説明

電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法

【課題】 操作性および検出精度に優れ、低コストで自動的に電源が投入される電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法を提供する。
【解決手段】 センサ部20Aが、携帯電話機1の周囲を覆う絶縁性のケース2と、このケース2の内面に設けた導電性基板11と、前記導電性基板11の表面に固設したセンサ電極22aとで構成されている。前記ケース2の表面に使用者の指や手など人体の一部が触れると、人体と導電性基板11との間に形成される静電容量Cの変化を検出部20Bが検出し、使用者が携帯電話機1に触れたと判定された場合には起動信号を出力して電源が自動的に断ち上げられ通常電力モードに設定させる。これにより、携帯電話機1の操作性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手に持っただけで自動的に電源が投入される電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法に係わり、特に静電容量式のタッチセンサを使用した電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ユーザーの意図に適したタイミングで自動的に電源を投入することが可能な電源制御装置を搭載したカメラ装置が開示されている。
【0003】
このカメラ装置では、装置本体の縦横の向きを方向センサで検出し、または周囲の明るさを光センサで検出し、若しくは振動を振動センサで検出し、あるいは装置本体の特定の部位を使用者が触れたことをタッチセンサで検出することにより、前記各センサからの出力に変化があった場合に自動的にカメラ装置の電源を投入するようにしたものである。
【特許文献1】特開2004−312477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、各方向センサ単体のみの構成では安定した起動動作を確保することが困難である。特に、タッチセンサを使用した構成では、使用者は、カメラを確実に起動させるために、タッチセンサが取り付けられたカメラの特定の箇所に触れることが必要とされたり、電源が投入されるまで又は起動を確認するまで、前記特定の部位に触れ続けることが要求されたりするため、操作性に劣るという問題がある。
【0005】
このため、上記特許文献1に記載では、例えば方向センサと光センサの組合せ(第3の実施の形態)、方向センサと振動センサの組合せ(第4の実施の形態)、方向センサとタッチセンサの組合せ(第5の実施の形態)、光センサとタッチセンサの組合せ(第6の実施の形態)など2種以上のセンサを併用することにより、起動動作の安定化を図るようにしている。
【0006】
しかしながら、上記のように2種以上からなる複数のセンサを組み合わせる構成では、その制御回路が複雑化し、さらには制御用ソフトウェアも追加する必要があることから製造コストが高騰するという問題がある。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、使用者が手にしただけで自動的に電源が投入される電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法を提供することを目的としている。
【0008】
また本発明は、操作性に優れ、低コストで自動的に電源が投入される電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法を提供することを目的としている。
【0009】
さらに本発明は、検出精度を高めるために複数のセンサを組み合わせた場合でも、制御回路が複雑化することがなく、しかも制御用ソフトウェアなどの追加を必要としない電源制御装置及びこれを備えた電子機器並びに電子機器の起動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ケースの表面に人体が接触したときに前記人体との間で静電容量を発生させるセンサ部と、前記静電容量を検出して電源立ち上げ用の起動信号を出力する検出部と、を有する電源制御装置であって、
前記センサ部が、センサ電極と、前記センサ電極の面積よりも大きな面積を備えた導電性基板と、絶縁性の材料で形成された前記ケースとを有しており、
前記ケースの内側に前記導電性基板が設けられ、この導電性基板に前記センサ電極が導通接続されていることを特徴とするものである。
【0011】
上記発明では、センサ電極の面積を導電性基板が有する面積まで実質的に拡張することができる。また人体は絶縁性の材料で形成されたケースにのみ触れることができ、導電性基板やセンサ電極に直接的に触れることができない構成であるため、静電破壊の発生や水分付着による誤作動を防止することができる。
【0012】
また使用者は、センサ電極と対向する特定の箇所を触れなければならないという制約から解放することができ、さらには電源が投入されるまで又は起動を確認するまで、前記特定の部位に触れ続ける必要がなくなることから、操作性を向上させることができる。
