電気的多層コンポーネント及び回路装置
本発明は電気的多層コンポーネントに関し、この電気的多層コンポーネントは、複数の交互に積層配置したセラミック層(2)及び少なくとも1つの電極層(3)を有して一体品構成とした基体(1)を備える。基体(1)は、互いに対向する2つの端面(4,4′)及び互いに対向する2つの側面(5,5′)と共に、複数個の外部電極(6,6′)及び少なくとも3個の内部電極(7,8,9)を有する。内部電極(7,8,9)は、それぞれ1個の外部電極(6,6′)に割り当てて接続する。端面(4,4′)のうち少なくとも一方から延在する少なくとも1個の第1内部電極(7)、及び端面(4,4′)の他方から延在する少なくとも1個の第2内部電極(8)は、互いに第1間隔(a)をとって離間する。さらに、側面(5,5′)の一方から第3内部電極(9)が延在し、第3内部電極(9)は、第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)に対して第2間隔(b)をとって離間する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的多層コンポーネント及び回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(独国特許出願公開第102007020783号)に、電気的多層コンポーネントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007020783号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、容易に製造可能であり、かつ集積密度が高い電気的多層コンポーネントを得るにある。さらに、この電気的多層コンポーネントを備える回路装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の電気的多層コンポーネント、及び請求項14に記載の回路装置により解決することができる。電気的多層コンポーネントの有利な実施形態は、従属請求項に記載する。
【0006】
本発明は、一体品構成にした(モノリシックな)基体を備える電気的多層コンポーネントに関する。この電気的多層コンポーネントは、複数の交互に積層配置したセラミック層及び電極層を備える。基体は、互いに対向する2つの端面及び互いに対向する2つの側面を有する。電気的多層コンポーネントは、複数個の外部電極及び少なくとも3個の内部電極を備える。各内部電極には、1個の外部電極に割り当てて接続する。基体における端面のうち少なくとも一方の端面から延在する1個の第1内部電極(7)、及び他方の端面から延在する少なくとも1個の第2内部電極は、互いに第1間隔をとって離間する。さらに、基体における側面のうち一方の側面から第3内部電極が延在し、この第3内部電極は、第1内部電極及び第2内部電極に対して第2間隔をとって離間する。
【0007】
電気的多層コンポーネントにおける一実施形態において、内部電極の少なくとも2個を、少なくとも1つの同一電極層に配置する。
【0008】
電気的多層コンポーネントにおける一実施形態において、第1及び第2内部電極は、少なくとも部分的にオーバーラップし、第3内部電極は、一実施形態において、第1及び第2内部電極と部分的にオーバーラップする。
【0009】
多層コンポーネントにおける一実施形態において、第1内部電極の電極面は、第2内部電極の電極面より大きく形成する。別の一実施形態において、第1及び第2内部電極における電極面の大きさは等しいものとされている。
【0010】
好適には、第1及び第2間隔における領域は、それぞれセラミック層を有する。
【0011】
第1及び第2内部電極は、これら両内部電極間に配置した少なくとも1つのセラミック層における部分領域と共に、第1の電気的機能ユニットを構成する。
【0012】
多層コンポーネントにおける一実施形態において、第3電極は、その境界領域で、第1及び/又は第2内部電極の1個、並びにこれら両内部電極間に配置した1つ又は複数のセラミック層における部分領域と共に、第2の電気的機能ユニットを構成する。
【0013】
電気的多層コンポーネントにおける一実施形態において、基体から延在する第4内部電極は、第1及び/又は第2内部電極の少なくとも一方に対して離間しており、かつこれら両内部電極の間に配置したセラミック層における部分領域と共に、第3の電気的機能ユニットを画定する。
【0014】
電気的多層コンポーネントの機能ユニットは、周縁(エッジ)効果を考慮することなく、互いに独立している。周縁効果とは、例えば、2個の並置した第3内部電極と第4内部電極との間に生ずる恐れがある電気的接続のことを指すものである。
【0015】
一実施形態において、第3及び第4内部電極は同一電極層に配置する。この場合、これら両内部電極は、第1及び第2内部電極と同一層に配置するか、又は第1及び第2内部電極のいずれか一方の層に配置するか、又は他方の層に配置する。
【0016】
第3及び第4内部電極は、好適には、互いに周縁効果を生ずることのないよう配置する。一実施形態において、第3及び第4内部電極は同一電極層に配置すると共に、互いに十分に離間させることにより、好適には、これら両電極間に周縁効果が生じないようにする。これにより、少なくとも距離的には、第3内部電極と第4内部電極との間に電気的機能ユニットが構成されることがなくなる。
【0017】
一実施形態において、第1及び第2内部電極はそれぞれ1個の外部電極に接続し、これら外部電極は、基体において互いに対向する端面に配置する。
【0018】
別の一実施形態において、電気的多層コンポーネントは、好適には、基体の長手方向軸線に沿って対称的に配置した内部電極を備える。
【0019】
一実施形態において、多層コンポーネントの電気的機能ユニットは、コンデンサ又はバリスタ機能を有する。
【0020】
別の一実施形態において、1個のコンデンサ及び1個のバリスタを、又は複数個のバリスタ及び複数個のコンデンサを、電気的多層コンポーネントに配置する。
【0021】
別の一実施形態において、電気的多層コンポーネントは複数個のコンデンサを備え、この場合、端面に配置した第1及び第2内部電極により画定される第1の電気的機能ユニットにおける容量は、他の電気的機能ユニットにおける容量に比べて、1000倍も異なるものとする。
【0022】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、第1の電気的機能ユニットは、端面に接続した第1及び第2内部電極により画定し、好適には、1pFより小さい容量とする。
【0023】
一実施形態において、電気的多層コンポーネントは、容量を異ならせた複数個のコンデンサを備える。
【0024】
別の一実施形態において、電気的多層コンポーネントは、バリスタ電圧を異ならせた複数個のバリスタを備えるが、容量を異ならせた複数個のコンデンサ及びバリスタ電圧を異ならせた複数個のバリスタを備えることもできる。
【0025】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、セラミック層の1つはバリスタセラミック又はコンデンサセラミックとし、セラミック層を構成するこのバリスタセラミックは、好適には、酸化亜鉛、ビスマス・アンチモン又は酸化亜鉛・プラセオジムを含むものとする。
【0026】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、基体が有する少なくとも1つの誘電体層は、低い誘電率を有する。一実施形態において、2つの誘電体層は、電気的多層コンポーネントをその厚さ方向の上下に画定する。
【0027】
電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態において、少なくとも1つの誘電体層を、中間層として電気的多層コンポーネントにおける互いに独立した部分の間に配置する。誘電体層は、好適には、ガラス又はジルコニア、ガラス・ジルコニア複合材料、酸化アルミニウム又はガラス・酸化アルミニウム複合材料を含むものとする。
【0028】
好適には、第1と第2内部電極との間における第1間隔領域、第3内部電極と第1又は第2内部電極との間における第2間隔領域、及び第4内部電極と第1又は第2内部電極との間における第3間隔領域には、セラミック層又はセラミック層の一部を配置する。
【0029】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、接触は、ランド・グリッド・アレイ(LGA)又はボール・グリッド・アレイ(BGA)により行う。この場合の電気的多層コンポーネントにおける層構造は、好適には、接続接点として機能する層に対して直交するよう設ける。一実施形態において、第1及び第2内部電極を配置する電極層は、外部電極を介して多層コンポーネントの側面から接触可能とし、また第3及び第4内部電極は、基体の下面においてLGA又はBGAとした接点を介して接触可能とする。別の一実施形態において、第1及び/又は第2内部電極の接触は、基体の下面に設けたBGA又はLGAとした接点により行う。
【0030】
上述の電気的多層コンポーネントを回路装置において作動させるために、一方の端面に配置した少なくとも1個の外部電極をグランドに、また他方の端面に配置した少なくとも1個の外部電極を電圧供給ラインに接続する。電気的多層コンポーネントの側面に配置した他の外部電極は、好適には、コンポーネントの外部において、例えば信号ラインに接続する。
【0031】
本発明の多層コンポーネントは、その構造上の集積密度を大きくしつつ、機能ユニット、例えば容量を異ならせたコンデンサの配置を可能とするものである。例えば、このようなコンポーネントは、容量を1000倍異ならせて構成することができる。すなわち、例えば0.1pF(pF=ピコファラッド)〜100pFとすることが可能とされている。多層コンポーネントにおける第1の電気的機能ユニットは、好適には、コンデンサとして機能し、その容量は1pF以下とする。
【0032】
以下、上述した物品及びその構成を、添付図面及び実施形態につき、さらに説明する。
【0033】
なお、以下に説明する図面は、縮尺どおりに捉えるべきものでないことに留意されたい。また、同一素子又は同一機能を有する素子は、同一の参照符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極の配置を示す説明図である。
【図2】a),b),c)は、それぞれ3個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける一実施形態の異なる断面図である。
【図3】a),b)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図4】a),b),c)は、それぞれ3個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図5】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図6】a),b)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図7】a),b),c)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図8】a),b)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図9】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図10】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図11】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極の配置を示す説明図である。
