電源プラグ、電源コンセント、電力供給装置および電力供給システム
【課題】比較的簡単な構成で盗電を防止できるようにした電源プラグ、電源コンセント、電力供給装置および電力供給システムを提供する。
【解決手段】電源プラグ部が挿入され(SP71)、電源コンセント部のPLCブロックと、電源プラグ部のPLCブロックとの間での電力線搬送通信が確立すると(SP73)、メモリに書込まれているID番号と、電源プラグ部から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する(SP75)。制御部は、ID番号が一致していると判別すると、メモリに記憶しているID番号に対応する電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する(SP76)。電力量が一致していないと判断すると、電力遮断制御部をオフにして通電を停止するよう制御する(SP79)。
【解決手段】電源プラグ部が挿入され(SP71)、電源コンセント部のPLCブロックと、電源プラグ部のPLCブロックとの間での電力線搬送通信が確立すると(SP73)、メモリに書込まれているID番号と、電源プラグ部から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する(SP75)。制御部は、ID番号が一致していると判別すると、メモリに記憶しているID番号に対応する電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する(SP76)。電力量が一致していないと判断すると、電力遮断制御部をオフにして通電を停止するよう制御する(SP79)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、屋外でプラグインハイブリッド車のバッテリを充電するために電力を供給するための電源プラグ、電源コンセント、電力供給装置および電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、バッテリから電力をモータに供給することにより走行可能になっている。また、ハイブリッド車においては、ガソリンとバッテリにより走行可能になっている。このようなハイブリッド車は、最近では、家庭のコンセントにプラグを挿入してバッテリを充電することが可能なプラグインタイプのものが実用化されようとしている。プラグインハイブリッド車のバッテリを家庭で充電するためには、家屋の屋外に電源コンセントを設ける必要がある。しかし、屋外に電源コンセントを設置すると、第3者に盗電されるおそれがある。特に、マンション等の共同住宅においては、駐車場が家屋から離れている場合が多く、盗電されるおそれが高くなる。
【0003】
特開2006−244818号公報(特許文献1)には、このような盗電を防止するための電力供給システムについて記載されている。この電力供給システムは、使用者IDを記憶したICタグを電源プラグに備えている。この電源プラグを電源コンセントに挿入したときに、タグ読取装置によりICタグから使用者IDを読取り、その使用者IDがタグデータベースに登録されているか否かを確認する。登録を確認すると、電源コンセントから電源プラグに商用電源が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−244818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている電力供給システムは、電源プラグのICタグから使用者IDを読取るのは比較的簡単に行えるために、セキュリティが万全でないという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、比較的簡単な構成で盗電を防止できるようにした電源プラグ、電源コンセント、電力供給装置および電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電源コンセントは、電源プラグを介して負荷に電力を供給する。電源コンセントは、電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備える。コンセント側制御手段は、予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、供給遮断制御部により電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。
【0008】
このように、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0009】
一実施形態として、電源コンセントは、電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、コンセント側制御手段は、コンセント側電力線搬送通信手段を介して電力線搬送通信により電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。こうすることにより、電力線搬送通信を用いることにより、電源プラグと電源コンセントとの間で特殊な通信手段を用いる必要がなくなる。
【0010】
他の実施形態として、電源プラグには、電力供給が許容されていることを示す識別情報を保持するRFIDタグが付加されており、電源コンセントは、RFIDタグから識別情報を受信する受信手段を含み、コンセント側制御手段は、受信手段により受信した識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。こうすることにより、電源プラグに付加されたRFIDタグから受信した識別情報と、識別情報に対応する電力量とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御することができる。したがって、識別情報のみでなく、電力量を追加することにより、RFIDタグを用いた場合であっても、セキュリティを向上して、電力の供給または遮断の制御を行うことができる。また、RFIDタグを用いるため、簡易な構成で安価に電力の供給または遮断の制御を行うことができる。
【0011】
一実施形態として、電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、予め登録されることにより、または学習により記憶する。こうすることにより、記憶する電力量を使用状況等に応じたものとすることができる。
【0012】
他の実施形態として、電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、電源プラグから通知されることにより記憶する。こうすることにより、記憶する電力量を電源プラグに応じたものとすることができる。
【0013】
好ましくは、コンセント側制御手段は、電力供給が許容されていることを示す識別情報を記憶するコンセント側記憶手段を含み、電源プラグから送信されてきた識別情報とコンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致を判別する。
【0014】
電力供給が許容されていることを示す識別情報をコンセント側記憶手段に予め記憶しておくことにより、電源プラグから送信されてきた識別情報が、電力供給が許容されていることを示す識別情報であるかの判断が容易になる。
【0015】
さらに好ましくは、コンセント側制御手段は、電源プラグから送信されてきた識別情報とコンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致の判別を、所定の時間が経過する毎に繰り返し行う。
【0016】
この発明の他の局面においては、電源コンセントと、電源プラグとを含む電力供給装置に関する。電源コンセントは、電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、コンセント側制御手段は、予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、供給遮断制御部により電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。電源プラグは、電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給するものであって、電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える。
【0017】
このように、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0018】
一実施形態として、電源プラグは、電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、プラグ側制御手段は、電源コンセントに挿入することによって電源コンセントから供給される電力を受け、プラグ側電力線搬送通信手段によって電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信する。電源コンセントは、電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、コンセント側制御手段は、コンセント側電力線搬送通信手段を介して電力線搬送通信により電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。
【0019】
他の実施形態として、プラグ側制御手段は、識別情報を保持するRFIDタグを含み、電源コンセントは、RFIDタグから識別情報を受信する受信手段を含み、コンセント側制御手段は、受信手段により受信した識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。
【0020】
この発明のさらに他の局面においては、電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給する電源プラグに関する。電源プラグは、電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、コンセント側制御手段は、予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、供給遮断制御部により電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する電源コンセントを含む電力供給装置に用いられる。そして、電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える。
【0021】
このように、電源プラグは、電源コンセントに向けて識別情報を送信するため、電源コンセントにおいて、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0022】
一実施形態として、電源プラグは、電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、プラグ側制御手段は、電源コンセントに挿入することによって電源コンセントから供給される電力を受け、プラグ側電力線搬送通信手段によって電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信する。そして、電源コンセントは、電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、コンセント側制御手段は、コンセント側電力線搬送通信手段を介して電力線搬送通信により電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するものである。
【0023】
好ましくは、プラグ側制御手段は、電源コンセントから負荷に供給される電力量を検知するプラグ側検知手段と、プラグ側検知手段により検知した電力量を電源コンセントに通知する通知手段とを含む。こうすることにより、電源コンセントにおいて、電源プラグを介した負荷に供給される電力量を認識することができる。
【0024】
この発明のさらに他の局面においては、上記に記載の電力供給装置と、コンピュータとを含む電力供給システムに関する。電源コンセントは、ネットワークに接続するためのコンセント側ネットワークインターフェース部と、コンセント側ネットワークインターフェース部を介して、電力供給が許容されていることを示す識別情報をコンピュータへ送信する送信手段とを備える。コンピュータは、ネットワークに接続するためのコンピュータ側ネットワークインターフェース部と、電力供給が許容されていることを示す識別情報に関連する所定の情報を記憶するコンピュータ側記憶手段と、送信手段により送信された電力供給が許容されていることを示す識別情報が、コンピュータ側記憶手段により記憶した所定の情報に該当するか否かを判断する判断手段と、判断手段により判断した結果に応じて、所定の動作を実行する実行手段とを備える。
【0025】
こうすることにより、電力供給が許容されていることを示す識別情報が、所定の情報、例えば盗難車の情報に該当するか否かに応じて、所定の動作を実行することができる。その結果、盗難車の発見等を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る電源コンセントは、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0027】
また、この発明に係る電力供給装置は、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0028】
また、この発明に係る電源プラグは、電源プラグは、電源コンセントに向けて識別情報を送信するため、電源コンセントにおいて、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0029】
また、この発明に係る電力供給システムは、電力供給が許容されていることを示す識別情報が、所定の情報、例えば盗難車の情報に該当するか否かに応じて、所定の動作を実行することができる。その結果、盗難車の発見等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態における電源コンセントと電源プラグとを含む電力供給装置と、設定部とを示すブロック図である。
【図2】図1に示した電源コンセント部と電源プラグ部との接続状態を示す図である。
【図3】電源コンセント部と電源プラグ部とにID番号を設定するための動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の一実施形態における電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の他の実施形態における電力供給装置を示すブロック図である。
【図6】電力供給を制御する他の実施形態であって、電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】電力供給を制御するさらに他の実施形態であって、電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】供給される電力量を電源コンセント部に通知する場合における電源プラグ部を示すブロック図である。
【図9】電源プラグ部を介して、負荷に電力を供給する場合について示すフローチャートである。
【図10】図1の電力供給装置の電源コンセント部にテーブルタップを接続する場合を示す図である。
【図11】この発明のさらに他の実施形態における電力供給装置を示すブロック図である。
【図12】電力供給装置が、電源プラグ部への電力供給を制御する場合について示すフローチャートである。
【図13】この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの一例を示す図である。
【図14】この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、この発明の一実施形態における電源コンセントと電源プラグとを含む電力供給装置5と、設定部2とを示すブロック図である。
【0032】
図1において、電力供給装置5は、電源コンセントとしての電源コンセント部3と、電源コンセント部3に挿入される電源プラグとしての電源プラグ部4とを含む。設定部2は、建物1内に設けられている。設定部2は、電源プラグ部4への電力供給を許容するか否かを識別するための識別情報としてのID番号を電源コンセント部3および電源プラグ部4に設定するために設けられている。電源ケーブル10aには、100Vの商用の電源が供給される。電源ケーブル10aは、設定部2と電源コンセント部3とに接続されている。
【0033】
設定部2は、制御部21と、電力線搬送通信手段として作動するPLC(Power Line Communication)ブロック22と、メモリ23と、操作部24とを含む。
【0034】
制御部21は、操作部24から電源コンセント部3のコンセント番号と、電源プラグ部4のプラグ番号と、ID番号とが入力されると、コンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とをメモリ23に記憶させる。ここで、メモリ23にコンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とを記憶させるのは、電源プラグ部4に対して、電力供給を許容するか否かを管理等するためである。また、制御部21は、PLCブロック22によりコンセント番号とプラグ番号とID番号とを電源ケーブル10a,10bを介して電源コンセント部3および電源プラグ部4に電力線搬送通信により伝送するための制御を行なう。
【0035】
PLCブロック22は、電源ケーブル10aに高周波信号を搬送波として重畳し、電源ケーブル10aを伝送路として、電源コンセント部3のPLCブロック32との間で、双方向で電力線搬送通信を行なう。電力線搬送通信には、スペクトラム拡散方式や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式等がある。この実施形態においては、スペクトラム拡散方式を用いる。
【0036】
スペクトル拡散方式は、送信側で狭帯域の信号を拡散符号を用いて広帯域へ拡散して送信する方式である。受信側では送信側と逆の操作を行い、同じ拡散符号を用いて元の狭帯域の信号を復元する。スペクトル拡散方式においては、狭帯域の雑音は受信側での逆拡散により広帯域のレベルが低下した雑音となるため、各種狭帯域の雑音に強い。また、送信側での拡散により、信号のピーク値を低くできるため、漏洩電界のピーク値漏洩低減が可能である。
【0037】
電源コンセント部3は、電源プラグ部4を介して負荷に電力を供給するものであって、端子板30と、コンセント側制御手段として作動する制御部31と、コンセント側電力線搬送通信手段として作動するPLCブロック32と、エンベデッドメモリであって、コンセント側記憶手段として作動するメモリ33と、検知手段として作動する検知回路34と、供給遮断制御部として作動する電力遮断制御部35とを含む。また、電源コンセント部3は、複数設けられており、例えば、建物1の外壁面等に複数設けられている。
【0038】
端子板30には、電源プラグ部4の差込端子が挿入される。制御部31は、PLCブロック32と、電力遮断制御部35とを制御するとともに、メモリ33の書込み読出しを制御する。PLCブロック32は、電源ケーブル10aを介して設定部2のPLCブロック22との間で電力線搬送通信を行なうとともに、電源ケーブル10bを介して電源プラグ部4のPLCブロック42との間で電力線搬送通信を行う。メモリ33は、ID番号を記憶する。このID番号は、挿入された電源プラグ部4が電力供給を許容されているものであるか否かを電源コンセント部3側で判別するためのものである。例えば、電源コンセント部3において、複数の電源プラグ部4の電力供給を許容している場合には、メモリ33は、複数の電源プラグ部4が記憶しているID番号と同じ複数のID番号を記憶する。また、メモリ33は、コンセント番号を記憶する。コンセント番号とは、例えば、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号等であって、複数の電源コンセント部3のそれぞれを識別するためのものである。検知回路34は、端子板30に電源プラグ部4の差込端子が挿入されているか否かを検知する。検知回路34は、例えば、電源プラグ部4が端子板30に挿入されているか否かをパルス信号によって検知する。具体的には、電源プラグ部4へパルス信号を送信し、送信したパルス信号に対する応答が返ってくると、検知回路34は、電源プラグ部4が端子板30に挿入されていると検知する。電力遮断制御部35は、制御部31の制御に応じて、端子板30への電力の供給または遮断を行なう。
