説明

電池パック、及び、電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法

【課題】簡単な構造、構成で改造電池パックの製造を防止することができる電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法を提供する。
【解決手段】(A)複数の二次電池20、及び、(B)複数の格納部41を有し、各格納部41に二次電池20を収納した筐体40を備え、非導電材料から成る二次電池20の外面には導電部材30が取り付けられており、各格納部41には少なくとも2つの検出部42が設けられており、格納部41における二次電池20の格納状態に依存して、2つの検出部42が導電部材と接触状態となり、若しくは、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法において、各二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べ、予め求めておいた導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、導通・非導通初期値を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック、及び、電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックは、携帯電話やデジタルスチルカメラ、携帯ゲーム機、ノート型パーソナルコンピュータ、電動工具等、多様なポータブル機器に既に使用されている。そして、現在、これに留まらず、電動アシスト自転車や電気自動車、更には、家庭用蓄電装置等の、より高出力、高容量を要求される分野に使用されつつある。
【0003】
電池パックに組み込まれた二次電池として、現在、最も主力的に用いられているものの1つに、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、充電により繰返し使用できる、高電圧出力である、高エネルギー密度である、自己放電が少ない、長寿命であるといった多数の特徴により、非常に広い範囲で使用されている。但し、可燃物を含有しており、その取扱いに十分な注意が必要とされる。また、より高出力、高容量という機器の要求に対応するため、二次電池(単セル)を多直列接続や多並列接続とし、電池パック(組電池)の形態で使用されるケースも増加しており、より正しく取り扱うことが求められている。更には、機器に装着された電池パックが、機器にとって安全に使用できるものか否かを判断するために、機器と電池パック間で認証行為を行う電池認証システムが多く導入されている。そして、適切な電池パックを使用しているか、適切な保護回路を有しているか等を含め、種々の認証方法で不適切な電池パックの使用を規制することが可能となっている。
【0004】
ところで、使用済みの電池パックを分解して二次電池を取り出し、この二次電池を別の電池パックに組み込むことにより、所謂改造電池パックが製造され、流通されることが懸念されている。このような改造電池パックにおいては、不適切な二次電池が組み合わされることで、不所望の過充電や過放電等が発生する虞があり、安全性に問題が生じ易い。そこで、このような改造電池パックを不認証としたり、改造電池パックが実質的に機能しないようにすることで、改造電池パックの製造や流通を適正に抑止することが、強く望まれている。
【0005】
このような改造防止を目的とした電池パックとして、所定の情報を記録したICタグが設けられた電池パックが、例えば、特開2006−324075から周知である。また、電池を外装ケースから離脱させたことが証明される剥離認識機能を有する剥離認識テープが電池からその隣接部材に跨がって貼着された電池パックが、特開2005−353518から周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−324075
【特許文献2】特開2005−353518
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開2006−324075に開示された技術にあっては、ICタグを用いているので、電池パックの製造コストが増加するといった問題があるし、ICタグを破壊しないように電池パックが分解された場合には、改造防止に対して無力となってしまう。また、特開2006−324075に開示された技術にあっては、電池パックから電池を取り出し、改造電池パックを製造することを防止することができない。
【0008】
従って、本発明の目的は、簡単な構造、構成で改造電池パックの製造を防止することができる電池パック、及び、係る電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る電池パックは、
(A)複数の二次電池、及び、
(B)複数の格納部を有し、各格納部に二次電池を収納した筐体、
を備えており、
非導電材料から成る二次電池の外面には、導電部材が取り付けられており、
各格納部には、少なくとも2つの検出部が設けられており、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、若しくは、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法は、上記の本発明の第1の態様に係る電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法であって、
各二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、予め求めておいた導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、導通・非導通初期値を変更する。
