電気自動車の充電制御装置、電気自動車の充電制御方法、及び電気自動車の充電システム
【課題】契約電力の範囲内で電気自動車の充電に利用可能な充電器の台数を逐次知る。
【解決手段】充電制御装置20は、電気自動車60の車載用蓄電池62を充電する1又は複数の充電ユニット30を含む設備1の消費電力を逐次計測し、設備1の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに計測された消費電力の和に基づいて、判定対象期間の所与の時点から終了時点までに契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出し、仮想契約電力と設備1の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、設備1に含まれる充電ユニット30のうち最大利用可能電力の下で利用可能な充電ユニット30の台数を決定する。
【解決手段】充電制御装置20は、電気自動車60の車載用蓄電池62を充電する1又は複数の充電ユニット30を含む設備1の消費電力を逐次計測し、設備1の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに計測された消費電力の和に基づいて、判定対象期間の所与の時点から終了時点までに契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出し、仮想契約電力と設備1の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、設備1に含まれる充電ユニット30のうち最大利用可能電力の下で利用可能な充電ユニット30の台数を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の充電制御装置、電気自動車の充電制御方法、及び電気自動車の充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の車載用蓄電池の充電には、充電時間を短縮することができる急速充電器が用いられることがある(例えば下記特許文献1を参照)。そして、電気自動車の充電インフラを整備するために、集合住宅、商用施設や公共施設等の設備内に急速充電器を設置していくことが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−77557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、充電の初期に急速充電器が利用する電力は大きく、例えば複数台の急速充電器を同時に利用した場合には、設備に定められている契約電力を超えてしまうことがある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、契約電力の範囲内で電気自動車の充電に利用可能な充電器の台数を逐次知ることができる電気自動車の充電制御装置、電気自動車の充電制御方法、及び電気自動車の充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気自動車の充電制御装置は、電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記電気自動車の充電制御装置は、前記電気自動車からの充電要求を受けた場合に、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に基づき算出される前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知する通知手段をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記電気自動車の充電制御装置は、前記通知手段により前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知した後に前記電気自動車から指定された充電電圧及び充電電流を含む充電条件を受け付ける充電条件受付手段と、前記充電条件受付手段により受け付けた充電条件に基づいて前記充電器を制御して前記電気自動車の車載用蓄電池を充電する充電制御手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記設備は、前記1又は複数の充電器により充電される蓄電池をさらに含み、前記通知手段は、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に当該充電器の電力容量を乗じた値に、前記蓄電池の蓄電容量を加えて算出した前記提供可能な充電電力を通知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記決定手段は、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えていない場合には、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力とし、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えた場合には、前記契約電力を最大利用可能電力として、前記利用可能な充電器の台数を決定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記算出手段は、前記契約電力と前記判定対象期間の開始時点から所与の時点までの時間長を乗じた電力量から前記消費電力の総和を減じた値を、前記所与の時点から前記終了時点までの時間長で除して算出した余力電力と、前記契約電力との和を前記仮想契約電力として算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記決定手段は、前記最大利用可能電力から、前記計測手段により計測された消費電力、前記契約電力、又は予め定められた予測消費電力のいずれかを減じた値に、予め定められた0以上1以下の重み係数を乗じた後に前記充電器の電力容量で除した商に基づいて、前記充電器の利用可能台数を決定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記所与の時点は、前記電気自動車からの充電要求を受け付けた時点であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様に係る電気自動車の充電制御方法は、電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測ステップと、前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測ステップで計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出ステップと、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様に係る電気自動車の充電システムは、電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器と、前記1又は複数の充電器を制御する充電制御装置と、を含み、前記充電制御装置は、前記1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、契約電力の範囲内で電気自動車の充電に利用可能な充電器の台数を逐次知ることができる。また、契約電力の範囲内で利用可能な充電器を用いて電気自動車を効率良く充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る充電システムを備えた設備のシステム構成図である。
【図2】充電制御装置の機能ブロック図である。
【図3】記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図4】出力可能電力決定部を構成する機能ブロックの一例を示す図である。
【図5】仮想契約電力を説明する図である。
【図6】電気自動車の充電処理の流れについて説明するシーケンス図である。
【図7】出力可能電力の算出処理のフローチャートである。
【図8】電気自動車の充電処理のフローチャートである。
【図9】充電ユニットの利用台数判定処理のフローチャートである。
【図10】設備内蓄電池の充電処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0019】
図1には、本実施形態に係る充電システム10を備えた設備1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、設備1には、負荷5、消費電力計測器7、電気自動車60を充電する充電システム10、及び設備内蓄電池50が備えられており、設備1に備えられる各装置は交流電源3から電力の供給を受ける。なお、充電システム10、消費電力計測器7、設備内蓄電池50までを含めたシステムを総合充電システム12とする。
【0020】
負荷5は、例えば、照明、空調機、各種情報機器等である。消費電力計測器7は、交流電源3から設備1側に供給される電流及び電圧を検出して設備1側で消費される消費電力を逐次計測し、計測した消費電力を充電制御装置20に出力する。例えば、消費電力計測器7による消費電力の計測は、予め定められた時間間隔ごとに行うこととしてよい。
【0021】
充電システム10は、複数の充電ユニット30と、複数の充電ユニット30の出力端子と複数の設備内蓄電池50とを接続する複数の双方向変換ユニット40と、当該複数の充電ユニット30および複数の双方向変換ユニット40を制御する充電制御装置20とを備える。なお、本実施形態では総合充電システム12に備えられる設備内蓄電池50及び双方向変換ユニット40が複数あることとしたが、総合充電システム12に備えられる設備内蓄電池50及び双方向変換ユニット40の数は0又は1であっても構わない。
