電池パック
【課題】電池パックの防水構造を実現して信頼性を高める。
【解決手段】パック基板74上に固定され、二次電池39と接続されると共に、ケーシング31の外部に表出されてなる外部接続端子33と、ケーシング31の表面から突出され、充電器100に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック37bとを備え、ケーシング31の一方の表面に、係止フック37bをケーシング31の表面から突出させるためにフック開口窓24を開口すると共に、フック開口窓24を設けた面と異なる他方の表面に、水抜き穴28を開口しており、フック開口窓24から、ケーシング31内部に延長されると共に、フック開口窓24から連通される経路と、パック基板74に実装された電子回路とを区画する区画リブ25を設けており、区画リブ25で区画された連通経路によって、フック開口窓24と水抜き穴28とを連通させる。
【解決手段】パック基板74上に固定され、二次電池39と接続されると共に、ケーシング31の外部に表出されてなる外部接続端子33と、ケーシング31の表面から突出され、充電器100に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック37bとを備え、ケーシング31の一方の表面に、係止フック37bをケーシング31の表面から突出させるためにフック開口窓24を開口すると共に、フック開口窓24を設けた面と異なる他方の表面に、水抜き穴28を開口しており、フック開口窓24から、ケーシング31内部に延長されると共に、フック開口窓24から連通される経路と、パック基板74に実装された電子回路とを区画する区画リブ25を設けており、区画リブ25で区画された連通経路によって、フック開口窓24と水抜き穴28とを連通させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具等の電気機器に脱着自在に装着されて電力を供給する電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具等の電気機器は、充電可能な二次電池を内蔵している電池パックを電気機器本体に脱着自在に装着することで、コードレス方式として建築現場等において便利に使用できる。また、電気機器本体から電池パックを取り外し式とすることで、取り外した電池パックを充電器にセットして、充電して繰り返し使用できる。このような電池パックを充電する充電器として、充電器ケースの上面に電池パックを脱着自在に装着する装着部を有し、この装着部に充電端子を表出して設けた充電器が実用化されている。この充電器は、装着部に装着される電池パックの外部接続端子を充電端子に接続し、充電端子から充電電力を出力して電池パックを充電する(特許文献1参照)。
【0003】
また、電池パックを充電器の装着部に装着した状態で外れないように、電池パックの装着状態を保持するためのロック構造を設けている。ロック機構は、例えば図30に示すように、電池パック90から爪状の係止フック97を突出させて、装着部92に設けた係止孔93に係止して、電池パック90の脱落を阻止する。このため電池パック90は、係止フック97を突出させる方向にばね材等で付勢し、ロック状態を維持する一方で、この係止フック97をユーザが指で押し戻して、ロック状態を解除する。このように電池パック90は、係止フック97を出し入れする構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−280679号公報
【特許文献2】特開2009−212583号公報
【特許文献3】特開2009−60165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、このような電池パックは、内部に水が浸水すると、二次電池や電子回路の端子類がショートする可能性があるため、防水構造とすることが好ましい。しかしながら、上述のようにロック機構に可動部を有する電池パックでは、完全な防水構造とすることは容易でない。特に、係止フックを可動させる必要上、係止フックを突出させるための開口窓を形成する必要があるため、この開口窓から電池パックのケーシング内部に水が侵入するという問題があった。また、一旦侵入した水を外部に排出することも容易でなく、この結果、二次電池や電子回路基板に水が伝わって意図しない導通を生じる可能性があった。
【0006】
更に、電池パックは外部接続される電気機器等と接続するための出力端子を設けているところ、このような出力端子を電池パックの外部に露出させるため、電池パックに開口部を設けている。この開口部から水がケース内部に浸入する可能性があるという問題もある。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電池パックの防水構造を実現して信頼性を高めた電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る電池パックによれば、充電可能な二次電池39を備え、電気機器に装着して該電気機器に電力を供給すると共に、充電器100に装着して充電可能な電池パックであって、充電可能な複数の二次電池39を保持する電池ホルダ70と、前記二次電池39に接続された電子回路を実装したパック基板74と、前記電池ホルダ70及びパック基板74を収納するケーシング31と、前記パック基板74上に固定され、前記二次電池39と接続されると共に、前記ケーシング31の外部に表出されてなる外部接続端子33と、前記ケーシング31の表面から突出され、充電器100及び/又は電気機器に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック37bと、を備え、一方の表面に、前記係止フック37bを前記ケーシング31の表面から突出させるためにフック開口窓24を開口すると共に、さらに区画リブ25が、前記係止フック37bのフック開口窓24に沿って前記ケーシング31内部に延長されてなり、前記区画リブ25の端縁を、前記パック基板74と当接させることができる。これにより、パック基板に区画リブを当接させる領域を、パック基板の一部のみとして、パック基板側への浸水の可能性を低減できる。
【0009】
また、第2の側面に係る電池パックによれば、さらに前記外部接続端子33を囲んで前記ケーシング31内部に延長された端子リブ26を備えており、前記外部接続端子33の端縁を、前記パック基板74と当接させることができる。
【0010】
さらに、第3の側面に係る電池パックによれば、充電可能な二次電池39を備えると共に、充電器100に装着して充電可能な電池パックであって、充電可能な複数の二次電池39を保持する電池ホルダ70と、前記二次電池39に接続された電子回路を実装したパック基板74と、前記電池ホルダ70及びパック基板74を収納するケーシング31と、前記パック基板74上に固定され、前記二次電池39と接続されると共に、前記ケーシング31の外部に表出されてなる外部接続端子33と、前記ケーシング31の表面から突出され、充電器100に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック37bと、を備え、前記ケーシング31の一方の表面に、前記係止フック37bを前記ケーシング31の表面から突出させるためにフック開口窓24を開口すると共に、前記フック開口窓24を設けた面と異なる他方の表面に、水抜き穴28を開口しており、前記フック開口窓24から、前記ケーシング31内部に延長されると共に、前記フック開口窓24から連通される経路と、前記パック基板74に実装された電子回路とを区画する区画リブ25を設けており、前記区画リブ25で区画された連通経路によって、前記フック開口窓24と水抜き穴28とが連通されるよう構成できる。これにより、フック開口窓から水が侵入しても、区画リブによってパック基板に実装された電子回路側に水が流れる事態を阻止すると共に、内部に侵入した水は水抜き穴に案内されて外部に排出され、意図しない導通を効果的に回避できる。
【0011】
さらにまた、第4の側面に係る電池パックによれば、前記連通経路が、少なくとも一部を前記電池ホルダ70の上面で形成されるよう構成できる。これにより、二次電池を収納した電池ホルダの背面で連通経路を区画でき、二次電池側への浸水を効果的に阻止できる。
【0012】
さらにまた、第5の側面に係る電池パックによれば、前記電池ホルダ70の上面を、前記水抜き穴28に向かって下り勾配となるよう傾斜させることができる。これにより、フック開口窓から侵入した水を、連通経路の傾斜面によって水抜き穴側に案内して電池パックの外部に排出し易くできる。
【0013】
さらにまた、第6の側面に係る電池パックによれば、前記区画リブ25の端縁が、前記外部接続端子33の表面の一部に当接されてなり、前記外部接続端子33が、前記区画リブ25との当接領域に近接して、配線のための半田付け領域を設けてなると共に、該半田付け領域において、堰止突出部88を形成することができる。これにより、半田付けの際に半田の広がりが、堰止突出部で堰き止められる結果、当接領域まで半田が広がる事態が回避され、流出した半田の盛り上がりによって当接領域における当接が阻害される事態を回避でき、区画リブによる確実な当接を発揮して浸水を効果的に阻止できる。
【0014】
さらにまた、第7の側面に係る電池パックによれば、前記堰止突出部88を、前記外部接続端子33の表面に絞り加工で形成できる。これにより、堰止突出部を外部接続端子の表面に一体的に、容易に形成できる。
【0015】
さらにまた、第8の側面に係る電池パックによれば、さらに前記ケーシング31内部において、前記外部接続端子33の上端を案内して、両側から保持する保持リブ27を備えることができる。これにより、外部接続端子が安定的に保持され、信頼性を向上できる。
【0016】
さらにまた、第9の側面に係る電池パックによれば、前記保持リブ27が、前記外部接続端子33の上端を狭持することができる。これにより、保持リブで確実に外部接続端子を上面から保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電池パックを示す斜視図である。
【図2】図1の電池パックを背面から見た斜視図である。
【図3】図1の電池パックの正面図である。
【図4】図1の電池パックの平面図である。
【図5】図1の電池パックを背面から見た斜視図である。
【図6】図5の電池パックのラベル貼付領域を示す分解斜視図である。
【図7】図1の電池パックの分解斜視図である。
【図8】図7の電池パックを背面から見た分解斜視図である。
【図9】図4の上ケーシングを裏面から見た底面図である。
【図10】図3の電池パックのX−X線における水平断面を見た斜視図である。
【図11】図3の電池パックにおいて、上ケーシングを外した状態を見た斜視図である。
【図12】図11を背面側から見た斜視図である。
【図13】図7の電池ホルダの平面図である。
【図14】図13の電池ホルダの半田付け前の状態を示す斜視図である。
【図15】図14の電池ホルダを背面から見た斜視図である。
【図16】図14の電池ホルダの分解斜視図である。
【図17】堰止突出部で半田を堰き止める状態を示す模式断面図である。
【図18】堰止突出部のない状態での半田の流出を示す模式断面図である。
【図19】図9の上ケーシングの斜視図である。
【図20】図19の上ケーシングの保持リブを示す拡大斜視図である。
【図21】図4のXXI−XXI線における垂直断面図である。
【図22】図3のXXII−XXII線における垂直断面図である。
【図23】図3の電池パックのXXIII−XXIII線における水平断面図である。
【図24】電池パックを電池パック用充電器に装着した状態を示す斜視図である。
【図25】図24の電池パック用充電器から電池パックを外した状態を示す斜視図である。
【図26】図24の電池パック用充電器のXXVI−XXVI線における縦断面図であ
【図27】図26の電池パック用充電器から電池パックを外した状態を示す縦断面図である。
【図28】図24のXXVIII−XXVIII線における横断面図である。
【図29】電池パック用充電器に電池パックを接続した状態を示す回路図である。
【図30】電池パックを充電器にセットするロック構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電池パックを例示するものであって、本発明は電池パックを以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0019】
図1〜図23に、本発明の一実施の形態に係る電池パックを示す。これらの図において、図1は電池パック30を示す斜視図、図2は図1の電池パック30を背面から見た斜視図、図3は図1の電池パック30の正面図、図4は図1の電池パック30の平面図、図5は図1の電池パック30を背面から見た斜視図、図6は図5の電池パック30のラベル貼付領域を示す分解斜視図、図7は図1の電池パック30の分解斜視図、図8は図7の電池パック30を背面から見た分解斜視図、図9は図4の上ケーシング31Aを裏面から見た底面図、図10は図3の電池パック30のX−X線における水平断面を見た斜視図、図11は図3の電池パック30において、上ケーシング31Aを外した状態を見た斜視図、図12は図11を背面側から見た斜視図、図13は図7の電池ホルダ70の平面図、図14は図13の電池ホルダ70の半田付け前の状態を示す斜視図、図15は図14の電池ホルダ70を背面から見た斜視図、図16は図14の電池ホルダ70の分解斜視図、図17は堰止突出部88で半田89を堰き止める状態を示す模式断面図、図18は堰止突出部88のない状態での半田89の流出を示す模式断面図、図19は図9の上ケーシング31Aの斜視図、図20は図19の上ケーシング31Aの保持リブ27を示す拡大斜視図、図21は図4のXXI−XXI線における垂直断面図、図22は図3のXXII−XXII線における垂直断面図、図23は図3の電池パック30のXXIII−XXIII線における水平断面図を、それぞれ示している。この例では、電池パック30を装着する電気機器として、電動工具に適用した例を説明する。
