源が衝撃電圧発生回路との接続から外される回路である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田畑に猪や鹿などの害獣が侵入するのを防ぐため、田畑の周囲に設置される害獣侵入防止用電気柵(以下「電気柵」という。)に接続して電気を供給する電気柵用電源装置に関し、特に盗難を予防するための電気供給回路を備えた電気柵用電源装置(以下「電源装置」という。)に関する。
【背景技術】
【0002】
電気柵は、猪、猿、鹿などの害獣が田畑などに侵入しようとするのを防止するため、田畑などのまわりに裸電線をめぐらせ、その裸電線に電気ショック用の衝撃電圧をかける電源装置を接続して、電気を流すものである。田畑に侵入しようとする猪、猿、鹿などの害獣は、その裸電線に触れて強い電気ショックを受けるので田畑に侵入することができない。こうして、田畑を害獣の食害から守るものである(特許文献1〜5参照)。
【0003】
ところが、電源装置は、次の理由で盗まれることが多い。(1)猪、鹿などの害獣に確かな侵入防止効果がある。(2)電源装置は多くが屋外に設置される。(3)人の気配の少ないところに設置される。(4)スイッチを切り、電気柵につながる電線の接続を外すだけで簡単に取り外しできる。(5)電源装置は小型軽量で持ち運びやすい。(6)盗んだ電源装置はスイッチさえ入れれば、再び使用できる。(7)盗んだ電源装置は、盗難品かどうかが
判りにくい。(8)盗んだ電源装置は中古商品として売買される。
このため、各地の電気柵の使用者からは電源装置が盗まれないようにしてほしいという要
望が多数寄せられている。
【0004】
盗難防止は次の二つの方法が考えられる。
第一は電源装置が移動出来ないように物理的にしっかりと固着することである。
第二は例え盗難に遭っても電源装置が使用不能の状態にすることである。第二の方法であれば前記盗難理由の(6)の再使用が出来ないから また同理由の(8)の中古品としても売買出来ないから盗難を予防することが出来る。
【0005】
電源装置の盗難防止のため、特許文献4には、電気柵に高電圧を発生させる電牧器と、電牧器の電源となる電池と、電牧器及び電池を内蔵し、外周部がアースとして機能する柱体本体とを備えた電気柵用電牧器内蔵柱体が記載されている。
また、特許文献5には、地中に埋設される本杭と、本杭の基端側に一端が連結されたワイヤ又はチェーン部材と、本杭の基端側の係止孔に挿入された状態で地中に埋設される固定杭、ワイヤ又はチェーン部材の他端と電気柵の裸電線に衝撃電圧を供給する電気柵本器とを着脱可能に連結する錠とを備えた盗難防止具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−175007号公報
【特許文献2】特開2005−151748号公報
【特許文献3】特開2004−000063号公報
【特許文献4】特開2009−022246号公報
【特許文献5】実用新案登録第3149862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記引用文献4の電牧器内蔵柱体では、柱を地面から抜いて盗み、再び使用が可能となるため、盗難防止の効果が期待できない。また、電牧器、電池を内蔵させるための柱が必要となり、さらに柱内への電牧器、電池の据え付け、電牧器の柱の外側からの操作のため、構造が複雑となるという問題がある。
また、前記引用文献5では、ワイヤ又はチェーン部材を切断して盗まれた電源装置は、電気柵に接続して再使用可能となり、盗難防止にはならない。
【0008】
そこで本発明は、電源装置が盗難に遭った場合、使用不能な状態になるように、衝撃電圧発生回路が作動せず衝撃電圧を発生せず、また警報を発生させた場合に、警報を停止するため電源を外しても再び電源を接続すると再び警報を発し、衝撃電圧を発生せず、電気柵として使用出来ない電源装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、電源と、害獣侵入防止用電気柵に衝撃電圧を供給する衝撃電圧発生回路との間に、電気を衝撃電圧発生回路に供給するための電源供給回路が接続され、電源供給回路は電源と、衝撃電圧発生回路へ電気の供給を「入り」又は「切り」に切り替える開閉スイッチとの間に、衝撃電圧発生回路へ電気を供給する通常モード又は衝撃電圧発生回路へ電気の供給を制御する盗難防止モードに切り替える切替スイッチが接続され、切替スイッチが盗難防止モードへ接続された状態において、開閉スイッチの切り替えを感知して発生した電気信号により衝撃電圧発生回路へ電気が供給されない回路であることを特徴とする電気柵用電源装置である。