【0013】
また本発明は、ケースの表面に人体が接触したときに前記人体との間で静電容量を発生させるセンサ部と、前記静電容量を検出して電源立ち上げ用の起動信号を出力する検出部と、を有する電源制御装置であって、
前記センサ部が、絶縁基板の一方の面に設けられたセンサ電極と、導電性の金属材料で形成された前記ケースとにより構成されており、前記絶縁基板の他方の面が前記ケースの内面に密着させた状態で固定されていることを特徴とするものである。
【0014】
上記発明では、特に、表面にセンサ電極をパターン形成したリジット基板を、そのまま使用することができるため、製造コストを低減できる。
【0015】
さらに本発明は、ケースの表面に人体が接触したときに前記人体との間で静電容量を発生させるセンサ部と、前記静電容量を検出して電源立ち上げ用の起動信号を出力する検出部と、を有する電源制御装置であって、
前記センサ部が、絶縁基板の一方の面に形成されたセンサ電極と、導電性の金属材料で形成された前記ケースと、前記ケースの内面に設けられた絶縁シートとにより構成されており、
前記絶縁基板は前記センサ電極を前記絶縁シートに密着させた状態で前記ケース内に設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
上記発明では、特に、絶縁基板の板厚寸法が厚く、静電容量を確保することが困難な場合にでも表面にセンサ電極がパターン形成されたリジット基板をそのまま使用することができる。
【0017】
上記においては、前記導電性基板が、互いに絶縁された状態で前記ケースの各面にそれぞれ設けられており、前記センサ部が少なくとも2以上の面に構成されているものが好ましい。
【0018】
上記手段によれば、少なくとも2以上の面で静電容量の変化を検出することができる。このため、使用者が電子機器を手にしたかどうかを精度良く検出することができる。
【0019】
また前記絶縁基板上の前記センサ電極の周囲に、シールド電極が周設されているものが好ましい。
【0020】
上記手段では、電磁的なノイズがセンサ電極に重畳することを防止することができ、ノイズが発生してもその影響を受け難くすることができる。
【0021】
また前記ケースは、上ケースと下ケースとが一体に組み合わされることにより構成されており、前記センサ電極が前記上ケースと前記下ケースの少なくとも一方に設けられているものが好ましい。
【0022】
また前記センサ電極を有するケースの少なくとも1以上の表面で、且つ前記センサ電極と対向する位置には、前記ケースの表面から内部方向に陥没する凹部が形成されるものが好ましい。
【0023】
上記手段では、電源制御装置を搭載した電子機器が使用者の手に把持されたものか、あるいは金属製の台などの上に置かれたものであるかを容易に判別することができ、前者の場合に限り起動信号を出力させることができる。
【0024】
例えば前記検出部は、所定の周波数からなる検出信号を出力する信号発生回路と、前記検出信号を時定数に応じて遅延信号を生成する遅延回路と、前記検出信号と前記遅延信号が入力されるAND回路と、前記AND回路の出力を積分する積分回路と、前記積分回路の出力からデジタル信号に変換するA/D変換回路と、前記A/D変換回路の出力と予め設定した閾値との比較結果に応じて所定の起動信号を出力する比較部と、を有するものとして構成できる。この場合において、前記遅延回路は、所定の抵抗値からなる抵抗体と、前記いずれかの静電容量から形成されるものである。
【0025】
上記手段では、静電容量の変化量を検出するとともに、その大きさに応じて起動信号を出力することが可能となる。
【0026】
また本発明の電子機器は、上記いずれかに記載の電源制御装置を有することを特徴とするものである。
【0027】
本発明では電子機器を手にしただけで場合に、低消費電力モードから入力を受け付ける通常電力モードに設定されるため、使用者が電源を投入する手間を省くことができる。しかも、電子機器を手にした後に即座に使用可能な状態に設定されるため、例えばカメラ装置などにおいてはシャッターチャンスを逃がす頻度を少なくできる。
【0028】
また本発明は、上記いずれかに記載の電源制御装置を用いた電子機器の起動方法であって、
前記静電容量が所定の閾値を超えたときに、前記ケースに使用者の人体の一部が接触したものと判定して前記起動信号が出力させられることを特徴とするものである。
【0029】
この構成によれば、電子機器を手にしただけで、電子機器を低消費電力モードから通常電力モードに設定することができる。このため、使用者の手間を省くことができ、その操作性を向上させることができる。
【0030】
また本発明は、上記いずれかに記載の電源制御装置を用いた電子機器の起動方法であって、
センサ部がオン状態であるか否かを判定する工程と、前記静電容量の変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定する工程と、検出された静電容量が所定の範囲内に収まっているか否かを判定する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0031】