【図12】電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図13】電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図14】電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図15】a),b),c)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図16】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図17】複数個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図18】複数個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図19】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図20】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図21】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図22】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図23】それぞれ1個の誘電体層により厚さ方向を区切った電気的多層コンポーネントの断面図である。
【図24】複数個の誘電体層を備える電気的多層コンポーネントにおける一実施形態の断面図である。
【図25】電気的多層コンポーネントの一実施形態としての、複数の電気的機能ユニットを有する回路装置を示す説明図である。
【図26】端面に複数個の外部電極を配置した電気的多層コンポーネントの接続面における外部電極の配置を示す説明図である
【図27】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図28】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、互いに積層配置したセラミック層及び1個の電極層で構成した電気的多層コンポーネントの基体1における外部電極6,6′の配置を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、4個の外部電極6,6′を備え、外部電極6を基体1の端面4,4′にそれぞれ配置する。基体1において互いに対向する側面5,5′には、外部電極6′をそれぞれ配置する。図2〜図11に示す電気的多層コンポーネントの各実施形態における外部電極の配置は、好適には、図1に示す実施形態における配置と同様とする。個々の外部電極は、内部電極配置の実施形態によっては、接触できない、隠れ接点として存在することができる。
【0036】
図2aは、順次に積層配置したセラミック層及び1個の電極層により構成し、基体1を構成する電気的多層コンポーネントにおける、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電極層は、第1内部電極7及び第2内部電極8を有し、この場合、両内部電極7,8は、側方に第1間隔aをとって互いに離間する。この電気的多層コンポーネントには第3内部電極9を設け、この第3内部電極9は第2間隔bをとって側方に第2内部電極から離間する。第1内部電極7、第2内部電極8及び第3内部電極9は、電気的多層コンポーネントの一層に配置する。
【0037】
図2bは、A−A′線に沿って切断した電極層の断面図を示す。電気的多層コンポーネントは、基体1、複数のセラミック層2(図示せず)及び各内部電極を配置した層3を備える。
【0038】
図2cは、B−B′線に沿って切断した電気的多層コンポーネントの断面図を示す。第2内部電極8及び第3内部電極9は、電気的多層コンポーネントにおける同一の電極層3に配置し、第2間隔bをとって互いに離間させる。
【0039】
図3aは、順次に積層配置したセラミック層及び1個の電極層で構成した電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1及び第2内部電極7,8は、電気的多層コンポーネントにおける基体1の同一層で第1間隔aをとって互いに離間させる。電気的多層コンポーネントに第3電極9を設け、この第3電極9は、第2間隔bをとって第2電極8に対して離間させる。さらに、電気的多層コンポーネントに第4内部電極10を設け、この第4内部電極10は、第3間隔cをとって第2内部電極8に対して離間させる。電気的多層コンポーネントにおける各内部電極7〜10は、同一層に配置する。第1間隔aの領域において、第1内部電極7は、第2内部電極8及び第1間隔aの領域に配置したセラミック層の部分領域と共に、第1の電気的機能ユニット11を構成する。第2間隔bをとって互いに離間する第3内部電極9と第2内部電極8との間における領域において、第2及び第3内部電極8,9は、セラミック層の部分領域と共に第2の電気的機能ユニット12を構成する。第2内部電極8と第4内部電極10との間における領域において、これら内部電極は、第3間隔cをとって配置したセラミック層の部分領域と共に、第3の電気的機能ユニット13を構成する。
【0040】
図3bは、B−B′線に沿ってコンポーネントを切断した断面図を示す。電気的多層コンポーネントの断面において示す第2内部電極8は、第3内部電極9及び第4内部電極10と共に、基体1の同一層に配置する。
【0041】
図4aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1内部電極7及び第2内部電極8は、図示の実施形態において、基体1の異なる層に配置し、互いに部分的にオーバーラップする。電気的多層コンポーネントには2個の第3内部電極9を設け、これら第3内部電極9は、多層コンポーネントの異なる層に配置し、図4cに示すように、互いに完全にオーバーラップする。2個の第3内部電極9は、第2間隔bをとって第1及び第2の内部電極7,8から離間させる。また、電気的多層コンポーネントには2個の第4内部電極10を設け、これら第4内部電極10は、第3内部電極9と同様、電気的多層コンポーネントの異なる層に配置し、互いに完全にオーバーラップする。各第4内部電極10は、第3間隔cをとって第1内部電極7又は第2内部電極8から離間させる。
【0042】
図4bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。基体1の異なる層に配置する第1及び第2内部電極7,8の間には、垂直方向の第1間隔aを設ける。
【0043】
図4cは、B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。電気的多層コンポーネントは、図示の実施形態において2個の電極層を備え、各電極層は、第1又は第2電極7,8と共に、第3及び第4内部電極9,10を有する。第3内部電極9は、間隔bをとって側方に第1及び第2内部電極8から離間させ、第4内部電極10は、間隔cをとって側方に第1内部電極7又は第2内部電極8から離間させる。
【0044】
図5aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、図4aに示す実施形態とは異なり、第4内部電極10を持たず、第3内部電極9のみを備える。第1及び第2の内部電極7,8は、基体1の異なる層に配置し、少なくとも互いに部分的にオーバーラップする。
【0045】
図5bは、切断線B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。図示の実施形態において多層コンポーネントには第3内部電極9を設け、この第3内部電極9は、基体1における第2内部電極8と共通の電極層に配置する。第2内部電極8に対して離間する電極層に配置した第1内部電極7は、第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0046】
図6aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における多層コンポーネントは、第1及び第2の内部電極7,8を有する基体1を備え、この場合、第1及び第2の内部電極7,8は、互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、電気的多層コンポーネントには第3内部電極9及び第4内部電極10を設け、これら第3内部電極9及び第4内部電極10は、第2内部電極8と同一の電極層に配置する。
【0047】
図6bは、B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第2内部電極8は、第3内部電極9と第4内部電極10との間に配置し、これら両内部電極9,10から側方に離間する。第2内部電極8は、第1内部電極7とオーバーラップし、かつ垂直方向に離間する。
【0048】
図7aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントの基体1は、2個の第1内部電極7,7′及び2個の第2内部電極8,8′を有する。第1内部電極7,7′の一方は、第2内部電極8,8′の一方と同一層に配置し、第2内部電極8,8′の他方とオーバーラップする。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントには2個の第3内部電極9、及び2個の第4内部電極10,を設け、これら第3及び第4の内部電極9,10は、電気的多層コンポーネントの第1及び第2内部電極7,7′,8,8′に対して離間する。
【0049】
図7bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1内部電極7,7′は、同一層に配置した第2内部電極8,8′と共に、多層コンポーネントの電気的機能ユニットを構成する。互いにオーバーラップする第2内部電極8,8′の間隔は、第2内部電極8,8′により必要に応じて構成する付加的な電気的機能ユニットの間隔より拡大することもできる。
【0050】
図7cは、切断線B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。2個の第2内部電極8,8′は互いにオーバーラップすると共に、いずれも基体1における第3及び第4の内部電極9,10と同一層に配置し、第3及び第4内部電極9,10から側方に離間している。
【0051】
図8aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1及び第2の内部電極7,8は基体1における同一電極層に配置し、互いに側方に離間する。多層コンポーネントには第3内部電極9を設け、この第3内部電極9は、基体1における1つの側面から延在し、第2内部電極8とオーバーラップする。第2内部電極8及び第3内部電極9は、電気的多層コンポーネントにおける異なる電極層に配置する。
【0052】
図8bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。
【0053】
図9aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図8aに示す実施形態と異なり、図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、付加的な第4内部電極10を備え、第2内部電極8及び第3内部電極9とオーバーラップする。第3内部電極9及び第4内部電極10は、電気的多層コンポーネントにおいて互いに対向する側面から延在し、異なる電極層に配置する。
【0054】
図9bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1及び第2の内部電極7,8は、基体1における同一電極層に配置する。第1及び第2内部電極7,8は、図示の実施形態において、電気的多層コンポーネントにおける垂直方向である厚さ方向に第3及び第4の内部電極9,10間に配置する。
