説明

電波吸収パネル及び電波吸収パネルの固定方法

【課題】 構造物の風荷重の負荷を低減でき、建造物の部材に直接取り付けることが出来る電波吸収パネル及びその固定方法を提供する。
【解決手段】 電波吸収体1を複数枚面状に配置し、それを繊維強化樹脂層2,2’で被覆した複合構造のパネルであって、電波到来方向と反対側の繊維強化樹脂層2’と電波吸収体1の間に補強プレート3を配置し、その補強プレート3を介して繊維強化樹脂層2’の下面に補剛用下地材4を接合固着すると共に、電波吸収パネルを構造物の鉛直面に取り付けた時、電波吸収体の鉛直荷重を支える支承片10をパネル内部に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ地上波や航空誘導電波等の反射障害を防止する電波吸収パネル及びその電波吸収パネルの固定方法に関し、詳しくは電波吸収パネルを構成する電波吸収体の鉛直荷重の支持(負担)と、電波吸収パネルを構造物(鉄橋や高架道等)の鉛直面に固定する際に該パネルの鉛直荷重の支持(負担)の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
超高層ビルや鉄塔などの高層建造物の壁面によるテレビ地上波や航空誘導電波等の反射障害を防止する手段として、各種の電波吸収パネルが開発され、更に構造物、特に鉄橋(高架橋)や高架道等に対する電波吸収パネルの固定方法も研究開発されている。
【0003】
一般に、テレビ電波におけるVHF帯(90MHz〜222MHz)やUHF帯(470MHz〜770MHz)の電波障害対策用として一般的に用いられる電波吸収体はフェライトタイルで、反射減衰量15dB以上の優れた電波吸収性能を有する。
【0004】
しかしながら、上記フェライトタイルは100mm角以上の大きなものは製造上難しい。その為、フェライトタイルの使用方法は、コンクリートの中に内蔵する形態、或いは外装材の磁器タイルの裏側に配置するなどの形態が一般的である。
しかし、上記した構造の電波吸収用パネルは、外側表面に配置される磁器タイル及び中間のコンクリート叉はモルタル等が障害となって、フェライトタイルが有する電波吸収性能が低下する。叉、重量が重くなるといった欠点を有する。
【0005】
そこで、上記従来の問題点を解決するものとして、金属反射板に電波吸収体(フェライトタイル)を積層し、さらにその上にプラスチック板を積層した構造の電波吸収板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2001−94342号公報
【0007】
しかし、上記特許文献1記載の電波吸収板は、風荷重及び鉛直荷重(鉛直取付状態で建造物に掛かる荷重)が増大するので、構造物の設計自体が過大になるきらいがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、構造物の風荷重の負荷を低減できる電波吸収パネルを提供することにある。
叉、他の目的は建造物の部材に直接取り付けることが出来る電波吸収パネル及びその固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する為に本発明の電波吸収パネルは、電波吸収体を複数枚面状に配置し、それを繊維強化樹脂層で被覆した複合構造のパネルであって、電波到来方向と反対側の繊維強化樹脂層と電波吸収体の間に補強プレートを配置し、その補強プレートを介して繊維強化樹脂層の下面に補剛用下地材を接合固着すると共に、電波吸収パネルを構造物の鉛直面に取り付けた時、電波吸収体の鉛直荷重を支える支承片をパネル内部に備えていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
電波吸収パネルを構成する電波吸収体としては、フェライト板が好適で、そのフェライト板の大きさは例えば100mm×200mm×6mmの矩形状とし、この電波吸収体を縦横方向に密着させて配設する。
上記電波吸収体の表裏面を被覆する繊維強化樹脂層は、ガラス繊維やビニロン繊維等、非導電性の繊維で、しかも機械的強度を高めることができる繊維を使用し、これにエポキシ樹脂やポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて直線平面状に成形したもので、繊維強化樹脂板である。
