説明

電磁アクチュエータ及びカメラ用羽根駆動装置

【課題】電磁アクチュエータの小型化を図り、保持力及び回転トルクを増加させる。
【解決手段】駆動ピンを有するロータ100、励磁用のコイル120、ロータの外周面に対向する円弧状対向面を有しかつコイルへの通電によりお互いに異なる磁極が発生する第1磁極部及び第2磁極部を有するヨーク110を備え、ロータ100は、外周面を画定すると共に周方向に異なる磁極に着磁された着磁ロータ部102、外周面から径方向に突出して径方向外側を向く端面104a及び周方向を向く側面104b,104cを画定すると共にその外周面と同一の磁極に着磁された突出部104含み、ヨーク110は、第1磁極部又は第2磁極部において、ロータが回転範囲の回転端に位置するとき、突出部の端面と対向する端面対向部111b,112bを有する。これによれば、小型化を達成しつつ、所望の駆動トルク、保持力(磁気的吸引力、磁気的反発力)等を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁力により回転駆動力を発生する電磁アクチュエータに関し、特に、着磁された外周面をもつロータ、ロータの外周面に対向する磁極部を形成するヨーク等を備え、カメラのシャッタ羽根、絞り羽根、NDフィルタ羽根等の羽根部材を駆動する際に適用される電磁アクチュエータ及びこれを用いたカメラ用羽根駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁アクチュエータとしては、N極及びS極に二分して着磁された円筒状の外周面を有し所定の角度範囲を回動し得るロータ、励磁用のコイル、ロータの外周面に対向する円弧面を有しかつコイルへの通電によりお互いに異なる磁極を発生する第1磁極部及び第2磁極部を有する略U字状のヨーク等を備えた構成において、ロータに対して、一体的に形成されると共に外部に回転駆動力を出力する駆動ピン、ロータの外周面から突出すると共にその外周面と同一の磁極に着磁された突出部を設け、ロータが一方の回転端及び他方の回転端に位置するとき、突出部の側面(回転方向すなわち周方向に向う側面)とヨークの磁極部の端面とを対向させるように形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、この電磁アクチュエータにおいては、突出部の側面(回転方向に向う側面)がヨークの先端部の端面と対向するものであるため、突出部の側面とヨークの端面との間の磁気的吸引力及び磁気的反発力に伴う回転トルクを大きくしようとすると、突出部の突出量(ロータの径方向における外周面からの突出量)を大きくする必要があり、このことは逆にロータの重量化あるいは大型化を招き、応答性を高めることと相反するものである。
また、駆動ピンと突出部は、ロータの回転方向において異なる角度位置にそれぞれ離して設けられていたため、駆動ピンと突出部をそれぞれ肉厚にして機械的強度をそれぞれ確保する必要があった。
【特許文献1】特開2006−288036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、小型化を図りつつ、ロータとヨークの間において効率の良い磁気回路を形成して、所望の駆動トルク、磁気的吸引力等を確保し、カメラのシャッタ羽根、絞り羽根、NDフィルタ羽根等の羽根部材を駆動する駆動源として適用する際に、安定した回転駆動力又は保持力を発生し得る電磁アクチュエータ及びこれを用いたカメラ用羽根駆動を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電磁アクチュエータは、円筒状の外周面及び外周面から径方向に突出して外部に駆動力を及ぼす駆動ピンを有し所定の回転範囲を回動し得るロータと、励磁用のコイルと、ロータの外周面に対向する円弧状対向面を画定しかつコイルへの通電によりお互いに異なる磁極が発生する第1磁極部及び第2磁極部を有するヨークとを備えた電磁アクチュエータであって、上記ロータは、外周面を画定すると共に周方向に異なる磁極に着磁された着磁ロータ部と、外周面から径方向に突出して径方向外側を向く端面及び周方向を向く側面を画定すると共にその外周面と同一の磁極に着磁された突出部を含み、上記ヨークは、第1磁極部又は第2磁極部において、ロータが回転範囲の回転端に位置するとき、突出部の端面と対向する端面対向部を有する、ことを特徴としている。
この構成によれば、ロータを、着磁ロータ部の外周面から径方向に突出して径方向外側を向く端面及び周方向(ロータの回転方向)を向く側面を画定すると共にその外周面と同一の磁極に着磁された突出部を設け、ロータが回転範囲の回転端(一方側の回転端又は他方側の回転端)に位置するとき、この突出部の端面がヨークの第1磁極部又は第2磁極部に形成された端面対向部と対向するため、突出部とヨークとの間の磁気的吸引力又は磁気的反発力を増加させることができる。
すなわち、コイルへの非通電時には、着磁ロータ部の外周面とヨークの円弧状対向面との間及び突出部の端面と第1磁極部又は第2磁極部の端面対向部との間で強力な磁気的吸引力を生じて、ロータを回転範囲の回転端に停止させる安定した保持力が得られ、一方、コイルへの通電時には、着磁ロータ部の外周面とヨークの円弧状対向面との間及び突出部の端面と第1磁極部又は第2磁極部の端面対向部との間で電磁力による強力な反発力を生じて、ロータを回転させる安定した駆動トルクが得られる。
このように、ロータとヨークの間において効率の良い磁気回路を形成したことにより、小型化を達成しつつ、所望の駆動トルク、磁気的付勢力(磁気的吸引力、磁気的反発力)等を確保することができ、ロータを回転端に保持する保持力の強化、ロータの高速化等を達成することができる。
【0006】
