説明

電源制御システム、および電源制御方法

【課題】情報処理装置に不具合が生じることなく、しかも、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができる電源制御システム、および電源制御方法を提供する。
【解決手段】必要電力算出装置3は、周波数制御部23により生成された周波数情報が示す動作周波数でCPU21が動作するためにブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力を算出し、電源制御装置5は、算出された必要電力を電源装置4がブレードサーバ2a〜2dに対して供給しようとする場合に、電源装置4の電力変換効率が最も高くなるように、電源装置4を制御し、電源装置4は、算出された必要電力をブレードサーバ2a〜2dに対して供給することにより、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力を上昇させ、周波数制御部23は、周波数情報が示す動作周波数をCPU21に対して割り当てることにより、CPU21の動作周波数を上昇させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1または複数の情報処理装置と、情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、必要電力算出装置により算出された電力を、情報処理装置に対して供給する電源装置と、電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システム、および電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータやサーバ等の情報処理装置に対して電力を供給するために、従来から各種の電源装置が知られている(例えば、特許文献1または2参照)。このような電源装置に対しては、情報処理装置の機能・性能の向上に伴い、大出力、多出力、負荷変動に対する出力の安定性、小型化の要求と共に、高い電力変換効率(efficiency of power conversion)を有していることが求められている。ここで、電力変換効率は、入力電力と出力電力との比率で表される。
【0003】
すなわち、電力変換効率が低ければ、電源装置の発熱量(出力に至らない電力によって生じる熱量)が多くなる。このため、電源装置に冷却ファン等の冷却構造を備える必要がある。そのため、冷却構造に対しても電力を供給する必要があるため、無駄に失われる電力は益々多くなる。一方、電力変換効率が高ければ、電源装置の発熱量は少なくなる。このため、電源装置に冷却構造を備える必要がない。そのため、無駄に失われる電力は少ない。このように、電源装置は、高い電力変換効率を有していることが好ましい。
【0004】
ここで、電源装置の電力変換効率は、一般に、情報処理装置の消費電流に応じて変動することが知られている。図11は、電源装置の電力変換効率と情報処理装置の消費電流との関係を説明するための図である。図11に示す例では、情報処理装置の消費電流が10Aの場合に、電力変換効率が最も高くなる(電力変換効率90%)。そして、情報処理装置の消費電流が10Aより高くなればなる程、および情報処理装置の消費電流が10Aより低くなればなる程、電力変換効率は低くなっていく。具体的には、情報処理装置の消費電流が20Aの場合に、電力変換効率は75%となる。また、情報処理装置の消費電流が2Aの場合に、電力変換効率は60%となる。すなわち、情報処理装置の消費電流が高い場合(図11に示す例では20A)や低い場合(図11に示す例では2A)に、電力変換効率が低くなるため、このような場合に、電力変換効率を高くする方法が従来から求められていた。
【0005】
そこで、DC/DCコンバータおよびシリーズレギュレータの2つの電源装置と、情報処理装置の消費電流を検出する検出部と、検出された消費電流に応じて2つの電源装置のうち使用すべき電源装置へ切り替える切替部とを備えた電源制御システムが従来から提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、DC/DCコンバータは、情報処理装置の消費電流が高い場合に、電力変換効率が高くなる電源装置である。一方、シリーズレギュレータは、情報処理装置の消費電流が低い場合に、電力変換効率が高くなる電源装置である。すなわち、切替部は、情報処理装置の消費電流が高い場合には、使用すべき電源装置として、DC/DCコンバータを選択する。一方、切替部は、情報処理装置の消費電流が低い場合には、使用すべき電源装置として、シリーズレギュレータを選択する。これにより、情報処理装置の消費電流が高い場合や低い場合であっても、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができる。
【特許文献1】特開平5−91660号公報
【特許文献2】特開平7−264776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の電源制御システムでは、情報処理装置の消費電流に応じて2つの電源装置のうち使用すべき電源装置へ切り替えているので、例えば、情報処理装置の消費電流が急激に上昇した場合には、次のような問題があった。すなわち、切替部による電源装置の切り替えが間に合わない場合があるという問題である。
【0007】
具体的に言えば、情報処理装置の消費電流が急激に上昇した場合、電源装置として、消費電流が高い場合に用いられるDC/DCコンバータを使用すべきところ、切替部による電源装置の切り替えが間に合わないため、電源装置として、消費電流が低い場合に用いられるシリーズレギュレータを使用しなければならない区間(時間)が生じることになる。すなわち、当該区間においては、情報処理装置の消費電流が高いにも関わらず、電源装置として、シリーズレギュレータを使用しなければならなかった。つまり、シリーズレギュレータでは、情報処理装置に対して十分な電力を供給することができないため、情報処理装置に不具合(例えば、システムダウン、誤動作等)が生じてしまうことがあった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報処理装置に不具合が生じることなく、しかも、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができる電源制御システム、および電源制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明における電源制御システムは、1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムであって、前記情報処理装置は、複数段階設けられた動作周波数それぞれに基づいて動作可能なCPUと、前記CPUの負荷を計測する負荷計測部と、前記CPUの負荷が高ければ高く、かつ前記CPUの負荷が低ければ低くなるように、複数段階設けられた動作周波数のうち前記CPUに対して割り当てるべき動作周波数を決定する周波数制御部と、前記CPUの負荷が閾値以上であるか否かを判定し、前記CPUの負荷が閾値以上であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて前記周波数制御部で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信する負荷判定部とを備え、前記必要電力算出装置は、前記周波数情報が示す動作周波数が高ければ高く、かつ前記周波数情報が示す動作周波数が低ければ低くなるように、前記周波数情報が示す動作周波数で前記CPUが動作するために前記情報処理装置において必要となる必要電力を算出し、前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、前記周波数制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記周波数情報が示す動作周波数を前記CPUに対して割り当てることにより、前記CPUの動作周波数を上昇させる。
【0010】