【0011】
上記補強プレートは厚さが2〜3mm程度の金属製平板を使用し、その補強プレートを縦横に密着敷設した電波吸収体と下側の繊維強化樹脂材との間に配置する。その配置の形態としては、例えば、パネルの縦方向に沿って電波吸収体の二列の間に一枚の補強プレートを配置し、この補強プレートを介して下側の繊維強化樹脂層の下面に補剛用下地材をビス止め固定する。補剛用下地材としては、軽量形鋼(C形鋼、角形鋼等)が好適である。
叉、上記支承片は該パネルを鉛直状に取り付けた時、内部に敷設配置した電波吸収体の鉛直荷重がそれぞれ下位に位置する電波吸収体に負荷として作用しないように支えるもので、その内蔵の形態は前記補強プレートに一体に設ける形態(請求項2)、或いは補強プレート以外の後付けする部材、例えばインサートナット(請求項3)等、何れでもよい。
【0012】
上記手段によれば予め成形した繊維強化樹脂板を使用し、乾式によりパネルを構成する為、生産性に優れる。そして、そのパネルには構造物に対して係着する補剛用下地材が一体的に固着されていることで、構造物に直接パネルを取り付けることが可能となる。しかも、パネルを構成する電波吸収体の重量及び取付時の鉛直荷重は支承片を介して補剛用下地材が受ける為、電波吸収体自体に負荷が作用せず、安定した品質の電波吸収パネルを提供できる。
【0013】
そして、前記支承片を補強プレートに一体に形成した場合は、該支承片が電波吸収体を配列する時の位置決めにもなり、パネル組立にも有効に作用する。叉、支承片を後付けのインサートナットで行うようにした場合は、市販のインサートナットを利用できる為、製作コストを低減することができる。
【0014】
叉、上記した複合構造のパネルは、少なくとも鉛直面への取付け時、構造物の水平面に対して係着する上側片を一体に備えた構成としてもよい(請求項4)。
この場合は、パネル自体の鉛直荷重が、構造物の水平面と係着すると上側辺、補剛用下地材で支持される為、該パネルを構造物に対して定着するボルトにはせん断力は作用せず、従って、構造物への取付を簡便に行うことが出来る。
【0015】
更に、前記電波吸収パネルを構成する電波吸収体を方形(矩形)とし、その四隅部を切欠き形成した電波吸収体を縦横に接合して敷設配置し、該電波吸収体の交差部に前記切り欠き部で区画された空間部に、構造物側に固定したボルト等を挿通し、該ボルトにナットを締着して表裏の繊維強化樹脂層を一体化してもよい(請求項5)。この場合は、パネルの完成と、該パネルの取付固定を一挙に行うことができる。
【0016】
また、上記の如く構成した電波吸収パネルを構造物の鉛直面に接地固定する方法は、該パネルの電波到来方向と反対側に設けた補剛用下地材を、構造物に設置した水平部材に係合載置してパネルの鉛直荷重を水平部材で支持し、且つ構造物に起立固定した止め具を補剛用下地材を貫通してパネル表面に突出させ、前記止め具に締め具を締着して固定することを特徴とする(請求項6)。
上記止め具は、パネルを構成する電波吸収体の接合交差部を埋める繊維強化樹脂層に貫通配置してもよい(請求項7)。
この方法によれば、パネルを構成する電波吸収体の重量(取付時の鉛直荷重を含む)は、補剛用下地材を介して構造物に伝達される為、構造物に起立固定される止め具(スタッドボルト等)には過大な負荷は作用せず、パネルの固定を簡単な構成で安全に行うことが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の電波吸収パネルは請求項1記載の構成により、構造物に対して係着する補剛用下地材が一体的に固着されていることで、構造物に直接パネルを取り付けることが可能となる。しかも、パネルを構成する電波吸収体の重量及び取付時の鉛直荷重は支承片を介して補剛用下地材が受ける為、電波吸収体自体に負荷が作用せず、安定した品質の電波吸収パネルを提供できる。
叉、請求項2記載の構成により、支承片が電波吸収体を配列する時の位置決めになり、パネル組立に有効に作用する。
更に、請求項3記載の構成により、市販のインサートナットを利用できる為、パネルの製作コストを低減することができる。
更に叉、請求項4記載の構成により、該パネルを構造物に対して定着するボルトにはせん断力は作用せず、従って、パネル固定部の耐久性を高めることが出来る。
【0018】
また、請求項5記載の構成により、パネルの完成と、該パネルの取付固定を一挙に行うことができる。