【0011】
あるいは又、上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る電池パックは、
(A)複数の二次電池、
(B)複数の格納部を有し、各格納部に二次電池を収納した筐体、及び、
(C)検査回路、
を備えており、
非導電材料から成る二次電池の外面には、導電部材が取り付けられており、
各格納部には、少なくとも2つの検出部が設けられており、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、若しくは、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となり、
検査回路は、各二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、予め求めておいた導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、導通・非導通初期値を変更する。
【発明の効果】
【0012】
本発明にあっては、非導電材料(絶縁材料)から成る二次電池の外面には導電部材が取り付けられており、各格納部には少なくとも2つの検出部が設けられているといった、簡単な構造、構成を有する電池パックであるにも拘わらず、二次電池の取り出し、再格納を認識することができるので、二次電池を不正に交換しようとするといった電池パックの改造を、適切に、しかも、容易に検出することができ、改造電池パックの製造を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1の(A)、並びに、(B)及び(C)は、実施例1の電池パックを構成する筐体の部分の模式的な断面図、並びに、円筒型二次電池の模式的な斜視図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、それぞれ、電池パックの模式的な斜視図、及び、電池パックの蓋を外した状態の模式図である。
【図3】図3の(A)〜(F)は、実施例1の電池パックにおける二次電池の配置状態と、検出部と導電部材との接触状態を模式的に示す図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1の電池パックにおける検査回路等の概念図、及び、検査用信号の出力等を示す図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、変更前後の導通・非導通初期値を概念的に示す図である。
【図6】図6の(A)及び(B)は、本体部、閉鎖部材等の模式的な一部断面図である。
【図7】図7の(A)〜(D)は、角筒型二次電池の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の第1の態様及び第2の態様に係る電池パック、並びに、本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の第1の態様及び第2の態様に係る電池パック、並びに、本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法)、その他
【0015】
[本発明の第1の態様及び第2の態様に係る電池パック、並びに、本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法、全般に関する説明]
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る電池パック、又は、本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法での電池パック(以下、これらを総称して、便宜上、『本発明の電池パック等』と呼ぶ場合がある)にあっては、格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる確率が所定の値となるように、二次電池の外面に導電部材が取り付けられている形態とすることができる。ここで、確率の所定の値として0.5を例示することができる。尚、実際に電池パックを組み立てたとき、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる割合は、あくまでも確率に依ることは云うまでもない。要は、格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる確率が、例えば0.5となるように、「二次電池の外面に導電部材を取り付ける」ことを意図している。
【0016】
このような好ましい形態を含む本発明の電池パック等にあっては、格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる確率が所定の値となるように、各格納部に2つ以上の検出部が設けられている形態とすることができる。ここで、確率の所定の値として0.5を例示することができる。尚、実際に電池パックを組み立てたとき、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる割合は、あくまでも確率に依ることは云うまでもない。要は、格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる確率が、例えば0.5となるように、「各格納部に2つ以上の検出部を設ける」ことを意図している。
【0017】
以上の好ましい形態を含む本発明の電池パック等にあっては、非導電材料(絶縁材料)から成る二次電池の外面には、導電部材と外観が同じ非導電部材が取り付けられている構成とすることができる。このようなダミーとしての非導電部材を取り付けることによって、導電部材と非導電部材とが見分け難くなり、改造電池パックの製造防止を一層効果的に抑制することができる。
【0018】
