説明

電気特性測定方法および装置

【課題】被測定物の導電性表面における導電率などの電気特性を、複数箇所にわたって簡単にかつ精度良く測定でき、測定値に基づいて導電性表面の汚れの程度などを正確に把握、判定できるようにした、電気特性測定方法および装置を提供する。
【解決手段】被測定物の導電性表面に向けて検出子を押し付け、導電性表面と検出子との間の電気特性を測定する方法であって、導電性表面と検出子との間に導電性の帯状体を介挿し、該帯状体を測定毎に間欠的に検出子に対し相対的に移動させることを特徴とする電気特性測定方法、および電気特性測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気特性測定方法および装置に関し、とくに、被測定物の導電性表面における電気特性、中でも付着汚れなどによって変化している電気特性を精度良く測定でき、汚れ程度の判定や、表面処理等のための洗浄などの事前処理の必要程度の判定にまで展開可能な、被測定物の導電性表面における電気特性の測定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、めっきや塗装などの表面処理で密着性を向上させるために、油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れを除去する際、金属などの導電性材料の表面に付着した、汚れの程度を知る簡易な方法がなかったため、技術者が経験的に汚れの落ちにくさの程度を判断し、それに見合った脱脂、酸洗処理法等を選択していた。
【0003】
しかしながら、その方法では個人差が大きく、熟練した者でないと、判断が付かないという問題点がある。また、近年若い技術者が増える中技術の継承が困難となり、表面処理分野においても、表面汚れの程度を経験的に判断する為には、相当な経験技術を要する。以下に従来技術の詳細について述べる。
【0004】
従来の方法としては、例えば、被めっき物表面または、被電解研磨物表面の油脂の残存状態を測定する方法、装置が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載されている装置は、金属表面の油脂に特定した電気式洗度計であり、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れを総合的に判定できる装置ではなく、しかも、金属表面を広い範囲にわたって汚れの状態やその分布程度などを測定できる装置でもない。したがって、表面処理に際し、事前にどのような方法でどの程度の油脂除去処理を行えばよいのかを、正確に判断することは難しい。
【0005】
また、関連計測法として、電気的に塗膜抵抗と塗膜硬化度の相関性を利用した簡易計測法、装置が知られている(例えば、特許文献2)。この特許文献2に記載されている装置は、塗膜抵抗測定に対象を絞ったものであり、金属表面の油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れを判別する装置ではない。また、この装置では、塗膜抵抗信号を取り出す電極手段を、導電液を含浸した含浸材を介して塗装物表面(つまり、塗膜表面)に当接させるようになっているが、含浸材の表面に塗膜の一部が付着することがあり、塗膜が付着した含浸材を用いた測定では、もはや精度の良い塗膜抵抗の測定は期待できないという問題を抱えている。
【0006】
さらに、関連計測法として、導電体上に設けられた薄層誘電体の静電容量測定法が知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、この方法も静電容量を測定することだけが目的となっており、金属表面の油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れを判別する方法ではない。また、この方法では、水含浸性の不織布あるいは紙等を供試品に貼付けて電極とするので、被測定物の多数の測定箇所を連続的に順次測定していくことは困難である。つまり、薄層の誘電体層が均一な厚みの層であり、それを代表的な一点で測定することが前提となっている。
【特許文献1】実公昭31−199号公報
【特許文献2】実開昭51−101971号公報
【特許文献3】特開昭63−61964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の方法、装置では、表面の汚れなどに基づく電気特性の変化を、被測定物の複数箇所にて簡易にかつ精度良く測定できるものではない。表面の汚れなどに基づく電気特性の変化を被測定物の複数箇所にて簡易にかつ精度良く測定できれば、表面汚れの程度を簡単にかつ正確に把握、判断できるようになり、それに見合った後処理法、あるいは後の表面処理のための事前処理法を、個人差等が生じない適切な方法で実施することが可能になる。