【0020】
これらの図に示す電池パック30は、充電可能な複数の二次電池39を保持する電池ホルダ70と、二次電池39同士を端面で接続する電池リード板80と、二次電池39に接続された電子回路を実装したパック基板74と、電池ホルダ70及びパック基板74を収納するケーシング31と、パック基板74上に固定され、二次電池39と接続されると共に、ケーシング31の外部に表出される外部接続端子33と、ケーシング31の表面から突出され、電池パック用充電器100に電池パック30を装着した状態で保持するための係止フック37bとを備える。
(ケーシング31)
【0021】
ケーシング31は、図1〜図4に示すように、外観を箱状に形成されており、隅部を面取りすると共に、表面に電気機器である電動工具や、電池パック用充電器100の接続端子3と接続するための外部接続端子33を、縦溝38から表出させている。また電池パック30を電動工具や電池パック用充電器100に装着する際に、装着状態を保持するための保持凸部37を備える。このケーシング31は、絶縁性と強度に優れた樹脂等により成型される。図の外部接続端子33は、両側に配置される充放電端子34と、これらの充放電端子34の間に配置される信号端子35とを備えている。
(ラベル貼付領域8)
【0022】
またケーシング31の裏面には、図5、図6に示すようにラベル7が貼付される。ラベル7には、電池パックの定格や注意事項等の情報を記載する。このためケーシング31の表面には、ラベル貼付領域8が形成される。図6の例では、下ケーシング31Bの底面に、ラベル貼付領域8を設けている。
【0023】
またケーシング31は、図7及び図8の分解斜視図に示すように上ケーシング31Aと下ケーシング31Bに二分割されている。ケーシング31の内部には収納空間を構成しており、ここに電池ホルダ70とパック基板74、及び保持凸部37を収納する。
(フック開口窓24)
【0024】
上ケーシング31Aには、図4等に示すようにフック開口窓24を開口しており、ここから係止フック37bが表出される。係止フック37bは、電池パック30を電池パック用充電器100に装着した状態で抜け落ちないよう保持するロック機構である。また、同様に係止フック37bは、電池パック30を電気機器に装着した状態で抜け落ちないよう保持するロック機構としても機能できる。
(区画リブ25)
【0025】
一方で、図4等に示すように、ケーシング31の上面に開口されたフック開口窓24と、係止フック37bとの間の隙間GPから、水滴や埃等がケーシング31の内部に浸入するおそれがある。特に水は、外部接続端子33等の金属製の部材を錆びさせたり、電子部品の意図しない導通を引き起こす可能性があるため、これらの部材から隔離することが望ましい。一方で、パッキン等を用いて完全な防水構造を実現しようとすれば、構造が複雑化しコストも嵩む。そこで本実施の形態では、フック開口窓24の隙間GPから水が浸入しても電子部品等にかかることなく、外部に排出できるような構造とした。具体的には、図9及び図10に示すように、上ケーシング31Aにはフック開口窓24からケーシング内部に延長される区画リブ25を形成している。区画リブ25は、ケーシング内部を区画して、区画リブ25下のパック基板74の区画された領域以外に、あるいはパック基板74に実装された電子回路側に、フック開口窓24から侵入した水が入り込まないようにしている。
【0026】
図4、図9〜図11等の例では、係止フック37bが、平面視凹状に形成されており、フック開口窓24が、係止フック37bの平面視凹状に沿って凹状に開口される結果、区画リブ25も、この凹状に沿ってケーシング内部に延長されている。すなわち、両側をパック基板74側に突出させた形状に形成される。このため、区画リブ25のみで完全にパック基板74を隔離してしまうのでなく、パック基板74表面の一部74SF(平面視四角形形状)の外周において、区画リブ25の両側の下側端縁25Uがパック基板74に当接するような状態となる。
【0027】
さらに縦溝38に連通するように、上ケーシング31Aの内面には、縦溝38から各々表出する外部接続端子33を区画する端子リブ26を設けている。端子リブ26内に各外部接続端子33を収納することで、外部接続端子33同士をケーシング31内部で隔離して絶縁を図ることができる。この端子リブ26は図9、図10、図19等に示すように、上ケーシング31Aと一体に形成される。
【0028】
詳細には、縦溝38の下側に、ケーシング31内部に延長される端子リブ26を形成しており、端子リブ26は、平面視四角形(矩形)状に設けられている。端子リブ26は、ケーシング31内部を区画して、外部接続端子33を表出させている縦溝38から侵入した水が、端子リブ26下のパック基板74の区画74ST以外に、あるいはパック基板74に実装された電子回路側に入り込まないようにしている。端子リブ26下のパック基板74の区画74STの外周において、端子リブ26の下側端縁26Uが、パック基板74に当接するような状態となる。
【0029】
この結果、パック基板74の区画リブ25下の一部74SFはフック開口窓24側に位置し、一方でパック基板74の端子リブ26下の区画74STは縦溝38側に位置して、水分に晒される可能性があることとなるが、この部分以外に、水分が浸入することを低減することができる。図10に開示されるように、パック基板74表面の一部74SFの外周である3辺は、区画リブ25の下側端縁25Uに当接するが、一辺は区画リブ25が存在していないので、当接せず、開放されていることより、後述する電池ホルダ70の傾斜面78に連通し、水分、水滴等が、傾斜面78へと移動する。また、ここで、パック基板74の一部74SFはフック開口窓24側に位置して、パック基板74の端子リブ26下の区画74STは縦溝38側に位置して、水分に晒される可能性があることとなるが、パック基板74上のこれら部分には電子部品を実装しないか、あるいは少なくとも水分に晒したくない電子部品は実装しないことで、パック基板74上に実装された他の重要な電子部品と隔離できる。なお、パック基板74上のこれら部分には電子部品を実装しても良い。
【0030】
また、ここでいう隔離とは完全防水を意味するものでなく、実質的に浸水が阻止できる程度の構造でもよい。また当接とは、完全に密着した状態である必要はなく、水の浸入を阻止できる程度で足りる。例えば、僅かなクリアランスが存在しても、パック基板74上の水分が表面張力の作用によって水滴となって、このクリアランスを通過できなくなる状態となるため浸水防止の目的を達成できるので、このような僅かなクリアランスが存在しても本明細書で言う当接の概念に包含される。またこのような僅かなクリアランスを許容することで、製造公差に対応でき、かつパッキン等を用いた完全防水構造を用意することなく、効果的な浸水防止構造が安価にかつ簡便に実現できる。
【0031】
また図11に示すように、下ケーシング31Bの、フック開口窓24の裏面側に位置する部位には、二次電池39を保持する電池ホルダ70の背面(図において上面側)が位置しており、電池ホルダ70によって二次電池39に水がかかる事態を回避できる。
(水抜き穴28)
【0032】
さらに下ケーシング31Bには、水抜き穴28を開口している。水抜き穴28は、ケースの内部で、フック開口窓と連通させた領域に開口される。いいかえると、ケース内部を、フック開口窓と連通させた連通領域28Rと、それ以外の収納領域に区画し、収納領域に二次電池等を配置することで、フック開口窓から侵入する水分が収納領域に入り込まないようにして防水を図ると共に、連通領域28Rに水抜き穴を開口することで、この水抜き穴から外部に水を排出できる。このため図10〜12に示すように、下ケーシング31Bには区画壁28Kを設けて、上ケーシング31Aの区画リブ25と共に、連通領域28Rを画定する。また電池ホルダ70は、区画壁28Kで区画された収納領域に収納される。
【0033】
上述の通り、フック開口窓24から水抜き穴28に連通する連通経路が形成されており、フック開口窓24から浸入した水が水抜き穴28から外部に排出される。加えて、電池ホルダ70の背面に、図10及び図11に示すように水抜き穴28側に向かって下り勾配となる傾斜面78を設けると共に、区画壁28Kに樋79を形成することで、水が傾斜面78に沿って流れ落ち易くなり、さらに樋79に水を集めるように傾斜させることで、樋79を介して水抜き穴28側に水を案内して電池パック30の外部に排出できる。
【0034】
さらに下ケースは、図11に示すように、下ケーシング31Bと上ケーシング31Aとをねじ止めするねじ穴を設けた一対のねじ用リブ28Sを設けている。連通領域28Rは、図11に示すように、一対のねじ用リブ28Sの間で、上述した区画壁28Kと、下ケーシング31B端面とで挟まれた領域に形成されている。この例では、ねじ用リブ28Sの外径が、連通領域28Rの厚さとなる。加えて、連通領域28Rには、一対の筒状リブ28Tが配置される。筒状リブ28Tは、保持凸部37を弾性的に付勢するためのコイルスプリングを挿入するための部材である。これら一対の筒状リブ28Tは、連通領域28Rの厚さとほぼ同様であって、このため連通領域28Rをさらに3つの領域に区画している。
【0035】
図5の例では、水抜き穴28を下ケーシング31B底面の背面側3箇所に開口している。具体的に、中央の水抜き穴28は、図11に示すように、一対の筒状リブ28Tの間に位置されている。また他の水抜き穴28は、それぞれ筒状リブ28Tとねじ用リブ28Sの間に設けられている。このように、3つに区画された連通領域28Rの各々に水抜き穴を設けることで、各領域に案内された水を外部に排出できる。
【0036】
また、中央の水抜き穴28が設けられた区画、すなわち一対の筒状リブ28Tの間に、上述した樋79が案内されるように構成することで、樋79から流れ込んだ水を、中央の水抜き穴から外部に逐次排出できる。特に図11の例では、一対の筒状リブ28Tの間を、筒状リブ28Tとねじ用リブ28Sの間よりも広くしているため、より多くの水をここに集めて、中央の水抜き穴28から纏めて排出できる。一方で、筒状リブ28Tは、区画壁28Kよりも高さを低くしているため、筒状リブ28Tの高さよりも高い領域では、3つに区画された連通領域28Rが連通している。したがって、多くの水が中央の区画に集まった結果水位が上昇して、筒状リブ28Tよりも高くなると、筒状リブ28Tの左右、すなわち筒状リブ28Tとねじ用リブ28Sの間にも水が流れ込むので、左右の水抜き穴28からも水を排出できるようになる。
【0037】
さらに水抜き穴は、連通領域28Rのみならず、収納領域に開口することもできる。図5等の例では、収納領域の四隅に位置する部位に、第二水抜き穴29をそれぞれ開口している。これによって、電池パック30内部の収納領域に不所望に進入した水は、図5、図6等に開示されるように、下ケーシング31Bの下面に設けられた第二水抜き穴29から、排出されることになる。
(電池ホルダ70)
【0038】
電池ホルダ70は、図13及び図14、図15に示すように、二次電池39と、パック基板74と、電池リード板80と、各種リード線とを備えている。またこの電池ホルダ70は、図16の分解斜視図に示すように、下面に二次電池39を収納する電池収納空間と、上面にパック基板74を固定する基板固定部75とを設けている。二次電池39同士は、電池ホルダ70の端面に開口された表出部71から表出する二次電池39の端面同士を、電池リード板80で電気接続され、さらに電池ホルダ70に二次電池39を収納した電池コアの出力を出力リード板82(図15において左下)及び接続リード板83Bと、第二出力リード板82B及び出力リード線83(図15において右上)とでパック基板74に接続している。そして、電池コアの出力、パック基板74からの信号等を、外部接続端子33から出力している。また電池リード板80は、信号リード線84を介してパック基板74と接続されている。なお出力リード線83は高電圧線であるため、高電流に対応した太い導線が使用され、一方信号リード線84は信号線であるため、これよりも細い導線で足りる。
(外部接続端子33)
【0039】
パック基板74には、外部接続端子33として、充放電端子34と、信号端子35とを備えている。充放電端子34は、電池コアの出力を、電動工具や電池パック用充電器100と接続する。この例では、電池コアからの出力は、第二出力リード板82B及び出力リード線83と、出力リード板82及び接続リード板83Bを介して、パック基板74上の充放電端子34と接続されている。なお接続リード板83Bは、出力リード板82と別部材で構成する他、出力リード板82に接続リード板83Bを一体的に設けてもよい。
(電子回路)
【0040】
さらにパック基板74上には、電子回路が実装されており、二次電池39と接続されている。電子回路は、例えば二次電池を保護する保護回路である。保護回路は、各電池リード板80と信号リード線84を介して接続されており、例えば各二次電池39の電池電圧を検出する。また保護回路は、電池温度を検出する温度検出手段54(図22)とも別途、図12に示す信号リード線84を介して接続されている。
(信号端子35)
【0041】
さらにパック基板74は、保護回路の出力や電池情報等を出力する信号端子35(図1参照)も備えている。これら充放電端子34や信号端子35は、図1等に示すように、ケーシング31の表面から表出される。このため上ケーシング31Aには、図1〜図7に示すように縦溝38が形成されている。