【0022】
充電ユニット30は、交流電圧(例えばAC200V)を所定の直流電圧(DC50〜500V)に変換して出力するAC/DCコンバータを備える。充電ユニット30から出力される直流電圧(充電電圧)は、例えば接続される電気自動車60から受け付けた指定の電圧に設定することとしてよい。また、電気自動車60を充電していない場合であって、設備内蓄電池50の蓄電容量が閾値に満たない場合には、充電ユニット30から双方向変換ユニット40に電流を出力して、設備内蓄電池50を充電することとしてよい。
【0023】
充電制御装置20は、各充電ユニット30の出力制御、設備内蓄電池50の蓄電容量の監視及び充放電制御、電気自動車60及び消費電力計測器7との通信等を行う。この充電制御装置20において行われる処理の詳細については後述する。
【0024】
設備内蓄電池50は、充電ユニット30により充電されると共に、電気自動車60への充電電流を供給する。設備内蓄電池50からの放電電流は、双方向変換ユニット40により所定の電圧に変換されて電気自動車60に供給される。なお、充電制御装置20は、電力需要の低く電気料金の安い時間帯に設備内蓄電池50を充電しておき、蓄電した電気を電気自動車60の充電に利用することで、より経済的に電気自動車60の充電を行うことができる。
【0025】
電気自動車60は、車載用蓄電池62、車載用蓄電池62の電力を利用して駆動するモーター、車輪、モーターの動力を車輪に伝える動力伝達系統、各種アクセサリー、各部を制御する制御部等を備える。電気自動車60の制御部と充電制御装置20とは充電時に通信し、電気自動車60の車載用蓄電池62の状態に応じた充電条件を充電制御装置20に伝達することとしてよい。
【0026】
図2には、充電制御装置20の機能ブロック図を示した。図2に示されるように、充電制御装置20は、計測データ取得部200、記憶部202、充電ユニット制御部204、蓄電池制御部206、電気自動車用通信部208、出力可能電力決定部210、及び電気自動車充電制御部212を備える。
【0027】
充電制御装置20に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、磁気ディスクやメモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを通信する通信手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる充電制御装置20に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して供給されることとしてもよい。
【0028】
計測データ取得部200は、消費電力計測器7により順次計測される計測データ(計測時間及び消費電力データの組)を取得する。例えば、計測データ取得部200は、予め定められた時間間隔ごとに消費電力計測器7から計測データを取得することとしてもよいし、計測データ取得部200が指定したタイミングで消費電力計測器7により計測された計測データを取得することとしてもよい。なお、計測データ取得部200は、無線又は有線通信により消費電力計測器7から計測データを受信して取得することとしてよい。
【0029】
記憶部202は、データ及びプログラムを記憶すると共に、充電制御装置20のワークメモリとしても用いられる。図3には、記憶部202に記憶されるデータの一例を示した。図3に示されるように、記憶部202には、消費電力実績データ記憶部202A、需要予測データ記憶部202B、契約電力データ記憶部202C、電気自動車充電パターン記憶部202D、及び電気自動車充電フラグ記憶部202Eが含まれる。以下、各部に記憶されるデータについて説明する。
【0030】
消費電力実績データ記憶部202Aは、計測データ取得部200により順次取得した計測データを記憶する。例えば、消費電力実績データ記憶部202Aには、計測データ取得部200により順次取得した計測データに基づき、計測時間と、消費電力(W)とを関連づけたテーブルが記憶される。
【0031】
需要予測データ記憶部202Bは、設備1の電力需要を予測した需要予測データを記憶する。例えば、需要予測データ記憶部202Bには、日時情報(月、日、時間)と、予想される消費電力を関連づけたテーブルが記憶される。予測される消費電力は、設備1について過去に記録された日時と消費電力の履歴に基づいて算出することとしてよく、例えば過去数年の同じ日時についての平均の消費電力を予測値として用いることとしてよい。
【0032】
契約電力データ記憶部202Cは、設備1について定められた契約電力のデータを記憶する。例えば、契約電力データ記憶部202Cには、契約電力(Pc)、契約電力を判定する判定対象期間のデータが記憶される。判定対象期間のデータには、周期(例えば30分)、及び周期の計時開始時(例えば、午前0時から30分おき)を含むこととしてよい。
【0033】
電気自動車充電パターン記憶部202Dは、電気自動車60の充電時の充電電力と充電時間との関係を表す充電パターンのデータを記憶する。例えば、電気自動車充電パターン記憶部202Dには、電気自動車60の車種(又は車載用蓄電池62の機種)ごとに、充電電力と充電時間との関係を表す充電パターンが記憶されることとしてよい。なお、本実施形態では、充電制御装置20に電気自動車充電パターン記憶部202Dを設けることとしたが、電気自動車60から充電パターンの指示を受ける又は充電パターンを取得できる場合には必ずしも電気自動車充電パターン記憶部202Dを設けなくともよい。
【0034】
電気自動車充電フラグ記憶部202Eは、充電システム10に電気自動車60が接続されて充電をしているか否かを示す充電フラグを記憶する。例えば、電気自動車充電フラグ記憶部202Eには、電気自動車60を充電している場合にはON(真)、そうでない場合にはOFF(偽)とする真偽値を充電フラグとして記憶することとしてよい。
【0035】
充電ユニット制御部204は、充電システム10内の各充電ユニット30の動作を制御する。例えば、充電ユニット制御部204は、各充電ユニット30のオンとオフを制御すると共に、オンにした充電ユニット30については充電電圧及び充電電流をさらに設定することとする。
【0036】
蓄電池制御部206は、充電システム10に接続する設備内蓄電池50からデータを取得して設備内蓄電池50の状態を監視すると共に、双方向変換ユニット40を制御して設備内蓄電池50の充放電を制御する。例えば、蓄電池制御部206は、設備内蓄電池50の蓄電容量(SOC)を逐次取得して、蓄電容量が充電開始容量(SOC1)を下回った場合には設備内蓄電池50の充電を開始し、蓄電容量が充電停止容量(SOC2)に達した場合には設備内蓄電池50の充電を停止する。また、蓄電池制御部206は、電気自動車60の充電時において、設備内蓄電池50の蓄電容量が放電停止容量(SOC3)よりも大きい場合には、設備内蓄電池50を放電して電気自動車60の車載用蓄電池62を充電することとしてよい。なお、充電開始容量(SOC1)、充電停止容量(SOC2)、放電停止容量(SOC3)の関係は、例えばSOC3<SOC1<SOC2としてよい。また、蓄電池制御部206は、電気自動車充電フラグ記憶部202Eに記憶されるフラグの値を参照して、電気自動車60を充電していない場合にのみ、設備内蓄電池50の充電を行うように制御することとしてよい。
【0037】
電気自動車用通信部208は、充電システム10に充電用ケーブルを介して接続された電気自動車60と通信する。例えば、電気自動車用通信部208は、電気自動車60からの充電要求を受信し、電気自動車60に対して後述する出力可能電力決定部210により決定した出力可能電力を送信する等の処理を行う。
【0038】
出力可能電力決定部210は、所与の時点において充電システム10から出力可能な充電電力を決定する。例えば、所与の時点とは、電気自動車用通信部208により電気自動車60からの充電要求を受け付けた時点としてもよいし、その他任意の時点としてもよい。図4には、出力可能電力決定部210を構成する機能ブロックの一例を示した。図4に示されるように、出力可能電力決定部210は、残時間判定部210A、仮想契約電力算出部210B、最大利用可能電力決定部210C、運転可能台数算出部210D、及び出力可能電力算出部210Eを備える。以下、各部の機能について説明する。
【0039】
残時間判定部210Aは、所与の時点が属する契約電力の判定対象期間において、所与の時点が判定対象期間の開始時点から予め定められた時間(制限時間:T1)を超えているか否かを判定する。制限時間T1は、例えば電気自動車充電パターン記憶部202Dに記憶される充電パターンにおいて、充電が所定の割合(例えば50%)まで完了するのに要する時間に基づいて定められることとしてよい。なお、本実施形態では、充電制御装置20が制限時間T1を電気自動車充電パターン記憶部202Dから定めることとしたが、電気自動車60から取得した充電パターンに基づいて制限時間T1を定めてもよいし、電気自動車60により定められた制限時間T1を取得することとしてもよい。
【0040】
仮想契約電力算出部210Bは、設備1の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに計測された消費電力の和に基づいて、判定対象期間の所与の時点から終了時点までに契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する。なお、仮想契約電力の算出は、残時間判定部210Aで所与の時点が制限時間T1を超えていないと判定された場合にのみ行うこととしてよい。