【0008】
そこで本発明の課題は、上記のような実情に鑑み、被測定物の導電性表面における導電率などの電気特性を、複数箇所にわたって簡単にかつ精度良く測定でき、測定値に基づいて導電性表面の汚れの程度などを正確に把握、判定できるようにした、電気特性測定方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気特性測定方法は、被測定物の導電性表面に向けて検出子を押し付け、前記導電性表面と前記検出子との間の電気特性を測定する方法であって、前記導電性表面と前記検出子との間に導電性の帯状体を介挿し、該帯状体を測定毎に間欠的に前記検出子に対し相対的に移動させることを特徴とする測定方法からなる。
【0010】
すなわち、導電性表面と検出子との間に導電性の帯状体が介挿されるので、とくに測定対象が後述の導電性表面上の異種層である場合、検出子の先端が異種層を突き抜けて、あるいは異種層をバイパスして、直接導電性表面に接触することが回避され、測定対象としての異種層が精度良く測定されることになる。また、この帯状体を測定毎に間欠的に移動させるので、ある測定箇所についてたとえ帯状体に測定障害物が付着したとしても、次の測定箇所では清浄な新たな帯状体部分が送り出されてくるので、各測定箇所について、常に、望ましい所定の(一定の)条件で測定を行うことができ、測定精度と測定の信頼性を高めることができる。さらに、この帯状体の間欠移動構成と、先端(検出端)の面積の小さな検出子を組み合わせれば、局部的な電気特性を、複数の測定箇所について、精度良く順次測定していくことが可能になる。
【0011】
測定する電気特性としては、上記導電性表面と上記検出子との間に介在する上記導電性表面上の異種層の電気特性を含めることができる。この場合、上記帯状体を、異種層と検出子との間に介挿すればよい。この異種層としては、油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れの層を例示でき、これらの複数種からなる汚れの層も例示でき、さらには、導電性表面上の塗膜を測定対象とすることも可能である。
【0012】
上記検出子、とくにその検出端を構成する材料としては、導電性の高い金属が好ましく、例えば、白金や金を使用できる。
【0013】
また、上記帯状体としては、例えば、非導電性の多孔質体に電解質溶液を含浸させた帯状体を用いることができる。この電解質に、検出子までの導電性を担わせることができる。この多孔質体としては、例えば、アルミナ、ケイ素化合物などの無機物、または紙、合成繊維などの有機物からなる多孔質体を用いることができる。一種類の多孔質体を用いてもよく、2種類以上の多孔質体の組み合わせ構造(例えば、積層構造)としてもよい。また、電解質溶液の電解質としては、例えば、塩化ナトリウムなどの無機物、酢酸などの有機物からなる電解質を用いることができる。この電解質溶液は多孔質体に含浸させるだけであるから、使用量は少なくて済む。
【0014】
測定する電気特性としては、代表的には導電率を挙げることができるが、その他、抵抗や他の電気特性(例えば、誘電率など)の測定も可能である。
【0015】
この本発明に係る電気特性測定方法は、例えば、汚れの程度の判定方法としても展開できる。例えば、上記導電性表面と上記検出子との間の電気特性を、導電性表面の複数箇所について測定し、複数の測定値の平均値と標準偏差から、上記被測定物の表面状態を判定するのである。とくに、被測定物の表面の汚れの程度を判定することができる。この測定評価結果は、例えば、所定の表面処理(例えば、めっき処理)の前に行われる、洗浄処理等の事前処理の方法、程度を決めるために極めて有効に反映できる。
【0016】
本発明は、同様の技術思想に基づいて、電気特性測定装置も提供する。すなわち、本発明に係る電気特性測定装置は、被測定物の導電性表面に向けて検出子を押し付け、前記導電性表面と前記検出子との間の電気特性を測定する装置であって、前記導電性表面と前記検出子との間に、測定毎に間欠的に前記検出子に対し相対的に移動可能な導電性の帯状体を介挿したことを特徴とする装置からなる。
【0017】
この本発明に係る電気特性測定装置においては、測定される電気特性に、上記導電性表面と上記検出子との間に介在する導電性表面上の異種層の電気特性を含めることができ、この場合には、上記帯状体が、異種層と検出子との間に介挿されればよい。
【0018】
また、上記帯状体としては、非導電性の多孔質体に電解質溶液を含浸させた帯状体からなることが好ましい。多孔質体は、例えば、アルミナ、ケイ素化合物などの無機物、または紙、合成繊維などの有機物から構成されることができ、電解質溶液の電解質には、例えば、塩化ナトリウムなどの無機物、酢酸などの有機物を使用できる。