上記構成において、着磁ロータ部は、周方向に二分されるN極外周面及びS極外周面を有し、突出部は、前記N極外周面及びS極外周面の一方から突出するように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、従来のロータに対して、外周面に突出部を設けその外周面と同一の磁極に着磁するだけでよいため、構造の簡略化を図りつつ、必要とされる駆動トルク及び磁気的付勢力の設定を容易に行うことができる。
【0007】
上記構成において、突出部は、外周面から駆動ピンと同一方向に突出して一体的に形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、突出部と駆動ピンが一体的に形成されてロータの外周面から突出するため、小型化を達成しつつ、機械的強度を高めることができる。
【0008】
上記構成において、ヨークは、第1磁極部又は第2磁極部において、ロータが回転範囲の回転端に位置するとき、突出部の側面と対向する側面対向部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータが回転範囲の回転端(一方側の回転端又は他方側の回転端)に位置するとき、この突出部の端面がヨークの第1磁極部又は第2磁極部に形成された端面対向部(例えば、第1磁極部に形成された第1端面対向部又は第2磁極部に形成された第2端面対向部)と対向すると共に突出部の側面が第1磁極部又は第2磁極部に形成された側面対向部(例えば、第1磁極部に形成された第1側面対向部又は第2磁極部に形成された第2側面対向部)と対向するため、突出部とヨークとの間の磁気的吸引力又は磁気的反発力をさらに増加させることができる。
【0009】
上記構成において、ヨークは、一端側に第1磁極部及び他端側に第2磁極部を有するべく略U字状に屈曲して形成され、かつ、ロータが回転範囲の一方側の回転端に位置するとき突出部の端面と対向するべく第1磁極部に形成された第1端面対向部と、ロータが回転範囲の他方側の回転端に位置するとき突出部の端面と対向するべく第2磁極部に形成された第2端面対向部とを有し、ヨークは、接合可能に二分された、第1磁極部を有する第1ヨークと第2磁極部を有する第2ヨークとにより形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ロータが回転範囲の一方側の回転端に位置するとき、この突出部の端面がヨークの第1磁極部に形成された第1端面対向部と対向する(と共にヨークが第1側面対向部を備える場合は、突出部の側面が第1磁極部に形成された第1側面対向部と対向する)ため、ロータが一方側の回転端に位置するときの保持力(磁気的吸引力)を増加させることができ、又、一方側の回転端から他方側の回転端に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができ、一方、ロータが回転範囲の他方側の回転端に位置するとき、この突出部の端面がヨークの第2磁極部に形成された第2端面対向部と対向する(と共に、ヨークが第2側面対向部を備える場合は、突出部の側面が第2磁極部に形成された第2側面対向部と対向する)ため、ロータが他方側の回転端に位置するときの保持力(磁気的吸引力)を増加させることができ、又、他方側の回転端から一方側の回転端に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができる。
また、ヨークは、略U字状をなすと共に第1ヨークと第2ヨークに二分されているため、第1磁極部又は第2磁極部の先端側が例えばL字状に屈曲していても、コイルを巻回するボビン等に容易に挿入して固定することができ、組付け作業性が向上する。
ここで、第1ヨーク及び第2ヨークは、お互いに重ね合わせて接合するべく第1磁極部及び第2磁極部よりも薄板状に形成された接合片を有してもよい。この場合、薄板状の接合片同士を重ね合わせることで、第1ヨークと第2ヨークを接合することができるため、接合領域における磁路の面積を十分確保することができ、又、一体形成されたヨークと同様に同一板厚に形成することができる。
【0010】
本発明のカメラ用羽根駆動装置は、被写体光を通す開口部を有する基板と、開口部に臨む位置と開口部から退避した退避位置との間を移動自在に設けられた羽根部材と、羽根部材を駆動する駆動源とを備え、この駆動源は、上述の電磁アクチュエータのいずれか一つの電磁アクチュエータである、ことを特徴としている。
この構成によれば、駆動源として上述の電磁アクチュエータを採用するが故に、装置の小型化を達成しつつも、十分な駆動力がロータから出力されて、羽根部材は所望のタイミングで確実に安定して駆動され、又、所定の位置(例えば、開口部に臨む位置あるいは開口部から退避した位置)に保持される。
【発明の効果】
【0011】
上記構成をなす電磁アクチュエータによれば、ロータの外周面から径方向外側に突出しかつその外周面と同一の磁極に着磁された突出部と、ヨークの第1磁極部又は第2磁極部において、突出部の径方向外側を向く端面と対向し得る端面対向部を設けたことにより、小型化を達成しつつも、所望の磁気的保持力及び駆動トルクを発生する電磁アクチュエータを得ることができる。
また、上記構成をなすカメラ用羽根駆動装置によれば、駆動源として上述の電磁アクチュエータを採用するが故に、装置の小型化を達成しつつも、ロータにより得られる十分な駆動トルクにより、羽根部材(例えば、シャッタ羽根、絞り羽根、NDフィルタ羽根等)を、所望のタイミングで確実に安定して駆動させることができ、又、開口部に臨む位置又は開口部から退避した位置に確実に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図9は、本発明に係る電磁アクチュエータをカメラ用羽根駆動装置に適用した一実施形態を示すものであり、図1は装置の分解斜視図、図2は装置の平面図、図3は装置の背面図、図4は装置の断面図、図5は電磁アクチュエータの一部をなすロータの斜視図、図6は電磁アクチュエータの一部をなすロータ及びヨークの平面図、図7は電磁アクチュエータの動作を説明するための平面図、図8及び図9は羽根部材が開口部から退避した位置と開口部に臨む位置にある状態を示す平面図である。