上記の構成によれば、情報処理装置の負荷判定部は、CPUの負荷が閾値以上であるか否かを判定する。負荷判定部は、CPUの負荷が閾値以上であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて周波数制御部で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成する。そして、負荷判定部は、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信する。必要電力算出装置は、周波数情報が示す動作周波数が高ければ高く、かつ周波数情報が示す動作周波数が低ければ低くなるように、周波数情報が示す動作周波数でCPUが動作するために情報処理装置において必要となる必要電力を算出する。電源制御装置は、算出された必要電力を、電源装置が情報処理装置に対して供給しようとする場合に、電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、電源装置を制御する。そして、電源装置は、算出された必要電力を情報処理装置に対して供給することにより、情報処理装置において使用すべき電力を上昇させる。そのため、情報処理装置の消費電流が高い場合や低い場合であっても、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができる。
【0011】
また、周波数制御部は、情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、周波数情報が示す動作周波数をCPUに対して割り当てることにより、CPUの動作周波数を上昇させる。すなわち、情報処理装置において使用すべき電力が上昇した後に、CPUの動作周波数を上昇させるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。一方、仮に、これとは逆に、CPUの動作周波数を上昇させた後に、情報処理装置において使用すべき電力が上昇されれば、CPUの動作周波数を上昇させてから情報処理装置において使用すべき電力が上昇されるまでの区間において、情報処理装置において使用すべき電力が不足することになる。このように、本発明に係る上記の構成によれば、情報処理装置において使用すべき電力を上昇させた後に、CPUの動作周波数を上昇させるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。そのため、情報処理装置に不具合が生じることがない。
【0012】
上記目的を達成するために本発明における電源制御システムは、1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムであって、前記情報処理装置は、外部装置と通信可能な通信部と、前記通信部と前記外部装置との通信を制御する通信制御部と、前記通信部と前記外部装置との通信が行われていない場合に、前記通信部と前記外部装置との通信の開始を要求する開始要求信号を、前記通信制御部から検出すれば、検出した開始要求信号に基づいて、前記通信部と前記外部装置とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成し、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信する通信状態検出部とを備え、前記必要電力算出装置は、前記通信部と前記外部装置との通信が行われる場合には高く、かつ前記通信部と前記外部装置との通信が行われない場合には低くなるように、前記情報処理装置において必要となる必要電力を、前記通信状態検出部により送信された通信状態情報に基づいて算出し、前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、前記通信制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記通信部と前記外部装置との通信が開始されるように、前記通信部を制御する。
【0013】
上記の構成によれば、情報処理装置の通信状態検出部は、通信部と外部装置との通信が行われていない場合に、通信部と外部装置との通信の開始を要求する開始要求信号を、通信制御部から検出すれば、検出した開始要求信号に基づいて、通信部と外部装置とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成する。そして、通信状態検出部は、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信する。必要電力算出装置は、通信部と外部装置との通信が行われる場合には高く、かつ通信部と外部装置との通信が行われない場合には低くなるように、情報処理装置において必要となる必要電力を、送信された通信状態情報に基づいて算出する。電源制御装置は、算出された必要電力を、電源装置が情報処理装置に対して供給しようとする場合に、電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、電源装置を制御する。そして、電源装置は、算出された必要電力を情報処理装置に対して供給することにより、情報処理装置において使用すべき電力を上昇させる。そのため、情報処理装置の消費電流が高い場合や低い場合であっても、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができる。
【0014】
また、通信制御部は、情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、通信部と外部装置との通信が開始されるように、通信部を制御する。すなわち、情報処理装置において使用すべき電力が上昇した後に、通信部と外部装置との通信が開始されるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。一方、仮に、これとは逆に、通信部と外部装置との通信が開始された後に、情報処理装置において使用すべき電力が上昇されれば、通信部と外部装置との通信が開始されてから情報処理装置において使用すべき電力が上昇されるまでの区間において、情報処理装置において使用すべき電力が不足することになる。このように、本発明に係る上記の構成によれば、情報処理装置において使用すべき電力が上昇した後に、通信部と外部装置との通信が開始されるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。そのため、情報処理装置に不具合が生じることがない。
【0015】
上記目的を達成するために本発明における電源制御方法は、1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムが処理を実行する電源制御方法であって、前記情報処理装置には、複数段階設けられた動作周波数それぞれに基づいて動作可能なCPUが備えられており、前記情報処理装置が備える負荷計測部が、前記CPUの負荷を計測する負荷計測工程と、前記情報処理装置が備える周波数制御部が、前記CPUの負荷が高ければ高く、かつ前記CPUの負荷が低ければ低くなるように、複数段階設けられた動作周波数のうち前記CPUに対して割り当てるべき動作周波数を決定する周波数制御工程と、前記情報処理装置が備える負荷判定部が、前記CPUの負荷が閾値以上であるか否かを判定し、前記CPUの負荷が閾値以上であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて前記周波数制御工程で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信する負荷判定工程とを含み、前記必要電力算出装置は、前記周波数情報が示す動作周波数が高ければ高く、かつ前記周波数情報が示す動作周波数が低ければ低くなるように、前記周波数情報が示す動作周波数で前記CPUが動作するために前記情報処理装置において必要となる必要電力を算出し、前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、前記周波数制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記周波数情報が示す動作周波数を前記CPUに対して割り当てることにより、前記CPUの動作周波数を上昇させる。
【0016】