【0041】
図5には、仮想契約電力を説明する図を示した。図5の横軸は時間であり、縦軸は電力を示している。図5において、所与の時点をTsとすると、実線は所与の時点Tsまでに計測された消費電力Pdの実績値を示している。また、図5におけるPcは契約電力を示しており、図5の領域Aと領域Bとの面積が同じとなるように領域Bの高さPdmを算出する。Pdmは余力電力であり、Tsから判定対象期間の終了時点であるTnまでPdmを消費しても判定対象期間の平均の消費電力がPc以下となるように定める。具体的には、仮想契約電力算出部210Bは、下記の式(1)に示されるように、契約電力(Pc)と判定対象期間の開始時点から所与の時点までの時間長(Ts)を乗じた電力量から、消費電力(Pd)の総和を減じた値を、所与の時点(Ts)から終了時点(Te)までの時間長(Te−Ts)で除して余力電力(Pdm)を算出する。そして、仮想契約電力算出部210Bは、余力電力(Pdm)と契約電力(Pc)とを足して、仮想契約電力(Pcv)を得る。
【数1】
【0042】
最大利用可能電力決定部210Cは、残時間判定部210Aによる判定結果、仮想契約電力算出部210Bにより算出された仮想契約電力(Pcv)、設備1の電力設備容量(Pf)に基づいて、所与の時点Tsにおける最大利用可能電力を決定する。例えば、最大利用可能電力決定部210Cは、残時間判定部210Aにより所与の時点Tsが制限時間T1を超えていると判定される場合には、最大利用可能電力(Pmax)を契約電力(Pc)とする。また、最大利用可能電力決定部210Cは、所与の時点Tsが制限時間T1を超えていない場合には、仮想契約電力(Pcv)が電力設備容量(Pf)を超えていなければ最大利用可能電力(Pmax)を仮想契約電力(Pcv)とし、仮想契約電力(Pcv)が電力設備容量(Pf)を超えていれば最大利用可能電力(Pmax)を電力設備容量(Pf)とする。
【0043】
運転可能台数算出部210Dは、最大利用可能電力決定部210Cにより決定した最大利用可能電力の下で運転可能な充電ユニット30の台数(運転可能台数)を決定する。例えば運転可能台数算出部210Dは、以下の式(2)により運転可能台数Nmax(Nmaxは整数)を算出することとしてよい。このとき、α(安全率)は0以上1以下の定数であり、Pmaxは最大利用可能電力、P0は基準電力、PUmaxは充電ユニット30の最大出力とする。なお、基準電力には、所与の時点Tsで計測された消費電力Pd、契約電力Pc、需要予測データに基づく予測消費電力Pbのいずれか1つ、又はこれらの平均値等を用いることとしてよい。
Nmax=α・(Pmax−P0)/PUmax ・・・(2)
【0044】
出力可能電力算出部210Eは、運転可能台数算出部210Dにより算出された充電ユニット30の運転可能台数及び蓄電池制御部206により取得される設備内蓄電池50の蓄電容量に基づいて、電気自動車60の充電時に出力可能な電力を算出する。例えば、出力可能電力算出部210Eは、以下の式(3)により出力可能電力PEVmaxを算出することとしてよい。ここで、PUmaxは充電ユニット30の最大出力、Nmaxは充電ユニット30の運転可能台数、PBmaxは設備内蓄電池50の最大放電電力、NBmaxは放電可能な設備内蓄電池50の台数を表す。なお、出力可能電力算出部210Eは、NBmaxを放電停止容量より大きい蓄電容量を有する設備内蓄電池50の台数として設定する。
PEVmax=PUmax・Nmax+PBmax・NBmax ・・・(3)
【0045】
電気自動車用通信部208は、出力可能電力算出部210Eにより算出された出力可能電力を電気自動車60に送信し、電気自動車60からは上記送信した出力可能電力の範囲内で選択された充電電圧及び充電電流を含む充電条件を受信する。
【0046】
電気自動車充電制御部212は、充電システム10と充電ケーブルを介して接続された電気自動車60の車載蓄電池の充電を制御する。例えば、電気自動車充電制御部212は、電気自動車用通信部208により受信した充電条件に基づいて、充電ユニット30及び設備内蓄電池50からの放電電圧及び放電電流を設定して、電気自動車60の車載蓄電池の充電を開始する。この際、電気自動車充電制御部212は、電気自動車充電フラグ記憶部202Eに記憶されるフラグをONに更新し、電気自動車60の車載蓄電池の充電が終了(正常終了又は異常終了を含む)した場合にはフラグをOFFに更新する。
【0047】
次に、図6に示したシーケンス図を参照しながら、電気自動車60の充電処理の流れについて説明する。
【0048】
図6に示されるように、充電制御装置20は、交流電源3から設備1に供給される消費電力を逐次計測し(S1001)、計測された消費電力を記憶する(S1002)。そして、充電制御装置20は、充電ケーブルを介して接続された電気自動車60から充電要求を受け付けると(S1003)、その受け付けた時点を基準時として、電気自動車60に出力可能な電力を算出する(S1004)。ここで、図7のフローチャートを参照して、S1004の処理の詳細を説明する。
【0049】
図7には、出力可能電力の算出処理のフローチャートを示した。図7に示されるように、充電制御装置20は、基準時Tsが含まれる判定対象期間において制限時間T1を超えていないか否かを判定し(S2001)、超えていないと判定される場合には(S2001:Y)、式(1)に基づき算出した余力電力Pdmと契約電力Pcとの和を仮想契約電力PCvとして算出する(S2002)。さらに、充電制御装置20は、算出された仮想契約電力PCvが電力設備容量Pfを下回る場合には(S2003:Y)、仮想契約電力PCvを最大利用可能電力Pmaxとし(S2004)、仮想契約電力PCvが電力設備容量Pf以上である場合には、電力設備容量Pfを最大利用可能電力Pmaxとする(S2005)。また、充電制御装置20は、S2001において、基準時Tsが制限時間T1を超えていると判定される場合には(S2001:N)、設備1の契約電力Pcを最大利用可能電力Pmaxとする(S2006)。
【0050】
次いで充電制御装置20は、式(2)に基づいて充電ユニット30の運転可能台数Nmaxを算出する(S2007)。そして、充電制御装置20は、設備内蓄電池50の蓄電容量が放電停止容量よりも大きい設備内蓄電池50の台数を、設備内蓄電池50の放電可能台数NBmax(本実施形態では1とする)に設定し(S2008)、式(3)に基づいて出力可能電力を算出し(S2009)、リターンする。
【0051】
ここで再び図6のシーケンス図に戻り説明を続ける。充電制御装置20は、算出された出力可能電力を電気自動車60に通知し(S1005)、その後電気自動車60により設定された充電条件を受け付ける(S1006)。なお、電気自動車60は、充電制御装置20から通知された出力可能電力よりも最大電力が小さい充電電力となる充電条件を充電制御装置20に通知することとしてよい。
【0052】
充電制御装置20は、受け付けた充電条件に基づいて充電時間を算出及び表示をし(S1007)、充電フラグをONに更新して(S1008)、充電処理を実行する(S1009)。ここで、図8のフローチャートを参照して、S1009の処理の詳細を説明する。
【0053】
図8には、電気自動車60の充電処理のフローチャートを示した。図8に示されるように、充電制御装置20は、放電する設備内蓄電池50がある場合であって(S3001:Y)、蓄電容量(SOC)が放電停止容量(SOC3)以下の設備内蓄電池50がある場合には(S3002:Y)、設備内蓄電池50の利用台数(nb、nbは0≦nb≦NBmaxの整数で、初期値はNBmaxとする)から蓄電容量が放電停止容量以下の設備内蓄電池50の数(nbx)を減じて(S3003)、減じた設備内蓄電池50の利用台数(nb)で電気自動車60の充電を継続できるか否かを判定する(S3004)。その結果、継続できると判定される場合には(S3004:Y)、蓄電容量が放電停止容量以下の設備内蓄電池50の利用を停止して(S3005)、S3001に戻り、継続できないと判定される場合には(S3004:N)、充電処理を一旦停止し(S3006)、充電処理を最初から(例えばS1003から)やり直すこととしてよい。
【0054】
また、充電制御装置20は、放電する設備内蓄電池50がない場合(S3001:N)、又は放電する設備内蓄電池50がある場合であって(S3001:Y)、設備内蓄電池50の蓄電容量が放電停止容量以下でない場合には(S3002:N)、充電ユニット30の利用台数最適化処理を実行する(S3007)。この充電ユニット30の利用台数最適化処理についての詳細は後述する。
【0055】
充電制御装置20は、S3007で充電ユニット30の利用台数を変更する場合には(S3008:Y)、充電処理を一旦停止し(S3006)、充電処理を最初からやり直す。また充電制御装置20は、S3007で充電ユニット30の利用台数を変更しない場合には(S3008:N)、S3009に進み、ここで充電が完了していないと判定される場合には(S3009:N)、S3001に戻り、充電が完了したと判定される場合には(S3009:Y)、充電を停止して(S3010)、リターンする。
【0056】
ここで再び図6のシーケンス図に戻る。充電制御装置20は、電気自動車60の充電処理の結果を表示して(S1010)、充電フラグをOFFに更新して(S1011)、処理を終了する。
【0057】
ここで、上述した充電ユニット30の利用台数最適化処理の一例について、図9に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0058】