さらに、請求項6、7記載の固定方法により、パネルを構成する電波吸収体の重量(取付時の鉛直荷重を含む)を、補剛用下地材を介して構造物に伝達でき、従って、電波吸収パネルを構造物に対し鉛直に定着するために該構造物に起立固定される止め具(スタッドボルト等)には過大な負荷は作用せず、パネルの固定を簡単な構成で安全に行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は本発明に係る電波吸収パネルAの外観図で、平面矩形状を呈した電波吸収体1を縦・横を密着させて格子状に敷設し、その電波吸収体1の表裏面を、繊維強化樹脂板2,2’で被覆し、且つ裏側(電波到来方向と反対側)の繊維強化樹脂板2’と前記電波吸収体1との間には補強プレート3を挟入配置し、更に前記裏側の繊維強化樹脂板2’の下面には構造物Bの水平部材に当接係合する補剛用下地材4が前記補強プレート3を利用して固着されており、表側の繊維強化樹脂板2は補剛用下地材4に貫通螺合する固定ボルト5で締着固定され、更に該パネルの上・下には構造物Bの上下の水平部材b,b’に対して係合する上側片A’と下側片A”が内側(補剛用下地材が固着された側)に向けて直角水平に連設されている。
【0020】
電波吸収パネルAを構成する電波吸収体1は、矩形平板状のフェライト板(例えば、横:100mm、縦:200mm、厚さ:6mm)で、これをその周縁を接合させて縦横に配列(図面は6行×6列)し、1枚のパネルが構成されている。
叉、電波吸収体1は四隅部(角部)を45°の斜線で切欠き形成し、それにより電波吸収体の交差部に平面略四角形の空間部6が区画形成されるようにし、この空間部6を利用して構造物Bに熔接固定したパネル固定用スタッドボルト7が挿通され、パネルA表面より前記パネル固定用スタッドボルト7にナット7’を螺合締め付けて構造物Bに電波吸収パネルAを固定し得るように構成されている。
【0021】
電波吸収体1の表裏面を被覆する繊維強化樹脂板2,2’は、非導電性の繊維、例えば、ガラス繊維のシート或いはマットにエポキシ樹脂やポリエステル樹脂を含浸させて平板パネル状に成形したもので、予め所定の大きさ(例えば、610mm×1230mm)に成形し、乾式工法により電波吸収パネルAを構成できるようにしてある。尚、この繊維強化樹脂板2,2’は間に電波吸収体1や補強プレート3を挟み、下側には補剛用下地材4を接合配置し、これらをビスやボルトナットで定着するが、そのビスやボルトが通る孔はパネルの設計図に基づいてパネル成型時に加工してもよいが、電波吸収体1は寸法にバラツキがあるため、この寸法のバラツキによる影響を少なくする為に、パネル組立時に孔明け加工をするようにしてもよい。
【0022】
叉、繊維強化樹脂板2,2’は、図1(b)に示すように、電波吸収パネルAの上下端部にそれぞれ構造物Bの水平部材b,b’に対して当接係合する上側片A’と下側片A”を一体に備える場合は、前記繊維強化樹脂板2,2’の上下端にそれぞれ直角内向きに突片8が一体に形成されている。
【0023】
補強プレート3は、金属平板を所定幅の帯板状に裁断したもので、前記した下側の繊維強化樹脂板2’を補剛用下地材4にビス9でビス止めする為の座金的役割と、該繊維強化樹脂板2’上に敷設する電波吸収体1の配列形態を維持するのに作用する。尚、補強プレート3は、帯板状のものを電波吸収体1の二列に跨って配置(図示は3本)しているが、繊維強化樹脂板2’と略同形に形成し、繊維強化樹脂板2’の全面を覆い、敷設される電波吸収体1の全部を支持するようにしてもよい。叉、電波吸収パネルAが上側片A’と下側片A”を有する場合は、補強プレート3も上下に直角方向への突出部を延長形成し、それにより上側片A’と下側片A”の形状保持が安定して行われるようになる
【0024】
そして、繊維強化樹脂板2,2’間に配設挟持した電波吸収体1は、完成した電波吸収パネルAを構造物Bに対して鉛直に取り付けた時、該繊維強化樹脂板2,2’間で垂直方向(下方向)に荷重が作用し、最下段に位置する電波吸収体1にその上位に配置された電波吸収体1の全重量が掛かることになる。この鉛直荷重による損傷等を防止する為、個々の電波吸収体1の鉛直荷重が他の電波吸収体1に掛からないようにする為、各電波吸収体1を支える支承片10がパネル内、即ち、表裏の繊維強化樹脂板2,2’間に収容装備されている。