【0039】
電源コンセント部3は、登録モードと、通常モードと、常時通電モードとを具備する。登録モードとは、メモリ33にID番号を記憶することが可能な状態であることを言う。また、通常モードとは、メモリ33に記憶したID番号と一致する電源プラグ部4にのみ通電が可能な状態であることを言う。また、常時通電モードとは、メモリ33に記憶したID番号に一致するか否かに関わらず、任意の電源プラグ部4に通電が可能な状態であることを言う。
【0040】
電源プラグ部4は、負荷に電力を供給するものであって、プラグ側制御手段として作動する制御部41と、プラグ側電力線搬送通信手段として作動するPLCブロック42と、エンベデッドメモリであって、プラグ側記憶手段として作動するメモリ43とを含む。また、電源プラグ部4は、複数設けられている。
【0041】
制御部41は、PLCブロック42を制御するとともに、メモリ43の書込み読出しを制御する。PLCブロック42は、電源ケーブル10bを介して電源コンセント部3のPLCブロック32との間で電力線搬送通信を行なう。メモリ43は、ID番号を記憶する。このID番号は、上記した電源コンセント部3に電源プラグ部4を挿入した際に、その電源プラグ部4が電力供給を許容されているものであるか否かを電源コンセント部3側で判別するためのものである。例えば、複数の電源プラグ部4のそれぞれにおいて、異なる固有のID番号を記憶する。また、メモリ43は、プラグ番号を記憶する。プラグ番号とは、例えば、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号等であって、複数の電源プラグ部4のそれぞれを識別するためのものである。
【0042】
図2は、図1に示した電源コンセント部3と電源プラグ部4との接続状態を示す図である。図2において、電源ケーブル10aの芯線は、受け端子36,37に接続されている。受け端子36,37には、端子板30を介して電源プラグ部4の差込端子44,45が挿入される。電源プラグ部4が電源コンセント部3の端子板30に挿入されると、電源ケーブル10aから受け端子36,37および電源プラグ部4の差込端子44,45を介して電源ケーブル10bに電力が供給される。
【0043】
ここで、設定部2が、電源コンセント部3と電源プラグ部4とにID番号を設定する場合について説明する。図3は、電源コンセント部3と電源プラグ部4とにID番号を設定するための動作を示すフローチャートであり、(A)は設定部2の動作を示し、(B)は電源コンセント部3の動作を示し、(C)は電源プラグ部4の動作を示す。
【0044】
ID番号の設定時には、設定部2のPLCブロック22と、電源コンセント部3のPLCブロック32との間での電力線搬送通信が確立される。また、電源プラグ部4が電源コンセント部3の端子板30に挿入されると、検知回路34は、電源プラグ部4が挿入されたことを検知し、電源プラグ部4が挿入されたことを示す検知信号を制御部31に出力する。そして、制御部31は、電源プラグ部4が挿入されたことを検知して、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。また、制御部31は、登録モードに移行する。
【0045】
まず、利用者は、予め用意されたID番号を設定するコンセント番号の一覧等を参照して、設定部2の操作部24からコンセント番号とID番号とを入力する。コンセント番号は、複数の電源コンセント部3が設けられている場合、それぞれを識別するために入力される。ID番号は、電力供給が許容されている電源プラグ部4を識別するために入力される。
【0046】
設定部2の制御部21は、図3(A)に示すステップ(図示ではSPと略称する。)SP1において、コンセント番号が入力されたか否かを判別しており、コンセント番号が入力されたことを判別すると、ステップSP2において、ID番号が入力されたか否かを判別する。ID番号が入力されたことを判別すると、ステップSP3において、コンセント番号とID番号とをメモリ23に書込むとともに、PLCブロック22によって電源ケーブル10aに送出させる。PLCブロック22は、電源ケーブル10aを介して電源コンセント部3のPLCブロック32との間で、電力線搬送通信を確立し、コンセント番号とID番号とを送出する。
【0047】
なお、電力線搬送通信の確立とは、送信側である設定部2のPLCブロック22から、電力線搬送通信により送信されたデータを受信側である電源コンセント部3のPLCブロック32において復元できたことを言う。
【0048】
電源コンセント部3のPLCブロック32は、設定部2のPLCブロック22から送出されたコンセント番号とID番号とを受信して制御部31に出力する。制御部31は、図3(B)に示すステップSP11において、複数の電源コンセント部3のコンセント番号のうち、対応するコンセント番号を受信したか否かを判別し、受信したことを判別すると、ステップSP12において、ID番号を受信したか否かを判別する。制御部31は、ID番号を受信したことを判別すると、ステップSP13において、受信したID番号をメモリ33に書込む。
【0049】
さらに、利用者は、設定部2の操作部24からプラグ番号とID番号とを入力する。ID番号は、電源コンセント部3に設定したものと同じID番号である。
【0050】
設定部2の制御部21は、SP4において、プラグ番号が入力されたか否かを判別しており、プラグ番号が入力されたことを判別すると、ステップSP5において、ID番号が入力されたか否かを判別する。ID番号が入力されたことを判別すると、制御部21は、ステップSP6において、プラグ番号とID番号とをメモリ23に書込むとともに、プラグ番号とID番号とをPLCブロック22によって電源ケーブル10aに送出させる。PLCブロック22は、電源ケーブル10aを介してプラグ番号とID番号とを送出する。
【0051】
電源プラグ部4のPLCブロック42は、設定部2のPLCブロック22との間で電力線搬送通信を確立し、プラグ番号とID番号とを受信して制御部41に出力する。制御部41は、図3(C)に示すステップSP21において、複数の電源プラグ部4のプラグ番号のうち、対応するプラグ番号を受信したか否かを判別しており、プラグ番号を受信したことを判別すると、ステップSP22において、ID番号を受信したか否かを判別する。ID番号を受信したことを判別すると、ステップSP23において、ID番号をメモリ43に書込む。
【0052】
このようにして、電源プラグ部4を電源コンセント部3に挿入して、設定部2で電源コンセント部3と、電源プラグ部4とに電力の使用を許諾するための識別情報であるID番号を設定できる。また、ID番号を書込むメモリ33,43は、エンベデッドメモリであることから、セキュリティを向上させることができる。ID番号の設定を完了すると、利用者は電源プラグ部4を電源コンセント部3から引き抜いておく。
【0053】
なお、電源プラグ部4に設定するID番号は、設定部2から電源プラグ部4に設定するようにしたが、設定部2から電源コンセント部3の制御部31を介して電源プラグ部4に設定するようにしてもよい。すなわち、設定部2からコンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とを入力してこれらを、電源コンセント部3に一旦送出し、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間で電力線搬送通信を確立し、プラグ番号と、ID番号とを電源コンセント部3から電源プラグ部4に送出する。
【0054】
また、コンセント番号と、ID番号とを設定する前に、電源プラグ部4を電源コンセント部3の端子板30に挿入する例について説明したが、これに限ることなく、コンセント番号と、ID番号とを設定した後、電源プラグ部4を電源コンセント部3の端子板30に挿入するようにしてもよい。
【0055】
図4は、この発明の一実施形態における電力供給装置5の動作を説明するためのフローチャートである。例えば、利用者が所有しているプラグインハイブリッド車のバッテリを充電するなどの実際の使用に際して、図2に示すように電源プラグ部4を電源コンセント部3の端子板30に挿入する。電源プラグ部4を端子板30に挿入すると、検知回路34は、電源プラグ部4が挿入されたことを検知して、電源プラグ部4が挿入されたことを示す検知信号を制御部31に出力する。
【0056】
制御部31は、図4に示すステップSP31において、電源プラグ部4が挿入されたことを検知すると、ステップSP32において、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。また、制御部31は、上記した通常モードまたは常時通電モードに移行する。この実施形態においては、通常モードに移行する。
【0057】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部4の制御部41はメモリ43に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック42によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0058】
電源コンセント部3の制御部31は、ステップSP33において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP34において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部31は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP35において、メモリ33に書込まれているID番号と、電源プラグ部4から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部31は、ID番号の一致を判別すると、ステップSP36において電源プラグ部4の挿入を検知しなくなったことを判別するまで、電力遮断制御部35による通電を続行して、電源プラグ部4を介した負荷に電力を供給し続ける。
【0059】
なお、上記ステップSP33において、電力線搬送通信が確立したことが判別されなかったとき、ステップSP34においてID番号の送出が検知できなかったとき、ステップSP35において照合が検知できなかったときはそれぞれステップSP37に進んで、電力遮断制御部35をオフにして通電を停止する。
【0060】
利用者は、プラグインハイブリッド車のバッテリへの充電が終了すると、電源プラグ部4を端子板30から引抜く。電源プラグ部4が引抜かれると、差込端子44,45も引抜かれ、制御部31はステップSP36において、検知回路34により、電源プラグ部4が引抜かれたことを判別するので、ステップSP37において、電力遮断制御部35をオフにして、電源プラグ部4への通電を停止する。
【0061】
そして、ステップSP38において、電源プラグ部4が挿入されているか否かを判別し、電源プラグ部4が抜取られていて電源プラグ部4の挿入されていないことが判別されると、初期状態に戻る。電源プラグ部4が電源コンセント部3に挿入されたままであれば、その状態、すなわち、通電を停止した状態を維持する。これは、一旦通電を終了すると、電源プラグ部4を抜取った後、再度電源プラグ部4を電源コンセント部3に挿入しなければ通電を行えないようにするためである。
【0062】
上述のように、この発明の実施形態によれば、電力供給が許容されていない電源プラグが電源コンセントに挿入されても、ID番号を照合できないので、電力供給が禁止され、盗電を防止できる。しかも、電力線搬送通信を使用してID番号を送出するようにしたので、他に通信媒体を用いる必要がなく、構成を簡略化できる。
【0063】
なお、電源コンセント部3には、複数の異なる電源プラグ部4を挿入可能にし、設定部2により、異なるID番号を各電源プラグ部4に割り当てておき、各ID番号を電源コンセント部3のメモリ33に記憶しておいてもよい。そうすることによって、いずれかの電源プラグ部4が電源コンセント部3に挿入されてID番号を照合できたときに、通電を行うようにすることができる。また、ID番号を各電源プラグ部4ごとに異ならせることなく、共通のID番号を割り当てておいてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、検知回路34は、電源プラグ部4が端子板30に挿入されているか否かの検知を、パルス信号によって検知する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部4が端子板30に挿入されているか否かを光学センサによって検知してもよいし、マイクロスイッチ等によって機械的に検知してもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、設定部2のメモリ23にコンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とを記憶する例について説明したが、電源プラグ部4に対して、電力供給を許容するか否かを管理等しなくてもよい場合には、記憶しなくてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、電力供給装置5は、設定部2を含まない例について説明したが、これに限ることなく、設定部2を含んでもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では、電力線搬送通信には、スペクトラム拡散方式を用いる例について説明したが、OFDM方式を用いてもよい。なお、OFDM方式は、多数の搬送波を周波数軸上で直交多重した伝送方式であり、周波数利用効率が高く、高速化が容易である。OFDM方式においては、搬送波毎の送信制御が可能であるため、既存無線局への影響が特に懸念される帯域に関しては、該当搬送波の送信を停止(所謂ノッチ)することで、既存無線局との共存が可能である。
【0068】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部3は、登録モードと、通常モードと、常時通電モードとを具備し、例えば、ID番号の設定時には、登録モードへ移行する例について説明したが、これに限ることなく、特にモードを具備することなく、ID番号の設定等を行ってもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部3および電源プラグ部4は複数設けられている例について説明したが、これに限ることなく、それぞれ1個である場合にも適用することができる。具体的には、ID番号の設定時において、1個の電源コンセント部3が設けられている場合には、コンセント番号の入力を省略し、ID番号のみを入力する。また、1個の電源プラグ部4が設けられている場合には、プラグ番号の入力を省略し、ID番号のみを入力する。
【0070】
また、上述の実施形態では、予め用意されたID番号を設定するコンセント番号の一覧等を参照することにより、設定部2の操作部24からコンセント番号を入力する例について説明したが、これに限ることなく、例えば、設定部2のPLCブロック22と、電源コンセント部3のPLCブロック32との間での電力線搬送通信が確立した際に、電源コンセント部3から自身のコンセント番号を設定部2に通知することにより、通知されたコンセント番号を参照して入力してもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、設定部2を設けることにより、設定部2のPLCブロック22と電源コンセント部3のPLCブロック32との間で電力線搬送通信を行ってID番号を設定する例について説明したが、これに限ることなく、他の実施形態として、設定部を設けることなく、電源コンセント部に外部装置IF(インターフェース)部を設けることにより、外部装置IF部を介して、ID番号を設定してもよい。図5は、この発明の他の実施形態における電力供給装置55を示すブロック図である。
【0072】
図5を参照して、電力供給装置55は、電源コンセント部53と、電源プラグ部54とを含む。この実施形態においては、電源コンセント部53と、電源プラグ部54とは、それぞれ1個設けられている。電源コンセント部53は、外部装置IF部66を含む。外部装置IF部66は、例えば、キーボードや表示画面(ディスプレイ)のような外部装置と接続するためのものである。すなわち、キーボードや表示画面は、外部装置IF部66を介して、電源コンセント部53に装着される。なお、その他の構成要素については、上記の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0073】
ここで、外部装置IF部66を介して、電源コンセント部53と電源プラグ部54とにID番号を設定する場合について説明する。まず、利用者は、電源プラグ部54を電源コンセント部53の端子板60に挿入する。電源プラグ部54を端子板60に挿入すると、検知回路64は、電源プラグ部54が挿入されていることを検知して、電源プラグ部54が挿入されたことを示す検知信号を制御部61に出力する。
【0074】
制御部61は、電源プラグ部54が挿入されたことを検知すると、電力遮断制御部65をオンさせ、電力を電源ケーブル56aから端子板60に通電させる。これにより、電源プラグ部54に電力が供給され、電源コンセント部53のPLCブロック62と、電源プラグ部54のPLCブロック58との間での電力線搬送通信が確立される。また、制御部61は、登録モードに移行する。
【0075】
そして、利用者によって、電源コンセント部53のID番号を設定するよう選択され、キーボードからID番号を入力される。そうすると、制御部61は、入力されたID番号を電源コンセント部53のメモリ63に書込む。
【0076】
さらに、利用者によって、電源プラグ部54のID番号を設定するよう選択され、キーボードからID番号を入力される。そうすると、制御部61は、入力されたID番号をPLCブロック62によって電源ケーブル56aに送出させる。PLCブロック62は、電源ケーブル56aを介してID番号を送出する。電源プラグ部54のPLCブロック58は、電源コンセント部53のPLCブロック62との間で電力線搬送通信を確立し、ID番号を受信して制御部57に出力する。制御部57は、ID番号を電源プラグ部54のメモリ59に書込む。
【0077】
こうすることにより、設定部を設けることなく、簡易な構成で、ID番号を設定することができる。
【0078】
また、上述の実施形態では、ID番号は、設定部や外部装置を用いて、利用者によって設定される例について説明したが、これに限ることなく、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号のようなものであってもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、コンセント番号とプラグ番号とは、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号である例について説明したが、これに限ることなく、ID番号を設定する場合と同様に、設定部や外部装置を用いて設定してもよい。
【0080】
なお、上述の実施形態では、電力供給装置5の動作として、図4に示すように、一旦ID番号を照合すると、電源プラグ部4の挿入を検知しなくなったことを判別するまで、電力遮断制御部35による通電を続行する例について説明したが、これに限ることなく、所定の時間が経過する毎に、ID番号を照合することによって、通電を続行するか否かを制御してもよい。
【0081】