図9に示されるように、充電制御装置20は、充電ユニット30の運転台数nが1以上である場合には(S4001:Y)、以下の式(4)に示される充電ユニット30の減少条件を満たしているか否かを判定する(S4002)。なお、式(4)におけるtは判定開始時点から所与の時点までの時間、Pcは契約電力、βは重み係数であり例えば−1<β<1としてよく、Pdは逐次計測される消費電力である。
【数2】
【0059】
充電制御装置20は、充電ユニット30の減少条件を満たすと判定される場合には(S4002:Y)、運転台数nを1つ減じて(S4003)、リターンする。また、充電制御装置20は、充電ユニット30の減少条件を満たさないと判定される場合には(S4002:N)、現在の運転台数nが上限台数(例えば充電ユニットの搭載台数)である場合には(S4004:Y)、リターンし、上限台数でない場合には(S4004:N)、以下の式(5)に示される充電ユニット30の増加条件を満たしているか否かを判定する(S4006)。なお、式(5)におけるtは判定開始時点から所与の時点までの時間、Pcは契約電力、γは重み係数であり例えば−1<γ<1としてよく、Pdは逐次計測される消費電力である。充電制御装置20は、充電ユニット30の増加条件を満たすと判定される場合には(S4006:Y)、運転台数を1つ増加して(S4007)、リターンし、充電ユニット30の増加条件を満たさないと判定される場合には(S4006:N)、そのままリターンする。
【数3】
【0060】
次に、設備内蓄電池50の充電処理について説明する。図10には、設備内蓄電池50の充電処理のフローチャートを示した。図10に示されるように、充電制御装置20は、設備内蓄電池50の蓄電容量(SOC)を取得し(S5001)、取得した蓄電容量(SOC)が充電開始容量(SOC1)以下である場合には(S5002:Y)、設備内蓄電池50の充電を開始する(S5003)。充電制御装置20は、例えば以下の式(6)に示される設備内蓄電池50の充電処理の停止条件を満たす場合には(S5004:Y)、充電を停止し(S5005)、処理を終了する。なお、式(6)におけるtは判定開始時点から所与の時点までの時間、Pcは契約電力、δは重み係数であり例えば−1<δ<1としてよく、Pdは逐次計測される消費電力である。また、充電制御装置20は、上記停止条件を満たさない場合であって(S5004:N)、充電フラグがOnである場合には(S5006:Y)、充電を停止し(S5005)、処理を終了する。また、充電制御装置20は、充電フラグがOnでない場合であって(S5006:N)、蓄電容量(SOC)が充電停止容量(SOC2)以上でない場合には(S5007:N)、S5004に戻って充電を継続し、蓄電容量(SOC)が充電停止容量(SOC2)以上となった場合には(S5007:Y)、充電を停止し(S5005)、処理を終了する。また、S5002において、蓄電容量(SOC)が充電開始容量(SOC1)以下でない場合には(S5002:N)、充電を行わずに処理を終了することとしてよい。
【数4】
【0061】
以上説明した本実施形態に係る電気自動車60の充電システム10によれば、契約電力を超えない範囲内で電気自動車60を効率良く充電することができる。また、電気自動車60の充電に夜間電力等で充電した設備内蓄電池50を利用することにより、より効率的かつ経済的に電気自動車60を充電することができる。
【0062】
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、電気自動車60の充電要求を受け付けた時点で、充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力を算出することとしたが、充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力を逐次算出して記憶しておき、電気自動車60が充電を要求してきた場合に、記憶されている最新の充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力を出力することとしてもよい。また、上記の実施形態では、電気自動車60の設定する充電条件で充電することとしたが、充電制御装置20により算出される充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力に基づいて、充電制御装置20が設定した充電条件により電気自動車60を充電するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 設備、3 交流電源、5 負荷、7 消費電力計測器、10 充電システム、12 総合充電システム、20 充電制御装置、30 充電ユニット、40 双方向変換ユニット、50 設備内蓄電池、60 電気自動車、62 車載用蓄電池、200 計測データ取得部、202 記憶部、202A 消費電力実績データ記憶部、202B 需要予測データ記憶部、202C 契約電力データ記憶部、202D 電気自動車充電パターン記憶部、202E 電気自動車充電フラグ記憶部、204 充電ユニット制御部、206 蓄電池制御部、208 電気自動車用通信部、210 出力可能電力決定部、210A 残時間判定部、210B 仮想契約電力算出部、210C 最大利用可能電力決定部、210D 運転可能台数算出部、210E 出力可能電力算出部、212 電気自動車充電制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車の充電制御装置、電気自動車の充電制御方法、及び電気自動車の充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の車載用蓄電池の充電には、充電時間を短縮することができる急速充電器が用いられることがある(例えば下記特許文献1を参照)。そして、電気自動車の充電インフラを整備するために、集合住宅、商用施設や公共施設等の設備内に急速充電器を設置していくことが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−77557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、充電の初期に急速充電器が利用する電力は大きく、例えば複数台の急速充電器を同時に利用した場合には、設備に定められている契約電力を超えてしまうことがある。
【0005】
本発明は上記の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、契約電力の範囲内で電気自動車の充電に利用可能な充電器の台数を逐次知ることができる電気自動車の充電制御装置、電気自動車の充電制御方法、及び電気自動車の充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気自動車の充電制御装置は、電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記電気自動車の充電制御装置は、前記電気自動車からの充電要求を受けた場合に、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に基づき算出される前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知する通知手段をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記電気自動車の充電制御装置は、前記通知手段により前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知した後に前記電気自動車から指定された充電電圧及び充電電流を含む充電条件を受け付ける充電条件受付手段と、前記充電条件受付手段により受け付けた充電条件に基づいて前記充電器を制御して前記電気自動車の車載用蓄電池を充電する充電制御手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記設備は、前記1又は複数の充電器により充電される蓄電池をさらに含み、前記通知手段は、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に当該充電器の電力容量を乗じた値に、前記蓄電池の蓄電容量を加えて算出した前記提供可能な充電電力を通知することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記決定手段は、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えていない場合には、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力とし、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えた場合には、前記契約電力を最大利用可能電力として、前記利用可能な充電器の台数を決定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記算出手段は、前記契約電力と前記判定対象期間の開始時点から所与の時点までの時間長を乗じた電力量から前記消費電力の総和を減じた値を、前記所与の時点から前記終了時点までの時間長で除して算出した余力電力と、前記契約電力との和を前記仮想契約電力として算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記決定手段は、前記最大利用可能電力から、前記計測手段により計測された消費電力、前記契約電力、又は予め定められた予測消費電力のいずれかを減じた値に、予め定められた0以上1以下の重み係数を乗じた後に前記充電器の電力容量で除した商に基づいて、前記充電器の利用可能台数を決定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記所与の時点は、前記電気自動車からの充電要求を受け付けた時点であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様に係る電気自動車の充電制御方法は、電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測ステップと、前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測ステップで計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出ステップと、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様に係る電気自動車の充電システムは、電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器と、前記1又は複数の充電器を制御する充電制御装置と、を含み、前記充電制御装置は、前記1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、契約電力の範囲内で電気自動車の充電に利用可能な充電器の台数を逐次知ることができる。