本構成によれば、特に1つのセンサ部を有する場合において、電子機器を手にしたときに、確実に電子機器の動作モードを低消費電力モードから通常電力モードに設定することができる。
【0032】
さらに本発明は、ケースの複数の面に、人体との間に形成される静電容量を検出するセンサ電極が設けられた電子機器の起動方法であって、
各センサ部がオン状態であるか否かを判定する工程と、オン状態にあるセンサ部が複数であるか否かを判定する工程と、各センサ部において検出される静電容量の変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定する工程と、前記各静電容量が所定の範囲内に収まっているか否かを判定する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0033】
本構成によれば、特にセンサ部が複数の場合においても、電子機器を手にしたときに、使用者に把持されたものか否かを判定することができるため、確実に電子機器の動作モードを低消費電力モードから通常電力モードに設定することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、使用者が手にしただけで自動的に電源を投入することができる。
また本発明では、使用者はケース上の特定の部位に限定されず、ケースのいずれかの箇所に触れれば自動的に電源を起動させることができる。しかも電源投入が確認するまで前記特定の部位に触れ続ける必要もなくなることから、操作性を向上させることができる。
【0035】
さらに本発明では、検出精度を高めるために複数のセンサを組み合わせた場合に、制御回路が複雑化することがなく、しかも制御用ソフトウェアの追加を不要となり、製造コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
図1は本発明の実施の形態に係る電源制御装置の使用例としての携帯電話機(電子機器)を示す外観斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る電源制御装置を示す電子機器の断面図、図3は電源制御装置の検出部を示す回路構成図、図4は1つのセンサ部を有する電源制御装置を用いた電子機器の起動方法を示すフローチャートである。
【0037】
図1に示す電子機器1は非折畳み式の携帯電話機を示している、この携帯電話機(電子機器)1は、上ケース2Aと下ケース2Bとからなるケース2を有している。前記上ケース2Aの表面には、例えば複数の操作スイッチ4aからなる操作部4、文字や画像などを表示する表示部5および電子カメラ用のレンズ6などが設けられている。また下ケース2Bの裏面は設置面2B1であるとともに、内部にバッテリーを収納するための蓋体が設けられている。
【0038】
この種の携帯電話機(電子機器)1は、動作モードとして通常電力モードと低消費電力モードとを有している。前記通常電力モードでは、電話の発信、電子メールの送信、インターネットおよび電子カメラによる撮影など各種の機能を実行することが可能である。一方、低電力消費モードでは次に説明するような電源制御装置20のみが動作しておりその他の機能は停止させられた状態にある。したがって、低電力消費モードでは、電話の発信、電子メールの送信、インターネットおよび電子カメラによる撮影などは行えない。
【0039】
図2に示すように、第1の実施の形態としての携帯電話機1は電源制御装置20を有している。前記電源制御装置20は、センサ部20Aと検出部20Bとからなる。なお、前記センサ部20Aと前記検出部20Bとはフレキシブルケーブル20aなどを介して接続されている。
【0040】
前記センサ部20Aは、所定の面積からなるセンサ電極22aを主体とし、これに合成樹脂など誘電率を有する絶縁性の非導電性材料で形成されたケース2と、前記ケース2の内面に設けられた平板状の導電性基板11とを有して形成されている。前記導電性基板11は、例えば、金、銀、銅、あるいはこれらの合金などで形成され、センサ電極22aよりも広い面積を有して前記ケース2の内面に設けられている。
【0041】
前記センサ電極22aは前記導電性基板11に導通接続されている。このため、導電性基板11はセンサ電極22aと同様の機能を有する。前記センサ電極22aは平行平板型コンデンサの一方の電極を形成しており、前記導電性基板11はセンサ電極22aの面積を実質的に拡張する機能を有している。
【0042】
使用者の指や手など人体の一部が、前記ケース2の表面の前記センサ電極22aと対向する位置に置かれると、前記センサ電極22aが接続された前記導電性基板11と前記人体の一部との間に静電容量Cが形成される。すなわち、前記ケース2の外面に対向配置される使用者の指や手などが、前記平行平板型コンデンサの他方の電極を形成するため、前記センサ電極22aと人体の一部との間に静電容量Cが形成される。つまり、前記センサ電極22aが接続された前記導電性基板11により、静電容量式のタッチセンサが形成されている。