【0055】
図10aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合、電気的多層コンポーネントに内部電極7,8の構造を設け、この構造は、図7に示す電気的多層コンポーネントの実施形態における内部電極の構造に類似するものである。図10aに示す実施形態における電気的多層コンポーネントは、それぞれ2個の第1及び第2の内部電極7,7′,8,8′を備え、2個の第1内部電極7,7′の一方、及び第2内部電極8,8′の一方は、基体1の同一電極層に配置する。図10bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1内部電極7,7′の一方は、第2内部電極8,8′の一方と共に基体1の同一層に配置し、基体1の異なる電極層における第1内部電極層7,7′の他方と共に配置した第2内部電極8,8′の他方と少なくとも部分的にオーバーラップする。また、第2内部電極8,8′は、互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、各第2内部電極8,8′は、電気的多層コンポーネントにおける第3及び第4の内部電極9,10とオーバーラップする。これら第3及び第4内部電極9,10は、図示の実施形態において、基体1の異なる層に配置し、かつ2個の内部電極8,8′層間に配置する。
【0056】
図11aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントの構造は、図10aに示す実施形態の構造と類似するものであるが、第3及び第4の内部電極9,10を基体1の同一層に配置する点で異なる。
【0057】
図11bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1内部電極7,7′の一方は、第2内部電極8,8′の一方と共に基体1の同一電極層に配置し、第1内部電極7,7′の他方は、第2内部電極8,8の他方と共に基体1における別の電極層に配置することにより、各第1内部電極7,7′は、異なる電極層に配置した第2内部電極8,8′とオーバーラップする。第1内部電極7,7′と第2内部電極8,8′との間に配置する第3及び第4の内部電極9,10は、それぞれ少なくとも部分的に第2内部電極8,8′とオーバーラップし、かつ互いに離間した状態で同一電極層に配置する。
【0058】
図12は、電気的多層コンポーネントの基体1に対する外部電極の配置を概略的に示す。電気的多層コンポーネントは6個の外部電極6,6′を備え、このうち2個の外部電極6は、基体1の端面4,4′に配置する。さらに、基体1において互いに対向する側面5,5′には、それぞれ2個の外部電極6′を配置する。図13〜図24に示す電気的多層コンポーネントにおける実施形態において、好適には、外部電極の配置は図示の実施形態と同様に行う。個々の外部電極は、内部電極を配置した実施形態によっては、接触できない、隠れ接点として存在することができる。
【0059】
図13は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントには第1及び第2の内部電極7,8を設け、これら内部電極7,8は、基体1の同一電極層に配置し、互いに側方に離間する。第1及び第2の内部電極7,8と同一電極層に配置する2個の第3内部電極9,9′は、基体1における1つの側面から延在し、第2内部電極8から側方に離間している。A‐A′線に沿って切断した電極層の断面を示す平面図は図2bに、またB‐B′線に沿う断面を示す平面図は図2cにそれぞれ対応する。
【0060】
図14は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合、電気的多層コンポーネントに2個の第4内部電極10,10′を設け、これら第4内部電極10,10′は、第1及び第2の内部電極7,8、並びに第3内部電極9,9′と同一電極層に配置する。第4内部電極10,10′は、第2内部電極8から離間する。A‐A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図は図2bに、またB‐B′線に沿う断面図は図3bにそれぞれ対応する。
【0061】
図15aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントは、2個の第1内部電極7,7′及び2個の第2内部電極8,8′を有する基体1を備える。基体1の互いに対向する側面からそれぞれ4個の第3内部電極9,9′及び第4内部電極10,10′を延在させる。第1〜第4内部電極7,8′,9,10の各1個は、同一層に配置する。
【0062】
図15bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。電気的多層コンポーネントには2個の第1内部電極7,7′を設け、これら第1内部電極7,7′は、それぞれ異なる電極層に第2内部電極8,8′と共通に配置する。各第1内部電極7,7′は、それぞれ基体1の異なる電極層に配置した第2内部電極8,8′とオーバーラップする。第1内部電極7,7′は、同一層に配置した第2内部電極8,8′と共に、多層コンポーネントの電気的機能ユニットを構成する。互いにオーバーラップする第2内部電極8,8′の間隔は、第2内部電極8,8′により必要に応じて構成する付加的な電気的機能ユニットの間隔より拡大することができる。
【0063】
図15cは、B−B′線に沿ってコンポーネントを切断した断面図を示す。
【0064】
図16aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1及び第2内部電極7,8は基体1の異なる層に配置し、互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。電気的多層コンポーネントに2個の第3内部電極9,9′を設け、これら第3内部電極9,9′は、基体1における1つの側面から延在させ、第2内部電極8,8′と同一電極層に配置する。2個の第3内部電極9,9′は互いに対してだけでなく、第2内部電極8に対しても側方に離間している。
【0065】
図16bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示すものであり、図4bに対応する。
【0066】
図17は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合の内部電極を配置する構造は、図16aに示す電気的多層コンポーネントの実施形態に類似するが、図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは2個の第4内部電極10,10′を付加的に備え、これら内部電極10,10′が起点とする基体1の側面は、第3内部電極9,9′に対向する側面である。第4内部電極10,10′は、第2内部電極8及び第3内部電極9,9′と同一電極層に配置する。さらに、2個の第4内部電極10,10′は、互いに対してだけでなく、第2内部電極に対しても離間する。A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図は図4bに、またB−B′線に沿う断面図は図6bにそれぞれ対応する。
【0067】
図18は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントの基体1が有する第1及び第2内部電極7,8は、基体1の異なる電極層に配置し、かつ互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、電気的多層コンポーネントの基体1は、互いに離間する2個の第3内部電極9,9′及び2個の第4内部電極10,10′を有する。A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図は図4bに、またB−B′線に沿う断面図は図4cにそれぞれ対応する。
【0068】
図19aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントの基体1が有する第1及び第2内部電極7,8は、基体1における同一電極層に互いに離間した状態で配置する。さらに、電気的多層コンポーネントに2個の第3内部電極9,9′を設け、これら第3内部電極9,9′は、基体1の異なる電極層に配置する。第3内部電極9,9′は、互いに離間すると共に、第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0069】
図19bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。
【0070】
図20aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合の電気的多層コンポーネントの構造は、図19aに示す実施形態に類似するものであるが、図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、付加的に2個の第4内部電極10,10′を備え、これら内部電極10,10′は基体1における異なる電極層に配置し、かつ第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0071】
図20bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。図19bに示す実施形態とは異なり、図示の実施形態においては、基体1における付加的な層に2個の第4内部電極10,10′を配置し、これら内部電極は互いに離間し、かつ第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。第2内部電極8を配置する基体1の層は、第3内部電極9,9′と第4内部電極10,10′を配置する層間に設ける。
【0072】
図21aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントの内部電極の配置構造は、図18aに示す実施形態の多層コンポーネントと類似する構造を有する。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、それぞれ2個の第1内部電極7,7′及び2個の第2内部電極8,8′を備え、この場合、第1内部電極7,7′の一方、及び第2内部電極8,8′の一方は、同一電極層に配置する。
【0073】
図21bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。電気的多層コンポーネントの基体1が有する2個の第1内部電極7,7′は、基体1において対向する両側の側面から延在し、かつ第2内部電極8,8′と同一電極層に離間した状態で配置する。それぞれの第1内部電極7,7′は、基体1においてそれぞれ異なる層に配置した第2内部電極8,8′と少なくとも部分的にオーバーラップする。第1内部電極7,7′と第2内部電極8,8′との間には2つの層を配置する。これら各層は、互いに離間する2個の内部電極を有し、これら内部電極は少なくとも部分的に第2内部電極8,8′とオーバーラップする。これら層の一方には、互いに離間する2個の第3内部電極9,9′を、また他方の層には、互いに離間する2個の内部電極10,10′を配置する。
【0074】
図22aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合、断面を示す平面図における内部電極の配置構造は、図19aに示す実施形態における内部電極の配置構造に類似するものであるが、図21aに示す実施形態とは異なり、第3内部電極9,9′及び第4内部電極10,10′は、図22bに示すように、基体1の同一層に配置する。
【0075】
