説明

電気調理装置

【課題】外部記憶素子からデータを読み込み活用するための操作が容易なように、外部記憶素子の装着部が設けられた電気調理装置を提供する。
【解決手段】内部の調理空間に通じる上面開口部を有する本体1と、本体に回動可能に支持され、上面開口部を開閉自在に覆う蓋体2と、調理空間での調理処理を機能させる調理処理部と、本体の表面部に上面開口部と隣接して配置され、調理処理部の動作を操作するための操作要素および表示要素が配置された操作・表示部3と、操作・表示部による操作および記憶されたプログラムに従って調理処理部の動作を制御する制御部11とを備える。操作・表示部の近傍に配置され、制御部と接続されるように外部記憶素子20を装着可能な外部記憶素子装着部21を更に備え、制御部は、装着された外部記憶素子に記憶された情報を用いて制御あるいは表示を行うことが可能なように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気炊飯器等の電気調理装置に関し、特に、調理動作を制御する制御部が、外部記憶素子に記憶されたデータを使用することが可能なように構成された電気調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気炊飯器等の電気調理装置では通常、制御部を構成するマイクロコンピュータにより、予め記憶されたプログラムに従って、加熱調理メニューの設定及び処理のための制御が実行される。マイクロコンピュータのプログラミングによって、ユーザーが電気調理装置に求める機能の多様化、高付加価値化に対応することが可能である。例えば電気炊飯器のような比較的少ない機能の電気調理装置にあっても、炊飯制御だけでなくパン焼き機能及び発酵機能等を備えた多機能のものが商品化されている。炊飯制御についても、米の種類(白米、分つき米、玄米等)に応じたきめ細かな炊飯メニューやおかゆ、おこわ等の種類の異なる炊飯メニューも用意されている。
【0003】
マイクロコンピュータによる制御に関しては更に、データ通信機能を利用してユーザーが機能の拡張又は変更を行うことが知られている。近年、インターネットが普及したことで、メーカーのホームページから、機器の取り扱い方法や調理方法等、種々のデータをダウンロードすることも一般的になった。従って、メーカーでの初期設定(調理レシピも含め)だけでは満足しないユーザーのために、調理レシピ・機器設定値等をダウンロードして製品にアップロードする機能を設けることが、例えば、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2006−290789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような機能の拡張は、データ通信により収集されるデータを、制御部を構成するマイクロコンピュータに転送するのではなく、USBメモリ、カードメモリ等の外部記憶素子を利用して行うことも可能である。すなわち、外部記憶素子に予めデータ通信によりデータを記憶させ、その外部記憶素子を調理装置に装着することにより、制御部のマイクロコンピュータがデータを取得して機能の拡張等の処理を行うことができる。
【0005】
そのような方法による機能の拡張を可能とするためには、電気調理装置に外部記憶素子を装着するための接続部を設ける必要がある。但し、電気調理装置は種々の使用者を想定する必要があるため、外部記憶素子装着部は、電気調理装置の操作との関係で活用し易い箇所に設ける必要がある。
【0006】
また、電気調理装置では、蓋の開閉時に調理空間から水滴が漏れる場合があるため、外部記憶素子装着部あるいは外部記憶素子自体の接続端子が、湿気・水滴等により汚損されるおそれがある。
【0007】
更に、外部記憶素子の装着時に、外部記憶素子に対して電気調理装置の動作等に起因する不測の電圧が印加され、データ破損や誤動作を招くおそれもある。あるいは、装着された外部記憶素子に力学的な負荷がかかり、機械構造的な損傷を受ける場合もある。
【0008】