上記目的を達成するために本発明における電源制御方法は、1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムが処理を実行する電源制御方法であって、前記情報処理装置には、外部装置と通信可能な通信部が備えられており、前記情報処理装置が備える通信制御部が、前記通信部と前記外部装置との通信を制御する通信制御工程と、前記情報処理装置が備える通信状態検出部が、前記通信部と前記外部装置との通信が行われていない場合に、前記通信部と前記外部装置との通信の開始を要求する開始要求信号を、前記通信制御部から検出すれば、検出した開始要求信号に基づいて、前記通信部と前記外部装置とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成し、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信する通信状態検出工程とを含み、前記必要電力算出装置は、前記通信部と前記外部装置との通信が行われる場合には高く、かつ前記通信部と前記外部装置との通信が行われない場合には低くなるように、前記情報処理装置において必要となる必要電力を、前記通信状態検出工程により送信された通信状態情報に基づいて算出し、前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、前記通信制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記通信部と前記外部装置との通信が開始されるように、前記通信部を制御する。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の電源制御システム、および電源制御方法は、情報処理装置に不具合が生じることなく、しかも、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態において、前記負荷判定部は、前記CPUの負荷が閾値未満であるか否かを判定し、前記CPUの負荷が閾値未満であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて前記周波数制御部で決定されるべき動作周波数を、前記CPUに対して割り当てるように、前記周波数制御部へ指示し、当該指示に従って前記周波数制御部が前記CPUに対して前記動作周波数を割り当てることにより、前記CPUの動作周波数を下降させた場合に、前記周波数制御部が前記CPUに対して割り当てた動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信し、前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を下降させる態様とするのが好ましい。
【0019】
この態様によれば、CPUの動作周波数を下降させた後に、情報処理装置において使用すべき電力を下降させるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。一方、仮に、これとは逆に、情報処理装置において使用すべき電力を下降させた後に、CPUの動作周波数を下降させれば、情報処理装置において使用すべき電力を下降させてからCPUの動作周波数を下降させるまでの区間において、情報処理装置において使用すべき電力が不足することになる。このように、上記の態様によれば、CPUの動作周波数を下降させた後に、情報処理装置において使用すべき電力を下降させるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。そのため、情報処理装置に不具合が生じることがない。
【0020】
本発明の実施形態において、前記通信状態検出部は、前記通信部と前記外部装置との通信が行われている場合に、前記通信部と前記外部装置との通信の停止を要求する停止要求信号を、前記通信制御部から検出すれば、前記通信部と前記外部装置との通信が停止されるように、前記通信制御部へ指示し、当該指示に従って前記通信部と前記外部装置との通信が停止された場合に、前記通信部と前記外部装置との通信が停止されたことを示す通信状態情報を生成し、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信し、前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を下降させる態様とするのが好ましい。
【0021】
この態様によれば、通信部と外部装置との通信が停止された後に、情報処理装置において使用すべき電力を下降させるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。一方、仮に、これとは逆に、情報処理装置において使用すべき電力を下降させた後に、通信部と外部装置との通信が停止されれば、情報処理装置において使用すべき電力を下降させてから通信部と外部装置との通信が停止されるまでの区間において、情報処理装置において使用すべき電力が不足することになる。このように、上記の態様によれば、通信部と外部装置との通信が停止された後に、情報処理装置において使用すべき電力を下降させるので、情報処理装置において使用すべき電力が不足することがない。そのため、情報処理装置に不具合が生じることがない。
【0022】
以下、本発明のより具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、本実施形態に係る電源制御システム1の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係る電源制御システム1は、ブレードサーバ2a〜2d、必要電力算出装置3、電源装置4、および電源制御装置5を備えている。ここで、ブレードサーバ2a〜2dは、それぞれ独立したコンピュータ(情報処理装置)である。ブレードサーバ2a〜2dは、例えば、図示しない筐体に差し込まれており、当該筐体に対して抜き差し可能なように構成されている。なお、図1では、ブレードサーバ2a〜2dを4台図示したが、ブレードサーバの数についてはこれに限らず任意である。必要電力算出装置3は、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれから送信された周波数情報および通信状態情報を収集し、収集したこれらの情報に基づいて、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力を算出する装置である。なお、周波数情報および通信状態情報については後述する。電源装置4は、必要電力算出装置3により算出された必要電力を、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給する装置である。電源制御装置5は、電源装置4を制御する装置である。
【0024】
ブレードサーバ2aは、CPU21、負荷計測部22、周波数制御部23、負荷判定部24、通信部25、通信制御部26、および通信状態検出部27を備えている。なお、ブレードサーバ2b〜2dの構成も、ブレードサーバ2aの構成と同様である。
【0025】
ここで、上記の負荷計測部22、周波数制御部23、負荷判定部24、通信部25、通信制御部26、および通信状態検出部27の各機能は、ブレードサーバ(コンピュータ)2aが備えるCPU21が所定のプログラムを実行することによって実現される。したがって、上記の各機能をブレードサーバ2aで実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も本発明の一実施態様である。
【0026】
CPU(Central Processing Unit)21は、ブレードサーバ2aを統括制御する中央処理装置である。ここで、CPU21は、複数段階設けられた動作周波数それぞれに基づいて動作可能である。
【0027】
負荷計測部22は、CPU21を監視することにより、CPU21の負荷を計測する。具体的には、負荷計測部22は、CPU21の負荷として、CPU21の稼働率を計測する。負荷計測部22は、計測したCPU21の稼働率を、周波数制御部23および負荷判定部24へ出力する。
【0028】
周波数制御部23は、複数段階設けられた動作周波数のうちCPU21に対して割り当てるべき動作周波数を、負荷計測部22から出力されたCPU21の稼働率に基づいて決定する。ここで、本実施形態においては、動作周波数は、3GHz、2.5GHz、2GHzの3段階有しているものとする。また、CPU21の稼動率が80%以上である場合に、本実施形態に係る周波数制御部23は、CPU21に対して割り当てるべき動作周波数を「3GHz」と決定する。また、CPU21の稼働率が20%以上80%未満である場合に、本実施形態に係る周波数制御部23は、CPU21に対して割り当てるべき動作周波数を「2.5GHz」と決定する。さらに、CPU21の稼働率が20%未満である場合に、本実施形態に係る周波数制御部23は、CPU21に対して割り当てるべき動作周波数を「2GHz」と決定する。
【0029】
このように、周波数制御部23は、CPU21の稼働率が高ければ高く、かつCPU21の稼働率が低ければ低くなるように、CPU21に対して割り当てるべき動作周波数を決定する。
【0030】
負荷判定部24は、負荷計測部22から出力されたCPU21の稼働率が、第1閾値以上であるか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、第1閾値は、80%であるものとする。また、第1閾値は、負荷判定部24の図示しないメモリに予め記録されている。負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第1閾値以上であると判定した場合に、当該CPU21の稼働率に基づいて周波数制御部23で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成する。すなわち、本実施形態に係る負荷判定部24は、CPU21の稼動率が80%以上であると判定した場合に、当該CPU21の稼働率に基づいて周波数制御部23で決定されるべき動作周波数3GHzを示す周波数情報を生成する。