【0010】
請求項2の発明は、前記切替スイッチが、スイッチ部とこのスイッチ部の操作に必要な操作器具とが分離しているスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の電気柵用電源装置である。
【0011】
請求項3の発明は、前記電源供給回路が、発生した電気信号により警報を発生する警報装置を備えていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電気柵用電源装置である。
【0012】
請求項4の発明は、前記電源供給回路が、電気信号を発生した後に電源と電源供給回路との接続が外され、その後再び電源供給回路へ接続した場合に、開閉スイッチの「入り」又は「切り」の状態に関係なく電気信号を発生させる回路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気柵用電源装置である。
【0013】
請求項5の発明は、前記電源供給回路が前記電気信号により発生させた電波を外部の受信部へ発信する発信部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気柵用電源装置である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明により、切替スイッチを通常モードに接続されている状態においては開閉スイッチを切り替えた場合にその「切り替え」を感知して電気信号を発生させることはなく、切替スイッチが盗難防止モードへ接続されている状態において、開閉スイッチを切り替えた場合にその「切り替え」を感知して電気信号が発生する。この電気信号の発生により、盗難に遭った電源装置は衝撃電圧が発生されず、窃盗犯人またはこの盗難された電源装置を譲渡された者が使用不能の状態になるので、電源装置の盗難を防止することが出来る。
【0015】
請求項2の発明により、切替スイッチがスイッチ部と操作するために必要な操作器具に分離しているため、開閉スイッチを操作してこの警報装置が駆動されて警報音を発生させた場合、窃盗犯人もしくは、この盗難された電源装置を譲渡された者は操作するための器具を所持していないから警報音を停止し正常な状態に戻すことは出来ない。よって使用も出来ないし、商品価値がなくなり中古品としても売買できないから、盗難防止に効果的である。
【0016】
請求項3の発明により、発生した電気信号により警告音や警告灯等の警報装置を駆動し警報を発することにより窃盗を防止できる。また、その電気信号により、衝撃電圧発生回路へ電源の供給が停止される。
【0017】
請求項4の発明により、電源供給回路が電気信号を発生した後、電源の電源供給回路への接続が外され、その後再び電源供給回路へ接続した場合でも、開閉スイッチの「入り」又は「切り」の状態に関係なく電気信号を発生させ前期同様警報装置を駆動し衝撃電圧発生回路へ電源の供給が停止されるので、電源供給回路が機能しなくなるので、商品価値がなくなり中古品としても売買できないから盗難を予防することが出来る。
【0018】
請求項5の発明のより、発生した電気信号により電波を発信させ 監視装置の受信部や携帯電話で受信することで遠隔地に盗難を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の電源装置のリレーを使用した電気供給回路を示す図である。
【図2】回路のタイムチャート(その1)である。
【図3】回路のタイムチャート(その2)である。
【図4】回路のタイムチャート(その3)である。
【図5】デジタルIC使用の電気供給回路を示す図である。
【図6】シーケンサによる電気供給回路を示す図である。
【図7】マイクロコンピュータを含む電気供給回路を示す図である。