更には、以上の好ましい形態、構成を含む本発明の電池パック等にあっては、
記憶手段を更に備え、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となっている二次電池、及び、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となっている二次電池を、データとして記憶手段に記憶する形態とすることができる。尚、この場合、二次電池の数をNとしたとき、前記データは、例えば、Nビットのデータである構成とすることができる。具体的には、例えば、2つの検出部が導電部材と接触状態となっている二次電池をデータ「1」あるいはデータ「0」とし、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となっている二次電池をデータ「0」あるいはデータ「1」として、「1」及び「0」から構成されたデータ列を記憶手段に記憶する形態とすることができる。尚、3つの検出部を設ける場合、2Nビットのデータ列となる。
【0019】
更には、以上の好ましい形態、構成を含む本発明の電池パック等にあっては、格納部に二次電池を収納したとき、導電部材は視認できない構成とすることが好ましい。更には、以上の好ましい形態、構成を含む本発明の電池パック等において、導電部材あるいは非導電部材は、導電材料あるいは非導電材料(絶縁材料)から成るシール部材である構成とすることができる。
【0020】
以上の好ましい形態、構成を含む本発明の電池パック等から構成された電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法(以下、係る検査方法を、便宜上、『本発明の検査方法』と呼ぶ場合がある)にあっては、あるいは又、本発明の第2の態様に係る電池パックにあっては、格納部からの二次電池の取り出しによって導通・非導通初期値の不一致が発生する形態とすることができる。そして、この場合、格納部から二次電池を取り出し、その後、この格納部に二次電池が格納された場合、この二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、変更された導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、電池パックの機能を停止させる形態とすることができる。
【0021】
以上に説明した好ましい形態を含む本発明の検査方法あるいは本発明の第2の態様に係る電池パックにあっては、
電池パックは、記憶手段を更に備え、
予め、全ての二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、その結果を、導通・非導通初期値として記憶手段に記憶する構成とすることができる。
【0022】
更には、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の検査方法、あるいは又、本発明の第2の態様に係る電池パックにあっては、各二次電池における検出部間の導通・非導通状態を所定の時間間隔で調べる形態とすることができる。
【0023】
また、格納部から二次電池を取り出し、その後、この格納部に二次電池が格納された場合、この二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、変更された導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、所定の条件下、全ての二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、その結果を、新たな導通・非導通初期値とし、電池パックの機能停止を解除する形態とすることもできる。
【0024】
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る電池パック、又は、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法(以下、これらを総称して、単に、『本発明』と呼ぶ場合がある)にあっては、格納部には、最低、2つの検出部を設ければよく、場合によっては、3つ以上の検出部を設けてもよい。検出部は、例えば、格納部から突出し、導電材料から成るピン状の突出部から構成することができる。
【0025】
二次電池としてリチウムイオン二次電池を挙げることができるが、これに限定するものではなく、要求される特性に応じて、適宜、使用する二次電池の種類を選択すればよい。二次電池の構成、構造は、周知の構成、構造とすることができるし、二次電池の形状も、周知の円筒型、角型とすることができる。複数の格納部を有する筐体は、非導電材料(絶縁材料)、例えば、プラスチック材料から構成することができる。格納部、検出部、及び、検出部から筐体の外側に延びる配線を備えた筐体を、一体的に成形することで得ることができる。各格納部への二次電池の収納は、機械を用いて自動的に行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0026】
検出部から筐体の外側に延びる配線は、電池パックに備えられた検査回路に接続される。検査回路は、上記の記憶手段(例えば、EEROMから成る)を備えている。また、検査回路は、MPUやプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)を更に備えている。検査回路の電源は、電池パックを構成する二次電池とすればよい。検査回路から検出部には、パルス状の検査用信号を送り出せばよい。あるいは又、全検出部に、検査信号として同一の信号を一斉に送る構成とすることもできる。電池パックには、周知の電池保護回路が備えられている。電池パックの機能を停止させるためには、この電池保護回路を作動させればよい。
【0027】