図6は、電力供給を制御する他の実施形態であって、電力供給装置5の動作を説明するためのフローチャートである。図6に示すステップSP61において、電源プラグ部4が挿入されたことを検知すると、ステップSP62において、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。
【0082】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部4の制御部41はメモリ43に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック42によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0083】
電源コンセント部3の制御部31は、ステップSP63において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP64において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部31は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP65において、メモリ33に書込まれているID番号と、電源プラグ部4から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部31は、ID番号が一致していると判別すると、ステップSP66において、所定の時間が経過するまで、電力遮断制御部35による通電を続行する。
【0084】
そして、所定の時間が経過すると、再度、ステップSP65において、ID番号の照合を行う。このとき、ID番号が一致していないと判別すると、ステップSP67に進んで、電力遮断制御部35をオフにして通電を停止する。
【0085】
上述のように、この実施形態によれば、一旦ID番号を照合して、ID番号が一致していると判別した場合であっても、通電中に所定の時間が経過する毎に、繰り返しID番号を照合する。したがって、例えば、通電中に電力供給が許容されていない電源プラグ部に差し替えられた場合であっても、ID番号を照合できないため、通電を停止することができ、盗電をより確実に防止することができる。なお、所定の時間は、プラグインハイブリッド車等のバッテリの充電時間に応じた時間としてもよい。例えば、所定の時間として充電時間全体の1/4時間が経過する毎に、繰り返しID番号を照合してもよい。
【0086】
また、上述の実施形態では、電力供給装置5の動作として、図4に示すように、ID番号を照合することにより、電力供給を制御する例について説明したが、ここで、電力供給を制御するさらに他の実施形態について説明する。
【0087】
まず、図1を参照して、電源コンセント部3のメモリ33は、ID番号に対応する供給可能な電力量を記憶する。例えば、上述したように、設定部2等により、ID番号を設定する際に合わせて予め書込まれることにより記憶する。ここで、メモリ33は、電力量記憶手段として作動する。この供給可能な電力量とは、例えば、電源ケーブル10aを流れる単位時間当たりの電力である。そして、個々の負荷によって設定されている。すなわち、ID番号が1番の負荷に対する電力の電流は、1Aであって、ID番号が2番の負荷に対する電力の電流は、2Aである。このように、ID番号に対応して設定されている。検知回路34は、電源プラグ部4を介して負荷に供給する電力量を検知する。制御部31は、メモリ33に記憶した電力量と、検知回路34により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する。この判断は、電力量が所定の範囲内に該当するか否かを判断することを含む。ここで、制御部31は、電力量判断手段として作動する。
【0088】
図7は、電力供給を制御するさらに他の実施形態であって、電力供給装置5の動作を説明するためのフローチャートである。図7に示すステップSP71において、電源プラグ部4が挿入されたことを検知すると、ステップSP72において、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。
【0089】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部4の制御部41はメモリ43に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック42によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0090】
電源コンセント部3の制御部31は、ステップSP73において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP74において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部31は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP75において、メモリ33に書込まれているID番号と、電源プラグ部4から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部31は、ID番号が一致していると判別すると、ステップSP76において、メモリ33に記憶しているID番号に対応する電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。例えば、ID番号に対応する電力の電流が1Aであって、実際に供給する電力の電流が1Aであると、一致していると判断し、ステップSP77において、通電を継続するよう制御する。
【0091】
そして、例えば、ステップSP78において、所定の時間が経過すると、再度、ステップSP76において、電力量の照合を行う。このとき、例えば、ID番号に対応する電力量が1Aであって、実際に供給する電力量が2Aに変化していると、電力量が一致していないと判断し、ステップSP79に進んで、電力遮断制御部35をオフにして通電を停止するよう制御する。すなわち、電源プラグ部4を介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。
【0092】
上述のように、この実施形態によれば、一旦ID番号を照合して、ID番号が一致していると判別した場合であっても、さらに、電力量を照合することにより、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電をより確実に防止することができる。
【0093】
なお、上述の実施形態では、検知回路34が、供給する電力量を検知する例について説明したが、これに限ることなく、電源コンセント部3において、供給する電力量を検知する電力量検知ブロックを別途設ける構成としてもよい。
【0094】
なお、ID番号に対応する供給可能な電力量は、学習させることにより設定されてもよい。例えば、実際に供給する電力量をメモリ33に記憶しておき、予めメモリ33に記憶されている電力量との差分を算出することにより、その差分を予めメモリ33に記憶されている電力量に加算等することにより設定されてもよい。また、実際に供給する電力量を複数分メモリ33に記憶しておき、それらの平均値等から設定されてもよい。
【0095】
なお、上述の実施形態では、電源コンセント部3の制御部31は、メモリ33に記憶しているID番号に対応する電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する例について説明したが、これに限ることなく、他の実施形態として、電源プラグ部が、電源コンセント部から供給される電力量を電源コンセント部に通知することにより、電源プラグ部から通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合してもよい。図8は、供給される電力量を電源コンセント部に通知する場合における電源プラグ部92を示すブロック図である。
【0096】
図8を参照して、電源プラグ部92は、電源コンセント部から負荷に供給される電力量を検知するプラグ側検知手段として作動する電力量検知ブロック96を含む。制御部93は、電力量検知ブロック96により検知した電力量を電源コンセント部へ通知する。ここで、制御部93は、通知手段として作動する。
【0097】
図9は、電源プラグ部92を介して、負荷に電力を供給する場合について示すフローチャートである。(A)は電源コンセント部の動作を示し、(B)は電源プラグ部92の動作を示している。図8および図9を参照して、電源プラグ部92を介して、負荷に電力を供給する場合について説明する。なお、この場合の電源コンセント部は、図1に示す構成であってもよいし、図5に示す構成であってもよい。
【0098】
まず、電源コンセント部は、図9(A)に示すステップSP81において、電源プラグ部92が挿入されたことを検知すると、ステップSP82において、電力遮断制御部をオンさせ、電力を電源ケーブルから端子板に通電させる。これにより、電源プラグ部92に電力が供給され、電源コンセント部のPLCブロックと、電源プラグ部92のPLCブロック97との間での電力線搬送通信が確立される。
【0099】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部92の制御部93はメモリ95に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック97によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0100】
電源コンセント部の制御部は、ステップSP83において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP84において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP85において、メモリに書込まれているID番号と、電源プラグ部92から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部は、ID番号が一致していると判別すると、ステップSP86において、電源プラグ部92に対して、負荷に供給される電力量を通知するよう指示する。
【0101】
そうすると、電源プラグ部92は、図9(B)に示すステップSP101において、電力量を通知するよう指示を受け付け、ステップSP102において、電力量検知ブロック96により、負荷に供給される電力量を検知する。そして、ステップSP103において、電源コンセント部に対して、検知した電力量を通知する。
【0102】
そうすると、電源コンセント部は、図9(A)に示すステップSP87において、電源プラグ部92から電力量を通知されると、通知された電力量をメモリに記憶し、ステップSP88において、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。例えば、通知された電力の電流が1Aであって、実際に供給する電力の電流が1Aであると、一致していると判断し、ステップSP89において、通電を継続するよう制御する。
【0103】
そして、例えば、ステップSP90において、所定の時間が経過すると、再度、ステップSP86において、電源プラグ部92に対して、負荷に供給される電力量を通知するよう指示し、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。このとき、例えば、通知された電力量が1Aであって、実際に供給する電力量が2Aに変化していると、電力量が一致していないと判断し、ステップSP91に進んで、電力遮断制御部をオフにして通電を停止するよう制御する。すなわち、電源プラグ部92を介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。
【0104】
なお、ステップSP87において、電源プラグ部92から電力量が通知されない場合においても、ステップSP91に進んで、電力遮断制御部をオフにして通電を停止するよう制御する。
【0105】
上述のように、この実施形態によれば、電源プラグ部92から通知された電力量を用いることにより、電源コンセント部において、予めID番号に対応する電力量を記憶させておく必要なく、記憶する電力量を電源プラグ部92に応じたものとすることができる。
【0106】
なお、上述の実施形態では、電源プラグ部92は、電源コンセント部から電力量を通知するよう指示を受け付けることにより、検知した電力量を通知する例について説明したが、これに限ることなく、例えば、一定の時間間隔で検知した電力量を通知してもよい。
【0107】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部は、電源プラグ部92から通知された電力量をメモリに記憶することにより、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部92から通知された電力量をメモリに記憶することなく、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合してもよい。
【0108】
また、図10は、図1の電力供給装置5の電源コンセント部3にテーブルタップ90を接続する場合を示す図である。ここで、図10を参照して、さらに他の実施形態について説明する。
【0109】
図10を参照して、電源コンセント部3には、テーブルタップ90が接続される。テーブルタップ90は、複数の差込口91a,91bを有する構成である。ここで、複数の差込口91a,91bのうちの一つに電力供給が許容されている電源プラグ部94aが挿入されると、上述したように、ID番号を照合して電力の供給を開始する。その後、複数の差込口91a,91bのうちの他の一つに電力供給が許容されていない電源プラグ部94bが追加挿入されると、そのまま電力の供給を続行する。その後、電力供給が許容されている電源プラグ部94aが引き抜かれると、電力供給が許容されていない電源プラグ部94bのみ、電力の供給を続行する。このような場合であっても、上述した図6に示すように、所定の時間が経過する毎に、繰り返しID番号を照合すると、所定の時間経過後のID番号の照合において、一致していないと判別できるため、その結果、通電を停止することができ、盗電をより確実に防止することができる。また、上述した図7に示すように、複数の差込口91a,91bのうちの一つに電力供給が許容されている電源プラグ部94aが挿入され、その後、複数の差込口91a,91bのうちの他の一つに電力供給が許容されていない電源プラグ部94bが追加挿入された場合であっても、電力量の変化により、ID番号に対応する電力量と一致しないと判断されるため、盗電をより確実に防止することができる。
【0110】
また、上述した図9においても同様である。具体的には、複数の差込口91a,91bのうちの一つに電力供給が許容されている電源プラグ部94aが挿入されると、電源プラグ部94aから、例えば1Aの電力の電流が通知される。その後、複数の差込口91a,91bのうちの他の一つに電力供給が許容されていない電源プラグ部94bが追加挿入されると、電源コンセント部3から供給する電力量は、電源プラグ部94a,94bの合計分となる。しかし、電力供給が許容されていない電源プラグ部94bからは、電力の電流が通知されないため、電源コンセント部3から供給する電力の電流は、通知される1Aとは異なる値となる。これにより、通知される電力量と供給する電力量とが一致しないと判断されるため、盗電をより確実に防止することができる。
【0111】
次に、電力供給を制御するこの発明のさらに他の実施形態について説明する。図11は、この発明のさらに他の実施形態における電力供給装置100を示すブロック図である。図11を参照して、電力供給装置100は、電源コンセント部101と、電源プラグ部102とを含む。
【0112】
電源コンセント部101は、電源プラグ部102を介して負荷に電力を供給するものであって、端子板109と、制御部106と、メモリ107と、電源プラグ部102の差込端子が挿入されているか否かを検知すると共に、電源プラグ部102を介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段として作動する検知回路108と、供給遮断制御部として作動する電力遮断制御部104と、電源コンセント部101の外部に位置するRFID(Radio Frequency Identification)タグを制御するタグ制御部105とを含む。メモリ107には、上述したように、電力供給を許容する電源プラグ部のID番号が記憶されていると共に、ID番号に対応する供給可能な電力量が記憶されている。ここで、メモリ107は、電力量記憶手段として作動する。タグ制御部105は、RFIDタグを駆動させる電磁波を出力すると共に、RFIDタグから送信される電磁波を受信する。なお、電磁波の受信においては、指向性を持たせて所定の方向からの電磁波のみを受信するよう制御してもよいし、特定のRFIDタグからの電磁波のみを受信するように制御してもよい。
【0113】
電源プラグ部102は、RFIDタグ110が付加されている。RFIDタグ110は、制御部111と、メモリ112とを含む。メモリ112には、上述した実施形態と同様に、電源プラグ部102への電力供給を許容するか否かを識別するための識別情報としてのID番号が記憶されている。RFIDタグ110は、受動型のものであって、電源コンセント部101のタグ制御部105から出力する電磁波により駆動して、電源コンセント部101に対して、ID番号を送信する。なお、RFIDタグ110とタグ制御部105との通信可能な距離は、例えば、5mm以下である。
【0114】
ここで、電力供給装置100の動作について説明する。図12は、電力供給装置100が、電源プラグ部102への電力供給を制御する場合について示すフローチャートである。(A)は、電源コンセント部101の動作を示し、(B)は、電源プラグ部102の動作を示している。
【0115】
まず、電源コンセント部101が電磁波を出力している状態において、電源プラグ部102が電源コンセント部101の電磁波の出力範囲まで近づくと、RFIDタグ110が駆動する。そうすると、RFIDタグ110の制御部111は、図12(B)のステップSP210において、メモリ112に記憶されているID番号を電源コンセント部101に向けて送信する。ここで、制御部111は、プラグ側制御手段として作動する。
【0116】
そうすると、電源コンセント部101は、図12(A)のステップSP201において、電源プラグ部102から送信されたID番号を受信する。ここで、タグ制御部105は、受信手段として作動する。制御部106は、ID番号を受信すると、ステップSP202において、メモリ107に記憶されているID番号と、電源プラグ部102から受信したID番号とが一致しているか否かを照合する。一致していないと判別した場合には、その後、検知回路108により、電源プラグ部102が挿入されたことを検知しても、ステップSP206において、通電を行わない。一致していると判別した場合には、その後、電源プラグ部102が挿入されたことを検知すると、ステップSP203において、電力遮断制御部104をオンさせ、電力を電源ケーブル103aから端子板109に通電させる。そして、ステップSP204において、メモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量と、実際に供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。ここで、一致していると判断すれば、ステップSP205において、通電を継続するよう制御し、一致していないと判断すれば、ステップSP206において、通電を停止するよう制御する。すなわち、電源プラグ部102を介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。ここで、制御部106は、コンセント側制御手段、および電力量判断手段として作動する。
【0117】