【0019】
上記異種層は、例えば、上記導電性表面上に付着した油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れによる層またはそれらの組み合わせからなる汚れによる層からなる。また、塗装における塗膜も測定対象とすることができる。
【0020】
測定される電気特性の代表的なものとしては、前述の如く、導電率を挙げることができる。
【0021】
また、上記導電性表面と上記検出子との間の電気特性が、上記導電性表面の複数箇所について測定され、複数の測定値の平均値と標準偏差から、上記被測定物の表面状態を判定可能に構成されている形態を採用することもできる。とくに、被測定物の表面の汚れの程度を判定可能に構成されている形態を採用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る電気特性測定方法および装置によれば、極めて簡易にかつ精度良く、被測定物の導電性表面における電気特性を測定できるようになり、本発明に係る方法および装置は、とくに複数の測定箇所を順次測定していく場合に極めて有用なものである。また、得られる電気特性の測定結果の平均値と標準偏差から、とくに被測定物の導電性表面の汚れの程度を正確に判定することが可能となり、判定結果を事前洗浄処理等に適切かつ有効にフィードバックすることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る電気特性測定装置の概略構成を示している。図1に示す電気特性測定装置1においては、被測定物2の導電性表面3に向けて、白金や金等の高導電性金属からなる検出子4が、測定しようとする箇所に順次押し付けられる。とくに図示例では、導電性表面3上に付着した、油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れによる異種層5が測定、評価対象とされており、導電性表面3と検出子4との間の電気特性(例えば、導電率)が測定されるようになっている。電源6(交流、直流のいずれも可能)からの所定の電圧が被測定物2(導電性表面3)と検出子4との間に印加され、電流計7等を用いて電流等が測定される(直接、抵抗計や導電率計等を接続してもよい)。
【0024】
被測定物2の導電性表面3と検出子4の先端(検出端)との間には、導電性の帯状体8が介挿されており、この帯状体8は、測定毎に、間欠的に、検出子4に対し相対的に移動される。この相対移動構造には、周知の機構を採用すればよい。例えば図示の如く、一方の巻き出し軸9に帯状体8をロール状に巻いておき、この巻き出しロール側から順次新たな帯状体8部分を検出子4の先端へと間欠的に送り出し、他方の巻き取り軸10に使用済みの帯状体8部分を順次ロール状に巻き取っていく構造を採用すればよい。間欠送り出し、間欠巻き取り構造は、例えば、検出子4の押し付けあるいはその復帰動作毎に、その動作を伝達する(例えば、巻き取り軸10側に伝達する)周知の伝達機構11を採用すればよい。この伝達機構11には、例えば、いわゆるラチェット機構を使用できる。
【0025】
検出子4の押し付け構造に関しては、例えば、測定装置内に設けられた固定端12と、検出子4と一体的に上下動可能に設けられた可動端13との間に、予め所定のばね定数に設定されたばね14を介装し、可動端13がストッパ15に係止されるまで、検出子4を押し込むことにより、測定毎に、毎回、一定の圧力で検出子4を測定対象に向けて押し付けることが可能になる。この可動端13と上述の伝達機構11とを連接しておくことにより、例えば可動端13の復帰動作毎に、巻き取り軸10に使用済みの帯状体8部分を順次ロール状に巻き取っていくことが可能になる。ただし、この検出子4の押し付け構造や、帯状体8の間欠送り構造には、目標とする機能、動作が得られる限り、他のあらゆる一般的な周知構造を採用可能である。
【0026】
上記帯状体8は、アルミナ、ケイ素化合物などの無機物、または紙、合成繊維などの有機物で形成された多孔質体から構成されており、その多孔質体に、塩化ナトリウムなどの無機物、あるいは酢酸などの有機物からなる電解質の溶液を含浸させたものからなる。電解質溶液の含浸により、非導電性の多孔質体に、測定に必要な導電性が付与されている。なお、電解質溶液における電解質濃度は特に限定されず、含浸により所定の導電性が達成される限り、例えば、0.001%以上100%以下の範囲から適宜設定すればよい。
【0027】
電気特性として、被測定物2の導電性表面3における導電率、とくに汚れ状態による導電率の変化を測定する場合、得られた導電率の平均値と標準偏差から汚れの程度を判定することが可能である。
【実施例】