【0043】
前記検出部20Bは、所定の周波数からなるパルス状の検出信号S1を一定の周期で出力する信号発生回路21と、前記センサ部20Aで形成される静電容量Cおよび抵抗値Rからなる抵抗体22bを有するとともに前記検出信号S1が入力される遅延回路22と、前記検出信号S1と前記遅延回路22から出力される遅延信号S2とが入力されるAND回路23と、前記AND回路23の出力を積分することにより前記センサ部20Aに形成される静電容量Cを、直流の電圧量V1に変換して出力する積分回路(または平滑化回路ともいう)24と、前記電圧量V1をデジタルデータD1に変換するA/D変換回路25および比較部26などで構成されている。A/D変換回路25および比較部26は内部バスBUSを介して制御部27に接続されている。
【0044】
前記比較部26は、前記デジタルデータD1と予め設定されている所定の閾値の比較を行い、例えば前記デジタルデータD1が前記閾値未満の場合にはLレベル信号を出力し、前記閾値以上の場合にはHレベル信号(起動信号)を制御部27に向けて出力する機能を有している。
【0045】
第1の実施の形態における動作について説明する。
初期状態では、前記携帯電話機1の動作モードが低消費電力モードに設定されている。この低消費電力モードでは、携帯電話機1の起動に必要な最低限の電力しか消費しないように設定されている。この状態で使用者がケース2の表面を把持するなどして触れると、前記センサ部20Aには使用者の指や手と前記導電性基板11との間の対向面積に応じた静電容量Cが発生する。
【0046】
図4に示すように、低消費電力モードの下では前記電源制御装置20が動作しており、前記制御部27がセンサ部20Aの動作状態がオン状態かオフ状態かを監視している(ステップ1(ST1))。このとき、センサ部20Aがオン状態(Yesの場合)であると判定された場合にはST2に進む。一方、前記センサ部20Aがオフ状態の場合(Noの場合)には、ST1に戻って再び最初からの監視を続ける。なお、センサ部20Aの判定は、例えば前記信号発生回路21が駆動され、所定の検出信号S1が出力されているか否かを基準に判定される。あるいはAND回路23の出力信号S3、積分回路24の電圧量V1、A/D変換回路25のデジタルデータD1など出力の有無などを基準に行うものであってもよい。
【0047】
前記遅延回路22の出力である前記遅延信号S2には、前記センサ電極22aの静電容量Cと抵抗体22bの抵抗値Rとの時定数に応じた遅れ、すなわち信号の立ち上がり波形に鈍りが生じる。このため、AND回路の出力信号S3のデューティ比が前記遅延信号S2の遅れ具合に応じて、すなわち前記静電容量Cの大きさに応じて変動する。その結果、前記積分回路24の出力である電圧量V1が、前記静電容量Cの大きさに応じて変動する。
【0048】
次に比較部26が、前記電圧量V1が変換されたデジタルデータD1と、予め設定されている所定の閾値(デジタル)とを比較し、前記デジタルデータD1が所定の閾値以上であるか否かの判定を行う(ST2)。ここで、前記デジタルデータD1が所定の閾値以上である場合には以下のST3に進む。一方、前記デジタルデータD1が、所定の閾値未満である場合(Noの場合)には、静電容量Cに変化はあるものの携帯電話機1自体が使用者によって適度に把持されていない、あるいは触れられていないと判断されてST1に戻される。
【0049】
前記ST3では、比較部26は、静電容量Cの変化量が、所定の閾値以内で安定しているか否か、すなわち前記デジタルデータD1が所定の範囲内(下限値と上限値との間)に収まっているか否かについての判定を行う。このとき、前記静電容量Cの変化量が所定の範囲内に収まらない不安定な状態と判定された場合(Noの場合)には、携帯電話機1自体が使用者に把持されたと判断され、比較部26は例えばHレベルからなる起動信号Smを制御部27に向けて出力する(ST4)。
【0050】
前記制御部27は、前記起動信号Smを受信すると、前記携帯電話機1の動作モードを、入力を受け付ける通常電力モードに設定する。これにより、通常の電力が各携帯電話機内に設けられている各種の回路に供給され、電話の発信、電子メールの送信、インターネット、あるいは電子カメラによる撮影などが可能となる。
【0051】
一方、前記静電容量Cの変化量が所定の範囲内に収まっており、安定していると判定された場合(Yesの場合)には、携帯電話機1は金属製の台などの上に置かれたものと判断される。このとき比較部26は前記起動信号Smを出力せず(Lレベルの状態を維持)、動作のフローはST1に戻される。すなわち、携帯電話機1を金属製の台の上に置いた場合にも、前記導電性基板11と前記金属製の台との間に静電容量Cが形成される。しかしながら、このとき形成される静電容量Cの変化量は、前記人体の一部に触れたときに不安定と判定される場合とは異なり、対向面積が一定に維持されるため安定した値となる。このため、前記静電容量Cの変化量を検知することにより、使用者が携帯電話機1に触れたのか、あるいは携帯電話機1が金属製の台の上に置かれたものであるかを判定することが可能である。