【0013】
このカメラ用羽根駆動装置は、図1ないし図4に示すように、被写体光を通す開口部10a,20aを有する基板としての地板10及び裏板20、開口部10a,20aに臨む位置と開口部10a,20aから退避した退避位置との間を移動自在に地板10に支持された羽根部材30、羽根部材30を駆動する駆動源としての電磁アクチュエータM等を備えている。
電磁アクチュエータMは、図1に示すように、ロータ100、略U字状のヨーク110、励磁用のコイル120、コイル120を巻回すると共にヨーク110を固定する保持部材130等を備えている。
【0014】
地板10は、図1ないし図4に示すように、被写体光を通すための円形をなす開口部10a、ロータ100を回動自在に支持する支軸11、後述するロータ100の駆動ピン103を通す略円弧状の貫通孔12、ヨーク110を位置決めする凹部13、ネジBを螺合するネジ穴14、羽根部材30を回動自在に支持する支軸15、羽根部材30を開口部10a,20aから退避した退避位置に停止させるストッパ16、羽根部材30を開口部10a,20aに臨む位置に停止させるストッパ17等を備えている。
裏板20は、図1及び図3に示すように、被写体光を通すための円形の開口部20a、後述するロータ100の駆動ピン103を移動自在に受け入れる円弧状の長孔21、ネジBを通す円孔22、支軸15を通す円孔23等を備えている。そして、裏板20は、地板10の背面と所定の間隔をおいてネジBにより連結され、地板10と協働して羽根部材30を回動自在に収容する羽根室Cを画定している。尚、裏板20は、地板10に柱を形成し、この柱に対して溶着することにより、地板10に連結されてもよい。
【0015】
羽根部材30は、図1、図3、図4に示すように、支軸15が挿入される円孔31、後述するロータ100の駆動ピン103が挿入される長孔32を備えている。
そして、駆動ピン103が往復動することにより、羽根部材30は、図8に示すように開口部10a,20aから退避した退避位置と、図9に示すように開口部10a,20aに臨む位置との間を往復動するようになっている。
尚、羽根部材30としては、遮光性の板材により形成されたシャッタ羽根、通過する光量を減少させる絞り羽根やNDフィルタ羽根、あるいは、赤外光をカットするフィルタ羽根等各種の羽根部材が適用される。
【0016】
ロータ100は、図1、図4、図5に示すように、地板10の支軸11が通される貫通孔101、略円柱状に形成されて異なる磁極に着磁された着磁ロータ部102、着磁ロータ部102と一体的に回動するように非着磁に(着磁しないで)形成された駆動ピン103、着磁ロータ部102の外周面から径方向外側に向かって突出すると共にその外周面と同一の磁極に着磁して形成された突出部104を備えている。
そして、ロータ100は、回転軸Lを中心として、図1及び図6に示すように、所定の回転範囲(作動角θ)を回動し得るように地板10に支持されている。
【0017】
着磁ロータ部102は、円筒状の外周面を画定するように形成され、その外周面は回転軸Lを通る面により周方向に二分されて、N極に着磁されたN極外周面102a、S極に着磁されたS極外周面102bをもつように形成されている。
駆動ピン103は、図5に示すように、着磁ロータ部102と一体的にかつ樹脂材料等により非着磁に形成されており、ロータ100の径方向に延出する腕部103a、腕部103aの先端から直角に屈曲するピン部103b、ピン部103bの先端から直角に張出して形成された抜け止め片103cを備えている。
そして、駆動ピン103は、図4、図8、図9に示すように、羽根部材30の長孔32に挿入されて、ロータ100の回転駆動力を外部としての羽根部材30に及ぼすようになっている。
【0018】
突出部104は、図5に示すように、着磁ロータ部102のS極外周面102bから径方向に突出すると共にそのS極外周面102bと同一のS極に着磁されている。
また、突出部104は、図5及び図6に示すように、着磁ロータ部102のS極外周面102bから径方向に直方体状に突出して、径方向外側を向く端面104aと、周方向(ロータ100の回転方向)を向く2つの側面104b,104cとを画定するように形成されている。
【0019】
このように、突出部104は、N極外周面102a及びS極外周面102bの一方(ここでは、S極外周面102b)から突出するように形成されているため、従来のロータに対して外周面に突出部104を設けその外周面と同一の磁極に着磁するだけでよいため、構造の簡略化を図りつつ、必要とされる駆動トルク及び磁気的付勢力の設定を容易に行うことができる。
また、突出部104は、図5に示すように、S極外周面102bから駆動ピン103(の腕部103a)と同一方向に突出して一体的に重なり合うように形成されている。
これによれば、突出部104と駆動ピン103(の腕部103a)が一体的に重なり合って形成されているため、ロータ100の外周面から突出する形状であっても、小型化を達成しつつ、機械的強度を高めることができる。
【0020】
ヨーク110は、図1及び図6に示すように、磁力線を通す磁性材料により扁平(板状)でかつ略U字状に屈曲して形成され、その一端側において第1円弧状対向面111a及び第1端面対向部111bを画定する第1磁極部111、その他端側において第2円弧状対向面112a及び第2端面対向部112b、その屈曲領域においてネジBが通される位置決め円孔113を備えている。
第1円弧状対向面111aは、図6に示すように、着磁ロータ部102のN極外周面102a又はS極外周面102bと所定隙間をおいて対向するように形成されている。