このように、電力供給装置100は、電源コンセント部101において、電源プラグ部102に付加されたRFIDタグ110から受信した識別情報と、識別情報に対応する電力量とに基づいて、電源プラグ部102を介した負荷への電力の供給または遮断を制御することができる。したがって、識別情報のみでなく、電力量を判断することにより、RFIDタグを用いた場合であっても、セキュリティを向上して、電力の供給または遮断の制御を行うことができる。また、RFIDタグ110を用いるため、簡易な構成で安価に電力の供給または遮断の制御を行うことができる。
【0118】
なお、ステップSP201において、ID番号を受信できない場合には、その後、検知回路108により、電源プラグ部102が挿入されたことを検知しても、通電を行わない。
【0119】
また、上述の実施形態では、電力量の照合を行う際に、電源コンセント部101のメモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量と、実際に供給する電力量とを照合する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部102のRFIDタグ110のメモリ112において、電源プラグ部102を介した負荷への供給可能な電力量を記憶して、識別情報と共に供給可能な電力量を電源コンセント部101へ送信することにより、電源コンセント部101において、電源プラグ部102から受信した電力量と、実際に供給する電力量とを照合してもよい。すなわち、この場合、電源コンセント部101のメモリ107には、ID番号に対応する電力量を記憶しなくてもよい。また、この場合、送信される電力量は、固定値となる。
【0120】
また、上述の実施形態では、電力量の照合を行う際に、検知回路108により、電源プラグ部102へ向けて供給する電力量を検知することにより、電源コンセント部101のメモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量と、実際に供給する電力量とを照合する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部102のRFIDタグ110のメモリ112において、電源プラグ部102を介した負荷への供給可能な電力量を記憶して、識別情報と共に供給可能な電力量を電源コンセント部101へ送信することにより、電源コンセント部101において、電源プラグ部102から受信した電力量と、電源コンセント部101のメモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量とを照合してもよい。この場合、電源プラグ部102が挿入されても、ID番号の照合と、電力量の照合とを行うまで、通電を開始しないように制御してもよい。
【0121】
また、上述の実施形態では、ステップSP202において、ID番号の照合を行ったのちに、電源プラグ部102が挿入されたことを検知する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部102が挿入されたことを検知したのちに、RFIDタグ110が駆動することにより、電源プラグ部102の挿入後、ID番号の照合が行われてもよい。この場合、電源プラグ部102が挿入されても、ID番号の照合と、電力量の照合とを行うまで、通電を開始しないように制御してもよい。
【0122】
また、ID番号の照合や電力量の照合は、所定の時間経過する毎に、繰り返し行うこととしてもよい。
【0123】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部101において、タグ制御部105を含む構成とし、電源プラグ部102において、RFIDタグ110を含む構成とし、図5等の実施形態で示したPLCブロック62,58を含まない構成の例について説明したが、これに限ることなく、タグ制御部105およびRFIDタグ110に加えて、PLCブロックをそれぞれ含む構成とし、RFIDタグ110による通信に加えて、電力線搬送通信を行うこととしてもよい。
【0124】
また、電源プラグ部102において、RFIDタグ110およびPLCブロックの両方を備えた構成であってもよいし、RFIDタグ110のみを備えた構成であってもよいし、PLCブロックのみを備えた構成であってもよい。そして、電源コンセント部101は、タグ制御部105およびPLCブロックの両方を備える構成とし、電源プラグ部102の構成に合わせて、タグ制御部105を作動させたり、PLCブロックを作動させる等の制御を行ってよい。
【0125】
次に、この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムについて説明する。図13は、この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの一例を示す図である。
【0126】
図13を参照して、電力供給システムは、電源コンセント部73および電源プラグ部74を含む電力供給装置75と、コンピュータ(パソコン)88とを備える。
【0127】
電源コンセント部73は、ネットワーク87に接続するためのコンセント側ネットワークIF部86と、送信手段として作動する制御部81を含む。コンピュータ88は、ネットワーク87に接続されており、ネットワーク87に接続するためのコンピュータ側ネットワークIF部71と、コンピュータ88全体を制御し、判断手段および実行手段として作動する制御部70と、コンピュータ記憶手段として作動するメモリ72とを含む。メモリ72は、ID番号に関連する所定の情報を記憶する。なお、その他の構成要素については、上記の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0128】
図14は、この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの動作を説明するためのフローチャートであり、(A)は電源コンセント部73の動作を示し、(B)はコンピュータ88の動作を示す。
【0129】
図14に示すステップSP41において、電源プラグ部74が挿入されたことを検知すると、ステップSP42において、電力遮断制御部85をオンさせ、電力を電源ケーブル76aから端子板80に通電させる。これにより、電源プラグ部74に電力が供給され、電源コンセント部73のPLCブロック82と、電源プラグ部74のPLCブロック78との間での電力線搬送通信が確立される。ここで、制御部81は、常時通電モードに移行する。
【0130】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部74の制御部77はメモリ79に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック78によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル76bに送出する。
【0131】
電源コンセント部73の制御部81は、ステップSP43において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP44において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部81は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP45において、コンセント側ネットワークIF部86を介して、コンピュータ88にID番号を送信する。
【0132】
そうすると、コンピュータ88は、SP51において、メモリ72に記憶したID番号に関連する所定の情報、例えば、盗難車の情報と照合して、送信されたID番号が、盗難車に該当するか否かを判断する。具体的には、送信されたID番号には、車の製造番号が関連付けられており、その製造番号から盗難車に該当するか否かを判断する。
【0133】
そして、判断した結果に応じて、所定の動作を実行する。具体的には、盗難車に該当する場合には、SP52において、コンピュータ側ネットワークIF部71を介して、通電を継続するよう、電源コンセント部73に指示すると共に、警察へ通報する。また、該当しない場合には、SP53において、コンピュータ側ネットワークIF部71を介して、そのまま通電を継続するよう、電源コンセント部73に指示する。すなわち、コンピュータ88は、盗難車等を管理しているセンタである。
【0134】
なお、上記ステップSP43において、電力線搬送通信が確立したことが判別されなかったとき、ステップSP44においてID番号の送出が検知できなかったときはそれぞれステップSP46に進んで、電力遮断制御部85をオフにして通電を停止する。
【0135】
こうすることにより、電力供給が許容されていることを示す識別情報が、盗難車の情報に該当するか否かに応じて、所定の動作、ここでは警察に通報することができる。その結果、盗難車の発見等を容易に行うことができる。
【0136】
なお、上述の実施形態では、コンピュータは、所定の動作として、盗難車に該当する場合には、通電を継続するよう、電源コンセント部73に指示すると共に、警察へ通報する例について説明したが、これに限ることなく、通電を終了するよう、電源コンセント部73に指示してもよい。
【0137】
また、上述の実施形態では、電力供給システムは、設定部を含まない例について説明したが、これに限ることなく、設定部を含んでもよい。この場合、設定部は、ネットワークに接続するためのネットワークIF部を含み、設定部のネットワークIF部を介して、コンピュータにID番号を送信してもよい。
【0138】
また、上述の実施形態では、電力供給システムは、電源コンセント部73および電源プラグ部74において、PLCブロック82,78を含み、電力線搬送通信を行う例について説明したが、これに限ることなく、図11に示すように、電源コンセント部においてタグ制御部を含む構成とすると共に、電源プラグ部においてRFIDタグを含む構成とし、RFIDタグを用いて、ID番号等の送受信を行うこととしてもよい。
【0139】
また、本発明は、プラグインハイブリッド車や電気自動車、携帯電話等の充電可能なバッテリを有する電子機器等に適用することができる。
【0140】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 建物、2 設定部、3,53,73,101 電源コンセント部、4,54,74,94a,94b,92,102 電源プラグ部、5,55,75,100 電力供給装置、10a,10b,56a,56b,76a,76b,103a,103b 電源ケーブル、21,31,41,57,61,70,77,81,93,106,111 制御部、22,32,42,58,62,78,82,97 PLCブロック、23,33,43,59,63,72,79,83,95,107,112 メモリ、24 操作部、30,60,80,109 端子板、34,64,84,108 検知回路、35,65,85,104 電力遮断制御部、36,37 受け端子、44,45 差込端子、66 外部装置IF部、71,86 ネットワークIF部、87 ネットワーク、88 コンピュータ、90 テーブルタップ、91a,91b 差込口、96 電力量検知ブロック、105 タグ制御部、110 RFIDタグ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、屋外でプラグインハイブリッド車のバッテリを充電するために電力を供給するための電源プラグ、電源コンセント、電力供給装置および電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、バッテリから電力をモータに供給することにより走行可能になっている。また、ハイブリッド車においては、ガソリンとバッテリにより走行可能になっている。このようなハイブリッド車は、最近では、家庭のコンセントにプラグを挿入してバッテリを充電することが可能なプラグインタイプのものが実用化されようとしている。プラグインハイブリッド車のバッテリを家庭で充電するためには、家屋の屋外に電源コンセントを設ける必要がある。しかし、屋外に電源コンセントを設置すると、第3者に盗電されるおそれがある。特に、マンション等の共同住宅においては、駐車場が家屋から離れている場合が多く、盗電されるおそれが高くなる。
【0003】
特開2006−244818号公報(特許文献1)には、このような盗電を防止するための電力供給システムについて記載されている。この電力供給システムは、使用者IDを記憶したICタグを電源プラグに備えている。この電源プラグを電源コンセントに挿入したときに、タグ読取装置によりICタグから使用者IDを読取り、その使用者IDがタグデータベースに登録されているか否かを確認する。登録を確認すると、電源コンセントから電源プラグに商用電源が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−244818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている電力供給システムは、電源プラグのICタグから使用者IDを読取るのは比較的簡単に行えるために、セキュリティが万全でないという問題がある。
【0006】
そこで、この発明は、比較的簡単な構成で盗電を防止できるようにした電源プラグ、電源コンセント、電力供給装置および電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る電源コンセントは、電源プラグを介して負荷に電力を供給する。電源コンセントは、電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備える。コンセント側制御手段は、予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、供給遮断制御部により電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。
【0008】
このように、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0009】
一実施形態として、電源コンセントは、電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、コンセント側制御手段は、コンセント側電力線搬送通信手段を介して電力線搬送通信により電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。こうすることにより、電力線搬送通信を用いることにより、電源プラグと電源コンセントとの間で特殊な通信手段を用いる必要がなくなる。
【0010】
他の実施形態として、電源プラグには、電力供給が許容されていることを示す識別情報を保持するRFIDタグが付加されており、電源コンセントは、RFIDタグから識別情報を受信する受信手段を含み、コンセント側制御手段は、受信手段により受信した識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。こうすることにより、電源プラグに付加されたRFIDタグから受信した識別情報と、識別情報に対応する電力量とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御することができる。したがって、識別情報のみでなく、電力量を追加することにより、RFIDタグを用いた場合であっても、セキュリティを向上して、電力の供給または遮断の制御を行うことができる。また、RFIDタグを用いるため、簡易な構成で安価に電力の供給または遮断の制御を行うことができる。
【0011】
一実施形態として、電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、予め登録されることにより、または学習により記憶する。こうすることにより、記憶する電力量を使用状況等に応じたものとすることができる。
【0012】
他の実施形態として、電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、電源プラグから通知されることにより記憶する。こうすることにより、記憶する電力量を電源プラグに応じたものとすることができる。
【0013】
好ましくは、コンセント側制御手段は、電力供給が許容されていることを示す識別情報を記憶するコンセント側記憶手段を含み、電源プラグから送信されてきた識別情報とコンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致を判別する。
【0014】
電力供給が許容されていることを示す識別情報をコンセント側記憶手段に予め記憶しておくことにより、電源プラグから送信されてきた識別情報が、電力供給が許容されていることを示す識別情報であるかの判断が容易になる。
【0015】
さらに好ましくは、コンセント側制御手段は、電源プラグから送信されてきた識別情報とコンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致の判別を、所定の時間が経過する毎に繰り返し行う。
【0016】
この発明の他の局面においては、電源コンセントと、電源プラグとを含む電力供給装置に関する。電源コンセントは、電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、コンセント側制御手段は、予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、供給遮断制御部により電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。電源プラグは、電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給するものであって、電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える。
【0017】
このように、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0018】
一実施形態として、電源プラグは、電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、プラグ側制御手段は、電源コンセントに挿入することによって電源コンセントから供給される電力を受け、プラグ側電力線搬送通信手段によって電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信する。電源コンセントは、電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、コンセント側制御手段は、コンセント側電力線搬送通信手段を介して電力線搬送通信により電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。
【0019】
他の実施形態として、プラグ側制御手段は、識別情報を保持するRFIDタグを含み、電源コンセントは、RFIDタグから識別情報を受信する受信手段を含み、コンセント側制御手段は、受信手段により受信した識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する。
【0020】
この発明のさらに他の局面においては、電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給する電源プラグに関する。電源プラグは、電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、コンセント側制御手段は、予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、供給遮断制御部により電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する電源コンセントを含む電力供給装置に用いられる。そして、電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える。
【0021】
このように、電源プラグは、電源コンセントに向けて識別情報を送信するため、電源コンセントにおいて、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0022】