また、契約電力の範囲内で利用可能な充電器を用いて電気自動車を効率良く充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る充電システムを備えた設備のシステム構成図である。
【図2】充電制御装置の機能ブロック図である。
【図3】記憶部に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図4】出力可能電力決定部を構成する機能ブロックの一例を示す図である。
【図5】仮想契約電力を説明する図である。
【図6】電気自動車の充電処理の流れについて説明するシーケンス図である。
【図7】出力可能電力の算出処理のフローチャートである。
【図8】電気自動車の充電処理のフローチャートである。
【図9】充電ユニットの利用台数判定処理のフローチャートである。
【図10】設備内蓄電池の充電処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0019】
図1には、本実施形態に係る充電システム10を備えた設備1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、設備1には、負荷5、消費電力計測器7、電気自動車60を充電する充電システム10、及び設備内蓄電池50が備えられており、設備1に備えられる各装置は交流電源3から電力の供給を受ける。なお、充電システム10、消費電力計測器7、設備内蓄電池50までを含めたシステムを総合充電システム12とする。
【0020】
負荷5は、例えば、照明、空調機、各種情報機器等である。消費電力計測器7は、交流電源3から設備1側に供給される電流及び電圧を検出して設備1側で消費される消費電力を逐次計測し、計測した消費電力を充電制御装置20に出力する。例えば、消費電力計測器7による消費電力の計測は、予め定められた時間間隔ごとに行うこととしてよい。
【0021】
充電システム10は、複数の充電ユニット30と、複数の充電ユニット30の出力端子と複数の設備内蓄電池50とを接続する複数の双方向変換ユニット40と、当該複数の充電ユニット30および複数の双方向変換ユニット40を制御する充電制御装置20とを備える。なお、本実施形態では総合充電システム12に備えられる設備内蓄電池50及び双方向変換ユニット40が複数あることとしたが、総合充電システム12に備えられる設備内蓄電池50及び双方向変換ユニット40の数は0又は1であっても構わない。
【0022】
充電ユニット30は、交流電圧(例えばAC200V)を所定の直流電圧(DC50〜500V)に変換して出力するAC/DCコンバータを備える。充電ユニット30から出力される直流電圧(充電電圧)は、例えば接続される電気自動車60から受け付けた指定の電圧に設定することとしてよい。また、電気自動車60を充電していない場合であって、設備内蓄電池50の蓄電容量が閾値に満たない場合には、充電ユニット30から双方向変換ユニット40に電流を出力して、設備内蓄電池50を充電することとしてよい。
【0023】
充電制御装置20は、各充電ユニット30の出力制御、設備内蓄電池50の蓄電容量の監視及び充放電制御、電気自動車60及び消費電力計測器7との通信等を行う。この充電制御装置20において行われる処理の詳細については後述する。
【0024】
設備内蓄電池50は、充電ユニット30により充電されると共に、電気自動車60への充電電流を供給する。設備内蓄電池50からの放電電流は、双方向変換ユニット40により所定の電圧に変換されて電気自動車60に供給される。なお、充電制御装置20は、電力需要の低く電気料金の安い時間帯に設備内蓄電池50を充電しておき、蓄電した電気を電気自動車60の充電に利用することで、より経済的に電気自動車60の充電を行うことができる。
【0025】
電気自動車60は、車載用蓄電池62、車載用蓄電池62の電力を利用して駆動するモーター、車輪、モーターの動力を車輪に伝える動力伝達系統、各種アクセサリー、各部を制御する制御部等を備える。電気自動車60の制御部と充電制御装置20とは充電時に通信し、電気自動車60の車載用蓄電池62の状態に応じた充電条件を充電制御装置20に伝達することとしてよい。
【0026】
図2には、充電制御装置20の機能ブロック図を示した。図2に示されるように、充電制御装置20は、計測データ取得部200、記憶部202、充電ユニット制御部204、蓄電池制御部206、電気自動車用通信部208、出力可能電力決定部210、及び電気自動車充電制御部212を備える。
【0027】
充電制御装置20に備えられる上記各部の機能は、CPU等の制御手段、磁気ディスクやメモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを通信する通信手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる充電制御装置20に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して供給されることとしてもよい。
【0028】
計測データ取得部200は、消費電力計測器7により順次計測される計測データ(計測時間及び消費電力データの組)を取得する。例えば、計測データ取得部200は、予め定められた時間間隔ごとに消費電力計測器7から計測データを取得することとしてもよいし、計測データ取得部200が指定したタイミングで消費電力計測器7により計測された計測データを取得することとしてもよい。なお、計測データ取得部200は、無線又は有線通信により消費電力計測器7から計測データを受信して取得することとしてよい。
【0029】
記憶部202は、データ及びプログラムを記憶すると共に、充電制御装置20のワークメモリとしても用いられる。図3には、記憶部202に記憶されるデータの一例を示した。図3に示されるように、記憶部202には、消費電力実績データ記憶部202A、需要予測データ記憶部202B、契約電力データ記憶部202C、電気自動車充電パターン記憶部202D、及び電気自動車充電フラグ記憶部202Eが含まれる。以下、各部に記憶されるデータについて説明する。
【0030】
消費電力実績データ記憶部202Aは、計測データ取得部200により順次取得した計測データを記憶する。例えば、消費電力実績データ記憶部202Aには、計測データ取得部200により順次取得した計測データに基づき、計測時間と、消費電力(W)とを関連づけたテーブルが記憶される。
【0031】
需要予測データ記憶部202Bは、設備1の電力需要を予測した需要予測データを記憶する。例えば、需要予測データ記憶部202Bには、日時情報(月、日、時間)と、予想される消費電力を関連づけたテーブルが記憶される。予測される消費電力は、設備1について過去に記録された日時と消費電力の履歴に基づいて算出することとしてよく、例えば過去数年の同じ日時についての平均の消費電力を予測値として用いることとしてよい。
【0032】
契約電力データ記憶部202Cは、設備1について定められた契約電力のデータを記憶する。例えば、契約電力データ記憶部202Cには、契約電力(Pc)、契約電力を判定する判定対象期間のデータが記憶される。判定対象期間のデータには、周期(例えば30分)、及び周期の計時開始時(例えば、午前0時から30分おき)を含むこととしてよい。
【0033】
電気自動車充電パターン記憶部202Dは、電気自動車60の充電時の充電電力と充電時間との関係を表す充電パターンのデータを記憶する。例えば、電気自動車充電パターン記憶部202Dには、電気自動車60の車種(又は車載用蓄電池62の機種)ごとに、充電電力と充電時間との関係を表す充電パターンが記憶されることとしてよい。なお、本実施形態では、充電制御装置20に電気自動車充電パターン記憶部202Dを設けることとしたが、電気自動車60から充電パターンの指示を受ける又は充電パターンを取得できる場合には必ずしも電気自動車充電パターン記憶部202Dを設けなくともよい。
【0034】
電気自動車充電フラグ記憶部202Eは、充電システム10に電気自動車60が接続されて充電をしているか否かを示す充電フラグを記憶する。例えば、電気自動車充電フラグ記憶部202Eには、電気自動車60を充電している場合にはON(真)、そうでない場合にはOFF(偽)とする真偽値を充電フラグとして記憶することとしてよい。
【0035】