(堰止突出部88)
【0042】
上述の通り、パック基板74上には一部に端子リブ26が当接される。図15に示す例では、端子リブ26が当接される領域を斜線で示している。ここで、外部接続端子33は、図15に示すように出力リード板82及び接続リード板83Bと、図14に示すように出力リード線83と、半田付けにより接続されている。具体的には、出力リード板82と接続された接続リード板83B(又は出力リード線83)と、外部接続端子33とを離間させた状態で、図17に示すように半田付けによって埋めるようにする。このため外部接続端子33は、端縁を半田付け領域としている。この半田付けの際、半田89が流れて広がりすぎると、図18に示すように半田付け領域を超えて端子リブ26との当接面にまで拡散することがある。この結果、外部接続端子33の上面が半田89によって盛り上がったり凸状となることが考えられ、端子リブ26の端縁との間に意図しない隙間が形成されることとなって、防水性が図れなくなる可能性がある。そこで、図15及び図17に示すように、外部接続端子33に、半田付け領域に近接して、堰止突出部88を形成している。堰止突出部88は、外部接続端子33の表面から突出するよう形成されており、土手状に盛り上がることで、半田89の流出を物理的に阻止する。この堰止突出部88は、好ましくは外部接続端子33の表面に絞り加工等で一体的に形成する。堰止突出部88は、好ましくは半田付け領域の端縁に設ける。これによって、半田89の拡散位置を正確に規定して、確実な半田付け効果を得ると共に、端子リブ26による隔離が阻害されることを阻止する。また堰止突出部88はこの例では概略の形として平面視円形で球面状に形成しているが、この構成に限られず、多角形状や線状等、半田の流出を阻止できる任意の形状とできる。また、外部接続端子の表面に別部材の堰止突出部を付加する形態としてもよい。
(保持リブ27)
【0043】
外部接続端子33は、図12等に示すように、パック基板74上に上述の通り固定される。一方で、外部接続端子33の上端は、上ケーシング31Aの内面に形成された保持リブ27によって保持される。このため上ケーシング31Aには、外部接続端子33を収納する端子リブ26の内面に、図19〜図22に示すように保持リブ27を設けている。この保持リブ27は、図21に示すように断面コ字状に開口されており、この間に外部接続端子33を挿入して、外部接続端子33を上端から支持する。図20において、外部接続端子33が点線で示されるように、保持リブ27が、外部接続端子33の上端を狭持している。このようにして、外部接続端子33を下面ではパック基板74で、上端では保持リブ27で、それぞれ支持することにより、長期に渡って安定して接点を使用できる。
【0044】
外部接続端子33は、従来はパック基板上に固定されるのみであったため、使用に伴い何度も電池パック用充電器100や電動工具に挿抜が繰り返される結果、変形や歪みが生じることがあった。特に外部接続端子はパック基板上に直立姿勢で固定され、縦方向に長く延長されている上、上端が自由端であるため、左右に振れやすく、さらに外部接続端子が可撓性を有する金属性であることとも相俟って、経年使用によって変形が生じやすくなる。そして変形が生じると、外部接続端子と充電器側端子等との各接点における押圧力にばらつきが生じ、接触抵抗に差が生じたり、接触不良が生じる等の問題も懸念される。そこで、上述の通り縦方向に長い外部接続端子33の上端を、上ケーシング31Aの内面に設けた保持リブ27によって保持することにより、上下で安定的に支持できるため、長年にわたり安定的に外部接続端子33を同一姿勢に維持して、接点の押圧力を一定に維持し、信頼性を高める効果が得られる。
【0045】
保持リブ27は、好ましくは図19等に示すように、上ケーシング31A内面の端子リブ26内に一体成型で形成される。また図20の拡大図に示すように、開口端側を面取りして広く開口することで、外部接続端子33を保持リブ27に案内し易くできる。
(二次電池39)
【0046】
ケーシング31は、内部に二次電池39を内蔵できる形状に形成される。ここでは、二次電池39として外装缶を長手方向に延長された円筒状とした円筒形二次電池を使用している。このケーシング31は、図7〜図16に示すようにケーシング31内に複数本の二次電池39を互いにほぼ平行姿勢で、同一平面上に横並びに隣接するように配置している。電池パック30に内蔵される二次電池39は、リチウムイオン電池である。ただ、二次電池は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池、ポリマー電池等の充電できる他の全ての電池とすることもできる。複数の二次電池は、複数本を直列に接続して出力電圧を高くし、また複数本を並列に接続して出力電流を大きくできる。この例では、二次電池39をリチウムイオン電池とし、図23に示すように5本を直列に接続して出力電圧を18Vとしている。電池数を4本にして直列に接続すれば、出力電圧は14.4Vとなる。ただ電池パックは、内蔵する二次電池の本数や接続状態を特定しない。電池パックは、使用する電気機器の種類や用途に応じて内蔵する二次電池の本数と出力電圧を種々に設計できる。
(電池収納空間72S)
【0047】
電池ホルダ70の電池収納空間は、図16の斜視図に示すようにスペーサ壁72で仕切られ、隣接する二次電池39同士を電気的に隔離して収納する。スペーサ壁72は、複数枚が下方に向かって突出するように設けられており、下方から二次電池39をスペーサ壁72同士の間に収納する。図16、図23の例では、4枚のスペーサ壁72を設けて5本の二次電池39を収納すると共に、両側は図14〜図16等に示すように、両端に位置する二次電池39の側面を上部分のみホルダ側壁73で被覆し、二次電池39の側面から下側にかけて表出させている。また電池ホルダ70の上方では、図16に示すように、円筒形二次電池39の側面に一致するように、各二次電池39の収納位置が湾曲されて形成されている。これによって電池収納空間は、断面視逆U字状に下方を開口しており、二次電池39を下方に開口された電池収納空間から挿入する。またスペーサ壁72は、隣接する二次電池39同士の間から下方に延びるように形成され、電池ホルダ70の上面側には突出させない。さらに電池ホルダ70の上面側には、パック基板74を固定するための基板固定部75が設けられている。
(スペーサ壁72)
【0048】
スペーサ壁72は、スペーサ壁72同士の間に二次電池39を収納した状態でこれを保持できるよう、二次電池39の直径とほぼ同じか、これよりも若干小さい幅に設けられる。電池ホルダ70は、絶縁性、断熱性に優れ、かつ可撓性を有するプラスチック等の樹脂で形成されており、スペーサ壁72は電池ホルダ70に一体成型で設けられる。これにより、スペーサ壁72同士の間に二次電池39を挿入した状態で弾性変形して二次電池39の側面が押圧されて、抜け落ちないように保持される。同時に、隣接する二次電池39同士をスペーサ壁72で絶縁、断熱でき、例えばいずれかの二次電池が高温になった際でも隣接する二次電池に熱が伝搬する事態を低減できる。
(表出部71)
【0049】
さらに電池ホルダ70の端面には、電池収納空間に収納された二次電池39の端面を少なくとも部分的に表出させる表出部71を設けている。表出部71は、二次電池39の端面を表出させる一方で、二次電池39が抜け落ちないように端面よりも小さく形成される。図14〜図16等の例では、二次電池39端面の上部と側部とを部分的に覆い、かつ下方を開口させたコ字状に形成されている。この電池ホルダ70は、二次電池39を電池収納空間に収納した状態で、表出部71から表出される端面同士を電池リード板80で接続する。
(電池リード板80)
【0050】
電池リード板80は図16の斜視図等に示すように、導電性に優れた平板状の金属板であり、表出部71に収納できる大きさに形成される。この電池リード板80はスポット溶接のため、溶接スリットを形成しており、電池収納空間に収納された状態で隣接する二次電池39の端面同士に固定される。
(基板固定部75)
【0051】
電池ホルダ70の上面には、パック基板74を固定するための基板固定部75が設けられる。基板固定部75は、図16の分解斜視図等に示すように、二次電池39を並べたほぼ中央に形成され、パック基板74を螺合するためのねじ穴を形成している。パック基板74は、パック基板74を貫通するねじ穴を中央に開口しており、ねじによって電池ホルダ70の上面に固定される。
(温度検出手段54)
【0052】
さらに電池ホルダ70は、二次電池39の温度を検出するための温度検出手段54を固定している。温度検出手段54には、サーミスタ等、温度情報を電気信号として検出可能な温度センサが使用できる。この温度検出手段54は、図22等に示すように、複数の二次電池39の内、中間に位置する二次電池同士の間に固定されている。一般には温度検出手段は隅部の二次電池に固定されることが多いが、複数の二次電池を並べてケーシング内に収納する構成においては、内部ほど熱が籠もる傾向があるため、内部の方が隅部よりも温度が高くなると考えられる。そこで、少ない数の温度検出手段で二次電池の温度を効果的に検出するため、この例では中間の二次電池同士の間に温度検出手段を配置することで、最も高い二次電池の温度を検出でき、パック基板側に最も高い電池温度情報を送出することで、安全性を高めることができる。
(温度検出挿入孔)
【0053】
電池ホルダ70の上面には温度検出挿入孔が開口されており、温度検出挿入孔の裏側で、二次電池39同士の間で、隣接する両方の二次電池と接するように温度検出手段54を配置すると共に、この温度検出手段54と接続された信号リード線84を温度検出挿入孔から引き出して、パック基板74に送出する。またこの例では、温度検出挿入孔を閉塞する位置にパック基板74を固定している。これによって開口部分をパック基板74で閉塞でき、温度検出挿入孔を介して電池ホルダ70内部に埃等の異物や水が浸入する可能性を低減できる利点が得られる。また、温度検出手段54とパック基板74との電気接続距離を短くできるという効果も得られる。
(シート部材56)
【0054】
以上の電池ホルダ70は、図7の分解斜視図に示すように、ケーシング31内に収納される。電池ホルダ70と下ケーシング31Bとの間には、好ましくはシート部材56を介在させる。このシート部材56は、絶縁性と断熱性に優れた材質(例えばシリコーン等)で形成される。またシート部材56にクッション性を持たせることで、外部からの衝撃を吸収、緩和できる効果も得られる。また電池ホルダとケーシング底面とのクリアランスの削減にも寄与できる。
(保持凸部37)
【0055】
保持凸部37は、図1〜図8に示すように部分的にケーシング31から表出させるようにして、ケーシング31内に可動自在に収納される。保持凸部37は、上面に操作部を有すると共に、下面に電池パック30の装着時の進行方向に面して傾斜させた傾斜面と、傾斜面から連続して形成された垂直面とを有する係止フック37bを設けている。この係止フック37bは操作部と一体成型されている。また装着部2には、この係止フック37bと対応する位置に保持凹部17を形成している。この保持凹部17も、傾斜面と一致する凹部傾斜面と、水直面と一致する凹部垂直面とを有している。
【0056】
この電池パック30を専用の電池パック用充電器100に装着する様子を、図24〜図28に示す。これらの図において、図24は電池パック30を電池パック用充電器100に装着した状態を示す斜視図、図25は図24の電池パック用充電器100から電池パック30を外した状態を示す斜視図、図26は図24の電池パック用充電器100のXXVI−XXVI線における縦断面図、図27は図26の電池パック用充電器100から電池パック30を外した状態を示す縦断面図、図28は図24のXXVIII−XXVIII線における横断面図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、係止フック37bはコイルスプリング等の弾性部材で下方に突出するよう付勢されている。この電池パック30は、装着部2に装着する際は、電池パック30をスライドさせる進行方向に沿って係止フック37bの傾斜部が押圧されて収縮され、電池パック30の進行を許容する。電池パック30が所定位置まで進行されると、この位置に対応して形成された保持凹部17に係止フック37bが収納され、かつ弾性部材で係止フック37bが押圧されて、垂直面が凹部垂直面と当接し係止状態となる。この状態では、電池パック30を装着部2から引き抜く方向に力が働いても、垂直面が凹部垂直面と当接することによって係止状態が維持され、電池パック30のスライドが妨げられる。そしてユーザが電池パック30を電池パック用充電器100から取り外す際には、保持凸部37の操作部を手で押し上げるように操作することで、係止フック37bと保持凹部17との係止状態が解除されて、電池パック30のスライドが許容され、取り外し可能な状態となる。電池パック30は、装着部2の奥まで押し込んだ状態で、電池パック30の外部接続端子33が電池パック用充電器100のブレード状金属製の接続端子3と接触され、さらに保持凸部37を保持凹部17に係止させて、電池パック用充電器100に装着される。なお係止フックは、電池パックを充電器に装着した状態で保持する機能の他、電池パックを電気機器に装着した状態で保持するための手段として兼用させてもよいことはいうまでもない。
(充放電端子34、信号端子35、外部接続端子33)
【0057】