図23は、電気的多層コンポーネントの断面図を示すものであり、この場合の内部電極の配置構造は、図19bに示す実施形態の内部電極構造に類似する。図示の電気的多層コンポーネントは、その厚さ方向において2個の誘電体層18,18′により封入する。
【0076】
図24は、電気的多層コンポーネントの横断面図を示すものであり、この場合の内部電極の配置構造は、図21bに示す電気的多層コンポーネントにおける実施形態における内部電極の配置構造に類似する。第3内部電極9,9′を配置する層と第4内部電極10,10′を配置する層との間には、誘電体層18″を配置する。電気的多層コンポーネントの基体1は、その厚さ方向において誘電体層18,18′により封入する。
【0077】
図25は、電気的多層コンポーネントにおける回路装置を概略的に示すものであり、この回路装置は、図示の実施形態において5個の電気的機能ユニットを備える。この場合、電気的機能ユニットは、バリスタ14として形成するが、コンデンサとして形成してもよい。さらに、多層コンポーネントにコンデンサ及びバリスタを備えることもできる。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは6個の外部電極6,6′を備え、このうち2個の外部電極6を電気的多層コンポーネントの端面に、またそれぞれ2個の外部電極6′を両側面に配置する。電気的多層コンポーネントにおける端面の一方に配置した外部電極6は、グランドGNDに接続し、端面の他方に配置した外部電極6は、電圧供給ライン15に接続する。さらに、多層コンポーネントの側面に配置した外部電極6′は、好適には、信号ラインに接続する。側面に配置する外部電極6′の順番は、任意に選択することができる。
【0078】
図26は、電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極6,6′の配置を示す。電気的多層コンポーネントの基体1は、その両側の端面4,4′に配置したそれぞれ2個の外部電極6を有する。端面4,4′に配置したそれぞれの外部電極6は、電気的多層コンポーネントの第1又は第2内部電極に接続し、基体1の側面5,5′に配置したそれぞれの外部電極6′は、第3又は第4内部電極に接続する。電気的多層コンポーネントの構造は、好適には、対称的とする。
【0079】
図27aは、電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極の配置を基体1の下面から見た底面図で示す。この場合、基体1は、その両側の端面4,4′にそれぞれ3個の外部電極6,6′を有する。基体1の下面は、それぞれ4個の外部電極を配置した3つの列を有し、これら3列における各外部電極は、図示の実施形態において矩形状の接点面19,19′として形成する。これら接点面19,19′は、基体1の底面においてランド・グリッド・アレイ(LGA)を構成する。
【0080】
図27bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。この電気的多層コンポーネントを切断した断面図が示す第1及び第2内部電極7,8は、基体1において互いに対向する端面から延在する。第1及び第2の内部電極7,8′は同一層に配置し、側面において互いに離間する。第1及び第2内部電極のそれぞれに対して、基体1の下面から4個の第3内部電極9が延在する。第3内部電極9、並びに第1及び第2の内部電極7,8は、同一電極層に配置し、それぞれ互いに離間している。コンポーネントにおける各電極層は、基体1に対して直交して配置され、A‐A′線に沿って延在する。
【0081】
図28aは、電気的多層コンポーネントの基体1における外部電極の配置を下面から見た底面図で示す。電気的多層コンポーネントの外部電極は、図示の実施形態において、ボール・グリッド・アレイ(BGA)を構成する。個々の球状又は楕円状の接点面19,19′は、3つの列にそれぞれ6個を配置する。
【0082】
図28bは、A−A′線に沿ってコンポーネントを切断した断面図を示す。基体1は、L字に形成した第1及び第2の内部電極21,22を有し、これら内部電極21,22は、互いに側方に離間する。第1及び第2の内部電極21,22に対する接触は、基体1の下面から行う。図示の実施形態においては、基体1の下面から互いに離間する4個の第3内部電極9が延在する。第1及び第2の内部電極21,22は、第3内部電極9と共に電気的多層コンポーネントにおける同一電極層に配置する。基体1の各電極層は、多層コンポーネントにおける下面に対して直交して配置し、A−A′線に沿って延在する。内部電極9は、第1及び第2の内部電極21,22′から側方に離間する。各外部電極は、球状の接点面19,19′として形成し、その上に半田ボール20,20′を設ける。図示の実施形態において、第1及び第2の内部電極7,8′における接点面19の直径は、第3内部電極9における接点面19′の直径より小さい。
【0083】
上記においては、本発明における実施形態の一部しか説明しなかったが、本発明はこれらに限定されるものではない。原則的には、電気的多層コンポーネントに、バリスタ又はコンデンサとして形成する多数の電気的機能ユニットを備えることが可能である。これら機能ユニット、内部電極及び外部電極の各配置は、好適には、対称的に行う。電気的機能ユニットの個数は、多層コンポーネントの大きさのみに依存するものである。
【符号の説明】
【0084】
1 基体
2 セラミック層
3 電極層
4,4′ 端面
5,5′ 側面
6,6′ 外部電極
7,7′ 第1内部電極(端面から延在する)
8,8′ 第2内部電極(端面から延在する)
9,9′ 第3内部電極(側面から延在する)
10,10′第4内部電極(側面から延在する)
11 第1の電気的機能ユニット
12 第2の電気的機能ユニット
13 第3の電気的機能ユニット
14 バリスタ
15 電圧供給ライン
GND グランド接続
a 第1間隔
b 第2間隔
c 第3間隔
18 誘電体層
19,19′接点面
20,20′半田ボール
21 第1内部電極
22 第2内部電極
A−A′ 切断線
B−B′ 切断線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的多層コンポーネント及び回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(独国特許出願公開第102007020783号)に、電気的多層コンポーネントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007020783号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、容易に製造可能であり、かつ集積密度が高い電気的多層コンポーネントを得るにある。さらに、この電気的多層コンポーネントを備える回路装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の電気的多層コンポーネント、及び請求項14に記載の回路装置により解決することができる。電気的多層コンポーネントの有利な実施形態は、従属請求項に記載する。
【0006】
本発明は、一体品構成にした(モノリシックな)基体を備える電気的多層コンポーネントに関する。この電気的多層コンポーネントは、複数の交互に積層配置したセラミック層及び電極層を備える。基体は、互いに対向する2つの端面及び互いに対向する2つの側面を有する。電気的多層コンポーネントは、複数個の外部電極及び少なくとも3個の内部電極を備える。各内部電極には、1個の外部電極に割り当てて接続する。基体における端面のうち少なくとも一方の端面から延在する1個の第1内部電極(7)、及び他方の端面から延在する少なくとも1個の第2内部電極は、互いに第1間隔をとって離間する。さらに、基体における側面のうち一方の側面から第3内部電極が延在し、この第3内部電極は、第1内部電極及び第2内部電極に対して第2間隔をとって離間する。
【0007】
電気的多層コンポーネントにおける一実施形態において、内部電極の少なくとも2個を、少なくとも1つの同一電極層に配置する。
【0008】
電気的多層コンポーネントにおける一実施形態において、第1及び第2内部電極は、少なくとも部分的にオーバーラップし、第3内部電極は、一実施形態において、第1及び第2内部電極と部分的にオーバーラップする。
【0009】
多層コンポーネントにおける一実施形態において、第1内部電極の電極面は、第2内部電極の電極面より大きく形成する。別の一実施形態において、第1及び第2内部電極における電極面の大きさは等しいものとされている。
【0010】
好適には、第1及び第2間隔における領域は、それぞれセラミック層を有する。
【0011】
第1及び第2内部電極は、これら両内部電極間に配置した少なくとも1つのセラミック層における部分領域と共に、第1の電気的機能ユニットを構成する。
【0012】
多層コンポーネントにおける一実施形態において、第3電極は、その境界領域で、第1及び/又は第2内部電極の1個、並びにこれら両内部電極間に配置した1つ又は複数のセラミック層における部分領域と共に、第2の電気的機能ユニットを構成する。
【0013】
電気的多層コンポーネントにおける一実施形態において、基体から延在する第4内部電極は、第1及び/又は第2内部電極の少なくとも一方に対して離間しており、かつこれら両内部電極の間に配置したセラミック層における部分領域と共に、第3の電気的機能ユニットを画定する。
【0014】
電気的多層コンポーネントの機能ユニットは、周縁(エッジ)効果を考慮することなく、互いに独立している。周縁効果とは、例えば、2個の並置した第3内部電極と第4内部電極との間に生ずる恐れがある電気的接続のことを指すものである。
【0015】
一実施形態において、第3及び第4内部電極は同一電極層に配置する。この場合、これら両内部電極は、第1及び第2内部電極と同一層に配置するか、又は第1及び第2内部電極のいずれか一方の層に配置するか、又は他方の層に配置する。
【0016】
第3及び第4内部電極は、好適には、互いに周縁効果を生ずることのないよう配置する。一実施形態において、第3及び第4内部電極は同一電極層に配置すると共に、互いに十分に離間させることにより、好適には、これら両電極間に周縁効果が生じないようにする。これにより、少なくとも距離的には、第3内部電極と第4内部電極との間に電気的機能ユニットが構成されることがなくなる。
【0017】
一実施形態において、第1及び第2内部電極はそれぞれ1個の外部電極に接続し、これら外部電極は、基体において互いに対向する端面に配置する。
【0018】
別の一実施形態において、電気的多層コンポーネントは、好適には、基体の長手方向軸線に沿って対称的に配置した内部電極を備える。
【0019】
一実施形態において、多層コンポーネントの電気的機能ユニットは、コンデンサ又はバリスタ機能を有する。
【0020】
別の一実施形態において、1個のコンデンサ及び1個のバリスタを、又は複数個のバリスタ及び複数個のコンデンサを、電気的多層コンポーネントに配置する。
【0021】
別の一実施形態において、電気的多層コンポーネントは複数個のコンデンサを備え、この場合、端面に配置した第1及び第2内部電極により画定される第1の電気的機能ユニットにおける容量は、他の電気的機能ユニットにおける容量に比べて、1000倍も異なるものとする。
【0022】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、第1の電気的機能ユニットは、端面に接続した第1及び第2内部電極により画定し、好適には、1pFより小さい容量とする。
【0023】
一実施形態において、電気的多層コンポーネントは、容量を異ならせた複数個のコンデンサを備える。
【0024】
別の一実施形態において、電気的多層コンポーネントは、バリスタ電圧を異ならせた複数個のバリスタを備えるが、容量を異ならせた複数個のコンデンサ及びバリスタ電圧を異ならせた複数個のバリスタを備えることもできる。