充電ユニット制御部204は、充電システム10内の各充電ユニット30の動作を制御する。例えば、充電ユニット制御部204は、各充電ユニット30のオンとオフを制御すると共に、オンにした充電ユニット30については充電電圧及び充電電流をさらに設定することとする。
【0036】
蓄電池制御部206は、充電システム10に接続する設備内蓄電池50からデータを取得して設備内蓄電池50の状態を監視すると共に、双方向変換ユニット40を制御して設備内蓄電池50の充放電を制御する。例えば、蓄電池制御部206は、設備内蓄電池50の蓄電容量(SOC)を逐次取得して、蓄電容量が充電開始容量(SOC1)を下回った場合には設備内蓄電池50の充電を開始し、蓄電容量が充電停止容量(SOC2)に達した場合には設備内蓄電池50の充電を停止する。また、蓄電池制御部206は、電気自動車60の充電時において、設備内蓄電池50の蓄電容量が放電停止容量(SOC3)よりも大きい場合には、設備内蓄電池50を放電して電気自動車60の車載用蓄電池62を充電することとしてよい。なお、充電開始容量(SOC1)、充電停止容量(SOC2)、放電停止容量(SOC3)の関係は、例えばSOC3<SOC1<SOC2としてよい。また、蓄電池制御部206は、電気自動車充電フラグ記憶部202Eに記憶されるフラグの値を参照して、電気自動車60を充電していない場合にのみ、設備内蓄電池50の充電を行うように制御することとしてよい。
【0037】
電気自動車用通信部208は、充電システム10に充電用ケーブルを介して接続された電気自動車60と通信する。例えば、電気自動車用通信部208は、電気自動車60からの充電要求を受信し、電気自動車60に対して後述する出力可能電力決定部210により決定した出力可能電力を送信する等の処理を行う。
【0038】
出力可能電力決定部210は、所与の時点において充電システム10から出力可能な充電電力を決定する。例えば、所与の時点とは、電気自動車用通信部208により電気自動車60からの充電要求を受け付けた時点としてもよいし、その他任意の時点としてもよい。図4には、出力可能電力決定部210を構成する機能ブロックの一例を示した。図4に示されるように、出力可能電力決定部210は、残時間判定部210A、仮想契約電力算出部210B、最大利用可能電力決定部210C、運転可能台数算出部210D、及び出力可能電力算出部210Eを備える。以下、各部の機能について説明する。
【0039】
残時間判定部210Aは、所与の時点が属する契約電力の判定対象期間において、所与の時点が判定対象期間の開始時点から予め定められた時間(制限時間:T1)を超えているか否かを判定する。制限時間T1は、例えば電気自動車充電パターン記憶部202Dに記憶される充電パターンにおいて、充電が所定の割合(例えば50%)まで完了するのに要する時間に基づいて定められることとしてよい。なお、本実施形態では、充電制御装置20が制限時間T1を電気自動車充電パターン記憶部202Dから定めることとしたが、電気自動車60から取得した充電パターンに基づいて制限時間T1を定めてもよいし、電気自動車60により定められた制限時間T1を取得することとしてもよい。
【0040】
仮想契約電力算出部210Bは、設備1の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに計測された消費電力の和に基づいて、判定対象期間の所与の時点から終了時点までに契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する。なお、仮想契約電力の算出は、残時間判定部210Aで所与の時点が制限時間T1を超えていないと判定された場合にのみ行うこととしてよい。
【0041】
図5には、仮想契約電力を説明する図を示した。図5の横軸は時間であり、縦軸は電力を示している。図5において、所与の時点をTsとすると、実線は所与の時点Tsまでに計測された消費電力Pdの実績値を示している。また、図5におけるPcは契約電力を示しており、図5の領域Aと領域Bとの面積が同じとなるように領域Bの高さPdmを算出する。Pdmは余力電力であり、Tsから判定対象期間の終了時点であるTnまでPdmを消費しても判定対象期間の平均の消費電力がPc以下となるように定める。具体的には、仮想契約電力算出部210Bは、下記の式(1)に示されるように、契約電力(Pc)と判定対象期間の開始時点から所与の時点までの時間長(Ts)を乗じた電力量から、消費電力(Pd)の総和を減じた値を、所与の時点(Ts)から終了時点(Te)までの時間長(Te−Ts)で除して余力電力(Pdm)を算出する。そして、仮想契約電力算出部210Bは、余力電力(Pdm)と契約電力(Pc)とを足して、仮想契約電力(Pcv)を得る。
【数1】
【0042】
最大利用可能電力決定部210Cは、残時間判定部210Aによる判定結果、仮想契約電力算出部210Bにより算出された仮想契約電力(Pcv)、設備1の電力設備容量(Pf)に基づいて、所与の時点Tsにおける最大利用可能電力を決定する。例えば、最大利用可能電力決定部210Cは、残時間判定部210Aにより所与の時点Tsが制限時間T1を超えていると判定される場合には、最大利用可能電力(Pmax)を契約電力(Pc)とする。また、最大利用可能電力決定部210Cは、所与の時点Tsが制限時間T1を超えていない場合には、仮想契約電力(Pcv)が電力設備容量(Pf)を超えていなければ最大利用可能電力(Pmax)を仮想契約電力(Pcv)とし、仮想契約電力(Pcv)が電力設備容量(Pf)を超えていれば最大利用可能電力(Pmax)を電力設備容量(Pf)とする。
【0043】
運転可能台数算出部210Dは、最大利用可能電力決定部210Cにより決定した最大利用可能電力の下で運転可能な充電ユニット30の台数(運転可能台数)を決定する。例えば運転可能台数算出部210Dは、以下の式(2)により運転可能台数Nmax(Nmaxは整数)を算出することとしてよい。このとき、α(安全率)は0以上1以下の定数であり、Pmaxは最大利用可能電力、P0は基準電力、PUmaxは充電ユニット30の最大出力とする。なお、基準電力には、所与の時点Tsで計測された消費電力Pd、契約電力Pc、需要予測データに基づく予測消費電力Pbのいずれか1つ、又はこれらの平均値等を用いることとしてよい。
Nmax=α・(Pmax−P0)/PUmax ・・・(2)
【0044】
出力可能電力算出部210Eは、運転可能台数算出部210Dにより算出された充電ユニット30の運転可能台数及び蓄電池制御部206により取得される設備内蓄電池50の蓄電容量に基づいて、電気自動車60の充電時に出力可能な電力を算出する。例えば、出力可能電力算出部210Eは、以下の式(3)により出力可能電力PEVmaxを算出することとしてよい。ここで、PUmaxは充電ユニット30の最大出力、Nmaxは充電ユニット30の運転可能台数、PBmaxは設備内蓄電池50の最大放電電力、NBmaxは放電可能な設備内蓄電池50の台数を表す。なお、出力可能電力算出部210Eは、NBmaxを放電停止容量より大きい蓄電容量を有する設備内蓄電池50の台数として設定する。
PEVmax=PUmax・Nmax+PBmax・NBmax ・・・(3)
【0045】
電気自動車用通信部208は、出力可能電力算出部210Eにより算出された出力可能電力を電気自動車60に送信し、電気自動車60からは上記送信した出力可能電力の範囲内で選択された充電電圧及び充電電流を含む充電条件を受信する。
【0046】
電気自動車充電制御部212は、充電システム10と充電ケーブルを介して接続された電気自動車60の車載蓄電池の充電を制御する。例えば、電気自動車充電制御部212は、電気自動車用通信部208により受信した充電条件に基づいて、充電ユニット30及び設備内蓄電池50からの放電電圧及び放電電流を設定して、電気自動車60の車載蓄電池の充電を開始する。この際、電気自動車充電制御部212は、電気自動車充電フラグ記憶部202Eに記憶されるフラグをONに更新し、電気自動車60の車載蓄電池の充電が終了(正常終了又は異常終了を含む)した場合にはフラグをOFFに更新する。
【0047】
次に、図6に示したシーケンス図を参照しながら、電気自動車60の充電処理の流れについて説明する。
【0048】
図6に示されるように、充電制御装置20は、交流電源3から設備1に供給される消費電力を逐次計測し(S1001)、計測された消費電力を記憶する(S1002)。そして、充電制御装置20は、充電ケーブルを介して接続された電気自動車60から充電要求を受け付けると(S1003)、その受け付けた時点を基準時として、電気自動車60に出力可能な電力を算出する(S1004)。ここで、図7のフローチャートを参照して、S1004の処理の詳細を説明する。
【0049】
図7には、出力可能電力の算出処理のフローチャートを示した。図7に示されるように、充電制御装置20は、基準時Tsが含まれる判定対象期間において制限時間T1を超えていないか否かを判定し(S2001)、超えていないと判定される場合には(S2001:Y)、式(1)に基づき算出した余力電力Pdmと契約電力Pcとの和を仮想契約電力PCvとして算出する(S2002)。さらに、充電制御装置20は、算出された仮想契約電力PCvが電力設備容量Pfを下回る場合には(S2003:Y)、仮想契約電力PCvを最大利用可能電力Pmaxとし(S2004)、仮想契約電力PCvが電力設備容量Pf以上である場合には、電力設備容量Pfを最大利用可能電力Pmaxとする(S2005)。また、充電制御装置20は、S2001において、基準時Tsが制限時間T1を超えていると判定される場合には(S2001:N)、設備1の契約電力Pcを最大利用可能電力Pmaxとする(S2006)。
【0050】