【0028】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
検出子として直径1mmの白金線を用い、その先端部を、帯状体としての薄い多孔質材料(多孔質体)で図1に示したように覆い、その外周をプラスチック等(図示略)で絶縁した検出子組立体を用意した。電解質溶液としての0.05M のNaCl溶液を検出子先端部に順次送り出される多孔質材料に染み込ませた後、測定対象としての金属表面に押し付け、白金線と金属間の導電率を測定した。測定対象金属表面にはプレス油が付着しているものを選び、標準となる白金板(測定対象が白金板の場合を比較基準値として用いた。)との平均値、標準偏差の違いによって、汚れの程度判定体した。また、測定は6回順次繰り返して行った。
【0029】
結果を図2に示す。標準となる白金板の平均値は225mho、標準偏差は5.96mho となった。一方、プレス油が付着した金属表面は平均値118mho、標準偏差39.6mho となり、両者の平均値と標準偏差の違いから、汚れの程度を判定することができる。
【0030】
実施例2
実施例1と同様に、直径1mmの白金線の先端部を、薄い多孔質材料で覆い、その外周をプラスチックで絶縁した検出子組立体を用意した。0.05M NaCl溶液を検出子先端部の多孔質材料に染み込ませた後、測定対象金属表面に押し付け、白金線と金属間の導電率を測定した。測定対象金属表面には錆が形成されているものを選び、標準となる白金板との平均値、標準偏差の違いによって、汚れの程度を判定した。また、測定は6回の繰り返し測定を行った。
【0031】
結果を図3に示す。標準となる白金板の平均値は225mho、標準偏差は5.96mho となった。一方、錆が形成されている金属表面は平均値144mho、標準偏差21.6mho となり、両者の平均値と標準偏差の違いから、汚れの程度を判定することができる。
【0032】
実施例3
実施例1と同様に、直径1mmの白金線の先端部を、薄い多孔質材料で覆い、その外周をプラスチックで絶縁した検出子組立体を用意した。0.05M NaCl溶液を検出子先端部の多孔質材料に染み込ませた後、測定対象金属表面に押し付け、白金線と金属間の導電率を測定した。測定対象金属表面には酸化膜が形成されているもの(加熱による酸化膜が形成されたもの)を選び、標準となる白金板との平均値、標準偏差の違いによって、汚れの程度を判定した。また、測定は6回の繰り返し測定を行った。
【0033】
結果を図4に示す。標準となる白金板の平均値は225mho、標準偏差は5.96mho となった。一方、酸化膜が形成されている金属表面は平均値42.1mho、標準偏差10.6mho となり、両者の平均値と標準偏差の違いから、汚れの程度を判定することができる。
【0034】
実施例4
実施例1と同様に、直径1mmの白金線の先端部を、薄い多孔質材料で覆い、その外周をプラスチックで絶縁した検出子組立体を用意した。0.05M NaCl溶液を検出子先端部の多孔質材料に染み込ませた後、測定対象金属表面に別の多孔質材料を間に挟み押し付け、白金線と金属間の導電率を測定した。測定対象金属表面には鉄の正常面(多少の塵埃等が付着しているかも知れない鉄の表面)を選び、標準となる白金板との平均値、標準偏差の違いによって、汚れの程度を判定した。また、測定は6回の繰り返し測定を行った。
【0035】
結果を図5に示す。標準となる白金板の平均値は225mho、標準偏差は5.96mho となった。一方、鉄の正常面は平均値191mho、標準偏差17.9mho となり、両者の平均値と標準偏差の違いから、汚れの程度を判定することができる。
【0036】
つまり、錆や酸化膜、プレス油付着部分は標準となる白金板との平均値、標準偏差の差が大きく、汚れの程度も大きいことがわかり、正常な鉄表面は、白金板に比べると導電性は劣るものの、前者3つに比べると表面汚れが少ないことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る電気特性測定方法および装置は、導電性表面における電気特性を簡易に測定することが求められる、あらゆる用途に適用でき、とくに導電性表面の汚れの程度の判定に用いて好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施態様に係る電気特性測定装置の概略構成図である。
【図2】実施例1の測定結果を示す特性図である。
【図3】実施例2の測定結果を示す特性図である。
【図4】実施例3の測定結果を示す特性図である。
【図5】実施例4の測定結果を示す特性図である。
【符号の説明】
【0039】
1 電気特性測定装置
2 被測定物
3 導電性表面
4 検出子
5 異種層
6 電源
7 電流計
8 帯状体
9 巻き出し軸