【0025】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、セラミック層の1つはバリスタセラミック又はコンデンサセラミックとし、セラミック層を構成するこのバリスタセラミックは、好適には、酸化亜鉛、ビスマス・アンチモン又は酸化亜鉛・プラセオジムを含むものとする。
【0026】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、基体が有する少なくとも1つの誘電体層は、低い誘電率を有する。一実施形態において、2つの誘電体層は、電気的多層コンポーネントをその厚さ方向の上下に画定する。
【0027】
電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態において、少なくとも1つの誘電体層を、中間層として電気的多層コンポーネントにおける互いに独立した部分の間に配置する。誘電体層は、好適には、ガラス又はジルコニア、ガラス・ジルコニア複合材料、酸化アルミニウム又はガラス・酸化アルミニウム複合材料を含むものとする。
【0028】
好適には、第1と第2内部電極との間における第1間隔領域、第3内部電極と第1又は第2内部電極との間における第2間隔領域、及び第4内部電極と第1又は第2内部電極との間における第3間隔領域には、セラミック層又はセラミック層の一部を配置する。
【0029】
電気的多層コンポーネントの一実施形態において、接触は、ランド・グリッド・アレイ(LGA)又はボール・グリッド・アレイ(BGA)により行う。この場合の電気的多層コンポーネントにおける層構造は、好適には、接続接点として機能する層に対して直交するよう設ける。一実施形態において、第1及び第2内部電極を配置する電極層は、外部電極を介して多層コンポーネントの側面から接触可能とし、また第3及び第4内部電極は、基体の下面においてLGA又はBGAとした接点を介して接触可能とする。別の一実施形態において、第1及び/又は第2内部電極の接触は、基体の下面に設けたBGA又はLGAとした接点により行う。
【0030】
上述の電気的多層コンポーネントを回路装置において作動させるために、一方の端面に配置した少なくとも1個の外部電極をグランドに、また他方の端面に配置した少なくとも1個の外部電極を電圧供給ラインに接続する。電気的多層コンポーネントの側面に配置した他の外部電極は、好適には、コンポーネントの外部において、例えば信号ラインに接続する。
【0031】
本発明の多層コンポーネントは、その構造上の集積密度を大きくしつつ、機能ユニット、例えば容量を異ならせたコンデンサの配置を可能とするものである。例えば、このようなコンポーネントは、容量を1000倍異ならせて構成することができる。すなわち、例えば0.1pF(pF=ピコファラッド)〜100pFとすることが可能とされている。多層コンポーネントにおける第1の電気的機能ユニットは、好適には、コンデンサとして機能し、その容量は1pF以下とする。
【0032】
以下、上述した物品及びその構成を、添付図面及び実施形態につき、さらに説明する。
【0033】
なお、以下に説明する図面は、縮尺どおりに捉えるべきものでないことに留意されたい。また、同一素子又は同一機能を有する素子は、同一の参照符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極の配置を示す説明図である。
【図2】a),b),c)は、それぞれ3個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける一実施形態の異なる断面図である。
【図3】a),b)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図4】a),b),c)は、それぞれ3個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図5】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図6】a),b)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図7】a),b),c)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図8】a),b)は、それぞれ4個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の断面図である。
【図9】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図10】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図11】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極の配置を示す説明図である。
【図12】電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図13】電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図14】電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図15】a),b),c)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図16】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図17】複数個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図18】複数個の内部電極を備える電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の内部電極構造を示す略図である。
【図19】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図20】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図21】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図22】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図23】それぞれ1個の誘電体層により厚さ方向を区切った電気的多層コンポーネントの断面図である。
【図24】複数個の誘電体層を備える電気的多層コンポーネントにおける一実施形態の断面図である。
【図25】電気的多層コンポーネントの一実施形態としての、複数の電気的機能ユニットを有する回路装置を示す説明図である。
【図26】端面に複数個の外部電極を配置した電気的多層コンポーネントの接続面における外部電極の配置を示す説明図である
【図27】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【図28】a),b)は、それぞれ電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の異なる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、互いに積層配置したセラミック層及び1個の電極層で構成した電気的多層コンポーネントの基体1における外部電極6,6′の配置を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、4個の外部電極6,6′を備え、外部電極6を基体1の端面4,4′にそれぞれ配置する。基体1において互いに対向する側面5,5′には、外部電極6′をそれぞれ配置する。図2〜図11に示す電気的多層コンポーネントの各実施形態における外部電極の配置は、好適には、図1に示す実施形態における配置と同様とする。個々の外部電極は、内部電極配置の実施形態によっては、接触できない、隠れ接点として存在することができる。
【0036】
図2aは、順次に積層配置したセラミック層及び1個の電極層により構成し、基体1を構成する電気的多層コンポーネントにおける、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電極層は、第1内部電極7及び第2内部電極8を有し、この場合、両内部電極7,8は、側方に第1間隔aをとって互いに離間する。この電気的多層コンポーネントには第3内部電極9を設け、この第3内部電極9は第2間隔bをとって側方に第2内部電極から離間する。第1内部電極7、第2内部電極8及び第3内部電極9は、電気的多層コンポーネントの一層に配置する。
【0037】
図2bは、A−A′線に沿って切断した電極層の断面図を示す。電気的多層コンポーネントは、基体1、複数のセラミック層2(図示せず)及び各内部電極を配置した層3を備える。
【0038】
図2cは、B−B′線に沿って切断した電気的多層コンポーネントの断面図を示す。第2内部電極8及び第3内部電極9は、電気的多層コンポーネントにおける同一の電極層3に配置し、第2間隔bをとって互いに離間させる。
【0039】
図3aは、順次に積層配置したセラミック層及び1個の電極層で構成した電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1及び第2内部電極7,8は、電気的多層コンポーネントにおける基体1の同一層で第1間隔aをとって互いに離間させる。電気的多層コンポーネントに第3電極9を設け、この第3電極9は、第2間隔bをとって第2電極8に対して離間させる。さらに、電気的多層コンポーネントに第4内部電極10を設け、この第4内部電極10は、第3間隔cをとって第2内部電極8に対して離間させる。電気的多層コンポーネントにおける各内部電極7〜10は、同一層に配置する。第1間隔aの領域において、第1内部電極7は、第2内部電極8及び第1間隔aの領域に配置したセラミック層の部分領域と共に、第1の電気的機能ユニット11を構成する。第2間隔bをとって互いに離間する第3内部電極9と第2内部電極8との間における領域において、第2及び第3内部電極8,9は、セラミック層の部分領域と共に第2の電気的機能ユニット12を構成する。第2内部電極8と第4内部電極10との間における領域において、これら内部電極は、第3間隔cをとって配置したセラミック層の部分領域と共に、第3の電気的機能ユニット13を構成する。
【0040】
図3bは、B−B′線に沿ってコンポーネントを切断した断面図を示す。電気的多層コンポーネントの断面において示す第2内部電極8は、第3内部電極9及び第4内部電極10と共に、基体1の同一層に配置する。
【0041】
図4aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1内部電極7及び第2内部電極8は、図示の実施形態において、基体1の異なる層に配置し、互いに部分的にオーバーラップする。電気的多層コンポーネントには2個の第3内部電極9を設け、これら第3内部電極9は、多層コンポーネントの異なる層に配置し、図4cに示すように、互いに完全にオーバーラップする。2個の第3内部電極9は、第2間隔bをとって第1及び第2の内部電極7,8から離間させる。また、電気的多層コンポーネントには2個の第4内部電極10を設け、これら第4内部電極10は、第3内部電極9と同様、電気的多層コンポーネントの異なる層に配置し、互いに完全にオーバーラップする。各第4内部電極10は、第3間隔cをとって第1内部電極7又は第2内部電極8から離間させる。
【0042】
図4bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。基体1の異なる層に配置する第1及び第2内部電極7,8の間には、垂直方向の第1間隔aを設ける。
【0043】
図4cは、B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。電気的多層コンポーネントは、図示の実施形態において2個の電極層を備え、各電極層は、第1又は第2電極7,8と共に、第3及び第4内部電極9,10を有する。第3内部電極9は、間隔bをとって側方に第1及び第2内部電極8から離間させ、第4内部電極10は、間隔cをとって側方に第1内部電極7又は第2内部電極8から離間させる。