次いで充電制御装置20は、式(2)に基づいて充電ユニット30の運転可能台数Nmaxを算出する(S2007)。そして、充電制御装置20は、設備内蓄電池50の蓄電容量が放電停止容量よりも大きい設備内蓄電池50の台数を、設備内蓄電池50の放電可能台数NBmax(本実施形態では1とする)に設定し(S2008)、式(3)に基づいて出力可能電力を算出し(S2009)、リターンする。
【0051】
ここで再び図6のシーケンス図に戻り説明を続ける。充電制御装置20は、算出された出力可能電力を電気自動車60に通知し(S1005)、その後電気自動車60により設定された充電条件を受け付ける(S1006)。なお、電気自動車60は、充電制御装置20から通知された出力可能電力よりも最大電力が小さい充電電力となる充電条件を充電制御装置20に通知することとしてよい。
【0052】
充電制御装置20は、受け付けた充電条件に基づいて充電時間を算出及び表示をし(S1007)、充電フラグをONに更新して(S1008)、充電処理を実行する(S1009)。ここで、図8のフローチャートを参照して、S1009の処理の詳細を説明する。
【0053】
図8には、電気自動車60の充電処理のフローチャートを示した。図8に示されるように、充電制御装置20は、放電する設備内蓄電池50がある場合であって(S3001:Y)、蓄電容量(SOC)が放電停止容量(SOC3)以下の設備内蓄電池50がある場合には(S3002:Y)、設備内蓄電池50の利用台数(nb、nbは0≦nb≦NBmaxの整数で、初期値はNBmaxとする)から蓄電容量が放電停止容量以下の設備内蓄電池50の数(nbx)を減じて(S3003)、減じた設備内蓄電池50の利用台数(nb)で電気自動車60の充電を継続できるか否かを判定する(S3004)。その結果、継続できると判定される場合には(S3004:Y)、蓄電容量が放電停止容量以下の設備内蓄電池50の利用を停止して(S3005)、S3001に戻り、継続できないと判定される場合には(S3004:N)、充電処理を一旦停止し(S3006)、充電処理を最初から(例えばS1003から)やり直すこととしてよい。
【0054】
また、充電制御装置20は、放電する設備内蓄電池50がない場合(S3001:N)、又は放電する設備内蓄電池50がある場合であって(S3001:Y)、設備内蓄電池50の蓄電容量が放電停止容量以下でない場合には(S3002:N)、充電ユニット30の利用台数最適化処理を実行する(S3007)。この充電ユニット30の利用台数最適化処理についての詳細は後述する。
【0055】
充電制御装置20は、S3007で充電ユニット30の利用台数を変更する場合には(S3008:Y)、充電処理を一旦停止し(S3006)、充電処理を最初からやり直す。また充電制御装置20は、S3007で充電ユニット30の利用台数を変更しない場合には(S3008:N)、S3009に進み、ここで充電が完了していないと判定される場合には(S3009:N)、S3001に戻り、充電が完了したと判定される場合には(S3009:Y)、充電を停止して(S3010)、リターンする。
【0056】
ここで再び図6のシーケンス図に戻る。充電制御装置20は、電気自動車60の充電処理の結果を表示して(S1010)、充電フラグをOFFに更新して(S1011)、処理を終了する。
【0057】
ここで、上述した充電ユニット30の利用台数最適化処理の一例について、図9に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0058】
図9に示されるように、充電制御装置20は、充電ユニット30の運転台数nが1以上である場合には(S4001:Y)、以下の式(4)に示される充電ユニット30の減少条件を満たしているか否かを判定する(S4002)。なお、式(4)におけるtは判定開始時点から所与の時点までの時間、Pcは契約電力、βは重み係数であり例えば−1<β<1としてよく、Pdは逐次計測される消費電力である。
【数2】
【0059】
充電制御装置20は、充電ユニット30の減少条件を満たすと判定される場合には(S4002:Y)、運転台数nを1つ減じて(S4003)、リターンする。また、充電制御装置20は、充電ユニット30の減少条件を満たさないと判定される場合には(S4002:N)、現在の運転台数nが上限台数(例えば充電ユニットの搭載台数)である場合には(S4004:Y)、リターンし、上限台数でない場合には(S4004:N)、以下の式(5)に示される充電ユニット30の増加条件を満たしているか否かを判定する(S4006)。なお、式(5)におけるtは判定開始時点から所与の時点までの時間、Pcは契約電力、γは重み係数であり例えば−1<γ<1としてよく、Pdは逐次計測される消費電力である。充電制御装置20は、充電ユニット30の増加条件を満たすと判定される場合には(S4006:Y)、運転台数を1つ増加して(S4007)、リターンし、充電ユニット30の増加条件を満たさないと判定される場合には(S4006:N)、そのままリターンする。
【数3】
【0060】
次に、設備内蓄電池50の充電処理について説明する。図10には、設備内蓄電池50の充電処理のフローチャートを示した。図10に示されるように、充電制御装置20は、設備内蓄電池50の蓄電容量(SOC)を取得し(S5001)、取得した蓄電容量(SOC)が充電開始容量(SOC1)以下である場合には(S5002:Y)、設備内蓄電池50の充電を開始する(S5003)。充電制御装置20は、例えば以下の式(6)に示される設備内蓄電池50の充電処理の停止条件を満たす場合には(S5004:Y)、充電を停止し(S5005)、処理を終了する。なお、式(6)におけるtは判定開始時点から所与の時点までの時間、Pcは契約電力、δは重み係数であり例えば−1<δ<1としてよく、Pdは逐次計測される消費電力である。また、充電制御装置20は、上記停止条件を満たさない場合であって(S5004:N)、充電フラグがOnである場合には(S5006:Y)、充電を停止し(S5005)、処理を終了する。また、充電制御装置20は、充電フラグがOnでない場合であって(S5006:N)、蓄電容量(SOC)が充電停止容量(SOC2)以上でない場合には(S5007:N)、S5004に戻って充電を継続し、蓄電容量(SOC)が充電停止容量(SOC2)以上となった場合には(S5007:Y)、充電を停止し(S5005)、処理を終了する。また、S5002において、蓄電容量(SOC)が充電開始容量(SOC1)以下でない場合には(S5002:N)、充電を行わずに処理を終了することとしてよい。
【数4】
【0061】
以上説明した本実施形態に係る電気自動車60の充電システム10によれば、契約電力を超えない範囲内で電気自動車60を効率良く充電することができる。また、電気自動車60の充電に夜間電力等で充電した設備内蓄電池50を利用することにより、より効率的かつ経済的に電気自動車60を充電することができる。
【0062】
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、電気自動車60の充電要求を受け付けた時点で、充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力を算出することとしたが、充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力を逐次算出して記憶しておき、電気自動車60が充電を要求してきた場合に、記憶されている最新の充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力を出力することとしてもよい。また、上記の実施形態では、電気自動車60の設定する充電条件で充電することとしたが、充電制御装置20により算出される充電ユニット30の運転可能台数や出力可能電力に基づいて、充電制御装置20が設定した充電条件により電気自動車60を充電するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 設備、3 交流電源、5 負荷、7 消費電力計測器、10 充電システム、12 総合充電システム、20 充電制御装置、30 充電ユニット、40 双方向変換ユニット、50 設備内蓄電池、60 電気自動車、62 車載用蓄電池、200 計測データ取得部、202 記憶部、202A 消費電力実績データ記憶部、202B 需要予測データ記憶部、202C 契約電力データ記憶部、202D 電気自動車充電パターン記憶部、202E 電気自動車充電フラグ記憶部、204 充電ユニット制御部、206 蓄電池制御部、208 電気自動車用通信部、210 出力可能電力決定部、210A 残時間判定部、210B 仮想契約電力算出部、210C 最大利用可能電力決定部、210D 運転可能台数算出部、210E 出力可能電力算出部、212 電気自動車充電制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、
前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、
前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含む
ことを特徴とする電気自動車の充電制御装置。
【請求項2】
前記電気自動車からの充電要求を受けた場合に、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に基づき算出される前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知する通知手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項3】