本発明における電池パックは、例えば、電気自動車(EV)、電動オートバイ、電動アシスト自転車、電動工具、ホームエネルギーサーバ(家庭用蓄電装置)、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、カムコーダ、音楽プレーヤ、医療機器、玩具等に適用することができる。
【実施例1】
【0028】
実施例1は、本発明の第1の態様及び第2の態様に係る電池パック、並びに、本発明の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法に関する。実施例1の電池パックを構成する筐体の部分の模式的な断面図を図1の(A)に示し、円筒型二次電池の模式的な斜視図を図1の(B)及び(C)に示す。また、電池パックの模式的な斜視図、及び、電池パックの蓋を外した状態の模式図を、図2の(A)及び(B)に示し、実施例1の電池パックにおける二次電池の配置状態と、検出部と導電部材との接触状態を模式的に図3の(A)〜(F)に示す。更には、実施例1の電池パックにおける検査回路等の概念図及び検査用信号の出力等を示す図を、図4の(A)及び(B)に示し、変更前後の導通・非導通初期値を概念的に図5の(A)及び(B)に示す。
【0029】
実施例1の電池パック10は、
(A)複数の二次電池20、及び、
(B)複数の格納部41を有し、各格納部41に二次電池20を収納した筐体40、
を備えており、更には、検査回路(検査手段、検査装置)50を備えている。
【0030】
そして、非導電材料から成る二次電池20の外面には、導電部材30が取り付けられている。具体的には、二次電池20の外面を構成する非導電材料は、ポリオレフィン樹脂から成り、導電部材30は、アルミニウムといった導電材料から成るシール部材、即ち、裏面に粘着剤層が形成された帯状の部材から構成されており、二次電池20の外面に貼り付けられている。尚、場合によっては、非導電材料から成る二次電池20の外面に、導電部材30と外観が同じであって、表面がアルマイト処理されたアルミニウムといった非導電部材31から成るシール部材を取り付け(貼り付け)てもよい(図7の(C)参照)。
【0031】
また、各格納部41には、少なくとも2つの(実施例1にあっては、具体的には、2つの)検出部42が設けられており、格納部41における二次電池20の格納状態に依存して、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となり(図1の(B)参照)、若しくは、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となる(図1の(C)参照)。
【0032】
ここで、二次電池20は、周知の円筒型のリチウムイオン二次電池から成る。そして、電池パック10にあっては、3つの二次電池20が並列接続され、係る並列接続された二次電池群が7つ、直列接続されている。検出部42は、格納部41から突出した金属製の(具体的には、例えば、ニッケル・金メッキされた鉄製の)ピン状の突出部から構成されている。複数の格納部41を有する筐体40は、ABS樹脂といったプラスチック材料から構成されている。格納部41、検出部42、及び、検出部42から筐体40の外側に延びる配線43を備えた筐体40を、一体的に成形することで得ることができる。格納部41に二次電池20を収納したとき、導電部材30は視認できない(図1の(A)参照)。このような構成とすることで、格納部41に格納された二次電池20の導通状態/非導通状態を外部から視認することができず、二次電池20の導通状態/非導通状態を確認するためには、格納部41から二次電池20を取り出さなければならなくなり、導通状態であった場合、必ず、非導通状態に変化させることができる。
【0033】
検出部42から筐体40の外側に延びる配線43は、電池パック10に備えられた検査回路50に接続されている。検査回路50は、EEROMから成る記憶手段51を備えている。また、検査回路50は、更に、MPU52やプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)53を備えている。検査回路50の電源を、電池パック10を構成する二次電池20としている。検査回路50から(より具体的には、PLD53から)検出部42にパルス状の検査用信号を送り出す。パルス状の検査用信号とすることで、導通状態/非導通状態をどのように監視しているか、外部からの解析が格段に難くなる。電池パック10には、周知の電池保護回路54が備えられている。具体的には、電池保護回路54はヒューズから成り、電池パック10の機能を停止させるためには、この電池保護回路54を作動させる。即ち、MPU52の制御下、ヒューズを溶断すればよい。あるいは又、電池保護回路54に備えられた過放電防止スイッチや過充電防止スイッチの機能を停止させてもよい。但し、電池保護回路54は、このような構成に限定するものではない。
【0034】
格納部41における二次電池20の格納状態に依存して、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となる確率が所定の値、具体的には、0.5となるように、二次電池20の外面に導電部材30が取り付けられている。より具体的には、概念図を図3の(A)に示すように、円筒型の二次電池20の外面の円周に沿って、270度に相当する長さの領域に、導電部材30が貼り付けられている。更には、格納部41における二次電池20の格納状態に依存して、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となる確率が所定の値、具体的には、0.5となるように、各格納部41に2つ以上の検出部42が設けられている。より具体的には、2つの検出部42は、円筒型の二次電池20の外面の円周に沿って90度、離れた位置に配置されている。
【0035】