【0031】
負荷判定部24は、生成した周波数情報を、必要電力算出装置3へ送信する。負荷判定部24は、周波数情報を必要電力算出装置3へ送信した後に、必要電力算出装置3から通知された電力供給完了情報を受信すれば、受信した電力供給完了情報を周波数制御部23へ出力する。ここで、電力供給完了情報は、電源装置4がブレードサーバ2a〜2dに対して必要電力の供給を完了したことを示す情報である。周波数制御部23は、負荷判定部24から出力された電力供給完了情報を受け付けた場合に、負荷判定部24により生成された周波数情報が示す動作周波数を、CPU21に対して割り当てる。これにより、CPU21の動作周波数は上昇される。
【0032】
また、負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第1閾値以上でないと判定した場合、CPU21の稼動率が第2閾値未満であるか否かをさらに判定する。ここで、本実施形態においては、第2閾値は、20%であるものとする。また、第2閾値も、負荷判定部24の図示しないメモリに予め記録されている。負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第2閾値未満であると判定した場合に、当該CPU21の稼働率に基づいて周波数制御部23で決定されるべき動作周波数を、CPU21に対して割り当てるように、周波数制御部23へ指示する。周波数制御部23は、負荷判定部24からの指示に従って、動作周波数をCPU21に対して割り当てる。これにより、CPU21の動作周波数は下降される。そして、負荷判定部24は、周波数制御部23がCPU21に対して割り当てた動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置3へ送信する。
【0033】
通信部25は、ネットワークNを介して、外部装置6と接続されている。なお、本実施形態においては、ブレードサーバ2b〜2dも、ブレードサーバ2aと同様に、ネットワークNを介して、外部装置と接続されているが、説明の便宜上、当該外部装置の図示は省略している。ここで、本実施形態においては、ネットワークNは、LAN(Local Area Network)であるが、これに限らず、インターネット、無線LAN等であってもよい。また、外部装置6は、例えば、ハブ(Hub)、パーソナルコンピュータ、サーバ等である。すなわち、通信部25は、ネットワークNを介して、外部装置6と通信を行うことが可能である。
【0034】
通信制御部26は、通信部25と外部装置6との通信を制御する。具体的には、通信部25と外部装置6との通信が行われていない場合に、ブレードサーバ2aが外部装置6との通信の開始を所望する場合、通信制御部26は、通信部25と外部装置6との通信の開始を要求する開始要求信号を生成する。通信制御部26は、生成した開始要求信号を通信状態検出部27へ出力する。また、通信部25と外部装置6との通信が行われていない場合に、外部装置6がブレードサーバ2aとの通信の開始を所望する場合、外部装置6は、開始要求信号を生成し、生成した開始要求信号を、ネットワークNを介して通信部25へ送信する。通信部25は、外部装置6から送信された開始要求信号を受信し、受信した開始要求信号を通信制御部26へ出力する。通信制御部26は、通信部25から出力された開始要求信号を、通信状態検出部27へ出力する。
【0035】
このように、通信制御部26は、通信部25と外部装置6とが通信を開始しようとしている場合に、開始要求信号を通信状態検出部27へ出力する。すなわち、通信状態検出部27は、通信制御部26から開始要求信号を検出することができる。
【0036】
通信状態検出部27は、開始要求信号を通信制御部26から検出した場合に、検出した開始要求信号に基づいて、通信部25と外部装置6とが通信を開始しようとしていることを検出する。この場合、通信状態検出部27は、通信部25と外部装置6とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成する。
【0037】
通信状態検出部27は、生成した通信状態情報を、必要電力算出装置3へ送信する。通信状態検出部27は、通信状態情報を必要電力算出装置3へ送信した後に、必要電力算出装置3から通知された電力供給完了情報を受信すれば、受信した電力供給完了情報を通信制御部26へ出力する。通信制御部26は、通信状態検出部27から出力された電力供給完了情報を受け付けた場合に、通信部25と外部装置6との通信が開始されるように、通信部25を制御する。これにより、通信部25は、外部装置6との通信を開始する。
【0038】
また、通信部25と外部装置6との通信が行われている場合に、ブレードサーバ2aが外部装置6との通信の停止を所望する場合、通信制御部26は、通信部25と外部装置6との通信の停止を要求する停止要求信号を生成する。通信制御部26は、生成した停止要求信号を通信状態検出部27へ出力する。また、通信部25と外部装置6との通信が行われている場合に、外部装置6がブレードサーバ2aとの通信の停止を所望する場合、外部装置6は、停止要求信号を生成し、生成した停止要求信号を、ネットワークNを介して通信部25へ送信する。通信部25は、外部装置6から送信された停止要求信号を受信し、受信した停止要求信号を、通信制御部26へ出力する。通信制御部26は、通信部25から出力された停止要求信号を通信状態検出部27へ出力する。すなわち、通信状態検出部27は、通信制御部26から停止要求信号を検出することができる。
【0039】
通信状態検出部27は、停止要求信号を通信制御部26から検出した場合に、検出した停止要求信号に基づいて、通信部25と外部装置6との通信が停止されるように、通信制御部26へ指示する。通信制御部26は、当該指示に従って、通信部25と外部装置6との通信が停止されるように、通信部25を制御する。これにより、通信部25は、外部装置6との通信を停止する。この場合、通信状態検出部27は、通信部25と外部装置6との通信が停止されたことを示す通信状態情報を生成する。通信状態検出部27は、生成した通信状態情報を、必要電力算出装置3へ送信する。
【0040】
図2は、本実施形態に係る必要電力算出装置3の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係る必要電力算出装置3は、情報収集部31、情報記録部32、対応関係記録部33、必要電力算出部34、および通知部35を備えている。
【0041】
ここで、上記の情報収集部31、必要電力算出部34、および通知部35の各機能は、必要電力算出装置(コンピュータ)3が備えるCPU等の演算装置が所定のプログラムを実行することによって実現される。したがって、上記の各機能を必要電力算出装置3で実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も本発明の一実施態様である。また、情報記録部32および対応関係記録部33は、必要電力算出装置3の内蔵記憶装置またはこの必要電力算出装置3からアクセス可能な記憶装置によって具現化される。
【0042】
情報収集部31は、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれから送信された周波数情報および通信状態情報を収集し、収集したこれらの情報を、情報記録部32へ記録する。図3は、本実施形態に係る情報記録部32に記録された周波数情報および通信状態情報の一例を示す図である。すなわち、本実施形態に係る情報記録部32は、周波数情報および通信状態情報をテーブル32aとして記録する。図3に示すように、テーブル32aには、ブレードサーバと、周波数情報と、通信状態情報とが記録されている。なお、テーブル32aには、説明の便宜上、例えば、「ブレードサーバ2a」のように、ブレードサーバを特定する図面番号が記録されている例について示しているが、実際には、テーブル32aには、ブレードサーバを一意に識別するためのサーバIDが記録されている。また、テーブル32aの通信状態情報に記録された「通信開始」は、通信部25と外部装置6とが通信を開始しようとしていることを示している。また、テーブル32aの通信状態情報に記録された「通信停止」は、通信部25と外部装置6との通信が停止されたことを示している。
【0043】