一実施形態として、電源プラグは、電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、プラグ側制御手段は、電源コンセントに挿入することによって電源コンセントから供給される電力を受け、プラグ側電力線搬送通信手段によって電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を電源コンセントに送信する。そして、電源コンセントは、電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、コンセント側制御手段は、コンセント側電力線搬送通信手段を介して電力線搬送通信により電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するものである。
【0023】
好ましくは、プラグ側制御手段は、電源コンセントから負荷に供給される電力量を検知するプラグ側検知手段と、プラグ側検知手段により検知した電力量を電源コンセントに通知する通知手段とを含む。こうすることにより、電源コンセントにおいて、電源プラグを介した負荷に供給される電力量を認識することができる。
【0024】
この発明のさらに他の局面においては、上記に記載の電力供給装置と、コンピュータとを含む電力供給システムに関する。電源コンセントは、ネットワークに接続するためのコンセント側ネットワークインターフェース部と、コンセント側ネットワークインターフェース部を介して、電力供給が許容されていることを示す識別情報をコンピュータへ送信する送信手段とを備える。コンピュータは、ネットワークに接続するためのコンピュータ側ネットワークインターフェース部と、電力供給が許容されていることを示す識別情報に関連する所定の情報を記憶するコンピュータ側記憶手段と、送信手段により送信された電力供給が許容されていることを示す識別情報が、コンピュータ側記憶手段により記憶した所定の情報に該当するか否かを判断する判断手段と、判断手段により判断した結果に応じて、所定の動作を実行する実行手段とを備える。
【0025】
こうすることにより、電力供給が許容されていることを示す識別情報が、所定の情報、例えば盗難車の情報に該当するか否かに応じて、所定の動作を実行することができる。その結果、盗難車の発見等を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係る電源コンセントは、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0027】
また、この発明に係る電力供給装置は、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0028】
また、この発明に係る電源プラグは、電源プラグは、電源コンセントに向けて識別情報を送信するため、電源コンセントにおいて、電源プラグから送られてきた識別情報に基づいて、電力の供給または遮断を制御すると共に、識別情報に基づいて電力量を判断して、電力の供給または遮断を制御する。したがって、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電を防止することができる。
【0029】
また、この発明に係る電力供給システムは、電力供給が許容されていることを示す識別情報が、所定の情報、例えば盗難車の情報に該当するか否かに応じて、所定の動作を実行することができる。その結果、盗難車の発見等を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態における電源コンセントと電源プラグとを含む電力供給装置と、設定部とを示すブロック図である。
【図2】図1に示した電源コンセント部と電源プラグ部との接続状態を示す図である。
【図3】電源コンセント部と電源プラグ部とにID番号を設定するための動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の一実施形態における電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の他の実施形態における電力供給装置を示すブロック図である。
【図6】電力供給を制御する他の実施形態であって、電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】電力供給を制御するさらに他の実施形態であって、電力供給装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】供給される電力量を電源コンセント部に通知する場合における電源プラグ部を示すブロック図である。
【図9】電源プラグ部を介して、負荷に電力を供給する場合について示すフローチャートである。
【図10】図1の電力供給装置の電源コンセント部にテーブルタップを接続する場合を示す図である。
【図11】この発明のさらに他の実施形態における電力供給装置を示すブロック図である。
【図12】電力供給装置が、電源プラグ部への電力供給を制御する場合について示すフローチャートである。
【図13】この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの一例を示す図である。
【図14】この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、この発明の一実施形態における電源コンセントと電源プラグとを含む電力供給装置5と、設定部2とを示すブロック図である。
【0032】
図1において、電力供給装置5は、電源コンセントとしての電源コンセント部3と、電源コンセント部3に挿入される電源プラグとしての電源プラグ部4とを含む。設定部2は、建物1内に設けられている。設定部2は、電源プラグ部4への電力供給を許容するか否かを識別するための識別情報としてのID番号を電源コンセント部3および電源プラグ部4に設定するために設けられている。電源ケーブル10aには、100Vの商用の電源が供給される。電源ケーブル10aは、設定部2と電源コンセント部3とに接続されている。
【0033】
設定部2は、制御部21と、電力線搬送通信手段として作動するPLC(Power Line Communication)ブロック22と、メモリ23と、操作部24とを含む。
【0034】
制御部21は、操作部24から電源コンセント部3のコンセント番号と、電源プラグ部4のプラグ番号と、ID番号とが入力されると、コンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とをメモリ23に記憶させる。ここで、メモリ23にコンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とを記憶させるのは、電源プラグ部4に対して、電力供給を許容するか否かを管理等するためである。また、制御部21は、PLCブロック22によりコンセント番号とプラグ番号とID番号とを電源ケーブル10a,10bを介して電源コンセント部3および電源プラグ部4に電力線搬送通信により伝送するための制御を行なう。
【0035】
PLCブロック22は、電源ケーブル10aに高周波信号を搬送波として重畳し、電源ケーブル10aを伝送路として、電源コンセント部3のPLCブロック32との間で、双方向で電力線搬送通信を行なう。電力線搬送通信には、スペクトラム拡散方式や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式等がある。この実施形態においては、スペクトラム拡散方式を用いる。
【0036】
スペクトル拡散方式は、送信側で狭帯域の信号を拡散符号を用いて広帯域へ拡散して送信する方式である。受信側では送信側と逆の操作を行い、同じ拡散符号を用いて元の狭帯域の信号を復元する。スペクトル拡散方式においては、狭帯域の雑音は受信側での逆拡散により広帯域のレベルが低下した雑音となるため、各種狭帯域の雑音に強い。また、送信側での拡散により、信号のピーク値を低くできるため、漏洩電界のピーク値漏洩低減が可能である。
【0037】
電源コンセント部3は、電源プラグ部4を介して負荷に電力を供給するものであって、端子板30と、コンセント側制御手段として作動する制御部31と、コンセント側電力線搬送通信手段として作動するPLCブロック32と、エンベデッドメモリであって、コンセント側記憶手段として作動するメモリ33と、検知手段として作動する検知回路34と、供給遮断制御部として作動する電力遮断制御部35とを含む。また、電源コンセント部3は、複数設けられており、例えば、建物1の外壁面等に複数設けられている。
【0038】
端子板30には、電源プラグ部4の差込端子が挿入される。制御部31は、PLCブロック32と、電力遮断制御部35とを制御するとともに、メモリ33の書込み読出しを制御する。PLCブロック32は、電源ケーブル10aを介して設定部2のPLCブロック22との間で電力線搬送通信を行なうとともに、電源ケーブル10bを介して電源プラグ部4のPLCブロック42との間で電力線搬送通信を行う。メモリ33は、ID番号を記憶する。このID番号は、挿入された電源プラグ部4が電力供給を許容されているものであるか否かを電源コンセント部3側で判別するためのものである。例えば、電源コンセント部3において、複数の電源プラグ部4の電力供給を許容している場合には、メモリ33は、複数の電源プラグ部4が記憶しているID番号と同じ複数のID番号を記憶する。また、メモリ33は、コンセント番号を記憶する。コンセント番号とは、例えば、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号等であって、複数の電源コンセント部3のそれぞれを識別するためのものである。検知回路34は、端子板30に電源プラグ部4の差込端子が挿入されているか否かを検知する。検知回路34は、例えば、電源プラグ部4が端子板30に挿入されているか否かをパルス信号によって検知する。具体的には、電源プラグ部4へパルス信号を送信し、送信したパルス信号に対する応答が返ってくると、検知回路34は、電源プラグ部4が端子板30に挿入されていると検知する。電力遮断制御部35は、制御部31の制御に応じて、端子板30への電力の供給または遮断を行なう。
【0039】
電源コンセント部3は、登録モードと、通常モードと、常時通電モードとを具備する。登録モードとは、メモリ33にID番号を記憶することが可能な状態であることを言う。また、通常モードとは、メモリ33に記憶したID番号と一致する電源プラグ部4にのみ通電が可能な状態であることを言う。また、常時通電モードとは、メモリ33に記憶したID番号に一致するか否かに関わらず、任意の電源プラグ部4に通電が可能な状態であることを言う。
【0040】
電源プラグ部4は、負荷に電力を供給するものであって、プラグ側制御手段として作動する制御部41と、プラグ側電力線搬送通信手段として作動するPLCブロック42と、エンベデッドメモリであって、プラグ側記憶手段として作動するメモリ43とを含む。また、電源プラグ部4は、複数設けられている。
【0041】
制御部41は、PLCブロック42を制御するとともに、メモリ43の書込み読出しを制御する。PLCブロック42は、電源ケーブル10bを介して電源コンセント部3のPLCブロック32との間で電力線搬送通信を行なう。メモリ43は、ID番号を記憶する。このID番号は、上記した電源コンセント部3に電源プラグ部4を挿入した際に、その電源プラグ部4が電力供給を許容されているものであるか否かを電源コンセント部3側で判別するためのものである。例えば、複数の電源プラグ部4のそれぞれにおいて、異なる固有のID番号を記憶する。また、メモリ43は、プラグ番号を記憶する。プラグ番号とは、例えば、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号等であって、複数の電源プラグ部4のそれぞれを識別するためのものである。
【0042】
図2は、図1に示した電源コンセント部3と電源プラグ部4との接続状態を示す図である。図2において、電源ケーブル10aの芯線は、受け端子36,37に接続されている。受け端子36,37には、端子板30を介して電源プラグ部4の差込端子44,45が挿入される。電源プラグ部4が電源コンセント部3の端子板30に挿入されると、電源ケーブル10aから受け端子36,37および電源プラグ部4の差込端子44,45を介して電源ケーブル10bに電力が供給される。
【0043】
ここで、設定部2が、電源コンセント部3と電源プラグ部4とにID番号を設定する場合について説明する。図3は、電源コンセント部3と電源プラグ部4とにID番号を設定するための動作を示すフローチャートであり、(A)は設定部2の動作を示し、(B)は電源コンセント部3の動作を示し、(C)は電源プラグ部4の動作を示す。
【0044】
ID番号の設定時には、設定部2のPLCブロック22と、電源コンセント部3のPLCブロック32との間での電力線搬送通信が確立される。また、電源プラグ部4が電源コンセント部3の端子板30に挿入されると、検知回路34は、電源プラグ部4が挿入されたことを検知し、電源プラグ部4が挿入されたことを示す検知信号を制御部31に出力する。そして、制御部31は、電源プラグ部4が挿入されたことを検知して、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。また、制御部31は、登録モードに移行する。
【0045】
まず、利用者は、予め用意されたID番号を設定するコンセント番号の一覧等を参照して、設定部2の操作部24からコンセント番号とID番号とを入力する。コンセント番号は、複数の電源コンセント部3が設けられている場合、それぞれを識別するために入力される。ID番号は、電力供給が許容されている電源プラグ部4を識別するために入力される。
【0046】
設定部2の制御部21は、図3(A)に示すステップ(図示ではSPと略称する。)SP1において、コンセント番号が入力されたか否かを判別しており、コンセント番号が入力されたことを判別すると、ステップSP2において、ID番号が入力されたか否かを判別する。ID番号が入力されたことを判別すると、ステップSP3において、コンセント番号とID番号とをメモリ23に書込むとともに、PLCブロック22によって電源ケーブル10aに送出させる。PLCブロック22は、電源ケーブル10aを介して電源コンセント部3のPLCブロック32との間で、電力線搬送通信を確立し、コンセント番号とID番号とを送出する。
【0047】
なお、電力線搬送通信の確立とは、送信側である設定部2のPLCブロック22から、電力線搬送通信により送信されたデータを受信側である電源コンセント部3のPLCブロック32において復元できたことを言う。
【0048】
電源コンセント部3のPLCブロック32は、設定部2のPLCブロック22から送出されたコンセント番号とID番号とを受信して制御部31に出力する。制御部31は、図3(B)に示すステップSP11において、複数の電源コンセント部3のコンセント番号のうち、対応するコンセント番号を受信したか否かを判別し、受信したことを判別すると、ステップSP12において、ID番号を受信したか否かを判別する。制御部31は、ID番号を受信したことを判別すると、ステップSP13において、受信したID番号をメモリ33に書込む。
【0049】
さらに、利用者は、設定部2の操作部24からプラグ番号とID番号とを入力する。ID番号は、電源コンセント部3に設定したものと同じID番号である。
【0050】
設定部2の制御部21は、SP4において、プラグ番号が入力されたか否かを判別しており、プラグ番号が入力されたことを判別すると、ステップSP5において、ID番号が入力されたか否かを判別する。ID番号が入力されたことを判別すると、制御部21は、ステップSP6において、プラグ番号とID番号とをメモリ23に書込むとともに、プラグ番号とID番号とをPLCブロック22によって電源ケーブル10aに送出させる。PLCブロック22は、電源ケーブル10aを介してプラグ番号とID番号とを送出する。
【0051】
電源プラグ部4のPLCブロック42は、設定部2のPLCブロック22との間で電力線搬送通信を確立し、プラグ番号とID番号とを受信して制御部41に出力する。制御部41は、図3(C)に示すステップSP21において、複数の電源プラグ部4のプラグ番号のうち、対応するプラグ番号を受信したか否かを判別しており、プラグ番号を受信したことを判別すると、ステップSP22において、ID番号を受信したか否かを判別する。ID番号を受信したことを判別すると、ステップSP23において、ID番号をメモリ43に書込む。
【0052】
このようにして、電源プラグ部4を電源コンセント部3に挿入して、設定部2で電源コンセント部3と、電源プラグ部4とに電力の使用を許諾するための識別情報であるID番号を設定できる。また、ID番号を書込むメモリ33,43は、エンベデッドメモリであることから、セキュリティを向上させることができる。ID番号の設定を完了すると、利用者は電源プラグ部4を電源コンセント部3から引き抜いておく。
【0053】
なお、電源プラグ部4に設定するID番号は、設定部2から電源プラグ部4に設定するようにしたが、設定部2から電源コンセント部3の制御部31を介して電源プラグ部4に設定するようにしてもよい。すなわち、設定部2からコンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とを入力してこれらを、電源コンセント部3に一旦送出し、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間で電力線搬送通信を確立し、プラグ番号と、ID番号とを電源コンセント部3から電源プラグ部4に送出する。
【0054】
また、コンセント番号と、ID番号とを設定する前に、電源プラグ部4を電源コンセント部3の端子板30に挿入する例について説明したが、これに限ることなく、コンセント番号と、ID番号とを設定した後、電源プラグ部4を電源コンセント部3の端子板30に挿入するようにしてもよい。
【0055】
図4は、この発明の一実施形態における電力供給装置5の動作を説明するためのフローチャートである。例えば、利用者が所有しているプラグインハイブリッド車のバッテリを充電するなどの実際の使用に際して、図2に示すように電源プラグ部4を電源コンセント部3の端子板30に挿入する。電源プラグ部4を端子板30に挿入すると、検知回路34は、電源プラグ部4が挿入されたことを検知して、電源プラグ部4が挿入されたことを示す検知信号を制御部31に出力する。
【0056】
制御部31は、図4に示すステップSP31において、電源プラグ部4が挿入されたことを検知すると、ステップSP32において、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。また、制御部31は、上記した通常モードまたは常時通電モードに移行する。この実施形態においては、通常モードに移行する。
【0057】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部4の制御部41はメモリ43に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック42によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0058】
電源コンセント部3の制御部31は、ステップSP33において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP34において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部31は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP35において、メモリ33に書込まれているID番号と、電源プラグ部4から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部31は、ID番号の一致を判別すると、ステップSP36において電源プラグ部4の挿入を検知しなくなったことを判別するまで、電力遮断制御部35による通電を続行して、電源プラグ部4を介した負荷に電力を供給し続ける。
