説明

電源装置

【課題】待機用電源とメイン電源の2系統をもつ電源装置において、停電復帰時に大きな突入電流が流れ、第1のリレーや第2のリレーが損傷や破壊する恐れがあった。
【解決手段】電源装置において、停電などによって交流電源1が遮断されたとき、待機用電源5が先にOFFになる場合において、待機電源電圧検出手段10によって待機電源の電源電圧を検知し、所定の電圧を下回った場合、第2のリレーをOFFし、交流電圧復帰時に大きな突入電流が流れるのを防止することにより第1のリレーおよび第2のリレーの損傷や破壊の防止を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2は、特許文献1に記載された従来の電源装置を示すものである。
【0003】
図2に示すように、本電源装置は交流電源と、突入電流を防止するための突入電流防止素子と、第2のリレーと、第1のリレーと、リレーOFF時の電源である待機用電源と、リレーON時の電源であるメイン電源と、両リレーを駆動するリレー駆動手段と、第2のリレーを駆動させるための第2のリレー駆動電源と、第1のリレーを駆動させるための第1のリレー駆動電源から構成されている。
【0004】
前記電源装置では待機時の制御用電源である待機用電源と、両リレーON時の電源であるメイン電源が複合した2電源システムで、リレー駆動手段の電源電圧は両電源より供給されていた。
【0005】
また、図3に示すように、それぞれのリレーは交流電源投入後待機用電源が起動し、リレー駆動手段の電源電圧の第1のリレー駆動電源が供給され、リレー駆動手段によって、第1のリレーをONさせ、突入電流防止素子を通ってメイン電源へ電圧が供給され、メイン電源が起動し、第2のリレー駆動電源が供給され、リレー駆動手段によって第2のリレーがONするものであった。
【特許文献1】特開2005−114249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、図4に示すように、待機用電源とメイン電源が動作時に停電などによって交流電源が遮断されたとき、場合によっては待機電源が先に停止する場合がある。そのとき、メイン電源は動作を継続し、リレー駆動手段の電源電圧は供給されるため、リレー駆動手段は、第1のリレーと、第2のリレーを駆動し続けようとするが、待機用電源は停止しているため、第1のリレーはOFFとなる。第2のリレーがON、第1のリレーがOFFとなっている区間で交流電源が復帰したとき、リレー駆動手段は、両方のリレーを駆動し続けようとしているため、待機用電源5が動作すると同時に第1のリレーがONする。そのとき第2のリレーはONしているために大きな突入電流が流れ、場合によっては第2のリレーが損傷、破壊に至るという課題を有していた。
【0007】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、入力の交流電圧の異常時に、第1のリレーと第2のリレーの損傷や破壊を防止することを可能とした電源装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電源装置は、入力の交流電圧の異常時に、第2のリレーをOFFすることにより、交流電圧が正常となったときに第1のリレーと第2のリレーに流れる突入電流を防ぐことを可能としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電源装置は、入力の交流電圧の異常時に、第2のリレーをOFFすることにより、交流電圧が正常となったときに第2のリレーと第1のリレーに流れる突入電流を防ぐ
ことを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は交流電源と、突入電流を防止するための突入電流防止素子と、交流電源ラインの両側に各々直列に接続され交流電源ラインを開閉する第1及び第2のリレーと、リレーOFF時の電源である待機用電源と、リレーON時の電源であるメイン電源と、両リレーを駆動するリレー駆動手段と、第1のリレーを駆動させるための第1のリレー駆動電源と、第2のリレーを駆動させるための第2のリレー駆動電源と、前記交流電源の異常時に待機用電源の電圧値を検出する待機用電源電圧検出手段とを備えたことにより、入力の交流電圧1の異常時に第2のリレーをOFFすることにより、交流電圧が正常となったときに第1のリレーと第2のリレーに流れる突入電流を防ぐことができる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電源装置の構成図を示すもので、交流電源1と、突入電流を防止するための突入電流防止素子2と、第2のリレー3と、第1のリレー 4と、リレーOFF時の電源である待機用電源5と、リレーON時の電源であるメイン電源6と、両リレーを駆動するリレー駆動手段7と、第2のリレー3を駆動させるための第2のリレー駆動電源8と、第1のリレー4を駆動させるための第1のリレー駆動電源9と、待機用電源5の電源電圧を検出する待機電源電圧検出手段10から構成されている。
【0013】
以上のように構成された電源装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0014】
待機用電源5とメイン電源6が動作時に停電などによって交流電源1が遮断されたとき、待機用電源5が先にOFFになる場合において、待機電源電圧検出手段10によって、待機電源の電源電圧を検知し、所定の電圧を下回った場合、第2のリレー3をOFFし、交流電圧復帰時に大きな突入電流が流れるのを防止することにより第1のリレーおよび第2のリレーの損傷や破壊の防止を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
以上のように、本発明にかかる電源装置は、2つの電源システムの電源装置全てにおいて適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1における電源装置の構成図
【図2】従来の電源装置の構成図
【図3】従来の電源装置の起動時の制御フローチャート
【図4】従来の電源装置の入力交流電圧異常時の動作のフローチャート
【符号の説明】
【0017】
1 交流電源
2 突入電流防止素子
3 第2のリレー
4 第1のリレー
5 待機用電源
6 メイン電源
7 リレー駆動手段
8 第1のリレー駆動電圧
9 第2のリレー駆動電圧
10 待機用電源電圧検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と、突入電流を防止するための突入電流防止素子と、交流電源ラインの両側に各々直列に接続され交流電源ラインを開閉する第1及び第2のリレーと、リレーOFF時の電源である待機用電源と、リレーON時の電源であるメイン電源と、両リレーを駆動するリレー駆動手段と、第1のリレーを駆動させるための第1のリレー駆動電源と、第2のリレーを駆動させるための第2のリレー駆動電源と、前記交流電源の異常時に待機用電源の電圧値を検出する待機用電源電圧検出手段を備え、待機用電源の電圧が所定の電圧を下回った場合、第2のリレーの接点をOFFすることを特徴とした電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−77472(P2009−77472A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241886(P2007−241886)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】