対応関係記録部33は、周波数情報と必要電力との対応関係、および通信状態情報と必要電力との対応関係を記録する。図4は、本実施形態に係る対応関係記録部33に記録された対応関係の一例を示す図である。すなわち、本実施形態に係る対応関係記録部33は、対応関係をテーブル33a,33bとして記録する。図4に示すように、テーブル33aには、周波数情報と必要電力との対応関係が記録されている。また、テーブル33bには、通信状態情報と必要電力との対応関係が記録されている。なお、対応関係記録部33に記録された対応関係は、予め固定的に記録されていてもよいし、必要電力算出装置3の管理者が更新可能なように記録されていてもよい。
【0044】
すなわち、テーブル33aの1レコード目R1は、ブレードサーバ2a〜2dのCPU21が動作周波数3GHzに基づいて動作する場合には、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力は80Wであることを示している。また、テーブル33aの2レコード目R2は、ブレードサーバ2a〜2dのCPU21が動作周波数2.5GHzに基づいて動作する場合には、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力は50Wであることを示している。さらに、テーブル33aの3レコード目R3は、ブレードサーバ2a〜2dのCPU21が動作周波数2GHzに基づいて動作する場合には、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力は10Wであることを示している。
【0045】
また、テーブル33bの1レコード目R1は、通信部25と外部装置6との通信が行われている場合には、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力は10Wであることを示している。さらに、テーブル33aの2レコード目R2は、通信部25と外部装置6との通信が行われていない場合には、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力は1Wであることを示している。
【0046】
必要電力算出部34は、情報記録部32および対応関係記録部33を参照することにより、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力を算出する。ここで、以下では、必要電力算出部34が必要電力を算出する処理について、図3のテーブル32a、および図4のテーブル33a,33bを例として、具体的に説明する。
【0047】
すなわち、テーブル32aの1レコード目R1より、ブレードサーバ2aの周波数情報は「3GHz」、ブレードサーバ2aの通信状態情報は「通信開始」である。このため、必要電力算出部34は、周波数情報「3GHz」に対応する必要電力「80W」を、テーブル33aから抽出する。また、必要電力算出部34は、通信状態情報「通信開始」に対応する必要電力「10W」を、テーブル33bから抽出する。必要電力算出部34は、抽出した必要電力「80W」と抽出した必要電力「10W」との和を算出することにより、ブレードサーバ2aにおいて必要となる必要電力「90W」を算出する。そして、これと同様に、必要電力算出部34は、ブレードサーバ2bにおいて必要となる必要電力を「51W」と算出する。また、必要電力算出部34は、ブレードサーバ2cにおいて必要となる必要電力を「20W」と算出する。さらに、必要電力算出部34は、ブレードサーバ2dにおいて必要となる必要電力を「81W」と算出する。
【0048】
必要電力算出部34は、各ブレードサーバそれぞれの必要電力の和(すなわち、「90W」+「51W」+「20W」+「81W」)を算出することにより、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力を「242W」と算出する。必要電力算出部34は、算出した必要電力を電源制御装置5へ送信する。
【0049】
通知部35は、必要電力算出部34が必要電力を電源制御装置5へ送信した後、電源制御装置5から送信された電力供給完了情報を受信した場合に、受信した電力供給完了情報を、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれへ通知する。
【0050】
図5は、本実施形態に係る電源装置4および電源制御装置5の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係る電源装置4は、電源部41、および電力供給部42a〜42dを備えている。なお、図5では、電源供給部42a〜42dを4つ図示したが、電源供給部の数についてはこれに限らず任意である。
【0051】
電源部41は、電力の生成源である。電源部41は、生成した電力を、電力供給部42a〜42dのスイッチ部44a〜44dそれぞれへ出力する。
【0052】
電力供給部42a〜42dは、電源部41から出力された電力を、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給するか否かを制御する。このため、電力供給部42a〜42dは、スイッチ制御部43a〜43d、スイッチ部44a〜44d、および平滑部45a〜45dを備えている。
【0053】
スイッチ制御部43a〜43dは、電源制御装置5から送信されたそれぞれのPWM(Pulse Width Modulation)信号に基づいて、スイッチ部44a〜44dをオン/オフ制御する。具体的には、スイッチ制御部43a〜43dは、PWM信号が“H”を示している期間において、スイッチ部44a〜44dがオンされるように、スイッチ部44a〜44dを制御する。また、スイッチ制御部43a〜43dは、PWM信号が“L”を示している期間において、スイッチ部44a〜44dがオフされるように、スイッチ部44a〜44dを制御する。
【0054】
スイッチ部44a〜44dは、例えば、FET(Field Effect Transistor)から構成される。ここで、スイッチ部44a〜44dがオンした場合、スイッチ部44a〜44dは、電源部41から出力された電力を、平滑部45a〜45dへ出力する。また、スイッチ部44a〜44dがオフした場合、スイッチ部44a〜44dは、電源部41から出力された電力を、平滑部45a〜45dへ出力しない。
【0055】
平滑部45a〜45dは、スイッチ部44a〜44dそれぞれから出力された電力を平滑化するためのフィルタである。
【0056】
また、本実施形態に係る電源制御装置5は、動作制御記録部51を備えている。動作制御記録部51は、動作させるべき電力供給部を示す動作制御情報を記録する。図6は、本実施形態に係る動作制御記録部51に記録された動作制御情報の一例を示す図である。すなわち、本実施形態に係る動作制御記録部51は、動作制御情報をテーブル51aとして記録する。図6に示すように、テーブル51aには、動作制御情報として、必要電力Pと電力供給部とが記録されている。
【0057】
すなわち、テーブル51aの1レコード目R1は、必要電力Pが0W以上100W未満である場合には、動作させるべき電力供給部として「電力供給部42a」のみであることを示している。つまり、テーブル51aの1レコード目R1は、電源装置4が0W以上100W未満の必要電力Pをブレードサーバ2a〜2dに対して供給する場合には、電力供給部42a〜42dのうち電力供給部42aのみを動作させれば、電源装置4が有する電力変換効率が最も高くなることを示している。また、テーブル51aの2レコード目R2は、必要電力Pが100W以上200W未満である場合には、動作させるべき電力供給部として「電力供給部42a,42b」であることを示している。つまり、テーブル51aの2レコード目R2は、電源装置4が100W以上200W未満の必要電力Pをブレードサーバ2a〜2dに対して供給する場合には、電力供給部42a〜42dのうち電力供給部42a,42bを動作させれば、電源装置4が有する電力変換効率が最も高くなることを示している。
【0058】
また、テーブル51aの3レコード目R3は、必要電力Pが200W以上300W未満である場合には、動作させるべき電力供給部として「電力供給部42a〜42c」であることを示している。つまり、テーブル51aの3レコード目R3は、電源装置4が200W以上300W未満の必要電力Pをブレードサーバ2a〜2dに対して供給する場合には、電力供給部42a〜42dのうち電力供給部42a〜42cを動作させれば、電源装置4が有する電力変換効率が最も高くなることを示している。さらに、テーブル51aの4レコード目R4は、必要電力Pが300W以上である場合には、動作させるべき電力供給部として「電力供給部42a〜42d」であることを示している。つまり、テーブル51aの4レコード目R4は、電源装置4が300W以上の必要電力Pをブレードサーバ2a〜2dに対して供給する場合には、全ての電力供給部42a〜42cを動作させれば、電源装置4が有する電力変換効率が最も高くなることを示している。