従って本発明は、外部記憶素子からデータを読み込み活用するための操作が容易なように、外部記憶素子の装着部が設けられた電気調理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、外部記憶素子の装着時、あるいは装着中における、外部記憶素子に記憶されたデータの安全性や、機械構造的な損傷に対する安全性を確保可能なように外部記憶素子の装着部が設けられた電気調理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電気調理装置は、基本的な構成として、内部に調理空間が設けられ、前記調理空間に通じる上面開口部を有する本体と、前記本体に回動可能に支持され、前記上面開口部を開閉自在に覆う蓋体と、前記調理空間での調理処理を機能させる調理処理部と、前記本体の表面部に前記上面開口部と隣接して配置され、前記調理処理部の動作を操作するための操作要素および表示要素が配置された操作・表示部と、前記操作・表示部による操作および記憶されたプログラムに従って前記調理処理部の動作を制御する制御部とを備える。
【0011】
上記課題を解決するために、前記操作・表示部の近傍に配置され、前記制御部と接続されるように外部記憶素子を装着可能な外部記憶素子装着部を更に備え、前記制御部は、装着された前記外部記憶素子に記憶された情報を用いて制御あるいは表示を行うことが可能なように構成される。
【発明の効果】
【0012】
上記構成によれば、外部記憶素子が操作・表示部の近傍に装着されるので、外部記憶素子を接続した状態で表示を見ながらの操作が可能となり、外部記憶素子からデータを読み込み活用するための操作が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の電気調理装置は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0014】
すなわち、前記外部記憶素子装着部は、前記外部記憶素子の接続端子を挿入可能な接続口と、前記接続口の内部に設けられた前記外部記憶素子の接続端子と接続可能な端子部と、前記接続口を封鎖する位置と開放する位置とをとり得るカバー部材とを備えた構成とすることができる。この場合、前記外部記憶素子装着部は、装着された前記外部記憶素子が前記本体内に収容され、その状態で前記接続口を封鎖するように前記カバー部材を位置させることが可能な構成とすることができる。
【0015】
また、前記本体における前記操作・表示部に隣接した前側面は、庇状に張り出した傾斜面を形成し、前記外部記憶素子装着部は、前記本体の前側面の上部に配置され、前記外部記憶素子は、前記外部記憶素子装着部に装着された状態で、前記接続口から下方に向かって傾斜して突出する構成とすることができる。
【0016】
また、前記本体表面に、前記外部記憶素子装着部と前記上面開口部の間の領域を横切って凸部が形成された構成とすることができる。
【0017】
また、前記本体に回動可能な把手が設けられ、前記把手の最外縁の回動範囲が、前記外部記憶素子装着部に対向する位置に達しないように設定された構成とすることができる。
【0018】
また、前記本体に回動可能な把手が設けられ、前記把手の回動範囲が前記外部記憶素子装着部に装着された外部記憶素子に接触する位置に達しないように、前記把手の回動を規制する回動規制部が設けられた構成とすることができる。
【0019】
また、前記蓋体による前記上面開口部の閉鎖状態において前記蓋体を係止する蓋体保持機構と、前記蓋体保持機構による前記蓋体の係止を解除する開放レバーとを備え、前記制御部は、前記外部記憶素子装着部への前記外部記憶素子の装着の有無を検知し、前記外部記憶素子が装着された状態においては、前記開放レバーの操作が不能となるように制御することが好ましい。
【0020】
また、前記制御部は、前記外部記憶素子装着部への前記外部記憶素子の装着の有無を検知し、前記外部記憶素子が装着された状態においては、調理のための操作が不能なように制御することが好ましい。
【0021】
また、前記本体の振動を検知する振動センサを備え、前記外部記憶素子装着部に前記外部記憶素子が装着された状態において、前記振動センサが所定の大きさ以上の振動を検知したとき、前記制御部は警報を発する制御を行う構成とすることができる。
【0022】
以下、本発明の実施の形態における電気調理装置について、炊飯器の場合を例として、図面を参照しながら説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1Aは、本発明の実施の形態1における炊飯器を示す断面図である。炊飯器本体1は、容器収容のための開口部1aを有し、開口部1aを開閉自在に覆う蓋体2が設けられている。炊飯器本体1の上面部には、蓋体2に隣接して、操作・表示部3が設けられている。蓋体2は、ヒンジユニット4を介して炊飯器本体1に開閉自在に支持される。炊飯器本体1は、合成樹脂製の一体成形品からなる外ケース5を有し、この外ケース5の内部には、鍋6が着脱自在に装填される。