このような配置状態において、図3の(A)に示す状態(『配置状態0度』と呼ぶ)にあっては、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となる。また、二次電池20が、『配置状態0度』から時計方向に90度、回転した『配置状態90度』、『配置状態0度』から時計方向に180度、回転した『配置状態180度』までにあっては、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となる(図3の(B)、(C)参照)。この『配置状態180度』を越えて、二次電池20が時計方向に回転させられると、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となる(図3の(D)参照)。そして、『配置状態270度』では、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となるが(図3の(E)参照)、この『配置状態270度』以外の状態であって、『配置状態360度』未満の状態にあっては、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となる(図3の(F)参照)。
【0036】
実施例1の電池パック10にあっては、21個の二次電池20のそれぞれを、格納部41に格納していく。このときの配置状態が、図3の(A)に示した『配置状態0度』から時計方向に何度になるかは、本質的に任意(ランダム)であり、単に、どのように格納されたかに依る。あるいは又、予め、乱数に基づき決定された「0」,「1」のデータ列に基づき、21個の二次電池20のそれぞれを格納部41に格納してもよい。また、非導電材料から成る二次電池20の外面への導電部材30の取付けも、任意(ランダム)とする。全ての二次電池20が格納部41に格納されたならば、格納部41を電池パック10の本体部11の内部に納め、その上方に、MPU52等が取り付けられたプリント配線板55を本体部11に適切な方法で取り付け(図2の(B)参照)、本体部11に閉鎖部材(具体的には、蓋)12を被せ、本体部11に設けられた固定部(例えば、タップ部14Bが設けられたブッシュ14A)に固定用部材(例えば、ネジ)13を螺合させる(図2の(A)及び(B)参照)。尚、参照番号15は、本体部11の側壁に貼り付けられた識別標識(シリアルID、バーコード)であり、参照番号16は出力部である。尚、電池パック10は、二次電池の充放電を制御するための周知の制御回路を備えているが、この制御回路の図示は省略している。本体部11の形状は、本質的に任意であるが、実施例1においては、直方体とした。本体部11へ複数の二次電池20を出し入れするための開口部が、本体部11の頂面に設けられており、閉鎖部材12はこの開口部を塞いでいる。但し、開口部は、本体部11の側面に設けてもよいし、本体部11の底面に設けてもよい。
【0037】
そして、電池パック10を組み立てた後、検査回路50を作動させて、具体的には、MPU52、PLD53を作動させて、検出部42に、パルス状の検査用信号を、順次、送り出す(図4の(A)及び(B)参照)。そして、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となっている二次電池20、及び、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となっている二次電池20を検出し、これらの全ての二次電池20の接触状態を、データとして、具体的には、導通・非導通初期値として、記憶手段51に記憶する。導通・非導通初期値を暗合化して記憶手段51に記憶してもよい。ここで、二次電池20の数(N)が21であるので、このデータは21ビットのデータである。具体的には、例えば、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となっている二次電池20をデータ「1」とし、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となっている二次電池20をデータ「0」としたとき、「1」及び「0」から構成された21のデータのデータ列を記憶手段51に記憶する。この導通・非導通初期値を構成するデータ列は、本質的に任意の(ランダムな)データ列となる。尚、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となっている二次電池20を、便宜上、『接触状態の二次電池』と呼び、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となっている二次電池20を、便宜上、『非接触状態の二次電池』と呼ぶ。
【0038】
そして、実施例1の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法にあっては、各二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べ、上述したように予め求めておいた導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、導通・非導通初期値を変更する。
【0039】
具体的には、各二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を所定の時間間隔で調べる。尚、このような各二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べるといった動作を、例えば、図6の(A)及び(B)に本体部11、閉鎖部材(蓋)12等の模式的な一部断面図を示すように、本体部11に設けられた固定部(タップ部14Bが設けられたブッシュ14A)から固定用部材(ネジ)13が外されたことを検出することをトリガーとして開始してもよい。例えば、タップ部14Bが設けられたブッシュ14Aから固定用部材13が外されることでブッシュ14Aと固定用部材13との間の導通が無くなることを検出するといった方法で、ブッシュ14Aから固定用部材13が外されたことを検出することができる。