【0052】
この場合において、前記センサ電極22aを有するケース2の表面(特に、設置面)に、表面から内部方向に凹状に陥没する凹部を形成した構成が好ましい(図示せず)。このように、ケース2の表面に部分的にでも凹部が形成された携帯電話機(電子機器)1では、使用者が携帯電話機1を手にしたときには、使用者の指が前記凹部に掛かり易くなる。この場合、一般的には、前記凹部内の使用者の指と前記凹部の裏面に設けられた前記センサ電極22aとの対向距離が狭くなるため、静電容量Cの値が大きくなる。一方、単に携帯電話機(電子機器)1を金属性の台の上に置いた場合には、センサ電極22aと金属性の台との間に前記凹部によるエアギャップが形成される。このため、一般的には静電容量Cの値が小さくる。すなわち、使用者が携帯電話機1を手に持った方ときに形成される静電容量Cの方が、単に携帯電話機1を金属性の台の上に置いた場合に形成される静電容量Cよりも大きくなる。よって、前記使用者が携帯電話機(電子機器)1を手に持った状態であるか、単に金属性の台の上に置いただけの状態であるのかを容易且つ適切に判定することができる。
【0053】
そして、使用者が手に持った状態であると判定された場合には起動信号Smを出力し、単に金属性の台の上に置かれただけと判定された場合には起動信号Smが出力されないようにすることにより、携帯電話機1の動作モードを低消費電力モードにしたり、通常電力モードに設定したりすることができる。
【0054】
このように、本願発明では、使用者が携帯電話機1を手にしたときの状態を適切に判定することにより、即座に起動信号Smを発生させる。そして、使用者が携帯電話機1を手にした直後に、動作モードを低消費電力モードから通常電力モードに変更するため、使用者は携帯電話機1が有するアプリケーション機能を直ちに使用することが可能となる。よって、例えば携帯電話機1に搭載された電子カメラを直ぐに使用することが可能となり、シャッターチャンスを逃す頻度を少なくすることができる。
【0055】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図5は本発明の第2の実施の形態に係る電源制御装置を示す電子機器の断面図、図6は第2の実施の形態の変形例を示す電源制御装置を示す電子機器の断面図、図7はセンサ電極の好ましい実施の形態を示す平面図である。
【0056】
図5に示すように、第2の実施の形態に係る携帯電話機(電子機器)1は、外面に露出されるケースが導電性の金属ケース2aを用いて形成されている点で、非導電材料を用いて形成されている前記第1の実施の形態と相違している。
【0057】
ただし、センサ部20Aのセンサ電極22aを前記金属ケース2aの裏面に直接的に貼り付けると、ノイズが発生したときに前記ノイズによる高電圧が検出部20Bに直接作用して故障の原因となる可能性がある。そこで、第2の実施の形態では、前記金属ケース2aの内面に絶縁基板12が設けられている。絶縁基板12としては、例えばガラスエポキシなどのリジット基板でもよいし、PETなど可撓性を有する絶縁シートであってもよい。そして、この絶縁基板12の表面(図5では下面)にはセンサ電極22aがパターン形成されており、前記センサ電極22aは前記絶縁基板12側を前記金属ケース2aの内面に密着させた状態で固定されている。
【0058】
このように図5に示す第2の実施の形態では、表面にセンサ電極22aをパターン形成した絶縁基板12をそのまま使用することができるため、製造コストを低減することができる。なお、その他の電源制御装置20の形態は上記第1の実施の形態同様であり、第2の実施の形態における動作も上記第1の実施の形態同様のフローチャートに従うものである。
【0059】
ところで、前記絶縁基板12がリジット基板などを用いた板厚寸法の厚いものである場合には、静電容量Cが小さくなりやすい。このような場合には、図6に示すように、前記金属ケース2aに内面に、例えばPETなどからなる薄い絶縁シート13を貼り付け、その上に絶縁基板12を前記センサ電極22aが絶縁シート13に接するように向けた状態で固定するようにすればよい。このようにすると、センサ電極22aと前記金属ケース2aとの間の対向間隔を狭くすることができるため、この間に形成される静電容量Cを大きくすることができる。
【0060】
図5に示す第2の実施の形態および図6に示す変形例では、前記金属ケース2aが外部に露出されており、電気的には前記金属ケース2aはグランドGNDから浮いた不安的な状態にある。このような状態において、使用者の指や手など人体の一部が携帯電話機1に触れると、前記金属ケース2aが前記使用者の人体を通じてグランドGNDに接地される。よって、このとき前記センサ電極22aと金属ケース2aとの間に静電容量Cが形成される。そして、このとき形成される静電容量Cが前記電源制御装置20によって検出され、静電容量Cに相当する電圧量V1、すなわちデジタルデータD1が所定の閾値を越えたか否かに応じて上記同様に起動信号Smが出力される。