【0044】
図5aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、図4aに示す実施形態とは異なり、第4内部電極10を持たず、第3内部電極9のみを備える。第1及び第2の内部電極7,8は、基体1の異なる層に配置し、少なくとも互いに部分的にオーバーラップする。
【0045】
図5bは、切断線B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。図示の実施形態において多層コンポーネントには第3内部電極9を設け、この第3内部電極9は、基体1における第2内部電極8と共通の電極層に配置する。第2内部電極8に対して離間する電極層に配置した第1内部電極7は、第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0046】
図6aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における多層コンポーネントは、第1及び第2の内部電極7,8を有する基体1を備え、この場合、第1及び第2の内部電極7,8は、互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、電気的多層コンポーネントには第3内部電極9及び第4内部電極10を設け、これら第3内部電極9及び第4内部電極10は、第2内部電極8と同一の電極層に配置する。
【0047】
図6bは、B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第2内部電極8は、第3内部電極9と第4内部電極10との間に配置し、これら両内部電極9,10から側方に離間する。第2内部電極8は、第1内部電極7とオーバーラップし、かつ垂直方向に離間する。
【0048】
図7aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントの基体1は、2個の第1内部電極7,7′及び2個の第2内部電極8,8′を有する。第1内部電極7,7′の一方は、第2内部電極8,8′の一方と同一層に配置し、第2内部電極8,8′の他方とオーバーラップする。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントには2個の第3内部電極9、及び2個の第4内部電極10,を設け、これら第3及び第4の内部電極9,10は、電気的多層コンポーネントの第1及び第2内部電極7,7′,8,8′に対して離間する。
【0049】
図7bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1内部電極7,7′は、同一層に配置した第2内部電極8,8′と共に、多層コンポーネントの電気的機能ユニットを構成する。互いにオーバーラップする第2内部電極8,8′の間隔は、第2内部電極8,8′により必要に応じて構成する付加的な電気的機能ユニットの間隔より拡大することもできる。
【0050】
図7cは、切断線B−B′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。2個の第2内部電極8,8′は互いにオーバーラップすると共に、いずれも基体1における第3及び第4の内部電極9,10と同一層に配置し、第3及び第4内部電極9,10から側方に離間している。
【0051】
図8aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1及び第2の内部電極7,8は基体1における同一電極層に配置し、互いに側方に離間する。多層コンポーネントには第3内部電極9を設け、この第3内部電極9は、基体1における1つの側面から延在し、第2内部電極8とオーバーラップする。第2内部電極8及び第3内部電極9は、電気的多層コンポーネントにおける異なる電極層に配置する。
【0052】
図8bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。
【0053】
図9aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図8aに示す実施形態と異なり、図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、付加的な第4内部電極10を備え、第2内部電極8及び第3内部電極9とオーバーラップする。第3内部電極9及び第4内部電極10は、電気的多層コンポーネントにおいて互いに対向する側面から延在し、異なる電極層に配置する。
【0054】
図9bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1及び第2の内部電極7,8は、基体1における同一電極層に配置する。第1及び第2内部電極7,8は、図示の実施形態において、電気的多層コンポーネントにおける垂直方向である厚さ方向に第3及び第4の内部電極9,10間に配置する。
【0055】
図10aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合、電気的多層コンポーネントに内部電極7,8の構造を設け、この構造は、図7に示す電気的多層コンポーネントの実施形態における内部電極の構造に類似するものである。図10aに示す実施形態における電気的多層コンポーネントは、それぞれ2個の第1及び第2の内部電極7,7′,8,8′を備え、2個の第1内部電極7,7′の一方、及び第2内部電極8,8′の一方は、基体1の同一電極層に配置する。図10bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1内部電極7,7′の一方は、第2内部電極8,8′の一方と共に基体1の同一層に配置し、基体1の異なる電極層における第1内部電極層7,7′の他方と共に配置した第2内部電極8,8′の他方と少なくとも部分的にオーバーラップする。また、第2内部電極8,8′は、互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、各第2内部電極8,8′は、電気的多層コンポーネントにおける第3及び第4の内部電極9,10とオーバーラップする。これら第3及び第4内部電極9,10は、図示の実施形態において、基体1の異なる層に配置し、かつ2個の内部電極8,8′層間に配置する。
【0056】
図11aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントの構造は、図10aに示す実施形態の構造と類似するものであるが、第3及び第4の内部電極9,10を基体1の同一層に配置する点で異なる。
【0057】
図11bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。第1内部電極7,7′の一方は、第2内部電極8,8′の一方と共に基体1の同一電極層に配置し、第1内部電極7,7′の他方は、第2内部電極8,8の他方と共に基体1における別の電極層に配置することにより、各第1内部電極7,7′は、異なる電極層に配置した第2内部電極8,8′とオーバーラップする。第1内部電極7,7′と第2内部電極8,8′との間に配置する第3及び第4の内部電極9,10は、それぞれ少なくとも部分的に第2内部電極8,8′とオーバーラップし、かつ互いに離間した状態で同一電極層に配置する。
【0058】
図12は、電気的多層コンポーネントの基体1に対する外部電極の配置を概略的に示す。電気的多層コンポーネントは6個の外部電極6,6′を備え、このうち2個の外部電極6は、基体1の端面4,4′に配置する。さらに、基体1において互いに対向する側面5,5′には、それぞれ2個の外部電極6′を配置する。図13〜図24に示す電気的多層コンポーネントにおける実施形態において、好適には、外部電極の配置は図示の実施形態と同様に行う。個々の外部電極は、内部電極を配置した実施形態によっては、接触できない、隠れ接点として存在することができる。
【0059】
図13は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントには第1及び第2の内部電極7,8を設け、これら内部電極7,8は、基体1の同一電極層に配置し、互いに側方に離間する。第1及び第2の内部電極7,8と同一電極層に配置する2個の第3内部電極9,9′は、基体1における1つの側面から延在し、第2内部電極8から側方に離間している。A‐A′線に沿って切断した電極層の断面を示す平面図は図2bに、またB‐B′線に沿う断面を示す平面図は図2cにそれぞれ対応する。
【0060】
図14は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合、電気的多層コンポーネントに2個の第4内部電極10,10′を設け、これら第4内部電極10,10′は、第1及び第2の内部電極7,8、並びに第3内部電極9,9′と同一電極層に配置する。第4内部電極10,10′は、第2内部電極8から離間する。A‐A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図は図2bに、またB‐B′線に沿う断面図は図3bにそれぞれ対応する。
【0061】
図15aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントは、2個の第1内部電極7,7′及び2個の第2内部電極8,8′を有する基体1を備える。基体1の互いに対向する側面からそれぞれ4個の第3内部電極9,9′及び第4内部電極10,10′を延在させる。第1〜第4内部電極7,8′,9,10の各1個は、同一層に配置する。
【0062】
図15bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。電気的多層コンポーネントには2個の第1内部電極7,7′を設け、これら第1内部電極7,7′は、それぞれ異なる電極層に第2内部電極8,8′と共通に配置する。各第1内部電極7,7′は、それぞれ基体1の異なる電極層に配置した第2内部電極8,8′とオーバーラップする。第1内部電極7,7′は、同一層に配置した第2内部電極8,8′と共に、多層コンポーネントの電気的機能ユニットを構成する。互いにオーバーラップする第2内部電極8,8′の間隔は、第2内部電極8,8′により必要に応じて構成する付加的な電気的機能ユニットの間隔より拡大することができる。
【0063】
図15cは、B−B′線に沿ってコンポーネントを切断した断面図を示す。
【0064】
図16aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。第1及び第2内部電極7,8は基体1の異なる層に配置し、互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。電気的多層コンポーネントに2個の第3内部電極9,9′を設け、これら第3内部電極9,9′は、基体1における1つの側面から延在させ、第2内部電極8,8′と同一電極層に配置する。2個の第3内部電極9,9′は互いに対してだけでなく、第2内部電極8に対しても側方に離間している。
【0065】
図16bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示すものであり、図4bに対応する。
【0066】