電池パック30は、上述の通り電気機器や電池パック用充電器100と接続するための外部接続端子33を複数備えている。例えば電池パック30を電池パック用充電器100に装着する場合、電池パック用充電器100の装着部2に配置される複数の接続端子3と、外部接続端子33とがそれぞれ接続される。複数の外部接続端子33は、電池パック30を電池パック用充電器100の装着部2に装着する状態で、装着部2の底面2Aと対向する底面であるセット面32に配置している(図1等参照)。図の電池パック30は、ケーシング31の底面に段差凹部36を設けており、電池パック用充電器100の装着部2に突出する接続端子3の背面に設けられた保護部9をこの段差凹部36に案内して装着部2の定位置にセットされるようにしている。
【0058】
さらに、図1〜図7の電池パック30は、セット面32に複数列の縦溝38を平行に設けると共に、この縦溝38の内側に弾性接点である外部接続端子33を設けている。弾性接点である外部接続端子33は、縦溝38に挿入される板状の電池パック用充電器100の接続端子3を両側から弾性的に押圧する状態で挟着して電気接続する。図の外部接続端子33は、両側に配置される充放電端子34と、これらの充放電端子34の間に配置される信号端子35とを備えている。両側の充放電端子34は、電池パック用充電器100の充電端子4に接続され、中間の信号端子35は、電池パック用充電器100の信号端子である非充電端子5に接続される。複数の信号端子35は、電池パック30に内蔵される複数の二次電池39の情報を外部に伝達するための端子である。この信号端子35は、例えば電池パック30に内蔵される二次電池39の異常信号(例えば、過充電信号、過放電信号等)や温度信号、識別信号等を出力する識別信号端子とできる。なおこの例では、充放電端子34と信号端子35とを共通化して、5つの外部接続端子33の製造の簡素化を図っている。また、電池パック30の各充放電端子34においては、電池パック30が装着される電気工具等の電気機器の挿入されるブレード状金属板の端子との接続が良好に行えるように、挿入方向に弾性接点を2ヶ所設けている。
【0059】
また、電池パック30の信号端子35においては、弾性接点を設けているが、図示するように、挿入方向に弾性接点を2ヶ所設けることもできる。このように、弾性接点を2ヶ所設けることにより、パック基板74から、各弾性接点に、異なる信号を出力することができる。電池パック30が装着される電気工具等の電気機器の挿入されるブレード状金属板の端子が長く、両弾性接点に接続されるものは、両方の異なる信号、あるいは奥側の弾性接点からの信号を受け取ることができる。また、電池パック30が装着される電気工具等の電気機器の挿入されるブレード状金属板の端子が短く、前側の弾性接点に接続されるものは、前側の弾性接点からの信号を受け取ることができる。
(充電回路20)
【0060】
電池パック用充電器100は、装着部2に装着された電池パック30を充電するための充電回路20を内蔵している。電池パック用充電器100のブレード状金属製の接続端子3は、充電端子4、非充電端子5にて構成される。電池パック用充電器100の両側に配置される正負のブレード状金属板の充電端子4は、装着部2にセットされる電池パック30の正負の充放電端子34に接続されて、電池パック30に充電電力を供給する。正極側の充電端子4は、図29の回路図に示すように、充電回路20に接続されており、電池パック30に電力を供給して内蔵される二次電池39を充電する。図の電池パック用充電器100は、商用電源(図示せず)から供給される交流電源を整流回路22で直流に変換し、この直流の電圧を充電回路20で充電用の電圧に変換して充電端子4から出力する。この充電回路20は、例えば、整流回路22の出力側と正極側の充電端子4との間に接続しているスイッチング素子(図示せず)をON/OFFに制御するデューティを変化させて、電池パック30の充電に最適な充電電圧と充電電流に調整する。
【0061】
一対の充電端子4の間に配置されるブレード状金属板の非充電端子5は、信号端子である。図29の回路図に示す接続端子3は、例示として、2個の信号端子を備えている。これらの信号端子は、電池パック30に内蔵される二次電池39の異常信号が入力される異常信号端子と、電池パック30に内蔵される二次電池39の温度信号が入力される温度信号端子と、電池パック30に内蔵される二次電池39の識別信号が入力される識別信号端子としている。ただ、信号端子は、これら以外の信号、例えば、電池の充電状態や、電池の種々の情報を伝達する信号端子とすることもできる。
【0062】
制御回路21は、異常信号端子に異常信号が入力されると、電池パック30の異常と判定して、充電回路20をオフに切り換えて充電を停止する。さらに、制御回路21は、温度信号端子に入力される温度信号から、電池パック30に内蔵される二次電池39の温度を検出する。この制御回路21は、電池温度が最高温度よりも高くなると、充電電流を遮断して充電を中断し、又は充電電流を少なくして、電池温度を低下させる、あるいは異常信号を発信して、機器側、充電器側で、充電電流を遮断又は低下させる。電池温度が設定温度よりも低くなると、正常な充電電流で充電する。
【0063】
さらに、制御回路21は、識別信号端子から入力される電池の識別信号から電池パック30を充電する最適な電圧と電流値を判別して充電端子4から出力する充電電圧と充電電流を変更する。この電池パック用充電器100は、電池パック30が装着されると、電池パック30の制御部40から出力される電池の識別信号を制御回路21で受信し、制御回路21が、入力された電池の識別信号から電池パック30のタイプを判別して、この電池パック30を充電するのに最適な電圧と電流値となるように充電回路20を制御する。この電池パック用充電器100は、電池パック30を充電する充電電圧と充電電流を、電池パック30から入力される電池の識別信号から判別して最適な電圧に切り換えて充電するので、一つの電池パック用充電器で出力電圧の異なる複数種の電池パックを充電できる。ただ、電池パック用充電器は、必ずしも出力電圧を切り換える必要はなく、一定の出力電圧で電池パックを充電することもできる。
【0064】
さらに、図29に示すパック電池30は、充電できる電池39と直列に接続している充放電スイッチ41と、電池39の異常を検出して充放電スイッチ41をオフに制御する制御部40とを備える。充放電スイッチ41は、電池が満充電になるとオンからオフに切り換えられて、電池の過充電を防止する。また、充放電スイッチ41は、電池が完全に放電されるとオフに切り換えられて、電池の過放電を防止する。
【0065】
また、充放電スイッチ41を省略して、異常信号を発信して、機器側、充電器側で、充電電流を遮断又は低下させることもできる。
【0066】
制御部40は、電池39に流れる電流を検出し、また、電圧を検出して、電池の残容量を演算している。電池の電流を検出するために、電池と直列に接続している電流検出抵抗43を備える。この電流検出抵抗43の両端の電圧を検出して、電池に流れる充電電流と、放電電流を判別して検出する。さらに、制御部40は、電池39の過電流を検出し、又は電池39の温度が異常に高くなると充放電スイッチ41をオフに切り換えて電流を遮断する。さらに、制御部40は内蔵する電池39の異常を検出すると異常信号を通信端子35から外部に出力する。
【0067】
さらに、図のパック電池は、電池温度を検出する温度センサー42を備える。温度センサー42は、電池39に接近して熱結合状態で配設されるサーミスタである。温度センサーは、電池39の温度で電気抵抗が変化して電池温度を検出する。制御部40は、温度センサー42で検出される電池温度が設定温度よりも高くなると、充放電スイッチ41をオフに切り換えて充電や放電を停止する。また、電池温度が異常に高くなったことを通信端子35から出力する。または、電池温度の情報を、通信端子35から出力することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る電池パックは、電動工具用電池パックや、アシスト自転車、電動バイク、携帯電話等の携帯機器用の電池パックとして好適に利用できる。
【符号の説明】
【0069】
1…ケース
2…装着部;2A…底面
3…接続端子
4…充電端子
5…非充電端子
6…側壁
7…ラベル
8…ラベル貼付領域
9…保護部
17…保持凹部
20…充電回路
21…制御回路
22…整流回路
24…フック開口窓
25…区画リブ;25U…区画リブの下側端縁
26…端子リブ;26U…端子リブの下側端縁
27…保持リブ
28…水抜き穴
28K…区画壁;28R…連通領域;28S…ねじ用リブ;28T…筒状リブ
29…第二水抜き穴
30…電池パック
31…ケーシング;31A…上ケーシング;31B…下ケーシング
32…セット面
33…外部接続端子
34…充放電端子
35…信号端子
36…段差凹部
37…保持凸部;37b…係止フック
38…縦溝
39…二次電池
40…制御部
41…充放電スイッチ
42…温度センサ
43…電流検出抵抗
54…温度検出手段
56…シート部材
70…電池ホルダ
71…表出部
72…スペーサ壁;72S…電池収納空間
73…ホルダ側壁
74…パック基板;74SF…パック基板表面の一部;74ST…パック基板の区画
75…基板固定部
78…傾斜面
79…樋
80…電池リード板
82…出力リード板;82B…第二出力リード板
83…出力リード線
83B…接続リード板
84…信号リード線
88…堰止突出部
89…半田
90…電池パック
92…装着部
93…係止孔
97…係止フック
100…電池パック用充電器
GP…隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具等の電気機器に脱着自在に装着されて電力を供給する電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具等の電気機器は、充電可能な二次電池を内蔵している電池パックを電気機器本体に脱着自在に装着することで、コードレス方式として建築現場等において便利に使用できる。また、電気機器本体から電池パックを取り外し式とすることで、取り外した電池パックを充電器にセットして、充電して繰り返し使用できる。このような電池パックを充電する充電器として、充電器ケースの上面に電池パックを脱着自在に装着する装着部を有し、この装着部に充電端子を表出して設けた充電器が実用化されている。この充電器は、装着部に装着される電池パックの外部接続端子を充電端子に接続し、充電端子から充電電力を出力して電池パックを充電する(特許文献1参照)。
【0003】
また、電池パックを充電器の装着部に装着した状態で外れないように、電池パックの装着状態を保持するためのロック構造を設けている。ロック機構は、例えば図30に示すように、電池パック90から爪状の係止フック97を突出させて、装着部92に設けた係止孔93に係止して、電池パック90の脱落を阻止する。このため電池パック90は、係止フック97を突出させる方向にばね材等で付勢し、ロック状態を維持する一方で、この係止フック97をユーザが指で押し戻して、ロック状態を解除する。このように電池パック90は、係止フック97を出し入れする構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−280679号公報
【特許文献2】特開2009−212583号公報
【特許文献3】特開2009−60165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、このような電池パックは、内部に水が浸水すると、二次電池や電子回路の端子類がショートする可能性があるため、防水構造とすることが好ましい。しかしながら、上述のようにロック機構に可動部を有する電池パックでは、完全な防水構造とすることは容易でない。特に、係止フックを可動させる必要上、係止フックを突出させるための開口窓を形成する必要があるため、この開口窓から電池パックのケーシング内部に水が侵入するという問題があった。また、一旦侵入した水を外部に排出することも容易でなく、この結果、二次電池や電子回路基板に水が伝わって意図しない導通を生じる可能性があった。
【0006】
更に、電池パックは外部接続される電気機器等と接続するための出力端子を設けているところ、このような出力端子を電池パックの外部に露出させるため、電池パックに開口部を設けている。この開口部から水がケース内部に浸入する可能性があるという問題もある。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電池パックの防水構造を実現して信頼性を高めた電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る電池パックによれば、充電可能な二次電池39を備え、電気機器に装着して該電気機器に電力を供給すると共に、充電器100に装着して充電可能な電池パックであって、充電可能な複数の二次電池39を保持する電池ホルダ70と、前記二次電池39に接続された電子回路を実装したパック基板74と、前記電池ホルダ70及びパック基板74を収納するケーシング31と、前記パック基板74上に固定され、前記二次電池39と接続されると共に、前記ケーシング31の外部に表出されてなる外部接続端子33と、前記ケーシング31の表面から突出され、充電器100及び/又は電気機器に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック37bと、を備え、一方の表面に、前記係止フック37bを前記ケーシング31の表面から突出させるためにフック開口窓24を開口すると共に、さらに区画リブ25が、前記係止フック37bのフック開口窓24に沿って前記ケーシング31内部に延長されてなり、前記区画リブ25の端縁を、前記パック基板74と当接させることができる。これにより、パック基板に区画リブを当接させる領域を、パック基板の一部のみとして、パック基板側への浸水の可能性を低減できる。