10 巻き取り軸
11 伝達機構
12 固定端
13 可動端
14 ばね
15 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の導電性表面に向けて検出子を押し付け、前記導電性表面と前記検出子との間の電気特性を測定する方法であって、前記導電性表面と前記検出子との間に導電性の帯状体を介挿し、該帯状体を測定毎に間欠的に前記検出子に対し相対的に移動させることを特徴とする電気特性測定方法。
【請求項2】
測定する電気特性が、前記導電性表面と前記検出子との間に介在する前記導電性表面上の異種層の電気特性を含み、前記帯状体を、前記異種層と前記検出子との間に介挿する、請求項1に記載の電気特性測定方法。
【請求項3】
前記帯状体として、非導電性の多孔質体に電解質溶液を含浸させた帯状体を用いる、請求項1または2に記載の電気特性測定方法。
【請求項4】
前記多孔質体として、アルミナ、ケイ素化合物などの無機物、または紙、合成繊維などの有機物からなる多孔質体を用いる、請求項3に記載の電気特性測定方法。
【請求項5】
前記電解質溶液の電解質として、塩化ナトリウムなどの無機物、酢酸などの有機物からなる電解質を用いる、請求項3または4に記載の電気特性測定方法。
【請求項6】
前記異種層が、前記導電性表面上に付着した油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れによる層またはそれらの組み合わせからなる汚れによる層からなる、請求項2〜5のいずれかに記載の電気特性測定方法。
【請求項7】
前記電気特性として導電率を測定する、請求項1〜6のいずれかに記載の電気特性測定方法。
【請求項8】
前記導電性表面と前記検出子との間の電気特性を、前記導電性表面の複数箇所について測定し、複数の測定値の平均値と標準偏差から、前記被測定物の表面状態を判定する、請求項1〜7のいずれかに記載の電気特性測定方法。
【請求項9】
被測定物の表面の汚れの程度を判定する、請求項8に記載の電気特性測定方法。
【請求項10】
被測定物の導電性表面に向けて検出子を押し付け、前記導電性表面と前記検出子との間の電気特性を測定する装置であって、前記導電性表面と前記検出子との間に、測定毎に間欠的に前記検出子に対し相対的に移動可能な導電性の帯状体を介挿したことを特徴とする電気特性測定装置。
【請求項11】
測定される電気特性が、前記導電性表面と前記検出子との間に介在する前記導電性表面上の異種層の電気特性を含み、前記帯状体が、前記異種層と前記検出子との間に介挿される、請求項10に記載の電気特性測定装置。
【請求項12】
前記帯状体が、非導電性の多孔質体に電解質溶液を含浸させた帯状体からなる、請求項10または11に記載の電気特性測定装置。
【請求項13】
前記多孔質体が、アルミナ、ケイ素化合物などの無機物、または紙、合成繊維などの有機物から構成されている、請求項12に記載の電気特性測定装置。
【請求項14】
前記電解質溶液の電解質が、塩化ナトリウムなどの無機物、酢酸などの有機物からなる、請求項12または13に記載の電気特性測定装置。
【請求項15】
前記異種層が、前記導電性表面上に付着した油脂、腐食生成物、酸化膜、塵埃などの汚れによる層またはそれらの組み合わせからなる汚れによる層からなる、請求項11〜14のいずれかに記載の電気特性測定装置。
【請求項16】
測定される電気特性が導電率である、請求項10〜15のいずれかに記載の電気特性測定装置。
【請求項17】
前記導電性表面と前記検出子との間の電気特性が、前記導電性表面の複数箇所について測定され、複数の測定値の平均値と標準偏差から、前記被測定物の表面状態を判定可能に構成されている、請求項10〜16のいずれかに記載の電気特性測定装置。
【請求項18】
被測定物の表面の汚れの程度を判定可能に構成されている、請求項17に記載の電気特性測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−203126(P2008−203126A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40461(P2007−40461)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年10月18日 神奈川県産業技術センター、神奈川県工業技術研究機関連絡会、神奈川県産業技術交流会発行の「翔びたつ神奈川のものづくり 平成18年度 神奈川県産学公交流研究発表会資料」に発表
【出願人】(591243103)財団法人神奈川科学技術アカデミー (271)
【出願人】(000192903)神奈川県 (65)
【出願人】(506079320)神奈川県メッキ工業組合 (3)
【Fターム(参考)】