【0024】
鍋6の外側には、鍋6の形状に沿った保護枠である内ケース7が設けられている。内ケース7の底部中央にはセンサ挿入孔7aが形成され、センサ挿入孔7aを通してサーミスタからなる温度センサ8が、鍋6に臨むように配置されている。内ケース7の上端は、外ケース5の上端と肩部材9を介して一体的に結合され、外ケース5、内ケース7、及び肩部材9に囲まれた内部に空間部10が形成されている。内ケース7の外側には、鍋6を誘導加熱するための誘導コイル(図示省略)が設けられている。
【0025】
炊飯器本体1の上面部には、蓋体2の設けられた開口に隣接して、操作・表示部3の下部に、炊飯器の動作を制御する制御部11が配置されている。制御部11は、マイクロコンピュータ等が搭載された回路基板により構成されている。マイクロコンピュータは、予め記憶されたプログラムにしたがって炊飯器全体の制御を実行する。制御部11には、温度センサ8の出力信号により温度を検出するための温度検出回路や、ブザー、電源回路等も搭載されている。
【0026】
制御部11により、炊き上がりの報知やキー操作音等のために鳴動するブザーや、操作・表示部3も制御される。制御部11による各種制御は、フラッシュメモリ、EEPROM等の、書き換え可能な不揮発性メモリーで構成されたメモリに記憶されたプログラムにしたがって実行される。
【0027】
蓋体2は、中央部に蒸気排出口12を有し、蓋体2の図示したように閉じた状態において、蓋体2のシールパッキンが鍋6の口縁部に上方から圧接されて鍋6を密閉し、炊飯や保温を行う状態となる。また、蓋体2は、この閉鎖状態で炊飯器本体1に係止され、その係止状態は開放レバー13により解除される。
【0028】
操作・表示部3の平面図を図1Bに示す。操作・表示部3には、各種のスイッチ14〜18、および液晶表示部19が設けられている。各種のスイッチ14〜18は、炊飯スイッチ、保温スイッチ、各種メニューを設定するメニュースイッチ、時間を設定するタイマースイッチ等を含む。
【0029】
本実施の形態では、図1Aに示すように炊飯器本体1の上面の外縁部に、外部記憶素子であるUSBメモリ20を装着するための、外部記憶素子装着部21が設けられている。外部記憶素子装着部21は、図1Bに示すように操作・表示部3内に配置されている。但し、操作・表示部3内でなくとも、操作・表示部3の近傍領域に配置されればよい。USBメモリ20等の着脱可能な外部記憶素子を、操作・表示部3の近傍に装着可能とすることにより、外部記憶素子を接続した状態で表示を見ながらの操作が可能となる。
【0030】
外部記憶素子装着部21は、接続口22およびカバー部材23からなり、カバー部材23は、支軸24により回動可能に支持されている。図1Bは、USBメモリ20が装着されていない状態を示している。接続口22の内部には接続端子(図示せず)が配置され、図1Aに示したようにUSBメモリ20が装着されることにより、USBメモリ20の端子と接続される。
【0031】
カバー部材23は接続口22を保護する機能のために設けられ、回動して、図1Bに示す開放状態と、図示しないが、接続口22を閉鎖する状態をとることができる。図1BのようにUSBメモリ20が装着されていない状態で、カバー部材23を封鎖する状態にすれば、接続口22からの水滴、塵埃等の侵入を防ぐことができる。接続口を保護するカバー部材は、回動により開閉する形態に限らず、スライドにより開閉されるシャッター形態とすることもできる。
【0032】
USBメモリ20は、例えばインターネット上のウェブサーバーから取得したデータを記憶させた状態で装着される。電気調理装置の制御部11は、USBメモリ20からデータを読み込み、そのデータに基づいて機能の拡張又は変更を行うことができる。なお、USBメモリ20のデータは、制御部11に転送された後、炊飯器本体1内のメモリに格納して、USBメモリ20を取り外した後も利用可能とすることが望ましい。また、外部記憶素子はUSBメモリーに限られず、メモリーカード等の他の記憶素子を用いても良い。
【0033】
USBメモリ20から受取ったデータを、制御部11のメモリのお気に入りフォルダに格納し、お気に入りから調理開始することができるように構成することもできる。それにより、各ユーザ固有のレシピを一番先に表示させて、使い易く設定することができる。