【0009】
また、第2の側面に係る電池パックによれば、さらに前記外部接続端子33を囲んで前記ケーシング31内部に延長された端子リブ26を備えており、前記外部接続端子33の端縁を、前記パック基板74と当接させることができる。
【0010】
さらに、第3の側面に係る電池パックによれば、充電可能な二次電池39を備えると共に、充電器100に装着して充電可能な電池パックであって、充電可能な複数の二次電池39を保持する電池ホルダ70と、前記二次電池39に接続された電子回路を実装したパック基板74と、前記電池ホルダ70及びパック基板74を収納するケーシング31と、前記パック基板74上に固定され、前記二次電池39と接続されると共に、前記ケーシング31の外部に表出されてなる外部接続端子33と、前記ケーシング31の表面から突出され、充電器100に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック37bと、を備え、前記ケーシング31の一方の表面に、前記係止フック37bを前記ケーシング31の表面から突出させるためにフック開口窓24を開口すると共に、前記フック開口窓24を設けた面と異なる他方の表面に、水抜き穴28を開口しており、前記フック開口窓24から、前記ケーシング31内部に延長されると共に、前記フック開口窓24から連通される経路と、前記パック基板74に実装された電子回路とを区画する区画リブ25を設けており、前記区画リブ25で区画された連通経路によって、前記フック開口窓24と水抜き穴28とが連通されるよう構成できる。これにより、フック開口窓から水が侵入しても、区画リブによってパック基板に実装された電子回路側に水が流れる事態を阻止すると共に、内部に侵入した水は水抜き穴に案内されて外部に排出され、意図しない導通を効果的に回避できる。
【0011】
さらにまた、第4の側面に係る電池パックによれば、前記連通経路が、少なくとも一部を前記電池ホルダ70の上面で形成されるよう構成できる。これにより、二次電池を収納した電池ホルダの背面で連通経路を区画でき、二次電池側への浸水を効果的に阻止できる。
【0012】
さらにまた、第5の側面に係る電池パックによれば、前記電池ホルダ70の上面を、前記水抜き穴28に向かって下り勾配となるよう傾斜させることができる。これにより、フック開口窓から侵入した水を、連通経路の傾斜面によって水抜き穴側に案内して電池パックの外部に排出し易くできる。
【0013】
さらにまた、第6の側面に係る電池パックによれば、前記区画リブ25の端縁が、前記外部接続端子33の表面の一部に当接されてなり、前記外部接続端子33が、前記区画リブ25との当接領域に近接して、配線のための半田付け領域を設けてなると共に、該半田付け領域において、堰止突出部88を形成することができる。これにより、半田付けの際に半田の広がりが、堰止突出部で堰き止められる結果、当接領域まで半田が広がる事態が回避され、流出した半田の盛り上がりによって当接領域における当接が阻害される事態を回避でき、区画リブによる確実な当接を発揮して浸水を効果的に阻止できる。
【0014】
さらにまた、第7の側面に係る電池パックによれば、前記堰止突出部88を、前記外部接続端子33の表面に絞り加工で形成できる。これにより、堰止突出部を外部接続端子の表面に一体的に、容易に形成できる。
【0015】
さらにまた、第8の側面に係る電池パックによれば、さらに前記ケーシング31内部において、前記外部接続端子33の上端を案内して、両側から保持する保持リブ27を備えることができる。これにより、外部接続端子が安定的に保持され、信頼性を向上できる。
【0016】
さらにまた、第9の側面に係る電池パックによれば、前記保持リブ27が、前記外部接続端子33の上端を狭持することができる。これにより、保持リブで確実に外部接続端子を上面から保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電池パックを示す斜視図である。
【図2】図1の電池パックを背面から見た斜視図である。
【図3】図1の電池パックの正面図である。
【図4】図1の電池パックの平面図である。
【図5】図1の電池パックを背面から見た斜視図である。
【図6】図5の電池パックのラベル貼付領域を示す分解斜視図である。
【図7】図1の電池パックの分解斜視図である。
【図8】図7の電池パックを背面から見た分解斜視図である。
【図9】図4の上ケーシングを裏面から見た底面図である。
【図10】図3の電池パックのX−X線における水平断面を見た斜視図である。
【図11】図3の電池パックにおいて、上ケーシングを外した状態を見た斜視図である。
【図12】図11を背面側から見た斜視図である。
【図13】図7の電池ホルダの平面図である。
【図14】図13の電池ホルダの半田付け前の状態を示す斜視図である。
【図15】図14の電池ホルダを背面から見た斜視図である。
【図16】図14の電池ホルダの分解斜視図である。
【図17】堰止突出部で半田を堰き止める状態を示す模式断面図である。
【図18】堰止突出部のない状態での半田の流出を示す模式断面図である。
【図19】図9の上ケーシングの斜視図である。
【図20】図19の上ケーシングの保持リブを示す拡大斜視図である。
【図21】図4のXXI−XXI線における垂直断面図である。
【図22】図3のXXII−XXII線における垂直断面図である。
【図23】図3の電池パックのXXIII−XXIII線における水平断面図である。
【図24】電池パックを電池パック用充電器に装着した状態を示す斜視図である。
【図25】図24の電池パック用充電器から電池パックを外した状態を示す斜視図である。
【図26】図24の電池パック用充電器のXXVI−XXVI線における縦断面図であ
【図27】図26の電池パック用充電器から電池パックを外した状態を示す縦断面図である。
【図28】図24のXXVIII−XXVIII線における横断面図である。
【図29】電池パック用充電器に電池パックを接続した状態を示す回路図である。
【図30】電池パックを充電器にセットするロック構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電池パックを例示するものであって、本発明は電池パックを以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0019】
図1〜図23に、本発明の一実施の形態に係る電池パックを示す。これらの図において、図1は電池パック30を示す斜視図、図2は図1の電池パック30を背面から見た斜視図、図3は図1の電池パック30の正面図、図4は図1の電池パック30の平面図、図5は図1の電池パック30を背面から見た斜視図、図6は図5の電池パック30のラベル貼付領域を示す分解斜視図、図7は図1の電池パック30の分解斜視図、図8は図7の電池パック30を背面から見た分解斜視図、図9は図4の上ケーシング31Aを裏面から見た底面図、図10は図3の電池パック30のX−X線における水平断面を見た斜視図、図11は図3の電池パック30において、上ケーシング31Aを外した状態を見た斜視図、図12は図11を背面側から見た斜視図、図13は図7の電池ホルダ70の平面図、図14は図13の電池ホルダ70の半田付け前の状態を示す斜視図、図15は図14の電池ホルダ70を背面から見た斜視図、図16は図14の電池ホルダ70の分解斜視図、図17は堰止突出部88で半田89を堰き止める状態を示す模式断面図、図18は堰止突出部88のない状態での半田89の流出を示す模式断面図、図19は図9の上ケーシング31Aの斜視図、図20は図19の上ケーシング31Aの保持リブ27を示す拡大斜視図、図21は図4のXXI−XXI線における垂直断面図、図22は図3のXXII−XXII線における垂直断面図、図23は図3の電池パック30のXXIII−XXIII線における水平断面図を、それぞれ示している。この例では、電池パック30を装着する電気機器として、電動工具に適用した例を説明する。
【0020】
これらの図に示す電池パック30は、充電可能な複数の二次電池39を保持する電池ホルダ70と、二次電池39同士を端面で接続する電池リード板80と、二次電池39に接続された電子回路を実装したパック基板74と、電池ホルダ70及びパック基板74を収納するケーシング31と、パック基板74上に固定され、二次電池39と接続されると共に、ケーシング31の外部に表出される外部接続端子33と、ケーシング31の表面から突出され、電池パック用充電器100に電池パック30を装着した状態で保持するための係止フック37bとを備える。
(ケーシング31)
【0021】
ケーシング31は、図1〜図4に示すように、外観を箱状に形成されており、隅部を面取りすると共に、表面に電気機器である電動工具や、電池パック用充電器100の接続端子3と接続するための外部接続端子33を、縦溝38から表出させている。また電池パック30を電動工具や電池パック用充電器100に装着する際に、装着状態を保持するための保持凸部37を備える。このケーシング31は、絶縁性と強度に優れた樹脂等により成型される。図の外部接続端子33は、両側に配置される充放電端子34と、これらの充放電端子34の間に配置される信号端子35とを備えている。
(ラベル貼付領域8)
【0022】
またケーシング31の裏面には、図5、図6に示すようにラベル7が貼付される。ラベル7には、電池パックの定格や注意事項等の情報を記載する。このためケーシング31の表面には、ラベル貼付領域8が形成される。図6の例では、下ケーシング31Bの底面に、ラベル貼付領域8を設けている。
【0023】
またケーシング31は、図7及び図8の分解斜視図に示すように上ケーシング31Aと下ケーシング31Bに二分割されている。ケーシング31の内部には収納空間を構成しており、ここに電池ホルダ70とパック基板74、及び保持凸部37を収納する。
(フック開口窓24)
【0024】
上ケーシング31Aには、図4等に示すようにフック開口窓24を開口しており、ここから係止フック37bが表出される。係止フック37bは、電池パック30を電池パック用充電器100に装着した状態で抜け落ちないよう保持するロック機構である。また、同様に係止フック37bは、電池パック30を電気機器に装着した状態で抜け落ちないよう保持するロック機構としても機能できる。
(区画リブ25)
【0025】
一方で、図4等に示すように、ケーシング31の上面に開口されたフック開口窓24と、係止フック37bとの間の隙間GPから、水滴や埃等がケーシング31の内部に浸入するおそれがある。特に水は、外部接続端子33等の金属製の部材を錆びさせたり、電子部品の意図しない導通を引き起こす可能性があるため、これらの部材から隔離することが望ましい。一方で、パッキン等を用いて完全な防水構造を実現しようとすれば、構造が複雑化しコストも嵩む。そこで本実施の形態では、フック開口窓24の隙間GPから水が浸入しても電子部品等にかかることなく、外部に排出できるような構造とした。具体的には、図9及び図10に示すように、上ケーシング31Aにはフック開口窓24からケーシング内部に延長される区画リブ25を形成している。区画リブ25は、ケーシング内部を区画して、区画リブ25下のパック基板74の区画された領域以外に、あるいはパック基板74に実装された電子回路側に、フック開口窓24から侵入した水が入り込まないようにしている。
【0026】
図4、図9〜図11等の例では、係止フック37bが、平面視凹状に形成されており、フック開口窓24が、係止フック37bの平面視凹状に沿って凹状に開口される結果、区画リブ25も、この凹状に沿ってケーシング内部に延長されている。すなわち、両側をパック基板74側に突出させた形状に形成される。このため、区画リブ25のみで完全にパック基板74を隔離してしまうのでなく、パック基板74表面の一部74SF(平面視四角形形状)の外周において、区画リブ25の両側の下側端縁25Uがパック基板74に当接するような状態となる。
【0027】
さらに縦溝38に連通するように、上ケーシング31Aの内面には、縦溝38から各々表出する外部接続端子33を区画する端子リブ26を設けている。端子リブ26内に各外部接続端子33を収納することで、外部接続端子33同士をケーシング31内部で隔離して絶縁を図ることができる。この端子リブ26は図9、図10、図19等に示すように、上ケーシング31Aと一体に形成される。
【0028】
詳細には、縦溝38の下側に、ケーシング31内部に延長される端子リブ26を形成しており、端子リブ26は、平面視四角形(矩形)状に設けられている。端子リブ26は、ケーシング31内部を区画して、外部接続端子33を表出させている縦溝38から侵入した水が、端子リブ26下のパック基板74の区画74ST以外に、あるいはパック基板74に実装された電子回路側に入り込まないようにしている。端子リブ26下のパック基板74の区画74STの外周において、端子リブ26の下側端縁26Uが、パック基板74に当接するような状態となる。
【0029】
この結果、パック基板74の区画リブ25下の一部74SFはフック開口窓24側に位置し、一方でパック基板74の端子リブ26下の区画74STは縦溝38側に位置して、水分に晒される可能性があることとなるが、この部分以外に、水分が浸入することを低減することができる。図10に開示されるように、パック基板74表面の一部74SFの外周である3辺は、区画リブ25の下側端縁25Uに当接するが、一辺は区画リブ25が存在していないので、当接せず、開放されていることより、後述する電池ホルダ70の傾斜面78に連通し、水分、水滴等が、傾斜面78へと移動する。また、ここで、パック基板74の一部74SFはフック開口窓24側に位置して、パック基板74の端子リブ26下の区画74STは縦溝38側に位置して、水分に晒される可能性があることとなるが、パック基板74上のこれら部分には電子部品を実装しないか、あるいは少なくとも水分に晒したくない電子部品は実装しないことで、パック基板74上に実装された他の重要な電子部品と隔離できる。なお、パック基板74上のこれら部分には電子部品を実装しても良い。