【0040】
具体的には、本体部11は、非導電材料(絶縁材料)、例えば、プラスチック材料から成る。そして、本体部11の固定用部材13を取り付ける固定部には、導電材料、具体的には、金属や合金(より具体的にはステンレス鋼)から成るブッシュ14Aが取り付けられている。ブッシュ14Aは、第1の配線17、及び、図示しないコネクターを介して検査回路50に接続されている。尚、第1の配線17はブッシュ14Aに溶接にて取り付けられている。ブッシュ14Aは、固定用部材13と係合する。ブッシュ14Aと本体部11とを一体的に成形することで得ることができる。また、閉鎖部材12は、非導電材料(絶縁材料)、例えば、プラスチック材料から成る。閉鎖部材12に取り付けられた固定用部材13は、第2の配線18A,18B、更には、図示しない配線を介して検査回路50に接続されている。具体的には、固定用部材13は、第2の配線18A,18B及び図示しない配線を介して接地されており、この図示しない配線の一端は、ステンレス鋼から成る取付用ネジ(図示せず)によって第1の配線18Aに電気的に接続されている。第2の配線の一部18Bには、固定用部材13を通すための貫通孔19が設けられている。第2の配線18A,18Bと閉鎖部材12とを一体的に成形することで得ることができる。固定用部材13は、導電材料(例えば、金属や合金)から作製されたネジ、具体的には、ステンレス鋼のネジから成る。
【0041】
そして、このようなトリガーに基づき、より具体的には、検査回路50に備えられた図示しないタイマーの作動に基づき、MPU52、PLD53を作動させて、各格納部41における検出部42に、パルス状の検査用信号を、順次、送り出す。そして、接触状態の二次電池20、及び、非接触状態の二次電池20を検出する。所定の時間間隔として、1秒を例示することができるが、このような値に限定するものではない。このような時間間隔とすれば、格納部41から二次電池20が取り出された状態を確実に検出することができる。そして、検査回路50は、導通・非導通状態のデータ列(便宜上、『検査結果データ列』と呼ぶ)を得る。この検査結果データ列を、MPU52は、記憶手段51に記憶されている導通・非導通初期値と比較する。そして、比較した結果が同じならば、検査回路50は特段の処理を行わない。
【0042】
格納部41から接触状態の二次電池20が取り出された場合には、係る二次電池20を格納していた格納部41における検出部42は非導通状態となるが故に、この二次電池20に対応するビットは「1」から「0」に変化する。従って、検査結果データ列が導通・非導通初期値と不一致となる。このような状態が発生した場合、MPU52は、導通・非導通初期値を変更し、記憶手段51に記憶する。
【0043】
一方、格納部41から非接触状態の二次電池20が取り出された場合には、そもそも、係る二次電池20を格納していた格納部41における検出部42は非導通状態であるが故に、検査結果データ列が導通・非導通初期値と不一致とはならない。このような確率は、例えば、0.5である。しかしながら、電池パック10における二次電池20の交換や電池パック10の修理等を行う場合、通常、多数の二次電池20を格納部41から取り出すし、電池パックの改造が行われる場合においても、多数の二次電池20を格納部41から取り出す。そして、これらの格納部41に二次電池20を再び格納する。従って、格納部41から二次電池20が取り出された場合、検査結果データ列が導通・非導通初期値と不一致とならない確率は極めて小さい。また、2つの検出部42の間を何らかの方法で短絡させた状態で、格納部41から非接触状態の二次電池を取り出そうとした場合には、短絡させた直後、この二次電池に対応するビットは「0」から「1」に変化し、これによっても、MPU52は、導通・非導通初期値を変更し、記憶手段51に記憶する。それ故、このように、2つの検出部42の間を何らかの方法で短絡させた状態で格納部41から非接触状態の二次電池を取り出す場合にも、検査結果データ列が導通・非導通初期値と不一致とならない確率は極めて小さい。
【0044】
導通・非導通初期値を変更する方法は、本質的に任意である。例えば、図5の(A)に示すように、第n番目(1≦n≦Nであり、図5の(A)に示した例では、n=8)の二次電池20が取り出された場合、Nビットの導通・非導通初期値における第n番目のビットを反転させ、且つ、第(n−m)番目のビット及び第(n+m’)番目のビット(図5の(A)及び(B)に示した例では、第7番目及び第9番目のビット)を反転させる。即ち、反転前のビットが「0」である場合、反転後のビットは「1」となるし、反転前のビットが「1」である場合、反転後のビットは「0」となる。そして、こうして得られたデータ列を、変更された導通・非導通初期値として、記憶手段51に記憶する。尚、「m」の値、「m’」の値は、例えば、予め、電池パックの識別標識に対応して、一定の規則下、決定しておけばよいし、あるいは又、電池パックの識別標識に対応して、製造メーカー等が記録、保管しておけばよい。また、幾つのビットを変更するかも、予め、電池パックの識別標識に対応して、一定の規則下、決定しておけばよいし、あるいは又、電池パックの識別標識に対応して、製造メーカー等が記録、保管しておけばよい。
【0045】
格納部41から二次電池20を取り出し、その後、この格納部41に二次電池20が格納された場合を想定する。尚、格納された二次電池20は、取り出された二次電池である場合もあろうし、異なる二次電池である場合もある。そして、いずれの場合であっても、検査回路50は、この二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べ、検査結果データ列を変更された導通・非導通初期値と比較し、変更された導通・非導通初期値と不一致の場合、電池パック10の機能を停止させる。通常においては、変更された導通・非導通初期値と不一致となる。