第2円弧状対向面112aは、図6に示すように、着磁ロータ部102のN極外周面102a又はS極外周面102bと所定隙間をおいて対向するように形成されている。
第1端面対向部111bは、図6に示すように、ロータ100が回転範囲(作動角θ)の一方側の回転端P1に位置するとき、ロータ100の突出部104の端面104aと所定の隙間をおいて対向するように、略L字状に屈曲して形成されている。
第2端面対向部112bは、図6に(二点鎖線で)示すように、ロータ100が回転範囲(作動角θ)の他方側の回転端P2に位置するとき、ロータ100の突出部104の端面104aと所定の隙間をおいて対向するように、略L字状に屈曲して形成されている。
【0021】
すなわち、ロータ100とヨーク110の関係は、図6に示すように、ロータ100が回転範囲の一方側の回転端P1に位置するとき、突出部104の端面104aがヨーク110の第1磁極部111に形成された第1端面対向部111bと対向し、一方、ロータ100が回転範囲の他方側の回転端P2に位置するとき、突出部104の端面104aがヨーク110の第2磁極部112に形成された第2端面対向部112bと対向するようになっている。
これにより、ロータ100が一方側の回転端P1又は他方側の回転端P2に位置するときの保持力(磁気的吸引力)を増加させることができ、又、一方側の回転端P1から他方側の回転端P2に向けて又は他方側の回転端P2から一方側の回転端P1に向けて回転する際の回転トルク(磁気的反発力)を増加させることができる。
【0022】
コイル120は、図1、図2、図4に示すように、後述する保持部材130のボビン部131に巻回されている。
そして、コイル120は、通電されることにより、ヨーク110内に電磁力による磁力線を発生させ、又、その通電方向を切り替えることにより、ヨーク110の第1磁極部111にN極及び第2磁極部112にS極又は第1磁極部111にS極及び第2磁極部112にN極を発生させるものである。
【0023】
保持部材130は、樹脂材料を用いて成型されており、図1、図2、図4に示すように、コイル120を巻回するボビン部131、ボビン部131の両側から延出した平板部132、ボビン部131に形成されてヨーク110を嵌合して固定する嵌合孔133、ネジBを通す円孔134を備えている。
そして、保持部材130は、コイル120をボビン部131の周りに巻回して保持すると共に、嵌合孔133にヨーク110を嵌合して保持するようになっている。また、保持部材130は、ヨーク110及びコイル120を保持した状態で、ネジBを用いて、地板10に固定されるようになっている。尚、保持部材130は、地板10に対して円孔134を貫通する柱を形成し、この柱の突出部分を平板部132の上面と溶着することにより、地板10に固定されてもよい。
【0024】
上記構成をなす電磁アクチュエータMの動作及びカメラ用羽根駆動装置の動作について、図7ないし図9を参照しつつ説明する。
先ず、コイル120に非通電の状態で、図7(a)に示すように、ロータ100が時計回り(回転範囲の一方側)の回転端P1に位置するとき、着磁ロータ部102の磁極の境界線が第1円弧状対向面111a及び第2円弧状対向面112aの各々の中間位置からずれた位置にあり、又、突出部104の端面104aが第1端面対向部111bと対向しているので、S極外周面102bと第1磁極部111の第1円弧状対向面111aとの間、N極外周面102aと第2磁極部112の第2円弧状対向面112aとの間、さらに、突出部104の端面104aと第1磁極部111の第1端面対向部111bとの間に、それぞれ磁気的吸引力が生じており、ロータ100は時計回りの回転端P1に(羽根部材30がストッパ106に当接して位置決めされることで)位置決めされて確実に保持される。
この状態は、カメラ用羽根駆動装置において、羽根部材30が、図8に示すように、ストッパ16に当接して、開口部10a,20aから退避した退避位置(開放位置)に位置決めされた状態に対応する。
【0025】
この状態において、コイル120に所定向きの通電が行われると、図7(b)に示すように、第1磁極部111にS極が発生し、第2磁極部112にN極が発生する。
これにより、S極外周面102bと第1磁極部111の第1円弧状対向面111aとの間、N極外周面102aと第2磁極部112の第2円弧状対向面112aとの間、さらに、突出部104の端面104aと第1磁極部111の第1端面対向部111bとの間に、それぞれ電磁力による反発力が生じて、ロータ100は反時計回りに回転し始める。
【0026】
そして、ロータ100が反時計回りに回転する際に、回転範囲(作動角θ)の中間位置までは、突出部104の端面104aと第1磁極部111の第1端面対向部111bとの間に生じる反発力が大きく作用し、中間位置を過ぎると、突出部104の端面104aと第2磁極部112の第2端面対向部112bとの間に生じる吸引力が大きく作用して、ロータ100は、安定した回転力を維持しつつ回転を続け、図7(c)に示すように、着磁ロータ部102の磁極の境界線が第1円弧状対向面111a及び第2円弧状対向面112aの各々の中間位置からずれた状態で、反時計回りの回転端P2に(羽根部材30がストッパ107に当接して位置決めされることで)位置決めされて停止する。
【0027】
この状態において、コイル120の通電が断たれると、図7(d)に示すように、突出部104の端面104aと第2磁極部112の第2端面対向部112bとの間、S極外周面102bと第2磁極部112の第2円弧状対向面112aとの間、N極外周面102aと第1磁極部111の第1円弧状対向面111aとの間に、それぞれ磁気的吸引力が生じて、ロータ100は反時計回りの回転端P2に確実に保持される。
この状態は、カメラ用羽根駆動装置において、羽根部材30が、図9に示すように、ストッパ17に当接して、開口部10a,20aに臨む位置(閉鎖位置)に位置決めされた状態に対応する。