【0034】
図2Aは、本実施の形態における炊飯器の他の態様を示す断面図である。概ね図1Aに示した炊飯器と同様の構成であり、外部記憶素子装着部25の構成のみが相違するので、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
【0035】
この外部記憶素子装着部25は、外部記憶素子としてメモリーカードを用いる場合に適用される構成を有し、2つのメモリーカード26a、26bを装着可能である。外部記憶素子装着部25には、メモリーカード26a、26bを挿入可能な接続口27a、27bが設けられ、接続口27a、27bの内部には、メモリーカード26a、26bの接続端子と接続可能な端子部(図示せず)が設けられている。図2Aに示されるように、装着されたメモリーカード26a、26bは、本体1内に収容された状態になる。
【0036】
カバー部材28は、2つの接続口27a、27bの双方を含む領域を覆って閉鎖することが可能である。接続口27a、27bの周囲には、シール部材29が設けられている。カバー部材28には、閉鎖状態でシール部材29に対向する位置に、シール押圧突条30が形成されている。カバー部材28を閉鎖した状態で、シール部材29をシール押圧突条30が押圧することにより密閉効果が得られ、ほこり・湿気・水滴等の侵入を防止して、接続口27a、27bを保護する効果を向上させることができる。
【0037】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における炊飯器を示す断面図である。この炊飯器の構成は、概ね図1Aに示したものと同様であり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
【0038】
本実施の形態では、炊飯器本体1における操作・表示部3に隣接した前側面1bが、庇状に張り出した傾斜面を形成している。外部記憶素子装着部31は、炊飯器本体1の前側面1bの上部に配置されている。従って、USBメモリ20は、外部記憶素子装着部31に装着された状態で、接続口32から下方に向かって傾斜した状態になる。
【0039】
この構成によれば、炊飯器本体1の開口部1aから漏れた水滴が、外部記憶素子装着部31の位置まで到達し難い形状となる。また、塵埃も接続口32から侵入し難い状態となる。従って、外部記憶素子装着部を操作・表示部3の領域内に配置した場合と比べて、水滴、塵埃等からの接続口32の保護が容易である。
【0040】
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3における炊飯器を示す断面図である。この炊飯器の構成は、概ね図1Aに示したものと同様であり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
【0041】
本実施の形態では、図1Aと同様の外部記憶素子装着部21が設けられている。但し、炊飯器本体1の表面に、外部記憶素子装着部21と上面開口部1aの間の領域を横切って、壁状に凸部33が形成されている。凸部33は、炊飯器本体1の開口部1aから漏れた水滴が、外部記憶素子装着部21の位置に向かって流れることを阻止するように構成されている。これにより、外部記憶素子装着部21を水滴から保護する効果が得えられる。
【0042】
(実施の形態4)
図5は、実施の形態4における炊飯器を示す側面図である。通常の炊飯器と同様、炊飯器本体1の側部に、把手34が回動可能に取り付けられている。把手34は、炊飯器を運搬するためのものであり、図5Aは、非運搬時に折りたたまれた状態を示す。本実施の形態は、外部記憶素子が装着された状態で炊飯器本体1の表面から突出する構成の場合に、把手34を操作することにより外部記憶素子が損傷を受けるおそれを解消することを意図したものである。
【0043】
把手34の最外縁は、可能な範囲で回動させたときに破線35で示すような軌跡を描く。図示されたとおり、装着されたUSBメモリ20は、破線35で示された軌跡から離れた位置に装着されている。すなわち、把手34の最外縁の回動範囲は、外部記憶素子装着部21に対向する位置に達しないように設定されている。従って、把手34を回動させても、USBメモリ20が損傷を受けるおそれがない。
【0044】