【0061】
このため、第2の実施の形態およびその変形例では、上記第1の実施の形態同様に使用者が携帯電話機1を手にしたときに生成される起動信号Smをトリガとして、携帯電話機1を即座に立ち上げ、その動作モードを通常電力モードに設定することが可能である。
【0062】
上記第2の実施の形態およびその変形例では、平行平板型コンデンサの一方の電極がセンサ電極22aにより構成され、他方の電極が携帯電話機(電子機器)1の外装を形成する金属ケース2aにより構成される。そして、使用者が携帯電話機(電子機器)1に触れない場合には前記他方の電極(金属ケース2a)は未接地の状態(静電容量Cが形成されない状態)にあり、使用者が触れたときに始めて前記他方の電極(金属ケース2a)がグランドGNDに接地されて静電容量Cが形成される。
【0063】
また携帯電話機(電子機器)1の全面を覆う金属ケース2aは、磁気遮蔽用のシールドケースとしても機能することが可能である。このため、外来ノイズが携帯電話機(電子機器)1の内部に侵入することを防止し、携帯電話機(電子機器)1の誤動作を防止することができる。このため、検出精度を高めることができる。
【0064】
上記第2の実施の形態およびその変形例においては、携帯電話機(電子機器)1自体が金属製の台の上に置いた場合に、金属ケース2aは前記金属製の台を介してグランドGNDに接地されることになる。このため、携帯電話機(電子機器)1を前記金属製の台に置いただけで、前記センサ部20Aには静電容量Cが形成される。よって、第1の実施の形態同様に、静電容量Cの変化量が、所定の閾値以内で安定しているか否かについての判定を行うことにより、比較部26は前記静電容量Cの変化量が不安定と判定された場合には起動信号Smを制御部27に出力し(ST4)、安定と判定された場合には起動信号Smを出力しない(ST5)ようにすることが好ましい。
【0065】
そして、前記起動信号Smを受信したときに、前記制御部27は前記携帯電話機1の動作モードを通常電力モードに設定する。このように、上記第2の実施の形態においても、使用者が携帯電話機1を手にしただけで、低消費電力モードから通常電力モードに変更することができる。よって、使用者は、携帯電話機1を手にした直後に、電話の発信、電子メールの送信、インターネットの使用、あるいは電子カメラによる撮影などを行うことができる。
【0066】
上記第1および第2の実施の形態およびその変形例では、使用者は携帯電話機(電子機器)1のどの箇所に触れてもよく、従来のように特定の箇所に触れなければならないという制約をなくすことができる。さらには、使用者が触れた特定の箇所を一定時間以上に亘って触れ続けさせたりする必要もなくすことができる。このため、使用者の負担が軽減され、結果として携帯電話機(電子機器)1の操作性を向上させることができる。
【0067】
ところで、図5および図6に示すものでは、センサ電極22aが絶縁基板12の表面にパターン形成されるが、図7に示すように、この場合において前記絶縁基板12面上に、前記センサ電極22aから所定の間隔をおいて取り囲むようにシールド電極14を周設した構成が好ましい。
【0068】
このように、前記センサ電極22aの周囲にシールド電極14を配設すると、静電ノイズが発生したときに前記シールド電極がその内側に位置する前記センサ電極22aを保護し、ノイズによる影響を受け難くすることができる。具体的には、静電ノイズによる高電圧が、前記センサ電極22aに重畳し、検出部20B側の電子部品を破壊するなどの影響を防止できる。
【0069】
次に、上記タッチセンサを複数利用した場合について説明する。
図8は複数のセンサ部を使用した場合における電源制御装置を用いた電子機器の起動方法を示すフローチャートである。
【0070】
携帯電話機1のような小型の電子機器では、使用者が片手だけで携帯電話機1を把持することができ、このとき使用者の手は携帯電話機1の設置面だけでなく、左右の側面、さらには操作部4や表示部5が設けられた携帯電話機1の表面(操作面)など少なくとも2面以上を同時に触れることが可能である。そこで、以下の実施の形態では、センサ電極22aを上記のように設置面だけでなく、左右の側面や操作面など複数の箇所にそれぞれ独立して配置した場合について説明する。なお、センサ電極22aとしては、上記第1の実施の形態、第2の実施の形態またはその変形例のいずれをも用いることができる。ただし、第1の実施の形態の場合には、前記導電性基板11はケース2の各面ごとにそれぞれ絶縁された状態とし、導電性基板11ごとにセンサ電極22aが独立して設けられる。一方、第2の実施の形態またはその変形例を用いる場合には、前記金属ケース2aの各面を形成する金属板をそれぞれ絶縁し、金属板ごとにセンサ電極22aを独立して設ける構成であってもよいし、一枚の金属板により一体的に形成された前記金属ケース2aの各面にセンサ電極22aをそれぞれ設けた構成であってもよい。
【0071】