【図8】鍵付スイッチに代えて近接スイッチを使用した電気供給回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の電気供給回路は、図1に示すスイッチとリレーの組み合わせによるもの、図5に示すデジタルICによるもの、図6に示す鍵付スイッチ等が接続されたシーケンサによるもの、図7に示す鍵付スイッチ等を接続されたマイクロコンピュータによるものなどで構成することができる。
【0021】
切替スイッチは、衝撃電圧発生回路へ電気の供給を制御する盗難防止モード又は衝撃電圧発生回路へ電気を供給する通常モードに切り替えるスイッチである。切り替えスイッチは、スイッチ本体部と鍵や近接スイッチなどのように操作に必要な操作器具が分離しているスイッチ、例えば鍵付スイッチを使用してある。鍵付スイッチはスイッチ本体部と鍵に分かれている。スイッチ本体部には鍵穴が掘穿されている。この鍵付スイッチを操作する場合 鍵をスイッチ本体部に掘穿された鍵穴に鍵を差込み操作する。鍵を鍵穴に差し込まなければこのスイッチは操作できない。鍵はこの電源装置の所有者が所持している。
【0022】
切り替えスイッチは、鍵付スイッチに代えて図8に示す磁気を使用した近接スイッチ等を使用してもよい。
【0023】
近接スイッチの磁気発生器具部を電気柵電源装置の所有者が保管しておけば鍵付スイッチ使用の場合と同様の効果が発生する。また、鍵スイッチ、近接スイッチ以外のスイッチであっても 操作するためにスイッチ本体以外の器具を必要とするものであって可搬型のものを使用すれば同様の効果を発生させることができる。たとえば、特殊な光線や電波、音波等でON、OFFできるスイッチ等がある。
【0024】
要するにスイッチ本体と鍵や近接スイッチ等の操作に必要な操作器具が分離されており、操作器具を使用しないとスイッチ本体がON,OFFできないスイッチであればいかなるスイッチでも実施できる。
【0025】
以下に本発明の実施例をスイッチとリレーを組み合わせて構成した電気供給回路によって説明する。
【実施例1】
【0026】
図1に示す電気供給回路において、E:直流電源、BZ:ブザー、KS:単極双投形の鍵付スイッチで、衝撃電圧発生回路へ電気を供給する通常モード(T1)又は衝撃電圧発生回路へ電気の供給を制御する盗難防止モード(T2)の端子に切り替える。
S2:衝撃電圧発生回路へ電気の供給を「入り」又は「切り」に切り替える単極単投形の開閉スイッチ、D1,D2−1,D2−2,D3,D5:ダイオード、C1,C3,C5:コンデンサー、=:a接点、≠:b接点、L1〜L6:リレーのコイル、R1,R3,R5:抵抗、P1、P2、P4、P6、P7:説明のための位置点である。なお、S0は電源の接続を故意に外した場合について説明するために図に示した仮想のスイッチであり、実際にはない。
【0027】
また、リレーの記号を以下のように表す。
リレーRL1のコイルをL1で表し、そのb接点をL1bで表す。リレーRL2のコイルをL2で表し、そのb接点をL2bで表す。リレーRL3のコイルをL3で表し、そのa接点をL3aで表す。リレーRL4のコイルをL4で表し、そのa接点をL4aで表す。リレーRL5のコイルをL5で表し、そのa接点をL5aで表す。リレーRL6のコイルをL6で表し、そのa接点をL6a1、L6a2,b接点をL6b1で表す。
【0028】
以上のリレーの接点を整理すると表1のとおりである。
【表1】

【0029】
次ぎに図2〜図4に示すタイムチャートを参照して、種々のケースについて電気供給回路の動作を説明する。
なお、図2〜4のタイムチャートにおいて、コイルはH:励磁、L:消磁、接点は○:閉、×:開、P1、P2、P4、P6、P7はH:電位あり、L:電位なし(零電位)を表す。
【0030】
(1)ケース1(図2のタイムチャート1〜5参照)
仮想のスイッチS0がOFFの状態である。電源の接続を外した状態であるために電源が切れているので 鍵スイッチKSがT1,T2、開閉スイッチS2がON,OFFの何れの位置に接続されてもBZは無音であり、そして衝撃電圧発生回路は停止状態である。
【0031】
(2)ケース2(図2のタイムチャート6〜10参照)
{S0(ON固定)、KS(T1固定)、S2(OFF→ON→OFF)}の状態で、S0,KS,S2の操作者は電気柵電源装置の所有者である。この状態では、S2のON,OFFで衝撃電圧発生回路は作動、停止を繰り返す。BZはいずれも無音である。