【0025】
その支承片10の具体的構造は、図2乃至図6に示すように前記した補強プレート3に形成する方法である。
補強プレート3に支承片10を形成する方法としては、前記した電波吸収体1の角部を支える突片10aを、該補強プレート3に切り込みを入れ、その切り込みで区画された部分を切り起こして形成する方法、或いは電波吸収体1を配列して交差部に出来る菱形の空間部6に嵌入する同形の短筒を別途形成し、これを補強プレート3上の所定箇所に熔接等で固定する方法等が挙げられる。尚、支承片10を補強プレートへの切り込みによって形成した場合は、その支承片10で区画された内部に通孔11ができ、その通孔11は電波吸収パネルAを構造物Bに取り付ける際のパネル固定用スタッドボルト7が挿通される孔として使用できる。支承片10を補強プレート3とは別材で構成した場合は、その支承片の中央にパネル固定用スタッドボルト7が挿通される孔を別途加工する必要がある。
【0026】
支承片10を補強プレート3に突片10aを設けずに形成する方法としては、図7に示すように市販品のインサートナット12を使用する方法が挙げられる。この場合は、パネルの組立完了後、電波吸収体1の交差部中心に、該インサートナット12の軸部12’外径より小径の孔を表面の繊維強化樹脂板2から補剛用下地材4に亘って開設し、その孔にインサートナット12を捩じ込み固定する。そして電波吸収パネルAを貫通するインサートナット12の軸部12’の外周面が電波吸収体1の鉛直荷重を支える支承片として作用する。尚、インサートナット12の中心孔はパネル固定用スタッドボルト7を挿通する孔として使用することができる。
【0027】
次に、上記した電波吸収パネルAの組立工程を図8に基づいて説明する。本発明に係る電波吸収パネルAは構成部材を順次積層組み付ける乾式工法によって完成される。
先ず、図8(a)に示すように、裏側の繊維強化樹脂板2’の表面側に補強プレート3を所定間隔をおいて並設し、繊維強化樹脂板2’の裏側には補剛用下地材4を前記補強プレート3の下方に位置させて配置し、補強プレート3側からビス9を補強プレート3、繊維強化樹脂板2’を貫通して補剛用下地材4に捩じ込み、繊維強化樹脂板2’と補剛用下地材4を一体化する。
次に、図8(b)に示すように、繊維強化樹脂板2’の表面側に電波吸収体1を敷設配置する。この時、繊維強化樹脂板2’上に並設した補強プレート3に設けた支承片10を構成する突片10aに電波吸収体1の角部を当接させて配置する。
そして、図8(c)に示すように、表側の繊維強化樹脂板2を敷設配置した電波吸収体1の上に積層し、表面側から固定ボルト13を繊維強化樹脂板2、電波吸収体1、補強プレート3及び繊維強化樹脂板2’を貫通して最下層の補剛用下地材4に捩じ込み、表面側の繊維強化樹脂板2を固定する。尚、固定ボルト13の取付箇所は図1(a)に示すように電波吸収体1の接合線上とし、その取付箇所には座金14を配置する。
【0028】
上記の如く、乾式工法により組立完成した電波吸収パネルAは、施工現場の構造物Bに予め熔接等によって固定したパネル固定用スタッドボルト7に、該パネルAにおける電波吸収体の接合で区画された空間部6を合致させ挿通し、パネルA表面側に突出したパネル固定用スタッドボルト7に座金15を介してナット7’を螺合締め付けて取付を完了する。
そして、上記電波吸収パネルAには裏側に補剛用下地材4が一体に固着されており、その補剛用下地材4の下端が構造物Bの水平部材b’に当接する為、パネルAの鉛直荷重は補剛用下地材4と水平部材b’で受け止められる。即ち、パネル固定用スタッドボルト7にはパネルAの鉛直荷重によるせん断力は作用しない。
従って、電波吸収パネルAを構造物Bに取り付けているパネル固定用スタッドボルト7には該パネルAが構造物Bから離れないように押え付けておくだけの強度があればよい。
【0029】
本発明は、図示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)敷設した電波吸収体1は、その上面に積層する繊維強化樹脂板2を固定することで同時に固定しているが、電波吸収板1を座金を介して直接ボルト止めしてもよいものである。
(2)電波吸収パネルAの上下端部に上側片A’、下側片A”を連設しているが、パネルの鉛直荷重を支持する目的からすれば、少なくとも上側片A’のみでもよい。