図17は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合の内部電極を配置する構造は、図16aに示す電気的多層コンポーネントの実施形態に類似するが、図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは2個の第4内部電極10,10′を付加的に備え、これら内部電極10,10′が起点とする基体1の側面は、第3内部電極9,9′に対向する側面である。第4内部電極10,10′は、第2内部電極8及び第3内部電極9,9′と同一電極層に配置する。さらに、2個の第4内部電極10,10′は、互いに対してだけでなく、第2内部電極に対しても離間する。A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図は図4bに、またB−B′線に沿う断面図は図6bにそれぞれ対応する。
【0067】
図18は、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントの基体1が有する第1及び第2内部電極7,8は、基体1の異なる電極層に配置し、かつ互いに少なくとも部分的にオーバーラップする。さらに、電気的多層コンポーネントの基体1は、互いに離間する2個の第3内部電極9,9′及び2個の第4内部電極10,10′を有する。A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図は図4bに、またB−B′線に沿う断面図は図4cにそれぞれ対応する。
【0068】
図19aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。電気的多層コンポーネントの基体1が有する第1及び第2内部電極7,8は、基体1における同一電極層に互いに離間した状態で配置する。さらに、電気的多層コンポーネントに2個の第3内部電極9,9′を設け、これら第3内部電極9,9′は、基体1の異なる電極層に配置する。第3内部電極9,9′は、互いに離間すると共に、第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0069】
図19bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。
【0070】
図20aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合の電気的多層コンポーネントの構造は、図19aに示す実施形態に類似するものであるが、図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、付加的に2個の第4内部電極10,10′を備え、これら内部電極10,10′は基体1における異なる電極層に配置し、かつ第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。
【0071】
図20bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。図19bに示す実施形態とは異なり、図示の実施形態においては、基体1における付加的な層に2個の第4内部電極10,10′を配置し、これら内部電極は互いに離間し、かつ第2内部電極8と少なくとも部分的にオーバーラップする。第2内部電極8を配置する基体1の層は、第3内部電極9,9′と第4内部電極10,10′を配置する層間に設ける。
【0072】
図21aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントの内部電極の配置構造は、図18aに示す実施形態の多層コンポーネントと類似する構造を有する。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは、それぞれ2個の第1内部電極7,7′及び2個の第2内部電極8,8′を備え、この場合、第1内部電極7,7′の一方、及び第2内部電極8,8′の一方は、同一電極層に配置する。
【0073】
図21bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。電気的多層コンポーネントの基体1が有する2個の第1内部電極7,7′は、基体1において対向する両側の側面から延在し、かつ第2内部電極8,8′と同一電極層に離間した状態で配置する。それぞれの第1内部電極7,7′は、基体1においてそれぞれ異なる層に配置した第2内部電極8,8′と少なくとも部分的にオーバーラップする。第1内部電極7,7′と第2内部電極8,8′との間には2つの層を配置する。これら各層は、互いに離間する2個の内部電極を有し、これら内部電極は少なくとも部分的に第2内部電極8,8′とオーバーラップする。これら層の一方には、互いに離間する2個の第3内部電極9,9′を、また他方の層には、互いに離間する2個の内部電極10,10′を配置する。
【0074】
図22aは、電気的多層コンポーネントにおける別の一実施形態の、内部電極を配置した構造を概略的に示す。この場合、断面を示す平面図における内部電極の配置構造は、図19aに示す実施形態における内部電極の配置構造に類似するものであるが、図21aに示す実施形態とは異なり、第3内部電極9,9′及び第4内部電極10,10′は、図22bに示すように、基体1の同一層に配置する。
【0075】
図23は、電気的多層コンポーネントの断面図を示すものであり、この場合の内部電極の配置構造は、図19bに示す実施形態の内部電極構造に類似する。図示の電気的多層コンポーネントは、その厚さ方向において2個の誘電体層18,18′により封入する。
【0076】
図24は、電気的多層コンポーネントの横断面図を示すものであり、この場合の内部電極の配置構造は、図21bに示す電気的多層コンポーネントにおける実施形態における内部電極の配置構造に類似する。第3内部電極9,9′を配置する層と第4内部電極10,10′を配置する層との間には、誘電体層18″を配置する。電気的多層コンポーネントの基体1は、その厚さ方向において誘電体層18,18′により封入する。
【0077】
図25は、電気的多層コンポーネントにおける回路装置を概略的に示すものであり、この回路装置は、図示の実施形態において5個の電気的機能ユニットを備える。この場合、電気的機能ユニットは、バリスタ14として形成するが、コンデンサとして形成してもよい。さらに、多層コンポーネントにコンデンサ及びバリスタを備えることもできる。図示の実施形態における電気的多層コンポーネントは6個の外部電極6,6′を備え、このうち2個の外部電極6を電気的多層コンポーネントの端面に、またそれぞれ2個の外部電極6′を両側面に配置する。電気的多層コンポーネントにおける端面の一方に配置した外部電極6は、グランドGNDに接続し、端面の他方に配置した外部電極6は、電圧供給ライン15に接続する。さらに、多層コンポーネントの側面に配置した外部電極6′は、好適には、信号ラインに接続する。側面に配置する外部電極6′の順番は、任意に選択することができる。
【0078】
図26は、電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極6,6′の配置を示す。電気的多層コンポーネントの基体1は、その両側の端面4,4′に配置したそれぞれ2個の外部電極6を有する。端面4,4′に配置したそれぞれの外部電極6は、電気的多層コンポーネントの第1又は第2内部電極に接続し、基体1の側面5,5′に配置したそれぞれの外部電極6′は、第3又は第4内部電極に接続する。電気的多層コンポーネントの構造は、好適には、対称的とする。
【0079】
図27aは、電気的多層コンポーネントの一実施形態における外部電極の配置を基体1の下面から見た底面図で示す。この場合、基体1は、その両側の端面4,4′にそれぞれ3個の外部電極6,6′を有する。基体1の下面は、それぞれ4個の外部電極を配置した3つの列を有し、これら3列における各外部電極は、図示の実施形態において矩形状の接点面19,19′として形成する。これら接点面19,19′は、基体1の底面においてランド・グリッド・アレイ(LGA)を構成する。
【0080】
図27bは、A−A′線に沿って切断したコンポーネントの断面図を示す。この電気的多層コンポーネントを切断した断面図が示す第1及び第2内部電極7,8は、基体1において互いに対向する端面から延在する。第1及び第2の内部電極7,8′は同一層に配置し、側面において互いに離間する。第1及び第2内部電極のそれぞれに対して、基体1の下面から4個の第3内部電極9が延在する。第3内部電極9、並びに第1及び第2の内部電極7,8は、同一電極層に配置し、それぞれ互いに離間している。コンポーネントにおける各電極層は、基体1に対して直交して配置され、A‐A′線に沿って延在する。
【0081】
図28aは、電気的多層コンポーネントの基体1における外部電極の配置を下面から見た底面図で示す。電気的多層コンポーネントの外部電極は、図示の実施形態において、ボール・グリッド・アレイ(BGA)を構成する。個々の球状又は楕円状の接点面19,19′は、3つの列にそれぞれ6個を配置する。
【0082】
図28bは、A−A′線に沿ってコンポーネントを切断した断面図を示す。基体1は、L字に形成した第1及び第2の内部電極21,22を有し、これら内部電極21,22は、互いに側方に離間する。第1及び第2の内部電極21,22に対する接触は、基体1の下面から行う。図示の実施形態においては、基体1の下面から互いに離間する4個の第3内部電極9が延在する。第1及び第2の内部電極21,22は、第3内部電極9と共に電気的多層コンポーネントにおける同一電極層に配置する。基体1の各電極層は、多層コンポーネントにおける下面に対して直交して配置し、A−A′線に沿って延在する。内部電極9は、第1及び第2の内部電極21,22′から側方に離間する。各外部電極は、球状の接点面19,19′として形成し、その上に半田ボール20,20′を設ける。図示の実施形態において、第1及び第2の内部電極7,8′における接点面19の直径は、第3内部電極9における接点面19′の直径より小さい。
【0083】
上記においては、本発明における実施形態の一部しか説明しなかったが、本発明はこれらに限定されるものではない。原則的には、電気的多層コンポーネントに、バリスタ又はコンデンサとして形成する多数の電気的機能ユニットを備えることが可能である。これら機能ユニット、内部電極及び外部電極の各配置は、好適には、対称的に行う。電気的機能ユニットの個数は、多層コンポーネントの大きさのみに依存するものである。
【符号の説明】
【0084】
1 基体
2 セラミック層
3 電極層
4,4′ 端面
5,5′ 側面
6,6′ 外部電極
7,7′ 第1内部電極(端面から延在する)
8,8′ 第2内部電極(端面から延在する)
9,9′ 第3内部電極(側面から延在する)
10,10′第4内部電極(側面から延在する)
11 第1の電気的機能ユニット
12 第2の電気的機能ユニット
13 第3の電気的機能ユニット
14 バリスタ
15 電圧供給ライン
GND グランド接続
a 第1間隔
b 第2間隔
c 第3間隔
18 誘電体層
19,19′接点面
20,20′半田ボール
21 第1内部電極
22 第2内部電極
A−A′ 切断線
B−B′ 切断線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的多層コンポーネントであって、
・複数の交互に積層配置したセラミック層(2)及び少なくとも1つの電極層(3)を有して一体品構成にした基体(1)と、
・それぞれ前記基体(1)に設けた、互いに対向する2つの端面(4,4′)及び互いに対向する2つの側面(5,5′)と、
・複数個の外部電極(6,6′)及び少なくとも3個の内部電極(7,8,9)と、
を備える電気的多層コンポーネントにおいて、
前記内部電極(7,8,9)は、それぞれ1個の前記外部電極(6,6′)に割り当てて接続し、その際、前記端面(4,4′)のうち少なくとも一方から延在する少なくとも1個の第1内部電極(7)及び、前記端面(4,4′)のうち他方から延在する少なくとも1個の第2内部電極(8)は、互いに第1間隔(a)をとって離間し、さらに、前記側面(5,5′)のうち一方から第3内部電極(9)が延在し、該第3内部電極(9)は、前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)に対して第2間隔(b)をとって離間する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項2】