図6は、本実施の形態における炊飯器の他の構成を示す側面図である。この構成では、把手34の回動範囲が、外部記憶素子装着部21に装着されたUSBメモリ20に接触する位置に達しないように、把手34の回動を規制する回動規制部36が設けられている。これにより、把手34の回動によりUSBメモリ20が損傷を受けるおそれが解消される。
【0045】
(実施の形態5)
図7は、実施の形態5における炊飯器を示す断面図である。この炊飯器の構成は、概ね図1Aに示したものと同様であり、同一の要素については同一の参照符号を付して、説明の繰り返しを省略する。
【0046】
蓋体2は、開口部1aを閉鎖した状態において、開放方向への回動が不能なように蓋体保持機構37により炊飯器本体1に係止される。この蓋体保持機構37による係止状態は、開放レバー13を押下することにより解除され、蓋体2は上方に回動して開口部1aを開放する。
【0047】
本実施の形態においては、外部記憶素子装着部21にUSBメモリ20が装着された状態では、開放レバー13の操作が不能となるように制御される。すなわち、開放レバー13の下部に制止部材38が配置され、制御部11は、USBメモリ20が装着された状態を検知して、その検知信号に基づき制止部材38の動作を制御する。USBメモリ20が装着されていない状態では、制止部材38の変位は自由であり、制止部材38は開放レバー13の押下に伴い変位する。USBメモリ20が装着された状態では、制止部材38は、図示したように開放レバー13の下部に対向した状態に固定され、開放レバー13の下方への動きが制止される。
【0048】
このように、USBメモリ20が装着された状態では蓋体2が開放されないように制御することにより、蓋体2の開放により開口部1aから水滴が漏洩して、USBメモリ20の接続部に侵入することが防止される。
【0049】
(実施の形態6)
実施の形態6における炊飯器は、機械的な構造は図1Aに示したものと同様であり、図1Aを参照して説明する。本実施の形態では、外部記憶素子装着部21に装着されたUSBメモリ20等の外部記憶素子を保護するために、電気的な動作に対する制御が行われる。
【0050】
すなわち、制御部11は、USBメモリ20が装着された状態を検知し、その検知信号に基づき、USBメモリ20が装着された状態においては、調理のための操作が不能なように制御する。それにより、USBメモリ20のデータ破損や、誤動作を防止することができる。また、USBメモリ20が装着された状態で、操作・表示部3のスイッチが操作された場合に、警報を発するように制御することもでき、データ破損や、誤動作の防止に効果的である。
【0051】
また、他の構成として、炊飯器本体1の振動を検知する振動センサ(図示せず)を備える。制御部11は、振動センサの出力に基づき、USBメモリ20が装着された状態において、所定の大きさ以上の振動を検知したときには、警報を発するように制御を行う。例えば、炊飯器を移動させようとした場合に、相当な振動が発生した場合に警報を発して、取り扱いに注意を促す。
【0052】
USBメモリ20等の記憶素子は振動に弱いものであり、装着時に振動が加わるとデータ破損や、誤動作が発生し易くなる。従って、この構成により振動を与えることを回避することは、記憶素子の安全のために好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の電気調理装置は、外部記憶素子からデータを読み込み活用するための操作が容易なように、外部記憶素子の装着部が設けられており、電気炊飯器、電気ポット等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1A】実施の形態1における電気調理装置の一例である炊飯器の断面図
【図1B】同炊飯器の操作・表示部を示す平面図
【図2A】実施の形態1における電気調理装置の他の例である炊飯器の断面図
【図2B】同炊飯器の操作・表示部を示す平面図
【図3】実施の形態2における電気調理装置の一例である炊飯器の断面図
【図4】実施の形態3における電気調理装置の一例である炊飯器の断面図
【図5】実施の形態4における電気調理装置の一例である炊飯器の側面図
【図6】実施の形態4における電気調理装置の他の例である炊飯器の側面図
【図7】実施の形態5における電気調理装置の一例である炊飯器の断面図
【符号の説明】
【0055】
1 炊飯器本体
1a 開口部
2 蓋体
3 操作パネル
4 ヒンジユニット
5 外ケース
6 鍋
7 内ケース
7a センサ挿入孔
8 温度センサ
9 肩部材
10 空間部
11 制御部
12 蒸気排出口