【0028】
一方、コイル120に逆向きの通電が行われると、第1磁極部111及び第2磁極部112にそれぞれ逆の磁極が発生し、ロータ100は、図7(d)に示す反時計回りの回転端P2に位置する状態から逆の経路を辿って安定して時計回りに回転し、図7(a)に示す時計回りの回転端P1にて位置決めされて保持される。
このとき、カメラ用羽根駆動装置においては、羽根部材30は、図9に示すように開口部10a,20aに臨む位置(閉鎖位置)から図8に示すように開口部10a,20aから退避した位置(開放位置)に移動して位置決めされる。
【0029】
このように、ロータ100に対してS極外周面102bと同一の磁極に着磁された突出部104を設け、ヨーク110に対して突出部104の端面104aと対向する第1端面対向部111b及び第2端面対向部112bを設けたことにより、ロータ100とヨーク110の間において効率の良い磁気回路を形成することができ、小型化を達成しつつ、所望の駆動トルク、磁気的付勢力(磁気的吸引力、磁気的反発力)等を確保することができ、ロータ100を回転端P1,P2に保持する保持力の強化、ロータ100の高速化等を達成することができる。また、この電磁アクチュエータMをカメラ用羽根駆動装置の駆動源として用いた場合に、羽根部材30を円滑にかつ安定して駆動することができる。
【0030】
図10(a),(b)及び図11は、本発明に係る電磁アクチュエータの他の実施形態を示すものであり、ヨークを一部変更した以外は前述の実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この電磁アクチュエータMにおいては、図10(a),(b)及び図11に示すように、ヨーク110´が、接合可能に二分された、第1磁極部111を有する第1ヨーク110aと、第2磁極部112を有する第2ヨーク110bとにより形成されている。
【0031】
第1ヨーク110aは、図10(a),(b)に示すように、第1円弧状対向面111a及び第1端面対向部111bを画定する第1磁極部111、ヨーク110´全体の板厚Wよりも薄板状に形成された板厚W1をなす接合片114aを備えている。
第2ヨーク110bは、図10(a),(b)に示すように、第2円弧状対向面112a及び第2端面対向部112bを画定する第2磁極部112、ヨーク110´全体の板厚Wよりも薄板状に形成された板厚W2をなす接合片114bを備えている。
接合片114a,114bは、第1ヨーク110a及び第2ヨーク110bをお互いに重ね合わせて接合するべく、ヨーク110´(第1磁極部111及び第2磁極部112)の厚さWよりも薄板状に形成されている。具体的には、接合片114aの厚さW1と接合片114bの厚さW2は、それぞれヨーク110´の厚さWの半分又は半分以下に形成されている。すなわち、W1+W2≦Wの関係をなすように形成されている。
【0032】
そして、ヨーク110´は、図11に示すように、保持部材130の嵌合孔133に対して、接合片114a及び接合片114bをお互いに重ね合わせるように嵌合して、保持部材130に固定される。
このように、接合片114a,114b同士を重ね合わせることで、第1ヨーク110aと第2ヨーク110bを接合することができるため、磁路の面積を十分確保することができ、又、一体形成されたヨークと同様に同一板厚に形成することができる。
また、ヨーク110´が略U字状をなすと共に第1磁極部111又は第2磁極部112の先端側が例えばL字状に屈曲していても、第1ヨーク110aと第2ヨーク110bに二分されているため、保持部材130の嵌合孔133(コイル120を巻回するボビン131の内側に形成された嵌合孔133等)に容易に挿入して固定することができ、組付け作業性が向上する。
【0033】
図12(a),(b)は、本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、ヨークを一部変更した以外は前述の図6に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この電磁アクチュエータMにおいては、図12(a),(b)に示すように、ヨーク210が、第1磁極部111において第1円弧状対向面111a及び第1側面対向部111cを画定し、第2磁極部112において第2円弧状対向面112a及び第2端面対向部112bを画定するように形成されている。
第1側面対向部111cは、ロータ100が回転範囲の一方側の回転端P1に位置するとき、突出部104の周方向を向く側面104bと所定の隙間をおいて対向するように形成されている。
【0034】
この電磁アクチュエータMによれば、ロータ100が回転範囲の一方側の回転端P1に位置するときに、突出部104の側面104bがヨーク210の第1磁極部111に形成された第1側面対向部111cと対向するため、ロータ100が一方側の回転端P1に位置するときの保持力(磁気的吸引力)及び一方側の回転端P1から他方側の回転端P2に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができ、又、ロータ100が回転範囲の他方側の回転端P2に位置するときに、突出部104の端面104aがヨーク210の第2磁極部112に形成された第2端面対向部112bと対向するため、ロータ100が他方側の回転端P2に位置するときの保持力(磁気的吸引力)及び他方側の回転端P2から一方側の回転端P1に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができる。
【0035】