【0030】
また、ここでいう隔離とは完全防水を意味するものでなく、実質的に浸水が阻止できる程度の構造でもよい。また当接とは、完全に密着した状態である必要はなく、水の浸入を阻止できる程度で足りる。例えば、僅かなクリアランスが存在しても、パック基板74上の水分が表面張力の作用によって水滴となって、このクリアランスを通過できなくなる状態となるため浸水防止の目的を達成できるので、このような僅かなクリアランスが存在しても本明細書で言う当接の概念に包含される。またこのような僅かなクリアランスを許容することで、製造公差に対応でき、かつパッキン等を用いた完全防水構造を用意することなく、効果的な浸水防止構造が安価にかつ簡便に実現できる。
【0031】
また図11に示すように、下ケーシング31Bの、フック開口窓24の裏面側に位置する部位には、二次電池39を保持する電池ホルダ70の背面(図において上面側)が位置しており、電池ホルダ70によって二次電池39に水がかかる事態を回避できる。
(水抜き穴28)
【0032】
さらに下ケーシング31Bには、水抜き穴28を開口している。水抜き穴28は、ケースの内部で、フック開口窓と連通させた領域に開口される。いいかえると、ケース内部を、フック開口窓と連通させた連通領域28Rと、それ以外の収納領域に区画し、収納領域に二次電池等を配置することで、フック開口窓から侵入する水分が収納領域に入り込まないようにして防水を図ると共に、連通領域28Rに水抜き穴を開口することで、この水抜き穴から外部に水を排出できる。このため図10〜12に示すように、下ケーシング31Bには区画壁28Kを設けて、上ケーシング31Aの区画リブ25と共に、連通領域28Rを画定する。また電池ホルダ70は、区画壁28Kで区画された収納領域に収納される。
【0033】
上述の通り、フック開口窓24から水抜き穴28に連通する連通経路が形成されており、フック開口窓24から浸入した水が水抜き穴28から外部に排出される。加えて、電池ホルダ70の背面に、図10及び図11に示すように水抜き穴28側に向かって下り勾配となる傾斜面78を設けると共に、区画壁28Kに樋79を形成することで、水が傾斜面78に沿って流れ落ち易くなり、さらに樋79に水を集めるように傾斜させることで、樋79を介して水抜き穴28側に水を案内して電池パック30の外部に排出できる。
【0034】
さらに下ケースは、図11に示すように、下ケーシング31Bと上ケーシング31Aとをねじ止めするねじ穴を設けた一対のねじ用リブ28Sを設けている。連通領域28Rは、図11に示すように、一対のねじ用リブ28Sの間で、上述した区画壁28Kと、下ケーシング31B端面とで挟まれた領域に形成されている。この例では、ねじ用リブ28Sの外径が、連通領域28Rの厚さとなる。加えて、連通領域28Rには、一対の筒状リブ28Tが配置される。筒状リブ28Tは、保持凸部37を弾性的に付勢するためのコイルスプリングを挿入するための部材である。これら一対の筒状リブ28Tは、連通領域28Rの厚さとほぼ同様であって、このため連通領域28Rをさらに3つの領域に区画している。
【0035】
図5の例では、水抜き穴28を下ケーシング31B底面の背面側3箇所に開口している。具体的に、中央の水抜き穴28は、図11に示すように、一対の筒状リブ28Tの間に位置されている。また他の水抜き穴28は、それぞれ筒状リブ28Tとねじ用リブ28Sの間に設けられている。このように、3つに区画された連通領域28Rの各々に水抜き穴を設けることで、各領域に案内された水を外部に排出できる。
【0036】
また、中央の水抜き穴28が設けられた区画、すなわち一対の筒状リブ28Tの間に、上述した樋79が案内されるように構成することで、樋79から流れ込んだ水を、中央の水抜き穴から外部に逐次排出できる。特に図11の例では、一対の筒状リブ28Tの間を、筒状リブ28Tとねじ用リブ28Sの間よりも広くしているため、より多くの水をここに集めて、中央の水抜き穴28から纏めて排出できる。一方で、筒状リブ28Tは、区画壁28Kよりも高さを低くしているため、筒状リブ28Tの高さよりも高い領域では、3つに区画された連通領域28Rが連通している。したがって、多くの水が中央の区画に集まった結果水位が上昇して、筒状リブ28Tよりも高くなると、筒状リブ28Tの左右、すなわち筒状リブ28Tとねじ用リブ28Sの間にも水が流れ込むので、左右の水抜き穴28からも水を排出できるようになる。
【0037】
さらに水抜き穴は、連通領域28Rのみならず、収納領域に開口することもできる。図5等の例では、収納領域の四隅に位置する部位に、第二水抜き穴29をそれぞれ開口している。これによって、電池パック30内部の収納領域に不所望に進入した水は、図5、図6等に開示されるように、下ケーシング31Bの下面に設けられた第二水抜き穴29から、排出されることになる。
(電池ホルダ70)
【0038】
電池ホルダ70は、図13及び図14、図15に示すように、二次電池39と、パック基板74と、電池リード板80と、各種リード線とを備えている。またこの電池ホルダ70は、図16の分解斜視図に示すように、下面に二次電池39を収納する電池収納空間と、上面にパック基板74を固定する基板固定部75とを設けている。二次電池39同士は、電池ホルダ70の端面に開口された表出部71から表出する二次電池39の端面同士を、電池リード板80で電気接続され、さらに電池ホルダ70に二次電池39を収納した電池コアの出力を出力リード板82(図15において左下)及び接続リード板83Bと、第二出力リード板82B及び出力リード線83(図15において右上)とでパック基板74に接続している。そして、電池コアの出力、パック基板74からの信号等を、外部接続端子33から出力している。また電池リード板80は、信号リード線84を介してパック基板74と接続されている。なお出力リード線83は高電圧線であるため、高電流に対応した太い導線が使用され、一方信号リード線84は信号線であるため、これよりも細い導線で足りる。
(外部接続端子33)
【0039】
パック基板74には、外部接続端子33として、充放電端子34と、信号端子35とを備えている。充放電端子34は、電池コアの出力を、電動工具や電池パック用充電器100と接続する。この例では、電池コアからの出力は、第二出力リード板82B及び出力リード線83と、出力リード板82及び接続リード板83Bを介して、パック基板74上の充放電端子34と接続されている。なお接続リード板83Bは、出力リード板82と別部材で構成する他、出力リード板82に接続リード板83Bを一体的に設けてもよい。
(電子回路)
【0040】
さらにパック基板74上には、電子回路が実装されており、二次電池39と接続されている。電子回路は、例えば二次電池を保護する保護回路である。保護回路は、各電池リード板80と信号リード線84を介して接続されており、例えば各二次電池39の電池電圧を検出する。また保護回路は、電池温度を検出する温度検出手段54(図22)とも別途、図12に示す信号リード線84を介して接続されている。
(信号端子35)
【0041】
さらにパック基板74は、保護回路の出力や電池情報等を出力する信号端子35(図1参照)も備えている。これら充放電端子34や信号端子35は、図1等に示すように、ケーシング31の表面から表出される。このため上ケーシング31Aには、図1〜図7に示すように縦溝38が形成されている。
(堰止突出部88)
【0042】
上述の通り、パック基板74上には一部に端子リブ26が当接される。図15に示す例では、端子リブ26が当接される領域を斜線で示している。ここで、外部接続端子33は、図15に示すように出力リード板82及び接続リード板83Bと、図14に示すように出力リード線83と、半田付けにより接続されている。具体的には、出力リード板82と接続された接続リード板83B(又は出力リード線83)と、外部接続端子33とを離間させた状態で、図17に示すように半田付けによって埋めるようにする。このため外部接続端子33は、端縁を半田付け領域としている。この半田付けの際、半田89が流れて広がりすぎると、図18に示すように半田付け領域を超えて端子リブ26との当接面にまで拡散することがある。この結果、外部接続端子33の上面が半田89によって盛り上がったり凸状となることが考えられ、端子リブ26の端縁との間に意図しない隙間が形成されることとなって、防水性が図れなくなる可能性がある。そこで、図15及び図17に示すように、外部接続端子33に、半田付け領域に近接して、堰止突出部88を形成している。堰止突出部88は、外部接続端子33の表面から突出するよう形成されており、土手状に盛り上がることで、半田89の流出を物理的に阻止する。この堰止突出部88は、好ましくは外部接続端子33の表面に絞り加工等で一体的に形成する。堰止突出部88は、好ましくは半田付け領域の端縁に設ける。これによって、半田89の拡散位置を正確に規定して、確実な半田付け効果を得ると共に、端子リブ26による隔離が阻害されることを阻止する。また堰止突出部88はこの例では概略の形として平面視円形で球面状に形成しているが、この構成に限られず、多角形状や線状等、半田の流出を阻止できる任意の形状とできる。また、外部接続端子の表面に別部材の堰止突出部を付加する形態としてもよい。
(保持リブ27)
【0043】
外部接続端子33は、図12等に示すように、パック基板74上に上述の通り固定される。一方で、外部接続端子33の上端は、上ケーシング31Aの内面に形成された保持リブ27によって保持される。このため上ケーシング31Aには、外部接続端子33を収納する端子リブ26の内面に、図19〜図22に示すように保持リブ27を設けている。この保持リブ27は、図21に示すように断面コ字状に開口されており、この間に外部接続端子33を挿入して、外部接続端子33を上端から支持する。図20において、外部接続端子33が点線で示されるように、保持リブ27が、外部接続端子33の上端を狭持している。このようにして、外部接続端子33を下面ではパック基板74で、上端では保持リブ27で、それぞれ支持することにより、長期に渡って安定して接点を使用できる。
【0044】
外部接続端子33は、従来はパック基板上に固定されるのみであったため、使用に伴い何度も電池パック用充電器100や電動工具に挿抜が繰り返される結果、変形や歪みが生じることがあった。特に外部接続端子はパック基板上に直立姿勢で固定され、縦方向に長く延長されている上、上端が自由端であるため、左右に振れやすく、さらに外部接続端子が可撓性を有する金属性であることとも相俟って、経年使用によって変形が生じやすくなる。そして変形が生じると、外部接続端子と充電器側端子等との各接点における押圧力にばらつきが生じ、接触抵抗に差が生じたり、接触不良が生じる等の問題も懸念される。そこで、上述の通り縦方向に長い外部接続端子33の上端を、上ケーシング31Aの内面に設けた保持リブ27によって保持することにより、上下で安定的に支持できるため、長年にわたり安定的に外部接続端子33を同一姿勢に維持して、接点の押圧力を一定に維持し、信頼性を高める効果が得られる。
【0045】
保持リブ27は、好ましくは図19等に示すように、上ケーシング31A内面の端子リブ26内に一体成型で形成される。また図20の拡大図に示すように、開口端側を面取りして広く開口することで、外部接続端子33を保持リブ27に案内し易くできる。
(二次電池39)
【0046】
ケーシング31は、内部に二次電池39を内蔵できる形状に形成される。ここでは、二次電池39として外装缶を長手方向に延長された円筒状とした円筒形二次電池を使用している。このケーシング31は、図7〜図16に示すようにケーシング31内に複数本の二次電池39を互いにほぼ平行姿勢で、同一平面上に横並びに隣接するように配置している。電池パック30に内蔵される二次電池39は、リチウムイオン電池である。ただ、二次電池は、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池、ポリマー電池等の充電できる他の全ての電池とすることもできる。複数の二次電池は、複数本を直列に接続して出力電圧を高くし、また複数本を並列に接続して出力電流を大きくできる。この例では、二次電池39をリチウムイオン電池とし、図23に示すように5本を直列に接続して出力電圧を18Vとしている。電池数を4本にして直列に接続すれば、出力電圧は14.4Vとなる。ただ電池パックは、内蔵する二次電池の本数や接続状態を特定しない。電池パックは、使用する電気機器の種類や用途に応じて内蔵する二次電池の本数と出力電圧を種々に設計できる。
(電池収納空間72S)
【0047】
電池ホルダ70の電池収納空間は、図16の斜視図に示すようにスペーサ壁72で仕切られ、隣接する二次電池39同士を電気的に隔離して収納する。スペーサ壁72は、複数枚が下方に向かって突出するように設けられており、下方から二次電池39をスペーサ壁72同士の間に収納する。図16、図23の例では、4枚のスペーサ壁72を設けて5本の二次電池39を収納すると共に、両側は図14〜図16等に示すように、両端に位置する二次電池39の側面を上部分のみホルダ側壁73で被覆し、二次電池39の側面から下側にかけて表出させている。また電池ホルダ70の上方では、図16に示すように、円筒形二次電池39の側面に一致するように、各二次電池39の収納位置が湾曲されて形成されている。これによって電池収納空間は、断面視逆U字状に下方を開口しており、二次電池39を下方に開口された電池収納空間から挿入する。またスペーサ壁72は、隣接する二次電池39同士の間から下方に延びるように形成され、電池ホルダ70の上面側には突出させない。さらに電池ホルダ70の上面側には、パック基板74を固定するための基板固定部75が設けられている。