【0059】
なお、上記ステップSP33において、電力線搬送通信が確立したことが判別されなかったとき、ステップSP34においてID番号の送出が検知できなかったとき、ステップSP35において照合が検知できなかったときはそれぞれステップSP37に進んで、電力遮断制御部35をオフにして通電を停止する。
【0060】
利用者は、プラグインハイブリッド車のバッテリへの充電が終了すると、電源プラグ部4を端子板30から引抜く。電源プラグ部4が引抜かれると、差込端子44,45も引抜かれ、制御部31はステップSP36において、検知回路34により、電源プラグ部4が引抜かれたことを判別するので、ステップSP37において、電力遮断制御部35をオフにして、電源プラグ部4への通電を停止する。
【0061】
そして、ステップSP38において、電源プラグ部4が挿入されているか否かを判別し、電源プラグ部4が抜取られていて電源プラグ部4の挿入されていないことが判別されると、初期状態に戻る。電源プラグ部4が電源コンセント部3に挿入されたままであれば、その状態、すなわち、通電を停止した状態を維持する。これは、一旦通電を終了すると、電源プラグ部4を抜取った後、再度電源プラグ部4を電源コンセント部3に挿入しなければ通電を行えないようにするためである。
【0062】
上述のように、この発明の実施形態によれば、電力供給が許容されていない電源プラグが電源コンセントに挿入されても、ID番号を照合できないので、電力供給が禁止され、盗電を防止できる。しかも、電力線搬送通信を使用してID番号を送出するようにしたので、他に通信媒体を用いる必要がなく、構成を簡略化できる。
【0063】
なお、電源コンセント部3には、複数の異なる電源プラグ部4を挿入可能にし、設定部2により、異なるID番号を各電源プラグ部4に割り当てておき、各ID番号を電源コンセント部3のメモリ33に記憶しておいてもよい。そうすることによって、いずれかの電源プラグ部4が電源コンセント部3に挿入されてID番号を照合できたときに、通電を行うようにすることができる。また、ID番号を各電源プラグ部4ごとに異ならせることなく、共通のID番号を割り当てておいてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、検知回路34は、電源プラグ部4が端子板30に挿入されているか否かの検知を、パルス信号によって検知する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部4が端子板30に挿入されているか否かを光学センサによって検知してもよいし、マイクロスイッチ等によって機械的に検知してもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、設定部2のメモリ23にコンセント番号と、プラグ番号と、ID番号とを記憶する例について説明したが、電源プラグ部4に対して、電力供給を許容するか否かを管理等しなくてもよい場合には、記憶しなくてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、電力供給装置5は、設定部2を含まない例について説明したが、これに限ることなく、設定部2を含んでもよい。
【0067】
また、上述の実施形態では、電力線搬送通信には、スペクトラム拡散方式を用いる例について説明したが、OFDM方式を用いてもよい。なお、OFDM方式は、多数の搬送波を周波数軸上で直交多重した伝送方式であり、周波数利用効率が高く、高速化が容易である。OFDM方式においては、搬送波毎の送信制御が可能であるため、既存無線局への影響が特に懸念される帯域に関しては、該当搬送波の送信を停止(所謂ノッチ)することで、既存無線局との共存が可能である。
【0068】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部3は、登録モードと、通常モードと、常時通電モードとを具備し、例えば、ID番号の設定時には、登録モードへ移行する例について説明したが、これに限ることなく、特にモードを具備することなく、ID番号の設定等を行ってもよい。
【0069】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部3および電源プラグ部4は複数設けられている例について説明したが、これに限ることなく、それぞれ1個である場合にも適用することができる。具体的には、ID番号の設定時において、1個の電源コンセント部3が設けられている場合には、コンセント番号の入力を省略し、ID番号のみを入力する。また、1個の電源プラグ部4が設けられている場合には、プラグ番号の入力を省略し、ID番号のみを入力する。
【0070】
また、上述の実施形態では、予め用意されたID番号を設定するコンセント番号の一覧等を参照することにより、設定部2の操作部24からコンセント番号を入力する例について説明したが、これに限ることなく、例えば、設定部2のPLCブロック22と、電源コンセント部3のPLCブロック32との間での電力線搬送通信が確立した際に、電源コンセント部3から自身のコンセント番号を設定部2に通知することにより、通知されたコンセント番号を参照して入力してもよい。
【0071】
また、上述の実施形態では、設定部2を設けることにより、設定部2のPLCブロック22と電源コンセント部3のPLCブロック32との間で電力線搬送通信を行ってID番号を設定する例について説明したが、これに限ることなく、他の実施形態として、設定部を設けることなく、電源コンセント部に外部装置IF(インターフェース)部を設けることにより、外部装置IF部を介して、ID番号を設定してもよい。図5は、この発明の他の実施形態における電力供給装置55を示すブロック図である。
【0072】
図5を参照して、電力供給装置55は、電源コンセント部53と、電源プラグ部54とを含む。この実施形態においては、電源コンセント部53と、電源プラグ部54とは、それぞれ1個設けられている。電源コンセント部53は、外部装置IF部66を含む。外部装置IF部66は、例えば、キーボードや表示画面(ディスプレイ)のような外部装置と接続するためのものである。すなわち、キーボードや表示画面は、外部装置IF部66を介して、電源コンセント部53に装着される。なお、その他の構成要素については、上記の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0073】
ここで、外部装置IF部66を介して、電源コンセント部53と電源プラグ部54とにID番号を設定する場合について説明する。まず、利用者は、電源プラグ部54を電源コンセント部53の端子板60に挿入する。電源プラグ部54を端子板60に挿入すると、検知回路64は、電源プラグ部54が挿入されていることを検知して、電源プラグ部54が挿入されたことを示す検知信号を制御部61に出力する。
【0074】
制御部61は、電源プラグ部54が挿入されたことを検知すると、電力遮断制御部65をオンさせ、電力を電源ケーブル56aから端子板60に通電させる。これにより、電源プラグ部54に電力が供給され、電源コンセント部53のPLCブロック62と、電源プラグ部54のPLCブロック58との間での電力線搬送通信が確立される。また、制御部61は、登録モードに移行する。
【0075】
そして、利用者によって、電源コンセント部53のID番号を設定するよう選択され、キーボードからID番号を入力される。そうすると、制御部61は、入力されたID番号を電源コンセント部53のメモリ63に書込む。
【0076】
さらに、利用者によって、電源プラグ部54のID番号を設定するよう選択され、キーボードからID番号を入力される。そうすると、制御部61は、入力されたID番号をPLCブロック62によって電源ケーブル56aに送出させる。PLCブロック62は、電源ケーブル56aを介してID番号を送出する。電源プラグ部54のPLCブロック58は、電源コンセント部53のPLCブロック62との間で電力線搬送通信を確立し、ID番号を受信して制御部57に出力する。制御部57は、ID番号を電源プラグ部54のメモリ59に書込む。
【0077】
こうすることにより、設定部を設けることなく、簡易な構成で、ID番号を設定することができる。
【0078】
また、上述の実施形態では、ID番号は、設定部や外部装置を用いて、利用者によって設定される例について説明したが、これに限ることなく、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号のようなものであってもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、コンセント番号とプラグ番号とは、出荷時に予め付与される製造番号やシリアル番号である例について説明したが、これに限ることなく、ID番号を設定する場合と同様に、設定部や外部装置を用いて設定してもよい。
【0080】
なお、上述の実施形態では、電力供給装置5の動作として、図4に示すように、一旦ID番号を照合すると、電源プラグ部4の挿入を検知しなくなったことを判別するまで、電力遮断制御部35による通電を続行する例について説明したが、これに限ることなく、所定の時間が経過する毎に、ID番号を照合することによって、通電を続行するか否かを制御してもよい。
【0081】
図6は、電力供給を制御する他の実施形態であって、電力供給装置5の動作を説明するためのフローチャートである。図6に示すステップSP61において、電源プラグ部4が挿入されたことを検知すると、ステップSP62において、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。
【0082】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部4の制御部41はメモリ43に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック42によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0083】
電源コンセント部3の制御部31は、ステップSP63において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP64において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部31は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP65において、メモリ33に書込まれているID番号と、電源プラグ部4から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部31は、ID番号が一致していると判別すると、ステップSP66において、所定の時間が経過するまで、電力遮断制御部35による通電を続行する。
【0084】
そして、所定の時間が経過すると、再度、ステップSP65において、ID番号の照合を行う。このとき、ID番号が一致していないと判別すると、ステップSP67に進んで、電力遮断制御部35をオフにして通電を停止する。
【0085】
上述のように、この実施形態によれば、一旦ID番号を照合して、ID番号が一致していると判別した場合であっても、通電中に所定の時間が経過する毎に、繰り返しID番号を照合する。したがって、例えば、通電中に電力供給が許容されていない電源プラグ部に差し替えられた場合であっても、ID番号を照合できないため、通電を停止することができ、盗電をより確実に防止することができる。なお、所定の時間は、プラグインハイブリッド車等のバッテリの充電時間に応じた時間としてもよい。例えば、所定の時間として充電時間全体の1/4時間が経過する毎に、繰り返しID番号を照合してもよい。
【0086】
また、上述の実施形態では、電力供給装置5の動作として、図4に示すように、ID番号を照合することにより、電力供給を制御する例について説明したが、ここで、電力供給を制御するさらに他の実施形態について説明する。
【0087】
まず、図1を参照して、電源コンセント部3のメモリ33は、ID番号に対応する供給可能な電力量を記憶する。例えば、上述したように、設定部2等により、ID番号を設定する際に合わせて予め書込まれることにより記憶する。ここで、メモリ33は、電力量記憶手段として作動する。この供給可能な電力量とは、例えば、電源ケーブル10aを流れる単位時間当たりの電力である。そして、個々の負荷によって設定されている。すなわち、ID番号が1番の負荷に対する電力の電流は、1Aであって、ID番号が2番の負荷に対する電力の電流は、2Aである。このように、ID番号に対応して設定されている。検知回路34は、電源プラグ部4を介して負荷に供給する電力量を検知する。制御部31は、メモリ33に記憶した電力量と、検知回路34により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する。この判断は、電力量が所定の範囲内に該当するか否かを判断することを含む。ここで、制御部31は、電力量判断手段として作動する。
【0088】
図7は、電力供給を制御するさらに他の実施形態であって、電力供給装置5の動作を説明するためのフローチャートである。図7に示すステップSP71において、電源プラグ部4が挿入されたことを検知すると、ステップSP72において、電力遮断制御部35をオンさせ、電力を電源ケーブル10aから端子板30に通電させる。これにより、電源プラグ部4に電力が供給され、電源コンセント部3のPLCブロック32と、電源プラグ部4のPLCブロック42との間での電力線搬送通信が確立される。
【0089】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部4の制御部41はメモリ43に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック42によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0090】
電源コンセント部3の制御部31は、ステップSP73において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP74において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部31は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP75において、メモリ33に書込まれているID番号と、電源プラグ部4から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部31は、ID番号が一致していると判別すると、ステップSP76において、メモリ33に記憶しているID番号に対応する電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。例えば、ID番号に対応する電力の電流が1Aであって、実際に供給する電力の電流が1Aであると、一致していると判断し、ステップSP77において、通電を継続するよう制御する。
【0091】
そして、例えば、ステップSP78において、所定の時間が経過すると、再度、ステップSP76において、電力量の照合を行う。このとき、例えば、ID番号に対応する電力量が1Aであって、実際に供給する電力量が2Aに変化していると、電力量が一致していないと判断し、ステップSP79に進んで、電力遮断制御部35をオフにして通電を停止するよう制御する。すなわち、電源プラグ部4を介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。
【0092】
上述のように、この実施形態によれば、一旦ID番号を照合して、ID番号が一致していると判別した場合であっても、さらに、電力量を照合することにより、適切な電源プラグにのみ、電力を供給することができ、不適切な電源プラグが電源コンセントに挿入された場合であっても、電力を遮断して、盗電をより確実に防止することができる。
【0093】
なお、上述の実施形態では、検知回路34が、供給する電力量を検知する例について説明したが、これに限ることなく、電源コンセント部3において、供給する電力量を検知する電力量検知ブロックを別途設ける構成としてもよい。
【0094】
なお、ID番号に対応する供給可能な電力量は、学習させることにより設定されてもよい。例えば、実際に供給する電力量をメモリ33に記憶しておき、予めメモリ33に記憶されている電力量との差分を算出することにより、その差分を予めメモリ33に記憶されている電力量に加算等することにより設定されてもよい。また、実際に供給する電力量を複数分メモリ33に記憶しておき、それらの平均値等から設定されてもよい。
【0095】
なお、上述の実施形態では、電源コンセント部3の制御部31は、メモリ33に記憶しているID番号に対応する電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する例について説明したが、これに限ることなく、他の実施形態として、電源プラグ部が、電源コンセント部から供給される電力量を電源コンセント部に通知することにより、電源プラグ部から通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合してもよい。図8は、供給される電力量を電源コンセント部に通知する場合における電源プラグ部92を示すブロック図である。
【0096】
図8を参照して、電源プラグ部92は、電源コンセント部から負荷に供給される電力量を検知するプラグ側検知手段として作動する電力量検知ブロック96を含む。制御部93は、電力量検知ブロック96により検知した電力量を電源コンセント部へ通知する。ここで、制御部93は、通知手段として作動する。
【0097】
図9は、電源プラグ部92を介して、負荷に電力を供給する場合について示すフローチャートである。(A)は電源コンセント部の動作を示し、(B)は電源プラグ部92の動作を示している。図8および図9を参照して、電源プラグ部92を介して、負荷に電力を供給する場合について説明する。なお、この場合の電源コンセント部は、図1に示す構成であってもよいし、図5に示す構成であってもよい。
【0098】
まず、電源コンセント部は、図9(A)に示すステップSP81において、電源プラグ部92が挿入されたことを検知すると、ステップSP82において、電力遮断制御部をオンさせ、電力を電源ケーブルから端子板に通電させる。これにより、電源プラグ部92に電力が供給され、電源コンセント部のPLCブロックと、電源プラグ部92のPLCブロック97との間での電力線搬送通信が確立される。
【0099】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部92の制御部93はメモリ95に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック97によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル10bに送出する。
【0100】
電源コンセント部の制御部は、ステップSP83において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP84において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP85において、メモリに書込まれているID番号と、電源プラグ部92から送出されてきたID番号とが一致しているか否かを照合する。制御部は、ID番号が一致していると判別すると、ステップSP86において、電源プラグ部92に対して、負荷に供給される電力量を通知するよう指示する。
【0101】
そうすると、電源プラグ部92は、図9(B)に示すステップSP101において、電力量を通知するよう指示を受け付け、ステップSP102において、電力量検知ブロック96により、負荷に供給される電力量を検知する。そして、ステップSP103において、電源コンセント部に対して、検知した電力量を通知する。
【0102】