なお、タイムチャート8,10においては、L3が遅れてLとなる。また、タイムチャート8,10において、P4が短い時間Hとなる。
【0032】
(3)ケース3(図2のタイムチャート11〜15参照)
{S0(ON固定)、KS(T1またはT2)、S2(OFF固定)}の状態で、S0,KS,S2の操作者は電気柵電源装置の所有者である。この状態では、KSをT1に接続しても、T2に接続しても衝撃電圧発生回路は停止状態、BZは無音であり支障はない。
なお、タイムチャート12,14において、L1が遅れてLになり、タイムチャート13,15において、L1が遅れてHになり、遅れる時間をt10とする。また、タイムチャート12,14において、L5が短い時間Hとなり、そのL5がHとなる短い時間をt50とすると、t10>t50になるようR1,C1,C5が選んである。
【0033】
(4)ケース4(図3のタイムチャート17〜20参照)
{S0(ON固定)、KS(T1またはT2)、S2(ON固定)}の状態で、S0,KS,S2の操作者は電気柵電源装置の所有者である。この状態では、KSをT1に接続しても、T2に接続しても衝撃電圧発生回路は作動し、BZは無音である。
なお、タイムチャート18,20において、L1が遅れてLになり、タイムチャート19において、L1が遅れてHになる。また、タイムチャート17において、L3が遅れてHとなる。また、タイムチャート18,20において、L5が短い時間Hとなる。
【0034】
(5)ケース5(図3のタイムチャート21〜26参照)
S0(ON固定)、KS(T1→T2に固定)、S2(OFF→ON)}の状態で、S0,KSの操作者は電気柵電源装置の所有者である。S2を所有者が先に操作し(タイムチャート21〜23参照)、その後窃盗犯人が操作するケースである(タイムチャート24〜26参照)。
【0035】
(a)S0がONの状態(電源を接続した状態)であって、電気柵電源装置の所有者はS2(OFF)の状態でKSを(T1→T2固定)として、その後所有者はS2(ON)とする(タイムチャート22→23)。S2(ON)になった時点で、衝撃電圧発生回路は作動しBZは無音である。その後所有者はKSより鍵(キー)を抜き取り保管する。
【0036】
(b)次に窃盗犯人が電気柵電源装置を盗もうとして、衝撃電圧発生回路を停止状態にするため、S2を(ON)から(OFF)に切り替える(タイムチャート23→24)。このとき、L6は自己保持され、BZが発音し、衝撃電圧発生回路は停止状態となる。
BZを発音させる信号が発生すると、この信号でを電波発信器に導き、電波を発信し、その電波を遠隔地に設置した受信器で受信し、受信機内で復調し、電気柵電源装置の窃盗を知ることもできる。受信器は携帯電話ででもよい。
【0037】
(c)前記(b)の状態で一旦BZが発音、衝撃電圧発生回路が停止状態となった後、窃盗犯人が、驚いてS2をONに戻しても(タイムチャート25)、BZが発音し続け、衝撃電圧発生回路が停止状態となったままである。さらにOFFにしても(タイムチャート26)、BZが発音し続け、衝撃電圧発生回路の停止状態が続く。
なお、鍵スイッチKSを(T2→T1)に切り替えると、BZが無音となり、衝撃電圧発生回路も作動できる状態になるが、窃盗犯人は鍵不所持のためKSは操作できないため、BZが発音し続け、衝撃電圧発生回路の停止状態が続く。
【0038】
(6)ケース6(図4のタイムチャート27a〜30a参照)
前記(5)の(b)〜(c)でBZ発音、衝撃電圧発生回路が停止状態となった場合、窃盗犯人は電源を取り外す状態である。
【0039】
(a)窃盗犯人が、電気柵電源装置のBZの発音を無音にしようとして、電源装置から電源である電池との接続を外した場合(S0(OFF)の場合)は、電源が全くなくなるので当然BZが無音となり、衝撃電圧発生回路が停止状態となる(タイムチャート28a参照、前記タイムチャート3と同じ。)
【0040】
(b)しかし、前記(a)で電源を外した後、再び電源を接続した場合(S0(ON)の場合)、L6は自己保持され S2がOFFであってもONであっても(タイムチャート29a、30a)、BZは発音、衝撃電圧発生回路は停止状態である。
こうしてこの電源装置は、再び使用することが不可能となる。したがって、窃盗犯人が自分で使用することもできないし、また、他人へ転売しようとしても、使用不能で価値がないので、転売もできなくなる。