(スペーサ壁72)
【0048】
スペーサ壁72は、スペーサ壁72同士の間に二次電池39を収納した状態でこれを保持できるよう、二次電池39の直径とほぼ同じか、これよりも若干小さい幅に設けられる。電池ホルダ70は、絶縁性、断熱性に優れ、かつ可撓性を有するプラスチック等の樹脂で形成されており、スペーサ壁72は電池ホルダ70に一体成型で設けられる。これにより、スペーサ壁72同士の間に二次電池39を挿入した状態で弾性変形して二次電池39の側面が押圧されて、抜け落ちないように保持される。同時に、隣接する二次電池39同士をスペーサ壁72で絶縁、断熱でき、例えばいずれかの二次電池が高温になった際でも隣接する二次電池に熱が伝搬する事態を低減できる。
(表出部71)
【0049】
さらに電池ホルダ70の端面には、電池収納空間に収納された二次電池39の端面を少なくとも部分的に表出させる表出部71を設けている。表出部71は、二次電池39の端面を表出させる一方で、二次電池39が抜け落ちないように端面よりも小さく形成される。図14〜図16等の例では、二次電池39端面の上部と側部とを部分的に覆い、かつ下方を開口させたコ字状に形成されている。この電池ホルダ70は、二次電池39を電池収納空間に収納した状態で、表出部71から表出される端面同士を電池リード板80で接続する。
(電池リード板80)
【0050】
電池リード板80は図16の斜視図等に示すように、導電性に優れた平板状の金属板であり、表出部71に収納できる大きさに形成される。この電池リード板80はスポット溶接のため、溶接スリットを形成しており、電池収納空間に収納された状態で隣接する二次電池39の端面同士に固定される。
(基板固定部75)
【0051】
電池ホルダ70の上面には、パック基板74を固定するための基板固定部75が設けられる。基板固定部75は、図16の分解斜視図等に示すように、二次電池39を並べたほぼ中央に形成され、パック基板74を螺合するためのねじ穴を形成している。パック基板74は、パック基板74を貫通するねじ穴を中央に開口しており、ねじによって電池ホルダ70の上面に固定される。
(温度検出手段54)
【0052】
さらに電池ホルダ70は、二次電池39の温度を検出するための温度検出手段54を固定している。温度検出手段54には、サーミスタ等、温度情報を電気信号として検出可能な温度センサが使用できる。この温度検出手段54は、図22等に示すように、複数の二次電池39の内、中間に位置する二次電池同士の間に固定されている。一般には温度検出手段は隅部の二次電池に固定されることが多いが、複数の二次電池を並べてケーシング内に収納する構成においては、内部ほど熱が籠もる傾向があるため、内部の方が隅部よりも温度が高くなると考えられる。そこで、少ない数の温度検出手段で二次電池の温度を効果的に検出するため、この例では中間の二次電池同士の間に温度検出手段を配置することで、最も高い二次電池の温度を検出でき、パック基板側に最も高い電池温度情報を送出することで、安全性を高めることができる。
(温度検出挿入孔)
【0053】
電池ホルダ70の上面には温度検出挿入孔が開口されており、温度検出挿入孔の裏側で、二次電池39同士の間で、隣接する両方の二次電池と接するように温度検出手段54を配置すると共に、この温度検出手段54と接続された信号リード線84を温度検出挿入孔から引き出して、パック基板74に送出する。またこの例では、温度検出挿入孔を閉塞する位置にパック基板74を固定している。これによって開口部分をパック基板74で閉塞でき、温度検出挿入孔を介して電池ホルダ70内部に埃等の異物や水が浸入する可能性を低減できる利点が得られる。また、温度検出手段54とパック基板74との電気接続距離を短くできるという効果も得られる。
(シート部材56)
【0054】
以上の電池ホルダ70は、図7の分解斜視図に示すように、ケーシング31内に収納される。電池ホルダ70と下ケーシング31Bとの間には、好ましくはシート部材56を介在させる。このシート部材56は、絶縁性と断熱性に優れた材質(例えばシリコーン等)で形成される。またシート部材56にクッション性を持たせることで、外部からの衝撃を吸収、緩和できる効果も得られる。また電池ホルダとケーシング底面とのクリアランスの削減にも寄与できる。
(保持凸部37)
【0055】
保持凸部37は、図1〜図8に示すように部分的にケーシング31から表出させるようにして、ケーシング31内に可動自在に収納される。保持凸部37は、上面に操作部を有すると共に、下面に電池パック30の装着時の進行方向に面して傾斜させた傾斜面と、傾斜面から連続して形成された垂直面とを有する係止フック37bを設けている。この係止フック37bは操作部と一体成型されている。また装着部2には、この係止フック37bと対応する位置に保持凹部17を形成している。この保持凹部17も、傾斜面と一致する凹部傾斜面と、水直面と一致する凹部垂直面とを有している。
【0056】
この電池パック30を専用の電池パック用充電器100に装着する様子を、図24〜図28に示す。これらの図において、図24は電池パック30を電池パック用充電器100に装着した状態を示す斜視図、図25は図24の電池パック用充電器100から電池パック30を外した状態を示す斜視図、図26は図24の電池パック用充電器100のXXVI−XXVI線における縦断面図、図27は図26の電池パック用充電器100から電池パック30を外した状態を示す縦断面図、図28は図24のXXVIII−XXVIII線における横断面図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、係止フック37bはコイルスプリング等の弾性部材で下方に突出するよう付勢されている。この電池パック30は、装着部2に装着する際は、電池パック30をスライドさせる進行方向に沿って係止フック37bの傾斜部が押圧されて収縮され、電池パック30の進行を許容する。電池パック30が所定位置まで進行されると、この位置に対応して形成された保持凹部17に係止フック37bが収納され、かつ弾性部材で係止フック37bが押圧されて、垂直面が凹部垂直面と当接し係止状態となる。この状態では、電池パック30を装着部2から引き抜く方向に力が働いても、垂直面が凹部垂直面と当接することによって係止状態が維持され、電池パック30のスライドが妨げられる。そしてユーザが電池パック30を電池パック用充電器100から取り外す際には、保持凸部37の操作部を手で押し上げるように操作することで、係止フック37bと保持凹部17との係止状態が解除されて、電池パック30のスライドが許容され、取り外し可能な状態となる。電池パック30は、装着部2の奥まで押し込んだ状態で、電池パック30の外部接続端子33が電池パック用充電器100のブレード状金属製の接続端子3と接触され、さらに保持凸部37を保持凹部17に係止させて、電池パック用充電器100に装着される。なお係止フックは、電池パックを充電器に装着した状態で保持する機能の他、電池パックを電気機器に装着した状態で保持するための手段として兼用させてもよいことはいうまでもない。
(充放電端子34、信号端子35、外部接続端子33)
【0057】
電池パック30は、上述の通り電気機器や電池パック用充電器100と接続するための外部接続端子33を複数備えている。例えば電池パック30を電池パック用充電器100に装着する場合、電池パック用充電器100の装着部2に配置される複数の接続端子3と、外部接続端子33とがそれぞれ接続される。複数の外部接続端子33は、電池パック30を電池パック用充電器100の装着部2に装着する状態で、装着部2の底面2Aと対向する底面であるセット面32に配置している(図1等参照)。図の電池パック30は、ケーシング31の底面に段差凹部36を設けており、電池パック用充電器100の装着部2に突出する接続端子3の背面に設けられた保護部9をこの段差凹部36に案内して装着部2の定位置にセットされるようにしている。
【0058】
さらに、図1〜図7の電池パック30は、セット面32に複数列の縦溝38を平行に設けると共に、この縦溝38の内側に弾性接点である外部接続端子33を設けている。弾性接点である外部接続端子33は、縦溝38に挿入される板状の電池パック用充電器100の接続端子3を両側から弾性的に押圧する状態で挟着して電気接続する。図の外部接続端子33は、両側に配置される充放電端子34と、これらの充放電端子34の間に配置される信号端子35とを備えている。両側の充放電端子34は、電池パック用充電器100の充電端子4に接続され、中間の信号端子35は、電池パック用充電器100の信号端子である非充電端子5に接続される。複数の信号端子35は、電池パック30に内蔵される複数の二次電池39の情報を外部に伝達するための端子である。この信号端子35は、例えば電池パック30に内蔵される二次電池39の異常信号(例えば、過充電信号、過放電信号等)や温度信号、識別信号等を出力する識別信号端子とできる。なおこの例では、充放電端子34と信号端子35とを共通化して、5つの外部接続端子33の製造の簡素化を図っている。また、電池パック30の各充放電端子34においては、電池パック30が装着される電気工具等の電気機器の挿入されるブレード状金属板の端子との接続が良好に行えるように、挿入方向に弾性接点を2ヶ所設けている。
【0059】
また、電池パック30の信号端子35においては、弾性接点を設けているが、図示するように、挿入方向に弾性接点を2ヶ所設けることもできる。このように、弾性接点を2ヶ所設けることにより、パック基板74から、各弾性接点に、異なる信号を出力することができる。電池パック30が装着される電気工具等の電気機器の挿入されるブレード状金属板の端子が長く、両弾性接点に接続されるものは、両方の異なる信号、あるいは奥側の弾性接点からの信号を受け取ることができる。また、電池パック30が装着される電気工具等の電気機器の挿入されるブレード状金属板の端子が短く、前側の弾性接点に接続されるものは、前側の弾性接点からの信号を受け取ることができる。
(充電回路20)
【0060】
電池パック用充電器100は、装着部2に装着された電池パック30を充電するための充電回路20を内蔵している。電池パック用充電器100のブレード状金属製の接続端子3は、充電端子4、非充電端子5にて構成される。電池パック用充電器100の両側に配置される正負のブレード状金属板の充電端子4は、装着部2にセットされる電池パック30の正負の充放電端子34に接続されて、電池パック30に充電電力を供給する。正極側の充電端子4は、図29の回路図に示すように、充電回路20に接続されており、電池パック30に電力を供給して内蔵される二次電池39を充電する。図の電池パック用充電器100は、商用電源(図示せず)から供給される交流電源を整流回路22で直流に変換し、この直流の電圧を充電回路20で充電用の電圧に変換して充電端子4から出力する。この充電回路20は、例えば、整流回路22の出力側と正極側の充電端子4との間に接続しているスイッチング素子(図示せず)をON/OFFに制御するデューティを変化させて、電池パック30の充電に最適な充電電圧と充電電流に調整する。
【0061】
一対の充電端子4の間に配置されるブレード状金属板の非充電端子5は、信号端子である。図29の回路図に示す接続端子3は、例示として、2個の信号端子を備えている。これらの信号端子は、電池パック30に内蔵される二次電池39の異常信号が入力される異常信号端子と、電池パック30に内蔵される二次電池39の温度信号が入力される温度信号端子と、電池パック30に内蔵される二次電池39の識別信号が入力される識別信号端子としている。ただ、信号端子は、これら以外の信号、例えば、電池の充電状態や、電池の種々の情報を伝達する信号端子とすることもできる。
【0062】
制御回路21は、異常信号端子に異常信号が入力されると、電池パック30の異常と判定して、充電回路20をオフに切り換えて充電を停止する。さらに、制御回路21は、温度信号端子に入力される温度信号から、電池パック30に内蔵される二次電池39の温度を検出する。この制御回路21は、電池温度が最高温度よりも高くなると、充電電流を遮断して充電を中断し、又は充電電流を少なくして、電池温度を低下させる、あるいは異常信号を発信して、機器側、充電器側で、充電電流を遮断又は低下させる。電池温度が設定温度よりも低くなると、正常な充電電流で充電する。
【0063】
さらに、制御回路21は、識別信号端子から入力される電池の識別信号から電池パック30を充電する最適な電圧と電流値を判別して充電端子4から出力する充電電圧と充電電流を変更する。この電池パック用充電器100は、電池パック30が装着されると、電池パック30の制御部40から出力される電池の識別信号を制御回路21で受信し、制御回路21が、入力された電池の識別信号から電池パック30のタイプを判別して、この電池パック30を充電するのに最適な電圧と電流値となるように充電回路20を制御する。この電池パック用充電器100は、電池パック30を充電する充電電圧と充電電流を、電池パック30から入力される電池の識別信号から判別して最適な電圧に切り換えて充電するので、一つの電池パック用充電器で出力電圧の異なる複数種の電池パックを充電できる。ただ、電池パック用充電器は、必ずしも出力電圧を切り換える必要はなく、一定の出力電圧で電池パックを充電することもできる。