(3)電波吸収パネルを断熱材付きとする場合は、断熱材は電波吸収体1と表面側の繊維強化樹脂板2との間に介在する。その場合、敷設した電波吸収体1は予め薄手の繊維強化樹脂板を介してボルト止めして固定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る電波吸収パネルは、自重が重い場合でも取付時の鉛直荷重が構造物の水平部材で支持され、安全に構造物に固定できる為、高架橋等の電波障害対策用として非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)は電波吸収パネルの外観を示す一部切欠正面図、(b)は構造物への取付状態を示す正面図。
【図2】電波吸収パネルの取付状態における一部切欠拡大図。
【図3】電波吸収パネルの上端部と構造物との係合状態を示す部分拡大断面図。
【図4】電波吸収パネルの下端部と構造物との係合状態を示す部分拡大断面図。
【図5】(a)は電波吸収パネルの上端部を示す一部切欠正面図、(b)は(a)図の(x)−(x)線に沿える横断面図。
【図6】電波吸収パネルの要部を示す分解斜視図。
【図7】電波吸収体の鉛直荷重を支持する支承片の他の例を示す部分断面図。
【図8】電波吸収パネルの組立工程を示す説明図。
【符号の説明】
【0032】
A…電波吸収パネル A’…電波吸収パネルの上側片
A”…電波吸収パネルの下側片 B…構造物
1…電波吸収体 2,2’…繊維強化樹脂層(繊維強化樹脂板)
3…補強プレート 4…補剛用下地材
7…パネル固定用スタッドボルト 10…支承片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波吸収体を複数枚面状に配置し、それを繊維強化樹脂層で被覆した複合構造のパネルであって、電波到来方向と反対側の繊維強化樹脂層と電波吸収体の間に補強プレートを配置し、その補強プレートを介して繊維強化樹脂層の下面に補剛用下地材を接合固着すると共に、電波吸収パネルを構造物の鉛直面に取り付けた時、電波吸収体の鉛直荷重を支える支承片をパネル内部に備えていることを特徴とする電波吸収パネル。
【請求項2】
前記支承片は、前記補強プレートに一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電波吸収パネル。
【請求項3】
前記支承片の役割を、前記パネルにおける電波吸収体の角部が交差する部位に後付け装着するインサートナットが受け持つことを特徴とする請求項1記載の電波吸収パネル。
【請求項4】
前記複合構造のパネルは、少なくとも鉛直面への取付け時、構造物の水平面に対して係着する上側片を一体に備えることを特徴とする請求項1乃至3記載の電波吸収パネル。
【請求項5】
前記電波吸収パネルを構成する電波吸収体が方形で、その四隅部を切欠き形成した電波吸収体を縦横に接合して敷設配置し、該電波吸収体の交差部に前記切り欠き部で区画された空間部により表裏の繊維強化樹脂層を一体化したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の電波吸収パネル。
【請求項6】
前記請求項1乃至4の何れか1項記載の電波吸収パネルを構造物の鉛直面に設置固定する方法であって、該パネルの電波到来方向と反対側に設けた補剛用下地材を、構造物に設置した水平部材に係合載置してパネルの鉛直荷重を水平部材で支持し、且つ構造物に起立固定した止め具を補剛用下地材を貫通してパネル表面に突出させ、前記止め具に締め具を締着して固定することを特徴とする電波吸収パネルの固定方法。
【請求項7】
前記止め具は、パネルを構成する電波吸収体の接合交差部を埋める繊維強化樹脂層に貫通されていることを特徴とする請求項6記載の電波吸収パネルの固定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−45765(P2006−45765A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223712(P2004−223712)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【出願人】(390010216)ニッコー株式会社 (49)
【Fターム(参考)】