【0046】
こうして、一旦、格納部41から二次電池20を取り出し、その後、この格納部41に二次電池20を格納した場合、如何なる二次電池20を格納しようと、また、格納した二次電池が、格納部41から取り出された二次電池20の接触状態/非接触状態と同じであっても、格納部41から二次電池20が取り出されたことを検出することができ、改造電池パックであることが識別され、電池保護回路54の作動によって、電池パック10の機能が停止させられる。
【0047】
電池パック10における二次電池20の交換や電池パック10の修理等を製造メーカー等によって行う場合には、例えば、第n番目の格納部41から二次電池20を取り出すと、前述したとおり、検査結果データ列が導通・非導通初期値と不一致となるので、MPU52は、導通・非導通初期値を変更し、記憶手段51に記憶する。但し、製造メーカー等は、導通・非導通初期値がどのような規則に基づき変更されたかを知っている。従って、製造メーカー等は、変更された導通・非導通初期値を、第n番目のビットを除き、元の導通・非導通初期値に書き直すことができる。書き直し可能上限回数を予め決めておき、書き直し可能上限回数を越えて書き直し作業が行われた場合には、電池保護回路54の作動によって、電池パック10の機能を停止すればよい。そして、格納部41に二次電池20が再び格納されたならば、検査回路50は、この二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べ、第n番目のビットの値を導通・非導通初期値に書き込む。こうして、電池パック10における二次電池20の交換や電池パック10の修理等が完了する。
【0048】
あるいは又、電池パック10における二次電池20の交換や電池パック10の修理等を製造メーカー等によって行う場合には、格納部41から二次電池20を取り出し、その後、この格納部41に二次電池20が格納された場合、この二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べ、変更された導通・非導通初期値と比較し、変更された導通・非導通初期値と不一致の場合、所定の条件下、全ての二次電池20における検出部間の導通・非導通状態を調べ、その結果を、新たな導通・非導通初期値とし、電池パック10の機能停止を解除する形態とすることもできる。ここで、「所定の条件下」とは、例えば、製造メーカー等によって予め決められたパスワード入力を例示することができる。
【0049】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。電池パック、二次電池、筐体、導電部材、検出部、検査回路等の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。例えば、実施例においては、円筒型二次電池を用いたが、図7の(A)〜(D)に示すように、二次電池120を、周知の角型のリチウムイオン二次電池から構成することもできる。図7の(A)には、2つの検出部42が導電部材30と接触状態となっている二次電池120を示し、図7の(B)には、少なくとも1つの検出部42が導電部材30と非接触状態となっている二次電池120を示す。更には、図7の(C)には、2つの検出部42が非導電部材31と接触状態となっている二次電池120を示し、図7の(D)には、2つの検出部42が導電部材30と非接触状態となっている二次電池120を示す。尚、図7の(A)と図7の(D)では、二次電池120が表裏逆となって格納部41に格納されている。二次電池120が、図7の(A)に示した格納状態となるか、図7の(D)に示した格納状態となるかは、本質的に任意(ランダム)であり、単に、どのように格納されたかに依る。
【0050】
また、導通・非導通初期値を変更する方法は、上述したとおり、本質的に任意である。実施例においては導通・非導通初期値を変更する方法として、所定のビットの値を反転させたが、導通・非導通初期値に所定のデータ列を加算する方法、減算する方法、乗算する方法、ビットをシフトさせる方法等を採用することができるし、これらを組み合わせてもよい。検出部と導電部材の位置関係等の説明も例示であり、適宜、変更することができる。更には、1つの二次電池当たりの検出部の数も2に限定するものではなく、3以上とすることもでき、これによって、導通・非導通初期値を構成するデータ列の長さ(ビット長)を格段に長くすることができる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・電池パック、11・・・本体部、12・・・閉鎖部材(蓋)、13・・・固定用部材(ネジ)、14A・・・ブッシュ、14B・・・タップ部、15・・・識別標識(シリアルID)、16・・・出力部、17・・・第1の配線、18A,18B・・・第2の配線、19・・・貫通孔、20,120・・・二次電池、30・・・導電部材、31・・・非導電部材、40・・・筐体、41・・・格納部、42・・・検出部、43・・・配線、50・・・検査回路(検査手段、検査装置)、51・・・記憶手段、52・・・MPU、53・・・プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、54・・・電池保護回路、55プリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)複数の二次電池、及び、
(B)複数の格納部を有し、各格納部に二次電池を収納した筐体、
を備えた電池パックであって、
非導電材料から成る二次電池の外面には、導電部材が取り付けられており、