請求項1記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1内部電極(7)及び前記第2内部電極(8)が互いにオーバーラップする構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第3内部電極(9)は、前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)とオーバーラップする構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1内部電極(7)は、前記第2内部電極(8)より大きな電極面を有する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1内部電極(7)及び前記第2内部電極(8)は、これら両電極(7,8)間に位置するセラミック層と共に第1の電気的機能ユニット(11)を画定する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第3内部電極(9)は、その境界領域で、前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)、及びこれら両内部電極(7,8)間に位置するセラミック層と共に第2の電気的機能ユニットを画定する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記側面(5,5′)から延在する前記第4内部電極(10)は、第3間隔(c)をとって前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)から離間し、第3の電気的機能ユニット(13)を画定する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、電気的機能ユニット(11,12,13)は、コンデンサ又はバリスタ(14)機能を有する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項9】
請求項8記載の電気的多層コンポーネントにおいて、容量の異なる複数個の前記コンデンサを備える電気的多層コンポーネント。
【請求項10】
請求項8記載の電気的多層コンポーネントにおいて、バリスタ電圧の異なる複数個の前記バリスタを備える電気的多層コンポーネント。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、少なくとも1個の誘電体層(18)を備え、該誘電体層(18)は低い誘電率を有し、またガラス、ZrO2、ガラス/ZrO2の複合材料、AlOx又はガラス/AlOxの複合材料を含む構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記セラミック層(2)は、バリスタ及び/又はコンデンサのセラミックを含み、バリスタセラミックの場合、ZnO‐BiSb又はZnO‐Prを含むことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1間隔(a)、前記第2間隔(b)及び第3間隔(c)の領域が、少なくとも1つの前記セラミック層を有する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントを備える回路装置であって、
前記回路装置の端面に配置した少なくとも1個の外部電極(6′)を、グランド(GND)に接続したことを特徴とする回路装置。
【請求項15】
請求項14記載の回路装置において、端面に配置した少なくとも1個の前記外部電極(6′)を、電圧供給ライン(15)に接続したことを特徴とする回路装置。
【請求項1】
電気的多層コンポーネントであって、
・複数の交互に積層配置したセラミック層(2)及び少なくとも1つの電極層(3)を有して一体品構成にした基体(1)と、
・それぞれ前記基体(1)に設けた、互いに対向する2つの端面(4,4′)及び互いに対向する2つの側面(5,5′)と、
・複数個の外部電極(6,6′)及び少なくとも3個の内部電極(7,8,9)と、
を備える電気的多層コンポーネントにおいて、
前記内部電極(7,8,9)は、それぞれ1個の前記外部電極(6,6′)に割り当てて接続し、その際、前記端面(4,4′)のうち少なくとも一方から延在する少なくとも1個の第1内部電極(7)及び、前記端面(4,4′)のうち他方から延在する少なくとも1個の第2内部電極(8)は、互いに第1間隔(a)をとって離間し、さらに、前記側面(5,5′)のうち一方から第3内部電極(9)が延在し、該第3内部電極(9)は、前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)に対して第2間隔(b)をとって離間する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項2】
請求項1記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1内部電極(7)及び前記第2内部電極(8)が互いにオーバーラップする構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第3内部電極(9)は、前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)とオーバーラップする構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1内部電極(7)は、前記第2内部電極(8)より大きな電極面を有する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1内部電極(7)及び前記第2内部電極(8)は、これら両電極(7,8)間に位置するセラミック層と共に第1の電気的機能ユニット(11)を画定する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第3内部電極(9)は、その境界領域で、前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)、及びこれら両内部電極(7,8)間に位置するセラミック層と共に第2の電気的機能ユニットを画定する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記側面(5,5′)から延在する前記第4内部電極(10)は、第3間隔(c)をとって前記第1内部電極(7)又は前記第2内部電極(8)から離間し、第3の電気的機能ユニット(13)を画定する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、電気的機能ユニット(11,12,13)は、コンデンサ又はバリスタ(14)機能を有する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項9】
請求項8記載の電気的多層コンポーネントにおいて、容量の異なる複数個の前記コンデンサを備える電気的多層コンポーネント。
【請求項10】
請求項8記載の電気的多層コンポーネントにおいて、バリスタ電圧の異なる複数個の前記バリスタを備える電気的多層コンポーネント。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、少なくとも1個の誘電体層(18)を備え、該誘電体層(18)は低い誘電率を有し、またガラス、ZrO2、ガラス/ZrO2の複合材料、AlOx又はガラス/AlOxの複合材料を含む構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記セラミック層(2)は、バリスタ及び/又はコンデンサのセラミックを含み、バリスタセラミックの場合、ZnO‐BiSb又はZnO‐Prを含むことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントにおいて、前記第1間隔(a)、前記第2間隔(b)及び第3間隔(c)の領域が、少なくとも1つの前記セラミック層を有する構成としたことを特徴とする電気的多層コンポーネント。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項記載の電気的多層コンポーネントを備える回路装置であって、
前記回路装置の端面に配置した少なくとも1個の外部電極(6′)を、グランド(GND)に接続したことを特徴とする回路装置。
【請求項15】
請求項14記載の回路装置において、端面に配置した少なくとも1個の前記外部電極(6′)を、電圧供給ライン(15)に接続したことを特徴とする回路装置。
【図1】
【図2a)】
【図2b)】
【図2c)】
【図3a)】
【図3b)】
【図4a)】
【図4b)】
【図4c)】
【図5a)】
【図5b)】
【図6a)】
【図6b)】
【図7a)】
【図7b)】
【図7c)】
【図8a)】
【図8b)】
【図9a)】
【図9b)】
【図10a)】
【図10b)】
【図11a)】
【図11b)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a)】
【図15b)】
【図15c)】
【図16a)】
【図16b)】
【図17】
【図18】
【図19a)】
【図19b)】
【図20a)】
【図20b)】
【図21a)】
【図21b)】
【図22a)】
【図22b)】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27a】
【図27b】
【図28a】
【図28b】
【図2a)】
【図2b)】
【図2c)】
【図3a)】
【図3b)】
【図4a)】
【図4b)】
【図4c)】
【図5a)】
【図5b)】
【図6a)】
【図6b)】
【図7a)】
【図7b)】
【図7c)】
【図8a)】
【図8b)】
【図9a)】
【図9b)】
【図10a)】
【図10b)】
【図11a)】
【図11b)】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15a)】
【図15b)】
【図15c)】
【図16a)】
【図16b)】
【図17】
【図18】
【図19a)】
【図19b)】
【図20a)】
【図20b)】
【図21a)】
【図21b)】
【図22a)】
【図22b)】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27a】
【図27b】
【図28a】
【図28b】
【公表番号】特表2013−507757(P2013−507757A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532630(P2012−532630)
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065216
【国際公開番号】WO2011/045281
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(510263560)エプコス アーゲー (28)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月11日(2010.10.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065216
【国際公開番号】WO2011/045281
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(510263560)エプコス アーゲー (28)
【氏名又は名称原語表記】EPCOS AG
【Fターム(参考)】
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