【0064】
さらに、図29に示すパック電池30は、充電できる電池39と直列に接続している充放電スイッチ41と、電池39の異常を検出して充放電スイッチ41をオフに制御する制御部40とを備える。充放電スイッチ41は、電池が満充電になるとオンからオフに切り換えられて、電池の過充電を防止する。また、充放電スイッチ41は、電池が完全に放電されるとオフに切り換えられて、電池の過放電を防止する。
【0065】
また、充放電スイッチ41を省略して、異常信号を発信して、機器側、充電器側で、充電電流を遮断又は低下させることもできる。
【0066】
制御部40は、電池39に流れる電流を検出し、また、電圧を検出して、電池の残容量を演算している。電池の電流を検出するために、電池と直列に接続している電流検出抵抗43を備える。この電流検出抵抗43の両端の電圧を検出して、電池に流れる充電電流と、放電電流を判別して検出する。さらに、制御部40は、電池39の過電流を検出し、又は電池39の温度が異常に高くなると充放電スイッチ41をオフに切り換えて電流を遮断する。さらに、制御部40は内蔵する電池39の異常を検出すると異常信号を通信端子35から外部に出力する。
【0067】
さらに、図のパック電池は、電池温度を検出する温度センサー42を備える。温度センサー42は、電池39に接近して熱結合状態で配設されるサーミスタである。温度センサーは、電池39の温度で電気抵抗が変化して電池温度を検出する。制御部40は、温度センサー42で検出される電池温度が設定温度よりも高くなると、充放電スイッチ41をオフに切り換えて充電や放電を停止する。また、電池温度が異常に高くなったことを通信端子35から出力する。または、電池温度の情報を、通信端子35から出力することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る電池パックは、電動工具用電池パックや、アシスト自転車、電動バイク、携帯電話等の携帯機器用の電池パックとして好適に利用できる。
【符号の説明】
【0069】
1…ケース
2…装着部;2A…底面
3…接続端子
4…充電端子
5…非充電端子
6…側壁
7…ラベル
8…ラベル貼付領域
9…保護部
17…保持凹部
20…充電回路
21…制御回路
22…整流回路
24…フック開口窓
25…区画リブ;25U…区画リブの下側端縁
26…端子リブ;26U…端子リブの下側端縁
27…保持リブ
28…水抜き穴
28K…区画壁;28R…連通領域;28S…ねじ用リブ;28T…筒状リブ
29…第二水抜き穴
30…電池パック
31…ケーシング;31A…上ケーシング;31B…下ケーシング
32…セット面
33…外部接続端子
34…充放電端子
35…信号端子
36…段差凹部
37…保持凸部;37b…係止フック
38…縦溝
39…二次電池
40…制御部
41…充放電スイッチ
42…温度センサ
43…電流検出抵抗
54…温度検出手段
56…シート部材
70…電池ホルダ
71…表出部
72…スペーサ壁;72S…電池収納空間
73…ホルダ側壁
74…パック基板;74SF…パック基板表面の一部;74ST…パック基板の区画
75…基板固定部
78…傾斜面
79…樋
80…電池リード板
82…出力リード板;82B…第二出力リード板
83…出力リード線
83B…接続リード板
84…信号リード線
88…堰止突出部
89…半田
90…電池パック
92…装着部
93…係止孔
97…係止フック
100…電池パック用充電器
GP…隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な二次電池(39)を備え、電気機器に装着して該電気機器に電力を供給すると共に、充電器(100)に装着して充電可能な電池パックであって、
充電可能な複数の二次電池(39)を保持する電池ホルダ(70)と、
前記二次電池(39)に接続された電子回路を実装したパック基板(74)と、
前記電池ホルダ(70)及びパック基板(74)を収納するケーシング(31)と、
前記パック基板(74)上に固定され、前記二次電池(39)と接続されると共に、前記ケーシング(31)の外部に表出されてなる外部接続端子(33)と、
前記ケーシング(31)の表面から突出され、充電器(100)及び/又は電気機器に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック(37b)と、
を備え、
一方の表面に、前記係止フック(37b)を前記ケーシング(31)の表面から突出させるためにフック開口窓(24)を開口すると共に、
さらに区画リブ(25)が、前記係止フック(37b)のフック開口窓(24)に沿って前記ケーシング(31)内部に延長されてなり、
前記区画リブ(25)の端縁が、前記パック基板(74)と当接されてなることを特徴とするパック電池。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パックであって、さらに、
前記外部接続端子(33)を囲んで前記ケーシング(31)内部に延長された端子リブ(26)を備えており、
前記外部接続端子(33)の端縁が、前記パック基板(74)と当接されてなることを特徴とするパック電池。
【請求項3】
充電可能な二次電池(39)を備えると共に、充電器(100)に装着して充電可能な電池パックであって、
充電可能な複数の二次電池(39)を保持する電池ホルダ(70)と、
前記二次電池(39)に接続された電子回路を実装したパック基板(74)と、
前記電池ホルダ(70)及びパック基板(74)を収納するケーシング(31)と、
前記パック基板(74)上に固定され、前記二次電池(39)と接続されると共に、前記ケーシング(31)の外部に表出されてなる外部接続端子(33)と、
前記ケーシング(31)の表面から突出され、充電器(100)に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック(37b)と、
を備え、
前記ケーシング(31)の
一方の表面に、前記係止フック(37b)を前記ケーシング(31)の表面から突出させるためにフック開口窓(24)を開口すると共に、
前記フック開口窓(24)を設けた面と異なる他方の表面に、水抜き穴(28)を開口しており、
前記フック開口窓(24)から、前記ケーシング(31)内部に延長されると共に、前記フック開口窓(24)から連通される経路と、前記パック基板(74)に実装された電子回路とを区画する区画リブ(25)を設けており、
前記区画リブ(25)で区画された連通経路によって、前記フック開口窓(24)と水抜き穴(28)とが連通されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項4】
請求項3に記載の電池パックであって、
前記連通経路が、少なくとも一部を前記電池ホルダ(70)の上面で形成されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項5】
請求項4に記載の電池パックであって、
前記電池ホルダ(70)の上面が、前記水抜き穴(28)に向かって下り勾配となるよう傾斜されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の電池パックであって、
前記区画リブ(25)の端縁が、前記外部接続端子(33)の表面の一部に当接されてなり、
前記外部接続端子(33)が、前記区画リブ(25)との当接領域に近接して、配線のための半田付け領域を設けてなると共に、該半田付け領域において、堰止突出部(88)を形成してなることを特徴とする電池パック。
【請求項7】
請求項6に記載の電池パックであって、
前記堰止突出部(88)が、前記外部接続端子(33)の表面に絞り加工で形成されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載の電池パックであって、さらに、
前記ケーシング(31)内部において、前記外部接続端子(33)の上端を案内して、両側から保持する保持リブ(27)を備えることを特徴とする電池パック。
【請求項9】
請求項8に記載の電池パックであって、
前記保持リブ(27)が、前記外部接続端子(33)の上端を狭持してなることを特徴とする電池パック。
【請求項1】
充電可能な二次電池(39)を備え、電気機器に装着して該電気機器に電力を供給すると共に、充電器(100)に装着して充電可能な電池パックであって、
充電可能な複数の二次電池(39)を保持する電池ホルダ(70)と、
前記二次電池(39)に接続された電子回路を実装したパック基板(74)と、
前記電池ホルダ(70)及びパック基板(74)を収納するケーシング(31)と、
前記パック基板(74)上に固定され、前記二次電池(39)と接続されると共に、前記ケーシング(31)の外部に表出されてなる外部接続端子(33)と、
前記ケーシング(31)の表面から突出され、充電器(100)及び/又は電気機器に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック(37b)と、
を備え、
一方の表面に、前記係止フック(37b)を前記ケーシング(31)の表面から突出させるためにフック開口窓(24)を開口すると共に、
さらに区画リブ(25)が、前記係止フック(37b)のフック開口窓(24)に沿って前記ケーシング(31)内部に延長されてなり、
前記区画リブ(25)の端縁が、前記パック基板(74)と当接されてなることを特徴とするパック電池。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パックであって、さらに、
前記外部接続端子(33)を囲んで前記ケーシング(31)内部に延長された端子リブ(26)を備えており、
前記外部接続端子(33)の端縁が、前記パック基板(74)と当接されてなることを特徴とするパック電池。
【請求項3】
充電可能な二次電池(39)を備えると共に、充電器(100)に装着して充電可能な電池パックであって、
充電可能な複数の二次電池(39)を保持する電池ホルダ(70)と、
前記二次電池(39)に接続された電子回路を実装したパック基板(74)と、
前記電池ホルダ(70)及びパック基板(74)を収納するケーシング(31)と、
前記パック基板(74)上に固定され、前記二次電池(39)と接続されると共に、前記ケーシング(31)の外部に表出されてなる外部接続端子(33)と、
前記ケーシング(31)の表面から突出され、充電器(100)に電池パックを装着した状態で保持するための係止フック(37b)と、
を備え、
前記ケーシング(31)の
一方の表面に、前記係止フック(37b)を前記ケーシング(31)の表面から突出させるためにフック開口窓(24)を開口すると共に、
前記フック開口窓(24)を設けた面と異なる他方の表面に、水抜き穴(28)を開口しており、
前記フック開口窓(24)から、前記ケーシング(31)内部に延長されると共に、前記フック開口窓(24)から連通される経路と、前記パック基板(74)に実装された電子回路とを区画する区画リブ(25)を設けており、
前記区画リブ(25)で区画された連通経路によって、前記フック開口窓(24)と水抜き穴(28)とが連通されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項4】
請求項3に記載の電池パックであって、
前記連通経路が、少なくとも一部を前記電池ホルダ(70)の上面で形成されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項5】
請求項4に記載の電池パックであって、
前記電池ホルダ(70)の上面が、前記水抜き穴(28)に向かって下り勾配となるよう傾斜されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一に記載の電池パックであって、
前記区画リブ(25)の端縁が、前記外部接続端子(33)の表面の一部に当接されてなり、
前記外部接続端子(33)が、前記区画リブ(25)との当接領域に近接して、配線のための半田付け領域を設けてなると共に、該半田付け領域において、堰止突出部(88)を形成してなることを特徴とする電池パック。
【請求項7】
請求項6に記載の電池パックであって、
前記堰止突出部(88)が、前記外部接続端子(33)の表面に絞り加工で形成されてなることを特徴とする電池パック。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載の電池パックであって、さらに、
前記ケーシング(31)内部において、前記外部接続端子(33)の上端を案内して、両側から保持する保持リブ(27)を備えることを特徴とする電池パック。
【請求項9】
請求項8に記載の電池パックであって、
前記保持リブ(27)が、前記外部接続端子(33)の上端を狭持してなることを特徴とする電池パック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
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【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−43684(P2012−43684A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184809(P2010−184809)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】
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