各格納部には、少なくとも2つの検出部が設けられており、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、若しくは、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法であって、
各二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、予め求めておいた導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、導通・非導通初期値を変更する電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法。
【請求項2】
格納部からの二次電池の取り出しによって導通・非導通初期値の不一致が発生する請求項1に記載の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法。
【請求項3】
格納部から二次電池を取り出し、その後、該格納部に二次電池が格納された場合、該二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、変更された導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、電池パックの機能を停止させる請求項2に記載の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法。
【請求項4】
電池パックは、記憶手段を更に備え、
予め、全ての二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、その結果を、導通・非導通初期値として記憶手段に記憶する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法。
【請求項5】
各二次電池における検出部間の導通・非導通状態を所定の時間間隔で調べる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電池パックにおける二次電池の格納状態の検査方法。
【請求項6】
(A)複数の二次電池、及び、
(B)複数の格納部を有し、各格納部に二次電池を収納した筐体、
を備えた電池パックであって、
非導電材料から成る二次電池の外面には、導電部材が取り付けられており、
各格納部には、少なくとも2つの検出部が設けられており、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、若しくは、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる電池パック。
【請求項7】
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる確率が所定の値となるように、二次電池の外面に導電部材が取り付けられている請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となる確率と、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となる確率が所定の値となるように、各格納部に2つ以上の検出部が設けられている請求項6又は請求項7に記載の電池パック。
【請求項9】
非導電材料から成る二次電池の外面には、導電部材と外観が同じ非導電部材が取り付けられている請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項10】
記憶手段を更に備え、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となっている二次電池、及び、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となっている二次電池を、データとして記憶手段に記憶する請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項11】
二次電池の数をNとしたとき、前記データはNビットのデータである請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
格納部に二次電池を収納したとき、導電部材は視認できない請求項6乃至請求項11のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項13】
導電部材は、導電材料から成るシール部材である請求項6乃至請求項12のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項14】
(A)複数の二次電池、
(B)複数の格納部を有し、各格納部に二次電池を収納した筐体、及び、
(C)検査回路、
を備えた電池パックであって、
非導電材料から成る二次電池の外面には、導電部材が取り付けられており、
各格納部には、少なくとも2つの検出部が設けられており、
格納部における二次電池の格納状態に依存して、2つの検出部が導電部材と接触状態となり、若しくは、少なくとも1つの検出部が導電部材と非接触状態となり、
検査回路は、各二次電池における検出部間の導通・非導通状態を調べ、予め求めておいた導通・非導通初期値と比較し、不一致の場合、導通・非導通初期値を変更する電池パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−64425(P2012−64425A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207524(P2010−207524)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】