【0059】
このように、動作制御記録部51には、ブレードサーバ2a〜2dの必要電力に関わらず、電源装置4の電力変換効率が常に高く維持されるように、動作させるべき電源供給部が記録されている。すなわち、電源制御装置5に動作制御記録部51を備えているので、ブレードサーバ2a〜2dの消費電流が高い場合や低い場合であっても、電源装置4の電力変換効率を常に高く維持することができる。なお、動作制御記録部51に記録された動作制御情報は、電力供給部42a〜42dのうちいくつの電力供給部を動作させれば、電源装置4が有する電力変換効率が最も高くなるのかを予め実測しておくことによって求められる。
【0060】
電源制御装置5は、必要電力算出装置3から送信された必要電力を受信した場合に、受信した必要電力に対応する電力供給部を、動作制御記録部51から抽出する。電源制御装置5は、受信した必要電力をブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給するように、抽出した電力供給部に対してPWM信号を送信する。なお、電源制御装置5は、抽出した電力供給部以外の電力供給部に対しては“L”信号を送信する。
【0061】
ここで、例えば、必要電力算出装置3から送信された必要電力が「242W」であった場合を考える。この場合、電源制御装置5は、必要電力算出装置3から送信された必要電力「242W」に対応する「電力供給部42a〜42c」を、図6のテーブル51aから抽出する。電源制御装置5は、電力供給部42a〜42cに対してPWM信号を送信し、電力供給部42dに対して“L”信号を送信する。このため、電源装置4は、電力供給部42a〜42cを動作させることにより、必要電力算出装置3から送信された必要電力を、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給することができる。
【0062】
電源制御装置5は、送信したPWM信号に従って電源装置4が必要電力をブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給した場合に、電力供給完了情報を必要電力算出装置3へ送信する。
【0063】
次に、上記の構成に係る電源制御システム1の動作について、図7〜図10を参照しながら説明する。
【0064】
図7は、負荷計測部22がCPU21の稼動率を計測した場合の、ブレードサーバ2aの動作例を示すフローチャートである。なお、ブレードサーバ2b〜2dの動作も、ブレードサーバ2aの動作と同様である。図7に示すように、負荷計測部22は、CPU21を監視することにより、CPU21の稼働率を計測する(Op1)。そして、負荷判定部24は、Op1にて計測されたCPU21の稼働率が、第1閾値以上であるか否かを判定する(Op2)。ここで、本実施形態においては、第1閾値は、80%であるものとする。
【0065】
負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第1閾値以上であると判定すれば(Op2にてYES)、当該CPU21の稼働率に基づいて周波数制御部23で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成する(Op3)。そして、負荷判定部24は、Op3にて生成された周波数情報を、必要電力算出装置3へ送信する(Op4)。一方、負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第1閾値未満であると判定すれば(Op2にてNO)、Op7の判定処理へ進む。
【0066】
Op4の後、負荷判定部24は、必要電力算出装置3から通知された電力供給完了情報を受信したか否かを判定する(Op5)。負荷判定部24は、電力供給完了情報を受信したと判定すれば(Op5にてYES)、受信した電力供給完了情報を周波数制御部23へ出力する。そして、周波数制御部23は、負荷判定部24により生成された周波数情報が示す動作周波数を、CPU21に対して割り当てることにより、CPU21の動作周波数を上昇させる(Op6)。一方、負荷判定部24は、電力供給完了情報を受信していないと判定すれば(Op5にてNO)、Op5へ戻り、Op5の判定処理を繰り返す。
【0067】
このように、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力を上昇させた後に、CPU21の動作周波数を上昇させるので、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力が不足することがない。そのため、ブレードサーバ2a〜2dに不具合が生じることがない。
【0068】
Op7において、負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第2閾値未満であるか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、第2閾値は、20%であるものとする。負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第2閾値未満であると判定すれば(Op7にてYES)、当該CPU21の稼働率に基づいて周波数制御部23で決定されるべき動作周波数を、CPU21に対して割り当てるように、周波数制御部23へ指示する。周波数制御部23は、負荷判定部24からの指示に従って、動作周波数をCPU21に対して割り当てることにより、CPU21の動作周波数を下降させる(Op8)。一方、負荷判定部24は、CPU21の稼働率が第2閾値未満でないと判定すれば(Op7にてNO)、図7の処理を終了する。
【0069】
Op8の後、負荷判定部24は、周波数制御部23がCPU21に対して割り当てた動作周波数を示す周波数情報を生成する(Op9)。そして、負荷判定部24は、Op9にて生成された周波数情報を、必要電力算出装置3へ送信する(Op10)。
【0070】
そして、負荷判定部24は、必要電力算出装置3から通知された電力供給完了情報を受信したか否かを判定する(Op11)。負荷判定部24は、電力供給完了情報を受信したと判定すれば(Op11にてYES)、図7の処理を終了する。一方、負荷判定部24は、電力供給完了情報を受信していないと判定すれば(Op11にてNO)、Op11へ戻り、Op11の判定処理を繰り返す。
【0071】
このように、CPU21の動作周波数を下降させた後に、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力を下降させるので、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力が不足することがない。そのため、ブレードサーバ2a〜2dに不具合が生じることがない。
【0072】
図8は、通信状態検出部27が開始要求信号または停止要求信号を通信制御部26から検出した場合の、ブレードサーバ2aの動作例を示すフローチャートである。図8に示すように、通信部25と外部装置6との通信が行われていない場合(Op21にてNO)に、通信状態検出部27は、開始要求信号を通信制御部26から検出したか否かを判定する(Op22)。ここで、開始要求信号は、通信部25と外部装置6との通信の開始を要求する信号である。
【0073】
通信状態検出部27は、開始要求信号を通信制御部26から検出したと判定すれば(Op22にてYES)、通信部25と外部装置6とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成する(Op23)。そして、通信状態検出部27は、Op23にて生成された通信状態情報を、必要電力算出装置3へ送信する(Op24)。一方、通信状態検出部27は、開始要求信号を通信制御部26から検出していないと判定すれば(Op22にてNO)、Op22へ戻り、Op22の判定処理を繰り返す。
【0074】
Op24の後、通信状態検出部27は、必要電力算出装置3から通知された電力供給完了情報を受信したか否かを判定する(Op25)。通信状態検出部27は、電力供給完了情報を受信したと判定すれば(Op25にてYES)、受信した電力供給完了情報を通信制御部26へ出力する。そして、通信制御部26は、通信部25と外部装置6との通信が開始されるように、通信部25を制御する。これにより、通信部25は、外部装置6との通信を開始する(Op26)。一方、通信状態検出部27は、電力供給完了情報を受信していないと判定すれば(Op25にてNO)、Op25へ戻り、Op25の判定処理を繰り返す。
【0075】
このように、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力が上昇した後に、通信部25と外部装置6との通信が開始されるので、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力が不足することがない。そのため、ブレードサーバ2a〜2dに不具合が生じることがない。