【0041】
(7)ケース7(図4のタイムチャート27b〜30b参照)
BZの発音及び衝撃電圧発生回路の停止状態から通常状態への復帰させるものである。
BZの発音や受信器による盗難の報知により、KSの鍵を保管している電気柵電源装置の所有者は、鍵を所持して、電源装置が設置してある電気柵電源装置へ出向き、BZの発音、衝撃電圧発生回路の停止状態を確認する(タイムチャート27b)
【0042】
(a)鍵式スイッチKSに鍵をさし込み(T2からT1)に切り替える。すると、BZが無音、衝撃電圧発生回路が作動できる状態に戻る(タイムチャート28b、前記(2)の状態に戻ることになる。)
【0043】
(b)S2をONやOFFに切り換えると、BZを発音させずに衝撃電圧発生回路を作動、停止させる通常の状態となる(タイムチャート29b、30b)。
こうして、上記のようにKSを(T1)に固定しておくと衝撃電圧発生回路は正常に作動しBZは無音である。そしてKSを(T2)に固定しておくと、S2(ON→OFF)時に衝撃電圧発生回路は停止状態となりBZは発音する。以後S2をONにしてもOFFにしてもその状態は変わらない。また、この状態から電源を取り外してその後再び電源を接続すると、衝撃電圧発生回路は停止状態となり、BZは発音する状態になる。
【符号の説明】
【0044】
E:直流電源
S0:仮想のスイッチ
BZ:ブザー
KS:鍵スイッチ
T1:通常側
T2:盗難防止側
S2:開閉スイッチ
D1,D2−1,D2−2,D3,D5:ダイオード
C1,C3,C5:コンデンサー
L1〜L6:リレーのコイル
R1,R3,R5:抵抗
P1、P2、P4、P6、P7:導通点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、害獣侵入防止用電気柵に衝撃電圧を供給する衝撃電圧発生回路との間に、電気を衝撃電圧発生回路に供給するための電源供給回路が接続され、
電源供給回路は電源と、衝撃電圧発生回路へ電気の供給を「入り」又は「切り」に切り替える開閉スイッチとの間に、衝撃電圧発生回路へ電気を供給する通常モード又は衝撃電圧発生回路へ電気の供給を制御する盗難防止モードに切り替える切替スイッチが接続され、
切替スイッチが盗難防止モードへ接続された状態において、開閉スイッチの切り替えを感知して発生した電気信号により衝撃電圧発生回路へ電気が供給されない回路であることを特徴とする電気柵用電源装置。
【請求項2】
前記切替スイッチが、スイッチ部とこのスイッチ部の操作に必要な操作器具とが分離しているスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の電気柵用電源装置。
【請求項3】
前記電源供給回路が、発生した電気信号により警報を発生する警報装置を備えていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電気柵用電源装置。
【請求項4】
前記電源供給回路が、電気信号を発生した後に電源と電源供給回路との接続が外され、その後再び電源供給回路へ接続した場合に、開閉スイッチの「入り」又は「切り」の状態に関係なく電気信号を発生させる回路であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気柵用電源装置。
【請求項5】
前記電源供給回路が前記電気信号により発生させた電波を外部の受信部へ発信する発信部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気柵用電源装置。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−257389(P2010−257389A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109433(P2009−109433)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【特許番号】特許第4565066号(P4565066)
【特許公報発行日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(596009788)株式会社末松電子製作所 (16)
【Fターム(参考)】