図13及び図14は、本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、ヨークを一部変更した以外は前述の図6に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この電磁アクチュエータMにおいては、図13に示すように、ヨーク310が、第1磁極部111において、第1円弧状対向面111a、第1端面対向部111b、第1側面対向部111cを画定し、又、第2磁極部112において、第2円弧状対向面112a、第2端面対向部112b、第2側面対向部112cを画定するように形成されている。
第1側面対向部111cは、ロータ100が回転範囲の一方側の回転端P1に位置するとき、突出部104の周方向を向く側面104bと所定の隙間をおいて対向するように形成されている。
第2側面対向部112cは、ロータ100が回転範囲の他方側の回転端P2に位置するとき、突出部104の周方向を向く側面104cと所定の隙間をおいて対向するように形成されている。
【0036】
そして、ロータ100が回転範囲の一方側の回転端P1に位置するとき、突出部104の端面104aがヨーク310の第1磁極部111に形成された第1端面対向部111bと対向すると共に、突出部104の側面104bがヨーク310の第1側面対向部111cと対向するようになっている。
したがって、ロータ100が一方側の回転端P1に位置するときの保持力(磁気的吸引力)を増加させることができ、又、一方側の回転端P1から他方側の回転端P2に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができる。
また、ロータ100が回転範囲の他方側の回転端P2に位置するとき、突出部104の端面104aがヨーク310の第2磁極部112に形成された第2端面対向部112bと対向すると共に、突出部104の側面104cがヨーク310の第2磁極部112に形成された第2側面対向部112cと対向するようになっている。
したがって、ロータ100が他方側の回転端P2に位置するときの保持力(磁気的吸引力)を増加させることができ、又、他方側の回転端P2から一方側の回転端P1に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができる。
【0037】
この電磁アクチュエータMの動作について、図14を参照しつつ説明すると、先ず、コイル120に非通電の状態で、図14(a)に示すように、ロータ100が時計回り(回転範囲の一方側)の回転端P1に位置するとき、着磁ロータ部102の磁極の境界線が第1円弧状対向面111a及び第2円弧状対向面112aの各々の中間位置からずれた位置にあり、又、突出部104の端面104aが第1端面対向部111bと対向し、突出部104の側面104bが第1側面対向部111cと対向しているので、S極外周面102bと第1磁極部111の第1円弧状対向面111aとの間、N極外周面102aと第2磁極部112の第2円弧状対向面112aとの間、突出部104の端面104aと第1磁極部111の第1端面対向部111b、さらに突出部104の側面104bと第1磁極部111の第1側面対向部111cとの間に、それぞれ磁気的吸引力が生じており、ロータ100は時計回りの回転端P1に(羽根部材30がストッパ16に当接して位置決めされることで)位置決めされて確実に保持される。
この状態は、カメラ用羽根駆動装置において、羽根部材30が、図8に示すように、ストッパ16に当接して、開口部10a,20aから退避した退避位置(開放位置)に位置決めされた状態に対応する。
【0038】
この状態において、コイル120に所定向きの通電が行われると、図14(b)に示すように、第1磁極部111にS極が発生し、第2磁極部112にN極が発生する。
これにより、S極外周面102bと第1磁極部111の第1円弧状対向面111aとの間、N極外周面102aと第2磁極部112の第2円弧状対向面112aとの間、突出部104の端面104aと第1磁極部111の第1端面対向部111bとの間、さらに突出部104の側面104bと第1磁極部111の第1側面対向部111cとの間に、それぞれ電磁力による反発力が生じて、ロータ100は反時計回りに回転し始める。
【0039】
そして、ロータ100が反時計回りに回転する際に、回転範囲(作動角θ)の中間位置までは、突出部104の端面104aと第1磁極部111の第1端面対向部111bとの間に生じる反発力が大きく作用し、中間位置を過ぎると、突出部104の端面104aと第2磁極部112の第2端面対向部112bとの間に生じる吸引力が大きく作用して、ロータ100は、安定した回転力を維持しつつ回転を続け、図14(c)に示すように、着磁ロータ部102の磁極の境界線が第1円弧状対向面111a及び第2円弧状対向面112aの各々の中間位置からずれた状態で、反時計回りの回転端P2に(羽根部材30がストッパ17に当接して位置決めされることで)位置決めされて停止する。
【0040】
この状態において、コイル120の通電が断たれると、図14(d)に示すように、突出部104の端面104aと第2磁極部112の第2端面対向部112bとの間、S極外周面102bと第2磁極部112の第2円弧状対向面112aとの間、N極外周面102aと第1磁極部111の第1円弧状対向面111aとの間、さらに突出部104の側面104cと第2磁極部112の第2側面対向部112cとの間に、それぞれ磁気的吸引力が生じて、ロータ100は反時計回りの回転端P2に確実に保持される。
この状態は、カメラ用羽根駆動装置において、羽根部材30が、図9に示すように、ストッパ17に当接して、開口部10a,20aに臨む位置(閉鎖位置)に位置決めされた状態に対応する。
【0041】
一方、コイル120に逆向きの通電が行われると、第1磁極部111及び第2磁極部112にそれぞれ逆の磁極が発生し、ロータ100は、図14(d)に示す反時計回りの回転端P2に位置する状態から逆の経路を辿って安定して時計回りに回転し、図14(a)に示す時計回りの回転端P1にて位置決めされて保持される。