【0076】
一方、通信部25と外部装置6との通信が行われている場合(Op21にてYES)に、通信状態検出部27は、停止要求信号を通信制御部26から検出したか否かを判定する(Op27)。ここで、停止要求信号は、通信部25と外部装置6との通信の停止を要求する信号である。
【0077】
通信状態検出部27は、停止要求信号を通信制御部26から検出したと判定すれば(Op27にてYES)、通信部25と外部装置6との通信が停止されるように、通信制御部26へ指示する。通信制御部26は、当該指示に従って、通信部25と外部装置6との通信が停止されるように、通信部25を制御する。これにより、通信部25は、外部装置6との通信を停止する(Op28)。一方、通信状態検出部27は、停止要求信号を通信制御部26から検出していないと判定すれば(Op27にてNO)、Op27へ戻り、Op27の判定処理を繰り返す。
【0078】
Op28の後、通信状態検出部27は、通信部25と外部装置6との通信が停止されたことを示す通信状態情報を生成する(Op29)。そして、通信状態検出部27は、Op29にて生成された通信状態情報を、必要電力算出装置3へ送信する(Op30)。
【0079】
Op30の後、通信状態検出部27は、必要電力算出装置3から通知された電力供給完了情報を受信したか否かを判定する(Op31)。通信状態検出部27は、電力供給完了情報を受信したと判定すれば(Op31にてYES)、図8の処理を終了する。一方、通信状態検出部27は、電力供給完了情報を受信していないと判定すれば(Op31にてNO)、Op31へ戻り、Op31の判定処理を繰り返す。
【0080】
このように、通信部25と外部装置6との通信が停止された後に、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力を下降させるので、ブレードサーバ2a〜2dにおいて使用すべき電力が不足することがない。そのため、ブレードサーバ2a〜2dに不具合が生じることがない。
【0081】
図9は、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれから送信された周波数情報および通信状態情報を収集した場合の、必要電力算出装置3の動作例を示すフローチャートである。図9に示すように、情報収集部31は、ブレードサーバ2a〜2dそれぞれから送信された周波数情報および通信状態情報を収集する(Op41)。情報収集部31は、Op41にて収集された周波数情報および通信状態情報を、情報記録部32へ記録する(Op42)。
【0082】
必要電力算出部34は、情報記録部32および対応関係記録部33を参照することにより、ブレードサーバ2a〜2dにおいて必要となる必要電力を算出する(Op43)。そして、必要電力算出部34は、Op43にて算出された必要電力を、電源制御装置5へ送信する(Op44)。
【0083】
ここで、通知部35は、電源制御装置5から送信された電力供給完了情報を受信したか否かを判定する(Op45)。通知部35は、電力供給完了情報を受信したと判定すれば(Op45にてYES)、受信した電力供給完了情報をブレードサーバ2a〜2dそれぞれへ通知する(Op46)。一方、通知部35は、電力供給完了情報を受信していないと判定すれば(Op45にてNO)、Op45へ戻り、Op45の判定処理を繰り返す。
【0084】
図10は、必要電力算出装置3から送信された必要電力を受信した場合の、電源制御装置5の動作例を示すフローチャートである。図10に示すように、電源制御装置5は、受信した必要電力に対応する電力供給部を、動作制御記録部51から抽出する(Op51)。そして、電源制御装置5は、受信した必要電力をブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給するように、Op51にて抽出された電力供給部に対してPWM信号を送信する(Op52)。なお、電源制御装置5は、Op51にて抽出された電力供給部以外の電力供給部に対しては“L”信号を送信する。
【0085】
電源制御装置5は、Op52にて送信されたPWM信号に従って電源装置4が必要電力をブレードサーバ2a〜2dそれぞれに対して供給した場合に、電力供給完了情報を必要電力算出装置3へ送信する(Op53)。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る電源制御システム1によれば、ブレードサーバ2a〜2dに不具合が生じることなく、しかも、電源装置4の電力変換効率を常に高く維持することができる。
【0087】
なお、本実施形態においては、電源制御システムには、ブレードサーバが備えられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ブレードサーバの代わりに、パーソナルコンピュータ、ブレードサーバ以外のサーバであってもよい。
【0088】
また、本実施形態においては、ブレードサーバには、CPU、負荷計測部、周波数制御部、負荷判定部、通信部、通信制御部、および通信状態検出部が備えられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ブレードサーバには、CPU、負荷計測部、周波数制御部、および負荷判定部のみが備えられていてもよい。この場合、必要電力算出装置は、ブレードサーバから送信された周波数情報のみに基づいて必要電力を算出する。また、例えば、ブレードサーバには、通信部、通信制御部、および通信状態検出部のみが備えられていてもよい。この場合、必要電力算出装置は、ブレードサーバから送信された通信状態情報のみに基づいて必要電力を算出する。
【0089】
すなわち、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。つまり、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上のように、本発明は、情報処理装置に不具合が生じることなく、しかも、電源装置の電力変換効率を常に高く維持することができる電源制御システム、または電源制御方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る電源制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、必要電力算出装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、情報記録部に記録された周波数情報および通信状態情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、対応関係記録部に記録された対応関係の一例を示す図である。
【図5】図5は、電源装置および電源制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、出力制御記録部に記録された出力制御情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、負荷計測部がCPUの稼動率を計測した場合の、ブレードサーバの動作例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、通信状態検出部が開始要求信号または停止要求信号を通信制御部から検出した場合の、ブレードサーバの動作例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、ブレードサーバそれぞれから送信された周波数情報および通信状態情報を収集した場合の、必要電力算出装置の動作例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、必要電力算出装置から送信された必要電力を受信した場合の、電源制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、電源装置の電力変換効率と情報処理装置の消費電流との関係を説明するための図である。
【符号の説明】
【0092】
1 電源制御システム
2a〜2d ブレードサーバ(情報処理装置)
3 必要電力算出装置
4 電源装置
5 電源制御装置
6 外部装置
21 CPU
22 負荷計測部
23 周波数制御部
24 負荷判定部
25 通信部
26 通信制御部
27 通信状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムであって、
前記情報処理装置は、
複数段階設けられた動作周波数それぞれに基づいて動作可能なCPUと、
前記CPUの負荷を計測する負荷計測部と、