図8に示すように、前記制御部27は各面に設けられた複数のセンサ部20Aの動作状態を監視している(ステップ11(ST11))。このとき、制御部27は、上記同様の手法により各センサ部20Aがオン状態にあるか否かの判定を行う。そして、少なくとも1以上のセンサ部20Aがオン状態(Yesの場合)であると判断してST12に進む。一方、すべてのセンサ部20Aがオフ状態である場合(Noの場合)にはST1に戻され、再びセンサ部20Aの動作状態の監視が続けられる。
【0072】
次に、制御部27は、オン状態にあるセンサ部20Aが複数か否かについての判定を行う。そして、複数のセンサ部20Aがオン状態にある場合にはST13に進む。一方、オン状態にあるセンサ部20Aが単数である場合(Noの場合)には、携帯電話機1の複数の面のうち1面のみがオン状態にある場合、すなわち携帯電話機1が金属製の台の上に置かれた場合に相当する。よって、この場合にはST1に戻されて再びセンサ部20Aの動作状態の監視が続けられる。
【0073】
次のST13では、比較部26が、検出された静電容量Cの変化量が所定の閾値以上であるか否かについて判定を行う。このとき、静電容量Cの変化量が所定の閾値以上である場合(Yesの場合)にはST14に進む。一方、静電容量Cの変化量が所定の閾値未満である場合(Noの場合)には、静電容量Cの容量変化は認められるものの、その変化量は規定値以下であることから、携帯電話機1は把持されている場合に該当しないと判定され、ST1に戻されて再びセンサ部20Aの動作状態の監視を続ける。
【0074】
ST14では、静電容量Cの変化量が、所定の範囲内で安定しているか否かについて判定を行う。このとき、静電容量Cの変化が安定していると判定された場合(Yesの場合)には、携帯電話機1は金属製の台の上に置かれていると判定され、静電容量Cの変化が安定していないと判定された場合(Noの場合)には使用者の手に把持されていると判定される。
【0075】
そして、上記各実施の形態同様に、使用者が手に持った状態(把持された状態)であると判定された場合には起動信号Smを出力し、単に金属性の台の上に置かれただけと判定された場合には起動信号Smが出力されないようにすることで、携帯電話機1の動作モードが低消費電力モードに設定されたり、通常電力モードに設定されたりする。
【0076】
このように、複数のセンサ部20Aを用いることによっても、使用者が携帯電話機1を手にしたときには、動作モードを低消費電力モードから通常電力モードに変更することができるため、携帯電話機1が有するアプリケーション機能を起動後直ちに利用することが可能となる。
【0077】
また複数のセンサ部20Aの動作状態を監視することにより、段階的に判定することができるため、1つのセンサ部20Aを使用して判定する場合に比較して判定ミス(誤検出)が起こりにくく、電子機器1の安定した起動動作を確保することができる。
【0078】
さらには、静電容量式のタッチセンサだけで構成することができ、その他の異なる種類のセンサを必要としない。すなわち同種(静電容量式)のタッチセンサセンサを複数使用することで検出精度を高めるようにした構成であるため、制御回路が複雑化することがない。しかも同種のソフトウェアで処理することができ、異なる種類の複数のソフトウェアを追加する必要がないことから処理速度の低下を防止でき、さらには製造コストの高騰も抑えることができる。
【0079】
また本願発明では、センサ部20Aを形成するセンサ電極22aがケース2の内面側に配置される構成であるため、ケース2の外観構成に影響を与えることがない。すなわち、携帯電話機1が前記電源制御装置を備えることにより、外観上のデザインにについて変更を強いられることがない。
【0080】
上記実施の形態では、電子機器1の例としてカメラ付きの携帯電話機を示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、その他の携帯可能な電子機器、例えば単体の電子カメラ、ビデオカメラ、PDA、携帯ラジオ、電子辞書、ノートPCなどに利用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態に係る電源制御装置の使用例としての携帯電話機(電子機器)を示す外観斜視図、
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電源制御装置を示す電子機器の断面図、
【図3】電源制御装置の検出部を示す回路構成図、
【図4】1つのセンサ部を有する電源制御装置を用いた電子機器の起動方法を示すフローチャート、
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る電源制御装置を示す電子機器の断面図、
【図6】第2の実施の形態の変形例を示す電源制御装置を示す電子機器の断面図、
【図7】センサ電極の好ましい実施の形態を示す平面図、
【図8】複数のセンサ部を使用した場合における電源制御装置を用いた電子機器の起動方法を示すフローチャート、
【符号の説明】
【0082】
1 携帯電話機(電子機器)
2 ケース
2a 金属ケース
4 操作部
5 表示部
6 レンズ
11 導電性基板
12 絶縁基板