前記通知手段により前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知した後に前記電気自動車から指定された充電電圧及び充電電流を含む充電条件を受け付ける充電条件受付手段と、
前記充電条件受付手段により受け付けた充電条件に基づいて前記充電器を制御して前記電気自動車の車載用蓄電池を充電する充電制御手段と、をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項4】
前記設備は、前記1又は複数の充電器により充電される蓄電池をさらに含み、
前記通知手段は、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に当該充電器の電力容量を乗じた値に、前記蓄電池の蓄電容量を加えて算出した前記提供可能な充電電力を通知する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えていない場合には、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力とし、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えた場合には、前記契約電力を最大利用可能電力として、前記利用可能な充電器の台数を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記契約電力と前記判定対象期間の開始時点から所与の時点までの時間長を乗じた電力量から前記消費電力の総和を減じた値を、前記所与の時点から前記終了時点までの時間長で除して算出した余力電力と、前記契約電力との和を前記仮想契約電力として算出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記最大利用可能電力から、前記計測手段により計測された消費電力、前記契約電力、又は予め定められた予測消費電力のいずれかを減じた値に、予め定められた0以上1以下の重み係数を乗じた後に前記充電器の電力容量で除した商に基づいて、前記充電器の利用可能台数を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項8】
前記所与の時点は、前記電気自動車からの充電要求を受け付けた時点である
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項9】
電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測ステップと、
前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測ステップで計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出ステップと、
前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定ステップと、を含む
ことを特徴とする電気自動車の充電制御方法。
【請求項10】
電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器と、
前記1又は複数の充電器を制御する充電制御装置と、を含み、
前記充電制御装置は、
前記1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、
前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、
前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含む
ことを特徴とする電気自動車の充電システム。
【請求項1】
電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、
前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、
前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含む
ことを特徴とする電気自動車の充電制御装置。
【請求項2】
前記電気自動車からの充電要求を受けた場合に、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に基づき算出される前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知する通知手段をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項3】
前記通知手段により前記電気自動車に提供可能な充電電力を通知した後に前記電気自動車から指定された充電電圧及び充電電流を含む充電条件を受け付ける充電条件受付手段と、
前記充電条件受付手段により受け付けた充電条件に基づいて前記充電器を制御して前記電気自動車の車載用蓄電池を充電する充電制御手段と、をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項4】
前記設備は、前記1又は複数の充電器により充電される蓄電池をさらに含み、
前記通知手段は、前記決定手段により決定した利用可能な充電器の台数に当該充電器の電力容量を乗じた値に、前記蓄電池の蓄電容量を加えて算出した前記提供可能な充電電力を通知する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えていない場合には、前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力とし、前記所与の時点が前記判定対象期間において予め定められた時点を超えた場合には、前記契約電力を最大利用可能電力として、前記利用可能な充電器の台数を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記契約電力と前記判定対象期間の開始時点から所与の時点までの時間長を乗じた電力量から前記消費電力の総和を減じた値を、前記所与の時点から前記終了時点までの時間長で除して算出した余力電力と、前記契約電力との和を前記仮想契約電力として算出する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記最大利用可能電力から、前記計測手段により計測された消費電力、前記契約電力、又は予め定められた予測消費電力のいずれかを減じた値に、予め定められた0以上1以下の重み係数を乗じた後に前記充電器の電力容量で除した商に基づいて、前記充電器の利用可能台数を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項8】
前記所与の時点は、前記電気自動車からの充電要求を受け付けた時点である
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電気自動車の充電制御装置。
【請求項9】
電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測ステップと、
前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測ステップで計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出ステップと、
前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定ステップと、を含む
ことを特徴とする電気自動車の充電制御方法。
【請求項10】
電気自動車の車載用蓄電池を充電する1又は複数の充電器と、
前記1又は複数の充電器を制御する充電制御装置と、を含み、
前記充電制御装置は、
前記1又は複数の充電器を含む設備の消費電力を逐次計測する計測手段と、
前記設備の契約電力を判定する判定対象期間の開始時点から所与の時点までに前記計測手段により計測された消費電力の和に基づいて、前記判定対象期間の前記所与の時点から終了時点までに前記契約電力の範囲内で利用可能な電力を示す仮想契約電力を算出する算出手段と、
前記仮想契約電力と前記設備の電力設備容量のいずれか小さい方を最大利用可能電力として、前記設備に含まれる充電器のうち前記最大利用可能電力の下で利用可能な充電器の台数を決定する決定手段と、を含む
ことを特徴とする電気自動車の充電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−228041(P2012−228041A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92438(P2011−92438)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構、蓄電複合システム化技術開発/要素技術開発/既存都市再開発型スマートコミュニティモデル構築に向けた蓄電池利用技術及びエネルギーマネジメントシステムの開発実証「集合住宅における燃料電池、蓄電池を組み合わせたエネルギーマネージメント実証」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術開発機構、蓄電複合システム化技術開発/要素技術開発/既存都市再開発型スマートコミュニティモデル構築に向けた蓄電池利用技術及びエネルギーマネジメントシステムの開発実証「集合住宅における燃料電池、蓄電池を組み合わせたエネルギーマネージメント実証」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】
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