そうすると、電源コンセント部は、図9(A)に示すステップSP87において、電源プラグ部92から電力量を通知されると、通知された電力量をメモリに記憶し、ステップSP88において、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。例えば、通知された電力の電流が1Aであって、実際に供給する電力の電流が1Aであると、一致していると判断し、ステップSP89において、通電を継続するよう制御する。
【0103】
そして、例えば、ステップSP90において、所定の時間が経過すると、再度、ステップSP86において、電源プラグ部92に対して、負荷に供給される電力量を通知するよう指示し、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。このとき、例えば、通知された電力量が1Aであって、実際に供給する電力量が2Aに変化していると、電力量が一致していないと判断し、ステップSP91に進んで、電力遮断制御部をオフにして通電を停止するよう制御する。すなわち、電源プラグ部92を介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。
【0104】
なお、ステップSP87において、電源プラグ部92から電力量が通知されない場合においても、ステップSP91に進んで、電力遮断制御部をオフにして通電を停止するよう制御する。
【0105】
上述のように、この実施形態によれば、電源プラグ部92から通知された電力量を用いることにより、電源コンセント部において、予めID番号に対応する電力量を記憶させておく必要なく、記憶する電力量を電源プラグ部92に応じたものとすることができる。
【0106】
なお、上述の実施形態では、電源プラグ部92は、電源コンセント部から電力量を通知するよう指示を受け付けることにより、検知した電力量を通知する例について説明したが、これに限ることなく、例えば、一定の時間間隔で検知した電力量を通知してもよい。
【0107】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部は、電源プラグ部92から通知された電力量をメモリに記憶することにより、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部92から通知された電力量をメモリに記憶することなく、通知された電力量と、供給する電力量とが一致しているか否かを照合してもよい。
【0108】
また、図10は、図1の電力供給装置5の電源コンセント部3にテーブルタップ90を接続する場合を示す図である。ここで、図10を参照して、さらに他の実施形態について説明する。
【0109】
図10を参照して、電源コンセント部3には、テーブルタップ90が接続される。テーブルタップ90は、複数の差込口91a,91bを有する構成である。ここで、複数の差込口91a,91bのうちの一つに電力供給が許容されている電源プラグ部94aが挿入されると、上述したように、ID番号を照合して電力の供給を開始する。その後、複数の差込口91a,91bのうちの他の一つに電力供給が許容されていない電源プラグ部94bが追加挿入されると、そのまま電力の供給を続行する。その後、電力供給が許容されている電源プラグ部94aが引き抜かれると、電力供給が許容されていない電源プラグ部94bのみ、電力の供給を続行する。このような場合であっても、上述した図6に示すように、所定の時間が経過する毎に、繰り返しID番号を照合すると、所定の時間経過後のID番号の照合において、一致していないと判別できるため、その結果、通電を停止することができ、盗電をより確実に防止することができる。また、上述した図7に示すように、複数の差込口91a,91bのうちの一つに電力供給が許容されている電源プラグ部94aが挿入され、その後、複数の差込口91a,91bのうちの他の一つに電力供給が許容されていない電源プラグ部94bが追加挿入された場合であっても、電力量の変化により、ID番号に対応する電力量と一致しないと判断されるため、盗電をより確実に防止することができる。
【0110】
また、上述した図9においても同様である。具体的には、複数の差込口91a,91bのうちの一つに電力供給が許容されている電源プラグ部94aが挿入されると、電源プラグ部94aから、例えば1Aの電力の電流が通知される。その後、複数の差込口91a,91bのうちの他の一つに電力供給が許容されていない電源プラグ部94bが追加挿入されると、電源コンセント部3から供給する電力量は、電源プラグ部94a,94bの合計分となる。しかし、電力供給が許容されていない電源プラグ部94bからは、電力の電流が通知されないため、電源コンセント部3から供給する電力の電流は、通知される1Aとは異なる値となる。これにより、通知される電力量と供給する電力量とが一致しないと判断されるため、盗電をより確実に防止することができる。
【0111】
次に、電力供給を制御するこの発明のさらに他の実施形態について説明する。図11は、この発明のさらに他の実施形態における電力供給装置100を示すブロック図である。図11を参照して、電力供給装置100は、電源コンセント部101と、電源プラグ部102とを含む。
【0112】
電源コンセント部101は、電源プラグ部102を介して負荷に電力を供給するものであって、端子板109と、制御部106と、メモリ107と、電源プラグ部102の差込端子が挿入されているか否かを検知すると共に、電源プラグ部102を介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段として作動する検知回路108と、供給遮断制御部として作動する電力遮断制御部104と、電源コンセント部101の外部に位置するRFID(Radio Frequency Identification)タグを制御するタグ制御部105とを含む。メモリ107には、上述したように、電力供給を許容する電源プラグ部のID番号が記憶されていると共に、ID番号に対応する供給可能な電力量が記憶されている。ここで、メモリ107は、電力量記憶手段として作動する。タグ制御部105は、RFIDタグを駆動させる電磁波を出力すると共に、RFIDタグから送信される電磁波を受信する。なお、電磁波の受信においては、指向性を持たせて所定の方向からの電磁波のみを受信するよう制御してもよいし、特定のRFIDタグからの電磁波のみを受信するように制御してもよい。
【0113】
電源プラグ部102は、RFIDタグ110が付加されている。RFIDタグ110は、制御部111と、メモリ112とを含む。メモリ112には、上述した実施形態と同様に、電源プラグ部102への電力供給を許容するか否かを識別するための識別情報としてのID番号が記憶されている。RFIDタグ110は、受動型のものであって、電源コンセント部101のタグ制御部105から出力する電磁波により駆動して、電源コンセント部101に対して、ID番号を送信する。なお、RFIDタグ110とタグ制御部105との通信可能な距離は、例えば、5mm以下である。
【0114】
ここで、電力供給装置100の動作について説明する。図12は、電力供給装置100が、電源プラグ部102への電力供給を制御する場合について示すフローチャートである。(A)は、電源コンセント部101の動作を示し、(B)は、電源プラグ部102の動作を示している。
【0115】
まず、電源コンセント部101が電磁波を出力している状態において、電源プラグ部102が電源コンセント部101の電磁波の出力範囲まで近づくと、RFIDタグ110が駆動する。そうすると、RFIDタグ110の制御部111は、図12(B)のステップSP210において、メモリ112に記憶されているID番号を電源コンセント部101に向けて送信する。ここで、制御部111は、プラグ側制御手段として作動する。
【0116】
そうすると、電源コンセント部101は、図12(A)のステップSP201において、電源プラグ部102から送信されたID番号を受信する。ここで、タグ制御部105は、受信手段として作動する。制御部106は、ID番号を受信すると、ステップSP202において、メモリ107に記憶されているID番号と、電源プラグ部102から受信したID番号とが一致しているか否かを照合する。一致していないと判別した場合には、その後、検知回路108により、電源プラグ部102が挿入されたことを検知しても、ステップSP206において、通電を行わない。一致していると判別した場合には、その後、電源プラグ部102が挿入されたことを検知すると、ステップSP203において、電力遮断制御部104をオンさせ、電力を電源ケーブル103aから端子板109に通電させる。そして、ステップSP204において、メモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量と、実際に供給する電力量とが一致しているか否かを照合する。ここで、一致していると判断すれば、ステップSP205において、通電を継続するよう制御し、一致していないと判断すれば、ステップSP206において、通電を停止するよう制御する。すなわち、電源プラグ部102を介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する。ここで、制御部106は、コンセント側制御手段、および電力量判断手段として作動する。
【0117】
このように、電力供給装置100は、電源コンセント部101において、電源プラグ部102に付加されたRFIDタグ110から受信した識別情報と、識別情報に対応する電力量とに基づいて、電源プラグ部102を介した負荷への電力の供給または遮断を制御することができる。したがって、識別情報のみでなく、電力量を判断することにより、RFIDタグを用いた場合であっても、セキュリティを向上して、電力の供給または遮断の制御を行うことができる。また、RFIDタグ110を用いるため、簡易な構成で安価に電力の供給または遮断の制御を行うことができる。
【0118】
なお、ステップSP201において、ID番号を受信できない場合には、その後、検知回路108により、電源プラグ部102が挿入されたことを検知しても、通電を行わない。
【0119】
また、上述の実施形態では、電力量の照合を行う際に、電源コンセント部101のメモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量と、実際に供給する電力量とを照合する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部102のRFIDタグ110のメモリ112において、電源プラグ部102を介した負荷への供給可能な電力量を記憶して、識別情報と共に供給可能な電力量を電源コンセント部101へ送信することにより、電源コンセント部101において、電源プラグ部102から受信した電力量と、実際に供給する電力量とを照合してもよい。すなわち、この場合、電源コンセント部101のメモリ107には、ID番号に対応する電力量を記憶しなくてもよい。また、この場合、送信される電力量は、固定値となる。
【0120】
また、上述の実施形態では、電力量の照合を行う際に、検知回路108により、電源プラグ部102へ向けて供給する電力量を検知することにより、電源コンセント部101のメモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量と、実際に供給する電力量とを照合する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部102のRFIDタグ110のメモリ112において、電源プラグ部102を介した負荷への供給可能な電力量を記憶して、識別情報と共に供給可能な電力量を電源コンセント部101へ送信することにより、電源コンセント部101において、電源プラグ部102から受信した電力量と、電源コンセント部101のメモリ107に記憶しているID番号に対応する電力量とを照合してもよい。この場合、電源プラグ部102が挿入されても、ID番号の照合と、電力量の照合とを行うまで、通電を開始しないように制御してもよい。
【0121】
また、上述の実施形態では、ステップSP202において、ID番号の照合を行ったのちに、電源プラグ部102が挿入されたことを検知する例について説明したが、これに限ることなく、電源プラグ部102が挿入されたことを検知したのちに、RFIDタグ110が駆動することにより、電源プラグ部102の挿入後、ID番号の照合が行われてもよい。この場合、電源プラグ部102が挿入されても、ID番号の照合と、電力量の照合とを行うまで、通電を開始しないように制御してもよい。
【0122】
また、ID番号の照合や電力量の照合は、所定の時間経過する毎に、繰り返し行うこととしてもよい。
【0123】
また、上述の実施形態では、電源コンセント部101において、タグ制御部105を含む構成とし、電源プラグ部102において、RFIDタグ110を含む構成とし、図5等の実施形態で示したPLCブロック62,58を含まない構成の例について説明したが、これに限ることなく、タグ制御部105およびRFIDタグ110に加えて、PLCブロックをそれぞれ含む構成とし、RFIDタグ110による通信に加えて、電力線搬送通信を行うこととしてもよい。
【0124】
また、電源プラグ部102において、RFIDタグ110およびPLCブロックの両方を備えた構成であってもよいし、RFIDタグ110のみを備えた構成であってもよいし、PLCブロックのみを備えた構成であってもよい。そして、電源コンセント部101は、タグ制御部105およびPLCブロックの両方を備える構成とし、電源プラグ部102の構成に合わせて、タグ制御部105を作動させたり、PLCブロックを作動させる等の制御を行ってよい。
【0125】
次に、この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムについて説明する。図13は、この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの一例を示す図である。
【0126】
図13を参照して、電力供給システムは、電源コンセント部73および電源プラグ部74を含む電力供給装置75と、コンピュータ(パソコン)88とを備える。
【0127】
電源コンセント部73は、ネットワーク87に接続するためのコンセント側ネットワークIF部86と、送信手段として作動する制御部81を含む。コンピュータ88は、ネットワーク87に接続されており、ネットワーク87に接続するためのコンピュータ側ネットワークIF部71と、コンピュータ88全体を制御し、判断手段および実行手段として作動する制御部70と、コンピュータ記憶手段として作動するメモリ72とを含む。メモリ72は、ID番号に関連する所定の情報を記憶する。なお、その他の構成要素については、上記の実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0128】
図14は、この発明のさらに他の実施形態における電力供給システムの動作を説明するためのフローチャートであり、(A)は電源コンセント部73の動作を示し、(B)はコンピュータ88の動作を示す。
【0129】
図14に示すステップSP41において、電源プラグ部74が挿入されたことを検知すると、ステップSP42において、電力遮断制御部85をオンさせ、電力を電源ケーブル76aから端子板80に通電させる。これにより、電源プラグ部74に電力が供給され、電源コンセント部73のPLCブロック82と、電源プラグ部74のPLCブロック78との間での電力線搬送通信が確立される。ここで、制御部81は、常時通電モードに移行する。
【0130】
電力線搬送通信が確立すると、電源プラグ部74の制御部77はメモリ79に書込まれているID番号を読み出し、PLCブロック78によってID番号を電力線搬送通信により電源ケーブル76bに送出する。
【0131】
電源コンセント部73の制御部81は、ステップSP43において、電力線搬送通信が確立したか否かを検知していて、電力線搬送通信が確立したことを検知すると、ステップSP44において、ID番号が送出されたか否かを検知する。制御部81は、ID番号の送出を検知すると、ステップSP45において、コンセント側ネットワークIF部86を介して、コンピュータ88にID番号を送信する。
【0132】
そうすると、コンピュータ88は、SP51において、メモリ72に記憶したID番号に関連する所定の情報、例えば、盗難車の情報と照合して、送信されたID番号が、盗難車に該当するか否かを判断する。具体的には、送信されたID番号には、車の製造番号が関連付けられており、その製造番号から盗難車に該当するか否かを判断する。
【0133】
そして、判断した結果に応じて、所定の動作を実行する。具体的には、盗難車に該当する場合には、SP52において、コンピュータ側ネットワークIF部71を介して、通電を継続するよう、電源コンセント部73に指示すると共に、警察へ通報する。また、該当しない場合には、SP53において、コンピュータ側ネットワークIF部71を介して、そのまま通電を継続するよう、電源コンセント部73に指示する。すなわち、コンピュータ88は、盗難車等を管理しているセンタである。
【0134】
なお、上記ステップSP43において、電力線搬送通信が確立したことが判別されなかったとき、ステップSP44においてID番号の送出が検知できなかったときはそれぞれステップSP46に進んで、電力遮断制御部85をオフにして通電を停止する。
【0135】
こうすることにより、電力供給が許容されていることを示す識別情報が、盗難車の情報に該当するか否かに応じて、所定の動作、ここでは警察に通報することができる。その結果、盗難車の発見等を容易に行うことができる。
【0136】
なお、上述の実施形態では、コンピュータは、所定の動作として、盗難車に該当する場合には、通電を継続するよう、電源コンセント部73に指示すると共に、警察へ通報する例について説明したが、これに限ることなく、通電を終了するよう、電源コンセント部73に指示してもよい。
【0137】
また、上述の実施形態では、電力供給システムは、設定部を含まない例について説明したが、これに限ることなく、設定部を含んでもよい。この場合、設定部は、ネットワークに接続するためのネットワークIF部を含み、設定部のネットワークIF部を介して、コンピュータにID番号を送信してもよい。
【0138】
また、上述の実施形態では、電力供給システムは、電源コンセント部73および電源プラグ部74において、PLCブロック82,78を含み、電力線搬送通信を行う例について説明したが、これに限ることなく、図11に示すように、電源コンセント部においてタグ制御部を含む構成とすると共に、電源プラグ部においてRFIDタグを含む構成とし、RFIDタグを用いて、ID番号等の送受信を行うこととしてもよい。
【0139】
また、本発明は、プラグインハイブリッド車や電気自動車、携帯電話等の充電可能なバッテリを有する電子機器等に適用することができる。
【0140】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0141】
1 建物、2 設定部、3,53,73,101 電源コンセント部、4,54,74,94a,94b,92,102 電源プラグ部、5,55,75,100 電力供給装置、10a,10b,56a,56b,76a,76b,103a,103b 電源ケーブル、21,31,41,57,61,70,77,81,93,106,111 制御部、22,32,42,58,62,78,82,97 PLCブロック、23,33,43,59,63,72,79,83,95,107,112 メモリ、24 操作部、30,60,80,109 端子板、34,64,84,108 検知回路、35,65,85,104 電力遮断制御部、36,37 受け端子、44,45 差込端子、66 外部装置IF部、71,86 ネットワークIF部、87 ネットワーク、88 コンピュータ、90 テーブルタップ、91a,91b 差込口、96 電力量検知ブロック、105 タグ制御部、110 RFIDタグ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源プラグを介して負荷に電力を供給する電源コンセントであって、