13 開放レバー
14〜18 スイッチ
19 液晶表示部
20 USBメモリ
21、25、31 外部記憶素子装着部
22、27a、27b、32 接続口
23、28 カバー部材
24 支軸
26a、26b メモリーカード
29 シール部材
30 シール押圧突条
33 凸部
34 把手
35 破線
36 回動規制部
37 蓋体保持機構
38 制止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に調理空間が設けられ、前記調理空間に通じる上面開口部を有する本体と、
前記本体に回動可能に支持され、前記上面開口部を開閉自在に覆う蓋体と、
前記調理空間での調理処理を機能させる調理処理部と、
前記本体の表面部に前記上面開口部と隣接して配置され、前記調理処理部の動作を操作するための操作要素および表示要素が配置された操作・表示部と、
前記操作・表示部による操作および記憶されたプログラムに従って前記調理処理部の動作を制御する制御部とを備えた電気調理装置において、
前記操作・表示部の近傍に配置され、前記制御部と接続されるように外部記憶素子を装着可能な外部記憶素子装着部を更に備え、前記制御部は、装着された前記外部記憶素子に記憶された情報を用いて制御あるいは表示を行うことが可能なように構成されたことを特徴とする電気調理装置。
【請求項2】
前記外部記憶素子装着部は、前記外部記憶素子の接続端子を挿入可能な接続口と、前記接続口の内部に設けられた前記外部記憶素子の接続端子と接続可能な端子部と、前記接続口を封鎖する位置と開放する位置とをとり得るカバー部材とを備えた請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項3】
前記外部記憶素子装着部は、装着された前記外部記憶素子が前記本体内に収容され、その状態で前記接続口を封鎖するように前記カバー部材を位置させることが可能である請求項2に記載の電気調理装置。
【請求項4】
前記本体における前記操作・表示部に隣接した前側面は、庇状に張り出した傾斜面を形成し、
前記外部記憶素子装着部は、前記本体の前側面の上部に配置され、
前記外部記憶素子は、前記外部記憶素子装着部に装着された状態で、前記接続口から下方に向かって傾斜して突出する請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項5】
前記本体表面に、前記外部記憶素子装着部と前記上面開口部の間の領域を横切って凸部が形成されている請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項6】
前記本体に回動可能な把手が設けられ、前記把手の最外縁の回動範囲が、前記外部記憶素子装着部に対向する位置に達しないように設定されている請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項7】
前記本体に回動可能な把手が設けられ、前記把手の回動範囲が前記外部記憶素子装着部に装着された外部記憶素子に接触する位置に達しないように、前記把手の回動を規制する回動規制部が設けられている請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項8】
前記蓋体による前記上面開口部の閉鎖状態において前記蓋体を係止する蓋体保持機構と、
前記蓋体保持機構による前記蓋体の係止を解除する開放レバーとを備え、
前記制御部は、前記外部記憶素子装着部への前記外部記憶素子の装着の有無を検知し、前記外部記憶素子が装着された状態においては、前記開放レバーの操作が不能となるように制御する請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記外部記憶素子装着部への前記外部記憶素子の装着の有無を検知し、前記外部記憶素子が装着された状態においては、調理のための操作が不能なように制御する請求項1に記載の電気調理装置。
【請求項10】
前記本体の振動を検知する振動センサを備え、
前記外部記憶素子装着部に前記外部記憶素子が装着された状態において、前記振動センサが所定の大きさ以上の振動を検知したとき、前記制御部は警報を発する制御を行う請求項1に記載の電気調理装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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