このとき、カメラ用羽根駆動装置においては、羽根部材30は、図9に示すように開口部10a,20aに臨む位置(閉鎖位置)からから図8に示すように開口部10a,20aから退避した位置(開放位置)に移動して位置決めされる。
【0042】
このように、ロータ100に対してS極外周面102bと同一の磁極に着磁された突出部104を設け、ヨーク310に対して突出部104の端面104aと対向する第1端面対向部111b及び第2端面対向部112b並びに突出部104の側面104b,104cと対向する第1側面対向部111c及び第2側面対向部112cを設けたことにより、ロータ100とヨーク310の間において効率の良い磁気回路を形成することができ、小型化を達成しつつ、所望の駆動トルク、磁気的付勢力(磁気的吸引力、磁気的反発力)等を確保することができ、ロータ100を回転端P1,P2に保持する保持力の強化、ロータ100の高速化等を達成することができる。また、この電磁アクチュエータMをカメラ用羽根駆動装置の駆動源として用いた場合に、羽根部材30を円滑にかつ安定して駆動することができる。
【0043】
図15(a),(b)は、本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、ヨークを一部変更した以外は前述の図13に示す実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この電磁アクチュエータMにおいては、図15(a),(b)に示すように、ヨーク410が、第1磁極部111において第1円弧状対向面111a及び第1側面対向部111cを画定し、第2磁極部112において第2円弧状対向面112a及び第2端面対向部112b並びに第2側面対向部112cを画定するように形成されている。
【0044】
この電磁アクチュエータMによれば、ロータ100が回転範囲の一方側の回転端P1に位置するときに、突出部104の側面104bがヨーク410の第1磁極部111に形成された第1側面対向部111cと対向するため、ロータ100が一方側の回転端P1に位置するときの保持力(磁気的吸引力)及び一方側の回転端P1から他方側の回転端P2に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができ、又、ロータ100が回転範囲の他方側の回転端P2に位置するときに、突出部104の端面104aがヨーク410の第2磁極部112に形成された第2端面対向部112bと対向し、突出部104の側面104cがヨーク410の第2磁極部112に形成された第2側面対向部112cと対向するため、ロータ100が他方側の回転端P2に位置するときの保持力(磁気的吸引力)及び他方側の回転端P2から一方側の回転端P1に向けて回転する際の回転トルクを増加させることができる。
【0045】
図16(a),(b)及び図17(a),(b)は、本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態に示すヨーク310,410に対して、一部を変形したロータ100´を適用した以外は、前述の実施形態と同一であるため、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
この電磁アクチュエータMにおいては、図16(a)及び図17(a)に示すように、ロータ100´が、駆動ピン103と異なる角度位置から突出した突出部104を備えている。
この場合は、駆動ピン103の機械的強度はそれ程要求されない場合に適しており、特に、突出部104に対して駆動ピン103の配置を自由に設定することができるため、電磁アクチュエータMの配置の自由度を高めることができ、それ故に、カメラ用羽根駆動装置の駆動源として適用される際に、装置の設計自由度を高めることができる。
【0046】
上記実施形態においては、一つの羽根部材30を駆動する駆動源として本発明に係る電磁アクチュエータMを採用したカメラ用羽根駆動装置を示したが、これに限定されるものではなく、複数の羽根部材を駆動する駆動源として本発明に係る電磁アクチュエータを採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上述べたように、本発明の電磁アクチュエータは、小型化を達成しつつも、所望の保持力及び駆動トルクを発生することができるため、カメラ用羽根駆動装置の駆動源として適用できるのは勿論のこと、被動部材を往復動させる必要のあるその他の光学機器あるいは電子機器等の駆動源として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る電磁アクチュエータを備えたカメラ用羽根駆動装置を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の平面図である。
【図3】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の背面図である。
【図4】図1に示すカメラ用羽根駆動装置の断面図である。
【図5】図1に示すカメラ用羽根駆動装置に含まれる電磁アクチュエータの一部をなすロータを示す斜視図である。
【図6】図1に示すカメラ用羽根駆動装置に含まれる電磁アクチュエータの一部をなすロータ及びヨークを示す平面図である。
【図7】(a),(b),(c),(d)は、図1に示す装置に含まれる電磁アクチュエータの動作を説明するためのそれぞれの状態を示す平面図である。
【図8】カメラ用羽根駆動装置の動作を説明するためのものであり、羽根部材が開口部から退避した退避位置にある状態を示す平面図である。
【図9】カメラ用羽根駆動装置の動作を説明するためのものであり、羽根部材が開口部に臨む位置にある状態を示す平面図である。
【図10】本発明に係る電磁アクチュエータの他の実施形態を示すものであり、(a)はロータ及びヨークを示す平面図、(b)ロータ及びヨークを示す側面図である。