前記電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、前記電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、
電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、
前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、
前記コンセント側制御手段は、
前記予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、
前記電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、前記検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、
前記電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、前記供給遮断制御部により前記電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する、電源コンセント。
【請求項2】
前記電源コンセントは、前記電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記コンセント側電力線搬送通信手段を介して前記電力線搬送通信により前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項1に記載の電源コンセント。
【請求項3】
前記電源プラグには、電力供給が許容されていることを示す識別情報を保持するRFIDタグが付加されており、
前記電源コンセントは、前記RFIDタグから前記識別情報を受信する受信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記受信手段により受信した前記識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項1に記載の電源コンセント。
【請求項4】
前記電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、予め登録されることにより、または学習により記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の電源コンセント。
【請求項5】
前記電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、前記電源プラグから通知されることにより記憶する、請求項1〜4のいずれかに記載の電源コンセント。
【請求項6】
前記コンセント側制御手段は、前記電力供給が許容されていることを示す識別情報を記憶するコンセント側記憶手段を含み、前記電源プラグから送信されてきた識別情報と前記コンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致を判別する、請求項1〜5のいずれかに記載の電源コンセント。
【請求項7】
前記コンセント側制御手段は、前記電源プラグから送信されてきた識別情報と前記コンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致の判別を、所定の時間が経過する毎に繰り返し行う、請求項6に記載の電源コンセント。
【請求項8】
電源コンセントと、電源プラグとを含む電力供給装置であって、
前記電源コンセントは、前記電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、前記電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、前記電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、
前記コンセント側制御手段は、前記予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、前記電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、前記検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、前記電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、前記供給遮断制御部により前記電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御し、
前記電源プラグは、前記電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給するものであって、電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える、電力供給装置。
【請求項9】
前記電源プラグは、前記電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、
前記プラグ側制御手段は、前記電源コンセントに挿入することによって前記電源コンセントから供給される電力を受け、前記プラグ側電力線搬送通信手段によって前記電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信し、
前記電源コンセントは、前記電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記コンセント側電力線搬送通信手段を介して前記電力線搬送通信により前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記プラグ側制御手段は、前記識別情報を保持するRFIDタグを含み、
前記電源コンセントは、前記RFIDタグから前記識別情報を受信する受信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記受信手段により受信した前記識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項11】
電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給する電源プラグであって、
前記電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、前記電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、前記電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、前記コンセント側制御手段は、前記予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、前記電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、前記検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、前記電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、前記供給遮断制御部により前記電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する電源コンセントを含む電力供給装置に用いられ、
電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える、電源プラグ。
【請求項12】
前記電源プラグは、前記電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、
前記プラグ側制御手段は、前記電源コンセントに挿入することによって前記電源コンセントから供給される電力を受け、前記プラグ側電力線搬送通信手段によって前記電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信し、
前記電源コンセントは、前記電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記コンセント側電力線搬送通信手段を介して前記電力線搬送通信により前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項11に記載の電源プラグ。
【請求項13】
前記プラグ側制御手段は、前記電源コンセントから負荷に供給される電力量を検知するプラグ側検知手段と、
前記プラグ側検知手段により検知した電力量を前記電源コンセントに通知する通知手段とを含む、請求項11または12に記載の電源プラグ。
【請求項14】
請求項8〜10のいずれかに記載の電力供給装置と、コンピュータとを含む電力供給システムであって、
前記電源コンセントは、
ネットワークに接続するためのコンセント側ネットワークインターフェース部と、
前記コンセント側ネットワークインターフェース部を介して、前記電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記コンピュータへ送信する送信手段とを備え、
前記コンピュータは、
前記ネットワークに接続するためのコンピュータ側ネットワークインターフェース部と、
前記電力供給が許容されていることを示す識別情報に関連する所定の情報を記憶するコンピュータ側記憶手段と、
前記送信手段により送信された前記電力供給が許容されていることを示す識別情報が、前記コンピュータ側記憶手段により記憶した前記所定の情報に該当するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断した結果に応じて、所定の動作を実行する実行手段とを備える、電力供給システム。
【請求項1】
電源プラグを介して負荷に電力を供給する電源コンセントであって、
前記電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、前記電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、
電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、
前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、
前記コンセント側制御手段は、
前記予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、
前記電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、前記検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、
前記電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、前記供給遮断制御部により前記電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する、電源コンセント。
【請求項2】
前記電源コンセントは、前記電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記コンセント側電力線搬送通信手段を介して前記電力線搬送通信により前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項1に記載の電源コンセント。
【請求項3】
前記電源プラグには、電力供給が許容されていることを示す識別情報を保持するRFIDタグが付加されており、
前記電源コンセントは、前記RFIDタグから前記識別情報を受信する受信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記受信手段により受信した前記識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項1に記載の電源コンセント。
【請求項4】
前記電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、予め登録されることにより、または学習により記憶する、請求項1〜3のいずれかに記載の電源コンセント。
【請求項5】
前記電力量記憶手段は、供給可能な電力量を、前記電源プラグから通知されることにより記憶する、請求項1〜4のいずれかに記載の電源コンセント。
【請求項6】
前記コンセント側制御手段は、前記電力供給が許容されていることを示す識別情報を記憶するコンセント側記憶手段を含み、前記電源プラグから送信されてきた識別情報と前記コンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致を判別する、請求項1〜5のいずれかに記載の電源コンセント。
【請求項7】
前記コンセント側制御手段は、前記電源プラグから送信されてきた識別情報と前記コンセント側記憶手段に記憶されている識別情報との一致の判別を、所定の時間が経過する毎に繰り返し行う、請求項6に記載の電源コンセント。
【請求項8】
電源コンセントと、電源プラグとを含む電力供給装置であって、
前記電源コンセントは、前記電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、前記電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、前記電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、
前記コンセント側制御手段は、前記予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、前記電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、前記検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、前記電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、前記供給遮断制御部により前記電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御し、
前記電源プラグは、前記電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給するものであって、電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える、電力供給装置。
【請求項9】
前記電源プラグは、前記電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、
前記プラグ側制御手段は、前記電源コンセントに挿入することによって前記電源コンセントから供給される電力を受け、前記プラグ側電力線搬送通信手段によって前記電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信し、
前記電源コンセントは、前記電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記コンセント側電力線搬送通信手段を介して前記電力線搬送通信により前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記プラグ側制御手段は、前記識別情報を保持するRFIDタグを含み、
前記電源コンセントは、前記RFIDタグから前記識別情報を受信する受信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記受信手段により受信した前記識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項8に記載の電力供給装置。
【請求項11】
電源コンセントに挿入することで負荷に電力を供給する電源プラグであって、
前記電源プラグを介して負荷に電力を供給するものであって、前記電源プラグが挿入されたことを検知すると共に、前記電源プラグを介して負荷に供給する電力量を検知する検知手段と、電力の供給または遮断を制御する供給遮断制御部と、前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御するコンセント側制御手段とを備え、前記コンセント側制御手段は、前記予め定める識別情報に対応する供給可能な電力量を記憶する電力量記憶手段と、前記電力量記憶手段により記憶した供給可能な電力量と、前記検知手段により検知する実際に供給する電力量とが、一致するか否かを判断する電力量判断手段とを含み、前記電力量判断手段により一致しないと判断した場合には、前記供給遮断制御部により前記電源プラグを介した負荷への電力の供給を遮断するよう制御する電源コンセントを含む電力供給装置に用いられ、
電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信するプラグ側制御手段を備える、電源プラグ。
【請求項12】
前記電源プラグは、前記電源コンセントとの間で電力線搬送通信を行うためのプラグ側電力線搬送通信手段を含み、
前記プラグ側制御手段は、前記電源コンセントに挿入することによって前記電源コンセントから供給される電力を受け、前記プラグ側電力線搬送通信手段によって前記電力線搬送通信で電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記電源コンセントに送信し、
前記電源コンセントは、前記電源プラグとの間で電力線搬送通信を行うためのコンセント側電力線搬送通信手段を含み、
前記コンセント側制御手段は、前記コンセント側電力線搬送通信手段を介して前記電力線搬送通信により前記電源プラグから電力供給が許容されていることを示す識別情報が送信されてきたことに応じて、前記送信されてきた識別情報と予め定める識別情報とに基づいて、前記電源プラグを介した負荷への電力の供給または遮断を制御する、請求項11に記載の電源プラグ。
【請求項13】
前記プラグ側制御手段は、前記電源コンセントから負荷に供給される電力量を検知するプラグ側検知手段と、
前記プラグ側検知手段により検知した電力量を前記電源コンセントに通知する通知手段とを含む、請求項11または12に記載の電源プラグ。
【請求項14】
請求項8〜10のいずれかに記載の電力供給装置と、コンピュータとを含む電力供給システムであって、
前記電源コンセントは、
ネットワークに接続するためのコンセント側ネットワークインターフェース部と、
前記コンセント側ネットワークインターフェース部を介して、前記電力供給が許容されていることを示す識別情報を前記コンピュータへ送信する送信手段とを備え、
前記コンピュータは、
前記ネットワークに接続するためのコンピュータ側ネットワークインターフェース部と、
前記電力供給が許容されていることを示す識別情報に関連する所定の情報を記憶するコンピュータ側記憶手段と、
前記送信手段により送信された前記電力供給が許容されていることを示す識別情報が、前記コンピュータ側記憶手段により記憶した前記所定の情報に該当するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により判断した結果に応じて、所定の動作を実行する実行手段とを備える、電力供給システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−82135(P2011−82135A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111159(P2010−111159)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(506339394)株式会社アイエスディ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(506339394)株式会社アイエスディ (3)
【Fターム(参考)】
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