前記CPUの負荷が高ければ高く、かつ前記CPUの負荷が低ければ低くなるように、複数段階設けられた動作周波数のうち前記CPUに対して割り当てるべき動作周波数を決定する周波数制御部と、
前記CPUの負荷が閾値以上であるか否かを判定し、前記CPUの負荷が閾値以上であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて前記周波数制御部で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信する負荷判定部とを備え、
前記必要電力算出装置は、前記周波数情報が示す動作周波数が高ければ高く、かつ前記周波数情報が示す動作周波数が低ければ低くなるように、前記周波数情報が示す動作周波数で前記CPUが動作するために前記情報処理装置において必要となる必要電力を算出し、
前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、
前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、
前記周波数制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記周波数情報が示す動作周波数を前記CPUに対して割り当てることにより、前記CPUの動作周波数を上昇させる、電源制御システム。
【請求項2】
前記負荷判定部は、前記CPUの負荷が閾値未満であるか否かを判定し、前記CPUの負荷が閾値未満であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて前記周波数制御部で決定されるべき動作周波数を、前記CPUに対して割り当てるように、前記周波数制御部へ指示し、当該指示に従って前記周波数制御部が前記CPUに対して前記動作周波数を割り当てることにより、前記CPUの動作周波数を下降させた場合に、前記周波数制御部が前記CPUに対して割り当てた動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信し、
前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を下降させる、請求項1に記載の電源制御システム。
【請求項3】
1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムであって、
前記情報処理装置は、
外部装置と通信可能な通信部と、
前記通信部と前記外部装置との通信を制御する通信制御部と、
前記通信部と前記外部装置との通信が行われていない場合に、前記通信部と前記外部装置との通信の開始を要求する開始要求信号を、前記通信制御部から検出すれば、検出した開始要求信号に基づいて、前記通信部と前記外部装置とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成し、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信する通信状態検出部とを備え、
前記必要電力算出装置は、前記通信部と前記外部装置との通信が行われる場合には高く、かつ前記通信部と前記外部装置との通信が行われない場合には低くなるように、前記情報処理装置において必要となる必要電力を、前記通信状態検出部により送信された通信状態情報に基づいて算出し、
前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、
前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、
前記通信制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記通信部と前記外部装置との通信が開始されるように、前記通信部を制御する、電源制御システム。
【請求項4】
前記通信状態検出部は、前記通信部と前記外部装置との通信が行われている場合に、前記通信部と前記外部装置との通信の停止を要求する停止要求信号を、前記通信制御部から検出すれば、前記通信部と前記外部装置との通信が停止されるように、前記通信制御部へ指示し、当該指示に従って前記通信部と前記外部装置との通信が停止された場合に、前記通信部と前記外部装置との通信が停止されたことを示す通信状態情報を生成し、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信し、
前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を下降させる、請求項3に記載の電源制御システム。
【請求項5】
1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムが処理を実行する電源制御方法であって、
前記情報処理装置には、複数段階設けられた動作周波数それぞれに基づいて動作可能なCPUが備えられており、
前記情報処理装置が備える負荷計測部が、前記CPUの負荷を計測する負荷計測工程と、
前記情報処理装置が備える周波数制御部が、前記CPUの負荷が高ければ高く、かつ前記CPUの負荷が低ければ低くなるように、複数段階設けられた動作周波数のうち前記CPUに対して割り当てるべき動作周波数を決定する周波数制御工程と、
前記情報処理装置が備える負荷判定部が、前記CPUの負荷が閾値以上であるか否かを判定し、前記CPUの負荷が閾値以上であると判定した場合に、当該CPUの負荷に基づいて前記周波数制御工程で決定されるべき動作周波数を示す周波数情報を生成し、生成した周波数情報を必要電力算出装置へ送信する負荷判定工程とを含み、
前記必要電力算出装置は、前記周波数情報が示す動作周波数が高ければ高く、かつ前記周波数情報が示す動作周波数が低ければ低くなるように、前記周波数情報が示す動作周波数で前記CPUが動作するために前記情報処理装置において必要となる必要電力を算出し、
前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、
前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、
前記周波数制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記周波数情報が示す動作周波数を前記CPUに対して割り当てることにより、前記CPUの動作周波数を上昇させる、電源制御方法。
【請求項6】
1または複数の情報処理装置と、前記情報処理装置に対して供給すべき電力を算出する必要電力算出装置と、前記必要電力算出装置により算出された電力を、前記情報処理装置に対して供給する電源装置と、前記電源装置を制御する電源制御装置とを備えた電源制御システムが処理を実行する電源制御方法であって、
前記情報処理装置には、外部装置と通信可能な通信部が備えられており、
前記情報処理装置が備える通信制御部が、前記通信部と前記外部装置との通信を制御する通信制御工程と、
前記情報処理装置が備える通信状態検出部が、前記通信部と前記外部装置との通信が行われていない場合に、前記通信部と前記外部装置との通信の開始を要求する開始要求信号を、前記通信制御部から検出すれば、検出した開始要求信号に基づいて、前記通信部と前記外部装置とが通信を開始しようとしていることを示す通信状態情報を生成し、生成した通信状態情報を必要電力算出装置へ送信する通信状態検出工程とを含み、
前記必要電力算出装置は、前記通信部と前記外部装置との通信が行われる場合には高く、かつ前記通信部と前記外部装置との通信が行われない場合には低くなるように、前記情報処理装置において必要となる必要電力を、前記通信状態検出工程により送信された通信状態情報に基づいて算出し、
前記電源制御装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記電源装置が前記情報処理装置に対して供給しようとする場合に、前記電源装置の電力変換効率が最も高くなるように、前記電源装置を制御し、
前記電源装置は、前記必要電力算出装置により算出された必要電力を、前記情報処理装置に対して供給することにより、前記情報処理装置において使用すべき電力を上昇させ、
前記通信制御部は、前記情報処理装置において使用すべき電力が上昇した場合に、前記通信部と前記外部装置との通信が開始されるように、前記通信部を制御する、電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−81752(P2010−81752A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248553(P2008−248553)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】