【図11】図10に示す電磁アクチュエータの一部をなすヨーク及び保持部材を示す分解平面図である。
【図12】本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、(a)はロータ及びヨークを示す平面図、(b)ロータ及びヨークを示す側面図である。
【図13】本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものでありロータ及びヨークを示す平面図である。
【図14】(a),(b),(c),(d)は、図13に示す電磁アクチュエータの動作を説明するためのそれぞれの状態を示す平面図である。
【図15】本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、(a)はロータ及びヨークを示す平面図、(b)ロータ及びヨークを示す側面図である。
【図16】本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、(a)及び(b)はロータ及びヨークを示す平面図である。
【図17】本発明に係る電磁アクチュエータのさらに他の実施形態を示すものであり、(a)及び(b)はロータ及びヨークを示す平面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 地板(基板)
10a 開口部
11 支軸
12 貫通孔
13 凹部
14 ネジ穴
15 支軸
16,17 ストッパ
20 裏板(基板)
20a 開口部
21 長孔
22,23 円孔
30 羽根部材
31 円孔
32 長孔
M 電磁アクチュエータ(駆動源)
100,100´ ロータ
P1 回転範囲の一方側の回転端
P2 回転範囲の他方側の回転端
101 貫通孔
102 着磁ロータ部
102a N極外周面
102b S極外周面
103 駆動ピン
103a 腕部
103b ピン部
103c 抜け止め片
104 突出部
104a 端面
104b,104c 側面
110,110´,210,310,410 ヨーク
111 第1磁極部
111a 第1円弧状対向面
111b 第1端面対向部
111c 第1側面対向部
112a 第2円弧状対向面
112b 第2端面対向部
112c 第2側面対向部
110a 第1ヨーク
110b 第2ヨーク
113 位置決め円孔
114a,114b 接合片
120 励磁用のコイル
130 保持部材
131 ボビン部
132 平板部
133 嵌合孔
134 円孔
C 羽根室
B ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の外周面及び前記外周面から径方向に突出して外部に駆動力を及ぼす駆動ピンを有し所定の回転範囲を回動し得るロータと、励磁用のコイルと、前記ロータの外周面に対向する円弧状対向面を画定しかつ前記コイルへの通電によりお互いに異なる磁極が発生する第1磁極部及び第2磁極部を有するヨークと、を備えた電磁アクチュエータであって、
前記ロータは、前記外周面を画定すると共に周方向に異なる磁極に着磁された着磁ロータ部と、前記外周面から径方向に突出して径方向外側を向く端面及び周方向を向く側面を画定すると共にその外周面と同一の磁極に着磁された突出部を含み、
前記ヨークは、前記第1磁極部又は前記第2磁極部において、前記ロータが前記回転範囲の回転端に位置するとき、前記突出部の端面と対向する端面対向部を有する、
ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記着磁ロータ部は、周方向に二分されるN極外周面及びS極外周面を有し、
前記突出部は、前記N極外周面及びS極外周面の一方から突出するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項3】
前記突出部は、前記外周面から前記駆動ピンと同一方向に突出して一体的に形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記ヨークは、前記第1磁極部又は前記第2磁極部において、前記ロータが前記回転範囲の回転端に位置するとき、前記突出部の側面と対向する側面対向部を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記ヨークは、一端側に前記第1磁極部及び他端側に前記第2磁極部を有するべく略U字状に屈曲して形成され、かつ、前記ロータが前記回転範囲の一方側の回転端に位置するとき前記突出部の端面と対向するべく前記第1磁極部に形成された第1端面対向部と、前記ロータが前記回転範囲の他方側の回転端に位置するとき前記突出部の端面と対向するべく前記第2磁極部に形成された第2端面対向部とを有し、
前記ヨークは、接合可能に二分された、前記第1磁極部を有する第1ヨークと前記第2磁極部を有する第2ヨークとにより形成されている、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載の電磁アクチュエータ。
【請求項6】
被写体光を通す開口部を有する基板と、前記開口部に臨む位置と前記開口部から退避した退避位置との間を移動自在に設けられた羽根部材と、前記羽根部材を駆動する駆動源とを備え、
前記駆動源は、請求項1ないし5いずれか一つに記載の電磁アクチュエータである、
ことを特徴とするカメラ用羽根駆動装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−244518(P2009−244518A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89893(P2008−89893)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】