13 絶縁シート
14 シールド電極
20 電源制御装置
20A センサ部
20B 検出部
21 信号発生回路
22 遅延回路
22b 抵抗体
23 AND回路
24 積分回路
25 A/D変換回路
26 比較部
27 制御部
S1 検出信号
S2 遅延信号
Sm 起動信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの表面に人体が接触したときに前記人体との間で静電容量を発生させるセンサ部と、前記静電容量を検出して電源立ち上げ用の起動信号を出力する検出部と、を有する電源制御装置であって、
前記センサ部が、センサ電極と、前記センサ電極の面積よりも大きな面積を備えた導電性基板と、絶縁性の材料で形成された前記ケースとを有しており、
前記ケースの内側に前記導電性基板が設けられ、この導電性基板に前記センサ電極が導通接続されていることを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
ケースの表面に人体が接触したときに前記人体との間で静電容量を発生させるセンサ部と、前記静電容量を検出して電源立ち上げ用の起動信号を出力する検出部と、を有する電源制御装置であって、
前記センサ部が、絶縁基板の一方の面に設けられたセンサ電極と、導電性の金属材料で形成された前記ケースとにより構成されており、前記絶縁基板の他方の面が前記ケースの内面に密着させた状態で固定されていることを特徴とする電源制御装置。
【請求項3】
ケースの表面に人体が接触したときに前記人体との間で静電容量を発生させるセンサ部と、前記静電容量を検出して電源立ち上げ用の起動信号を出力する検出部と、を有する電源制御装置であって、
前記センサ部が、絶縁基板の一方の面に形成されたセンサ電極と、導電性の金属材料で形成された前記ケースと、前記ケースの内面に設けられた絶縁シートとにより構成されており、
前記絶縁基板は前記センサ電極を前記絶縁シートに密着させた状態で前記ケース内に設けられていることを特徴とする電源制御装置。
【請求項4】
前記導電性基板が、互いに絶縁された状態で前記ケースの各面にそれぞれ設けられており、前記センサ部が少なくとも2以上の面に構成されている請求項1記載の電源制御装置。
【請求項5】
前記絶縁基板上の前記センサ電極の周囲に、シールド電極が周設されている請求項2または3記載の電源制御装置。
【請求項6】
前記ケースは、上ケースと下ケースとが一体に組み合わされることにより構成されており、前記センサ電極が前記上ケースと前記下ケースの少なくとも一方に設けられている請求項1ないし4のいずれか記載の電源制御装置。
【請求項7】
前記センサ電極を有するケースの少なくとも1以上の表面で、且つ前記センサ電極と対向する位置には、前記ケースの表面から内部方向に陥没する凹部が形成される請求項1ないし6のいずれか記載の電源制御装置。
【請求項8】
前記検出部は、所定の周波数からなる検出信号を出力する信号発生回路と、前記検出信号を時定数に応じて遅延信号を生成する遅延回路と、前記検出信号と前記遅延信号が入力されるAND回路と、前記AND回路の出力を積分する積分回路と、前記積分回路の出力からデジタル信号に変換するA/D変換回路と、前記A/D変換回路の出力と予め設定した閾値との比較結果に応じて所定の起動信号を出力する比較部と、を有する請求項1ないし7のいずれか記載の電源制御装置。
【請求項9】
前記遅延回路は、所定の抵抗値からなる抵抗体と、前記いずれかの静電容量から形成される請求項8記載の電源制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の電源制御装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかに記載の電源制御装置を用いた電子機器の起動方法であって、
前記静電容量が所定の閾値を超えたときに、前記ケースに使用者の人体の一部が接触したものと判定して前記起動信号が出力させられることを特徴とする電子機器の起動方法。
【請求項12】
請求項1ないし9のいずれかに記載の電源制御装置を用いた電子機器の起動方法であって、
センサ部がオン状態であるか否かを判定する工程と、前記静電容量の変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定する工程と、検出された静電容量が所定の範囲内に収まっているか否かを判定する工程と、を有することを特徴とする電子機器の起動方法。
【請求項13】
ケースの複数の面に、人体との間に形成される静電容量を検出するセンサ電極が設けられた電子機器の起動方法であって、
各センサ部がオン状態であるか否かを判定する工程と、オン状態にあるセンサ部が複数であるか否かを判定する工程と、各センサ部において検出される静電容量の変化量が所定の閾値以上であるか否かを判定する工程と、前記各静電容量が所定の範囲内に収まっているか否かを判定する工程と、を有することを特徴とする電子機器の起動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate